JPH11171750A

JPH11171750A - 口腔用組成物

Info

Publication number: JPH11171750A
Application number: JP35411797A
Authority: JP
Inventors: Takashi Yamamoto; 高司山本; Mari Kikawa; 真理木川; Yoshichika Ebine; 慶周海老根; Yasuo Kikuchi; 康夫菊池
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1997-12-08
Filing date: 1997-12-08
Publication date: 1999-06-29

Abstract

(57)【要約】【解決手段】平均粒径が２００μｍ以下の結晶セルロ
ースとミリスチル硫酸ナトリウムとを含有することを特
徴とする口腔用組成物。【効果】本発明の口腔用組成物は、上記結晶セルロー
スとミリスチル硫酸ナトリウムを組み合わせたことによ
り、舌苔除去効果の高いものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、優れた舌苔除去効
果を有する口腔用組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
歯磨等の口腔用組成物に口臭防止効果を付与するため
に、ローズマリー等の植物抽出物、グルコン酸銅、クエ
ン酸銅等の銅化合物等を配合することが知られている
（特開昭５９−５１１０号、特開平１−１６８６１０号
公報）。また、生理的口臭の主原因である舌苔を除去す
るため、舌ブラシ等の補助用具（実開昭６３−１１１１
１６号、実開平５−２９４９０号公報）も種々提案され
ている。

【０００３】しかしながら、上記口臭予防効果を有する
成分を用いても、生理的口臭の主原因である舌苔（口腔
衛生学会雑誌４６，４８２〜４８３（１９９６））を取
り除く作用は不十分である。また、舌ブラシ等だけで、
強い力で何回も舌を磨いた場合、舌の表面を傷付け、味
覚障害などを起こす可能性もある。従って、数回の舌ブ
ラッシングで効率的に舌苔を除去できる口腔用組成物の
開発が望まれている。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記要望に応えるため鋭意検討を重ねた結
果、平均粒径が２００μｍ以下の結晶セルロースと、ミ
リスチル硫酸ナトリウムとを併用することにより、意外
にも結晶セルロースとミリスチル硫酸ナトリウムとが相
乗的に作用して舌苔除去効果が飛躍的に向上した口腔用
組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至った
ものである。

【０００５】なお、結晶領域の割合が少ないセルロース
粉末では、ミリスチル硫酸ナトリウムとの相乗効果が認
められず、本発明の目的を達し得ない。また、ミリスチ
ル硫酸ナトリウム以外のアルキル硫酸塩であるオクチル
硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸
ナトリウムでは、結晶セルロースとの相乗効果が認めら
れず、本発明の目的を達し得ない。

【０００６】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液状歯磨等の
歯磨剤、洗口剤、口腔用パスタなどとして調製されるも
ので、平均粒径が２００μｍ以下の結晶セルロースと、
ミリスチル硫酸ナトリウムとを併用して配合することを
特徴とするものである。

【０００７】本発明で用いる結晶セルロースは、繊維性
植物からパルプとして得られたα−セルロースを酸加水
分解又はアルカリ加水分解して得られる実質的に一定の
重合度を有するセルロース結晶子集合体をいい、例え
ば、インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケ
ミストリー，第４２巻（１９５０），第５０２〜５０７
頁に記載されているオー・エー・パチスタ氏の報文に定
義されているようなものである。なお、上記結晶セルロ
ースの中で、本発明は乾燥状態での平均粒径が５０〜２
００μｍのものが好適に使用し得る。

【０００８】ここで、結晶セルロースの配合量は組成物
全体の０．２〜２０％（重量％、以下同じ）、特に０．
５〜５％の範囲が好ましい。配合量が０．２％未満では
十分な舌苔除去効果が得られない場合があり、２０％を
超えると使用感が悪くなる場合がある。

【０００９】また、ミリスチル硫酸ナトリウムの配合量
は０．１〜５％、特に０．５〜４％の範囲が好ましい。
配合量が０．１％未満では十分な舌苔除去効果が得られ
ない場合があり、５％を超えると使用感が悪くなる場合
がある。

【００１０】本発明の口腔用組成物には、上述した成分
に加えて更にその目的、組成物の種類等に応じた適宜な
成分を配合することができる。例えば、歯磨組成物の場
合には、研磨剤としてリン酸水素カルシウム・二水和物
及びリン酸水素カルシウム・無水和物、炭酸カルシウ
ム、ピロリン酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウ
ム、非晶質シリカ、結晶性シリカ、沈降性無定形シリ
カ、アルミノシリケート、酸化アルミニウム、水酸化ア
ルミニウム、レジン、第三リン酸マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、ゼオライト等の基材の１種又は２種以上を
混合して用いることができる。更にカルボキシメチルセ
ルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸
塩、カラゲナン、アラビアガム、キサンタンガム、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン等の粘結剤、ソルビット、
グリセリン、プロピレングリコール等の粘稠剤、ペパー
ミント、スペアミント等の精油、ｌ−メントール、カル
ボン、オイゲノール、アネトール等の香料素材などの香
料、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ネオヘス
ペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラル
チン、ｐ−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチ
ン等の甘味剤、安息香酸ナトリウム、パラベン類等の防
腐剤、更に塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、溶菌酵
素、ムタナーゼ、クロロヘキシジン又はその塩、ソルビ
ン酸、アレキシジン、ヒノキチオール、塩化セチルピリ
ジニウム、塩化ベンゼトニウム、トリクロサン、アラン
トイン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アズ
レン、ビタミンＥ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フ
ッ化ナトリウム、フッ化第一錫、第四アンモニウム化合
物、塩化ナトリウム、水溶性第一もしくは第二リン酸
塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン
酸塩などの有効成分等、色素、溶剤としてエタノール、
水などを配合し得る。

【００１１】更に、従来から使用されている界面活性
剤、例えばラウリル硫酸エステル塩、α−オレフィンス
ルホン酸塩、Ｎ−アシルザルコシン塩、脂肪酸モノグリ
セリド硫酸エステル塩等のアニオン活性剤、ショ糖脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ングリコールブロックポリマー、ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油、脂肪酸モノアルカノールアミド等のノニオ
ン活性剤、イミダゾリニウムベタイン、アルキルアミド
ベタイン、アミンオキサイド等の両性活性剤などを、本
発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。

【００１２】

【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、上記結晶セル
ロースとミリスチル硫酸ナトリウムを組み合わせたこと
により、舌苔除去効果の高いものである。

【００１３】

【実施例】以下、実験例及び実施例により本発明の効果
を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限され
るものではない。

【００１４】〔実験例〕舌苔のついた人を被験者（Ｎ＝
１０人）として、表１（本発明品），表２（比較品）に
示す種類の歯磨サンプル１ｇを歯ブラシに取り、通常の
方法で歯磨をした後、舌を１０回磨いた。舌苔の除去効
果を目視で５段階評価し、その有効性を確認した。評価
データは、被験者１０人の平均で示した。結果を表１，
２に併記する。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【表２】

【００１７】表１，２の結果より、結晶セルロースとミ
リスチル硫酸ナトリウムとを併用した組成は、それぞれ
単独で使用した組成よりも舌苔除去効果が高まることが
わかる。なお、ミリスチル硫酸ナトリウム以外のアルキ
ル硫酸塩には、結晶セルロースによる相乗効果がみられ
なかった。また、単なるセルロース粉末にも、ミリスチ
ル硫酸ナトリウムによる相乗効果がみられなかった。更
に、結晶セルロースの中でも、平均粒径５０〜２００μ
ｍの粒径のものとの相乗効果が大きいことがわかる。

【００１８】〔実施例１〕練歯磨無水ケイ酸１８．０重量％グリセリン（８５％）４５．０プロピレングリコール２．５ラウリル硫酸ナトリウム１．０トリクロサン０．０２フッ化ナトリウム０．２１カルボキシメチルセルロースナトリウム０．８カラゲナン０．４サッカリンナトリウム０．１香料１．０結晶セルロース（平均粒径１２０μｍ）５．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．８精製水残計１００．０重量％

【００１９】〔実施例２〕練歯磨歯磨用リン酸水素カルシウム４６．０重量％ソルビット（７０％）２５．０プロピレングリコール３．０ラウリル硫酸ナトリウム０．５ＰＯＥ硬化ヒマシ油０．３トラネキサム酸０．０５グリチルリチン酸ジカリウム０．０５カルボキシメチルセルロースナトリウム１．０カラゲナン０．２サッカリンナトリウム０．１香料０．８結晶セルロース（平均粒径１６０μｍ）２．０ミリスチル硫酸ナトリウム１．２精製水残計１００．０重量％

【００２０】〔実施例３〕練歯磨水酸化アルミニウム４５．０重量％ソルビット（７０％）３０．０プロピレングリコール１．５ラウリル硫酸ナトリウム１．０ラウリン酸デカグリセリル０．５グリチルリチン酸ジカリウム０．１モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３カルボキシメチルセルロースナトリウム１．０ポリアクリル酸ナトリウム０．３サッカリンナトリウム０．２香料０．８結晶セルロース（平均粒径１２０μｍ）１．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．５精製水残計１００．０重量％

【００２１】〔実施例４〕練歯磨炭酸カルシウム４２．０重量％グリセリン（８５％）２５．０プロピレングリコール２．５ラウリル硫酸ナトリウム１．５トラネキサム酸０．１モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３カルボキシメチルセルロースナトリウム１．５サッカリンナトリウム０．１香料１．０結晶セルロース（平均粒径１６０μｍ）３．０ミリスチル硫酸ナトリウム１．０精製水残計１００．０重量％

【００２２】〔実施例５〕練歯磨無水ケイ酸２３．０重量％ソルビット（７０％）３０．０プロピレングリコール２．０ラウリル硫酸ナトリウム１．２ＰＯＥ硬化ヒマシ油０．５トリクロサン０．１フッ化ナトリウム０．２１カルボキシメチルセルロースナトリウム１．２カラゲナン０．３サッカリンナトリウム０．１香料１．２結晶セルロース（平均粒径２５μｍ）１０．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．８精製水残計１００．０重量％

【００２３】〔実施例６〕練歯磨歯磨用リン酸水素カルシウム４２．０重量％ソルビット（７０％）２５．０プロピレングリコール３．０ラウリル硫酸ナトリウム１．５モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３キサンタンガム０．６ポリアクリル酸ナトリウム０．６サッカリンナトリウム０．２香料１．０結晶セルロース（平均粒径４０μｍ）５．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．６精製水残計１００．０重量％

【００２４】〔実施例７〕液状歯磨無水ケイ酸１５．０重量％ソルビット（７０％）６０．０プロピレングリコール３．０ラウリン酸デカグリセリル２．０トラネキサム酸０．１フッ化ナトリウム０．２１キサンタンガム０．２ポリアクリル酸ナトリウム０．６サッカリンナトリウム０．２香料０．８結晶セルロース（平均粒径１６０μｍ）１．０ミリスチル硫酸ナトリウム１．２精製水残計１００．０重量％

【００２５】〔実施例８〕液状歯磨無水ケイ酸９．０重量％ソルビット（７０％）４０．０プロピレングリコール５．０ラウリル硫酸ナトリウム０．５トリクロサン０．３モノフルオロリン酸ナトリウム０．７３キサンタンガム０．３ポリアクリル酸ナトリウム０．３サッカリンナトリウム０．１香料０．９結晶セルロース（平均粒径１２０μｍ）２．０ミリスチル硫酸ナトリウム２．０精製水残計１００．０重量％

【００２６】〔実施例９〕液状歯磨無水ケイ酸１５．０重量％グリセリン（８５％）１０．０ソルビット（７０％）１５．０プロピレングリコール３．０ラウリル硫酸ナトリウム１．５グリチルリチン酸ジカリウム０．１フッ化ナトリウム０．２１カラゲナン０．２キサンタンガム０．４サッカリンナトリウム０．１香料１．２結晶セルロース（平均粒径１６０μｍ）３．０ミリスチル硫酸ナトリウム１．０精製水残計１００．０重量％

【００２７】〔実施例１０〕洗口剤グリセリン２０．０重量％エタノール１５．０ＰＯＥ硬化ヒマシ油２．０トラネキサム酸０．０５結晶セルロース（平均粒径７０μｍ）５．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．８香料０．７精製水残計１００．０重量％

【００２８】〔実施例１１〕洗口剤エタノール２０．０重量％ＰＯＥセチルエーテル３．０トリクロサン０．０２結晶セルロース（平均粒径４０μｍ）２．０ミリスチル硫酸ナトリウム０．５香料０．２精製水残計１００．０重量％

【００２９】〔実施例１２〕パスタヒドロキシエチルセルロース１．０重量％ソルビット３５．０ＰＯＥステアリルエーテル２．０トリクロサン０．１結晶セルロース（平均粒径１２０μｍ）８．０ミリスチル硫酸ナトリウム１．０香料０．３精製水残計１００．０重量％

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者菊池康夫東京都墨田区本所１丁目３番７号ライオン株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】平均粒径が２００μｍ以下の結晶セルロ
ースとミリスチル硫酸ナトリウムとを含有することを特
徴とする口腔用組成物。