JP2005294598A - 電解コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 低ESR特性を有し、さらに高温、寿命特性も良好な電解コンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明の電解コンデンサは、アルミニウム上の均一に結晶化した層とこの層上のけい素を含む層からなる誘電体皮膜を有する陽極箔を備えるコンデンサ素子内に、水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 及び水 を主成分とする溶媒を含有しているので、アルミニウム上の均一に結晶化した層の耐水性が高く、けい素を含む層が水分の誘電体皮膜への接触を抑制して、電解液の低比抵抗特性とあいまって、低ESR特性を有し、高温寿命特性も良好である。
【選択図】 なし







Description

この発明は、電解コンデンサにかかり、特に低ESR特性および高温、寿命特性の良好な電解コンデンサに関する。
アルミ電解コンデンサは一般的には以下のような構成を取っている。すなわち、帯状に形成された高純度のアルミニウム箔を化学的あるいは電気化学的にエッチングを行って拡面処理するとともに、拡面処理したアルミニウム箔をホウ酸アンモニウム水 溶液等の化成液中にて化成処理することによりアルミニウム箔の表面に酸化皮膜層を形成させた陽極箔と、同じく高純度のアルミニウム箔を拡面処理した陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子が形成される。そしてこのコンデンサ素子には駆動用の電解液が含浸され、金属製の有底筒状の外装ケースに収納される。さらに外装ケースの開口端部は弾性ゴムよりなる封口体が収納され、さらに外装ケースの開口端部を絞り加工により封口を行い、アルミ電解コンデンサを構成する。
ところで、近年、電子情報機器はデジタル化され、さらにこれらの電子情報機器の心臓部であるマイクロプロセッサ(MPU)の駆動周波数の高速化がすすんでいる。これに伴って、消費電力の増大化が進み、発熱による信頼性の問題が顕在化し、対策として、駆動電圧の低減化が図られてきた。ここで、マイクロプロセッサに高精度な電力を供給する回路として、電圧制御モジュール(VRM)と呼ばれるDC−DCコンバーターが広く使用されており、その出力側コンデンサには電圧降下を防ぐため直列等価抵抗(ESR)の低いコンデンサが多数用いられている。これらの電解コンデンサとしては、電解液に水 を多量に含有させて電解液の比抵抗を低減させた低ESR特性を有する電解コンデンサがある(特許文献1)。
特開2001−319833号公報
しかしながら、このような電解コンデンサには高温、長寿命という要求があり、前記の電解液に水 を多量に含有させた電解コンデンサにおいては、電極箔の水和劣化によって高温寿命試験中に特性が劣化するという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、低ESR特性を有し、さらに高温、寿命特性も良好な電解コンデンサを提供するものである。
本発明の電解コンデンサは、アルミニウム上の均一に結晶化した層とこの層上のけい素を含む層からなる誘電体皮膜を有する陽極箔を備えるコンデンサ素子内に、水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 及び水 を主成分とする溶媒を含有したことを特徴とする。
本発明の電解コンデンサに用いるアルミニウム陽極箔ついて説明する。本発明に用いるアルミニウム陽極箔の誘電体皮膜は従来の陽極箔に比べて、均一に結晶化した層を有し、さらにこの層上の均一に結晶化した層からなる。そして、このけい素を含む層の厚みは誘電体皮膜の30%以下である。そして、TEM−EDXの元素分析でのけい素の含有率は、誘電体皮膜の表面で40〜60wt%である。さらに誘電体皮膜の表面には3〜9wt%のリンを含有しており、このリンは表面からアルミニウム層にむかって30%を越える厚みの地点で1wt%以下に減少している。
ここで通常は電解液に水 を主成分とする溶媒を用いた場合、電極箔の水 和劣化が著しくなって放置後の特性の劣化、開弁の発生という問題があった。しかしながら、本発明においては水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 をコンデンサ素子内に含有しているので、この結合体 が電解液中にリン酸 イオンを放出し、電解液中のリン酸イオンを適正量に保持して電極箔の水 和劣化を防止するので、放置後の特性も良好である。
以上の陽極箔と陰極箔のそれぞれに電極引出し手段を接続し、セパレータを介して巻回する。ここで前述した本発明の陽極泊と従来の陰極箔、従来の陽極箔と本発明の陰極箔を用いて、本発明の効果を得ることができるが、本発明の陽極箔と陰極箔の双方を用いることによって、最大の効果を得ることができる。
そして、このようにして形成したコンデンサ素子に本発明の水を主成分とする溶媒を用いた電解液を含浸し、有低筒状の金属ケースに収納し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工により封口する。
溶媒中の水 の含有率は、35〜100wt%であり、75wt%以下では低温特性が良好なので、好ましくは、35〜75wt%である。
ここで、コンデンサ素子内に水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 を含有させる。この水 溶性結合体 は、キレート化剤と水 溶液中で金属イオンを生成する化合物(以下、金属生成性化合物)とリン酸 イオンを生成する化合物(以下、リン酸 生成性化合物)とを溶媒に溶解することによって得ることができる。すなわち、この溶液中で、キレート化剤と金属生成性化合物が溶液中で生成した金属がキレート化して水 溶性の金属錯体 を形成する。さらにこの水 溶性の金属錯体 にリン酸 生成性化合物が溶液で生成したリン酸イオンが反応して水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 (以下、水 溶性結合体 )を形成する。ここで用いる溶媒は、キレート化剤、金属生成性化合物、リン酸 生成性化合物を溶解する溶媒であればよく、なかでも水 、エチレングリコール、γ−ブチロラクトン等が好ましい。そして、このようにして形成した水 溶性結合体 を電解液中に添加してコンデンサ素子内に含有させることができる。また、この水 溶性結合体 を電極箔またはセパレータに塗布等によって付着させて、コンデンサ素子内に含有させてもよい。
また、キレート化剤と金属生成性化合物とリン酸 生成性化合物とを添加した電解液をコンデンサ素子に含浸することによって、コンデンサ素子内に水 溶性結合体 を含有させることもできる。この電解液中では前述したような溶媒中での反応と同様の反応によって水 溶性結合体 が形成され、この電解液をコンデンサ素子に含浸することによって水 溶性結合体 をコンデンサ素子内に含有させることができる。また、電極箔がアルミニウムの場合、電極箔からアルミニウムイオンが溶解するので、金属生成性化合物を添加することなく、水 溶性のアルミニウム錯体にリン酸 イオンが結合した結合体 を形成することができるので好適である。
このようにして含有させた水 溶性結合体 が、電解液中にリン酸 イオンを徐々に放出し、電解液中のリン酸イオンを長期間にわたって適正量に保持する。そして、この適正量に保持されたリン酸イオンによって、放置特性が良好に保たれる。
キレート化剤としては、以下のものが挙げられる。すなわち、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシマロン酸、α−メチルリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸等のα−ヒドロキシカルボン酸類、γ−レゾルシル酸、β−レゾルシル酸、トリヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタル酸、ジヒドロキシフタル酸、フェノールトリカルボン酸、アウリントリカルボン酸、エリオクロムシアニンR等の芳香族ヒドロキシカルボン酸類、スルホサリチル酸等のスルホカルボン酸類、ジシアンジアミド等のグアニジン類、ガラクトース、グルコース等の糖類、リグノスルホン酸塩等のリグニン類、そして、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、トリエチレンテトラミン六酢酸(TTHA)等のアミノポリカルボン酸類またはこれらの塩である。そして、これらの塩としては、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等を用いることができる。
金属生成性化合物としては金属または金属化合物を挙げることができる。金属としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、マンガン、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、バリウム、鉛、チタン、ニオブ、タンタル等、キレート化剤と錯体を形成する金属を用いることができる。また、金属化合物としては、酸化物、水 酸化物、塩化物、また硫酸塩、炭酸塩等の金属塩など、溶媒中で金属イオンを生成する化合物を用いることができる。なかでも、アルミニウムが好ましい。
そして、リン酸 生成性化合物として、一般式(化1)で示されるリン化合物又はこれらの塩もしくはこれらの縮合体又はこれらの縮合体の塩を挙げることができる。


(式中、R1 、R2 は、−H、−OH、−R3 、−OR4 :R3 、R4 は、アルキル基、アリール基、フェニル基、エーテル基)
これらのリン酸 生成性化合物としては、以下のものを挙げることができる。正リン酸 、亜リン酸 、次亜リン酸 、及びこれらの塩、これらの塩としては、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩である。正リン酸 及びこの塩は、水 溶液中で分解してリン酸 イオンを生じる。また、亜リン酸 、次亜リン酸 、及びこれらの塩は、水 溶液中で分解して、亜リン酸 イオン、次亜リン酸 イオンを生じ、その後に酸化してリン酸イオンとなる。
また、リン酸 エチル、リン酸 ジエチル、リン酸 ブチル、リン酸 ジブチル等のリン酸 化合物、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリメチレンホスホン酸、フェニルホスホン酸等のホスホン酸化合物等が挙げられる。また、メチルホスフィン酸、ホスフィン酸ブチル等のホスフィン酸化合物が挙げられる。
さらに、以下のような、縮合リン酸 又はこれらの塩をあげることができる。ピロリン酸 、トリポリリン酸 、テトラポリリン酸 等の直鎖状の縮合リン酸 、メタリン酸 、ヘキサメタリン酸 等の環状の縮合リン酸 、又はこのような鎖状、環状の縮合リン酸 が結合したものである。そして、これらの縮合リン酸 の塩として、アンモニウム塩、アルミニウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩等を用いることができる。
これらも、水 溶液中でリン酸 イオンを生ずるか、もしくは、亜リン酸 イオン、次亜リン酸 イオンを生じ、その後に酸化してリン酸イオンとなる、リン酸 生成性化合物である。
なお、これらの中でも、容易にリン酸 イオンを生ずる正リン酸 またはその塩、縮合リン酸 、またはリン酸 化合物が好ましい。さらに、添加量に対して、比較的速やかに、多くのリン酸 イオンを生ずる正リン酸 、ピロリン酸 、トリポリリン酸 等の直鎖状の縮合リン酸 、またはその塩が好ましい。なお、これらの化合物以外でも、水 溶液中でリン酸 イオンを生ずる物質であれば、本発明の効果を得ることができる。
また、電解液に含まれる溶質としては、通常電解コンデンサ用電解液に用いられる、酸の共役塩基をアニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が挙げられる。アミン塩を構成するアミンとしては一級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、二級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、三級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第四級アンモニウム塩を構成する第四級アンモニウムとしてはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)、ピリジウム(1−メチルピリジウム、1−エチルピリジウム、1,3−ジエチルピリジウム等)が挙げられる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカチオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オキシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジメチル−5(4)−アミノイミダゾール等のニトロおよびアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物(1−メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾリン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5等)等である。
アニオン成分としては、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸、あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物、りん酸、炭酸、けい酸等の無機酸の共役塩基を挙げることができる。これらの中で好ましいのは、デカンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、蟻酸等の有機カルボン酸、または、硼酸、硼酸の多価アルコール錯化合物である。
そして、溶質としてアジピン酸またはその塩の少なくとも一種を用いると、さらにESRが低減する。このアジピン酸またはその塩の含有率は電解液中、5〜23wt%であり、好ましくは8〜18wt%である。この範囲以上では、比抵抗が低下し、この範囲以下では、低温特性が良好である。その他の上記溶質の含有率も電解液全体の約5〜23wt%、好ましくは8〜18wt%である。
さらにESRを低減するには、溶質として蟻酸またはその塩を用いることが好ましい。これらの含有量は電解液中、3〜15wt%、好ましくは6〜12wt%である。この範囲未満ではESR低減の効果が少なく、この範囲を越えるとガス発生によってフクレ、開弁が発生する。さらに、3〜15wt%の有機酸またはそれらの塩を添加するとESRは低減する。この有機酸としては、前記のアジピン酸、グルタル酸等を挙げることができる。これらの中でアジピン酸が好ましい。
また、本発明の電解液においては、水 を主成分とする溶媒を用いるものであるが、副溶媒として、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒、水 、及びこれらの混合物を用いることができる。プロトン性極性溶媒としては、一価アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロペンタノール、ベンジルアルコール、等)、多価アルコール及びオキシアルコール化合物類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、1,3−ブタンジオール、メトキシプロピレングリコール等)などがあげられる。非プロトン性極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類(γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等)、環状アミド類(N−メチル−2−ピロリドン等)、カーボネート類(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等)、ニトリル類(アセトニトリル等)、オキシド類(ジメチルスルホキシド等)、2−イミダゾリジノン系〔1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(n−プロピル)−2−イミダゾリジノン等)、1,3,4−トリアルキル−2−イミダゾリジノン(1,3,4−トリメチル−2−イミダゾリジノン等)〕などが代表としてあげられる。
また、電解コンデンサの寿命特性を安定化する目的で、ニトロフェノール、ニトロ安息香酸、ニトロアセトフェノン、ニトロベンジルアルコール、2−(ニトロフェノキシ)エタノール、ニトロアニソール、ニトロフェネトール、ニトロトルエン、ジニトロベンゼン等の芳香族ニトロ化合物を添加することができる。
また、電解コンデンサの安全性向上を目的として、電解液の耐電圧向上を図ることができる非イオン性界面活性剤、多価アルコールと酸化エチレン及び/または酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル化合物、ポリビニルアルコールを添加することもできる。
また、本発明の電解コンデンサ用電解液に、硼酸、多糖類(マンニット、ソルビット、ペンタエリスリトールなど)、硼酸と多糖類との錯化合物、コロイダルシリカ等を添加することによって、さらに耐電圧の向上をはかることができる。
また、漏れ電流の低減の目的で、オキシカルボン酸化合物等を添加することができる。
本発明の電解コンデンサは、アルミニウム上の均一に結晶化した層とこの層上のけい素を含む層からなる誘電体皮膜を有する陽極箔を備えるコンデンサ素子内に、水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 及び水 を主成分とする溶媒を含有しているので、アルミニウム上の均一に結晶化した層の耐水性が高く、けい素を含む層が水分の誘電体皮膜への接触を抑制して、電解液の低比抵抗特性とあいまって、低ESR特性を有し、高温寿命特性も良好である。
次に本発明の電解コンデンサの実施例を示す。
電解コンデンサ用アルミニウム陽極箔は以下のようである。100μmのアルミニウム箔にピット径が1μmのエッチングを行い、化成処理によって0.5μmの均一に結晶化した層と0.14μmの均一に結晶化した層からなる誘電体皮膜を形成した。このようにして形成した陽極箔のピット径は0.45μmであった。この誘電体皮膜のTEM−EDXの元素分析結果は以下のようであった。誘電体皮膜表面の各元素の含有率はけい素50wt%、アルミニウム40wt%、リン6wt%、表面から0.1μmの地点ではけい素0.5wt%、アルミニウム90wt%、リン4.5wt%、表面から0.2μmの地点ではけい素0.1wt%以下、アルミニウム99wt%以上、リン0.5wt%であった。
以上の陽極箔とアルミニウムエッチング箔からなる陰極箔をセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成した。このコンデンサ素子に電解コンデンサ用電解液を含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、次いで、加熱して再化成して、定格6.3V−5600Vのアルミニウム電解コンデンサを作成した。
用いた電解コンデンサ用電解液は以下のようにして作成した。まず水 10部にジエチレントリアミン五酢酸1部、水 酸化アルミニウム0.2部、リン酸 二水 素アンモニウム1部を添加し、キレート化反応及びリン酸 イオン結合反応を完結させ、水 溶性結合体 を作成した。次いで、この水 溶性結合体 の水 溶液を、水 42部、エチレングリコール34部、アジピン酸アンモニウム14部、からなる電解液に添加して、本発明の電解液を作成した。
以上の電解コンデンサを実施例として105℃、1000時間無負荷放置後のtanδ、漏れ電流を測定した。また、比較例として従来のほう酸を含む誘電体皮膜を有する陽極箔を用い、実施例と同様に電解コンデンサを形成して同様の試験を行った。結果は、実施例0.068、33μA、比較例0.069、15μAであった。以上のように本発明の電解コンデンサは、低ESR特性を有し、高温寿命特性も良好である。

Claims (3)

  1. アルミニウム上の均一に結晶化した層とこの層上のけい素を含む層からなる誘電体皮膜を有する陽極箔を備えるコンデンサ素子内に、水 溶性の金属錯体 にリン酸 イオンが結合した結合体 及び水 を主成分とする溶媒を含有した電解コンデンサ。
  2. 金属錯体 がアルミニウム錯体である請求項1記載の電解コンデンサ。
  3. 溶媒中の水 の含有率が35〜100wt%である、請求項1記載のアルミ電解コンデンサ。
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