JPH08213288A - 電解コンデンサ用陽極箔およびその製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用陽極箔およびその製造方法

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JPH08213288A
JPH08213288A JP1730795A JP1730795A JPH08213288A JP H08213288 A JPH08213288 A JP H08213288A JP 1730795 A JP1730795 A JP 1730795A JP 1730795 A JP1730795 A JP 1730795A JP H08213288 A JPH08213288 A JP H08213288A
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JP
Japan
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oxide layer
aluminum
foil
aluminum foil
silicon oxide
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JP1730795A
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English (en)
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Kazuhiko Suzuki
和彦 鈴木
Toshiro Shinohara
敏郎 篠原
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Mitsubishi Shindoh Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shindoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電解コンデンサ用陽極箔の漏れ電流の低減お
よび耐電圧特性の向上を図る。 【構成】 アルミニウム箔の表面に化成処理により酸化
アルミニウム層を形成したうえ、この酸化アルミニウム
層上に、膜厚が0.002〜0.1μmの酸化ケイ素層
を蒸着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解コンデンサの陽極
材料として使用される陽極箔に関し、特に、電解コンデ
ンサの漏れ電流を低減するとともに耐電圧特性の向上を
図るための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、リードを接続した一
対の金属箔(陽極箔および陰極箔)とセパレータ紙とを
交互に挟んで円筒状に巻回し、これに電解液を含浸させ
たうえ、ケース内に密封することにより製造されてい
る。前記陽極箔および陰極箔の材料としては、アルミニ
ウム箔が最も一般に使用されており、その場合、陽極箔
には予め化成処理を施して酸化アルミニウム層(Al2
3膜)を形成することが通常行われている。また、コ
ンデンサの静電容量を増す必要がある場合には、陽極箔
および陰極箔にエッチング処理を施し、その表面に微細
な凹凸を形成して表面積を増大することが従来より行わ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は電子
機器の小型軽量化に伴い、電子部品である電解コンデン
サを小型化する要求も強まっている。電解コンデンサを
小型化するには、電極箔やセパレータ紙を薄くしたり、
前記のように電極箔を粗面化して表面積を拡大するなど
の改良が加えられるが、それに伴ってコンデンサの漏れ
電流の増大、および耐電圧特性の低下が生じる傾向があ
る。このため、小型化を図るためには、静電容量の増大
ばかりでなく、これらの問題を改善することが必須であ
る。
【0004】しかし、従来の化成処理により酸化アルミ
ニウム層が形成されたアルミニウム陽極箔では、形成さ
れる酸化アルミニウム層が多孔性で孔部を多く含むた
め、陽極箔の表面には局部的に絶縁性の低い箇所が生じ
ることが避けられず、たとえその厚さを大きくしても、
漏れ電流の低減および耐電圧特性の向上には限界があっ
た。このため、コンデンサの小型化につれて、漏れ電流
の低減および耐電圧特性をさらに向上することが強く望
まれている。本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、漏れ電流の低減および耐電圧特性の向上が図れる電
解コンデンサ用陽極箔を提供することを課題としてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る電解コンデンサ用陽極箔は、アルミニ
ウム箔の表面に化成処理により酸化アルミニウム層が形
成されたうえ、この酸化アルミニウム層上に、膜厚が
0.002〜0.1μmの酸化ケイ素層が蒸着されてい
ることを特徴とする。なお、この明細書でいうアルミニ
ウム箔とは、アルミニウム合金箔を含むものと定義す
る。本発明ではアルミニウム箔の厚さは限定されず、電
解コンデンサとして要求される規格に応じて決定すれば
よい。
【0006】なお、コンデンサの静電容量を増大する必
要がある場合には、アルミニウム箔の表面が0.5〜2
0μmRmaxに予め粗面化されていてもよい。アルミ
ニウム箔の表面粗さが0.5μmRmax未満である
と、その表面積を増大する効果は得られずコンデンサ容
量の増大効果が得られない。他方、20μmRmaxよ
り大であると金属箔の強度が低下するおそれがある。よ
り好ましくは1〜15μmRmaxである。アルミニウ
ム箔を粗面化するには、周知の通り、電解エッチングや
乾式エッチング等の方法が採用できる。ただし、本発明
に使用するアルミニウム箔は必ずしも粗面化されていな
くてもよい。
【0007】酸化ケイ素層の厚さが0.002μm(=
20オングストローム)未満の場合には、酸化アルミニ
ウム層の絶縁特性を向上する効果が不十分になる。ま
た、酸化ケイ素層の厚さを0.1μmより厚くしても、
コストがかかるばかりで酸化アルミニウム層の絶縁特性
はそれ以上向上しない。効果とコストのバランスからす
ると、より好ましい酸化ケイ素層の厚さは0.005〜
0.05μmである。
【0008】前記の厚さで酸化ケイ素を蒸着すると、酸
化アルミニウム層の絶縁性が大幅に改善されるため、コ
ンデンサの漏れ電流を低減し、耐電圧特性を改善すると
いう従来知られていなかった顕著な効果が得られる。
【0009】なお、酸化ケイ素層は0.002〜0.1
μmという極めて薄い膜であるうえ、下地となる酸化ア
ルミニウム層は化成処理で形成された多孔質構造である
から、酸化ケイ素層は緻密な膜ではなく多孔質膜になっ
ているものと考えられる。それにも拘わらず、酸化ケイ
素層により酸化アルミニウム層の絶縁性が改善される理
由について、本発明者らは次のように推測している。
【0010】すなわち、酸化アルミニウム層の孔部で
は、下地のアルミニウム相が露出して他の部分に比して
相対的に活性が高くなっているため、酸化ケイ素を蒸着
する過程で、酸化アルミニウム層表面に到着した酸化ケ
イ素が表面拡散し、露出しているアルミニウム相に集中
して定着する。ケイ素は特にアルミニウムとの親和性に
優れているので、この選択的定着が顕著である。この
時、特にアルミニウム相の活性点すなわちキンクやステ
ップ等の欠陥部に集中的に定着するため、アルミニウム
相のイオン化が阻止され、酸化アルミニウム層の絶縁特
性を向上すると考えられる。
【0011】上記構成からなる電解コンデンサ用陽極箔
を製造するには、まずアルミニウム箔を用意した後、必
要に応じてエッチングして粗面化処理する。エッチング
処理は、酸溶液等の電解質溶液にアルミニウム箔を浸漬
し、これを陽極として前記溶液に浸漬した陰極との間で
通電するなどの方法により可能である。
【0012】次に、アルミニウム箔または粗面化したア
ルミニウム箔を化成処理し、その両面を陽極酸化して酸
化アルミニウム層を形成する。化成処理条件は従来と同
様でよく、例えば硼酸溶液にアルミニウム箔を浸漬して
陽極とする一方、同様に浸漬した陰極との間で通電する
等の手法が採られる。
【0013】次に、酸化アルミニウム層を形成したアル
ミニウム箔の両面に、膜厚が0.002〜0.1μmと
なるように酸化ケイ素層を蒸着する。酸化ケイ素層の形
成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等の周知の方法が可能であり、蒸着
条件も通常通りでよい。
【0014】蒸着を完了したアルミニウム箔をそのまま
電解コンデンサ用陽極箔として使用してもよいが、さら
に絶縁特性を向上するためには、酸化ケイ素層が形成さ
れたアルミニウム箔に、再び化成処理を施すことも有効
である。このように再度の化成処理を行うと、酸化ケイ
素層でマスクされなかったアルミニウム相の露出部分を
マスクする効果が得られるので、一層の絶縁特性向上が
図れる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて効果を実証す
る。純度99.99%、厚さ40μmのエッチング処理
していない平滑なアルミニウム箔の両面に以下の条件で
化成処理を行い、陽極酸化を施した。 化成処理液組成: 硼酸 100g 純水 1000g 比抵抗 3600Ωcm pH 3.0 電流密度: 250mA 処理温度: 85℃ 化成時間: 20分間 印加電圧(Vf): 565V 一方、純度99.99%、厚さ70μmのアルミニウム
箔を、エッチング処理によりRmax:3μm程度に粗
面化した後、前記と同一の条件で化成処理を行った。
【0016】次いで、これら2種のアルミニウム箔の両
面に、SiO膜を、20,50,100,500,10
00,2000オングストロームの計6種類の厚さに真
空蒸着し、計12種類のアルミニウム箔を作成した。蒸
着時の真空度は5×10-3Paとした。さらに、蒸着処
理を施さない2種のアルミニウム箔および蒸着処理済み
の上記12種類のアルミニウム箔について、再び前述と
同一の条件で化成処理を行った。
【0017】こうして得られた電解コンデンサ用陽極箔
からそれぞれ10mm×50mmの試験片をそれぞれ切
り出し、EIAJ RC−2364に規定される方法で
静電容量を測定した。試験条件は以下の通りである。 測定液:五ほう酸アンモニウム80g/蒸留水1000
ml 測定液に3分間浸漬後の値を測定値とした。 測定温度:30℃ 計測器:HP株式会社製LCRメーター4326A(商
品名) 印可電圧:120Hz、50mV
【0018】さらに、各電解コンデンサ用陽極箔に対
し、前記化成処理液中における単位面積あたりの漏れ電
流(mA/cm2)、および1mA/cm2流れたときの
電圧値(V)をそれぞれ測定した。1mA/cm2 流れ
たときの電圧値は、絶縁破壊が起きる直前の電圧値に相
当し、ここでは耐電圧として評価した。以上の結果を表
1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、SiO層を形成
したことにより電解コンデンサ用陽極箔の絶縁特性が改
善され、静電容量の低下を極力抑えつつ漏れ電流および
耐電圧特性を向上することができた。改善効果は、特に
粗面化処理を行わない電解コンデンサ用陽極箔において
顕著だった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電解
コンデンサ用陽極箔は、アルミニウム箔の表面に化成処
理により酸化アルミニウム層を形成したうえ、この酸化
アルミニウム層上に、膜厚が0.002〜0.1μmの
酸化ケイ素層を蒸着したものであるから、酸化ケイ素皮
膜によって酸化アルミニウム層の絶縁特性を効果的に向
上し、静電容量の低下を極力抑えつつ、電解コンデンサ
の漏れ電流の低減および耐電圧特性の向上が図れる。
【0022】一方、本発明に係る電解コンデンサ用陽極
箔の製造方法によれば、化成処理を施すことによりアル
ミニウム箔の表面を酸化して酸化アルミニウム層を形成
した後に、膜厚が0.002〜0.1μmとなるように
酸化ケイ素層を蒸着するので、蒸着された酸化ケイ素が
熱拡散して、酸化アルミニウム層の孔部から露出したア
ルミニウム相の活性点を効果的にマスクする。これによ
り、漏れ電流の低減および耐電圧特性の向上が図れる。
さらに、酸化ケイ素層が形成されたアルミニウム箔に、
再び化成処理を施した場合には、より一層の漏れ電流の
低減および耐電圧特性の向上が図れる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム箔の表面に化成処理により
    酸化アルミニウム層が形成されたうえ、この酸化アルミ
    ニウム層上に膜厚が0.002〜0.1μmの酸化ケイ
    素層が蒸着されていることを特徴とする電解コンデンサ
    用陽極箔。
  2. 【請求項2】 前記アルミニウム箔の表面は0.5〜2
    0μmRmaxに粗面化されていることを特徴とする請
    求項1記載の電解コンデンサ用陽極箔。
  3. 【請求項3】 化成処理を施すことによりアルミニウム
    箔の表面を酸化して酸化アルミニウム層を形成する工程
    と、前記酸化アルミニウム層を形成したアルミニウム箔
    上に膜厚が0.002〜0.1μmとなるように酸化ケ
    イ素層を蒸着する工程とを具備することを特徴とする電
    解コンデンサ用陽極箔の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化ケイ素層が形成されたアルミニ
    ウム箔に、再び化成処理を施す工程をさらに具備するこ
    とを特徴とする請求項3記載の電解コンデンサ用陽極箔
    の製造方法。
JP1730795A 1995-02-03 1995-02-03 電解コンデンサ用陽極箔およびその製造方法 Withdrawn JPH08213288A (ja)

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