JP2005293852A - リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005293852A
JP2005293852A JP2004102371A JP2004102371A JP2005293852A JP 2005293852 A JP2005293852 A JP 2005293852A JP 2004102371 A JP2004102371 A JP 2004102371A JP 2004102371 A JP2004102371 A JP 2004102371A JP 2005293852 A JP2005293852 A JP 2005293852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current collector
thin film
secondary battery
lithium secondary
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004102371A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromasa Yagi
弘雅 八木
Hiroyuki Minami
博之 南
Katsunobu Sayama
勝信 佐山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP2004102371A priority Critical patent/JP2005293852A/ja
Publication of JP2005293852A publication Critical patent/JP2005293852A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極と、正極と、非水電解質を備えるリチウム二次電池において、充放電容量が大きく、サイクル特性に優れた電池を得る。
【解決手段】 集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池において、薄膜が集電体表面の主成分と異なる金属を含み、かつ該金属の濃度が薄膜の集電体側から表面側に向かって減少していることを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法に関するものである。
近年、高出力及び高エネルギー密度の新型二次電池の1つとして、非水電解質を用い、リチウムイオンを正極と負極との間で移動させて充放電を行うリチウム二次電池が利用されている。
このようなリチウム二次電池用電極として、リチウムと合金化する材料を負極活物質として用いたものが検討されている。リチウムと合金化する材料としては、例えばシリコンが検討されている。しかしながら、シリコン等のリチウムと合金化する材料は、リチウムを吸蔵・放出する際に、活物質の体積が膨張・収縮するため、充放電に伴い活物質が微粉化したり、活物質が集電体から脱離する。このため、電極内の集電性が低下し、充放電サイクル特性が悪くなるという問題があった。
本出願人は、非晶質シリコン薄膜や微結晶シリコン薄膜などのリチウムを吸蔵・放出する活物質薄膜を集電体上に堆積して形成した電極が、高い充放電容量を示し、かつ優れた充放電サイクル特性を示すことを見出している(特許文献1)。
このような電極において、活物質薄膜はその厚み方向に形成された切り目によって柱状に分離されており、該柱状部分の底部が集電体と密着した構造を有している。このような構造を有する電極では、柱状部分の周囲に隙間が形成されており、この隙間によって充放電サイクルに伴う薄膜の膨張・収縮による応力が緩和され、活物質薄膜が集電体から剥離するような応力の発生を抑制することができるため、優れた充放電サイクル特性が得られる。
また、本出願人は、シリコンを主成分とする薄膜に、コバルト等のリチウムと合金化しない金属を添加することにより、リチウムの吸蔵・放出の際の体積の膨張・収縮が抑制され、長期の充放電サイクル特性が向上することを見出している(特許文献2)。
しかしながら、リチウムと合金化しない金属を添加すると、活物質の単位体積当たりの充放電容量が低下するという問題を生じる。
国際公開第01/29913号パンフレット 国際公開第02/71512号パンフレット
本発明の目的は、充放電容量が大きく、サイクル特性に優れたリチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法を提供することにある。
本発明のリチウム二次電池は、集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池であり、薄膜が集電体表面の主成分とは異なる金属を含み、かつ該金属の濃度が薄膜の集電体側から表面側に向かって減少していることを特徴としている。
上記の集電体表面の主成分と異なる金属としては、リチウムと合金化しない金属が好ましく用いられる。このような金属としては、コバルト、鉄、亜鉛、及びジルコニウムが好ましく用いられ、これらのうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
本発明においては、上記金属の濃度が、薄膜の集電体側から表面側に向かって減少するように含まれているので、集電体と薄膜の界面近傍においては、該金属の濃度が高く、充放電時における薄膜の体積変化が少ないため、薄膜の剥離が防止される。また、薄膜の表面近傍においては、該金属の濃度が低いので、シリコンの含有量が相対的に多くなり、充放電容量の低下を抑制することができる。この結果、優れた充放電サイクル特性と高いエネルギー密度を両立させたリチウム二次電池とすることができる。
また、本発明において、該金属の濃度は薄膜の集電体側から表面に向かって単調にかつ連続的に減少していることが好ましい。該金属の濃度が不連続に変化している場所が存在すると、充放電時に局所的な応力が発生するため、薄膜脱落の原因となり易い。
本発明において、薄膜の集電体側における該金属の濃度は、5〜100原子%の範囲であることが好ましく、表面側における濃度は0〜50原子%の範囲であることが好ましい。
本発明における活物質の薄膜は、リチウムを吸蔵すると体積が膨張し、リチウムを放出すると体積が収縮する。このような体積の膨張及び収縮により薄膜に切れ目が形成される。特に、集電体表面に凹凸が存在すると、切れ目がより発生し易くなる。
すなわち、表面に凹凸を有する集電体の上に活物質の薄膜を堆積して形成することにより、活物質の薄膜の表面にも、下地層である集電体表面の凹凸に対応した凹凸を形成することができる。このような薄膜の凹凸の谷部と、集電体表面の凹凸の谷部を結ぶ領域に、低密度領域が形成され易い。上記切れ目は、このような領域に沿って形成され、これによって薄膜が柱状に分離される。
本発明において、集電体表面は、上述のように凹凸が形成されていることが好ましい。従って、集電体表面は粗面化されていることが好ましい。集電体表面の算術平均粗さRaは0.1μm以上であることが好ましく、0.1〜1μmであることがさらに好ましい。算術平均粗さRaは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められている。算術平均粗さRaは、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
集電体表面を粗面化する方法としては、めっき法、気相成長法、エッチング法、及び研磨法などが挙げられる。めっき法及び気相成長法は、金属箔からなる集電体の上に、表面に凹凸を有する薄膜層を形成することにより、表面を粗面化する方法である。めっき法としては、電解めっき法及び無電解めっき法が挙げられる。また、気相成長法としては、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等が挙げられる。エッチング法としては、物理的エッチングや化学的エッチングによる方法が挙げられる。また、研磨法としては、サンドペーパーによる研磨やブラスト法による研磨等が挙げられる。
本発明における集電体は、導電性金属箔から形成されていることが好ましい。導電性金属箔としては、例えば、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金のものを挙げることができる。特に、活物質材料中に拡散し易い金属元素を含有するものが好ましい。このようなものとしては、銅元素を含む金属箔、特に銅箔または銅合金箔が挙げられる。銅合金箔としては、耐熱性銅合金箔を用いることが好ましい。耐熱性銅合金とは、200℃1時間の焼鈍後の引張り強度が300MPa以上である銅合金を意味している。このような耐熱性銅合金箔の上に、算術平均粗さRaを大きくするために、電解法により銅層または銅合金層を設けた集電体が好ましく用いられる。
耐熱性銅合金としては、表1に示すようなものが挙げられる。
Figure 2005293852
本発明において、活物質は、CVD法、スパッタリング法、蒸着法またはめっき法により集電体上に堆積して形成された薄膜であることが好ましい。
本発明において、非水電解質の溶質としては、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C25SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物が例示される。
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではなく、リチウム二次電池の溶媒として用いることができるものであればよい。溶媒としては、環状カーボネートあるいは鎖状カーボネートが好ましい。環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレンカーボネートが好ましく用いられる。鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等が挙げられる。さらに溶媒としては、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であることが好ましい。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを含む混合溶媒であることが好ましい。
また、上記環状カーボネートと、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル系溶媒との混合溶媒も好ましく用いられる。
また、本発明においては、電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリル等のポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質であってもよい。
本発明において、正極活物質としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiCo0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12などのリチウム含有遷移金属酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。また、この他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法は、集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極であって、薄膜が集電体表面の主成分と異なる金属を含み、かつ該金属の濃度が薄膜の集電体側から表面側に向かって減少しているリチウム二次電池用負極を製造する方法であり、上記金属の放出源をシリコンの放出源より手前に配置し、これらの放出部の上を集電体が通過することにより集電体の上に薄膜が形成されることを特徴としている。
本発明の製造方法によれば、上記本発明のリチウム二次電池における負極を容易に製造することができる。
本発明の製造方法において、薄膜の形成は、気相中に原料を放出して供給する方法で行うことが好ましい。このような方法によれば、集電体表面の凹凸に対してほぼ均一に薄膜を堆積させることができるので、集電体表面の凹凸形状にほぼ対応した凹凸形状を薄膜表面に形成することができる。気相中に原料を放出して供給することにより薄膜を形成する方法としては、例えば、蒸着法、スパッタリング法などが挙げられる。
本発明のリチウム二次電池においては、充放電により活物質薄膜の体積が膨張・収縮しても、集電体近傍にはシリコン以外の金属が多く存在しているので、集電体近傍での体積の膨張・収縮が抑制され、薄膜が脱離するのを防止することができる。また、薄膜の表面近傍においては相対的にシリコンが多く存在するので、高い充放電容量を得ることができる。従って、本発明によれば、充放電容量が大きく、サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
本発明のリチウム二次電池用負極の製造方法によれば、上記本発明のリチウム二次電池に用いる負極を容易に製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実験1)
〔負極の作製〕
集電体として、表面に電解法で銅を析出させることにより、表面に凹凸を形成した粗面化耐熱性銅合金(ジルコニウム銅合金)圧延箔(表面粗さRa0.25μm、厚み31μm)を用いた。この集電体の上に、図1に示すスパッタリング装置を用いて非晶質薄膜を堆積した。詳細な薄膜形成条件を表2に示す。
Figure 2005293852
図1に示す装置においては、チャンバー1内にローラー2、ローラー3、及び支持ローラー4が設けられており、通常、集電体5はローラー2に巻き付けられており、支持ローラー4が図面に示す矢印の方向に回転することにより、支持ローラー4の外周面に沿って集電体5が移動し、ローラー3に巻き取られる。チャンバー1の中央部の支持ローラー4の周りには防着板10が設けられており、防着板10より下の部分に第1のスパッタ源6及び第2のスパッタ源9が設けられている。第1のスパッタ源6には高周波電源7が接続されており、第2のスパッタ源9には直流パルス電源8が接続されている。これらの電源からスパッタ源に電圧が印加されることにより、プラズマが発生する。第1のスパッタ源6は、集電体5の通常の移動方向の上流側に設けられており、第2のスパッタ源9は下流側に設けられている。
図1に示す装置を用いて具体的には、以下のようにして薄膜を形成した。第1のスパッタ源及び第2のスパッタ源に、使用するターゲットを装着する。チャンバー内を1×10-4Paまで真空排気した後、アルゴンをチャンバー内に導入してガス圧力を安定させる。ガス圧力が安定した状態で、所定時間第1のスパッタ源に高周波電力を、第2のスパッタ源に直流パルス電力を印加しながら集電体をゆっくり移動させ、各スパッタ源に対向する場所を順次通過させることによって非晶質薄膜を形成した。負極a1及びb1の場合は、集電体を移動させる方向及び速度によって、非晶質薄膜中のコバルト濃度分布を調整した。負極b2及びb3の場合は、第2のスパッタ源のみを用いるため、形成される非晶質薄膜の組成は、ターゲット材料によって調整した。形成された非晶質薄膜のコバルト濃度は、蛍光X線分析法によって測定した。非晶質薄膜中のコバルト濃度を変化させると、単位体積当たりのリチウムを吸蔵放出する量が変化する。このため、予めリチウム金属対極を使用した電池を試作し、対リチウム金属電位が0〜2Vの範囲で充放電を行った場合に単位負極面積当たりのリチウム吸蔵放出量が同じになるようにそれぞれの薄膜の厚みを調整している。
得られた非晶質薄膜を集電体とともに2.5cm×2.5cmの大きさに切取り、負極タブを取り付けることにより負極a1及びb1〜b3を作製した。負極a1及びb1〜b3の薄膜中におけるコバルトの濃度を表3に示す。
Figure 2005293852
表3から明らかなように、負極a1においては、集電体側から表面側に向かってコバルト濃度が減少している。これに対し、負極b1では、表面側から集電体側に向かってコバルトの濃度が減少している。負極b2においては、薄膜の厚み方向においてコバルトの濃度がほぼ均一である。負極b3においては、薄膜中にコバルトが含有されていない。
〔正極の作製〕
LiCoO2粉末90重量部、及び導電材としての人造黒鉛粉末5重量部を、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレンを5重量部含む5重量%のN−メチルピロリドン水溶液に添加混合し、正極合剤スラリーとした。このスラリーをドクターブレード法により、正極集電体であるアルミニウム箔(厚み18μm)の2cm×2cmの領域の上に塗布した後乾燥し、正極活物質層を形成した。正極活物質を塗布しなかったアルミニウム箔の領域の上に正極タブを取り付け、正極とした。
〔非水電解質の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを3:7の体積比で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解した液を調製し、これにさらにビニレンカーボネートを5重量%添加し、非水電解質を作製した。
〔電池の作製〕
図3は、作製したリチウム二次電池を示す斜視図である。図4は、作製したリチウム二次電池を示す模式的断面図である。図4に示すように、アルミラミネートフィルムからなる外装体40内に、正極及び負極が挿入されている。負極集電体41の上には、負極活物質としてのシリコンを含む薄膜42が設けられており、正極集電体43の上には、正極活物質層44が設けられている。薄膜42と正極活物質層44は、セパレータ45を介して対向するように配置されている。外装体40内には、非水電解質46が注入されている。外装体40の端部は溶着により封口されており、封口部40aが形成されている。負極集電体41に取り付けられた負極タブ47は、この封口部40aを通り外部に取り出されている。なお、図4に図示されないが、正極集電体43に取り付けられた正極タブ48も、同様に、封口部40aを通り外部に取り出されている。
上記のようなリチウム二次電池を、負極a1及びb1〜b3と上記正極及び非水電解質を用いて作製した。負極a1を用いたものを電池A1、負極b1〜b3を用いたものを電池B1〜B3とした。
〔充放電サイクル試験〕
上記のようにして作製したリチウム二次電池A1及びB1〜B3について、充放電サイクル試験を行った。充放電の条件は、充電電流13mAで充電終止電圧4.2Vとなるまで充電した後、放電電流13mAで放電終止電圧2.75Vとなるまで放電し、これを1サイクルの充放電として、各電池について、初期放電容量、最大放電容量、100サイクル目の放電容量及び容量維持率、200サイクル目の放電容量及び容量維持率を求めた。容量維持率は、最大放電容量を100%とした値である。結果を表4に示す。
Figure 2005293852
表4に示す結果から明らかなように、電池A1及びB2は、電池B1及びB3に比較して、良好なサイクル特性が得られている。これは、薄膜中において均一にあるいは集電体側のコバルト濃度が高くなるようにコバルトを添加することにより、サイクル特性が改善されることを示している。しかしながら、電池A1及びB2の薄膜中の平均コバルト濃度はほぼ同じであるにもかかわらず、電池A1の方が良好なサイクル特性を示している。これは、集電体側のコバルト濃度が高くなるように添加することによって、より優れたサイクル特性が得られることを示している。一方、薄膜全体にさらに高い濃度で均一にコバルトを添加することによってもサイクル特性を向上させることができるが、薄膜の体積当たりの充放電容量が急激に減少するため、必要な膜厚が大きくなって効率良く電極を作製することができなくなる。従って、本発明に従う負極a1は、薄膜へのコバルト添加による充放電容量の添加を抑制しつつ、優れた充放電サイクル特性を実現している。
このような効果は、コバルト添加に限定されるものではなく、鉄、亜鉛、ジルコニウムなどを添加しても、同様の効果が得られる。
(実験2)
〔負極の作製〕
実験1と同様の集電体を用い、図2に示す蒸着装置により、この集電体の上に非晶質薄膜を形成した。薄膜形成条件を表5に示す。
Figure 2005293852
図2に示す装置においては、チャンバー21内に、ローラー22、ローラー23、及び支持ローラー24が設けられており、集電体25は、ローラー22に巻き取られている。支持ローラー24が、図2に示す矢印の方向に回転することにより、集電体25は、支持ローラー24の外周面に沿って移動し、ローラー23に巻き取られる。チャンバー21の支持ローラー24の周囲には防着板28が設けられている。防着板28より下の部分に第1の蒸着源26及び第2の蒸着源27が設けられている。第1の蒸着源26は、集電体25が移動してくる上流側に設けられており、第2の蒸着源27は下流側に設けられている。
具体的な薄膜の堆積は以下のようにして行った。すなわち、チャンバー内を5×10-5Paまで真空排気した後、第1の蒸着源及び第2の蒸着源の蒸着材料を入れておいたるつぼに所定の電力の電子ビームを照射することによりそれぞれの材料を蒸発させ、集電体を矢印の方向に送りながら非晶質薄膜を堆積させた。第1の蒸着源及び第2の蒸着源を単独で使用した場合に堆積される薄膜を蛍光X分析法によって評価し、2つ同時に使用した場合のCoの濃度分布を求めた。非晶質薄膜中のコバルト濃度を変化させると、単位体積当たりのリチウムを吸蔵放出する量が変化する。このため、予めリチウム金属対極を使用した電池を試作し、対リチウム金属電位が0〜2Vの範囲で充放電を行った場合に、単位面積当たりのリチウム吸蔵放出量が同じになるように薄膜の厚みを調整している。
得られた薄膜を集電体とともに2.5cm×2.5cmの大きさに切取り、負極タブを取り付けることにより、負極a2及びb4,b5を得た。
負極a2及びb4,b5における薄膜中のコバルト濃度を表6に示す。
Figure 2005293852
表6から明らかなように、電極a2においては、集電体側から表面側に向かってコバルト濃度が減少している。これに対し、負極b4においては、表面側から集電体側に向かってコバルト濃度が減少している。負極b5においては、薄膜全体においてコバルト濃度がほぼ均一である。
〔正極及び非水電解質の作製〕
実験1と同様にして正極及び非水電解質を作製した。
〔電池の作製〕
上記負極a2及びb4,b5を用いて、実験1と同様にして電池A2及び電池B4,B5を作製した。
〔充放電サイクル試験〕
上記のように作製したリチウム二次電池A2及びB4,B5について、実験1と同様の条件で充放電サイクル試験を行った。結果を表7に示す。
Figure 2005293852
表7に示す結果から明らかなように、電池A2は、電池B4及びB5に比較して良好なサイクル特性を示している。これは、薄膜全体に均一にコバルトを添加しても、サイクル特性の向上は僅かしか得られず、薄膜中の平均コバルト濃度が同等でも、集電体側のコバルト濃度を高くすることにより、大幅に良好なサイクル特性が得られることを示している。薄膜全体にさらに高い濃度で均一にコバルトを添加することによっても、サイクル特性を向上させることも可能であるが、上述のように薄膜の体積当たりの充放電容量が急激に減少するため必要な膜厚が大きくなり、効率的に電極を作製することができなくなる。
本発明に従う実施例において用いたスパッタリング法による薄膜形成装置を示す模式的断面図。 本発明に従う実施例において用いた蒸着法による薄膜形成装置を示す模式的断面図。 本発明の実施例において作製したリチウム二次電池を示す斜視図。 本発明の実施例において作製したリチウム二次電池を示す模式的断面図。
符号の説明
1…チャンバー
2,3…ローラー
4…支持ローラー
5…集電体
6…第1のスパッタ源
7…高周波電源
8…直流パルス電源
9…第2のスパッタ源
10…防着板
21…チャンバー
22,23…ローラー
24…支持ローラー
25…集電体
26…第1の蒸着源
27…第2の蒸着源
28…防着板

Claims (8)

  1. 集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池において、
    前記薄膜が前記集電体表面の主成分とは異なる金属を含み、かつ該金属の濃度が前記薄膜の集電体側から表面側に向かって減少していることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記金属の濃度が、前記薄膜の集電体側から表面側に向かって単調にかつ連続的に減少していることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記金属が、コバルト、鉄、亜鉛、及びジルコニウムから得られる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記集電体表面の算術平均粗さRaが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記集電体が耐熱性銅合金を含む箔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記集電体が、表面に電解銅層または電解銅合金層を設けた耐熱性銅合金箔であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  7. 集電体表面上に堆積させたシリコンを含む薄膜を活物質として用いた負極であって、前記薄膜が前記集電体表面の主成分と異なる金属を含み、かつ該金属の濃度が前記薄膜の集電体側から表面側に向かって減少しているリチウム二次電池用負極を製造する方法において、
    気相中に原料を放出して供給する方法であって、前記金属の放出源を前記シリコンを含む原料の放出源より手前に配置し、これらの放出源の上を前記集電体が通ることにより、前記集電体上に前記薄膜が形成されることを特徴とするリチウム二次電池用負極の製造方法。
  8. 前記薄膜の形成が、蒸着法またはスパッタリング法で行われることを特徴とする請求項7に記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
JP2004102371A 2004-03-31 2004-03-31 リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法 Pending JP2005293852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004102371A JP2005293852A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004102371A JP2005293852A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005293852A true JP2005293852A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35326577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004102371A Pending JP2005293852A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005293852A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006260944A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
CN112514116A (zh) * 2018-08-23 2021-03-16 株式会社Lg化学 硅类复合材料、包含其的负极和锂二次电池

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0536401A (ja) * 1991-07-30 1993-02-12 Japan Storage Battery Co Ltd リチウム二次電池
JP2000100429A (ja) * 1998-09-18 2000-04-07 Canon Inc 電極構造体及び二次電池
JP2001273892A (ja) * 2000-03-28 2001-10-05 Sanyo Electric Co Ltd 二次電池
JP2002319408A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP2003007305A (ja) * 2001-04-19 2003-01-10 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP2003017039A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極の形成装置および形成方法
JP2005183365A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd エネルギーデバイス及びその製造方法
JP2005197080A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Nec Corp 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0536401A (ja) * 1991-07-30 1993-02-12 Japan Storage Battery Co Ltd リチウム二次電池
JP2000100429A (ja) * 1998-09-18 2000-04-07 Canon Inc 電極構造体及び二次電池
JP2001273892A (ja) * 2000-03-28 2001-10-05 Sanyo Electric Co Ltd 二次電池
JP2003007305A (ja) * 2001-04-19 2003-01-10 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP2002319408A (ja) * 2001-04-23 2002-10-31 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP2003017039A (ja) * 2001-06-28 2003-01-17 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池用電極の形成装置および形成方法
JP2005183365A (ja) * 2003-11-27 2005-07-07 Matsushita Electric Ind Co Ltd エネルギーデバイス及びその製造方法
JP2005197080A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Nec Corp 二次電池用負極およびそれを用いた二次電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006260944A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd リチウムイオン二次電池用負極、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池
CN112514116A (zh) * 2018-08-23 2021-03-16 株式会社Lg化学 硅类复合材料、包含其的负极和锂二次电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3733071B2 (ja) リチウム電池用電極及びリチウム二次電池
JP4610213B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP4027255B2 (ja) リチウム二次電池用負極及びその製造方法
JP4027966B2 (ja) リチウム二次電池用負極およびその製造方法、ならびにリチウム二次電池用負極を備えたリチウム二次電池
JP3913490B2 (ja) リチウム二次電池用電極の製造方法
JP4602478B2 (ja) リチウム二次電池の製造方法およびリチウム二次電池
JP4953583B2 (ja) リチウム二次電池
JP4497899B2 (ja) リチウム二次電池
WO2010110205A1 (ja) リチウムイオン二次電池、該電池用電極、該電池電極用電解銅箔
JP2007234336A (ja) リチウム二次電池
JP2004288520A (ja) リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP2002319408A (ja) リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP4895503B2 (ja) リチウム二次電池
JP2005150038A (ja) リチウム二次電池
JP3670938B2 (ja) リチウム二次電池
JP4368193B2 (ja) リチウム前駆体電池及びリチウム二次電池の製造方法
US20080026289A1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2002289177A (ja) リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池
JP4471603B2 (ja) リチウム二次電池
JP4436624B2 (ja) リチウム二次電池
JP5127888B2 (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
JP4212439B2 (ja) リチウム二次電池の使用方法
JP4259809B2 (ja) リチウム二次電池用負極の製造方法
JP2005293852A (ja) リチウム二次電池及びリチウム二次電池用負極の製造方法
JP2005149786A (ja) リチウム二次電池及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100304

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110301