JP4259809B2 - リチウム二次電池用負極の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リチウム二次電池用電極の製造方法に関し、より特定的には、集電体上に活物質層を形成するリチウム二次電池用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、研究開発が盛んに行われているリチウム二次電池は、用いる電極によって、充放電電圧、充放電サイクル寿命特性および保存特性などの電池特性が大きく左右される。このため、電極に用いる活物質を改善することにより、電池特性の改善および向上が図られている。
【0003】
負極活物質としてリチウム金属を用いて電池を作製する場合、重量あたりおよび体積あたりのエネルギー密度の高い電池が得られることが知られている。この場合、負極上では、充電によってリチウムが析出するとともに、放電によってリチウムが溶解する。この電池の充放電を繰り返し行うことによって、負極上でのリチウムの析出と溶解とが繰り返し行われる。これにより、負極上にリチウムがデンドライト状(樹枝状)に析出するという不都合が生じる。その結果、内部短絡が発生するという問題点があった。
【0004】
そこで、従来、Solid State Ionics,113−115,p57(1998)などにおいて、充電時に電気化学的にリチウムと合金化するアルミニウム、シリコンおよび錫などを負極活物質として用いることによって、上記のようなデンドライト状のリチウムの析出を抑制したリチウム二次電池が提案されている。これらのアルミニウム、シリコンおよび錫などの中で、特に、シリコンは理論容量が大きいので、高い容量を有する電池の負極活物質として有望な材料である。たとえば、特開2001−266851号公報では、シリコンをリチウム二次電池の負極の活物質層に用いたリチウム二次電池が提案されている。
【0005】
従来では、シリコンからなる活物質層は、たとえば、スパッタリング法を用いて1つのスパッタ源から集電体上にシリコンを堆積させることによって形成していた。図9は、従来のリチウム二次電池用電極のスパッタ形成装置の全体構成を示した概略図である。図9を参照して、従来のスパッタ形成装置101は、回転ドラム102と、Siターゲット103および高周波電源(RF電源)104からなる1つのスパッタ源とを備えている。また、Siターゲット103は、Arプラズマ領域105を有するように配置されている。図9に示した従来のスパッタ形成装置101を用いて集電体上に活物質層を形成する場合、まず、回転ドラム102の外周面上に集電体(図示せず)を配置する。そして、集電体が配置された回転ドラム102を回転させながら、RF電源104(周波数:13.56MHz)からSiターゲット103に電力を供給することによって、集電体上にSi薄膜からなる界面層および活物質層を形成する。この場合、Siからなる活物質層は、集電体に接触する部分(界面層)と、その界面層上に形成される部分(活物質層)とから構成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9に示したスパッタ形成装置101を用いた従来の方法では、界面層と活物質層とを連続して形成するので、それぞれの層の温度制御を十分に行うことは困難であった。特に、生産性を向上させるため、界面層と活物質層とを高速で連続形成した場合、集電体の温度が過剰に上昇するので、集電体構成元素が界面層および活物質層に過剰に拡散してしまうという不都合があった。これにより、集電体材料が脆化するとともに、集電体構成元素が界面層および活物質層に過剰に拡散してしまうので、活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力が低下してしまう。その結果、リチウム二次電池用電極の充放電容量が減少するとともに、充放電サイクル特性が悪化するという問題点があった。その一方、界面層形成時の温度が低すぎる場合には、集電体と活物質層との密着性が低下するという不都合がある。この場合には、充放電時に活物質層(界面層)の微粉化が生じるので、集電特性が悪化するという問題点もあった。
【0007】
ところで、シリコンからなる活物質層を形成する方法として、スパッタリング法に加えて蒸着法も提案されている。本願出願人は、たとえば、特願2001−093065号において、界面層をスパッタリング法で形成し、活物質層を蒸着法で形成する方法を提案した。具体的には、集電体の一方表面上にスパッタリング法を用いて界面層を形成した後、その界面層上に蒸着法を用いて活物質層を形成する。その後、集電体の他方表面上にスパッタリング法を用いて界面層を形成した後、その界面層上に蒸着法を用いて活物質層を形成する。
【0008】
しかしながら、この提案された方法では、集電体の一方表面上に界面層および活物質層を形成した後、スパッタリング法により集電体の他方表面上に界面層を形成するため、集電体の他方表面上にスパッタリングにより界面層を形成する際に、集電体の一方表面上に形成された界面層および活物質層が再度加熱される。このため、集電体の一方表面上に形成される界面層と、集電体の他方表面上に形成される界面層とで集電体材料の拡散状態が異なる。その結果、集電体の一方表面上に形成される界面層への集電体材料の拡散状態を制御するのは困難であった。
【0009】
また、上記提案された薄膜形成装置では、2つの蒸着源と2つのスパッタ源とを含んでいるので、薄膜形成装置が大型化してしまうという問題点もあった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の1つの目的は、充放電容量の減少とサイクル特性の悪化とを防止することが可能なリチウム二次電池用電極の製造方法を提供することである。
【0011】
この発明のもう1つの目的は、上記したリチウム二次電池用電極の製造方法において、集電体の温度が過剰に上昇するのを防止することである。
【0012】
この発明のさらにもう1つの目的は、集電体の一方の面上に形成される界面層と、集電体の他方の面に形成される界面層への集電体材料の拡散状態を容易に制御することが可能なリチウム二次電池用電極の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の局面におけるリチウム二次電池用負極の製造方法は、シリコン原料を気相中に放出して供給する方法を用いて、集電体を200℃以上300℃未満の第1温度にした状態で、集電体の表面上に非晶質シリコンからなる界面層を形成する工程と、界面層の形成後に、シリコン原料を気相中に放出して供給する方法を用いて、集電体を200℃未満の第2温度にした状態で、界面層上に非晶質シリコンからなる活物質層を形成する工程とを備えている。なお、第1の局面におけるシリコン原料を気相中に放出して供給する方法は、たとえば、スパッタリング法や蒸着法などのPVD(Physical Vapor Deposition)法、および、プラズマCVD法などのCVD(Chemical Vapor Deposition)法を含む広い概念である。
【0014】
この第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法では、上記のように、集電体を第1温度にした状態で、集電体の表面上に界面層を形成するとともに、集電体を第2温度にした状態で、界面層上に活物質層を形成することによって、第1温度および第2温度を適切に制御すれば、界面層および活物質層の形成時に、集電体の温度が過剰に上昇するのを防止することができるので、集電体が脆化するのを防止することができるとともに、界面層および活物質層に集電体構成元素が拡散し過ぎるのを防止することができる。これにより、集電体構成元素が活物質層に拡散することによって発生する活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力が低下する現象を防止することができる。その結果、活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力の低下に起因する充放電容量の減少と、サイクル特性の悪化とを有効に防止することができる。
【0015】
上記第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法において、第1温度は、集電体の構成元素が界面層中に拡散する温度である。このように構成すれば、集電体の構成元素を界面層中に適度に拡散させることができるので、集電体と界面層との密着性を向上させることができる。これにより、集電体と界面層との密着性の低下によって生じる、集電体からの界面層のはがれや、界面層および活物質層の微粉化を防止することができる。このため、界面層のはがれや界面層および活物質層の微粉化による集電特性の悪化が生じるのを防止することができる。その結果、集電特性の悪化に起因する充放電容量の減少とサイクル特性の悪化とを防止することができる。
【0016】
上記第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法において、第2温度は、集電体の構成元素が活物質層中に実質的に拡散しない温度である。このように構成すれば、集電体の構成元素が活物質層中に拡散するのが容易に防止されるので、活物質層への集電体構成元素の拡散によって生じる活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力が低下する現象を防止することができる。その結果、活物質層のリチウムの吸蔵・放出する能力の低下に起因する電池の充放電容量の減少とサイクル特性の悪化とを容易に防止することができる。
【0020】
なお、上記第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法において、第1温度は、300℃未満であり、第2温度は、200℃未満であってもよい。このように構成すれば、容易に、界面層の形成時にのみ、集電体の構成元素を界面層中に拡散しやすくすることができる。
【0021】
また、上記第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法において、第1活物質層および前記第2活物質層は、スパッタリング法を用いて形成してもよい。このように構成すれば、充放電サイクル特性に優れた非晶質シリコンなどを容易に形成することができる。
【0022】
また、上記第1の局面によるリチウム二次電池用電極の製造方法において、界面層および活物質層は、非晶質シリコン層を含んでもよい。このように構成すれば、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を形成することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】
〈実施例1〜6、比較例1〉
まず、スパッタリング法を用いて集電体の片面に界面層および活物質層を作製した実施例1〜6について説明する。図1は、本発明の実施例1〜6で用いたリチウム二次電池用電極のスパッタ形成装置の全体構成を示した概略図である。図2は、図1に示したスパッタ形成装置の水冷ローラ部分を示した拡大断面図である。まず、本発明の実施例1〜6を説明する前に、本発明の実施例1〜6で用いたリチウム二次電池用電極のスパッタ形成装置について説明する。
【0025】
図1および図2を参照して、本発明の実施例1〜6で用いたスパッタ形成装置1の構造について説明する。スパッタ形成装置1は、99.999%の単結晶シリコンからなるターゲット2とRF電源3とからなるスパッタ源と、ローラ4と、ローラ5と、複数の第1水冷ローラ6と、第1水冷ローラ6の下方の複数の第2水冷ローラ7と、排気バルブ8と、Arガス供給バルブ9とを備えている。また、帯状の集電体10は、第1水冷ローラ6と第2水冷ローラ7との間を通過するように配置されるとともに、両端をローラ4およびローラ5にそれぞれ固定されている。
【0026】
第1水冷ローラ6(第2水冷ローラ7)は、図2に示すように、中空状のローラ部11と、ローラ部11内の表面近傍にスパイラル状に設けられた流水路12と、流水路12に冷却水を導入するための冷却水導入路12aと、流水路12から冷却水を排出するための冷却水排出路12bとを備える。また、第1水冷ローラ6(第2水冷ローラ7)は、ロータリジョイント13を介して、冷却水循環装置14に対して回転可能に接続されている。第1水冷ローラ6(第2水冷ローラ7)では、冷却水循環装置14により、第1水冷ローラ6(第2水冷ローラ7)の冷却水導入路12aから流水路12を介して、冷却水排出路12bに向かって冷却水を循環させることにより、第1水冷ローラ6(第2水冷ローラ7)のローラ部11上の集電体10(図1参照)を冷却することができる。
【0027】
(実験1)
上記したスパッタ形成装置1を用いて、以下の実施例1によるリチウム二次電池用電極(負極)a1および比較例1によるリチウム二次電池用電極(負極)b1を作製した。実施例1による電極a1および比較例1による電極b1のスパッタ条件および充放電サイクル特性評価試験などの実験結果を以下の表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0004259809
上記表1を参照して、以下、実施例1および比較例1について詳細に説明する。
【0029】
(実施例1)
まず、実施例1の電極a1の集電体10として、電解法により表面に銅を析出させた26μmの厚みを有する帯状の圧延銅箔(粗面化圧延銅箔)を準備した。次に、この集電体10を、図1に示したスパッタ形成装置1の第1水冷ローラ6と第2水冷ローラ7との間に挟まれるように通すとともに、両端をローラ4およびローラ5にそれぞれ固定した。なお、スパッタ前の集電体10はローラ5に巻き取られた状態とした。また、ターゲット2は、集電体10から9cmの距離を隔てて配置した。
【0030】
次に、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7に冷却水を循環させて集電体10を冷却した状態で、ローラ4により集電体10を巻き取りながら、集電体10を矢印Aの方向に移動させた。なお、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7に導入された冷却水の温度は約28℃であった。そして、RF電源3により、ターゲット2に所定の電力を供給することによって、集電体10上に、Siからなる界面層を形成した。すなわち、実施例1では、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7を用いて集電体10を冷却しながら、スパッタリング法を用いて、集電体10上にSiからなる界面層を形成した。
【0031】
この界面層形成時の具体的なスパッタ条件は、上記表1に示したように、Ar流量;50sccm、スパッタリング雰囲気;0.1Pa、ターゲット電力密度;310W/cm2であった。また、界面層形成時の集電体10の移動速度は、ターゲット電力密度(W/cm2)と、集電体10がスパッタ源上を通過する時間(sec)との積であるターゲット電力密度積が5500Wsec/cm2になるように調整した。また、実施例1による界面層形成時の集電体10の表面温度を、温度によって色が変化する薬剤が貼付されたサーモラベルを用いて測定したところ、250℃であった。
【0032】
この後、引き続き第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7に冷却水を循環させて集電体10を冷却した状態で、界面層形成時とは逆に、ローラ5により集電体10を巻き取りながら、集電体10を矢印Bの方向に移動させた。そして、RF電源3により、ターゲット2に所定の電力を供給することによって、界面層上にSiからなる活物質層を形成した。すなわち、この実施例1では、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7を用いて集電体10を冷却しながら、集電体10上に形成された界面層上に、スパッタリング法を用いてSiからなる活物質層を形成した。
【0033】
この活物質層形成時の具体的なスパッタ条件は、上記表1に示したように、Ar流量;50sccm、スパッタリング雰囲気;0.1Pa、ターゲット電力密度;310W/cm2であった。また、活物質層形成時の集電体10の移動速度は、ターゲット電力密度積が1550Wsec/cm2になるように調整した。なお、実施例1では、集電体10上にスパッタリングにより形成されたSiからなる界面層と活物質層との合計厚さは約6μmであった。また、実施例1による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、180℃であった。
【0034】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の実施例1による電極a1を得た。
【0035】
(比較例1)
まず、比較例1の電極b1の集電体10として、実施例1と同様、26μmの厚みを有する粗面化圧延銅箔を準備して、スパッタ形成装置1に配置した。
【0036】
次に、比較例1では実施例1と異なり、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7の冷却水を除去して集電体10の冷却を行わない状態で、ローラ4により集電体10を巻き取りながら、集電体10を矢印Aの方向に移動させた。そして、RF電源3により、ターゲット2に所定の電力を供給することによって、集電体10上に、Siからなる界面層を形成した。すなわち、この比較例1では、集電体10を冷却しないで、集電体10上にスパッタリング法を用いて界面層を形成した。
【0037】
この界面層形成時の具体的なスパッタ条件は、上記表1に示したように、Ar流量;50sccm、スパッタリング雰囲気;0.1Pa、ターゲット電力密度;310W/cm2であった。また、比較例1の界面層形成時の集電体10の移動速度は、ターゲット電力密度積が1550Wsec/cm2になるように調整した。この比較例1による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、約300℃であった。
【0038】
この後、引き続き、第1水冷ローラ6および第2水冷ローラ7の冷却水を除去して集電体10の冷却を行わない状態で、界面層形成時とは逆に、ローラ5により集電体10を巻き取りながら、集電体10を矢印Bの方向に移動させた。そして、RF電源3によりターゲット2に電力を供給することによって、集電体10上の界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。すなわち、この比較例1では、集電体10を冷却しないで、集電体10上に形成された界面層上に、スパッタリング法を用いて、Siからなる活物質層を形成した。
【0039】
この活物質層形成時の具体的なスパッタ条件は、上記表1に示したように、実施例1と同様、Ar流量;50sccm、スパッタリング雰囲気;0.1Pa、ターゲット電力密度;310W/cm2であった。また、比較例1の活物質層形成時の集電体10の移動速度は、ターゲット電力密度積が1550Wsec/cm2になるように調整した。なお、比較例1では、実施例1と同様、集電体10上に、スパッタリングにより形成されたSiからなる界面層と活物質層との合計厚さは約6μmであった。また、比較例1による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、約300℃であった。
【0040】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、比較例1による従来の電極b1を得た。
【0041】
〔正極の作製〕
90重量部のLiCoO2粉末、および、導電材としての5重量部の人造黒鉛粉末を、結着材としてのポリテトラフルオロエチレンを5重量部含む5重量%のN−メチルピロリドン水溶液に混合することにより、正極合剤スラリーを形成した。この正極合済スラリーをドクターブレード法を用いて、正極集電体である18μmの厚みを有するアルミニウム箔の2cm×2cmの領域上に塗布した後乾燥することによって、正極活物質層を形成した。そして、アルミニウム箔の正極活物質層が塗布されていない領域上に正極タブを取り付けることによって、正極を作製した。
【0042】
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解することにより電解液を作製した。
【0043】
〔電池の作製〕
図3は、実施例1による電極a1および比較例1による電極b1を負極に用いて作製したリチウム二次電池を示す斜視図である。図4は、図3に示したリチウム二次電池を示す断面図である。なお、リチウム二次電池の正極および電解液には上記方法により作製された正極および電解液を用いた。図3および図4を参照して、実施例1および比較例1によるリチウム二次電池では、アルミラミネートフィルムからなる外装体20内に正極および負極を挿入した。負極では、集電体10に接続するように負極タブ22を設けるとともに、集電体10上に、実施例1および比較例1で形成した界面層と活物質層とからなるSi薄膜24を設けた。また、正極では、上述した方法により作製された正極集電体25と、正極活物質層26と、正極タブ21とを設けた。また、負極のSi薄膜24と、正極の正極活物質層26とは、セパレータ27を介して、対向するように配置した。また、外装体20内には、電解液23を充填した。外装体20の端部は溶着により封口することにより封口部20aを形成した。また、正極タブ21および負極タブ22は、封口部20aを通って外部に取り出した。
【0044】
〔充放電サイクル特性評価試験〕
実施例1による電極a1および比較例1による電極b1を用いて作製したリチウム二次電池の充放電サイクル特性評価試験を行った。具体的には、まず、9mAの定電流充電によって、充電容量が9mAhになるまで充電した。その後、9mAの定電流放電によって、リチウム二次電池の電位が2.75Vになるまで放電を行った。これを1サイクルとして、1サイクル目、5サイクル目および20サイクル目の放電容量および充放電効率を測定した。なお、nサイクル目(n=1、5、20)の充放電効率は以下の式で定義される。
【0045】
nサイクル目の充放電効率(%)=〔nサイクル目の放電容量(mAh/g)〕/〔nサイクル目の充電容量(mAh/g)〕×100
上記した表1を参照して、比較例1による従来の電極b1では、放電容量および充放電効率が低下したのに対して、本発明の実施例1による電極a1では、放電容量および充放電サイクル特性が大きく向上していることが判明した。これは、以下の理由によるものと考えられる。比較例1では、界面層および活物質層の形成の際のスパッタリング時に集電体10の冷却を行わなかったため、界面層および活物質層の形成時に集電体10の温度が著しく上昇(約300℃)し、その結果、集電体10が脆化するとともに、活物質層の表面近くまで集電体10のCu元素が拡散したと考えられる。このため、比較例1では、活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力が低下したので、放電容量が著しく低下するとともに、充放電サイクル特性が悪化したと考えられる。
【0046】
これに対して、本発明の実施例1による電極a1では、スパッタ時に集電体10の冷却を行ったので、集電体10の温度が過剰に上昇するのを防止することができた(250℃および180℃)。その結果、集電体10が脆化するのを防止することができるとともに、界面層および活物質層に集電体10のCu元素が拡散し過ぎるのを防止することができたと考えられる。これにより、集電体10のCu元素が活物質層に拡散することによって発生する活物質層のリチウムを吸蔵・放出する能力が低下する現象を防止することができたため、本発明の実施例1による電極a1では、充放電容量の減少と、充放電サイクル特性の悪化とを有効に防止することができたと考えられる。
【0047】
本願発明者は、実施例1による電極a1および比較例1による電極b1における集電体10のCu元素の界面層および活物質層への拡散状態を実際に確認するために、SIMS(Secondary Ion Mass Spectroscopy)を用いて測定した。その結果、冷却を行った本発明の実施例1による電極a1では、界面層と集電体10との界面から活物質層の表面に向かって、約1μm〜約2μmの深さ(活物質層に至らない深さ)まで集電体10のCu元素が拡散していた。これにより、実施例1による電極a1では、良好な拡散状態(表1中○で記載)が得られていることが判明した。一方、冷却を行わなかった比較例1による電極b1では、界面層と集電体10との界面から活物質層の表面に向かって、約5μm〜約6μm(活物質層の表面付近)にまで集電体10のCu元素が拡散していた。これにより、比較例1による電極b1では、過剰の拡散(表1中×で記載)が生じていることが判明した。また、良好な拡散状態が得られた実施例1による電極a1では、集電体10の硬化は生じなかった(表1中○で記載)が、過剰に拡散した比較例1による電極b1では、集電体10に硬化が生じた(表1中×で記載)。
【0048】
実施例1では、上記したように、集電体10のCu元素を界面層中に良好に拡散させることができるので、集電体10と界面層との密着性を向上させることができると考えられる。これにより、集電体10と界面層との密着性の低下によって生じる、集電体10からの界面層のはがれや、界面層および活物質層の微粉化を防止することができると考えられる。このため、界面層のはがれや界面層および活物質層の微粉化による集電特性の悪化が生じるのを防止することができるので、集電特性の悪化に起因する充放電容量の減少と充放電サイクル特性の悪化とを防止することができたと考えられる。
【0049】
なお、電極a1および電極b1の界面層および活物質層を構成するSi層の結晶状態を、ラマン発光分析を用いて測定した。その結果、非晶質Siの480cm-1付近のピークは得られたが、Si結晶のピーク(約520cm-1)は得られなかった。したがって、電極a1および電極b1ともに非結晶のSiからなる界面層および活物質層が形成されていることがわかった。
【0050】
(実験2)
上記した本発明の実施例1による電極a1の製造プロセスにおいて、ターゲット電力密度またはターゲット電力密度積の少なくとも一方を変化させた以下の実施例3、参考例2、4〜6による電極a2〜a6を作製した。電極a2〜a6の作製条件および充放電サイクル特性評価実験などの実験結果を以下の表2に示す。また、実施例3、参考例2、4〜6のその他の製造プロセスは実施例1と同様である。
【0051】
【表2】
Figure 0004259809
【0052】
参考例2)
この参考例2では、界面層および活物質層の形成時に、実施例1と同様のターゲット電力密度積(5500Wsec/cm2、1550Wsec/cm2)に設定するとともに、実施例1に比べて界面層および活物質層形成時のターゲット電力密度を減少させた(80W/cm2、80W/cm2)状態で、実施例1と同様の作製プロセスを用いて、スパッタリング法により、集電体10上に界面層および活物質層を形成した。この参考例2による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、120℃であった。また、参考例2による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、120℃であった。
【0053】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の参考例2による電極a2を得た。
【0054】
(実施例3)
この実施例3では、界面層および活物質層の形成時に、実施例1と同様のターゲット電力密度積(5500Wsec/cm2、1550Wsec/cm2)に設定するとともに、実施例1に比べて界面層および活物質層形成時のターゲット電力密度を減少させた(155W/cm2、155W/cm2)状態で、実施例1と同様のプロセスを用いて、スパッタリング法により、集電体10上に界面層および活物質層を形成した。この実施例3による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、250℃であった。また、実施例3による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、180℃であった。
【0055】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の実施例3による電極a3を得た。
【0056】
参考例4)
この参考例4では、界面層および活物質層の形成時に、実施例1と同様のターゲット電力密度(310W/cm2、310W/cm2)に設定するとともに、実施例1に比べて界面層形成時のターゲット電力密度積を増加させた(7750Wsec/cm2)状態で、実施例1と同様のプロセスを用いて、スパッタリング法により、集電体10上に、界面層および活物質層を形成した。なお、活物質層形成時のターゲット電力密度積は、実施例1と同様(1550Wsec/cm2)に設定した。この参考例4による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、約320℃であった。また、参考例4による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、180℃であった。
【0057】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の参考例4による電極a4を得た。
【0058】
参考例5)
この参考例5では、界面層および活物質層の形成時に、実施例1と同様のターゲット電力密度(310W/cm2、310W/cm2)に設定するとともに、実施例1に比べて活物質層形成時のターゲット電力密度積を増加させた(5500Wsec/cm2)状態で、実施例1と同様のプロセスを用いて、スパッタリング法により、集電体10上に、界面層および活物質層を形成した。なお、界面層形成時のターゲット電力密度積は、実施例1と同様、5500Wsec/cm2に設定した。この参考例5による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、250℃であった。また、参考例5による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、250℃であった。
【0059】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の参考例5による電極a5を得た。
【0060】
参考例6)
この参考例6では、界面層および活物質層の形成時に、実施例1と同様のターゲット電力密度(310W/cm2、310W/cm2)に設定するとともに、実施例1に比べて界面層および活物質層の形成時のターゲット電力密度積を増加させた(7750Wsec/cm2、5500Wsec/cm2)状態で、実施例1と同様のプロセスを用いて、スパッタリング法により、集電体10上に、界面層および活物質層を形成した。この参考例6による界面層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、約320℃であった。また、参考例6による活物質層形成時の集電体10の表面温度を、サーモラベルを用いて測定したところ、250℃であった。
【0061】
この後、界面層および活物質層が形成された集電体10を所定の大きさに切断することによって、本発明の参考例6による電極a6を得た。
【0062】
〔充放電サイクル特性評価試験〕
実施例3及び参考例2、4〜6による電極a2〜a6を負極に用いて作製したリチウム二次電池の充放電サイクル特性評価試験を行った。なお、正極、電解液およびリチウム二次電池の作製方法は、上記した実施例1および比較例1と同様である。また、実験方法も実施例1および比較例1と同様である。すなわち、9mAの定電流充電によって、充電容量が9mAhになるまで充電した。その後、9mAの定電流放電によって、リチウム二次電池の電位が2.75Vになるまで放電を行った。これを1サイクルとして、1サイクル目、5サイクル目および20サイクル目の放電容量および充放電効率を測定した。その結果は、上記表2に示されている。
【0063】
上記した表2を参照して、実施例1による電極a1に比べて、界面層および活物質層形成時のターゲット電力密度のみ減少させた実施例3による電極a3では、実施例1による電極a1と同程度の放電容量および充放電サイクル特性を得ることができた。しかし、同様に、界面層および活物質層形成時のターゲット電力密度のみ減少させた参考例2による電極a2では、初期放電容量は実施例1と同程度であったが、充放電サイクル特性は大きく低下した。具体的には、実施例1による電極a1では、20サイクル目の放電容量が1998mAh/g、20サイクル目の充放電効率が99%になったのに対して、参考例2による電極a2では、20サイクル目の放電容量が887mAh/gまで低下するとともに、20サイクル目の充放電効率が56%まで低下した。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、参考例2による電極a2では、実施例1による電極a1に比べて、界面層の形成時のターゲット電力密度が低かったので、界面層形成時の集電体10の温度が十分に上昇せず、120℃であった。その結果、集電体10のCu元素が界面層に十分に拡散しなかったので、良好な密着性を得ることができなかったと考えられる。このことは、良好な充放電サイクル特性を得るには、ターゲット電力密度積だけでなく、ターゲット電力密度の値にも下限値が存在することを示している。なお、参考例2による電極a2および実施例3による電極a3では、集電体10の硬化は生じなかった(表2中○で記載)。
【0064】
また、実施例1による電極a1に比べて、界面層形成時のターゲット電力密度積のみ増加させた参考例4による電極a4では、実施例1による電極a1に比べて、若干低い程度の放電容量および充放電サイクル特性が得られた。具体的には、実施例1による電極a1では、20サイクル目の放電容量が1998mAh/g、20サイクル目の充放電効率が99%になったのに対して、参考例4による電極a4では、20サイクル目の放電容量が1288mAh/g、20サイクル目の充放電効率が81%であった。なお、参考例4による電極a4では、集電体10は若干硬化した(表2中△で記載)。これは、界面層形成時の集電体10の温度が上昇し過ぎた(約320℃)ためであると思われる。
【0065】
また、実施例1による電極a1に比べて、活物質層形成時のターゲット電力密度積のみ増加させた参考例5による電極a5と、界面層および活物質層形成時の電力密度積のみ増加させた参考例6による電極a6では、集電体10が硬化した(表2中×で記載)。このため、リチウム二次電池の作製が困難であった。また、参考例6による電極a6では、初期放電容量および充放電サイクル特性ともに低かった。
【0066】
また、実施例3及び参考例2、4〜6による電極a2〜a6における集電体10のCu元素の界面層および活物質層への拡散状態を実際に確認するため、SIMSを用いて測定した。その結果、実施例3および参考例4による電極a3および電極a4では、界面層と集電体10との界面から活物質層の表面に向かって、約1μm〜約2μmの深さ(界面層の深さ)まで集電体10のCu元素が拡散していた。これにより、実施例3および参考例4による電極a3および電極a4では、良好な拡散状態(表2中○で記載)が得られていることが判明した。一方、参考例2および参考例5による電極a2および電極a5では、界面層と集電体10との界面から活物質層の表面に向かって約3μm〜約4μmの深さ(活物質層の内部)にまで集電体10のCu元素が拡散していた。これにより、電極a2および電極a5では、やや良好な拡散状態(表2中△で記載)が得られていることが判明した。また、参考例6による電極a6では、界面層と集電体10との界面から活物質層の表面に向かって約5μm〜約6μmの深さ(活物質層の表面付近)まで集電体10のCu元素が拡散していた。これにより、参考例6による電極a6では、過剰な拡散が生じている(表2中×で記載)ことが判明した。
【0067】
上記した実施例3及び参考例2、4〜6による実験結果と実施例1による実験結果とを考慮して、初期充放電効率、充放電サイクル特性、拡散状態および集電体10の硬化特性などにおいて優れたリチウム二次電池用電極を作製するための製造条件を検討した。その結果、界面層形成時には、ターゲット電力密度が100W/cm2以上で、かつ、ターゲット電力密度積が5500Wsec/cm2以下であることが好ましく、さらに、スパッタリング時の集電体10の温度が300℃未満であることが好ましいと推測される。
【0068】
また、活物質層形成時には、ターゲット電力密度が100W/cm2以上で、かつ、ターゲット電力密度積が1550Wsec/cm2以下であることが好ましく、さらに、スパッタリング時の集電体10の温度が200℃未満であることが好ましいと推測される。
【0069】
なお、実施例3及び参考例2、4〜6による電極a2〜a6における集電体10の界面層および活物質層を構成するSi層の結晶状態を、ラマン発光分析を用いて測定した。その結果、非晶質Siの480cm-1付近のピークは得られたが、Si結晶のピーク(約520cm-1)は得られなかった。したがって、電極a2〜a6ともに非結晶のSiからなる界面層および活物質層が形成されていることがわかった。
【0070】
参考例7、8、比較例2〉
次に、集電体の両面にそれぞれ界面層および活物質層が形成される場合の本発明の参考例7および参考例8を図面に基づいて説明する。なお、参考例7による電極a7、参考例8による電極a8および比較例2による電極b2の作製条件を以下の表3に示す。
【0071】
【表3】
Figure 0004259809
参考例7)
図5は、本発明の参考例7で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。
【0072】
図5を参照して、本発明の参考例7で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置31の構造について説明する。この薄膜形成装置31は、図5に示すように、スパッタ室32と、第1蒸着室33と、第2蒸着室34と、第1予備室35と、第2予備室36と、第3予備室37と、第4予備室38とから構成されている。スパッタ室32は、帯状の集電体52を挟んで対向するように配置されたスパッタ源40aおよびスパッタ源40bを含む。このスパッタ源40aおよびスパッタ源40bは、集電体52の両面上に界面層を同時に形成するために設けられている。なお、スパッタ源40aおよびスパッタ源40bは、マグネトロンスパッタリング装置(図示せず)の一部であり、ターゲットには、1Ω以下の抵抗値を有するp型の結晶Siを用いた。
【0073】
第1蒸着室33は、ローラ41と、回転ドラム42と、ローラ43と、回転ドラム42に対向するように配置された蒸着源44とを含む。この蒸着源44は、回転ドラム42上の集電体52の一方の面(表面)上に形成された界面層上に、活物質層を形成するために設けられている。なお、蒸着源44としては、99.999%の純度を有するSiチップを用いた。また、第2蒸着室34は、ローラ46と、ローラ47と、回転ドラム48と、ローラ49と、回転ドラム48に対向するように配置された蒸着源50とを含む。この蒸着源50は、回転ドラム48上の集電体52の他方の面(裏面)上に形成された界面層上に、活物質層を形成するために設けられている。
【0074】
また、第1予備室35は、スパッタ室32と第1蒸着室33との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止するために設けられている。また、ローラ45が設置された第2予備室36は、第1蒸着室33と第2蒸着室34との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止するために設けられている。第3予備室37には、供給用ローラ39が設置され、第4予備室38には、巻取用ローラ51が設置されている。
【0075】
参考例7では、上記した薄膜形成装置31を用いて電極a7の集電体52の両面上に、それぞれ、界面層および活物質層を形成した。具体的な作製プロセスは以下のとおりである。まず、18μmの厚みを有する帯状の電解銅箔からなる集電体52の一端を供給用ローラ39に固定した。そして、図5に示すように、集電体52の他端を、ローラ41と、回転ドラム42と、ローラ43および45〜47と、回転ドラム48と、ローラ49とを介して、巻取用ローラ51に固定した。なお、初期状態では、集電体52は、供給用ローラ39に巻き取られた状態とした。
【0076】
そして、供給用ローラ39から供給される集電体52を、巻取用ローラ51で巻き取りながら、スパッタ室32で、スパッタ源40aおよびスパッタ源40bを用いてスパッタリング法により、集電体52の両面に界面層を同時に形成した。具体的には、上記表3の工程1に示すように、パワー密度(ターゲット電力密度);3W/cm2、圧力(スパッタリング雰囲気);0.5Pa、ターゲット(スパッタ源40aおよび40b)と集電体52との間隔;10cmの条件下で、30分間のスパッタリングを行うことによって、0.5μmの厚みを有するSiからなる界面層を集電体52の両面上に同時に形成した。なお、パワー密度(ターゲット電力密度)は、集電体52が硬化することのないように調整した。
【0077】
そして、引き続き、第1蒸着室33で、蒸着源44により蒸着(電子ビーム蒸着)を行うことによって、回転ドラム42上の集電体52の一方の面(表面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。具体的には、上記表3の工程2に示すように、投入パワー;7kW、蒸着源44と集電体52との距離;40cmの条件下で、30分間の蒸着を行うことによって、5.5μmの厚みを有する活物質層を形成した。これにより、集電体52の一方の面上にSiからなる界面層と活物質層とを形成した。次に、第2蒸着室34で、蒸着源50により蒸着を行うことによって、回転ドラム48上の集電体52の他方の面(裏面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。具体的には、表3の工程3に示すように、投入パワー;7kW、蒸着源50と集電体52との距離;40cmの条件下で、30分間の蒸着を行うことによって、5.5μmの厚みを有する活物質層を形成した。このように、1つの薄膜形成装置31を用いて、集電体52の両面にSiからなる界面層および活物質層を形成した。
【0078】
参考例7では、上記したように、スパッタ室32でスパッタリング法により、両面上に界面層を同時に形成することによって、集電体52の両面上の界面層の熱履歴を同じにすることができるので、集電体52の両面におけるCu元素の界面層への拡散状態を同じにすることができる。これにより、集電体52の両面におけるCu元素の界面層への拡散状態を容易に制御することができる。また、両面の界面層を同時に形成することによって、製造プロセスを簡略化することができる。
【0079】
参考例8)
図6は、本発明の参考例8で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。
【0080】
図6を参照して、本発明の参考例8で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置61の構造について説明する。薄膜形成装置61は、図6に示すように、スパッタ室62と、蒸着室63と、第1予備室64と、第2予備室65とから構成されている。スパッタ室62は、帯状の集電体78を挟んで対向するように配置されたスパッタ源67aおよびスパッタ源67bを含む。このスパッタ源67aおよびスパッタ源67bは、集電体78の両面上に界面層を同時に形成するために設けられている。なお、スパッタ源67aおよびスパッタ源67bは、マグネトロンスパッタリング装置(図示せず)の一部であり、ターゲットには、1Ω以下の抵抗値を有するp型の結晶Siを用いた。
【0081】
蒸着室63は、ローラ69と、冷却機能を有する回転ドラム70と、ローラ71〜73と、冷却機能を有する回転ドラム74と、巻取用ローラ75と、防着板76と、回転ドラム70および74に対向するように配置された蒸着源77とを含む。この蒸着源77は、回転ドラム70上の集電体78の一方の面(表面)上および回転ドラム74上の集電体78の他方の面(裏面)上に、活物質層を同時に形成するために設けられている。なお、蒸着源77として、99.999%の純度を有するSiチップを用いた。また、防着板76は、集電体78の所定領域以外に蒸着物が付着するのを防止するために設けられている。
【0082】
また、ローラ68aおよび68bが設置された第1予備室64は、スパッタ室62と蒸着室63との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止している。また、第2予備室65には、供給用ローラ66が設置されている。
【0083】
参考例8では、上記した薄膜形成装置61を用いて電極a8の集電体78の両面上に、それぞれ、界面層および活物質層を形成した。具体的な作製プロセスは以下のとおりである。まず、帯状の集電体78の一端を供給用ローラ66に固定した。そして、図6に示すように、集電体78の他端を、ローラ68aおよび68bと、ローラ69と、回転ドラム70と、ローラ71〜73と、回転ドラム74とを介して、巻取用ローラ75に固定した。なお、初期状態では、集電体78は、供給用ローラ66に巻き取られた状態とした。
【0084】
そして、供給用ローラ66から供給される集電体78を、巻取用ローラ75で巻き取りながら、スパッタ室62で、スパッタ源67aおよびスパッタ源67bを用いてスパッタリング法により、集電体78の両面に界面層を同時に形成した。具体的には、表3の工程1に示すように、パワー密度(ターゲット電力密度);3W/cm2、圧力(スパッタリング雰囲気);0.5Pa、ターゲット(スパッタ源67aおよび67b)と集電体78との間隔;10cmの条件下で、30分間のスパッタリングを行うことによって、0.5μmの厚みを有するSiからなる界面層を両面に同時に形成した。なお、パワー密度(ターゲット電力密度)は、集電体78が硬化しないように調整した。
【0085】
そして、引き続き、蒸着室63で、蒸着源77により蒸着(電子ビーム蒸着)を行うことによって、回転ドラム70上の集電体78の一方の面(表面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成するとともに、回転ドラム74上の集電体78の他方の面(裏面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。具体的には、表3の工程2に示すように、投入パワー;10kW、蒸着源77と集電体78との距離40cmの条件下で、30分間の蒸着を行うことによって、5.5μmの厚みを有する活物質層を両面に同時に形成した。このようにして、1つの薄膜形成装置61で、集電体78の両面にSiからなる界面層および活物質層を形成した。
【0086】
参考例8では、上記した参考例7と同様、スパッタ室62でスパッタリング法により、両面に界面層を同時に形成することによって、集電体78の両面の界面層の熱履歴を同じにすることができるので、集電体78の両面におけるCu元素の界面層への拡散状態を同じにすることができる。これにより、集電体78の両面におけるCu元素の界面層への拡散状態を容易に制御することができる。また、両面の界面層を同時に形成することによって、製造プロセスを簡略化することができる。
【0087】
また、参考例8では、上記したように、1つの蒸着源77を用いて集電体78の両面に活物質層を同時に形成することによって、蒸着源77材料の供給制御性を向上させることができるとともに、両面の活物質層の膜厚の制御を容易に行うことができる。
【0088】
また、参考例8では、上記したように、1つの蒸着源77を用いて集電体78の両面に活物質層を同時に形成することができるので、薄膜形成装置61が大型化するのを抑制することができる。
【0089】
(比較例2)
図7は、比較例2で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。図7を参照して、この比較例2で用いた薄膜形成装置201は、本願出願人が、特願2001−093065号において提案したものである。この比較例2で用いた薄膜形成装置201は、図7に示すように、第1スパッタ室202と、第1蒸着室203と、第2スパッタ室204と、第2蒸着室205と、第1予備室206と、第2予備室207と、第3予備室208とから構成されている。
【0090】
第1スパッタ室202は、供給用ローラ209と、回転ドラム210と、ローラ211と、回転ドラム210に対向するように配置されたスパッタ源212とを含む。このスパッタ源212は、回転ドラム210上の集電体227の一方の面(表面)上に、界面層を形成するために設けられている。なお、スパッタ源212は、マグネトロンスパッタリング装置(図示せず)の一部であり、ターゲットには、1Ω以下の抵抗値を有するp型の結晶Siを用いた。
【0091】
また、第1蒸着室203は、ローラ213と、回転ドラム214と、ローラ215と、回転ドラム214に対向するように配置された蒸着源216とを含む。この蒸着源216は、回転ドラム214上の集電体227の一方の面(表面)上に形成された界面層上に、活物質層を形成するために設けられている。なお、蒸着源216として、99.999%の純度を有するSiチップを用いた。
【0092】
また、第2スパッタ室204は、ローラ219と、回転ドラム220と、ローラ221と、回転ドラム220に対向するように配置されたスパッタ源222とを含む。このスパッタ源222は、回転ドラム220上の集電体227の他方の面(裏面)上に、界面層を形成するために設けられている。なお、スパッタ源222は、マグネトロンスパッタリング装置(図示せず)の一部であり、ターゲットには、1Ω以下の抵抗値を有するp型の結晶Siを用いた。
【0093】
また、第2蒸着室205は、ローラ223と、回転ドラム224と、巻取用ローラ225と、回転ドラム224に対向するように配置された蒸着源226とを含む。この蒸着源226は、回転ドラム224上の集電体227の他方の面(裏面)上に形成された界面層上に、活物質層を形成するために設けられている。なお、蒸着源226として、99.999%の純度を有するSiチップを用いた。
【0094】
また、第1予備室206は、第1スパッタ室202と第1蒸着室203との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止するために設けられている。また、ローラ217とローラ218とが設置された第2予備室207は、第1蒸着室203と第2スパッタ室204との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止するために設けられている。第3予備室208は、第2スパッタ室204と第2蒸着室205との間に設けられており、それぞれの雰囲気ガスが混合するのを防止するために設けられている。
【0095】
比較例2では、図7に示した薄膜形成装置201を用いて、集電体227上に界面層および活物質層を形成することによって、電極b2を作製した。具体的には、まず、図7に示すように、帯状の集電体227の一端を供給用ローラ209に固定した。そして、集電体227の他端を、回転ドラム210と、ローラ211および213と、回転ドラム214と、ローラ215および217〜219と、回転ドラム220と、ローラ221および223と、回転ドラム224とを介して、巻取用ローラ225に固定した。なお、初期状態では、集電体227は、供給用ローラ209に巻き取られた状態とした。
【0096】
そして、供給用ローラ209から供給される集電体227を、巻取用ローラ225で巻き取りながら、第1スパッタ室202で、スパッタ源212を用いてスパッタリング法により、集電体227の一方の面(表面)上に界面層を形成した。具体的には、上記表3の工程1に示すように、パワー密度(ターゲット電力密度);3W/cm2、圧力(スパッタリング雰囲気);0.5Pa、ターゲット(スパッタ源212)と集電体227との間隔;10cmの条件下で、30分間のスパッタリングを行うことによって、0.5μmの厚みを有するSiからなる界面層を形成した。なお、パワー密度(ターゲット電力密度)は、集電体227が硬化しないように調整した。
【0097】
そして、引き続き、第1蒸着室203で、蒸着源216により蒸着(電子ビーム蒸着)を行うことによって、回転ドラム214上の集電体227の一方の面(表面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。具体的には、上記表3の工程2に示すように、投入パワー;7kW、蒸着源216と集電体227との距離;40cmの条件下で、30分間の蒸着を行うことによって、5.5μmの厚みを有する活物質層を形成した。このようにして、集電体227の一方の面(表面)上に、Siからなる界面層および活物質層を形成した。
【0098】
そして、第2スパッタ室204で、スパッタ源222を用いてスパッタリング法により、集電体227の他方の面(裏面)上に界面層を形成した。具体的には、上記表3の工程3に示すように、パワー密度(ターゲット電力密度);3W/cm2、圧力(スパッタリング雰囲気);0.5Pa、ターゲット(スパッタ源222)と集電体227との間隔;10cmの条件下で、30分間のスパッタリングを行うことによって、0.5μmの厚みを有するSiからなる界面層を形成した。なお、パワー密度(ターゲット電力密度)は、集電体227が硬化しないように調整した。
【0099】
そして、引き続き、第2蒸着室205で、蒸着源226により蒸着(電子ビーム蒸着)を行うことによって、回転ドラム224上の集電体227の他方の面(裏面)上に形成された界面層上に、Siからなる活物質層を形成した。具体的には、上記表3の工程4に示すように、投入パワー;7kW、蒸着源226と集電体227との距離;40cmの条件下で、30分間の蒸着を行うことによって、5.5μmの厚みを有する活物質層を形成した。このようにして、集電体227の他方の面(裏面)上に、Siからなる界面層および活物質層を形成した。
【0100】
〔正極の作製〕
90重量部のLiCoO2粉末、および、導電材としての5重量部の人造黒鉛粉末を、結着材としてのポリフッ化ビニリデンを5重量部含む5重量%のN−メチルピロリドン水溶液に混合することにより、正極合剤スラリーを形成した。この正極合済スラリーをドクターブレード法を用いて、正極集電体である20μmの厚みを有するアルミニウム箔上に塗布した後乾燥することによって、正極活物質層を形成した。そして、アルミニウム箔の正極活物質層が塗布されていない領域上に正極タブを取り付けることによって、正極を作製した。
【0101】
〔電解液の作製〕
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットル溶解することにより電解液を作製した。
【0102】
〔電池の作製〕
図8は、参考例7による電極a7、参考例8による電極a8および比較例2による電極b2を負極に用いて作製したリチウム二次電池を示す分解斜視図である。図8を参照して、参考例7、参考例8および比較例2によるリチウム二次電池80の作製プロセスとしては、参考例7、参考例8および比較例2で形成されたSiからなる界面層および活物質層を含む集電体52(78、227)と、上記方法により作製された正極81と、セパレータ82と、セパレータ83とを巻き付けて扁平状態にした後、外装体84に挿入した。そして、外装体84に上記方法により作製された電解液を注入した後、外装体84の開口部を封口することによって、リチウム二次電池80を作製した。
【0103】
〔充放電サイクル特性評価試験〕
参考例7による電極a7、参考例8による電極a8および比較例2による電極b2を負極に用いて作製した上記リチウム二次電池の充放電サイクル特性評価試験を行った。具体的には、まず、140mAの定電流充電によって、リチウム二次電池の電位が4.2Vになるまで充電した。その後、140mAの定電流放電によって、リチウム二次電池の電位が2.75Vになるまで放電を行った。これを1サイクルとして、1サイクル目の放電容量(初期放電容量)および50サイクル目の容量維持率を測定した。この充放電サイクル特性評価試験の実験結果を以下の表4に示す。
【0104】
【表4】
Figure 0004259809
上記した表4を参照して、本発明の参考例7による電極a7では、比較例2による従来の電極b2に比べて、初期放電容量および50サイクル目の容量維持率が若干向上した。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、参考例7による電極a7では、集電体52の両面の界面層を同時に形成したため(図5参照)、集電体52の両面の界面層の熱履歴が同じになるので、集電体52の両面におけるCu元素の界面層への拡散状態を同じにすることができたと考えられる。
【0105】
また、本発明の参考例8による電極a8では、参考例7による電極a7よりも、初期放電容量および50サイクル目の容量維持率がさらに向上した。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、参考例8では、集電体78の両面の活物質層を共通の蒸着源77により一度に形成したので(図6参照)、集電体78の両面の活物質層の膜厚や膜質(膜内の内部応力など)などを同じように形成することができたと考えられる。その結果、参考例8による電極a8の両面における電池反応がバランスよく行われたと考えられる。
【0106】
なお、今回開示された実施例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施例の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0107】
たとえば、上記実施例1及び3では、スパッタリング法を用いて、集電体10上に、界面層および活物質層を形成したが、本発明はこれに限らず、他の原料を気相中に放出して供給する薄膜形成法を用いてもよい。たとえば、蒸着法などのPVD法やプラズマCVD法などのCVD法を用いて界面層および活物質層を形成してもよい。
【0111】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、充放電容量の減少とサイクル特性の悪化とを防止することが可能なリチウム二次電池用電極の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1、3及び参考例2、4〜6で用いたリチウム二次電池用電極のスパッタ形成装置の全体構成を示した概略図である。
【図2】 図1に示したスパッタ形成装置の水冷ローラ部分を示した拡大断面図である。
【図3】 実施例1による電極a1および比較例1による電極b1を用いて作製したリチウム二次電池を示す斜視図である。
【図4】 図3に示したリチウム二次電池を示す断面図である。
【図5】 本発明の参考例7で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。
【図6】 本発明の参考例8で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。、参考例8による電極a
【図7】 比較例2で用いたリチウム二次電池用電極の薄膜形成装置の全体構成を示した概略図である。
【図8】 参考例7による電極a78および比較例2による電極b2を負極に用いて作製したリチウム二次電池を示す分解斜視図である。
【図9】 従来のリチウム二次電池用電極のスパッタ形成装置の全体構成を示した概略図である。
【符号の説明】
10 52 78 集電体
以上

Claims (1)

  1. シリコン原料を気相中に放出して供給する方法を用いて、銅から成る集電体を200℃以上300℃未満の第1温度にした状態で、前記集電体の表面上に非晶質シリコンからなる界面層を形成する工程と、
    前記界面層の形成後に、シリコン原料を気相中に放出して供給する方法を用いて、前記集電体を200℃未満の第2温度にした状態で、前記界面層上に非晶質シリコンからなる活物質層を形成する工程とを備えた、リチウム二次電池用負極の製造方法。
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