JP2005291765A - 一体型筐体および一体型筐体を用いた秤量装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 少ない部品点数で防塵、防水機能に優れた秤量装置を構成する。
【解決手段】 プラスチックの一体成形等により、内ケース３と外ケース２とを一体的に形成することにより筐体１を構成し、内ケース３内の空間３ａに荷重計測機構７を収納し、かつ内ケース３を密閉する後壁９により内ケース３内に収納された荷重計測機構７を支持し、かつシール材１０により内ケース３内を密閉する。荷重計測機構７と秤量皿１２とは荷重伝達軸１２ａによって連結し、かつ荷重伝達軸１２ａの筐体挿通部もダイヤフラム１３により密閉することによって荷重計測機構７を収納した内ケース３内を防水・防塵する。
【選択図】 図１

Description

本発明は電子秤を始めとする秤量装置の筐体およびこの筐体を用いた秤量装置に関する。

秤量装置のうち特に電磁平衡式、ロードセル式或いは静電容量式秤等の所謂電子秤は、製品の低価格化と高性能化が進み、幅広い分野で使用されるようになっている。

このように電子秤の用途が拡大するに従って、例えば塵埃の多い環境下での使用、水気を含む対象物の重量を計測したり、秤を水洗いして汚れを落とす等従来では想定されなかったような態様或いは環境下で電子秤が使用される事態が生じている。

電子秤をはじめとする秤量装置では装置本体を構成する筐体内に荷重計測機構を内蔵するため、筐体にはこの荷重計測機構を支持するのに十分な強度が要求され、かつ上述のような環境下での使用態様に対応してこの荷重計測機構を水分或いは粉塵等から防護する機能も要求される。

図５は従来の電子秤の典型的な構成の一例を示す。
電子秤５０の本体を成す筐体は上ケース５１ａ及び下ケース５１ｂからなり、上ケース５１上に配置された秤量皿５２が筐体内部に配置された電磁部、ロードセル、静電容量センサ等の荷重計測機構と連通することにより秤量皿５２に載置された秤量物の荷重を荷重計測機構で計測する構成となっている。

この構成において、先ず筐体の強度については上下のケース５１ａ、５１ｂをアルミニウム等の金属製としたり、これらのケースが樹脂製である場合には荷重計測機構の取付部を中心として金属板を配置して剛性を持たせる等の工夫がなされている。

次に防塵或いは防水（防滴）については、秤量皿５２の支持軸５２ａの上ケース挿通部にゴム製のダイヤフラムを防水材として配置する外、筐体自体の防水のため上下のケース５１ａ、５１ｂの嵌合部全周にゴム製或いは軟質プラスッチック製等のパッキングを配置してこの勘合部をシールするように構成されている。

上記の技術的対応は、上部のケースを構成する２部品が必要であり、ケース内に荷重計測機構を強固に固定するための補強用の金属板を取り付けたり、全長の長いシール材を必要とするなど、部品点数の増加、組み立て工数の増加等のコスト高を招き、かつ筐体の一部或いは全部に金属を使用することによる秤量装置の全体重量の増加等の問題を発生する。
特開平０６−３４１８８８ 特開平０９−０３８４５９（特許２８７４６０９）

以上から、問題点として次の事項が指摘される。
即ち、電子秤等の秤量装置の筐体において、従来の構成では荷重測定機構を支持するための高い強度を有し、かつ防水（防滴）、防塵機能を有する構成の筐体の構造が複雑となったり、部品点数が増加する等のため低コストで提供することができなかった。

本発明は上記課題を達成する秤量装置の筐体および同筐体を用いた秤量装置である。
即ち、本発明の筐体は外ケースと内ケースとを有し、これら外ケースと内ケースとは一体に形成されると共に、外ケースは筐体全体の外形を形成しかつ当該筐体全体を支持する構成となっており、かつ当該筐体を用いた秤量装置は、当該筐体の内ケース内に荷重計測機構が配置され、内ケース上部を貫通して秤量皿と当該荷重測定機構とを連通させ、これら連通部及び内ケースの荷重計測機構を収納するための開放部を密封することより、荷重計測機構を収納した内ケースに対して防塵、防水機能を付与するよう構成した秤量装置であることを特徴とする。

荷重計測機構を収納する密閉空間を有する内ケースと、秤量装置全体の外形部を構成する外ケースとが一体に構成されているため、少ない部品点数でかつ少ない組み立て工程により防塵、防水機能を有する秤量装置を低コストで提供可能である。

内ケースは上下左右の壁面が一体的に構成され、かつ荷重計測機構部のみをこの内ケースに収納するため全体小型化でき、かつその構成自体が高い剛性を有し、筐体全体を金属製としたり、荷重計測機構取付部を金属材により補強する必要なく、製造が安価なプラスチックによる筐体を構成することが可能となる。またこのようにケースの強度が向上するため秤量装置としての計量精度を向上させることも可能となる。

内ケース及び外ケースをプラスラスチックにより一体的に形成して秤量装置の筐体とする。この筐体は外ケースが内ケースを含めた筐体全体を支持する構成とし、内ケース後端に形成された開口から、一端に筐体後壁が固定された荷重計測機構を内ケースの空間内に収納すると共に、この後壁を内ケース開口に固定し、シール材或いはシート等を利用することにより、荷重計測機構を内ケース内に密閉配置し防水機能を持たせる。これにより部品点数が少なくかく効果的に防塵、防水を行う秤量装置を構成する。

以下図面を参考に本発明の実施例を具体的に説明する。
図１乃至図３において、図中矢印１は秤量装置を構成するための筐体を示す。この筐体１は外ケース２と内ケース３とから成り、これら外ケース２及び内ケース３はプラスチック等により一体的に形成されている。

内ケース３は図２に示すように外ケース２の中央において、その長手方向に位置するよう形成されている。内ケース３は図１（Ｂ）に示すように上下左右に壁面が一体に形成された密閉構造として構成されているのに対して、外ケース２はその下端部が開放され、同（Ｂ）に示すように固定脚部２ａにより、筐体１全体を支持する構成となっている。これに対して内ケース３は外ケース２により吊り下げ支持される構成となっている。

内ケース３内には密閉空間として荷重計測機構収納空間３ａが形成される。符号３ｂはこの荷重計測機構収納空間３ａと連通する入力・表示部配置空間である。この入力・表示部配置空間は筐体１が一体形成された時点では外部に開放する空間であるが、入力・表示部配置空間３ｂ上面に操作用のタッチパネルや、計測値表示部等が配置されることにより開放部は密閉され、前記荷重計測機構収納空間３ａと連通した密閉空間として構成される。

次に符号４は入力・表示部配置空間３ｂの下部に形成された電池収納空間であって、筐体１の一体成形時には外部開放空間として構成されているが、開放部を介して電池を収納した後は、蓋体５により密閉された密閉空間となる。符号６は電池収納空間４と蓋体５との間をシールするシール材である。

符号７は荷重計測機構（図示の構成は静電容量式荷重センサを示す）である。この荷重計測機構７の後端部７ａは螺子８等の固定手段により後壁部９に固定されている。この状態で当該荷重計測機構７は内ケース３の荷重計測機構収納空間３ａ内に挿入配置され、後壁部９を内ケース３の後端部に固定することにより当該開口部３ｃ（図３参照）を密閉し、かつ荷重計測機構収納空間３ａ内に配置された荷重計測機構７をこの後壁部９により片持支持する。なお符号１０は開口部３ｃと後壁９との間に配置されたシール材であるが、この構成に加えて、或いはこれに代えて外部からシートやラベル（いずれも図示しない）を貼って防水機能を付加し、或いはこの機能を高めるよう構成してもよい。

なお、内ケース３内に収納された荷重計測機構７を片持に支持するのは本発明の必須の構成ではなく、荷重計測機構７の構成によっては、当該荷重計測機構７の下部が内ケース３の内壁底面に当接するよう配置することももとより可能である。

一方、筐体１の中央部上面には開口として軸挿通部１１が形成され、秤量皿１２の荷重伝達軸１２ａが挿通位置し、この荷重伝達軸１２ａの下端は前記荷重計測機構７に接続し、秤量皿１２に載置された秤量物の荷重をこの荷重伝達軸１２ａを介して荷重計測機構７に伝達する。なお、秤量皿１２と荷重計測機構７との接続は、例えば荷重計測機構７の挿通孔１５に対して荷重伝達軸１２ａの下端部を挿入嵌合する等の方法により実施する。また筐体１の軸挿通部１１に対しては、荷重伝達軸１２ａの変位を許容しかつ防塵、防水を図るための部材として例えばゴム製のダイヤフラム１３が配置されている（図４も併せて参照）。

符号１４は荷重計測機構収納空間３ａの底部に突設したストッパ部であって当該空間３ａ内に収納された荷重計測機構７の下部底面との間に一定の空間を介して位置するよう構成され、荷重計測機構７に対して許容値を越える瞬間荷重や大荷重が負荷された場合に当接してこの荷重計測機構７の変位を許容値内とすることにより、この荷重計測機構７を防護するよう機能する。また符号１４ａは荷重計測機構収納空間３ａの天井面に突設された上部ストッパ部である。この上部ストッパ部１４ａは荷重計測時には特別の機能を持たないが、秤量装置の工場出荷時、或いはユーザーが秤量装置を運搬するときに、振動や装置の落下等による衝撃から荷重計測機構７を防護する機能を有する。

以上に示した構成とすることにより一体的に形成された筐体１の内ケース３は完全に密閉され、効果的な防塵、防水が可能となる。

なお、上記構成の筐体１は、例えばプラスチック（合成樹脂）により一体成形されるが、従来構成のように筐体全体を金属製とすることももとより可能である。

以上、荷重計測機構として電磁平衡式機構、ロードセル式機構、静電容量式機構等の電子秤の機構を例に説明したが、内ケース内に収納可能に構成すれば、バネ秤等の機械式の荷重計測機構であってもよい。

（Ａ）は内ケースに荷重計測機構を収納する状態の一体型筐体の十断面図、（Ｂ）は同（Ａ）のＡ−Ａ線による断面図である。 図１（Ａ）のＢ−Ｂ線による断面図である。 図１及び図２に示す一体型筐体の背面図である。 内ケース内に荷重計測機構を収納しかつ秤量皿を取付た状態の一体型筐体の縦断面図である。 従来構成の電子秤の側面図である。

符号の説明

１ 一体型筐体
２ 外ケース
２ａ 固定脚部
３ 内ケース
３ａ 荷重計測機構収納空間
３ｂ 入力・表示部配置空間
７ 荷重計測機構
９ 後壁
１１ 開口（荷重伝達軸挿通用）
１２ 秤量皿
１２ａ （秤量皿の）荷重伝達軸
１３ ダイヤフラム
１４ ストッパ

Claims (7)

1. 筐体内に荷重計測機構を収納し、筐体上部に配置された秤量皿と荷重計測機構とを連結するよう構成した秤量装置において、荷重計測機構を収納する密閉空間たる荷重計測機構収納空間を有する内ケースと、筐体全体の外形を構成する外ケースとを有し、これら内ケースと外ケースとは一体に構成されていることを特徴とする秤量装置用一体型筐体。
2. 外ケースの下端部は秤量装置全体を支持する脚部として構成され、内ケースはこの外ケース内部において当該外ケースにより吊り下げ支持されるよう構成されていることを特徴とする秤量装置用一体型筐体。
3. 外ケースの下端縁の一部を秤量装置の固定脚部とすることを特徴とする請求項１又は２記載の秤量装置用一体型筐体。
4. 筐体全体がプラスチックの一体成形として構成されていることを特徴とする請求項１乃至３の何れかに記載の秤量装置用一体型筐体。
5. 荷重計測機構を収納する密閉空間たる荷重計測機構収納空間を有する内ケースと、筐体全体の外形を構成する外ケースとを有し、かつこれら内ケースと外ケースとは一体に構成されている筐体を用いた秤量装置であって、内ケースには荷重計測機構が配置され、筐体上面に配置された秤量皿は当該荷重計測機構と連結し、かつ荷重計測機構収納後の荷重計測機構収納用開口、及び荷重計測機構と秤量皿の連通部は密閉されることにより内ケースを防塵、防水構造とすることを特徴とする一体型筐体を用いた秤量装置。
6. 内ケースの後端に形成された開口が後壁により閉止されるよう構成され、かつ荷重計測機構の一端はこの後壁に固定され、荷重計測機構収納空間に配置された荷重計測機構は後壁が当該開口を閉止するよう内ケース後端に固定されることにより当該後壁によって片持に支持されるよう構成したことを特徴とする請求項５記載の一体型筐体を用いた秤量装置。
7. 片持に支持された荷重計測機構のうち、荷重が負荷される部分の下部に対向する位置で、内ケースの床面にストッパ部が突設されていることを特徴とする請求項５又は６記載の一体型筐体を用いた秤量装置。

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