JP2005285670A - 高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法 Download PDF

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Yasuo Takebe
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Abstract

【課題】 高分子電解質膜に熱的および機械的損傷を与えることなく、触媒層の細孔内を含む触媒担持粒子の表面に電解質を均一に薄く被覆させ、電気伝導性、プロトン伝導性、およびガス拡散性のバランスが良好な触媒層を有する膜・電極接合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、(1)触媒担持粒子と前記触媒担持粒子の少なくとも一部を被覆する水素イオン伝導性高分子電解質とを含む複合粒子を、溶媒に混合して分散液を得る工程、および(2)前記分散液を空中にスプレーし、溶媒を一部揮発させながら、前記電解質の少なくとも一部を半固体状態として前記複合粒子を水素イオン伝導性高分子電解質膜上に塗着し、複合粒子層で構成された触媒層を得る工程を含む。
【選択図】図2



Description

本発明は、燃料電池、特に高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法に関する。
高分子電解質型燃料電池は、単セルを複数個用いて構成される。単セルは、水素イオン伝導性高分子電解質膜と、水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟む触媒層および拡散層からなる一対の電極(アノードおよびカソード)とからなる膜・電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と、アノードに燃料ガス(水素)を供給する流路を有するアノード側セパレータおよびカソードに酸化剤ガス(酸素、通常は空気)を供給する流路を有するカソード側セパレータとからなる。
複数の単セルを積層してモジュールとする。さらに、このモジュールを積層してモジュール群を構成する。このモジュール群の両端部に、ターミナル、インシュレータ、エンドプレートを配置して燃料電池スタックを構成する。この燃料電池スタックの両端に、締結部材(例えばテンションプレート)を配することにより、燃料電池スタックが固定されている。
アノード側では、水素から水素イオンと電子が生じる式(1)のような反応が起こる。この水素イオンは水素イオン伝導性電解質膜中を通過してカソード側に移動する。カソード側では、この水素イオン、酸素および電子(隣接するMEAのアノードで生成した電子がセパレータを通してくる、または外部電気的負荷を通してくる)から水を生成する反応が起こる。
アノード:H2 → 2H+ + 2e- (1)
カソード:(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O (2)
燃料電池の電極を構成する触媒層は、電気伝導性、プロトン伝導性、およびガス拡散性がバランス良く機能することが求められる。触媒層は、白金等の貴金属触媒を担持した炭素等の触媒担持粒子からなり、この粒子表面を水素イオン伝導性高分子(電解質)が被覆することにより、このバランスが保たれる。
従来の電極触媒層の形成としては、例えば、特許文献1では以下のような方法が提案されている。流動している触媒担持粒子に電解質溶液を少量噴霧し、電解質が触媒担持粒子の一次粒子レベルで薄く均一に付着した試料粉末を調製する。この試料粉末を高沸点の有機溶媒からなる高粘度インク溶媒に再分散させた後、水素イオン伝導性高分子電解質膜上に塗布して触媒層を形成する。または、ガス拡散層上に塗布した後、水素イオン伝導性高分子電解質膜と熱的に接合する。
また、特許文献2では、触媒粉末を分散させた電解質溶液を転写基材上に塗布した後、乾燥させ、水素イオン伝導性高分子電解質膜上に熱転写する方法が提案されている。さらに、触媒担持粒子を分散させた電解質溶液を、複数回に分けて水素イオン伝導性高分子電解質膜上にスプレーさせながら乾燥させて、触媒層を形成する方法が提案されている。
高分子電解質型燃料電池の実用化には、高電圧化および長期間にわたる発電電圧の低下を抑制することが重要である。しかし、電解質が予め被覆された触媒担持粒子を試料粉末として用いる流動層造粒コーティング法では、高分子電解質膜上に多量の触媒層を連続して塗布する場合には、触媒層量を制御するために高沸点の有機溶媒を用いる必要があった。しかし、この場合では、別途有機溶媒を除去する工程が必要になる。また、この有機溶媒が触媒層および高分子電解質膜内に残存すると、長期間の燃料電池の運転中に発電電圧が低下しやすくなるという問題があった。
さらに、試料粉末を含む有機溶媒を高分子電解質膜上に塗布した時に、有機溶媒中の試料粉末が下部に沈降して、高分子電解質膜側の電解質の密度が濃くなる。なお、試料粉末を有機溶媒中に分散させると、触媒担持粒子を覆う電解質の一部は、有機溶媒中に溶解する。従って、形成された触媒層は、反応ガスの入口であるガス拡散層側を塞ぐため、ガス拡散性が低下し、性能低下を招く。また、プロトンの入口である高分子電解質膜側の電解質量が少ないため、高分子電解質膜からのプロトン伝導性が低下する。
また、転写基材上に触媒層を形成した後、高分子電解質膜上にこの触媒層を熱転写する方法では、高分子電解質膜が熱および機械的損傷を受けるため、燃料電池の長期運転中に発電電圧が低下するという問題があった。
一方、触媒担持粒子を含む電解質溶液を複数回に分けて高分子電解質膜上にスプレーして触媒層を形成する方法では、形成された触媒層中の電解質のみを加熱処理により結晶化させることが困難である。このため、加湿量の多い条件で燃料電池を運転すると、電解質が水を含み、電解質が膨潤しやすい。さらに、触媒担持粒子を含む電解質溶液では、高電圧化に必要な複数の触媒担持粒子により形成される触媒層の細孔内において電解質を薄く均一に付着させることは困難であった。
特開2001−899216号公報 特開2002−298860号公報
そこで、本発明では、高分子電解質膜に熱的および機械的損傷を与えることなく、触媒層の細孔内を含む触媒担持粒子の表面に電解質を均一に薄く被覆させ、電気伝導性、プロトン伝導性、およびガス拡散性のバランスが良好な触媒層を有する高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法は、触媒担持粒子と前記触媒担持粒子の少なくとも一部を被覆する水素イオン伝導性高分子電解質とを含む複合粒子を、溶媒に混合して分散液を得る工程(1)、および前記分散液を空中にスプレーし、溶媒を一部揮発させながら、前記電解質の少なくとも一部を半固体状態として前記複合粒子を水素イオン伝導性高分子電解質膜上に塗着し、複合粒子層で構成された触媒層を得る工程(2)を含む。
前記工程(2)の後に、前記複合粒子層を乾燥させる工程(3)を含み、前記工程(2)および前記工程(3)を繰り返して複数の複合粒子層で構成される触媒層を得るのが好ましい。
前記工程(2)において、前記スプレーされた分散液およびその周りに溶液拡散用ガスを流すのが好ましい。
前記溶液拡散用ガスが加温されているのが好ましい。
前記分散液が、電解質溶液であるのが好ましい。
前記複合粒子は、導電性を有する炭素粒子を乾燥雰囲気中に浮遊させる工程(i)と、前記乾燥雰囲気中の炭素粒子に電解質溶液を噴霧する工程(ii)と、前記工程(ii)の後、電解質溶液で覆われた炭素粒子を乾燥させる工程(iii)と、前記炭素粒子の凝集体および前記電解質が付着した前記炭素粒子の複合粒子を粉砕するとともに造粒する工程(iv)とによって作製することができる。
この場合、前記工程(iv)を複数回繰り返すのが好ましい。
したがって、本発明は、触媒を担持した導電性を有する炭素粒子、および前記粒子の表面の少なくとも一部を被覆する電解質からなる複合粒子の製造方法であって、導電性を有する炭素粒子を乾燥雰囲気中に浮遊させる工程(i)と、前記乾燥雰囲気中の炭素粒子に電解質溶液を噴霧する工程(ii)と、前記工程(ii)の後、電解質溶液で覆われた炭素粒子を乾燥させる工程(iii)と、前記炭素粒子の凝集体および前記電解質が付着した前記炭素粒子の複合粒子を粉砕するとともに造粒する工程(iv)とを含み、前記工程(iv)を複数回繰り返すことを特徴とする製造方法も提供する。
本発明によれば、高分子電解質膜に熱的、機械的損傷を与えることなく、触媒層の細孔内を含む触媒担持粒子表面に電解質を薄く均一に被覆させて、電気伝導性、プロトン伝導性、およびガス拡散性のバランスが良好な触媒層を形成することができる。
この触媒層を用いた高分子電解質型燃料電池では、高電圧化を実現するとともに高加湿の条件における長期運転時の電圧低下を抑制することができる。
以下、本発明の一実施の形態を図1および2を参照しながら説明する。図1は、複合粒子を製造するスプレードライ式装置の構成の一例を示す図である。
容器1内には触媒担持粒子として金属触媒を担持した炭素粉末が、容器2には電解質溶液が導入されている。
ガス導入口4から一定温度(60〜200℃)の窒素ガス等の不活性ガスが供給される。導入された不活性ガスは、矢印X1およびX2の向きに従って流通し、容器1の底部に設けられた金属フィルタ−6および造粒プレート7を介して、容器1の上部に吹き上げられる。このガスの供給に伴う風により、容器1内に投入された触媒担持粒子が容器1内で浮遊する。また、金属フィルター6の上部に設けられた造粒プレート7の上面では、沈降してきた触媒担持粒子が造粒される。
造粒プレート7上に設けられた撹拌羽根8は、触媒担持粒子を撹拌させながら粉砕する。さらに、圧縮ガス噴射ノズルを備えたパルスジェット9が、容器1の側面に設けられている。この噴射ノズルから、撹拌羽根8の中心部に設けられた円錐状の衝突ターゲット10に向かって、高圧ジェットが間欠的に吹き込められる。これにより、浮遊する触媒担持粒子が細かく粉砕される。
装置内に導入されたガスは、バグフィルター11により、矢印X3の向きに従って容器1外に排出される。なお、触媒担持粒子は、バグフィルター11により、フィルタリングされる。そして、バグフィルタ−11に接着した触媒担持粒子は、別途設けられた圧縮ガス12の間欠噴射によって、容器1内に再度戻される。
そして、上述したように触媒担持粒子を浮遊、撹拌させて、粉砕・造粒しながら、高圧スプレー3より触媒担持粒子に電解質溶液が噴霧される。また、容器1内に導入される上述した不活性ガスが加熱されていることにより、乾燥と同時に触媒担持粒子を被覆した電解質が加熱処理される。さらに、粉砕・造粒を繰り返すことにより、触媒担持粒子が微細となり、噴霧しにくい部分が表面に現れ、電解質が均一に触媒担持粒子上に付着して、複合粒子が得られる。
ここで、上記で得られた複合粒子を電解質溶液中に分散させてインクを得る工程、およびこのインクを高分子電解質膜上にスプレーする工程を図2に示す。
容器13内には、電解質溶液14中に、金属触媒15を担持した炭素粒子17、およびこの炭素粒子17を被覆する電解質16からなる複合粒子18を分散させたインクが入っている。この容器13から矢印Y1およびY2の向きに従って、絶えずこのインクを循環させることにより、複合粒子を均一に分散させることができる。
そして、矢印Y1およびY3の向きに従って、スプレー19から空中にインクが噴霧される(図2中の工程22)。そして、空中で溶媒の一部20が蒸発する(図2中の工程23)。電解質16の少なくとも一部を半固体状態として、工程23を経た複合粒子を高分子電解質21に塗着し、複合粒子層が形成される(図2中の工程24)。この複合粒子層を乾燥させて、複合粒子層で構成された触媒層が高分子電解質膜上に形成される。
これにより、触媒層の表面部分で露出する触媒担持粒子を被覆する電解質が一部溶解して再被覆するとともに、電解質溶液14が触媒層の表面部分で露出する触媒担持粒子の表面を被覆するため、水素イオンを伝導する経路が発達する。また、容器13内に電解質溶液14が存在しない場合においても、触媒担持粒子の表面を被覆する電解質の一部が再溶解および再被覆するだけで、高分子電解質膜上に損傷を与えることなく触媒層を形成することができる。
さらにスプレーを複数回に分けて噴霧することで、一回で噴霧されるインクの量が少なくなることから、インク内の複合粒子の不均一化を抑制することができる。
また、工程23において、スプレーした溶液およびその周りに溶液拡散用ガスとして、例えば窒素ガス等の不活性ガスを流すことにより、インクが乾燥しやすくなり、容易に半固体状態の電解質が得られる。さらに、溶液拡散用ガスを加温することにより、インク中の電解質が乾燥すると同時に加熱処理される。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
《実施例1》
(1)試料粉末の調製
まず、触媒担持粒子には、一次粒子の平均径が約30nmのカーボン粉末(Akzo Chemie社製、ケッチェンブラックEC)に平均粒子径約30Åの白金粒子を重量比50:50の割合で担持させたものを用いた。触媒担持粒子を分散させる電解質溶液には、10重量%のパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製、SE10072)溶液を用いた。
上述した図1と同様の装置を用いて、触媒担持粒子を容器1内に導入し、電解質溶液を容器2内に導入して、以下の条件で複合粒子からなる試料粉末を調製した。
触媒担持粒子の投入量は20g、電解質溶液の投入量は電解質と触媒担持粒子中の炭素粒子との重量比(F/C)が0.8となるように80g、高圧スプレーによる電解質溶液の噴霧速度は2g/分、乾燥ガスとしての窒素ガスの入口温度は100℃、窒素ガス風量は0.06m3/分、撹拌羽根の回転速度は300rpm、パルスジェットのOn/Off間隔は1回/12秒とした。得られた試料粉末は、触媒担持粒子の表面に高分子電解質が均一に被覆していた。
(2)触媒層の形成
次に、試料粉末Aをエタノールと水との混合溶媒(体積比1:1)中に固形分比で8重量%含有させて、触媒層用インクを調製した。このインクを超音波ホモジナイザーにかけた後、図2の装置を用いて、外寸が13cm×13cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜21(デュポン社製、ナフィオン112)の両面に6cm×6cmの触媒層25a、25bを形成した。この時、触媒層用インクには、調製後5時間以内のものを使用した。また、触媒インクを容器13に入れた後、絶えず矢印Y1およびY2の方向に従って循環させた。なお、この時の触媒層の塗布量は、アノード側は白金量が0.35mg/cm2、カソード側の白金量は0.5mg/cm2とした。
(3)ガス拡散層の形成
外寸6cm×6cm、厚さ360μmのカーボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含む水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND1)に含浸した。その後、これを乾燥し、400℃で30分加熱して、カーボン不織布に撥水性を付与した。
さらに、スクリーン印刷法により、このカーボン不織布の一方の面に、後述するインクを塗布して、撥水層を形成し、ガス拡散層26a、26bを得た。このとき、撥水層の一部は、カーボン不織布の中に埋め込まれた。インクには、導電性カーボン粉末と、PTFE微粉末を含む水性ディスパージョンとを混合したものを用いた。
(4)膜・電極接合体の作製
つぎに、両面に触媒層25a、25bを形成した高分子電解質膜21の周囲にガスケット27を配した。そして、一対の触媒層25a、25b上に、それぞれ上記で得られたガス拡散層26a、26bを配して、高分子電解質膜・電極接合体28(MEA)を得た。このとき、ガス拡散層の撥水層の面を触媒層に対向させた。
(5)燃料電池の組み立て
図3に示すように、MEA28およびガス流路29a、30aを有する導電性カーボンからなるセパレータ板29、30を用いて単電池を組み立てた。そして、この単電池を100セル積層した電池スタックを用いて燃料電池Aを作製した。
《実施例2》
触媒インクの調製時に、試料粉末を分散させる溶媒としてエタノール100%とした以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池Bを作製した。
《実施例3》
試料粉末の調製時に、導入する電解質の溶液量を60gにし、触媒インクの調製時に、触媒インク中の固形成分を8重量%となるように、試料粉末を、20gの電解質溶液とエタノールおよび水の混合溶媒(体積比1:1)とに混合した以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池Cを作製した。
《実施例4》
触媒インクの調製時に、触媒インクを図2の装置内で24時間循環させた後に使用する以外は、実施例1と同様の方法で燃料電池Dを作製した。
《比較例1》
試料粉末を窒素雰囲気中でエチレングリコ−ルと混合し、この混合物をボールミルで混合して、触媒層インクを調製した。この触媒インクを用いて、スクリーン印刷法により高分子電解質膜の両面に触媒層を形成した。その後、ガスケットで高分子電解質膜を挟みこんで保持した後、100℃の湯浴中で1時間煮沸し、乾燥させ、触媒層内に残留するエチレングリコールを除去し、MEAを得た。このMEAを用いた以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Eを作製した。
《比較例2》
図1に示した装置を用いずに、触媒を担持した触媒担持粒子20gと、10重量%のパーフルオロカーボンスルホン酸(デュポン社製、SE10072)溶液80gとを容器中で混合した。固形分比が8重量%となるように、この混合物に、エタノールと水の混合溶媒(体積比1:1)を加えて触媒インクを得た。この触媒インクを用いた以外は、実施例1と同様の方法により燃料電池Fを作製した。
[評価]
実施例1〜4および比較例1、2の電池A〜Fについて以下に示す放電試験を行った。
電池温度は70℃に設定し、アノード側には水素ガスを露点65℃で加湿し、導入した水素ガスのうち実際に反応に利用される水素ガスの割合(水素ガス利用率)を70容量%に調整した。また、カソード側は空気を露点70℃で加湿し、導入した空気のうち実際に反応に利用される酸素の割合(酸素ガス利用率)を40容量%に調整した。そして、電流密度700mA/cm2で8時間放電し、電池を活性化させた。
そして、電流密度を0〜700mA/cm2の範囲で変えたときの電池電圧を調べた。また、電流密度0.7A/cm2の条件で8000時間連続放電し、その時の電池電圧の推移を調べた。これらの結果を図4〜7に示す。なお、電池電圧は、単電池の平均セル電圧とした。
図4および6より、実施例A〜Eでは、電流密度に関わらず高い電池電圧を示した。電池Fでは、電流密度が大きいほど、電池電圧が低下した。
連続放電試験では、電池A〜Fの8000時間経過時の出力が、それぞれ約1.69W(67.0V−25.2A)、約1.64W(65.0V−25.2A)、約1.66W(66.0V−25.2A)、約1.64W(65.2V−25.2A)、約1.39W(55.0V−25.2A)、および約1.49W(59.0V−25.2A)であった。
また、図5および7より、8000時間経過時点においても、電池A〜Dでは、高い電池電圧を維持していることがわかった。一方、電池Eでは、電池電圧が大幅に低下し、電池Fでは、初期より電池電圧が低いことがわかった。
このことから、実施例1〜4の電池A〜Dでは、電池電圧が高く、長期運転時においても高い電池電圧を維持できることがわかった。
なお、実施例では、触媒インクの溶媒にエタノールを用いたが、イソプロピルアルコールやブタノール等を用いた場合でも同様の結果が得られた。
本発明の膜・電極接合体の製造方法で得られた膜・電極接合体は、家庭用コージェネレーションシステムや車載用の高分子電解質型燃料電池に用いられる。
本発明の膜・電極接合体の製造方法において、試料粉末を調製する装置の構成を示す図である。 本発明の膜・電極接合体の製造方法において、触媒インクを高分子電解質膜上に塗布する工程を示す図である。 燃料電池を構成する単セルの概略縦断面図を示す。 本発明の実施例2の電池Bおよび比較例1、2の電池E、Fの放電時の電流密度と電池電圧との関係を示す図である。 本発明の実施例2の電池Bおよび比較例1、2の電池E、Fの放電時間と電池電圧との関係を示す図である。 本発明の実施例1〜4の電池A〜Dの放電時の電流密度と電池電圧との関係を示す図である。 本発明の実施例1〜4の電池A〜Dの放電時間と電池電圧との関係を示す図である。
符号の説明
1、2、13 容器
3 高圧スプレー
4 ガス導入口
6 金属フィルター
7 造粒プレート
8 撹拌羽根
9 パルスジェット
10 衝突ターゲット
11 バグフィルター
12 圧縮ガス
14 電解質溶液
15 金属触媒
16 水素イオン伝導性高分子電解質
17 炭素粒子
18 複合粒子
19 スプレー
21 水素イオン伝導性高分子電解質膜
25a、25b 触媒層
26a、26b ガス拡散層
27 ガスケット
28 MEA
29、30 セパレータ
29a、30a ガス流路

Claims (7)

  1. (1)触媒担持粒子と、前記触媒担持粒子の少なくとも一部を被覆する水素イオン伝導性高分子電解質とを含む複合粒子を、溶媒に混合して分散液を得る工程、および
    (2)前記分散液を空中にスプレーし、前記溶媒を一部揮発させながら、前記電解質の少なくとも一部を半固体状態として前記複合粒子を水素イオン伝導性高分子電解質膜上に塗着し、複合粒子層で構成された触媒層を得る工程を含む高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  2. 前記工程(2)の後に、前記複合粒子層を乾燥させる工程(3)を含み、
    前記工程(2)および前記工程(3)を繰り返して複数の複合粒子層で構成される触媒層を得る請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  3. 前記工程(2)において、前記スプレーされた分散液およびその周りに溶液拡散用ガスを流す請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  4. 前記溶液拡散用ガスが加温されている請求項3記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  5. 前記分散液が、電解質溶液である請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  6. 前記複合粒子を
    (i)導電性を有する炭素粒子を乾燥雰囲気中に浮遊させる工程、
    (ii)前記乾燥雰囲気中の炭素粒子に電解質溶液を噴霧する工程、
    (iii)前記工程(ii)の後、電解質溶液で覆われた炭素粒子を乾燥させる工程ならびに
    (iv)前記炭素粒子の凝集体および前記電解質が付着した炭素粒子を粉砕するとともに造粒する工程により得る請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
  7. 前記工程(iv)を複数回繰り返す請求項6記載の高分子電解質型燃料電池用膜・電極接合体の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007250366A (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Toyota Motor Corp 燃料電池用電極の触媒層
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