JP2005032668A - 固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 - Google Patents
固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005032668A JP2005032668A JP2003272905A JP2003272905A JP2005032668A JP 2005032668 A JP2005032668 A JP 2005032668A JP 2003272905 A JP2003272905 A JP 2003272905A JP 2003272905 A JP2003272905 A JP 2003272905A JP 2005032668 A JP2005032668 A JP 2005032668A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- electrode
- catalyst layer
- carbon black
- catalyst
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【解決手段】白金触媒、カーボンブラックからなる電子伝導体、及びプロトン伝導体からなる固体高分子形燃料電池用電極触媒層であって、触媒層中のプロトン伝導体は該カーボンブラックの形成するアグロメレート内およびアグロメレート間の細孔に形成させたものであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用電極触媒層、それを用いた固体高分子形燃料電池用電極、それを用いた固体高分子形燃料電池。
【選択図】図2
Description
すなわち、水素を燃料とした場合、負極では次式の反応が起こり、
H2→2H++2e−
また、酸素を酸化剤とした場合、正極では次式の反応が起こり、水が生成される。
1/2O2+2H++2e−→H2O
さらに、PEFCは、常温・常圧で1A/cm2以上の高出力が得られる高性能な燃料電池であることが望まれ、この高出力密度を実現するには、電極触媒である白金粒子と固体高分子電解質との接触面積、すなわち反応面積の増加と、反応ガスを配給するガスチャネルの形成を考慮した電極設計が重要となる。
さらに、これらの触媒層は、直径0.04μmを境に細孔が変化しており、直径0.02μm〜0.04μmの細孔を1次孔、直径0.04μm〜1μmの細孔を2次孔とされている(例えば、非特許文献2参照。)。そうすると、Nafionのようなフッ素系高分子は、その分子量の大きさから直径0.04μm以下のような細孔に進入できず、反応場にならないことを示している。
したがって、PEFC用電極触媒層でフッ素系樹脂を使用する場合では、分子レベルで嵩の高い高分子を電解質に用いているために、白金担持カーボンブラック(CB−Pt)の形成する孔径の小さい(例えば、直径0.04μm以下)細孔には、プロトン伝導性固体高分子電解質(プロトン伝導体)が進入しにくく、これらの細孔内の触媒が利用されないという問題点がでてくる。白金触媒と固体高分子電解質との接触面積が大きく、かつ反応ガスの供給能が高いPEFC用電極の最適な細孔構造を得ることが必要であった。
また、このようなことから、Nafionのようなフッ素系高分子を用いる場合のカーボンブラックは、例えば、直径0.04μm以下というようなアグロメレートサイズ(1次孔)の小さいカーボン担体を使わねばならないなど、カーボンブラックの自由度が制限されるという問題点もあった。
本発明において、固体高分子形燃料電池とは、電解質として、プロトン伝導性固体高分子膜(以下、電解質膜と呼称することがある。)を用いることを特徴とした電池であって、プロトン伝導性固体高分子膜の両側に、触媒が担持された電極を配置し、更にその両外側に燃料を供給するための構造を有する一対のセパレーターが配置され、これを単位セルとして、隣り合う複数セルを相互に連結することで、所望の電力を取り出せるよう構成された電池である。
上記プロトン伝導性固体高分子膜の両側に配置される触媒が担持された本発明の燃料電池用電極は、燃料電池の反応である水素の酸化反応および酸素の還元反応を行う場所であり、(A)多孔質導電体と(B)触媒層からなり、好ましくは多孔質導電体と触媒層の間に(C)ガス拡散層を設けた3層からなる。各層を以下に詳しく説明する。
本発明の燃料電池電極において、電極を構成する多孔質導電体(A)は、電極の1構成層であり、集電体として、また、ガスの拡散をするための役割を担うものである。多孔質導電体(A)の材料としては、電導性を付与したポリイミドペーパーおよびポリエステルペーパー、カーボンペーパー等の多孔質体を挙げることができ、特に炭素繊維からなるカーボンペーパー等を好ましく用いることができる。
燃料電池電極において、電極を構成する触媒層(B)は、(i)燃料側の反応である水素をプロトン(水素イオン)と電子に分解する反応、及び(ii)酸素側での反応であるプロトン、電子及び酸素を結合させて水を形成する反応を行う層である。
アノード(燃料極)触媒層では、燃料として水素を供給すると、白金系触媒によりH2→2H++2e−の反応が起こり、プロトンと電子が生じ、プロトンは、電極に接触しているプロトン伝導性膜を通して反対極触媒層のカソード(酸素極)側に供給される。また、電子は、燃料極側の電極で集電され、電気として使用された後、酸素極側に供給される。一方、酸素極側触媒層では、供給された酸素、プロトン伝導膜を通過してきたプロトン、電気として使用された電子を受け取り、1/2O2+2H++2e−→H2Oの反応が起こることとなる。触媒層(B)において、白金触媒は、1/2O2+2H++2e−→H2Oの反応を促進させる機能を果たすことになる。
すなわち、触媒層においては、前述のように、燃料極において、白金触媒は、燃料(水素ガス)と直接に接している必要がある。燃料と直接に接していないと、水素をプロトンと電子に分解する作用を及ぼすことはできない。また、白金触媒は、電子(電気)伝導可能な導電性材料(カーボンブラック)と接している必要がある。白金触媒表面で生じた電子は、白金触媒そのものを通して白金触媒と接している導電材料(カーボンブラック)、あるいは電極へと電子を伝え、外部へと誘導される。更に、白金触媒は、触媒層中のプロトン伝導体とも接している必要がある。すなわち、白金触媒表面で生じたプロトンを触媒層中のプロトン伝導体に伝え、更にプロトン伝導性電解質膜を通じてプロトンを酸素極側に伝える必要がある。
一方、酸素極側においても、白金触媒は、電子伝導材料(カーボンブラック)と接しており、その接する部分より外部から導入される電子(電流)を得て、更にプロトン伝導性電解質膜あるいはそれと接合された触媒層中のプロトン伝導体と接した部分よりプロトンを受け取り、更に酸素と直接接した部分で酸素、プロトン、電子を反応させ、水を形成する。
すなわち、先にも述べた、J.Electrochem.Soc 第142巻、第2号、463頁には、従来のNafionを用いたPEFC用電極では固体高分子電解質は、直径0.04〜1.0μmの細孔部に分布しているといえる。つまり、この細孔部が反応場として機能するものと考えられる。このため、孔径の小さい、例えば、直径0.04μm以下の細孔にはプロトン伝導性固体高分子電解質(プロトン伝導体)が進入しにくく、三相界面が発現できない。
さらに、カーボンブラックの形成するアグロメレート内およびアグロメレート間の細孔は、それぞれ直径0.01〜0.08μmおよび0.08〜100μmであり、プロトン伝導体は、これらの両方の細孔部の中に存在していることが好ましい。2種類の細孔部を有することによりプロトン伝導体は、カーボンブラックに担持された白金と接触する面積が大きくなり、反応に寄与できる三層界面の面積が増大し、触媒利用率が向上する。
本発明においては、sol−gel反応による金属−酸素結合を有する有機−無機複合系プロトン伝導体を用いると、直径の小さい、例えば、直径0.04μm以下の細孔にも容易に進入させることができ、より白金触媒と固体高分子電解質との接触面積、すなわち反応面積が大きく、かつ反応ガスの供給能が高くなるようなことが実現できる。
また、R1が直鎖状のポリメチレン鎖であるので、酸による攻撃、ラジカル等による攻撃に対して安定である。直鎖状ポリメチレン鎖は、屈曲可能な構造であるために、プロトン伝導層に適度な柔軟性を付与することが可能であり、主としてポリメチレン鎖の分子長により緻密性などの調整も可能である。
一方、R1が直鎖でなく分岐がある場合には、その部分のメチン水素が、例えば、燃料電池作動時に生じる活性ラジカル等による引き抜きを受け、その結果、架橋間を結ぶ結合が切断される可能性がある。また、芳香族化合物を有している場合には、主としてベンジル位が活性点となり、分解や反応などが生じ、膜としての安定性が劣る可能性がある。芳香環を有する炭化水素材料がR1に含まれている場合は、ヘテロ原子を有する場合よりは安定性は高いが、長時間の使用時には分解の可能性は否定できない。
これらのポリメチレン鎖の両末端にSi−O架橋構造を有する構造体は、燃料電池用電極における触媒層のプロトン伝導体の基本架橋構造体として極めて安定かつ有用である。
一般に、電解質膜は数10ミクロン程度の厚みのものが使用されるが、膜抵抗は小さいほうが良く、伝導率は10−2S/cm以上であることが望ましい。一方、触媒層中のプロトン伝導体は、電解質膜と白金触媒の間のごく短距離をプロトン伝導するため、10−4S/cm以上のプロトン伝導性があれば極端な抵抗増大は避けることができ、さらに10−3S/cm以上のプロトン伝導性があれば、伝導性は十分に確保できる。
ここで、酸基は、燃料電池に供給される水、あるいは燃料電池作動時に生じる水等により、触媒層中から抽出され、散逸してしまうと、触媒層中のプロトン濃度が減少し、その結果、プロトン伝導性が低下する。したがって、酸は、イオン相互作用等で触媒層中に保持させるのではなく、長期でも安定的に触媒層中に存在させるため、共有結合で酸を固定させることが必要である。
また、スルホン酸は、Si−O架橋と結合している構造を有していれば、特に限定されないが、アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等を介してケイ素原子と結合していることが好ましい。
本発明の燃料電池用電極は、多孔質導電体(A)、好ましくは撥水処理した多孔質導電体に、必要に応じてガス拡散層(C)を設け、次いで触媒層(B)を積層して得られる。すなわち、好ましくは、予め製造したガス拡散層を設けた撥水処理した多孔質導電体上に触媒層を塗工して得られる。
したがって、触媒層の製造を白金担持カーボンブラック、硬化性材料、酸基含有化合物を同時に混合すると、徐々に粘度が上昇し、急激にゲル化するので、次のような第一〜第四の工程を経て製造する方法が好ましい。
すなわち、カーボンブラックは、前述のように凝集性が強く、1次粒子では無く、1次粒子が連続した状態(凝集体)の集合体として存在している。したがって、第一の工程では、この凝集した触媒担持カーボンブラックを粉砕し、アグロメレートサイズを小さくし(サイズの大きい集合体と呼ばれる形態からサイズの小さい凝集体と呼ばれる形態にし)、かつ、触媒担持カーボンブラックの表面にプロトン伝導体の原材料となる酸基含有化合物を吸着させる工程である。
ボールミル法は、硬い容器の中にボール及び被粉砕材料を入れ、ボールの入った容器を高速で回転させることにより、容器内のボール同士が衝突し、そこで発生する衝突エネルギーで容器内の被粉砕材料を粉砕する方法である。ここで、ボール及び容器の材質としては、硬度の高いものが好ましく、ジルコニアが特に好ましい。硬度が低いと、粉砕能力が劣る。
第二の工程では、ボールミル粉砕によりsol−gel反応をボールミル容器内で起こさせる。この工程では、粉砕してカーボンブラックの集合体のサイズを変更させてはならないため、柔らかい材料からなるボールを用いての混合が好ましい。柔らかい材料としては、パラメータとして引張強度で表すことができ、引張強度が400〜600kg/cm2の材料からなるボールが好ましい。このような材料としては、ナイロン(PA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらの中で、効果およびコスト等を勘案するとナイロンが好ましい。
塗工する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、グラビアコート法、ドクターブレード法等が挙げられる。これらの中では、ドクターブレード法が好ましく、ドクターブレード法で塗工を行なった場合は、ロールで厚みを調整する必要がある。ドクターブレード法だけであると、電極表面に凹凸が出来てしまう可能性があり、塗工後にロールでプレスする冷間プレスを行うことにより、厚みの差が0.05μm以下に均一に塗工することが実現できる。
ドクタブレード法は、バーコーター又はナイフコーターを用いて行い、塗工面は、第二の工程で述べたように、0〜40℃に温度制御しておくことが好ましい。
なお、冷間プレス工程では、溶媒除去及び厚み調整を目的として行うため、積極的な温度上昇をさせないように、温度は0〜50℃、圧力は5〜20kg/cm2、時間は10〜60秒間の範囲内で行うことが好ましい。
ホットプレス工程では、温度は130〜200℃、圧力は10〜30kg/cm2、時間は3秒〜10分間の範囲で行うのが好ましい。ホットプレス工程では、あまり高い圧力および長時間で行うと電極自体が粉々になる可能性があり、適度な時間および圧力で行うことが必要である。
なお、ホットプレス工程は、電極触媒層の上下に多孔質板を挟み込みプレスする方法によるのが好ましい。ホットプレス工程では、溶媒が急激に気化する可能性があり、プレス中に溶媒が急激に気化すると、溶媒の気化による圧力膨張により、電極表面のヒビや割れの原因になるが、多孔質板を挟み込んでプレスすることにより、気化した溶媒の逃避経路が確保され、溶媒の気化による圧力膨張により、電極表面のヒビや割れが防止出来る。
プロトン伝導性電解質膜の両側に電極を配置し、さらにその両側にセパレータを配し、集電板で挟み込み、ボルトにより締め付け評価用燃料電池用単セルを作製し、電子負荷装置及びガス供給装置を用いて図5に示す要領で評価した。評価セルをアノード13とカソード14に挟み、それぞれの極に水素ガス10、酸素ガス11を希釈用の窒素ガス12と共に流量計、バブラー9を経て供給し、セルから排出されるガスは、加湿トラップ16を経て放出される。セル温度を室温から160℃まで変化させ、それぞれの温度で、電池の出力を評価した。評価の際には、セルに電子負荷装置15を接続し、徐々に抵抗をかけ、電池自体の出力(I−V特性)を測定し、最大出力、電流密度を計測した。評価温度は0〜120℃とし、100℃以上の場合は、飽和水蒸気圧になるように装置内を加圧した。また、ガス流量は水素、酸素ともに200ml/minとした。
(1)撥水カーボンペーパーの作製
撥水カーボンペーパーを図3に示す手順にしたがい作製した。図3において、予め重量測定したカーボンペーパー(東レ(株)製、TGP−H−120)をテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP樹脂)水溶液(ダイキン工業(株)製、ネオフロン(登録商標)ND−1)に浸漬し、溶媒を蒸発乾燥した。この操作を3回繰り返した後、イソプロピルアルコール(以下、IPAと略称する。)中で超音波洗浄することで、中に含まれている界面活性剤を除去し、その後300℃で30分間焼成を行い撥水カーボンペーパーを作製した。
ガス拡散層付き撥水カーボンペーパーを図4に示す手順にしたがい作製した。図4において、カーボンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラックAB12(登録商標))に35重量%のトライトン(登録商標)溶液(ローム アンド ハース社、Triton(登録商標)X−100)を加え、遊星ボールミルを用いて、充分混合し、カーボンペーストを作製した。次いで、このカーボンペーストと撥水材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル(株)製、30−J)をカーボンブラック:PTFE比で6:4になるように添加し、遊星ボールミルを用いて、充分混合してガス拡散層ペーストを得た。
得られたガス拡散層ペーストを(1)で得られた撥水カーボンペーパー上に塗工し、60℃の乾燥機で約1時間乾燥した。乾燥後、冷間プレスを行い、拡散層/撥水カーボンペーパーからなる2層体を製造した。次いで、2層体に含まれるトライトン(登録商標)を除去するためにIPA中に2層体を浸漬し、充分洗浄した。その後、ホットプレス(360℃、2.5KN、3秒)を行い、水中で急冷することによって拡散層付撥水カーボンペーパーを製造した。
(i)第一の工程
比表面積が800m2/gで、DBP吸油量が365ml/100gのケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル製)を担体とした白金触媒担持カーボンブラック(田中貴金属(株)製、TEC10E50E)2.0g、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸水溶液(濃度18.5wt%:アヅマック社製)1.351g(THS(pro)SO3H/CB)=0.25)と水18.7gをジルコニアポットに入れ、ボールミルを用いて、カーボンペースト(cp−1)を作製した。
(ii)第二の工程
得られたカーボンペースト(cp−1)を室温(25℃)に温度調整し、これに1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン0.55gをIPAに0.55gに溶解した溶液を加え、、ボールミルを用いて、カーボンペースト(cp−2)を作製した。
(iii)第三の工程
カーボンペースト(cp−2)を10℃に調温した恒温恒湿槽で30分間保持した後、(2)で得られた拡散層付撥水カーボンペーパー上に厚み50μmになるようにナイフコーター(松尾産業社製)で塗工し、さらにロールプレスを行った。その際、塗工板の温度は、25℃になるようにした。
(iv)第四の工程
塗工後、オーブンで60℃1時間乾燥した。その後、20℃での冷間プレス(10kgf/cm2)を30秒間行い、続いて、150℃でのホットプレス(20kgf/cm2)を5分間行って、触媒層を形成した。なお、電極は、図1に示す層構成であり、触媒層(B)の厚みは80μm、多孔質導電体(A)+拡散層(C)の厚みは、0.36mmであった。
さらに、電極を、燃料電池用単セル(Electoro Chem社製)を用いて、電極−膜−電極の順に挟み込みボルトによりトルク4KN−cmで締め付けて、単セルを作製し、固体高分子形燃料電池の性能を評価した。流量は酸素、水素とも200cc/min、加湿温度は水素90℃、酸素は無加湿で行った。その結果を図8及び表1に示す。
なお、図8のmass activity(A/g)は、電池の性能を示すものである。測定値は、電流密度を徐々に増加させる「行き」と、電流密度を徐々に減少させる「帰り」で測定し、この「行き」と「帰り」が測定できれば、安定的に性能が発現できるものとすることができる。
実施例1(3)(i)において、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸水溶液(濃度18.5wt%:アヅマック社製)2.703gを用い、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸と白金触媒担持カーボンブラックとの量比(THS(pro)SO3H/CB)を0.5にする以外は実施例1と同様にして電極を得、その細孔分布を測定した。その結果を図6に示す。さらに、細孔容積量を図7に、900mVでのMass Activityの値を図8に示す。
実施例1(3)(i)において、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸水溶液(濃度18.5wt%:アヅマック社製)5.405gを用い、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸と白金触媒担持カーボンブラックとの量比(THS(pro)SO3H/CB)を1にする以外は実施例1と同様にして電極を得、その細孔分布を測定した。その結果を図6に示す。さらに、細孔容積量を図7に、900mVでのMass Activityの値を図8に示す。
実施例1(3)(i)において、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸水溶液(濃度18.5wt%:アヅマック社製)8.103gを用い、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸と白金触媒担持カーボンブラックとの量比(THS(pro)SO3H/CB)を1.5にする以外は実施例1と同様にして電極を得、その細孔分布を測定した。その結果を図6に示す。さらに、細孔容積量を図7に、900mVでのMass Activityの値を図8に示す。
固体高分子電解質のアルコール溶液としてアルドリッチ・ケミカル社製の5%Nafion溶液を固体高分子電解質量が0.1〜1.4g/cm2となるようにn−酢酸ブチルと混合撹拌して4種類の高分子電解質のコロイド状分散液を生成した。このコロイド状分散液にPt触媒を20〜30重量%担持させた炭素粉末を添加し、Pt触媒を担持させた炭素粉末の表面にコロイドを吸着させた。この分散液を超音波分散器を用いてペースト状とした。このペーストをあらかじめ実施例1で得られた拡散層つき多孔質導電体に塗布し、電極を作製した。評価結果を表1に示す。最大出力、900mvでのMass Activityともに本発明の電極を用いた場合より劣った。
B 触媒層
C ガス拡散層
1 カーボンブラックが形成するアグロメレート
2 カーボンブラック
3 白金
4 プロトン伝導体
9 バブラー
10 水素入口
11 酸素入口
12 窒素入口
13 アノード
14 カソード
15 電子負荷装置
16 加湿トラップ
17 排出口
Claims (8)
- 白金触媒、カーボンブラックからなる電子伝導体、及びプロトン伝導体からなる固体高分子形燃料電池用電極触媒層であって、触媒層中のプロトン伝導体は、該カーボンブラックの形成するアグロメレート内およびアグロメレート間の細孔に形成させたものであることを特徴とする固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- カーボンブラックの形成するアグロメレート内の細孔直径は、0.08μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- カーボンブラックの形成するアグロメレート内およびアグロメレート間の細孔は、それぞれ直径0.01〜0.08μmおよび直径0.08〜100μmであり、プロトン伝導体がこれらの両方の細孔内に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- プロトン伝導体は、sol−gel反応による金属酸素結合からなる架橋構造体(a)と該架橋構造体と共有結合で結合した酸基を有している酸基含有構造体(b)とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- sol−gel反応は、白金担持カーボンブラックと酸基含有化合物とを混合した後に、硬化性材料とを反応させることを特徴とする請求項4に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- sol−gel反応により形成されるプロトン伝導体の積分細孔体積は、直径0.01〜0.08μmの細孔部で0.2cm3/g以上であり、直径0.08〜100μmの細孔部で1.8cm3/g以上であることを特徴とする請求項4又は5に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒層が多孔質体の片面に形成されてなることを特徴とする固体高分子形燃料電池用電極。
- 請求項7に記載の固体高分子形燃料電池用電極を用いた固体高分子形燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003272905A JP4418653B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003272905A JP4418653B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005032668A true JP2005032668A (ja) | 2005-02-03 |
JP4418653B2 JP4418653B2 (ja) | 2010-02-17 |
Family
ID=34210317
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003272905A Expired - Fee Related JP4418653B2 (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | 固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4418653B2 (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006332041A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-12-07 | Canon Inc | 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
WO2007126153A1 (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | University Of Yamanashi | ガス拡散電極の製造方法、及びガス拡散電極、並びにそれを備えた膜電極接合体 |
JP2008004298A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Sharp Corp | 燃料直接形燃料電池用電極およびその製造方法、ならびにそれを用いた膜電極接合体、燃料直接形燃料電池、電子機器 |
JP2008071631A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用触媒構造体、膜電極接合体、燃料電池 |
WO2008084713A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 燃料電池用複合粉体とその製造方法、燃料電池用電極、及び膜電極構造体の製造方法 |
JP2008181845A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-08-07 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用複合粉体とその製造方法、燃料電池用電極、及び膜電極構造体の製造方法 |
WO2010087070A1 (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-05 | 株式会社 東芝 | ダイレクトメタノール型燃料電池、およびダイレクトメタノール型燃料電池用カソード |
WO2010119492A1 (ja) * | 2009-04-14 | 2010-10-21 | パナソニック株式会社 | 燃料電池用電極の製造方法 |
JP2012043612A (ja) * | 2010-08-18 | 2012-03-01 | Toppan Printing Co Ltd | 電極触媒層の製造方法、及び固体高分子形燃料電池 |
US9766132B2 (en) | 2015-02-19 | 2017-09-19 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Measuring apparatus and measuring method |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003272905A patent/JP4418653B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006332041A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-12-07 | Canon Inc | 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
WO2007126153A1 (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | University Of Yamanashi | ガス拡散電極の製造方法、及びガス拡散電極、並びにそれを備えた膜電極接合体 |
JP2008004298A (ja) * | 2006-06-20 | 2008-01-10 | Sharp Corp | 燃料直接形燃料電池用電極およびその製造方法、ならびにそれを用いた膜電極接合体、燃料直接形燃料電池、電子機器 |
JP2008071631A (ja) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用触媒構造体、膜電極接合体、燃料電池 |
JP4506740B2 (ja) * | 2006-09-14 | 2010-07-21 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用触媒構造体、膜電極接合体、燃料電池、燃料電池用触媒構造体の製造方法 |
US8293404B2 (en) | 2006-09-14 | 2012-10-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Catalyst structure body for fuel cell, manufacture method therefor, membrane-electrode assembly, and fuel cell |
WO2008084713A1 (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | 燃料電池用複合粉体とその製造方法、燃料電池用電極、及び膜電極構造体の製造方法 |
JP2008181845A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-08-07 | Toyota Motor Corp | 燃料電池用複合粉体とその製造方法、燃料電池用電極、及び膜電極構造体の製造方法 |
WO2010087070A1 (ja) * | 2009-01-30 | 2010-08-05 | 株式会社 東芝 | ダイレクトメタノール型燃料電池、およびダイレクトメタノール型燃料電池用カソード |
WO2010119492A1 (ja) * | 2009-04-14 | 2010-10-21 | パナソニック株式会社 | 燃料電池用電極の製造方法 |
JP2012043612A (ja) * | 2010-08-18 | 2012-03-01 | Toppan Printing Co Ltd | 電極触媒層の製造方法、及び固体高分子形燃料電池 |
US9766132B2 (en) | 2015-02-19 | 2017-09-19 | SCREEN Holdings Co., Ltd. | Measuring apparatus and measuring method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4418653B2 (ja) | 2010-02-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1427043B1 (en) | Membrane, electrode assembly, its manufacturing method, and solid polyer fuel cell using the same | |
US8623572B2 (en) | Method for preparing metal catalyst and electrode | |
JP4390558B2 (ja) | 燃料電池用の電極触媒層 | |
WO2010150870A1 (ja) | 燃料電池用親水性多孔質層、ガス拡散電極およびその製造方法、ならびに膜電極接合体 | |
WO2007052650A1 (ja) | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 | |
EP1519433A1 (en) | Diffusion electrode for fuel cell | |
KR20090039462A (ko) | 연료 전지용 담체, 이를 포함하는 연료 전지용 촉매,막-전극 어셈블리 및 연료전지 시스템 | |
JPWO2008114688A1 (ja) | 電極バインダ、電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 | |
WO2005053073A1 (ja) | 液体燃料電池用発電素子およびその製造方法、並びにそれを用いた液体燃料電池 | |
JP2006054176A (ja) | 固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池用電極の製造方法及び固体高分子形燃料電池 | |
JP4418653B2 (ja) | 固体高分子形燃料電池用電極触媒層、固体高分子形燃料電池用電極、固体高分子形燃料電池 | |
JP4987857B2 (ja) | 重合体分散物及び電気触媒インク | |
KR20040048310A (ko) | 연료 전지용 전극 및 연료 전지 | |
JP6573242B2 (ja) | 高分子電解質膜、これを含む膜電極接合体および前記膜電極接合体を含む燃料電池 | |
KR100718107B1 (ko) | 연료전지용 전극, 연료전지 및 연료전지용 전극의 제조방법 | |
JP2010050098A (ja) | トリアゾール変性ポリマーを用いた燃料電池電極およびそれを含む膜電極複合体 | |
JP2013020816A (ja) | 膜電極接合体およびその製造方法、ならびに燃料電池 | |
KR20160039375A (ko) | 연료 전지용 전해질 막 및 이의 제조 방법 | |
JP2005026207A (ja) | 固体高分子形燃料電池用電極及びその製造方法 | |
KR101117630B1 (ko) | 연료전지용 막-전극 접합체 및 그 제조방법 | |
JP2003178770A (ja) | 膜−電極接合体、その製造方法及びそれを用いた固体高分子電解質型または直接メタノール型燃料電池 | |
JP5481297B2 (ja) | 膜電極接合体および燃料電池 | |
JP2004273255A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体の製造方法 | |
JP5105928B2 (ja) | 燃料電池用電極、燃料電池用電極の作製方法、および燃料電池 | |
JP2004022393A (ja) | プロトン伝導性電解質およびこれを用いた固体電解質膜と燃料電池、ならびにこれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20060309 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060309 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060421 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090609 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090806 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091110 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131204 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |