JP4944345B2 - 高分子電解質型燃料電池、ならびにその電極の製造方法および製造装置 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池、ならびにその電極の製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、高分子電解質型燃料電池、特にその電極およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、電極の触媒層の改良に関する。
【0002】
背景技術
高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて、電力と熱とを同時に発生させる。この燃料電池は、基本的には、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜、および電解質膜の両面に配置された一対の電極からなる。電極は、白金族金属触媒を担持したカーボン粉末を主成分とする触媒層、およびこの触媒層の外面に形成された、通気性と電子導電性を併せ持つ、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーからなるガス拡散層から構成される。
【0003】
供給するガスが外にリークしたり、酸化剤ガスと燃料ガスが互いに混合しないように、電極の周囲には、高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置される。このシール材やガスケットは、電極及び高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられる。これをMEA(電解質膜−電極接合体)と呼ぶ。MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接するMEAを互いに電気的に直列に接続するための導電性のセパレータ板が配置される。セパレータ板のMEAと接触する部分には、電極面に反応ガスを供給するとともに、生成ガスや余剰ガスを運び去るためのガス流路が形成される。ガス流路は、セパレータ板と別に設けることもできるが、セパレータ板の表面に溝を設けてガス流路とする方式が一般的である。
【0004】
高分子電解質型燃料電池の触媒層は、一般に白金族金属触媒を担持したカーボン微粉末と高分子電解質の混合物を薄くシート状に成形したものが用いられる。通常、この触媒層は、エタノールなどのアルコール系溶媒に高分子電解質を溶解ないしは分散させた液と触媒を担持したカーボン微粉末とを混合し、これにイソプロピルアルコールやブチルアルコールなどの比較的高沸点の有機溶媒を加えてインク化し、スクリーン印刷法やスプレー塗工法、ドクターブレード法、ロールコーター法等によって成形するのが一般的である。市販されている高分子電解質の溶液ないしは分散液の濃度は10%以下程度と、それほど高濃度ではない。このため、触媒を担持したカーボン微粉末に比較的多量の高分子電解質を混合するには、触媒を担持したカーボン微粉末に、高分子電解質の溶液ないし分散液を大量混合しなければならない。そのため高分子電解質の溶液ないし分散液に、触媒を担持したカーボン微粉末を混合して作製したインクの粘度が低下し、所望の高粘度のインクが得られない場合がある。
【0005】
そこで、インクの溶媒を蒸発させて高粘度のインクを得る手法もある。しかし、そのような手法によると、インクのロットによって再現性の高いインクを作製することが困難である。そのため、あらかじめ高分子電解質の溶液ないし分散液を蒸発乾固し、これをイソプロピルアルコールやブチルアルコールなどの比較的高沸点の有機溶媒に溶解ないしは分散させて、所望の濃度の高分子電解質を含む液を作製し、これに触媒を担持したカーボン微粉末を混合してインクを調製する方法も用いられている。いずれにしても、インク化する溶媒は、短時間でインク濃度が変化するのを避けるため、高分子電解質の溶液ないし分散液に用いられるメタノールやエタノールなどの低沸点溶媒に対して、比較的高沸点のプロピルアルコールやブチルアルコールなどのアルコール系溶媒を用いるのが一般的であった。
【0006】
上記のように、高分子電解質の溶液ないし分散液と触媒を担持したカーボン微粉末との混合液に、さらに溶媒を加えて、触媒層を形成するインクを調製する際、加える溶媒の種類が、カーボン粉末に混合される高分子電解質の性状に大きな影響を及ぼし、結果として電池性能に大きな影響を与える。一般に、触媒を担持したカーボン微粉末の表面に、比較的薄い高分子電解質の層をできるだけ均一に付けるほど高性能の電極を得ることができる。高分子電解質の溶液ないし分散液に、極端に極性の異なる有機溶媒や水などを混合すると、溶解ないしは微細に分散していた高分子電解質が凝集して析出する。そのような液から作製したインクを用いると、触媒を担持したカーボン微粉末の表面に、比較的大きな高分子電解質の塊が付着し、電極性能が低下する。そこで、高分子電解質の溶液ないし分散液と比較的近い性質を有するアルコール系の溶媒または比較的極性の強い有機溶媒、例えば酢酸ブチル、特に蒸発速度が遅いという観点から比較的高沸点のアルコール系溶媒をインクの調製に用いるのが一般的であった。また、あらかじめ高分子電解質の溶液ないし分散液を蒸発乾固し、これをイソプロピルアルコールやブチルアルコールなどの比較的高沸点の有機溶媒に溶解ないし分散させ、所望の溶媒で所望の濃度の高分子電解質の溶液ないし分散液を作製し、これに触媒を担持したカーボン微粉末を混合してインク化する場合にも、上記の理由から比較的高沸点のアルコール系溶媒を用いるのが一般的であった。
【0007】
また、以上の理由から、触媒を担持したカーボン微粉末の表面に、高分子電解質の層を均一に付けるためには、高分子電解質を含む有機溶媒と触媒を担持したカーボン微粉末とを混合する工程が必要不可欠であった。
【0008】
一方、ガス拡散層は、撥水処理を施したカーボン不織布等の多孔質カーボン層で構成されるのが普通であり、場合によっては、触媒層または高分子電解質膜の保湿を目的として、触媒層との界面に撥水性カーボン層を設けることもある。撥水性カーボン層は、通常次のようにしてつくられる。まず、カーボン微粒子と、界面活性剤を含んだフッ素樹脂微粒子のディスパージョンとを混合し、乾燥あるいは濾過等の手法によってカーボン微粒子とフッ素樹脂微粒子の混合物を得る。これを水または有機溶媒を用いてインク化し、ガス拡散層であるカーボン不織布等の片面に、触媒層と同様の手法で塗工した後、300℃から400℃程度の温度で焼成することによって、界面活性剤を焼散させて撥水性カーボン層とする。こうして得られた撥水性カーボン層は、触媒層と接するように設置される。この方法によると、撥水性のフッ素樹脂微粒子等を含む撥水性カーボン材料をインク化するためには界面活性剤が不可欠であり、成形後には界面活性剤を除去する必要があるため、焼成処理が必要不可欠であった。
【0009】
上記のように、電極触媒をインク化するために有機溶媒を用いる方法は、発火に対する安全性、環境保全、有機溶媒自体が高コストであるなどの問題を有する。また、有機溶媒を乾燥する工程や蒸発させた有機溶媒を回収する工程が必要であるため、製造工程の複雑化や製造時間の長期化、製造設備の高コスト化という問題がある。
【0010】
撥水性カーボン材料をインク化するために界面活性剤を用いる方法は、焼成工程を必要とするため、製造工程の複雑化や製造時間の長期化、製造設備の高コスト化が問題となる。さらに、焼成時に発生する不完全燃焼臭気が環境を汚染する問題があるので、これを処理する工程まで必要となり、生産性を著しく阻害する要因となっていた。
【0011】
燃料電池を実用化するためには、さらなる効率向上が必要である。そのためには触媒層の触媒粒子とこれを担持するカーボン粒子との構成の最適化が重要であり、またそれを実現するための製造方法も必要である。
【0012】
発明の開示
発明は、触媒層の膜厚の均一性や触媒層厚の制御が容易で、高性能な高分子電解質型燃料電池用電極を安定して製造できる方法及びその電極の製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、電極触媒粉末を収納し、高分子電解質膜またはガス拡散層が配置される分散室と、分散室に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する電界印加手段と、分散室内に設けられ、電極触媒粉末を電界印加手段の電界と逆極の電界に帯電させる帯電手段と、を具備し、帯電手段が、電極触媒粉末を攪拌して高分子電解質膜またはガス拡散層の電界と逆極の電界に自己摩擦帯電させる攪拌手段を含む、高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置を提供する。攪拌手段は攪拌翼を有するのが好ましい。攪拌手段が、高分子電解質膜またはガス拡散層の鉛直下方に位置するのも好ましい。
述の製造装置は、分散室内をマイナスイオン化し、電極触媒粉末を帯電させる放電手段をさらに具備することが好ましい。
【0014】
前述の製造装置は、分散室内に設けられ、分散室に収納された電極触媒粉末の高分子電解質膜またはガス拡散層への流れを整えて乱流を防止する整流手段をさらに具備することが好ましい
前述の整流手段は、複数の板材を放射状に組み合わせて構成され、高分子電解質膜またはガス拡散層に垂直な方向で実質的に直線的な貫通孔を有することが好ましい
前述の整流手段は、実質的にメッシュ板で構成され、鉛直方向に貫通する複数の孔を有することが好ましい
【0015】
前述の製造装置は、分散室が実質的に円筒形状又は逆三角錐形状に構成され、分散室の最下部に電極触媒粉末を分散する手段を配置することが好ましい。
前述の製造装置は、分散室の下部が実質的に円筒形状に形成されて電極触媒粉末を収納し、分散室の上部が実質的に逆三角錐形状に形成されて分散室の下部からの電極触媒粉末が上方に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に拡散して吸着されるよう構成されていることが好ましい。
前述の整流手段に電圧を印加するための電圧印加手段を具備することが好ましい。
【0016】
前述の製造装置は、分散室内で電極触媒粉末を運搬するためのキャリアガスを有し、キャリアガスを分散室内へ導入するための導入手段を設けていることが好ましい
前述の製造装置は、分散室内と前述の導入手段との間に形成されたキャリアガス流路にフィルター手段を設けて、キャリアガスを濾過したキャリアガスを再度分散室内に導入するよう構成することが好ましい
前述の製造装置は、分散室内に設けられ、電極触媒粉末に振動を与える振動手段をさらに具備することが好ましい
前述の製造装置は、電極触媒粉末が静電的に塗着した高分子電解質膜またはガス拡散層を連続的に加熱、圧縮して、定着する手段を具備することが好ましい
【0017】
また、本発明は、分散室に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する工程と、分散室内に収納された電極触媒粉末を高分子電解質膜またはガス拡散層の極性と逆極性に帯電させる工程と、帯電した電極触媒粉末を前記高分子電解質膜またはガス拡散層の所定位置に塗着する工程と、塗着された電極触媒粉末の層を高分子電解質膜またはガス拡散層に熱定着する工程と、を有し、分散室内に収納された電極触媒粉末を帯電させる工程において、攪拌手段により電極触媒粉末を攪拌して高分子電解質膜またはガス拡散層の電界と逆極の電界に自己摩擦帯電させる、高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法を提供する。
【0018】
述の製造方法では、分散室内において、整流手段により分散室に収納された電極触媒粉末の高分子電解質膜またはガス拡散層への流れを整えて乱流を防止することが好ましい。
前述の製造方法では、整流手段に電圧印加手段により電圧を印加することが好ましい。
【0019】
前述の製造方法では、分散室内で電極触媒粉末を運搬するためのキャリアガスを有し、導入手段によりキャリアガスを分散室内へ導入することが好ましい
前述の製造方法では、分散室内と注入手段との間に形成されたキャリアガス流路に設けたフィルター手段により、キャリアガスを濾過して再度分散室内に導入することが好ましい
【0020】
発明を実施するための最良の形態
本発明の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法は、上記のように、まず(a)150nmを越えない一次粒子径を有する導電体微粒子、好ましくは10nm〜150nmの導電体微粒子に、高分子電解質を付着させて粒径3μm〜15μmに造粒した複次粒子を得る工程を有する。この工程(a)として、次の1)ないし3)の方法が好ましく用いられる。
【0021】
1)触媒を担持した導電体微粒子が流動する乾燥雰囲気中に、水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液を噴霧して、前記導電体微粒子に前記電解質を付着させる工程を含む方法。
2)水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液と触媒を担持した導電体微粒子との混合液を乾燥雰囲気中に噴霧して前記導電体微粒子に前記電解質を付着させる工程を含む方法。
3)触媒を担持した導電体微粒子と水素イオン伝導性高分子電解質の粉体とをメカノフュージョン法により混合して前記導電体微粒子に前記高分子電解質を付着させる工程を含む方法。
【0022】
前記1)の方法においては、水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液とともに、撥水剤の分散液を噴霧することにより、導電体微粒子に前記電解質とともに撥水剤を付着させることができる。
また、前記3)の方法においては、水素イオン伝導性高分子電解質の粉体とともに撥水剤の粉体を用いることにより、導電体微粒子に前記電解質とともに撥水剤を付着させることができる。
【0023】
上記の工程(a)においては、さらに前記複次粒子を3μm以上15μm以下に粉砕する工程を含むことが好ましい。
上記の工程(a)は、前記1)または2)の方法により、導電体微粒子に高分子電解質を付着させる工程と、前記高分子電解質を付着した導電体の複次粒子を粉砕する工程と造粒する工程とを繰り返すことにより3μm以上15μm以下にする工程を含むのがより好ましい。
【0024】
上記の1)および3)の方法は、高分子電解質の代わりに撥水剤を用いることにより、導電体に撥水剤を付着させる方法に適用できる。
本発明は、上記の工程(a)に続いて、(b)前記複次粒子を層状に塗工して電極の触媒層または撥水層を形成する工程を有する。この工程(b)として、次の方法が好ましく用いられる。
【0025】
イ)前記複次粒子を触媒層または撥水層の形成位置に静電塗工する工程を含む方法。
ロ)前記複次粒子に水または有機溶媒を加えてインクを調製する工程、および前記インクを触媒層または撥水層の形成位置に塗工し、乾燥して触媒層または撥水層を形成する工程を含む方法。
【0026】
上記の工程(b)の後、前記触媒層または撥水層に、加熱しながら加重をかける工程を含むことが好ましい。
本発明は、電極反応用触媒を担持した導電体に水素イオン伝導性高分子電解質を付着させる方法の1つとして、上記のように、1)の方法を用いる。この方法においては、触媒を担持した導電体微粒子表面に、噴霧された高分子電解質の溶液ないし分散液の液滴が付着し、これが乾燥される。この方法によって、触媒を担持した導電体表面に高分子電解質がほぼ均一に付着される。この方法においては、乾燥状態の高分子電解質が導電体表面に付着することもあるので、後述の実施例で説明するように、導電体粒子を攪拌しながら粉砕する手段を付加するのが好ましい。
【0027】
2)の方法においては、触媒を担持した導電体微粒子を水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液に混合して混合液を調製する。この混合液中において、触媒を担持した導電体微粒子表面に、均一に高分子電解質が吸着されている。この混合液を噴霧すると、触媒を担持した導電体微粒子表面に均一に高分子電解質が付着した状態を保ったまま、微少液滴として噴霧される。そして、これが乾燥されることにより、溶媒が揮散し、触媒を担持した導電体表面に高分子電解質が均一に付着される。
【0028】
上記の3)の方法においては、水素イオン伝導性高分子電解質の粉体は、触媒を担持した導電体と比較して柔らかいため、メカノフュージョン法による混合手法によって剪断され、均一な薄い層として、触媒を担持した導電体表面に付着させることができる。また、このとき、最初に投入する高分子電解質の粉体の粒径が細かいほど、効率よく均一な薄い層として、触媒を担持した導電体表面に付着させることができる。
【0029】
触媒を担持した導電体表面に、高分子電解質と撥水剤とを均一に固着させたものは、撥水効果を有する触媒層を構成する材料として、特に低加湿条件下で運転する際に、特性に優れた電極を与える。
【0030】
上記の方法1)ないし3)の工程に続き、さらに粉砕する工程を付加することにより、触媒を担持した導電体または触媒を担持していない導電体の一次粒子が凝集した二次粒子の表面に、高分子電解質や撥水剤が付着したとしても、粉砕工程によって二次粒子を粉砕して一次粒子に戻し、さらにこの表面に高分子電解質や撥水剤を付着させることができる。こうして、より均一に高分子電解質や撥水剤を導電体に付着させることができる。
【0031】
触媒を担持した導電体は、高い触媒性能を有するため、高分子電解質の溶液ないし分散液や撥水剤の分散液等が有機溶媒である場合には、発火の危険性を伴う。そこで、上記の工程は、不活性ガス雰囲気中で行うことによって、そのような危険性を回避することができる。
【0032】
さらに好ましくは、触媒を担持した導電体または触媒を担持していない導電体を造粒する工程を含み、かつ前記粉砕工程と組み合わすことによって、粉砕と造粒を繰り返し、触媒を担持した導電体または触媒を担持していない導電体の二次粒子状態と一次粒子状態を繰り返すことにより、より均一に高分子電解質や撥水剤を付着させることが可能となる。また、造粒の効果は、後工程で、触媒層や撥水層を電極形状に成形する際にも効果を発揮する。すなわち、静電塗工によって触媒層や撥水層を成形する場合には、塗工基板上には、一次粒子、二次粒子を問わず基本的に一層から二層程度の、触媒を担持した導電体または触媒を担持していない導電体しか堆積しない。このため、あらかじめ造粒しておくことにより、堆積量を増加させることができる。また、造粒の粒径をコントロールすることによって、堆積量(触媒を担持した導電体の場合には、単位面積あたりの触媒担持量に相当する)を制御することができる。
【0033】
本発明による触媒を担持した導電体または触媒を担持していない導電体を、水または有機溶媒を媒体としてインクを調製し、このインクを、従来法によるスクリーン印刷、ドクターブレード、ロールコーター法等を用いて電極形状に成形し、乾燥することによって、触媒層または撥水層を形成することができる。このとき、あらかじめ導電体に電解質または撥水剤を担持したドライな粒子を得ることができるため、任意の量の媒体を加えることにより、任意のインク粘度を得ることができる。また、インクの調製に用いる媒体を水のみとすれば、有機溶媒を使用しない塗工工程とすることが可能である。
【0034】
また、静電塗工により、触媒を担持した導電体を高分子電解質膜の表面に堆積して電極形状に成形することによって、溶媒なしの塗工工程とすることができるため、乾燥工程さえも省くことができる。
【0035】
高分子電解質膜の表面に形成した触媒層上に、または電極のガス拡散層上に、静電塗工により、触媒を担持していない導電体を堆積する工程を含むことによって、溶媒なしの塗工工程によるガス拡散層を作製することができる。また、これにより、乾燥工程さえも省くことができるのみならず、従来界面活性剤を焼散するために必要であった焼成プロセスも省略することができる。
また、電極形状に成形した後、加熱しながら加重をかける工程によって、塗工により形成した触媒層またはガス拡散層を定着し、安定化させることができる。
【0036】
以上のように本発明によれば、導電体粒子を含む触媒層または撥水層を形成するための導電体微粒子に高分子電解質または撥水剤を付着して造粒した導電体粒子を調製する工程と、造粒した導電体粒子を塗工して触媒層または撥水層を形成する工程とに分けたので、比較的小規模の設備で実施できる前者の工程でのみ有機溶媒を用いればよい。従って、大規模な設備を要する電極の製造工程は、完全な非有機溶媒またはドライプロセスが可能となり、有機溶媒による危険性がない。また、形成した電極中の有機溶媒を乾燥させるなどの乾燥工程が不要になると共に製造現場における材料の維持、保管という観点からも簡単に長期安定的に材料を保管できる等、格段に製造時間の短縮と設備の簡略化を行うことができる。また、界面活性剤も不要となったから、界面活性剤を除くための焼成工程も不要となる。
【0037】
また、造孔材を入れることなく、適度な細孔分布を持った高分子電解質型燃料電池用電極として最適の電極構造が得られる。触媒を担持した導電体粒子を電解質膜に静電的に塗工して触媒層を形成することにより、ミクロ的に膜の中に触媒を担持した導電体粒子が埋設され、電池性能をより向上することができる。このように、これまで困難であった高分子電解質膜への電極の形成も非常に容易に行うことができる。本発明によれば、容易に撥水剤を触媒層に混合し、あるいは撥水層を構成できるため、電極へ供給される燃料および酸化剤が低加湿のものでも高性能な電池特性を得ることができる。また、触媒層と高分子電解質膜の接合を熱的に行うことにより、より性能の高い高分子電解質膜と電極の接合体を得ることができる。
【0038】
次に、上記の電極触媒粉末を静電的に塗工する装置及び方法について説明する。
本発明に係る燃料電池用電極の製造装置は、電極触媒粉末を収納し、高分子電解質膜またはガス拡散層が配置される開口を有する分散室と、前記分散室の開口に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する電界印加手段と、前記分散室内に設けられ、前記電極触媒粉末を前記電界印加手段の電界と逆極の電界に帯電させる帯電手段とを具備する。
【0039】
この装置は、電池性能に悪影響を及ぼすと考えられる溶媒や界面活性剤を用いる必要がなく、安全性が高く、電極触媒粉末を均一に高分子電解質膜またはガス拡散層に塗着させることができ、優れた性能を有する燃料電池を提供することができる。
【0040】
この燃料電池用電極の製造装置は、前記分散室内に設けられ、前記電極触媒粉末を攪拌して前記高分子電解質膜またはガス拡散層の電界と逆極の電界に自己摩擦帯電させる攪拌手段とを具備するのが好ましい。
この構成によると、電極触媒粉末を静電気力で電着させることにより、ミクロ的に高分子電解質膜の中に電極触媒粉末の微粒子が埋設され、電池性能がより向上する。
【0041】
本発明に係る燃料電池用電極の製造方法は、分散室の開口に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する工程と、前記分散室内に収納された電極触媒粉末を前記高分子電解質膜の電界と逆極の電界に帯電させる工程と、帯電した前記電極触媒粉末を前記開口に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層の所定位置に塗着する工程と、塗着された前記電極触媒粉末の層を熱定着する工程とを有する。
【0042】
この電極の製造方法は、完全なドライプロセスであるため、有機溶媒などの有害物質による危険性がなく、電極触媒粉末等の材料を安定的に保存することができる等、経済的にも優れている。
【0043】
本発明に係る静電塗工による電極の製造方法は、完全なドライプロセスであるため、製造現場における材料の品質維持、保管という観点からみて簡単に長期安定的に材料を保管、供給できる等、製造工程において格段に設備の簡略化を図ることができる。本発明に係る製造方法によれば、従来困難であった高分子電解質膜への触媒層の形成も非常に容易に行うことができる。
【0044】
本発明の製造方法における静電的な塗工方法は、従来のスプレー印刷法に比べて電極のガス拡散がより良くなるため、燃料電池用電極の製造方法としては非常に優れている。また、本発明においては電極と高分子電解質膜の接合を熱的に行えるため、より性能の高い高分子電解質膜と触媒層の接合体を得ることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0045】
実施例1
まず、触媒層を有する電極の作製方法を説明する。
平均一次粒子径30nmのカーボン粉末(Akzo Chemie社のケッチェンブラックEC)に平均粒径約30Åの白金粒子を重量比50:50の割合で担持させた。これをカソード側の触媒を担持した導電体とした。また、同じカーボン粉末に平均粒径約30Åの白金粒子とルテニウム粒子を重量比50:25:25の割合で担持させた。これをアノード側の触媒を担持した導電体とした。水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液として、水素イオン伝導性高分子電解質を9wt%含むエタノール(旭硝子(株)のフレミオン)を用いた。これらの材料から、図2に示す装置によって、電極の触媒層の材料を作製した。
【0046】
以下図2の装置を説明する。下部円筒状容器11の上方に、上部の径が大きくなるようにテーパーを付された筒部12および上部円筒状容器13が連結されて外容器が構成されている。容器11の下部には、ヒーター付きの窒素ガス導入口16が設けてあり、ここから容器内を窒素ガス雰囲気とし、かつ系内を乾燥するために一定温度に制御された窒素ガスが導入される。下部容器11には、中央にスリットを有する仕切り板15、および回転する造粒プレート17と攪拌羽根18が設けてある。下部容器11内に導入された窒素ガスは、仕切り板15のスリットを経て、造粒プレート17に設けられた、流動風量が外周に向かって大きくなるように開孔された通気スリットから、容器11の内部に吹き上がる。この窒素ガスによる流動風によって、下部円筒状容器11に投入された、触媒を担持した導電体が流動する。下部容器11の上部には、高分子電解質の溶液ないし分散液を噴霧する高圧スプレー21が設けてあり、このスプレーから噴霧される高分子電解質の溶液ないし分散液は、前記の窒素ガス流により流動されながら、同じく流動する導電体に付着し、窒素ガス流により乾燥される。こうして高分子電解質を付着した導電体は、造粒プレート17上に沈降し、これが造粒プレート17と撹拌羽根18の間のギャップに応じた粒径に造粒される。撹拌羽根18は、容器内部の、触媒を担持した導電体および高分子電解質を付着した導電体を撹拌し、流動させる役目と、粉砕する役目とを果たす。
【0047】
下部円筒状容器11には、圧縮ガス噴射ノズル20が設けてあり、ここから高圧の窒素ガスが撹拌羽根18の中心部に位置する円錐状の衝突ターゲット19に向かって間欠的に吹き込まれる。この高圧ジェットによって、流動状態の導電体は一次粒子まで粉砕される。系内に導入された窒素ガスは、バグフィルター14によって導電体を除かれ、排気口22から系外に排出される。系外に排出した窒素ガスは、外部に別途設けた熱交換器により冷却して、蒸発したエタノールを回収して、再び窒素ガス導入口16から導入することにより、窒素ガスはリサイクルされる。
以上のようにして図2の装置を稼働させた条件は、次の通りである。
【0048】
電極反応用触媒を担持した導電体量:150g、
水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液:1050g、
高圧スプレー21による高分子電解質の溶液ないし分散液の噴霧速度:10.9g/min、
高圧スプレー21のノズル温度:50℃、
窒素ガス入口温度:55℃、窒素ガス風量:0.2m3/min、
撹拌羽根18の回転速度:350rpm、
ノズル20から噴射するパルスジェットのオン/オフ間隔:
0.3回/4秒。
【0049】
このようにして得た、触媒を担持した導電体は、一次粒子のレベルで、表面に水素イオン伝導性高分子電解質を均一に付着しており、平均粒径10μmの複次粒子に造粒されていた。この導電体粒子を蒸留水と混合し、触媒層用のペースト状インクを作製した。次に、外寸が20cm×32cmのプロトン伝導性高分子電解質膜(デユポン社製ナフィオン112)の裏表両面に、触媒層用ペーストをスクリーン印刷法により塗布して触媒層を形成し、次いで150℃のホットローラーを通過させることにより、触媒層を高分子電解質膜に定着させた。こうして電解質膜の表面に形成された触媒層は、その平均厚みが10μmであり、触媒層に含まれる触媒金属量は0.2mg/cm2であった。
【0050】
一方、ガス拡散層となる、外寸16cm×20cm、厚み360μmのカーボン不織布(東レ製、TGP−H−120)をフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョン(ダイキン工業製、ネオフロンND1)に含浸した後、乾燥し、400℃で30分間加熱することにより撥水性を与えた。このカーボン不織布の一方の面に、導電性カーボン粉末と撥水剤であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粉末を分散させた水とを混合して作製したペースト状インクをスクリーン印刷法により塗布し、乾燥して厚さ約50μmの撥水層を形成した。この撥水層の一部は、カーボン不織布の中に埋まり込んでいた。
【0051】
次に、図1に示すように、表裏両面に触媒層2を形成したプロトン伝導性高分子電解質膜1と、撥水層3を形成した一対のガス拡散層4とを、撥水層3が触媒層2と接するように、ホットプレスにより接合して、電解質膜−電極接合体(MEA)を得た。水素イオン伝導性高分子電解質膜1として、パーフルオロカーボンスルホン酸を50μmの厚みに薄膜化したものを用いた。こうして作製したMEAの水素イオン伝導性高分子電解質膜の外周部に、ゴム製のガスケット板を接合し、冷却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流通用のマニホルド孔を形成した。
【0052】
次に、深さ0.5mmのガス流路または冷却水流路を設けた、外寸20cm×32cm、厚み1.3mmの樹脂含浸黒鉛板からなる2種のセパレータ板を準備した。上記のMEAを、ガス流路を有する2枚のセパレータ板で挟んで構成した単電池を2セル毎に、冷却水流路を有するセパレータ板を挿入して100セル積層し、電池スタックを組み立てた。電池スタックの両端部には、それぞれステンレス鋼製の集電板と電気絶縁材料からなる絶縁板、および端板を当て、両端板を締結ロッドで締め付け固定した。締結圧はセパレータ板の面積当たり1.5MPa/m2とした。
【0053】
こうして作製した本実施例の高分子電解質型燃料電池に、80℃において、一方の電極側に75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、他方の電極側に60℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時には、98Vの電池開放電圧を示した。この電池を燃料利用率85%、酸素利用率60%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約14.6kW(65V−224A)の電池出力を維持することが確認された。
【0054】
実施例2
本実施例では、触媒を担持するカーボンの一次粒子径と造粒後の粒子径を変えて、燃料電池の特性との相関を評価した。用いたカーボンの種類と平均一次粒子径、造粒後の平均粒子径、及び燃料電池の特性を表1に示した。燃料電池の作成条件は、表1に示したカーボンの形態以外は、全て実施例1と同一とした。また、燃料電池の評価方法も実施例1と同一とした。
【0055】
表1で、品名のASTM記号N990とは、ASTMで規定されている粒子状ファーネスの品番であり、MFC−2とは三菱化学(株)製カーボンブラックの品番である。また、出力電圧の200時間後、および2000時間後とは、燃料電池を実施例1と同じ条件で連続運転し、運転時間がそれぞれ200時間及び2000時間経過したときの、燃料電池の出力電圧を示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004944345
【0057】
表1の評価の結果を見ると、一次粒子径が300nmのASTM記号N990のカーボンを用いた燃料電池の特性は、運転開始200時間後も、2000時間後も出力電圧が低いことが分かる。一次粒子径が150nmを越えないもので、複次粒子径が小さいほど、燃料電池の運転開始200時間後の特性は高くなる。しかし、一次粒子径が5nmより小さいと、運転開始2000時間後の特性がかえって下がっている。この原因は、触媒を担持したカーボン粒子をあまり細かくすると、燃料電池の長時間運転で、触媒層の中の水素イオンや水が流れる流路が閉塞されることによるものと考えられる。
【0058】
実施例3
本実施例では、図2に示す装置を用いて、触媒を担持した導電性カーボン粒子に、水素イオン伝導性高分子電解質と撥水剤とを接合した例を示す。
図2に示す装置におけるヒーター付きの高圧スプレー21を2本設け、これにより一定温度に保った水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液と、撥水剤を含む分散液をそれぞれ容器内へ噴霧できるようにした。撥水剤を含む分散液としては、ポリテトラフルオロエチレンの微粒子を10重量%含む水分散液を用いた。
図2の装置を稼働させた条件は、次の通りである。
【0059】
電極反応用触媒を担持した導電体量:150g、
水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液の量:1200g、
撥水剤の分散液の量:500g、
高圧スプレーによる高分子電解質の溶液ないし分散液の噴霧速度:
10g/min、
同高圧スプレーのノズル温度:50℃、
高圧スプレーによる撥水剤分散液の噴霧速度:5g/min、
同高圧スプレーのノズル温度:80℃、
窒素ガス入口温度:60℃、窒素ガス風量:0.25m3/min、
撹拌羽根18の回転速度:350rpm、
ノズル20から噴射するパルスジェットのオン/オフ間隔:
0.3回/4秒。
【0060】
このようにして得た、触媒担持導電体粒子は、一次粒子のレベルで表面に水素イオン伝導性高分子電解質と撥水剤を均一に配置しており、平均粒径10μmの複次粒子に造粒されていた。
【0061】
次に、外寸が20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、静電塗工法により触媒担持導電体粒子を堆積して、カソード触媒層およびアノード触媒層を形成した。静電塗工には、高分子電解質膜側と触媒担持導電体粒子のストック側との間に3kVの電圧を印加した。触媒層中に含まれる触媒金属量は0.2mg/cm2、触媒層の平均厚みは10μmとした。静電塗工による塗工方法では、基本的に高分子電解質膜の表面に堆積可能な導電体粒子は1〜2粒子層である。従って、細かい導電体粒子を堆積させると、その堆積させた粒子の粒径が、ほぼ堆積層の膜厚となる。ここで、検討の結果、最も高性能が得られる触媒層の厚みは、3〜15μmであり、静電塗工により堆積させる導電体粒子も、あらかじめ3〜15μmに造粒しておくことが望ましい。
【0062】
次に、上記の触媒層を形成した水素イオン伝導性高分子電解質膜に、実施例1と同じように、撥水層を形成した一対のガス拡散層をホットプレスにより接合して、MEAを得た。このMEAを用いて、実施例1と同様の電池スタックを組み立て、同様の条件で作動させた。
【0063】
その結果、電流を外部に出力しない無負荷時には、99Vの電池開放電圧を得た。また、電流密度0.7A/cm2で連続発電させたところ、8000時間以上にわたって約14.8kW(66V−224A)の電池出力を維持することが確認された。
【0064】
実施例4
まず、触媒層を有する電極の作製方法を説明する。
実施例1と同じカーボン粉末に平均粒径約25Åの白金粒子を重量比2:1の割合で担持させた。これを電極反応用触媒を担持した導電体とし、図3に示す装置によって、電極の触媒層の材料を作製した。
【0065】
以下図3の装置を説明する。
下部円筒状容器31の上方に、上部の径が大きくなるようにテーパーを付された筒部32および上部円筒状容器33が連結されて外容器が構成されている。下部容器31の下部には、ヒーター付きの窒素ガス導入口36が設けてあり、ここから、容器内を窒素ガス雰囲気とし、かつ系内を乾燥するために、一定温度に制御された窒素ガスが導入される。下部容器31に導入された窒素ガスは、スリットを有する仕切り板35から容器の内部に吹き上がる。
【0066】
容器31には、ヒーター付きの高圧スプレー37および38が設けてある。一方のスプレーからは、一定温度に保持された、触媒を担持した導電体と水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液との混合液が噴霧され、他方のスプレーからは、触媒を担持していない導電体と撥水剤を含む分散液との混合液が噴霧される。通常は、一方のスプレーのみを作動させる。これらのスプレーから噴霧された混合液のスプレーミストは、極めて微少な液滴であるため、窒素ガスの流動層を上昇して行く過程で固化され、微粒子となって流動する。水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液としては、高分子電解質を9wt%含むエタノールを、撥水剤を含む分散液としては、PTFE微粒子を10wt%分散させた水分散液を用いた。系内に導入された窒素ガスは、バグフィルター34によって導電体を除かれ、排気口39から系外に排出される。バグフィルター34には、間欠的に振動を与え、バグフィルター34が捕捉した微粒子を、流動層下部の高圧スプレーが噴霧される部位にまで払い落とした。ここで微粒子は、触媒を担持した導電体と高分子電解質の溶液ないし分散液との混合液や、触媒を担持していない導電体と撥水剤を含む分散液との混合液と接触し、液体に濡れることによって凝集しつつ造粒される。系外に排出した窒素ガスは、外部に別途設けた熱交換器により冷却して、蒸発したエタノールまたは水を回収して、再び窒素ガス導入口から導入することにより、窒素ガスはリサイクルした。
以上のようにして図3の装置を稼働させた条件は、次の通りである。
【0067】
触媒を担持した導電体の量:100g、
水素イオン伝導性高分子電解質の溶液ないし分散液の量:1000g、
高圧スプレーによる、触媒を担持した導電体と高分子電解質の溶液ないし分散液との混合液の噴霧速度:10g/min、
上記高圧スプレーのノズル温度:50℃、
触媒を担持していない導電体の量:40g、
撥水剤を含む分散液の量:200g、
高圧スプレーによる、触媒を担持していない導電体と撥水剤を含む分散液との混合液の噴霧速度:2g/min、
上記高圧スプレーのノズル温度:80℃、
窒素ガスの入口温度:60℃、窒素ガス風量:0.25m3/min。
【0068】
上記のようにして、触媒を担持した導電体と高分子電解質の溶液ないし分散液との混合液のみを噴霧して得た、触媒を担持した導電体は、一次粒子のレベルで、表面に水素イオン伝導性高分子電解質と撥水剤を均一に付着しており、平均粒径100μmの複次粒子に造粒されていた。このままでは、粒径が大きすぎるために、後工程として別途粉砕造粒機を用いて、平均粒径8μmの導電体を得た。また、触媒を担持していない導電体と撥水剤を含む分散液との混合液のみを噴霧させることにより得た造粒物を同様に粉砕して、平均粒径8μmの撥水剤を付着した導電体を得た。
【0069】
次に、外寸が20cm×32cmのプロトン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、静電塗工法により、触媒を担持した導電体を堆積させて触媒層を形成した。こうして電解質膜の表面に形成された触媒層は、その平均厚みが10μmであり、含まれる白金量は0.2mg/cm2であった。静電塗工によると、基本的に高分子電解質膜の表面に堆積可能な導電体は1〜2粒子層のみである。従って、細かい導電体を堆積させると、その堆積させた粉体粒子の粒径が、ほぼ堆積層の膜厚となる。ここで、検討の結果、最も高性能が得られる触媒層の厚みは、3〜15μmであった。従って、静電塗工により堆積させる導電体粒子も、あらかじめ3〜15μmに造粒しておくのが望ましい。
【0070】
一方、上記の撥水剤を付着した導電体に水を加えてインクを調製した。このインクを、実施例1と同じく撥水処理したカーボン不織布の一方の面に塗布して厚さ約50μmの撥水層を形成した。こうして作製したガス拡散層を、上記の触媒層を形成した高分子電解質膜に接合し、実施例1と同様の燃料電池を組み立てた。
【0071】
このように作製した本実施例の高分子電解質型燃料電池は、実施例1と同条件下で、電流を外部に出力しない無負荷時には、99Vの電池開放電圧を示し、電流密度0.7A/cm2で連続発電させると、8000時間以上にわたって約14.8kW(66V−224A)の電池出力を維持することが確認された。
【0072】
実施例5
まず、触媒層を有する電極の作製方法を説明する。
実施例1と同じカーボン粉末に平均粒径約25Åの白金粒子を重量比2:1の割合で担持させた。これを電極反応用触媒を担持した導電体とした。触媒を担持した導電体と水素イオン伝導性高分子電解質の粉末とを、メカノフュージョン法により混合した。同様に、触媒を担持していない導電体と撥水剤の粉末とを、メカノフュージョン法により混合した。ここに用いたメカノフュージョンのための装置は、球状の外容器内に、楕円形状の試料容器が設けられ、試料容器の中心部には楕円形状のローターを設けたもので、外容器とローターとは互いに反対方向に回転し、試料容器に投入された試料は容器の内壁面とローターとの間で大きな剪断力を与えられ、メカノフュージョンが行われる。
メカノフュージョン装置の稼働条件は、次の通りである。
【0073】
触媒を担持した導電体の量:100g、
水素イオン伝導性高分子電解質粉末の量:50g、
外容器の回転数:200rpm、
ローターの回転数:5000rpm。
【0074】
触媒を担持していない導電体の量:10g、
撥水剤粉末の量:5g、
外容器の回転数:200rpm、
ローターの回転数:5000rpm。
【0075】
このようにして得た、触媒を担持した導電体は、一次粒子のレベルで、表面に水素イオン伝導性高分子電解質を均一に付着していた。また、触媒を担持していない導電体は、一次粒子のレベルで、表面に撥水剤を均一に付着していた。
ここで、メカノフュージョンの手法として、本実施例では示さなかった他の手法、例えば遊星ボールミルによる手法、高速気流中衝撃法による手法でも同様に、導電体表面に均一に水素イオン伝導性高分子電解質や撥水剤を付着することができる。
【0076】
次に、後工程として別途粉砕造粒機を用いて、平均粒径8μmに造粒した、触媒を担持した導電体と、平均粒径5μmに造粒した、触媒を担持していない導電体を得た。
次に、外寸が20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜の裏表両面に、静電塗工法により触媒を担持した導電体を堆積して、触媒層を形成した。得られた触媒層は、平均厚みが10μm、含まれる白金量は0.2mg/cm2であった。こうして両面に触媒層を形成した高分子電解質膜を、150℃に設定したホットローラーを通過させることにより、触媒層を電解質膜に定着させた。
【0077】
次に、触媒層を形成した高分子電解質膜の両面に、静電塗工法により前記の触媒を担持していない導電体を堆積して、撥水層を形成した。このときの撥水層の平均厚みは5μmであった。このようにして、触媒層の上に撥水層を形成した高分子電解質膜を、150℃に設定したホットローラーを通過させることにより、撥水層を定着させた。ここで、静電塗工による塗工方法では、基本的に高分子電解質膜の表面に堆積可能な導電体は1〜2粒子層のみである。従って、細かい導電体を堆積させると、その堆積させた粉体粒子の粒径が、ほぼ堆積層の膜厚となる。ここで、検討の結果、最も高性能が得られる撥水層の厚みは、5〜20μmであった。従って、静電塗工により堆積させる導電体粒子も、あらかじめ5〜20μmに造粒しておくのが好ましい。
【0078】
一方、ガス拡散層となるカーボンペーパーを撥水処理した。外寸16cm×20cm、厚み360μmのカーボン不織布(東レ製、TGP−H−120)を、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業製、ネオフロンND1)に含浸した後、これを乾燥し、400℃で30分加熱して、撥水性を与えた。
【0079】
次に、上記の両面に触媒層と撥水層を形成した高分子電解質膜に、前記の一対のガス拡散層が接するようにホットプレスで接合し、これをMEAとした。ここでは、高分子電解質として、パーフルオロカーボンスルホン酸を30μmの厚みに薄膜化したものを用いた。このMEAの高分子電解質膜の外周部にゴム製のガスケット板を接合し、冷却水と燃料ガス及び酸化剤ガス流通用のマニホルド穴を形成した。
【0080】
上記のMEAを用いて実施例1と同様にして燃料電池を組み立てた。この燃料電池を、80℃において、一方の電極側に75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、他方の電極側に25℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれを供給した。その結果、電流を外部に出力しない無負荷時には、99Vの電池開放電圧を得た。この電池を燃料利用率85%、酸素利用率60%、電流密度0.7A/cm2の条件で連続発電試験を行い、出力特性の時間変化を計測した。その結果、本実施例の電池は、8000時間以上にわたって約14.8kW(66V−224A)の電池出力を維持することが確認された。
【0081】
実施例6
本実施例では、図2に示す装置によって、導電体に撥水剤を含む分散液を噴霧しながら乾燥し、撥水剤を担持した導電体からなる複次粒子を作成した。
以下の、図2の装置を稼働させた条件は次のとおりである。
【0082】
下部円柱状容器部に投入したアセチレンブラック粉末量:150g
撥水剤PTFE微粒子を10重量%分散させた水分散液:500g、
高圧スプレー21による撥水剤分散液の噴霧速度:5g/min、
高圧スプレー21のノズル温度:80℃、
窒素ガス入口温度:80℃、窒素ガス風量:0.25m3/min、
撹拌羽根18の回転速度:350rpm、
ノズル20から噴射するパルスジェットのオン/オフ間隔:
0.3回/4秒。
【0083】
このようにして得た、触媒を担持していない導電体は、一次粒子のレベルで表面に撥水剤を均一に配置しており、平均粒径5μmの複次粒子に造粒されていた。
次に、外寸が20cm×32cmの水素イオン伝導性高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112)の裏表両面に、実施例3と同様の静電塗工法によりアノード触媒層およびカソード触媒層を堆積した。これらの触媒層中に含まれる触媒金属量は0.2mg/cm2、触媒層の平均厚みは10μmであった。この、両面に電極触媒層を形成した高分子電解質膜を、150℃に設定したホットローラーを通過させることで、触媒層を定着させた。
【0084】
次に、上記で得た撥水剤を担持したアセチレンブラックの複次粒子を、前記の触媒層を有する高分子電解質膜の両面に、静電塗工法により堆積して、平均厚みは5μmの撥水層を形成した。こうして触媒層上に撥水層を形成した高分子電解質膜を、150℃に設定したホットローラーを通過させることで、撥水層を定着させた。
【0085】
一方、電極のガス拡散層となるカーボンペーパーを撥水処理した。外寸16cm×20cm、厚み360μmのカーボン不織布(東レ(株)製、TGP−H−120)を、フッ素樹脂の水性ディスパージョン(ダイキン工業製、ネオフロンND1)に含浸し、乾燥した後、400℃で30分加熱することで、撥水性を与えた。
【0086】
次に、この一対のカーボンペーパーを上記の高分子電解質膜の撥水層に接するように重ね、ホットプレスにより接合してMEAを作製した。このMEAを用いて実施例1と同様の100セル積層の電池スタックを作成し、同様に条件で作動させたところ、電流を外部に出力しない無負荷時には、99Vの電池開放電圧を示した。電流密度0.7A/cm2の連続発電試験で、8000時間以上にわたって約14.8kW(66V−224A)の電池出力を維持することが確認された。
【0087】
実施例7
図4は本実施例の燃料電池用電極の製造装置を示す断面図である。図4において、分散室102には電極触媒粉末101が収納されており、分散室102内部は不活性ガスにより満たされている。また、分散室102の内部には攪拌翼103が配置されており、収納された電極触媒粉末101を攪拌するよう構成されている。分散室102の上部には開口部102aが形成されており、この開口部102aにはマスキング用枠104が取り付けられるよう構成されている。
次に、この製造装置を用いて高分子電解質型の燃料電池用電極の製造方法について説明する。
【0088】
まず、分散室102上部の開口部102aにはマスキング用枠104が取り付けられ、そのマスキング用枠104上には高分子電解質膜105が配置される。高分子電解質膜105は絶縁材料でコーティングされた電極130によりプラス極に帯電されている。次に、電極触媒粉末101が分散室102内に投入され、分散室102の内部は不活性ガスで満たされる。分散室102の内部が不活性ガスで満たされた後、電極触媒粉末101を撹拌翼103により撹拌して、2次凝集体を分散させ、電極触媒粉末101をマイナス極に自己摩擦帯電させる。
このように撹拌翼103により攪拌されてマイナス極に自己摩擦帯電した電極触媒粉末101は、上部に配置されたプラス極の高分子電解質膜105上に吸着される。
【0089】
高分子電解質膜105は、例えば60mm角にカットされたマスキング用枠104によりその一部が所定の形状に覆われている。このため、高分子電解質膜105において、マスキング用枠104により覆われていない部分に対して、電極触媒粉末101が付着し、電極触媒層140が形成される。このように形成された電極触媒層140を有する高分子電解質膜105はマスキング用枠104から外され、ホットローラーによって電極触媒層140は高分子電解質膜105に熱定着される。このように、電極触媒層140を有する高分子電解質膜105がマスキング用枠104から外されて、ホットローラーに搬送されて加熱、圧縮する工程は、この製造装置において、連続的に行われるよう構成されている。本実施例においてはホットローラーを用いたが、ホットローラーの代わりにホットプレスにより加熱、圧縮を行うことも可能である。
【0090】
本実施例において用いた電極触媒粉末101は次のように作成した。カーボン粉末に白金を重量比75:25の割合で担持させた粒子と、高分子電解質の溶液ないし分散液(Nafion溶液)を用いて、実施例1と同様にして、触媒および高分子電解質を担持した一次粒子が粒径3〜15μmの複次粒子に造粒された触媒層形成用粒子を調製した。また、高分子電解質膜105にはジャパンゴアテックス(株)製のものを使用した。
【0091】
上記のように形成された触媒層は、その厚みが約30μmであった。このように高分子電解質膜105の片面に触媒層を形成した後、もう一方の面にも同様に電着により触媒層140を形成し、熱定着させた。
【0092】
上記の触媒層と同サイズにカットしたカーボンペーパー(東レ(株)製、膜厚360μm)を触媒層の両側から挟み、単電池を構成した。ここで用いたカーボンペーパーは、あらかじめフッ素樹脂粉末の水性ディスパージョン(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1)中に浸漬した後に焼成して、撥水処理が施されたものである。このように製造された単電池を単電池測定用の装置にセットして電池性能を測定した。
【0093】
比較のために現在一般的に用いられているスプレー塗工法を用いて燃料電池用電極を作成した。スプレー塗工法を用いる場合、高分子電解質膜上に直接スプレー塗工することは困難であるため、従来広く行われているようにガス拡散層上にスプレー塗工を行った。まず、電極触媒粉末にこれの3倍量のブタノールを加え、さらに、市販の界面活性剤(日本サーファクタント工業(株)製、NP−10)を数滴加え、ボールミル法により混合して、スプレー塗工用のインクを作成した。このインクをカーボンペーパー上にスプレー塗工して印刷した。このようにインクが塗工されたカーボンペーパーは、80℃で十分乾燥されて電極が形成される。このように乾燥により溶媒を取り除いて形成された2枚の電極により、高分子電解質膜を挟み、比較例1としての単電池を製造した。
【0094】
上記のように製造された単電池を80℃において、アノードに75℃の露点となるよう加湿・加温した水素ガスを、カソードに65℃の露点となるように加湿・加温した空気をそれぞれ供給し、燃料利用率90%、酸素利用率30%の条件で作動させた。
【0095】
図5は、本実施例の燃料電池用電極を有する燃料電池と比較例1の燃料電池用電極を有する燃料電池との電流−電圧特性を示す。図5に示すように、本実施例の燃料電池は、スプレー塗工により製造された比較例の電極を用いた電池に比べて、電流−電圧特性が優れていることが理解できる。
【0096】
本実施例の製造装置において、電極触媒粉末101を帯電させて高分子電解質膜105上に付着させて形成した電極は、従来の製造方法に比べて構造的にも性能的にも優れている。また、本実施例の電極の製造方法は、従来の製造方法に比べて、有機溶媒などの有害物質を含まないため無公害化の観点から有効である。また、本実施例の製造装置においては、必要なところ以外に付着した電極触媒粉末が確実に回収されて無駄になることが無いため、電極の低コスト化、省資源化の観点からも優れている。
【0097】
実施例8
本実施例では、拡散層としてのカーボンペーパーに触媒層を形成する例を示す。
図4の装置において、電解質膜105の代わりにカーボンペーパーをセットし、マスキング用枠104により覆われていない部分に電極触媒粉末101を電着させる。このカーボンペーパーの触媒層を形成する面には、撥水性を持たせるため、撥水層が形成されている。この撥水層は、撥水材とカーボン粉末との混合物を塗布して形成されている。
【0098】
上記のように形成された撥水層を有するカーボンペーパーを2枚作成して、高分子電解質膜を両側から挟み、単電池とした。この単電池を単電池測定用の装置にセットして電池性能を測定した。その結果、実施例7の単電池と同様に優れた特性を有することが確認された。
【0099】
実施例9
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図6に示す。図6において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
本実施例の装置では、コロナ放電針107が分散室102内の空間の実質的な中央部分に設けられている。このコロナ放電針107が設けられているため、攪拌翼103による電極触媒粉末101の自己摩擦帯電だけでなく、コロナ放電針107により分散室内空間にコロナ放電を発生させて、分散室内空間をマイナスイオン雰囲気にしている。
【0100】
このようにして確実にマイナス極に帯電される電極触媒粉末101は、プラス極の高分子電解質膜105上に吸着され、電極触媒層140が形成される。
コロナ放電針107には、例えば直径0.3mm、長さ50mmの白金線を用い、電圧5kVを印加する。
【0101】
本実施例の製造装置を用いることにより、コロナ放電針107を持たない実施例7や実施例8の製造装置を用いた場合に比べて、短い時間で、かつ緻密に電極触媒粉末101を高分子電解質膜105上に塗工することができ、高性能な電極の製造が可能となる。
【0102】
実施例10
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図7に示す。図7において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
【0103】
本実施例の装置には、分散室102内に整流板108が設けられている。この整流板108は、収納された電極触媒粉末101と開口部102aとの間に配置され、撹拌翼103により攪拌された電極触媒粉末101が上方へ直線的に流れるよう構成されている。整流板108は、分散室内空間の中央にある鉛直方向の軸を中心に放射状に配置された複数の板材により構成されている。整流板108は、大きさ150mm×100mmのポリ塩化ビニル製の4枚の板材をクロスさせて形成している。ただし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、電極触媒粉末101が上方へ直線的に流れるよう整流するものであればよい。
【0104】
上記のように、本実施例の装置を用いることにより、攪拌翼103の回転により生じた電極触媒粉末101の旋回流を整流板108により整流して直線的に電極触媒粉末101を電解質膜へ流すことができる。従って、整流板108を有する製造装置で前述の実施例7と同様の塗工処理を行うことにより、整流板を持たない実施例7の製造装置で製造した電極に比べて電極触媒粉末が高分子電解質膜上に均一に付着する。この結果、より性能の高い高分子電解質膜と電極との接合体を得ることができる。
【0105】
実施例11
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図8に示す。
図8において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
【0106】
本実施例の装置には、分散室102内にメッシュ板109が設けられている。メッシュ板109は、収納された電極触媒粉末101と開口部102aとの間に配置され、撹拌翼103により攪拌された電極触媒粉末101が通り抜けて上方へ直線的に流れるよう構成されている。複数の貫通孔を有するメッシュ板109として、スタンダードワイヤーゲージNo.19−6のメッシュを使用した。なお、メッシュ板109は上記のようなメッシュでなく、少なくとも複数の貫通孔を有する板材でもよい。
【0107】
この製造装置を用いることにより、攪拌翼103の回転により生じた電極触媒粉末101の旋回流の回転動作をメッシュ板109を通すことにより緩和して直線的に電極触媒粉末101が流れる。従って、メッシュ板109を有する製造装置で実施例7と同様の塗工処理を行うことにより、メッシュ板109を持たない製造装置で製造した電極に比べて電極触媒粉末101が高分子電解質膜上に均一にかつ緻密に付着する。この結果、本実施例の製造装置によれば、より性能の高い高分子電解質膜と触媒層との接合体を得ることができる。
【0108】
実施例12
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図9に示す。
図9において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
【0109】
本実施例の製造装置は、分散室110の形状に特徴があり、前述の実施例における同じ半径を有する実質的な円筒形の分散室102に対して、上下部分の半径が異なる形状を有している。
【0110】
分散室110は、電極触媒粉末101を収納する収納室110bと攪拌翼103により攪拌された電極触媒粉末101が上方へ流れる流路となる拡散室110aとを有している。分散室110の底部から略中程までの収納室110bは、その直径が上部の拡散室110aより小さい円筒形状である。また、拡散室110aは分散室110の略中程から上部に向かってはホッパー状の円錐形に形成されており、拡散室内部によどみが発生しにくい構造を有している。この結果、本実施例の製造装置によれば、攪拌された電極触媒粉末101が効率良く拡散され、塗工時間が大幅に短縮される。
【0111】
分散室110のホッパー形状は、前述の各実施例に適用できる形状であり、この形状を用いることにより、各実施例における製造時間はさらに大幅に短縮される。
【0112】
実施例13
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図10に示す。
図10において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
【0113】
本実施例の製造装置には、ブロアー112が設けられており、分散室内の不活性ガスであるキャリアガスを強制循環させるよう構成されている。また、分散室120からブロアー112への排出口には、フィルター111が設けられており、このフィルターにより、キャリアガスに含まれる電極触媒粉末101を除去する。ブロアー112からのキャリアガスは、分散室120の底部に設けた金属メッシュ板113を通して分散室120内へ送り込まれる。この金属メッシュ板113はキャリアガスを通し、電極触媒粉末101は通さないよう構成されている。また、金属メッシュ板113にはマイナスの電圧が印加されている。このため、金属メッシュ板113を通過したキャリアガスは、マイナスに帯電して分散室120内へ送られる。この結果、攪拌翼103により攪拌されて、凝集状態から分散された電極触媒粉末101は、マイナス極に強く帯電して、分散を促され、分散室内空間に拡散される。このようにマイナス極に帯電した電極触媒粉末101は、分散室120上部のマスキング用枠104に配置された高分子電解質膜105上に電着させて触媒層140が形成される。
【0114】
上記のようにキャリアガスが高分子電解質膜105上に電極触媒粉末101を電着させた後、フィルター111において不要な電極触媒粉末101が除去され、再びブロアー112に送られて強制循環される。
実施例7と同じ電極触媒粉末101を用いて、図10に示した製造装置を用いて高分子電解質膜105上に電極触媒粉末101を静電的に付着させて製造した触媒層を用いた燃料電池は、実施例7と同様に優れた特性を示した。
【0115】
なお、本実施例においては、金属メッシュ板113によりキャリアガスにマイナス帯電させる構成であるが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、キャリアガスをマイナス帯電させることができる構造であればよい。
【0116】
実施例14
本実施例の燃料電池用電極の製造装置を図11に示す。
図11において、実施例7と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付してその説明は省略する。
【0117】
本実施例の製造装置においては、電極触媒粉末101が金属製の電極触媒粉末ストッカ114に収納されている。この電極触媒粉末ストッカ114はマイナスに帯電されている。電極触媒粉末ストッカ114の下部には、振動子116が設けられており、帯電した電極触媒粉末101を振動させるよう構成されている。
【0118】
分散室115の上部のマスキング用枠104には高分子電解質膜105がプラス電極130と共に配置されている。このように、マスキング用枠104に高分子電解質膜105が配置された状態において、分散室102の内部は不活性ガスで満たされ、マイナス極に帯電した電極触媒粉末101が撹拌翼103により撹拌され、かつ振動されて、電極触媒粉末101の2次凝集体が分散される。
【0119】
上記のように、1対の電極(マイナス極の電極触媒粉末ストッカ114とプラス極の電極130)間に電圧を印加して、電極触媒粉末ストッカ114内の電極触媒粉末101を帯電させて振動子116により振動させることにより、電極触媒粉末101と逆電荷に帯電している高分子電解質膜105には、拡散した電極触媒粉末101が均一に付着する。
【0120】
次に、本実施例の燃料電池用電極の製造装置により、以下の3種類の電極触媒粉末を用いて電極を製造した。
(1)電極触媒粉末A:白金を担持したカーボン粉末(粒径:3〜15μm)、
(2)電極触媒粉末B:実施例7において使用した、白金および高分子電解質を担持したカーボン粒子、及び
(3)電極触媒粉末C:実施例3で製造したもので、一次粒子のレベルで表面に水素イオン伝導性高分子電解質と撥水剤を均一に配置した触媒担持カーボン粒子からなる平均粒径10μmに造粒された複次粒子。
【0121】
ここで用いた高分子電解質膜は、実施例7で使用した高分子電解質膜と同じものである。
上記の電極触媒粉末A、B及びCを、本実施例の燃料電池用電極の製造装置を用いて高分子電解質膜の両面に触媒層を形成した。電極触媒粉末以外は実施例7と同様の材料、構成により単電池を組み立て、同条件下で電池特性を測定した。
表2に、これらの電池を0.3A/cm2で放電したときの電池電圧の比較を示す。表2には、比較例1の電池の特性も併せて示す。
【0122】
【表2】
Figure 0004944345
【0123】
表2から明らかなように、電極触媒粉末A、BおよびCのいずれを用いた単電池の場合にも比較例1の電極を用いた単電池より電池性能が高くなることが理解できる。特に、電極触媒粉末Cを用いた単電池が電極触媒粉末A、Bを用いた単電池より優れていた。これは、電極触媒粉末Cが撥水剤を担持しているため、触媒層中のガス拡散、及び電極の撥水性が向上したことによるものと考えられる。なお、上記の電池電圧測定は、高分子電解質膜に触媒層を形成し、そこにカーボンペーパーを接合した単電池で行ったが、カーボンペーパー上に触媒層を形成し、これを電解質膜に接合した単電池の場合にも同様の測定結果が得られた。
【0124】
実施例においては、電極触媒粉末として、白金担持カーボン粉末に高分子電解質を被覆したものを用いたが、白金を担持したカーボン粉末や、高分子電解質を被覆した白金担持カーボン粉末とPTFE担持カーボン粉末との混合粉末を用いてもよい。また、白金担持カーボンにおける白金の代わりに、ルテニウム、金、パラジウムなどの貴金属を担持させたものでもよい。撥水処理を行うフッ素樹脂としては、PTFEに限るものではない。また、上記の3種類の電極触媒粉末A、B及びCのうちの一つに限定するものではなく、これらが混合されたものでも、またはこれらを順次形成して積層したものでも用いることができる。
【0125】
本発明において用いる電極触媒粉末は、貴金属触媒を担持した炭素微粉末、貴金属を担持した炭素微粉末と高分子電解質の混合物、貴金属を担持した炭素微粉末とフッ素樹脂で撥水処理した炭素微粉末と高分子電解質の混合物のいずれかを含んでいるもので、かつ前記粉末を乾燥した空気と撹拌構造を用いて分散、撹拌を行いながら、これらに高分子電解質の溶液ないし分散液を噴霧し、乾燥、混合、造粒、粉砕を行って複次粒子としたものが炭素粉末と高分子電解質の混合状態、流動性、粒度分布、帯電性能等の観点から最も望ましい。
【0126】
本発明において、触媒層と高分子電解質膜または拡散層とは、ホットローラーやホットプレスを用いて熱的に接合している。これにより、触媒層が確実に接合され、耐久性に優れた電極が得られる。
【0127】
以上のように、本発明に係る各実施例の燃料電池用電極の製造装置は、帯電したキャリアガスにより電極触媒粉末を帯電させて、この電極触媒粉末を高分子電解質膜上あるいはカーボンペーパー上に静電的に塗工して電極を形成している。このため、本発明に係る製造装置は、従来の電極の製造装置に比べて、優れた電極が短時間で製造されるという優れた効果がある。
【0128】
本発明に係る各実施例の電極の製造方法を用いることにより、高分子電解質膜以外のシート状物の表面に電極触媒粉末を静電的に付着させ、その後にその電極触媒粉末を高分子電解質膜やガス拡散層上に転写することも可能である。
【0129】
また、作成すべき電極の面積が大きくなった場合には、本発明に係る製造装置上で高分子電解質膜を一定速度で動かし、電極触媒粉末を連続的に塗工することにより、大きい形状の電極を均一に作成することが可能である。さらに、本発明に使用する高分子電解質膜やガス拡散層は、実施例で用いたものに限定されるものではなく、同じ機能を有するものであればそれ以外の材料を用いてもよく、形状も実施例に限るものではない。
【0130】
産業上の利用の可能性
本発明によれば、最適化された触媒層を有する高分子電解質型燃料電池用電極を提供することができる。また、本発明によると、導電体微粉末を含む触媒層を形成するための導電体粉末に高分子電解質を付着して造粒した導電体粉末を調製する工程と、造粒した導電体粉末を塗工して触媒層を形成する工程とに分けたので、比較的小規模の設備で実施できる前者の工程でのみ有機溶媒を用いればよい。従って、大規模な設備を要する電極の製造工程は、完全な非有機溶媒またはドライプロセスとなり、有機溶媒による危険性がない。
【0131】
本発明による静電塗工による電極の製造方法は、完全なドライプロセスであるため、製造現場における材料の品質維持、保管という観点からみて簡単に長期安定的に材料を保管、供給できる等、製造工程において格段に設備の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例におけるMEAの組立過程の縦断面図である。
【図2】 本発明の一実施例で用いた電極材料粉末の調製装置の縦断面略図である。
【図3】 本発明の他の実施例で用いた電極材料粉末の調製装置の縦断面略図である。
【図4】 本発明の実施例6の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図5】 実施例7の燃料電池用電極を有する燃料電池と比較例1の燃料電池用電極を有する燃料電池との電流−電圧特性を示す図である。
【図6】 本発明の実施例8の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図7】 本発明の実施例9の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図8】 本発明の実施例10の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図9】 本発明の実施例11の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図10】 本発明の実施例12の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。
【図11】 本発明の実施例13の燃料電池用電極の製造装置の構成を示す縦断面略図である。

Claims (19)

  1. 電極触媒粉末を収納し、高分子電解質膜またはガス拡散層が配置される分散室と、
    前記分散室に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する電界印加手段と、
    前記分散室内に設けられ、前記電極触媒粉末を前記電界印加手段の電界と逆極の電界に帯電させる帯電手段と、を具備し、
    前記帯電手段が、前記電極触媒粉末を攪拌して前記高分子電解質膜またはガス拡散層の電界と逆極の電界に自己摩擦帯電させる攪拌手段を含む、高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  2. 前記攪拌手段が攪拌翼を有する、請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  3. 前記攪拌手段が、前記高分子電解質膜またはガス拡散層の鉛直下方に位置する、請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  4. 前記分散室内をマイナスイオン化し、前記電極触媒粉末を帯電させる放電手段をさらに具備する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  5. 前記分散室内に設けられ、前記分散室に収納された電極触媒粉末の前記高分子電解質膜またはガス拡散層への流れを整えて乱流を防止する整流手段をさらに具備する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  6. 前記整流手段が、複数の板材を放射状に組み合わせて構成され、前記高分子電解質膜またはガス拡散層に垂直な方向で実質的に直線的な貫通孔を有する請求項記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  7. 前記整流手段が、実質的にメッシュ板で構成され、鉛直方向に貫通する複数の孔を有する請求項記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  8. 前記分散室が実質的に円筒形状又は逆三角錐形状に構成され、前記分散室の最下部に前記電極触媒粉末を分散する手段を配置した請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  9. 前記分散室の下部が実質的に円筒形状に形成されて前記電極触媒粉末を収納し、前記分散室の上部が実質的に逆三角錐形状に形成されて前記分散室の下部からの前記電極触媒粉末が上方に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に拡散して吸着されるよう構成された請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  10. 前記整流手段に電圧を印加するための電圧印加手段を具備する請求項記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  11. 前記分散室内で前記電極触媒粉末を運搬するためのキャリアガスを有し、前記キャリアガスを前記分散室内へ導入するための導入手段を設けた請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  12. 前記分散室内と前記導入手段との間に形成されたキャリアガス流路にフィルター手段を設けて、前記キャリアガスを濾過したキャリアガスを再度前記分散室内に導入するよう構成した請求項11記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  13. 前記分散室内に設けられ、前記電極触媒粉末に振動を与える振動手段をさらに具備する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  14. 前記電極触媒粉末が静電的に塗着した高分子電解質膜またはガス拡散層を連続的に加熱、圧縮して、定着する手段を具備する請求項1記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造装置。
  15. 分散室に配置された高分子電解質膜またはガス拡散層に所定極の電界を印加する工程、
    前記分散室内に収納された電極触媒粉末を前記高分子電解質膜またはガス拡散層の極性と逆極性に帯電させる工程、
    帯電した前記電極触媒粉末を前記高分子電解質膜またはガス拡散層の所定位置に塗着する工程、及び、
    塗着された前記電極触媒粉末の層を高分子電解質膜またはガス拡散層に熱定着する工程、を有し、
    前記分散室内に収納された前記電極触媒粉末を帯電させる工程において、攪拌手段により前記電極触媒粉末を攪拌して前記高分子電解質膜またはガス拡散層の電界と逆極の電界に自己摩擦帯電させる、高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  16. 前記分散室内において、整流手段により前記分散室に収納された電極触媒粉末の前記高分子電解質膜またはガス拡散層への流れを整えて乱流を防止する請求項15記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  17. 前記整流手段に電圧印加手段により電圧を印加する請求項15記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  18. 前記分散室内で前記電極触媒粉末を運搬するためのキャリアガスを有し、導入手段により前記キャリアガスを前記分散室内へ導入する請求項15記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  19. 前記分散室内と前記注入手段との間に形成されたキャリアガス流路に設けたフィルター手段により、前記キャリアガスを濾過して再度前記分散室内に導入する請求項15記載の高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
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