JP2005285656A - 誘導加熱ローラ装置および画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱ローラ装置および画像形成装置 Download PDF

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Takayuki Ogasawara
崇行 小笠原
Takaaki Tanaka
貴章 田中
Ichiro Yokozeki
一郎 横関
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Abstract

【課題】
高温加熱時に高効率になるとともに初期加熱所要時間が最短化された誘導加熱ローラ装置およびこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】
誘導加熱ローラ装置は、誘導電流により発熱する加熱ローラHRと;加熱ローラHRに対向して配設されて加熱ローラHRと磁気結合する誘導コイルICと;加熱ローラHRおよび誘導コイルICの高温動作時における回路定数に基づいて効率が高くなるように設計されていて、誘導コイルICに高周波電力を供給する高周波電源HFSと;を具備しているとともに初期加熱所要時間が最短である。
高周波電源は、その周波数を高温動作時とほぼ同じのままで初期加熱を行うように構成することができる。
【選択図】
図1

Description

本発明は、誘導加熱ローラ装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
トナー画像を熱定着するために、従来からハロゲン電球を熱源として用いた加熱ローラが用いられてきたが、効率が悪く、大電力を必要とする不具合がある。そこで、誘導加熱方式を導入してこの問題を解決しようと開発が行われている。この種の目的のための誘導加熱方式としては、渦電流損方式(例えば、特許文献1参照。)とトランス方式(例えば、特許文献2参照。)とがある。
渦電流損方式は、IHジャーなどにおいて実用化されているのと同様な動作原理である。なお、渦電流損方式において用いられている高周波の周波数は、20〜100kHz程度である。これに対して、トランス方式は、渦電流損方式より磁気的結合が強いために定常効率が高いとともに、加熱ローラ全体を加熱できるので、渦電流損方式に比較して定着装置の構造が簡単になるという利点がある。また、加えて動作周波数を20kHz以上、好適には1MHz以上の高周波にすることによって、誘導コイルのQを大きくして電力伝達効率を高くすることができる。このため、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図ることができる。また、渦電流損方式に比較して定着装置の構造が簡単になるという利点もある。さらに、渦電流損方式の加熱ローラより熱容量をかなり小さくすることができる。したがって、トランス方式は、熱定着の高速化に甚だ好適である。
さらに、トランス方式の改良形として、誘導コイルに空芯トランス結合する回転可能に支持される中空構造からなる加熱ローラの2次側抵抗値を2次リアクタンスにほぼ等しい閉回路に形成することにより、誘導コイルから加熱ローラへの電力伝達効率が高くなり、加熱ローラを効率よく加熱できるという著しい効果が得られる空芯トランス結合方式が本発明者によりなされ、本件出願人により特許出願されている(特許文献3参照。)。この発明により加熱ローラの誘導加熱の省電力を図るとともに、熱定着を高速化することが容易になった。
上述した誘導加熱による定着用加熱ローラ装置は、それが渦電流損方式およびトランス方式のいずれであっても、加熱ローラに磁気結合する誘導コイルを用いていて、その誘導コイルは、巻線をコイルボビンに巻装することによって形成するのが一般的である。
一方、トランス方式用として好適な高周波電源として、本発明者は複数の高周波電源回路の高周波出力を合成回路により合成して誘導コイルに供給するように構成した誘導加熱ローラ装置などを先に提案した(特許文献4参照。)。この誘導加熱ローラ装置によれば、小容量の高周波電源回路なら例えば高周波特性に優れたMOSFETを用いて構成することができ、高効率の誘導加熱ローラ装置などを得ることができる。
特開2000−215974号公報 特開昭59−33787号公報 特開2002−222688号広報 特開2002−334773号広報
ところで、誘導加熱ローラ装置において、加熱ローラおよび誘導コイルは、トランス方式および渦電流損方式のいずれであっても通電前や待機時には室温であるが、定着時には180℃付近まで昇温する。このため、これら部材の回路定数が温度上昇に伴って大きく変化する。
誘導加熱ローラ装置の特徴は、それが前述したようにトランス方式および渦電流損方式のいずれであっても室温から定着可能な温度まで加熱する際の初期加熱に対する所要時間の高速化が可能になることである。したがって、定着時における高効率を図るのと同時に、併せて初期加熱時における所要時間すなわち初期加熱所要時間の最短化が加熱ローラに誘導コイルを経由して高周波加熱電力を供給する高周波電源の設計における狙いとなっている。
ところが、従来、初期加熱時における所要時間の最短化を図るためには、高周波電源をどのような温度(室温、高温および中間温度)に合わせて設計すればよいか不明であった。そのために、自動的に負荷(加熱ローラおよび誘導コイル)の変化に応じて周波数を変化させたり、回路定数を変化させたりするといった複雑な制御回路の導入も検討されている。このような構成を採用すると、回路構成が複雑化して設計が困難になるばかりでなく、装置が高価で、大形化するという問題がある。
本発明者は、誘導加熱ローラ装置を開発する中で、高周波電源の設計温度と初期加熱所要時間との関係を調査したところ、初期加熱所要時間は設計温度に関係なく一定になることを発見した。本発明は、この発見に基づいてなされたものである。
本発明は、高温動作時に高効率になるとともに、構成が簡単で、しかも初期加熱所要時間が最短化された誘導加熱ローラ装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の誘導加熱ローラ装置は、誘導電流により発熱する加熱ローラと;加熱ローラに近接して配設されて加熱ローラと磁気結合する誘導コイルと;加熱ローラおよび誘導コイルの高温動作時における回路定数に基づいて効率が高くなるように設計されていて、誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と;を具備しているとともに初期加熱所要時間が最短であることを特徴としている。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
<加熱ローラについて> 加熱ローラは、後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流により発熱する。誘導コイルによる発熱は、渦電流損方式およびトランス方式のいずれであってもよい。いずれの加熱方式にも共通することは、適当な抵抗値を有する導体すなわち発熱層が加熱ローラの周面に円筒状に配設されている。なお、トランス方式の場合、加熱ローラは、その周回方向に閉回路を形成した2次コイルすなわち発熱層を備えていて、この発熱層が誘導コイルと磁気結合、例えば空芯トランス結合する。空芯トランス結合の場合、閉回路の2次側抵抗値は、2次コイルの2次リアクタンスとほぼ等しい値を有している。なお、2次側抵抗値と2次リアクタンスとが「ほぼ等しい」とは、2次側抵抗値をRaとし、2次リアクタンスをXaとし、かつ、α=Ra/Xaとしたとき、数式1を満足する範囲とする。なお、数式条件を規定する理由については特許文献3に開示されている。また、2次側抵抗値は、測定により求めることが可能である。2次リアクタンスは、計算により求めることが可能である。さらに、αは、好適には0.25〜4倍の範囲、最適には0.5〜2倍の範囲である。
〔数1〕
0.1<α<10
また、加熱ローラは、2次コイルを単一または複数配設することができる。複数の2次コイルを配設する場合、それらを加熱ローラの軸方向に分散して配設することが望ましい。2次コイルを支持するために、絶縁性物質からなるローラ基体を用いることができる。そして、ローラ基体の外面、内面またはローラ基体の内部に2次コイルすなわち発熱層を配設することができる。
さらに、加熱ローラは、その利用上被加熱体のサイズに応じて軸方向に沿って複数の加熱領域に区分される。すなわち、トナー画像を形成した記録媒体の定着など被加熱体を加熱する目的で加熱ローラを使用する場合、被加熱体の幅サイズに応じて適切な加熱領域を選択できるように構成されている。これらの加熱領域は、見かけ上識別できなくてもよいが、後述する誘導コイルとの協働によって加熱が区分される。トナー画像定着の場合を例として加熱領域を説明する。例えば、トナー画像が形成されたA4サイズの定着用紙からなる被定着体を定着する場合、被定着体を縦置きにして定着させるのと、横置きにするのとでは、必要な加熱領域の長さが異なる。また、例えばA4サイズの被定着体を定着する場合と、B4サイズの被定着体を定着する場合とでも必要な加熱領域幅が異なる。一方、定着に必要な加熱領域以外の領域まで一様に発熱させるのでは電力の無駄であるとともに、前述したように加熱ローラの軸方向の温度分布が不均一になるので、回避しなければならない。他方、必要な加熱領域内においては、なるべく均一な発熱が必要になる。また、2つの異なる加熱領域であっても、いずれの領域に対しても共通に寄与する共通加熱部位と、それぞれの加熱領域に対してのみ寄与する単独加熱部位とがあり得る。さらに、共通加熱部位と単独加熱部位との配置の態様は、共通加熱部位を左右いずれか一方に片寄せして、単独加熱部位をいずれか他方に寄せて配置する態様と、共通加熱部位を中央に配置して、その左右に単独加熱部位を配置する態様とがあるが、本発明においては、以上のいずれか一または全部に対応可能になっていることを許容する。
さらにまた、トランス方式の場合、発熱層を導体層、導電線および導電板などの導体により形成することができる。導体層は、所望の2次側抵抗値を得るために、以下の材料および製造方法を採用することができる。厚膜形成法(塗布+焼成)により形成する場合には、Ag、Ag+Pd、Au、Pt、RuOおよびCからなるグループから選択した材料を用いるのがよい。塗布方法としては、スクリーン印刷法、ロールコーター法およびスプレー法などを用いることができる。これに対して、めっき、蒸着またはスパッタリング法により形成する場合には、Au、Ag、NiおよびCu+(Au、Ag)のグループから選択した材料を用いるのがよい。導電線および導電板は、Cu、Alなどを用いることができる。なお、Cu、Alの場合は、酸化を防止するために、防錆被膜を表面に形成するのが好ましい。また、ローラ基体をFeやSUS(ステンレス鋼)で構成する場合、ローラ基体の表面層が高周波の表皮効果によって2次コイルすなわち発熱層として作用する。したがって、上記のような格別の発熱層を配設しなくてもよい。しかし、この場合であっても、要すればローラ基体とは別に発熱層を配設することができる。なお、FeやSUSからなるローラ基体においても、表面に亜鉛被膜などの防錆皮膜を形成することができる。
一方、渦電流損方式の場合、発熱層を例えばFe、SUS、Ni、Cuなどの金属により構成することができる。
次に、より一層実際的な加熱ローラを得るために、必要に応じて以下の構成を付加することが許容される。
1.(ローラ基体について) 発熱層を支持するために、絶縁性物質からなるローラ基体を用いることができる。この場合、発熱層は、ローラ基体の外面、内面または内部に配設することができる。絶縁性のローラ基体は、セラミックスまたはガラスを用いて形成することができる。そして、ローラ基体の耐熱性、強い衝撃性および機械的強度などを考慮して、例えば以下の材料を用いることができる。セラミックスとしては、例えばアルミナ、ムライト、窒化アルミニウムおよび窒化ケイ素などである。ガラスとしては、例えば結晶化ガラス、石英ガラスおよびパイレックス(登録商標)などである。
2.(熱拡散層について) 熱拡散層は、加熱ローラの軸方向における温度の均整度を向上するための手段として、必要に応じて発熱層の上側に配設することができる。このために、熱拡散層は、加熱ローラの軸方向への熱伝導が良好な物質を用いるのがよい。熱伝導率の高い物質は、Cu、Al、Au、AgおよびPtなど導電率の高い金属に多く見られる。しかし、熱拡散層は、導体層の材料に対して同等以上の熱伝導率を有していればよい。したがって、熱拡散層は、発熱層と同一材料であってもよい。
また、熱拡散層が導電性物質からなる場合、発熱層と導電的に接触していてもよいが、絶縁膜を介して配設することにより、放射ノイズの輻射を遮断する作用をも奏する。なお、高周波磁界は、熱拡散層まで作用しないので、熱拡散層には発熱に寄与するほどの2次電流は誘起されない。
3.(保護層について) 保護層は、加熱ローラの機械的保護および電気絶縁、あるいは弾性接触性またはトナー離れ性向上のために、必要に応じて配設することができる。前者のための保護層の構成材料としては、ガラスを、また後者のための保護層の構成材料としては合成樹脂を、それぞれ用いることができる。ガラスとしては、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、ホウケイ酸鉛系ガラス、ホウケイ酸系ガラスおよびアルミノシリケート系ガラスからなるグループの中から選択して用いることができる。また、後者としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂およびポリアミド+フッ素樹脂からなるグループの中から選択して用いることができる。なお、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂およびポリアミド+フッ素樹脂の場合、フッ素樹脂が外側に配設される。
4.(加熱ローラの形状について) 所望により加熱ローラにクラウンを形成することができる。クラウンとしては、鼓形および樽形のいずれであってもよい。
5.(加熱ローラの回転機構について) 加熱ローラを回転するための機構は、既知の構成を適宜選択して採用することができる。なお、トナー画像を熱定着する場合には、加熱ローラと正対して加圧ローラを配設して、両ローラの間をトナー画像が形成された記録媒体が通過する際に加熱されてトナーが記録媒体に融着するように構成することができる。
<誘導コイルについて> 誘導コイルは、後述する高周波電源により励磁されたときに、そこに発生する磁束を加熱ローラに鎖交させて加熱ローラに2次電流を誘起させて抵抗発熱を発生させることによって、加熱ローラを所要に加熱するための高周波電力伝達手段である。
また、誘導コイルの加熱ローラに対する配設位置は、加熱ローラの内側および外側のいずれであってもよい。すなわち、渦電流損方式による加熱を行う場合、加熱ローラを所望の回転位置で集中的に加熱するように加熱ローラの外周または内周の特定位置に近接して配置することができる。この場合、誘導コイルの軸が加熱ローラの表面に対してほぼ直交するように配置される。また、誘導コイルは、加熱ローラに対して相対的に静止した位置に配置される。
これに対して、トランス方式による加熱を行う場合には、誘導コイルを加熱ローラの内部に配置する。そして、誘導コイルが加熱ローラの内周全体に対向し、かつ、コイルの軸を加熱ローラと同軸になるように誘導コイルを配置する。なお、所望により誘導コイルを特定の回転位置で加熱ローラの内周面に接近し、その他の位置では相対的に離間するように加熱ローラに対して偏心させて配置することができる。また、誘導コイルは、後述するように高周波電源の高周波発生回路から直接あるいは負荷回路、整合回路または/および出力回路などを経由し、さらに給電リード線を経由して付勢すなわち励磁される。そして、回転する加熱ローラに対して静止していてもよいし、加熱ローラと一緒に、または別に回転してもよい。なお、誘導コイルが回転する場合には、高周波電源と誘導コイルとの間に回転集電機構を介在すればよい。
さらに、誘導コイルは、単一および複数のいずれであってもよい。誘導コイルが複数の場合、それらが加熱ローラの軸方向に分かれた複数の加熱領域にそれぞれ対向するように加熱ローラの軸方向に分散して配設される。誘導コイルを複数配設する場合は、共通の高周波電源に対して並列接続することができる。しかし、要すれば、複数の誘導コイルを直列接続するようにしてもよい。また、誘導コイルは、個々にまたはグループ分けされて個別の高周波電源に接続してもよい。
さらにまた、誘導コイルは、所望によりコアを備えていることが許容される。特に、渦電流損方式の場合には、コアを備えていることにより、比較的高い磁気結合を得ることができる。
誘導コイルがトランス方式の場合、上記のいずれの態様であっても、誘導コイルに対して高周波電源から高周波電力を給電するための給電リード線は、誘導コイルの内面または外面に接近した位置に配置するのがよい。給電リード線を誘導コイルの内部に通線する場合、給電リード線が誘導コイルの中心軸に近いと、給電リード線と鎖交する磁束が多くなるために、内部に渦流損が生じて電力伝達効率が低下するので、好ましくない。これに対して、上記のように構成することにより、給電リード線と鎖交する磁束が少なくなるので、電力伝達効率の低下が相対的に抑制される。
<高周波電源について> 高周波電源は、誘導コイルを経由して加熱ローラに高周波電力を供給して加熱ローラを所要に加熱するための高周波電力発生手段であり、加熱ローラおよび誘導コイルの回路定数が定着などの目的のために高温状態にあるときの値に基づいて効率が高く、好ましくは最大になるように最適化設計がなされている。なお、加熱ローラおよび誘導コイルの回路定数は、等価回路がいずれも温度に応じて可変のインダクタンス、抵抗およびキャパシタンスの並列回路からなるものとして測定および計算により求めることが可能である。
また、高周波電源は、上記の目的のために、その出力周波数(またはその範囲)が基本的に限定されるものではない。しかしながら、トランス方式の場合には、一般的には20kHz以上の高周波を出力するように構成される。しかし、好適には1MHz以上である。なぜなら、1MHz以上の高周波にすることにより、導誘コイルのQを大きくして電力伝達効率をより一層高くすることが可能になるからである。電力伝達効率が高くなると、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図ることができる。しかし、実際には15MHz以下、好ましくは4MHz以下の周波数にすることにより、放射ノイズの問題をなるべく回避しやすくすることができる。なお、適合する能動素子(例えば、後述するようにMOSFETを用いることができる。)の経済性および高周波ノイズ抑制の容易性などの観点からは、好適には1〜4MHzである。さらに、本発明は、既に説明したように渦電流損方式であってもよいが、この場合には、20〜100kHzの範囲の周波数が好適である。
さらに、高周波電源の出力周波数は、一定であってもよいし、可変であってもよい。例えば、誘導加熱ローラ装置が複数の誘導コイルおよび誘導コイルを選択する誘導コイル選択手段を具備する場合であって、誘導コイル選択手段がフィルタ手段または共振回路からなる場合には、高周波電源の出力周波数を可変にする必要がある。高周波電源の出力周波数を可変にするには、例えば励振回路の発振周波数を可変にするなど既知の周波数可変手段を用いることができる。なお、要すれば、例えば起動時の投入電力を通常運転時のそれより大きくして、急速加熱を行うように構成することができる。しかし、本発明によれば、高周波電源が初期加熱時に加熱ローラおよび誘導コイルの回路定数が温度とともに変化するのに応じて周波数を変化させたり、回路定数の変化を補って一定化させたりするように構成されていることなしに、換言すれば高周波電源の周波数を高温動作時とほぼ同じのままで初期加熱を行うように構成されていても、加熱所要時間を最短化することができる。
高周波を発生させるには、直流または低周波交流を直接または間接的に半導体スイッチ素子などの能動素子を用いて高周波に変換するのが実際的である。低周波交流から高周波電力を得るには、整流手段を用いていったん低周波交流を直流に変換するのがよい。直流は、平滑回路を用いて形成した平滑化直流でもよいし、非平滑直流であってもよい。直流を高周波に変換するには、増幅器およびインバータなどの回路要素を用いることができる。増幅器としては、例えば電力変換効率の高いE級増幅器などを用いることができる。また、ハーフブリッジ形インバータなどを用いることもできる。さらに、能動素子としては、高周波特性に優れているMOSFETが好適である。複数の高周波電源回路を並列的に接続して、各高周波電源回路の高周波出力を合成してから誘導コイルに印加するように構成することができる。これにより、所望の電力でありながら各高周波電源回路の出力を小さくてよいから、能動素子にMOSFETを用いて、廉価に効率よく高周波を発生することができる。
さらにまた、高周波電源は、複数の誘導コイルに対して共通に配設するようにこれを構成することができる。しかし、要すれば、高周波電源を複数の誘導コイルに対してそれぞれ個別に、またはグループ化して複数の高周波電源を配設することも許容される。
<本発明の作用について> 本発明においては、高周波電源が高温動作時の加熱ローラおよび誘導コイルの回路定数のときに高効率になるように設計されているので、定着などを高効率で行うことができる。また、加熱所要時間が最短化されるので、高周波電源の周波数を高温動作時とほぼ同じのままで初期加熱を行うように構成することができる。したがって、高周波電源の構成を簡単にして、小形化を図るとともに、安価な誘導加熱ローラ装置を得ることができる。
<その他の構成について> 本発明の必須構成要素ではないが、所望により以下の構成を選択的に付加することにより、さらに効果的な誘導加熱ローラ装置を得ることができる。
1.(ウオームアップ制御について) 起動すなわち給電開始後のウオームアップ期間中、加熱ローラが通常運転時におけるより低い回転数で回転するように制御することができる。
2.(加熱ローラの温度制御について) 加熱ローラの温度を所定範囲内で一定、例えば180℃に維持にするために、加熱ローラの表面に感熱素子を導熱的に接触させることができる。そして、感熱素子を温度制御回路に接続する。感熱素子としては、負温度特性を有するサーミスタや正温度特性を有する非直線抵抗素子を用いることができる。
3.(搬送シートについて) 加熱ローラを用いて被加熱体を加熱する際に、加熱ローラが直接被加熱体に当接するように構成することができるが、要すれば両者の間に搬送シートが介在するように構成することができる。この場合、搬送シートは、無端状またはロール状の形態をとることが許容される。搬送シートを用いることにより、シート状の記録媒体の加熱と搬送をスムースに行うことが可能になる。
4.(自動整合回路について) 高周波電源は、所望により高周波発生回路と誘導コイルとの間に介在する整合回路を含むことが許容される。整合回路は、高周波電源から供給される高周波電力が誘導コイル側で反射されにくくなるように作用して高周波伝達効率を高めるための回路手段として配設される。しかしながら、高周波電源から見て負荷である誘導コイルおよび加熱ローラは、既述のように通電前の室温から定着などの高温動作時の約180℃程度まで温度が変化する。その間、負荷の回路定数は大きく変化するので、整合条件を維持するのが困難である。したがって、整合回路には、負荷の回路定数の変化に対応して整合条件が自動的に変化するように構成されている自動整合回路を採用するのがよい。従来この種の要求に応えるものとしてオートマッチャーが知られている。ところが、既知のオートマッチャーは、構成が複雑で大形なものであって、小形化が必要な誘導加熱ローラ装置には不向きなものである。
誘導加熱ローラ装置の高周波電源に付加するのに好適な自動整合回路は、可変容量コンデンサおよび制御手段を含んで構成されている。可変容量コンデンサは、整合回路の構成要素であるとともに、その静電容量が可変になっている。例えば、予め複数のコンデンサを切換可能に接続することによって可変容量コンデンサが構成される。また、感温形の可変容量コンデンサを用いてもよい。制御手段は、負荷の加熱ローラまたは誘導コイルの温度を感知して予め相関を求めておいた容量になるように、可変容量コンデンサが上記の前者の構成であれば、複数のコンデンサを切り換えるように構成されている。また、後者の構成であれば、可変容量コンデンサの温度を制御するように構成されている。
そうして、本構成によれば、負荷の電気的特性の変化にかかわらず常に一定の高周波電力を高効率で供給することができる。
以上の自動整合回路は、請求項1の発明に付加するだけでなく、誘導電流により発熱する加熱ローラと;加熱ローラの内部に配設されて加熱ローラと磁気結合する誘導コイルと;誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と;を具備していることを特徴とする誘導加熱ローラ装置の高周波電源に付加することが許容される。
請求項2の発明の画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置本体と;加圧ローラを備えた定着装置本体および定着装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間に画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しながら画像を定着するように配設された請求項1記載の誘導加熱ローラ装置を備え、画像形成装置本体に配設されて記録媒体のトナー画像を定着する定着装置と;を具備していることを特徴としている。
画像形成装置本体は、画像形成装置から定着装置を除いた残余の部分であり、画像形成手段を備えている。画像形成手段は、記録媒体に間接方式または直接方式により画像情報を形成する画像を形成する手段である。なお、「間接方式」とは、転写によって画像を形成する方式をいう。画像形成装置としては、例えば電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリなどが該当する。記録媒体としては、例えば転写材シート、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シートなどが該当する。
定着装置は、加圧ローラを備えた定着装置本体と、定着装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間に画像、例えばトナー画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しながら画像を定着するように配設された請求項1記載の誘導加熱ローラ装置とを備えている。ここで、「定着装置本体」とは、定着装置から誘導加熱ローラ装置を除いた残余の部分をいう。加圧ローラと加熱ローラとは、直接圧接してもよいが、要すれば搬送シートなどを介して間接的に圧接してもよい。なお、搬送シートは、無端またはロール状であってもよい。本発明において、記録媒体は、請求項1の発明における被加熱体に相当する。
誘導コイルが加熱ローラに対して、加熱ローラの特定部位により接近しているために、当該特定部位をより多く加熱するように配設されている場合、上記の最接近部を加圧ローラに正対させるか、加熱ローラの回転方向のやや前方に正対させれば、最接近部に発生する高熱を利用して被加熱体を効果的に加熱することができる。なお、上記の前方の位置とは、高い温度が得られる効果的な範囲であり、具体的には加熱ローラの周面における回転速度などの設計条件にもよるが、一般的には0°超〜90°の範囲内であればよい。しかし、好適には5〜60°の範囲内である。
そうして、本発明においては、画像形成装置が請求項1におけるの同様な作用を奏する。
請求項1によれば、定着などを高効率で行うとともに、加熱所要時間が最短化されるので、高周波電源の構成を簡単にして、小形化を図るとともに、安価な誘導加熱ローラ装置を提供することができる。
請求項2によれば、請求項1におけるのと同様な効果を奏するとともに、誘導加熱によりウオームアップが早くなって高速タイプに好適な画像形成装置にすることができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1ないし図5は、本発明の誘導加熱ローラ装置を実施するための第1の形態を示し、図1は装置全体の概要を示す回路ブロック図、図2は誘導コイルおよび加熱ローラの中央断面正面図、図3は同じく横断面図、図4は高周波電源の回路図、図5は誘導コイルおよび加熱ローラの等価回路を示す回路図である。本形態において、誘導加熱ローラ装置は、加熱ローラHR、誘導コイルICおよび高周波電源HFSを備えていて、空芯トランス結合を行うトランス方式の誘導加熱を行うように構成されている。また、加熱ローラHRは、図2に示すように、回転機構RMを備え、これにより駆動されて回転する。以下、上記の構成要素ごとにその構成を詳細に説明する。
<加熱ローラHR> 加熱ローラHRは、ローラ基体1、2次コイルすなわち発熱層wsおよび保護層2を備えて構成されているとともに、回転機構RMにより回転駆動される。ローラ基体1は、アルミナセラミックス製の円筒体からなり、例えば長さ300mm、厚み3mmである。発熱層wsは、Cuの蒸着膜からなるフィルム状をなした円筒状の1ターンコイルからなり、ローラ基体1の外面において、軸方向の有効長のほぼ全体にわたって配設されている。そして、発熱層wsの厚みは、加熱ローラHRの周回方向の2次側抵抗Rの値が2次リアクタンスとほぼ同じ値の1Ωになるように設定されている。保護層2は、フッ素樹脂からなり、2次コイルwsの外面を被覆して形成されている。
回転機構RMは、加熱ローラHRを回転させるための機構であって、以下のように構成されている。すなわち、図2に示すように、第1の端部部材3A、第2の端部部材3B、一対の軸受4、4、ベベルギア5、スプラインギア6およびモータ7を備えて構成されている。第1の端部部材3Aは、キャップ部3a、駆動軸3bおよび尖端部3cからなる。キャップ部3aは、加熱ローラHRの図2において左端に外側から嵌合するとともに、図示を省略している押しねじを用いて加熱ローラHRに固定することによって、加熱ローラHRの左端を支持している。駆動軸3bは、キャップ部3aの外面の中央部から外方へ突出している。尖端部3cは、キャップ部3aの内面の中央部からキャップ部3aの内方へ突出している。第2の端部部材3Bは、リング部3dからなる。リング部3dは、加熱ローラHRの図2において右端に外側から嵌合するとともに、図示を省略している押しねじを用いて加熱ローラHRに固定することによって、加熱ローラHRの右端を支持している。一対の軸受4、4の一方は、第1の端部部材3Aにおけるキャップ部3aの外面を回転自在に支持する。また、他方は、第2の端部部材3Bの外面を回転自在に支持する。したがって、加熱ローラHRは、その両端に固定した第1および第2の端部部材3A、3Bと、一対の軸受4、4とにより回転自在に支持されている。ベベルギア5は、第1の端板3Aの駆動軸3bに装着されている。スプラインギア6は、ベベルギア5に噛合している。モータ7は、そのロータ軸がスプラインギア5に直結している。
<誘導コイルIC> 誘導コイルICは、加熱ローラHRの内部にわずかな隙間を残して同軸関係に配設されている。そして、加熱ローラHRの発熱層wsに空芯トランス結合している。また、誘導コイルICは、図2および図3に示すように、コイルボビン8に巻装されて、加熱ローラHRの軸方向に分散して配置されている。さらに、誘導コイルICは、給電リード線9a、9b間に接続されている。給電リード線9a、9bは、後述する高周波電源HFSの出力端に接続する。
コイルボビン8は、例えばフッ素樹脂製の円柱体からなり、凹部8a、支持部8bおよび通線溝8cを有している。凹部8aは、コイルボビン8の先端中央に形成されていて、回転機構RMに相対的に回転自在に係止している。支持部8bは、コイルボビン8の基端に形成されていて、図示しない固定部に固定される。通線溝8cは、コイルボビン8の外面の一部に軸方向に沿って樋状に形成されていて、内部に給電リード線9a、9bを収納する。なお、給電リード線9a、9bは、図3に示すように、通線溝8c内に収納されて、コイルボビン8の基端側から外部へ導出されている。
そうして、誘導コイルICは、静止状態で使用され、給電リード線9a、9bは通線溝8c内に収納されて誘導コイルICに接近しているので、磁束の鎖交が殆どないため、給電リード線9a、9b内には殆ど渦電流損が発生しない。
一方、誘導コイルICは、第2の端部部材3Bのリング部3dから加熱ローラHRの内部に挿入されていて、コイルボビン8の先端に形成された凹部8aが第1の端板3Aの尖端部3cに係合し、かつ、前述したように基端に形成した支持部8bが固定部に固定されることによって、加熱ローラHRと同軸関係に支持されるとともに、加熱ローラHRが回転しても静止状態を維持する。
<高周波電源HFS> 高周波電源HFSは、図1に全体の概要を示し、図4に詳細に示すように、整流化直流電源RDCおよび高周波発生回路HFI、負荷回路LCおよび整合回路MCから構成され、入力端が低周波電源ASに接続している。そして、加熱ローラHRおよび誘導コイルICが高温動作時に高周波発生効率および高周波伝達効率が最大値になるように設計されている。
すなわち、加熱ローラHRおよび誘導コイルICは、その等価回路が図5に示すように、インダクタンスL、抵抗値RおよびキャパシタンスCからなる各回路定数の並列回路として作用する。そして、上記回路定数は、加熱ローラHRおよび誘導コイルICの動作温度に応じてその値が比較的大きく変化する。そこで、高周波電源HFSは、高温動作時の等価回路の回路定数に基づいて上述の効率が発揮されるように設計されている。
整流化直流電源RDCは、全波整流回路からなる。そして、その交流入力端が低周波交流電源ASに接続し、低周波交流電圧を非平滑直流電圧に変換して、その直流出力端から整流化直流電圧を出力する。なお、低周波交流電源ASは、例えば100V商用交流電源からなる。
高周波発生回路HFIは、高周波フィルタHFF、ハーフブリッジ形インバータ主回路HBIおよび駆動回路DCからなる。高周波フィルタHFFは、整流化直流電源RDCの出力端に接続する両線路にそれぞれ直列の一対のインダクタL1、L2および一対のインダクタL1、L2の前後で両線路間に接続された一対のコンデンサC1、C2からなり、直流電源RDCおよび後述するハーフブリッジ形インバータ主回路HBIの間に介在して、高周波が低周波交流電源AS側へ流出するのを阻止する。
ハーフブリッジ形インバータ主回路HBIは、直流電源RDC出力端間に直列接続され、駆動回路DCの駆動信号により励振されて交互にスイッチングする一対のMOSFETQ1、Q2および一対のMOSFETQ1、Q2に並列接続されたコンデンサC3、C4からなる。コンデンサC3、C4は、インバータ動作中に高周波バイパス作用を行う。
駆動回路DCは、駆動信号発生回路DSGおよび駆動トランスDTからなる。駆動信号発生回路DSGは、一対のMOSFETQ1、Q2のゲートドライブ信号を発生する。なお、所望によりゲートドライブ信号の発振周波数を変化させることができる。駆動トランスDTは、一対のMOSFETQ1、Q2に印加するゲートドライブ信号を逆位相関係にする。
負荷回路LCは、直流カットコンデンサC5,インダクタL3および後述する整合回路MCの直列回路からなり、高周波発生回路HFIの高周波出力端すなわちハーフブリッジ形インバータ主回路HBIのMOSFETQ2に並列接続されている。そして、高周波電圧に共振して正弦波に波形整形する。
整合回路MCは、一対のコンデンサC6、C7からなる。コンデンサC6は、負荷回路LCと給電リード線9aとの間に直列接続している。また、コンデンサC7は、負荷回路LCに直列接続している。
なお、給電リード9a、9bは、高周波電力を誘導コイルに供給する伝送路を構成する。また、給電リード9bの基端は、MOSFETQ2のソースとコンデンサC7の接続に接続している。
そうして、高周波電源HFSにおいて発生した高周波出力は、負荷回路LCおよび整合回路MCを介して誘導コイルICに供給される。
図6および図7は、本発明の誘導加熱ローラ装置を実施するための第2の形態を示し、図6は整合回路を示す回路図、図7は自動整合回路の特性を示し、図7(a)は加熱ローラの温度変化と効率の関係、図7(b)は負荷入力変化と効率の関係を、それぞれ示すグラフである。なお、図1ないし図5と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。本形態は、整合回路MCが自動整合を行うように構成されている。なお、符号HFS´は高周波電源から整合回路MCを除いた残余の部分全体を示している。
すなわち、整合回路MCは、その一対のコンデンサC6、C7が可変容量コンデンサによって構成され、制御回路CCにより静電容量が可変制御される。制御回路CCは、負荷PCすなわち加熱ローラおよび誘導コイルの温度変化に伴う回路定数の変化に応じて整合条件を常に満足するようにコンデンサC6、C7の静電容量を変化させる。上記の温度変化に伴う回路定数の変化に応じるには、例えば加熱ローラまたは誘導コイルの近傍に温度センサを配設して、その温度を感知して静電容量を帰還制御したり、室温から高温動作時の温度に到達するまでの時間の経過と回路定数との相関関係を予め把握して作成したプログラムに基づいて静電容量をタイマ制御したりすることにより、これを行うことができる。なお、図6において、負荷PCは、加熱ローラおよび誘導コイルの等価回路である可変インダクタンスLおよび可変抵抗Rの並列回路により示されている。なお、等価回路には可変キャパシタンスも含まれるが、その値が小さくて影響が実際上問題にならないので、図示を省略している。
そうして、本形態によれば、図7(a)の実線に示すように、加熱ローラの温度変化に対して効率を一定に維持することができる。また、図7(b)の実線に示すように、負荷入力電力の変化に対しても効率を一定に維持することができる。なお、上記において、負荷は高周波電源から見て加熱ローラおよび誘導コイルを意味するが、高周波電力の殆どは加熱ローラにおいて消費される。
これに対して、図7(a)および図7(b)において、点線により示す効率特性は、本形態によらない比較例における上記と同様の特性曲線であるが、この比較例では整合回路の静電容量を一定にしている。また、比較例は、インピーダンスアナライザにより測定した負荷の小信号特性を基に設計したものである。この比較例では、加熱ローラの温度変化範囲および負荷入力電力の変化範囲内のある極狭い範囲においてのみ高い効率で動作するが、それ以外の範囲では効率が低くなってしまう。しかも、実使用状態で小信号特性を測定するのが困難であるため、設計温度を室温にせざるを得なくなる。ところが、実使用時には負荷入力電力が高いレベルになるとともに、負荷温度も高いレベルになるので、負荷の透磁率や導電率は、小信号時とは異なったものとなってしまう。したがって、比較例においては、小信号特性を基にした設計のとおりの高効率動作を実現することができない。
図8および図9は、本発明の画像形成装置を実施するための一形態としての複写機を示し、図8は概念的断面図、図9は定着装置の断面図である。各図において、31は読取装置、32は画像形成手段、33は定着装置、34は画像形成装置ケースである。
読取装置31は、原紙を光学的に読み取って画像信号を形成する。
画像形成手段32は、画像信号に基づいて感光ドラム32a上に静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させて反転画像を形成し、これを紙などの記録媒体に転写して画像を形成する。
定着装置33は、図9に示すように、記録媒体に付着したトナーを加熱溶融して熱定着する。また、定着装置33は、誘導加熱ローラ装置21、加圧ローラ22および架台25を備えている。なお、図中符号23は記録媒体、24はトナーである。加圧ローラ22は、誘導加熱ローラ装置21の加熱ローラHRと圧接関係を有して配設されており、両者の間に記録媒体23を狭圧しながら搬送する。記録媒体23は、その表面にトナー24が付着することにより、画像が形成される。なお、記録媒体23は、トナー画像が形成されていて、被加熱体に相当している。架台25は、以上の各構成要素(記録媒体23を除く。)を所定の位置関係に装架している。
そうして、定着装置33は、トナー24が付着して画像を形成している記録媒体23が誘導加熱ローラ装置21の加熱ローラHRと加圧ローラ22との間に挿入されて搬送されるとともに、加熱ローラHRの熱を受けてトナー24が加熱されて溶融し、熱定着が行われる。
画像形成装置ケース34は、以上の各装置および手段31ないし33を収納するとともに、搬送装置、電源装置および制御装置などを備えている。
本発明の誘導加熱ローラ装置を実施するための第1の形態を示す装置全体の概要を示す回路ブロック図 同じく誘導コイルおよび加熱ローラの中央断面正面図 同じく横断面図 同じく高周波電源の回路図 同じく誘導コイルおよび加熱ローラの等価回路を示す回路図 本発明の誘導加熱ローラ装置を実施するための第2の形態における整合回路を示す回路図 同じく自動整合回路の特性を示し、図7(a)は加熱ローラの温度変化と効率の関係、図7(b)は負荷入力変化と効率の関係を、それぞれ示すグラフ 本発明の画像形成装置を実施するための一形態としての複写機を示す概念的断面図 同じく定着装置の断面図
符号の説明
9a…給電リード線、9b…給電リード線、AS…低周波数は交流電源、HFI…高周波発生回路、HFS…高周波電源、HR…加熱ローラ、IC…誘導コイル、LC…負荷回路、MC…整合回路、RDC…整流化直流電源

Claims (2)

  1. 誘導電流により発熱する加熱ローラと;
    加熱ローラに近接して配設されて加熱ローラと磁気結合する誘導コイルと;
    加熱ローラおよび誘導コイルの高温動作時における回路定数に基づいて効率が高くなるように設計されていて、誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と;
    を具備しているとともに初期加熱所要時間が最短であることを特徴とする誘導加熱ローラ装置。
  2. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えた画像形成装置本体と;
    加圧ローラを備えた定着装置本体および定着装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間に画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しながら画像を定着するように配設された請求項1記載の誘導加熱ローラ装置とを備えた定着装置と;
    を具備していることを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007188646A (ja) * 2006-01-11 2007-07-26 Mitsubishi Electric Corp 誘導加熱調理器
JP2010002523A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 電磁誘導加熱装置、定着装置および画像形成装置

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