JP2003317924A - 誘導加熱ローラ装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱ローラ装置、定着装置および画像形成装置

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JP2003317924A
JP2003317924A JP2002122740A JP2002122740A JP2003317924A JP 2003317924 A JP2003317924 A JP 2003317924A JP 2002122740 A JP2002122740 A JP 2002122740A JP 2002122740 A JP2002122740 A JP 2002122740A JP 2003317924 A JP2003317924 A JP 2003317924A
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induction coil
heating roller
induction
frequency power
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English (en)
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Ichiro Yokozeki
一郎 横関
Takayuki Ogasawara
崇行 小笠原
Takaaki Tanaka
貴章 田中
Toshiya Suzuki
俊也 鈴木
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Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱ローラの軸方向の温度分布を可変にした誘
導加熱ローラ装置、これを備えた定着装置および画像形
成装置を提供する。 【解決手段】誘導加熱ローラ装置は、被加熱体のサイズ
に応じて長さが異なる複数の加熱領域に切り換えられる
加熱ローラHRと、加熱ローラHRの複数の加熱領域に
対向して配設された複数の第1の誘導コイルIC1、I
C3と、加熱ローラHRの隣接した加熱領域に跨る部位
に対向して配設された第2の誘導コイルIC2と、第1
および第2の誘導コイルIC1、IC3、IC2に高周
波電力を供給する高周波電源HFSと、被加熱体のサイ
ズに応じた加熱ローラの加熱領域に対向する第1の誘導
コイルIC1、IC3および加熱ローラHRの加熱領域
に跨る第2の誘導コイルIC2に対して高周波出力を選
択的に供給する誘導コイル選択手段F1、F2、F3
と、を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱ローラ装
置、これを備えた定着装置および画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】トナー画像を熱定着するために、従来か
らハロゲン電球を熱源として用いた加熱ローラが用いら
れているが、効率が悪く、大電力を必要とする不具合が
ある。そこで、誘導加熱方式を導入してこの問題を解決
しようと開発が行われている。
【0003】特開2000−215974号公報には、
被加熱体に近接して配設され、被加熱体であるところの
磁性体製の加熱ローラに誘導電流を生じさせる励磁コイ
ルであって、コイル線材を平面的に巻いたものを被加熱
体の曲面に沿わせて変形してあり、励磁コイルの長手方
向両端部の被加熱体とは反対側に励磁コイルの曲面に沿
うように磁性体コアが配設されている励磁コイルが記載
されている。(従来技術1) また、特開2000−215971号公報には、電磁誘
導発熱性の加熱回転体すなわち加熱ローラと、加熱回転
体の内側に配置された磁束発生手段を有し、磁束発生手
段から発生させた高周波誘導磁束により加熱回転体を電
磁誘導発熱させて被加熱体を加熱する誘導加熱装置であ
って、磁束発生手段は、磁性体からなるコアと、コアに
巻線した電磁変換コイルを有し、磁性体コアは、電磁変
換コイルを巻線したコア部分と、コア部分より加熱回転
体の一部分に磁束を集中させるための、先端部間に磁気
空間ギャップを存して対向させた磁束誘導コア部分を有
す る構造が記載されている。(従来技術2)従来技術1お
よび2は、いずれも渦電流損を利用する加熱方式(以
下、「渦電流損方式」という。)であり、IHジャーな
どにおいて実用化されているのと同様な動作原理であ
る。なお、渦電流損方式において用いられている高周波
の周波数は、20〜100kHz程度である。
【0004】これに対して、特開昭59−33787号
公報には、導電部材で構成した円筒状ローラ本体すなわ
ち加熱ローラと、ローラ本体内に同心状に配置した円筒
状ボビンと、ボビンの外周に螺旋状に巻装して通電によ
りローラ本体内に誘導電流を誘起させて加熱する誘導コ
イルとを備えた高周波誘導加熱ローラが記載されてい
る。(従来技術3) 従来技術3においては、円筒状ローラ本体が閉回路の2
次コイルとなり、誘導コイルが1次コイルとなって、両
者の間にトランス結合が生じて、円筒状ローラ本体の2
次コイルに2次電圧が誘起される。そして、この2次電
圧に基づいて2次コイルの閉回路内を2次電流が流れる
ことにより、円筒状ローラ本体が発熱する2次側抵抗の
発熱による加熱方式(以下、「トランス方式」という。)
である。トランス方式は、渦電流損方式より磁気的結合
が強いために定常効率が高いとともに、加熱ローラ全体
を加熱できるので、従来技術1および2に比較して定着
装置の構造が簡単になるという利点がある。また、加え
て動作周波数を100kHz以上、好適には1MHz以
上の高周波にすることによって、誘導コイルのQを大き
くして電力伝達効率を高くすることができる。このた
め、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図ることがで
きる。また、渦電流損方式に比較して定着装置の構造が
簡単になるという利点もある。さらに、渦電流損方式の
加熱ローラより熱容量をかなり小さくすることができ
る。したがって、トランス方式は、熱定着の高速化に甚
だ好適である。
【0005】本発明者らは、先に誘導コイルに空芯トラ
ンス結合する回転可能に支持される中空構造からなる加
熱ローラの2次側抵抗値を2次リアクタンスにほぼ等し
い閉回路に形成することにより、誘導コイルから加熱ロ
ーラへの電力伝達効率が高くなり、加熱ローラを効率よ
く加熱できる著しい効果が得られるトランス結合形の発
明をなした。この発明は、特願2001−016335
号として本件出願人により出願されている。この発明に
より加熱ローラの誘導加熱の省電力を図るとともに、熱
定着を高速化することが容易になった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、複写機、プリン
ターなどの画像形成手段においては、画像を形成する用
紙のサイズを複数選択可能にしているものが多い。この
ような機能に対応させるには、用紙サイズに応じて加熱
ローラの発熱領域を変更することが要求される。
【0007】本発明は、加熱ローラの軸方向の温度分布
を可変にした誘導加熱ローラ装置、これを備えた定着装
置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の誘導加
熱ローラ装置は、後記誘導コイルに磁気結合して誘導電
流により発熱するとともに、被加熱体のサイズに応じて
長さが異なる複数の加熱領域に切り換えられる加熱ロー
ラと;加熱ローラの軸方向に分散して配設されるととも
に、加熱ローラの複数の加熱領域に対向して配設された
複数の第1の誘導コイルと;加熱ローラの隣接した加熱
領域に跨る部位に対向して配設された第2の誘導コイル
と;第1および第2の誘導コイルに高周波電力を供給す
る高周波電源と;高周波電源および誘導コイルの間に介
在して被加熱体のサイズに応じた加熱ローラの加熱領域
に対向する第1の誘導コイルおよび加熱ローラの加熱領
域に跨る第2の誘導コイルに対して高周波電源の高周波
出力を選択的に供給する誘導コイル選択手段と;を具備
していることを特徴としている。
【0009】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0010】<加熱ローラについて> 加熱ローラ
は、後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流により発熱
するとともに、被加熱体のサイズに応じて長さが異なる
複数の加熱領域に切り換えられるように構成されてい
る。そのために、加熱ローラは、閉回路を形成した2次
コイルを備えていて、この2次コイルが誘導コイルと磁
気結合、たとえば空芯トランス結合する。後者の場合、
閉回路の2次側抵抗値は、2次コイルの2次リアクタン
スとほぼ等しい値を有している。なお、2次側抵抗値と
2次リアクタンスとが「ほぼ等しい」とは、2次側抵抗
値をRaとし、2次リアクタンスをXaとし、かつ、α
=Ra/Xaとしたとき、数式1を満足する範囲とす
る。なお、数式条件を規定する理由については本発明者
によりなされた特願2001−016335に開示され
ている。また、2次側抵抗値は、測定により求めること
が可能である。2次リアクタンスは、計算により求める
ことが可能である。さらに、αは、好適には0.25〜
4倍の範囲、最適には0.5〜2倍の範囲である。
【0011】
【数1】0.1<α<10 また、加熱ローラは、2次コイルを単一または複数配設
することができる。複数の2次コイルを配設する場合、
それらを加熱ローラの軸方向に分散して配設することが
望ましい。2次コイルを支持するために、絶縁性物質か
らなるローラ基体を用いることができる。そして、ロー
ラ基体の外面、内面またはローラ基体の内部に2次コイ
ルを配設することができる。
【0012】さらに、加熱ローラは、被加熱体のサイズ
に応じて複数の長さの加熱領域が形成される。すなわ
ち、加熱ローラをトナー画像の定着などのために利用す
る場合、用紙サイズに応じて加熱領域を変化させるよう
に構成される。加熱領域の変化は、後述する誘導コイル
との協働によるものである。トナー画像定着の場合を例
として加熱領域を説明する。たとえばA4サイズ用紙の
トナー画像を定着する場合、用紙を縦置きにして定着さ
せるのと、横置きにするのとでは、必要な加熱領域の長
さが異なる。また、たとえばA4サイズ用紙を定着する
場合と、B4サイズ用紙とでも加熱領域幅が異なる。一
方、定着に必要な加熱領域以外の領域まで発熱させるの
は電力の無駄であり、回避しなければならない。他方、
必要な加熱領域内においては、均一な発熱が必要にな
る。また、2つの異なる加熱領域であっても、いずれの
領域に対して共通に寄与する共通加熱部位と、それぞれ
の加熱領域に対してのみ寄与する単独加熱部位とがあ
る。さらに、共通加熱部位と単独加熱部位との配置の態
様は、共通加熱部位を左右いずれか一方に片寄せして、
単独加熱部位をいずれか他方に寄せて配置する態様と、
共通加熱部位を中央に配置して、その左右に単独加熱部
位を配置する態様とがあり、本発明においては、そのい
ずれであってもよい。
【0013】さらにまた、2次コイルを導体層、導電線
および導電板などの導体を持って形成することができ
る。導体層は、所望の2次側抵抗値を得るために、以下
の材料および製造方法を採用することができる。厚膜形
成法(塗布+焼成)により形成する場合には、Ag、A
g+Pd、Au、Pt、RuOおよびCからなるグル
ープから選択した材料を用いるのがよい。塗布方法とし
ては、スクリーン印刷法、ロールコーター法およびスプ
レー法などを用いることができる。これに対して、めっ
き、蒸着またはスパッタリング法により形成する場合に
は、Au、Ag、NiおよびCu+(Au、Ag)のグ
ループから選択した材料を用いるのがよい。導電線およ
び導電板は、Cu、Alなどを用いることができる。な
お、Cu、ALの場合は、酸化を防止するために、防錆
被膜を表面に形成するのが好ましい。また、ローラ基体
をFeやSUS(ステンレス鋼)で構成する場合、ロー
ラ基体の表面層が高周波の表皮効果によって2次コイル
として作用する。したがって、上記のような格別の2次
コイルを配設しなくてもよい。しかし、この場合であっ
ても、要すればローラ基体とは別に2次コイルを配設す
ることができる。なお、FeやSUSからなるローラ基
体においても、表面に亜鉛被膜などの防錆皮膜を形成す
ることができる。
【0014】次に、より一層実際的な加熱ローラを得る
ために、必要に応じて以下の構成を付加することが許容
される。
【0015】1 ローラ基体について 2次コイルを支持するために、絶縁性物質からなるロー
ラ基体を用いることができる。この場合、2次コイル
は、ローラ基体の外面、内面または内部に配設すること
ができる。絶縁性のローラ基体は、セラミックスまたは
ガラスを用いて形成することができる。そして、ローラ
基体の耐熱性、強い衝撃性および機械的強度などを考慮
して、たとえば以下の材料を用いることができる。セラ
ミックスとしては、たとえばアルミナ、ムライト、窒化
アルミニウムおよび窒化ケイ素などである。ガラスとし
ては、たとえば結晶化ガラス、石英ガラスおよびパイレ
ックス(登録商標)などである。
【0016】2 熱拡散層について 熱拡散層は、加熱ローラの軸方向における温度の均整度
を向上するための手段として、必要に応じて導体層の上
側に配設することができる。このために、熱拡散層は、
加熱ローラの軸方向への熱伝導が良好な物質を用いるの
がよい。熱伝導率の高い物質は、Cu、Al、Au、A
gおよびPtなど導電率の高い金属に多く見られる。し
かし、熱拡散層は、導体層の材料に対して同等以上の熱
伝導率を有していればよい。したがって、熱拡散層は、
導体層と同一材料であってもよい。
【0017】また、熱拡散層が導電性物質からなる場
合、導体層と導電的に接触していてもよいが、絶縁膜を
介して配設することにより、放射ノイズの輻射を遮断す
る作用をも奏する。なお、高周波磁界は、熱拡散層まで
作用しないので、熱拡散層には発熱に寄与するほどの2
次電流は誘起されない。
【0018】3 保護層について 保護層は、加熱ローラの機械的保護および電気絶縁、あ
るいは弾性接触性またはトナー離れ性向上のために、必
要に応じて配設することができる。前者のための保護層
の構成材料としては、ガラスを、また後者のための保護
層の構成材料としては合成樹脂を、それぞれ用いること
ができる。ガラスとしては、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、
ホウケイ酸鉛系ガラス、ホウケイ酸系ガラスおよびアル
ミノシリケート系ガラスからなるグループの中から選択
して用いることができる。また、後者としては、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂お
よびポリアミド+フッ素樹脂からなるグループの中から
選択して用いることができる。なお、ポリイミド樹脂+
フッ素樹脂およびポリアミド+フッ素樹脂の場合、フッ
素樹脂が外側に配設される。
【0019】4 加熱ローラの形状について 所望により加熱ローラにクラウンを形成することができ
る。クラウンとしては、鼓形および樽形のいずれであっ
てもよい。
【0020】5 加熱ローラの回転機構について 加熱ローラを回転するための機構は、既知の構成を適宜
選択して採用することができる。なお、トナー画像を熱
定着する場合には、加熱ローラと正対して加圧ローラを
配設して、両ローラの間をトナー画像が形成された記録
媒体が通過する際に加熱されてトナーが記録媒体に融着
するように構成することができる。
【0021】[誘導コイルについて] 本発明におい
て、「誘導コイル」は、その発生磁界を加熱ローラに鎖
交させて加熱ローラに2次電流を誘起させ、かつ、抵抗
発熱を発生させることで加熱ローラを所要に加熱するた
めの手段であり、加熱ローラの軸方向に分散して配設さ
れているとともに、第1および第2の誘導コイルからな
る。そして、後述する高周波電源から直接または整合回
路およびまたは高周波伝送路を経由して付勢すなわち励
磁されるとともに、加熱ローラに磁気結合たとえば空芯
トランス結合するが、回転する加熱コイルに対して静止
していてもよいし、加熱ローラと一緒に、または別に回
転してもよい。なお、回転する場合には、周波数可変高
周波電源と誘導コイルとの間に回転集電機構を介在すれ
ばよい。なお、「空芯トランス結合」とは、完全な空芯
のトランス結合だけでなく、実質的に空芯とみなせるト
ランス結合の場合を含む意味である。しかし、要すれ
ば、渦電流損加熱方式の電磁結合であってもよい。
【0022】また、誘導コイルは、これを支持するため
に後述するコイルボビンを備えていることができる。コ
イルボビンには、整列巻の状態で誘導コイルを支持する
ための巻溝を形成することができる。コイルボビンを中
空にして内部に誘導コイルに接続する高周波伝送路を通
線するように構成することができる。しかし、コイルボ
ビンに代えて合成樹脂やガラス質材により誘導コイルを
直接成形ないし接着することによって、複数の誘導コイ
ルを所定形状に維持するように構成することもできる。
【0023】さらに、誘導コイルは、共通の高周波電源
に対して並列接続することができる。しかし、要すれ
ば、複数の誘導コイルを直列接続するようにしてもよ
い。また、誘導コイルは、個々にまたはグループ分けさ
れて個別の高周波電源に接続してもよい。いずれの態様
であっても、誘導コイルに対して高周波電源から高周波
電力を給電するための給電リード線は、誘導コイルの内
面または外面に接近した位置に配置するのがよい。給電
リード線を誘導コイルの内部に通線する場合、給電リー
ド線が誘導コイルの中心軸に近いと、給電リード線と鎖
交する磁束が多くなるために、内部に渦流損が生じて電
力伝達効率が低下するので、好ましくない。これに対し
て、上記のように構成することにより、給電リード線と
鎖交する磁束が少なくなるので、電力伝達効率の低下が
相対的に抑制される。
【0024】さらにまた、複数の誘導コイルは、長さが
一定であってもよいし、相違してもよい。誘導コイルに
供給される高周波電力は、高周波電源を共通にしている
場合、高周波電圧の印加時間に概ね比例的になる。これ
に対して、加熱ローラの温度上昇は、誘導コイルに投入
される高周波電力の誘導コイル単位長当たりの大きさに
左右される。したがって、高周波電圧の印加時間が同じ
場合、相対的に長い誘導コイルは、相対的に短い誘導コ
イルに比較して温度上昇が遅くなる。そこで、長短複数
の誘導コイルを切り替えながらそれぞれが対向する加熱
ローラの領域を同じ温度で、しかも、迅速に加熱する場
合には、高周波電圧の印加時間を誘導コイルの長さにほ
ぼ比例的に変化させればよい。これらの制御は、後述す
る誘導コイル選択手段によって行なうように構成するこ
とができる。
【0025】以下、第1および第2の誘導コイルについ
て説明する。
【0026】(第1の誘導コイルについて) 第1の
誘導コイルは、加熱ローラの加熱領域に対向する位置に
配設されて、主として当該加熱領域の発熱に必要な高周
波磁界を発生する。したがって、第1の誘導コイルは、
加熱ローラの加熱領域の長さとほぼ同じか、またはこれ
より若干長い軸方向の長さを有している。また、第1の
誘導コイルは、対向する加熱領域に対して1つの誘導コ
イルによって構成されていてもよいし、複数に分割され
た誘導コイルによって構成されていてもよい。
【0027】(第2の誘導コイルについて) 第2の
誘導コイルは、加熱ローラの隣接する一対の加熱領域に
跨る部位に対向して配置されて、それぞれの加熱領域の
端部近傍における温度分布を所要に維持するように機能
する。そのため、第2の誘導コイルは、一般的には加熱
ローラの軸方向の長さが第1の誘導コイルに比較して短
い。しかし、要すれば、第1の誘導コイルと同等程度の
長さを有していてもよい。また、第2の誘導コイルは、
1つまたは複数の誘導コイルによって構成されている。
【0028】また、第2の誘導コイルは、第1の誘導コ
イルとの関係において、隣接する一対の第1の誘導コイ
ルの間に形成される隙間に第2の誘導コイルが入り込む
ように配置されている態様が許容される。しかし、隣接
する一対の第1の誘導コイルの端部と端部が重合するよ
うに配置されていることにより、加熱領域の温度の均整
度を一層良好にすることができる。
【0029】<高周波電源について> 高周波電源
は、第1および第2の誘導コイルを付勢するために、高
周波電力を発生して、第1および第2の誘導コイルに供
給する。また、高周波電源は、の出力周波数(またはそ
の範囲)が基本的に限定されるものではないが、トラン
ス方式の場合は1MHz以上の高周波を出力するように
構成されていると効果的である。なぜなら、1MHz以
上の高周波にすることにより、導誘コイルのQを大きく
して電力伝達効率をより一層高くすることが可能になる
からである。電力伝達効率が高くなると、加熱の総合効
率が高くなり、省電力を図ることができる。しかし、実
際には15MHz以下の周波数にすることにより、放射
ノイズの問題をなるべく回避しやすくすることができ
る。なお、適合する能動素子(たとえば、後述するよう
にMOSFETを用いることができる。)の経済性および高周
波ノイズ抑制の容易性などの観点からは、好適には1〜
4MHzである。さらに、本発明は、渦電流結合方式
(渦電流加熱方式)であってもよいが、その場合には、
20〜100kHzの範囲の周波数が好適である。
【0030】また、高周波を発生させるには、直流また
は低周波交流を直接または間接的に半導体スイッチ素子
などの能動素子を用いて高周波に変換するのが実際的で
ある。低周波交流から高周波電力を得るには、整流手段
を用いていったん低周波交流を直流に変換するのがよ
い。直流は、平滑回路を用いて形成した平滑化直流でも
よいし、非平滑直流であってもよい。直流を高周波に変
換するには、増幅器およびインバータなどの回路要素を
用いることができる。増幅器としては、たとえば電力変
換効率の高いE級増幅器などを用いることができる。ま
た、ハーフブリッジ形インバータなどを用いることもで
きる。さらに、能動素子としては、高周波特性に優れて
いるMOSFETが好適である。複数の高周波電源回路を並列
的に接続して、各高周波電源回路の高周波出力を合成し
てから誘導コイルに印加するように構成することができ
る。これにより、所望の電力でありながら各高周波電源
回路の出力を小さくてよいから、能動素子にMOSFETを用
いて、廉価に効率よく高周波を発生することができる。
【0031】さらに、高周波電源は、第1および第2の
誘導コイルに対して共通に配設することができる。しか
し、要すれば、高周波電源を第1および第2の誘導コイ
ルに対してそれぞれ個別に、さらには第1およびまたは
第2の誘導コイルが複数の誘導コイルによって構成され
ている場合に、各誘導コイルに対して個別に、またはグ
ループ化して複数の高周波電源を配設することも許容さ
れる。たとえば、第1の誘導コイルに対して共通の第1
の高周波電源と、第2の誘導コイルに対して共通の第2
の高周波電源とを配設することができる。
【0032】さらにまた、高周波電源の出力周波数は、
一定であってもよいし、可変であってもよい。後述する
誘導コイル選択手段がスイッチ手段からなる場合、出力
周波数が一定および可変のいずれであっても、所望の誘
導コイルを選択して、当該誘導コイルに高周波電力を供
給することができる。これに対して、誘導コイル選択手
段がフィルタ手段および共振回路からなる場合、高周波
電源の出力周波数を可変にする必要がある。高周波電源
の出力周波数を可変にするには、たとえば励振回路の発
振周波数を可変にするなど既知の周波数可変手段を用い
ることができる。なお、要すれば、たとえば起動時の投
入電力を通常運転時のそれより大きくして、急速加熱を
行なうように構成することができる。
【0033】<誘導コイル選択手段について> 誘導
コイル選択手段は、高周波電源および誘導コイルの間に
介在して高周波電源の高周波出力を所望の誘導コイルに
対して選択的に供給するように制御する手段であり、た
とえばフィルタ手段、共振回路またはスイッチ手段など
によって構成することができる。複数の誘導コイルのう
ち常時高周波電力を供給しておきたい誘導コイルが一つ
または複数あれば、当該誘導コイルと高周波電源との間
には、誘導コイル選択手段を介在させなくてもよい。し
かし、残余の誘導コイルは介在する誘導コイル選択手段
により高周波電力の供給が制御されるように構成されて
いるものとする。以下、誘導コイル選択手段の各構成例
に連れ説明する。
【0034】また、誘導コイル選択手段を用いて誘導コ
イルに対する高周波電圧の印加時間を変化させることに
より、第1および第2の誘導コイルの単位長さ当たりに
供給される高周波電力を同一にしたり、同じく単位長さ
当たりの投入電力を変化させたりすることができる。高
周波電圧の印加時間を制御するには、たとえば周波数の
変化に加えてPWM制御を行なうことができる。これに
より、見かけ上同一印加時間であっても、高周波電力が
実際に投入される実印加時間を相違させることができ
る。また、PWM制御は、高周波の各半サイクルごとに
行なうようにしてもよいし、相対的に低周波たとえば1
〜100Hz程度で行なってもよい。
【0035】(フィルタ手段の場合) フィルタ手段
は、周波数可変形の高周波電源と誘導コイルとの間に介
在して、フィルタ手段に印加される高周波の周波数を変
化させることによって応動して、複数の誘導コイルのう
ち、主として所望の一つまたは複数の誘導コイルに対し
て高周波電力を選択的に供給する。フィルタ手段の備え
ているべきフィルタ特性としては、帯域通過形、帯域阻
止形、低域通過形および広域通過形のいずれであっても
よい。また、フィルタ手段の構成としては、アナログ
形、アクティブ形およびディジタル形のいずれであって
もよい。さらに、フィルタ手段は、誘導コイルに対して
直列または並列に接続することができる。
【0036】次に、フィルタ手段のフィルタ特性と誘導
コイルの選択的付勢との関係について説明する。フィル
タ特性が帯域通過形である場合、可変高周波電源が当該
通過帯域の周波数を出力するように可変高周波電源を制
御すれば、フィルタ手段に接続する誘導コイルは、フィ
ルタ手段を通過した高周波電力によって付勢されるの
で、当該誘導コイルが対向する加熱ローラの領域を選択
的に加熱することができる。したがって、たとえば2つ
の誘導コイルの付勢を周波数により選択的に切り換える
には、通過帯域の互いに異なる2つのフィルタ手段を用
意して、その一方を一方の誘導コイルに接続し、他方を
他方の誘導コイルに接続して、周波数可変高周波電源の
出力周波数をそれぞれの通過帯域内になるように切り換
えればよい。フィルタ手段のフィルタ特性が帯域阻止形
である場合、誘導コイルを付勢するには、周波数可変高
周波電源から阻止帯域以外の周波数帯の周波数を出力さ
せればよい。また、誘導コイルを選択的に付勢しないと
きには、阻止帯域内の周波数を出力させればよい。低域
通過形および広域通過形である場合、いずれも通過帯域
の周波数を出力させれば、誘導コイルを付勢することが
できる。付勢しないときには、通過帯域周波数を出力さ
せればよい。
【0037】そうして、フィルタ手段は、そこに入力す
る高周波の周波数に選択的に応動して当該フィルタ手段
を通過する高周波電力を制御する。したがって、電源周
波数を変化することにより、所望の誘導コイルを選択的
に付勢することができる。このため、加熱ローラの加熱
領域の長さを所望に応じて切り換えることが可能にな
る。
【0038】また、各誘導コイルと周波数可変高周波電
源との間に介在して誘導コイルに供給される高周波電力
を制御する部分がフィルタ手段により構成されているの
で、誘導コイルの構成の如何に影響を受けないので、安
定した制御を行なうことができる。
【0039】(共振回路の場合) 共振回路は、誘導
コイルを共振回路要素として構成されている。誘導コイ
ルは、主としてインダクタンスを含んでいるので、一般
的にはコンデンサを追加することにより共振回路を構成
することができる。共振回路は、周波数可変形の高周波
電源に対して直列共振回路および並列共振回路のいずれ
であってもよい。前者は、周波数可変形の高周波電源に
対して誘導コイルおよびコンデンサの直列接続回路を接
続する。後者は、周波数可変形の高周波電源に対して誘
導コイルおよびコンデンサの並列回路を接続する。しか
し、要すれば、誘導コイルの他にインダクタンスを付加
することができる。そして、第1および第2の誘導コイ
ルを共振回路構成部品として含む複数の共振回路を構成
する場合は、それらの共振周波数を少なくとも2種類以
上に相違させる。
【0040】さらに、要すれば複数の共振回路の間にお
いて、選択度であるQの大きさを共振周波数とともに、
少なくとも2つの異なった値を有するように構成するこ
とができる。すなわち、一方の共振回路のQ値の大きさ
を、他方のそれより相対的に小さくなるように構成す
る。たとえば、誘導コイルが3つ以上、したがってこれ
らに付属する共振回路が3つ以上ある場合、各共振回路
の共振周波数およびQ値の大きさが2種類または3種類
になるように相違させる。複数の誘導コイルのうち、加
熱ローラの比較的共通的に加熱される加熱領域に対向す
る主誘導コイルと、切り換えられたときにのみ選択的に
加熱される加熱ローラの加熱領域に対向する副誘導コイ
ルとがある場合、主誘導コイルに付属する共振回路のQ
は、大きく設定しておく。Qが大きいと、共振特性が急
峻になり、選択性が強くなる。これに対して、副誘導コ
イルに付属する共振回路のQは、小さく設定しておく。
Qが小さいと、共振特性が緩やかになり、選択性が弱く
なる。しかし、要すれば、上記と反対に構成することも
できる。
【0041】そうして、Qの大きい共振回路が高周波電
源の出力周波数に同調して、主誘導コイルが付勢されて
いるときに、Qが小さい共振回路も若干同調するので、
副誘導コイルも弱く付勢される。そのため、副誘導コイ
ルが対向する加熱領域が予熱される。これにより、次に
ふく誘導コイルが選択されて付勢開始したときに、加熱
ローラの当該加熱領域の温度立ち上がりが早くなる。
【0042】(スイッチ手段の場合) スイッチ手段
は、有接点形および無接点形のいずれであってもよい。
誘導コイルに対するスイッチ手段の接続は、直列的に行
なうのが一般的であるが、要すれば並列的に接続して、
誘導コイルを短絡することにより、誘導コイルに対する
高周波電力の供給を遮断するように構成してもよい。な
お、後者の接続態様においては、複数の誘導コイルを高
周波電源に対して直列接続することを許容する。
【0043】また、複数の誘導コイルの全てに対してス
イッチ手段を配設するだけでなく、必要に応じて一部の
誘導コイルにはスイッチ手段を配設しないで、常時高周
波電力が誘導コイルに供給されるように構成してもよ
い。このような誘導コイルは、加熱ローラの加熱領域を
切り換える場合、どのような長さの加熱領域であって
も、常に加熱される共通加熱領域に対向する。しかし、
残余の誘導コイルは、スイッチ手段を介して高周波電源
に接続するように構成されているものとする。
【0044】さらに、スイッチ手段により所望の誘導コ
イルに選択的に高周波電力を供給する際に、制御手段を
用いて高周波電源の高周波出力を一時的に停止すること
により、スイッチ手段の接点容量を小さくすることがで
きるとともに、信頼性の高い誘導コイルの切り換えを確
実に行なうことができる。制御手段は、スイッチ手段に
機械的または電気的に連動してもよいし、連動しなくて
もよい。いずれにしても、スイッチ手段によって誘導コ
イルを切り換える際に、スイッチ手段における高周波出
力が一時的に停止するように制御されれば、その具体的
な構成は問わない。高周波出力の停止時間は、加熱ロー
ラに熱慣性があるので、1秒以内、好適には0.5秒以
内であれば、加熱ローラの温度が不所望に低下すること
を回避できる。
【0045】<その他の構成について>本発明の必須構
成要素ではないが、所望により以下の構成を選択的に実
施することにより、さらに効果的な誘導加熱ローラ装置
を得ることができる。
【0046】2 ウオームアップ制御について 起動すなわち給電開始後のウオームアップ期間中、加熱
ローラが通常運転時におけるより低い回転数で回転する
ように制御することができる。
【0047】3 加熱ローラの温度制御について 加熱ローラの温度を所定範囲内で一定たとえば200℃
に維持にするために、加熱ローラの表面に感熱素子を導
熱的に接触させることができる。そして、感熱素子を温
度制御回路に接続する。感熱素子としては、負温度特性
を有するサーミスタや正温度特性を有する非直線抵抗素
子を用いることができる。
【0048】4 搬送シートについて 加熱ローラを用いて被加熱体を加熱する際に、加熱ロー
ラが直接被加熱体に当接するように構成することができ
るが、要すれば両者の間に搬送シートが介在するように
構成することができる。この場合、搬送シートは、無端
状またはロール状の形態をとることが許容される。搬送
シートを用いることにより、被加熱体の加熱と搬送をス
ムースに行うことが可能になる。
【0049】<本発明の作用について> 複数の誘導
コイルに高周波電圧を印加すると、誘導コイルから高周
波磁界が発生して加熱ローラの2次コイルと鎖交する。
すなわち、誘導コイルが1次コイルとなって、誘導コイ
ルと2次コイルとの間に磁気結合たとえばトランス結合
が行なわれる。その結果、2次コイルは閉回路を形成し
ているので、その内部に加熱ローラの周回方向に2次電
流が流れる。2次コイルは、適当な2次側抵抗値を有し
ているので、2次電流によりジュール熱が発生し、加熱
ローラは温度上昇する。また、1MHz以上の高周波に
よるトランス結合であれば、空芯トランス結合により電
力伝達効率が高くなり、たとえば95%以上になるの
で、省電力になる。
【0050】また、本発明においては、加熱ローラの加
熱領域に対向する第1の誘導コイルに加えて、隣接した
加熱領域に跨る部位に対向して第2の誘導コイルを配設
するとともに、高周波電源および誘導コイルの間に介在
して被加熱体のサイズに応じた加熱ローラの加熱領域に
対向する第1の誘導コイルおよび加熱ローラの加熱領域
に跨る第2の誘導コイルに対して高周波電源の高周波出
力を選択的に供給する誘導コイル選択手段を具備してい
るので、ある加熱領域を加熱する際に、隣接する加熱領
域に跨る第2の誘導コイルをも付勢することにより、加
熱領域内の温度分布の均整度が良好になる。また、異な
る被加熱体のサイズに応じて隣接する加熱領域を加熱す
る際にも、上記第2の誘導コイルは付勢されることによ
り、同様に異なる長さの加熱領域内においても温度分布
の均整度が良好になる。要するに、第2の誘導コイル
は、隣接する2つの加熱領域に対して共通に機能する。
【0051】したがって、誘導コイル装置を画像形成装
置のトナー画像定着に用いる場合、加熱ローラの温度上
昇を用紙サイズに適合する領域のみを優先的に加熱する
とともに、それぞれの加熱領域内の温度分布の均整度が
良好になる。
【0052】さらに、本発明によれば、加熱ローラに多
様な加熱領域を設定しやすくなる。隣接する一対の第1
の誘導コイルa、bの間に第2の誘導コイルcを配置し
た構成を例として説明すると、次のとおりである。すな
わち、一方の第1の誘導コイルaに対向する加熱ローラ
の部位を加熱領域Aとし、他方の第1の誘導コイルbに
対向する部位を加熱領域Bとすると、加熱領域Aを加熱
しようとする場合、第1の誘導コイルaと第2の誘導コ
イルcとを同時的に付勢する。その結果、加熱領域A
は、誘導コイルa、cの中央部に対向するので、均一に
加熱される。加熱領域Bを加熱しようとする場合、他方
の第1の誘導コイルbと第2の誘導コイルcとを同時的
に付勢する。その結果、加熱領域Bは、上記と同様な理
由によって均一に加熱される。さらに、第1の誘導コイ
ルa、bおよび第2の誘導コイルcを付勢すると、加熱
領域AおよびBが連続してなる加熱領域Cを均一に加熱
することができる。
【0053】以上を要約すれば、加熱領域A、Bおよび
Cを設定することが可能になる。
【0054】さらにまた、誘導コイル選択手段としてフ
ィルタ手段を用いることにより、第1および第2の誘導
コイルを同時に付勢して加熱ローラの所望の領域を加熱
することができる。たとえば、上記の加熱領域切り換え
態様において、誘導コイルaに高周波電力を供給すると
きの誘導コイル選択手段の通過周波数をf1とする。ま
た、誘導コイルbに高周波電力を供給するときの誘導コ
イル選択手段の通過周波数をf2とする。さらに、誘導
コイルcに高周波電力を供給するときの誘導コイル選択
手段の通過周波数をf3とする。
【0055】上記の構成において、高周波電源の出力周
波数をf1からf2さらにf3へと所定の低周波で順次
サイクリックに切り換えるように制御する。その結果、
誘導コイルa、b、cは、低周波でPWM制御されなが
ら見かけ上同時に付勢されるので、加熱ローラの加熱領
域AとBとが同時に加熱される。したがって、加熱領域
A+Bを加熱領域Cとすれば、誘導コイルa、b、cを
同時的に加熱することにより、幅の大きい加熱領域Cを
加熱することができる。
【0056】次に、高周波電源の出力周波数をf1から
f3へと所定の低周波で順次サイクリックに切り換える
ように制御すると、加熱ローラの加熱領域Aを加熱する
ことができる。
【0057】さらに、高周波電源の出力周波数をf2か
らf3へと所定の低周波で順次サイクリックに切り換え
るように制御すると、加熱ローラの加熱領域Bを加熱す
ることができる。
【0058】誘導コイル選択手段が共振回路の場合にお
いても、基本的には上述したフィルタ手段と同様に作用
する。
【0059】請求項2の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項1記載の誘導加熱ローラ装置において、第2の誘
導コイルは、加熱ローラの隣接した加熱領域に対向する
第1の誘導コイルの間に配設されていることを特徴とし
ている。
【0060】本発明においては、上記の構成により誘導
コイルの外周面が平坦になる。そのため、誘導コイルを
加熱ローラに接近させて高い磁気結合を得ることができ
る。
【0061】請求項3の発明の誘導加熱ローラ装置は、
請求項1記載の誘導加熱ローラ装置において、その両端
が加熱ローラの隣接した加熱領域に対向する第1の誘導
コイルに重合して配設されていることを特徴としてい
る。
【0062】本発明においては、上記の構成により第1
および第2の誘導コイルに対向する加熱ローラの加熱領
域内の温度分布をより一層均一化しやすくなる。
【0063】第1および第2の誘導コイルが両端で重合
しているので、当該部分の磁界が強くなって加熱ローラ
の温度が高くなりすぎないように、コイルピッチを相対
的に大きくすることができる。
【0064】請求項4の発明の誘導加熱ローラ装置は、
後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流により発熱する
とともに、被加熱体のサイズに応じて長さが異なる複数
の加熱領域に切り換えられる加熱ローラと;加熱ローラ
の軸方向に分散して配設されるとともに、加熱ローラの
複数の加熱領域に対向し、かつ、いずれの加熱領域にお
いてもその両端からはみ出る長さを有するように配設さ
れた複数の誘導コイルと;複数の誘導コイルに高周波電
力を供給する高周波電源と;高周波電源および誘導コイ
ルの間に介在して被加熱体のサイズに応じた加熱ローラ
の加熱領域に対向する誘導コイルに対して高周波電源の
高周波出力を選択的に供給する誘導コイル選択手段と;
を具備していることを特徴としている。
【0065】本発明において、加熱ローラ、高周波電源
および誘導コイル選択手段は、請求項1におけるのと同
様に構成することができる。また、請求項1における説
明中のその他の構成についても本請求項の構成に付加す
ることが許容される。
【0066】誘導コイルは、加熱ローラの被加熱体のサ
イズに応じて長さが異なる複数の加熱領域に対向してい
れば、各加熱領域に対して1つのコイルで構成されてい
てもよいし、複数のコイルで構成されていてもよい。ま
た、誘導コイルは、その両端が加熱領域の両端からはみ
出る長さを有している。たとえば、加熱ローラの加熱領
域が一端側から他端側へ延在する加熱領域Aと、加熱領
域Aを共通にしてさらに領域Cが付加された加熱領域B
とからなる場合、これらの加熱領域に対向して配設され
る誘導コイルがことにより、各加熱領域の全長にわたっ
て均一な温度分布が得られる。したがって、加熱領域A
に対向する第1の誘導コイルは、加熱ローラの軸方向の
長さaが加熱領域Aより大きくて、かつ、その両端が加
熱領域Aの両端からはみ出ている。また、加熱領域Bに
対向する第2の誘導コイルは、第1の誘導コイルに加え
て第3の誘導コイルが付加されることによって構成され
るが、その加熱ローラの軸方向の長さbが加熱領域Bよ
り長くて、かつ、その両端が加熱領域Bの両端からはみ
出ている。
【0067】そうして、本発明においては、加熱ローラ
の各加熱領域が誘導コイルの両端部に対向する温度勾配
のできる領域を含まないので、それぞれの加熱領域にお
ける温度分布の均整度が良好になる。
【0068】また、誘導コイルの数が少なくても加熱ロ
ーラの幅の異なる複数の加熱領域を設定することがで
き、構成も比較的簡単になる。
【0069】請求項5の発明の定着装置は、加圧ローラ
を備えた定着装置本体と;定着装置本体の加圧ローラに
加熱ローラを圧接関係に対設して、両ローラ間にトナー
画像が形成された記録媒体を挟んで搬送しながらトナー
画像を定着するように配設された請求項1ないし44の
いずれか一記載の誘導加熱ローラ装置と;を具備してい
ることを特徴としている。
【0070】本発明において、「定着装置本体」とは、
定着装置から誘導加熱ローラ装置を除いた残余の部分を
いう。
【0071】加圧ローラと加熱ローラとは、直接圧接し
てもよいが、要すれば搬送シートなどを介して間接的に
圧接してもよい。なお、搬送シートは、無端またはロー
ル状であってもよい。
【0072】そうして、本発明においては、トナー画像
が形成された記録媒体を加熱ローラと加圧ローラとの間
に挟んで搬送しながらトナー画像を高速で定着すること
ができる。
【0073】請求項6の発明の画像形成装置は、記録媒
体にトナー画像を形成する画像形成手段を備えた画像形
成装置本体と;画像形成装置本体に配設されて記録媒体
のトナー画像を定着する請求項5記載の定着装置と;を
具備していることを特徴としている。
【0074】本発明において、「画像形成装置本体」と
は、画像形成装置から定着装置を除いた残余の部分をい
う。また、画像形成手段は、記録媒体に間接方式または
直接方式により画像情報を形成する画像を形成する手段
である。なお、「間接方式」とは、転写によって画像を
形成する方式をいう。
【0075】画像形成装置としては、たとえば電子写真
複写機、プリンタ、ファクシミリなどが該当する。
【0076】記録媒体としては、たとえば転写材シー
ト、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シ
ートなどが該当する。
【0077】そうして、本発明においては、高速タイプ
に好適な画像形成装置にすることができる。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0079】図1ないし図6は、本発明の誘導加熱ロー
ラ装置の第1の実施形態を示し、図1は装置全体の概要
を示す回路ブロック図、図2は誘導コイルおよび加熱ロ
ーラの一部切欠中央断面正面、図3は誘導コイルおよび
加熱ローラの横断面図、図4は回路図、図5は誘導コイ
ル選択手段のフィルタ特性を示すグラフ、図6は加熱ロ
ーラの加熱領域に切り換えと加熱ローラの温度分布の関
係を説明する概念図である。本実施形態は、請求項1お
よび2に準拠している。そして、誘導加熱ローラ装置
は、加熱ローラHR、第1の誘導コイルIC1、IC3
と、第2の誘導コイル1c2、高周波電源HFSおよび
誘導コイル選択手段F1、F2、F3を備えて構成され
ている。また、加熱ローラHRは、図2に示すように、
回転機構RMを備え、これにより駆動されて回転する。
以下、上記の構成要素ごとにその構成を詳細に説明す
る。
【0080】<加熱ローラHRについて>加熱ローラH
Rは、ローラ基体1、2次コイルwsおよび保護層2を
備えて構成されているとともに、回転機構RMにより回
転駆動される。ローラ基体1は、アルミナセラミックス
製の円筒体からなり、たとえば長さ300mm、厚み3
mmである。2次コイルwsは、Cuの蒸着膜からなる
フィルム状をなした円筒状の1ターンコイルからなり、
ローラ基体1の外面において、軸方向の有効長のほぼ全
体にわたって配設されている。そして、2次コイルws
の厚みは、加熱ローラHRの周回方向の2次側抵抗Rの
値が2次リアクタンスとほぼ同じ値の1Ωになるように
設定されている。保護層2は、フッ素樹脂からなり、2
次コイルwsの外面を被覆して形成されている。
【0081】回転機構RMは、加熱ローラHRを回転さ
せるための機構であって、以下のように構成されてい
る。すなわち、図2に示すように、第1の端部部材3
A、第2の端部部材3B、一対の軸受4、4、ベベルギ
ア5、スプラインギア6およびモータ7を備えて構成さ
れている。第1の端部部材3Aは、キャップ部3a、駆
動軸3bおよび尖端部3cからなる。キャップ部3a
は、加熱ローラHRの図2において左端に外側から嵌合
するとともに、図示を省略している押しねじを用いて加
熱ローラHRに固定することによって、加熱ローラHR
の左端を支持している。駆動軸3bは、キャップ部3a
の外面の中央部から外方へ突出している。尖端部3c
は、キャップ部3aの内面の中央部からキャップ部3a
の内方へ突出している。第2の端部部材3Bは、リング
部3dからなる。リング部3dは、加熱ローラHRの図
2において右端に外側から嵌合するとともに、図示を省
略している押しねじを用いて加熱ローラHRに固定する
ことによって、加熱ローラHRの右端を支持している。
一対の軸受4、4の一方は、第1の端部部材3Aにおけ
るキャップ部3aの外面を回転自在に支持する。また、
他方は、第2の端部部材3Bの外面を回転自在に支持す
る。したがって、加熱ローラHRは、その両端に固定し
た第1および第2の端部部材3A、3Bと、一対の軸受
4、4とにより回転自在に支持されている。ベベルギア
5は、第1の端板3Aの駆動軸3bに装着されている。
スプラインギア6は、ベベルギア5に噛合している。モ
ータ7は、そのロータ軸がスプラインギア5に直結して
いる。
【0082】<第1の誘導コイルIC1、IC3および
第2の誘導コイルIC2について>第1の誘導コイルI
C1、IC3は、加熱ローラHRの隣接する加熱領域
A、Bに対向して配設されている。これに対して、第2
の誘導コイルIC2は、隣接する一対の第1の誘導コイ
ルIC1およびIC3の間に加熱領域A、Bに跨がる部
位に配設されている。そして、第1および第2の誘導コ
イルIC1、IC3およびIC2は、図4に示すよう
に、加熱ローラHRの2次コイルwsに磁気結合してい
る。また、第1および第2の誘導コイルIC1、IC3
およびIC2は、図2および図3に示すように、コイル
ボビン8に巻装されて、加熱ローラHRの軸方向に分散
して配置されている。また、一対の給電リード線9の間
に直列接続し、両端は給電リード線9を介して後述する
高周波電源HFSの出力端に接続する。
【0083】コイルボビン8は、フッ素樹脂製の円柱体
からなり、凹部8a、支持部8bおよび通線溝8cを有
している。凹部8aは、コイルボビン8の先端中央に形
成されていて、回転機構RMに相対的に回転自在に係止
している。支持部8bは、コイルボビン8の基端に形成
されていて、図示しない固定部に固定される。通線溝8
cは、コイルボビン8の外面の一部に軸方向に沿って樋
状に形成されていて、内部に給電リード線9を収納す
る。なお、給電リード線9は、図3に示すように、通線
溝1c内に収納されて、コイルボビン8の基端側から外
部へ導出され、高周波電源HFSの出力端に同軸ケーブ
ルを介して接続する。
【0084】そうして、第1および第2の誘導コイルI
C1、IC3およびIC2は、静止状態で使用され、給
電リード線9は通線溝1c内に収納されて各誘導コイル
IC1、IC3、IC2に接近しているので、磁束の鎖
交が殆どないため、給電リード線9内には殆ど渦電流損
が発生しない。一方、第1および第2の誘導コイルIC
1、IC3およびIC2は、第2の端部部材3Bのリン
グ部3dから加熱ローラHRの内部に挿入されていて、
コイルボビン1の先端に形成された凹部1aが第1の端
板3Aの尖端部3cに係合し、かつ、前述したように基
端に形成した支持部1bが固定部に固定されることによ
って、加熱ローラHRと同軸関係に支持されるととも
に、加熱ローラHRが回転しても静止状態を維持する。
【0085】<高周波電源HFSについて> 高周波
電源HFSは、図4に示すように、低周波電源AS、直
流電源RDC、高周波発生部HFIおよび整合回路MC
から構成されている。なお、図1において、符号HF
は、上記のうち直流電源RDC、高周波発生部HFIお
よび整合回路MCの集合体を示す。
【0086】低周波交流電源ASは、たとえば100V
商用交流電源からなる。
【0087】直流電源RDCは、整流回路からなり、入
力端が低周波交流電源ASに接続し、低周波交流電圧を
非平滑直流電圧に変換して、その直流出力端から出力す
る。
【0088】高周波発生部HFIは、高周波フィルタH
FF、周波数可変形の高周波発振器OSC、駆動回路D
C、ハーフブリッジ形インバータ主回路HBI、負荷回
路LCおよび外部信号源OSS(図1に示す。)により
構成されている。高周波フィルタHFFは、両線路にそ
れぞれ直列の一対のインダクタL1、L2および一対の
インダクタL1、L2の前後で両線路間に接続された一
対のコンデンサC1、C2からなり、直流電源RDCお
よび後述するハーフブリッジ形インバータ主回路HBI
の間に介在して、高周波が低周波交流電源AS側へ流出
するのを阻止する。高周波発振器OSCは、発振周波数
可変形であり、後述する外部信号源OSSにより制御さ
れて可変周波数の高周波励振信号を発生して、駆動回路
DCに入力する。駆動回路DCは、プリアンプからな
り、高周波発振器OSCから送出された高周波信号を増
幅して駆動信号を出力する。ハーフブリッジ形インバー
タ主回路HBIは、直流電源RDC出力端間に直列接続
され、駆動回路DCの駆動信号により励振されて交互に
スイッチングする一対のMOSFETQ1、Q2および一対の
MOSFETQ1、Q2に並列接続されたコンデンサC3、C
4からなり、直流電源RDCの直流出力をほぼ矩形波の
高周波に変換する。コンデンサC3、C4は、インバー
タ動作中に高周波バイパス作用を行なう。負荷回路LC
は、直流カットコンデンサC5、インダクタL3および
後述する整合回路MCにより構成されている。直流カッ
トコンデンサC5は、一対のMOSFETQ1、Q2を介して
直流電源DC側から直流成分が負荷回路LCに流入する
のを阻止する。インダクタL3および整合回路MCは、
直列共振回路を形成して、第1および第2の誘導コイル
IC1、IC2の両端に印加される高周波電圧を正弦波
に波形整形する。波形整形された高周波電圧によって第
1および第2の誘導コイルIC1、IC3およびIC2
は付勢される。外部信号源OSSは、高周波電源HFS
の出力周波数を変化させるためのもので、発振器OSC
を制御して、その発振周波数を操作により選択された加
熱領域に応じて変化させるように機能する。
【0089】整合回路MCは、図4に示すように、高周
波出力線路に直列のコンデンサC6および並列のコンデ
ンサC7からなるインピーダンス変換回路であり、高周
波発生部HFIに接近して配置されている。そして、高
周波発生部HFIと整合回路MCから見た負荷のインピ
ーダンスを整合させて電力伝達効率を高める作用を行な
う。
【0090】<誘導コイル選択手段F1、F2、F3に
ついて> 誘導コイル選択手段F1、F2、F3は、
帯域通過形のフィルタからなり、その通過帯域が互いに
相違している。図5に示すように、それぞれの通過帯域
は、たとえば誘導コイル選択手段F1が1MHzであ
り、誘導コイル選択手段F2が2MHz、誘導コイル選
択手段Fが3MHzである。そして、誘導コイル選択手
段F1は、高周波電源HFSと第1の誘導コイルIC1
との間に直列に介在している。誘導コイル選択手段F2
は、同様に第2の誘導コイルIC2に接続している。ま
た、誘導コイル選択手段F3は、同様に第1の誘導コイ
ルIC3に接続している。
【0091】<誘導加熱ローラ装置の動作について>低
周波交流電源ASの低周波交流電圧は、直流電源RDC
により直流電圧に変換され、さらに高周波電源HFSで
高周波電圧に変換され、さらに誘導コイル選択手段F
1、F3、F2を経由して、静止状態の第1の誘導コイ
ルIC1、IC3および第2の誘導コイルIC2に印加
される。
【0092】外部信号源OSSを操作して、高周波電源
HFSの高周波出力の周波数をたとえば10Hzの低周
波で交互に1MHzおよび2MHzにサイクリックに切
り換えると、誘導コイル選択手段F1は、1MHzを通
過させるので、高周波電源HFSが1MHzを出力して
いるときには、第1の誘導コイルIC1が時分割的に付
勢される。また、高周波電源HFSが2MHzを出力し
ているときには、第2の誘導コイルIC2が時分割的に
付勢される。そのため、第1の誘導コイルIC1および
第2の誘導コイルIC2と、これに対向する加熱ローラ
HRの加熱領域Aの2次コイルwsとが空芯トランス結
合して、2次コイルwsに2次電流が加熱ローラHRの
周回方向に誘導される。その結果、2次コイルwsの抵
抗Rがジュール発熱する。そのとき、図1において、第
1の誘導コイルIC1の上側の端部と、第2の誘導コイ
ルIC2の下側の端部に対向する加熱ローラHRの部位
は、温度勾配を生じるが、加熱領域Aに対向する誘導コ
イルIC1、IC2は、それぞれ中央部位なので、加熱
領域Aは、図6の(1)に示すように、均一に加熱され
る。
【0093】これに対して、外部信号源OSSを操作し
て、高周波電源HFSの高周波出力の周波数をたとえば
10Hzの低周波で交互に2MHzおよび3MHzにサ
イクリックに切り換えると、誘導コイル選択手段F2と
F3がそれぞれの通過周波数の高周波電力を通過させる
ので、第1の誘導コイルIC3および第2の誘導コイル
IC2が交互に時分割的に付勢される。その結果、上記
と同様に作用して加熱ローラHRの加熱領域Bは、図6
の(2)に示すように、均一に加熱される。
【0094】さらに、外部信号源OSSを操作して、高
周波電源HFSの高周波出力の周波数をたとえば10H
zの低周波で1MHz、2MHzおよび3MHzにサイ
クリックに切り換えると、誘導コイル選択手段F1、F
2およびF3がそれぞれの通過周波数の高周波電力を通
過させるので、第1の誘導コイル1C1、IC3および
第2の誘導コイルIC2が順次時分割的に付勢される。
その結果、上記と同様に作用して加熱ローラHRの加熱
領域AとBの和である加熱領域Cは、図6の(3)に示
すように、均一に加熱される。
【0095】次に、図7ないし図9を参照して、本発明
の第2ないし第4の実施形態を説明する。これらの実施
形態は、請求項1および2または3に準拠している。な
お、各図において、図1と同一部分については同一符号
を付して説明は省略する。
【0096】図7は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
2の実施形態における被加熱体のサイズの変化と、第1
および第2の誘導コイルの配置と加熱ローラの温度分布
との関係を説明する概念図である。本実施形態は、第1
および第2の誘導コイルが同一のコイル仕様(コイル
長、コイルピッチおよびコイル径)の5つのコイル要素
からなり、第1の誘導コイルIC1が3つのコイル要素
を高周波電源に並列接続して構成されている。また、第
1の誘導コイルIC3および第2の誘導コイルIC2が
それぞれ1つのコイル要素からなる。加熱ローラHR
は、加熱領域AおよびCが切り換え可能に構成されてい
る。さらに、被定着体Pは、幅が縦位置で加熱領域Aと
同じ、また横位置で加熱領域Cと同じサイズを有してい
る。
【0097】そうして、第1の誘導コイルIC1および
第2の誘導コイルIC2が同時的に付勢されると、加熱
領域Aが均一に加熱され、トナー画像を形成した紙から
なる被加熱体Pが縦位置で加熱ローラHRの加熱領域A
を通過しながら加熱定着される。また、第1の誘導コイ
ルIC1、IC3および第2の誘導コイルIC2が同時
的に付勢されると、加熱領域Cが均一に加熱され、トナ
ー画像を形成した紙からなる被加熱体Pが横位置で加熱
ローラHRの加熱領域Cを通過しながら加熱定着され
る。
【0098】図8は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
3の実施形態における被加熱体のサイズの変化と、第1
および第2の誘導コイルの配置と加熱ローラの温度分布
との関係を説明する概念図である。本実施形態は、第1
の誘導コイルがIC1、IC3およびIC5からなる。
そして、第1の誘導コイルIC3、IC5は、IC1の
両側に分散して配置されているとともに、IC1の半分
の長さになっている。一方、第2の誘導コイルがIC2
およびIC4からなる。そして、第2の誘導コイルIC
3は、第1の誘導コイルIC1とIC3との間に配置さ
れている。また、第1の誘導コイルIC4は、第1の誘
導コイルIC1とIC5との間に配設されている。
【0099】そうして、第1の誘導コイルIC1および
第2の誘導コイルIC2、IC4が同時的に付勢される
と、加熱領域Aが均一に加熱され、トナー画像を形成し
た紙からなる被加熱体Pが縦位置で加熱ローラHRの中
央に形成された加熱領域Aを通過しながら加熱定着され
る。また、第1の誘導コイルIC1、IC3、IC5お
よび第2の誘導コイルIC2、IC4が同時に付勢され
ると、加熱ローラHRの中央に形成された加熱領域Cが
均一に加熱され、トナー画像を形成した紙からなる被加
熱体Pが横位置で加熱ローラHRの加熱領域Cを通過し
ながら加熱定着される。
【0100】図9は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
4の実施形態における第1および第2の誘導コイルの構
成を概念的に示す誘導コイルの配置図である。本実施形
態は、第2の誘導コイルIC2が軸方向の両端が隣接す
る一対の第1の誘導コイルIC1、IC3の両端に重合
している。また、第2の誘導コイルIC2は、コイルピ
ッチが相対的に粗くなっていて、対向する加熱ローラH
Rの加熱量を制限している。
【0101】さらに、図10および図11を参照して、
本発明の第5および第6の実施形態について説明する。
これらの実施形態は、請求項4の発明に準拠している。
なお、各図において、図6と同一部分については同一符
号を付して説明は省略する。
【0102】図10は、本発明の誘導コイル装置の第5
の実施形態における誘導コイルおよび加熱ローラの温度
分布を示す概念図である。本実施形態は、誘導コイルが
加熱ローラの加熱領域に対向する2つの第1の誘導コイ
ルIC1、IC3により構成されている。ただし、誘導
コイルIC1は、対向する加熱領域Aの両端からはみ出
て形成されている。また、誘導コイルIC1およびIC
3は、対向する加熱領域Cの両端からはみ出て形成され
ている。
【0103】したがって、加熱ローラHRの加熱領域A
の温度分布が図の(1)に示すように均一になる。同様
に加熱領域Cの温度分布も図の(2)に示すように均一
になる。
【0104】図11は、本発明の誘導コイル装置の第6
の実施形態における誘導コイルおよび加熱ローラの温度
分布を示す概念図である。本実施形態は、誘導コイルが
加熱ローラの加熱領域に対向する3つの第1の誘導コイ
ルIC1、IC3、IC5により構成されている。ただ
し、誘導コイルIC1は、対向する加熱領域Aの両端か
らはみ出て形成されている。また、誘導コイルIC1お
よびIC3は、対向する加熱領域Bの両端からはみ出て
形成されている。さらに、誘導コイルIC1IC3およ
びIC5は、対向する加熱領域Cの両端からはみ出て形
成されている。
【0105】したがって、加熱ローラHRの加熱領域
A、BおよびCの温度分布が図の(1)、(2)および
(3)にそれぞれ示すように均一になる。
【0106】図12は、本発明の誘導コイル装置の第7
の実施形態における誘導コイルを示す概念的斜視図であ
る。本実施形態は、請求項1ないし4のいずれにも準拠
する。そして、誘導コイルに対する給電リード線9、9
の長さの違いによる加熱量の影響を低減するように構成
している。すなわち、3つの誘導コイルIC1、IC
2、IC3がコイルボビン8の軸方向に分散していると
ともに、一対の給電リード線9、9に並列接続している
場合、高周波電源に近い誘導コイルIC1と、遠い方の
誘導コイルIC3とでは、高周波電源との間に介在する
給電リード線9、9の長さが異なる。給電リード線9が
長くなると、給電リード線の分布容量の影響をより強く
受けて、高周波電力が分布容量によってバイパスされる
ために、誘導コイルIC3に投入される高周波電力が低
減してしまう。その結果、加熱ローラの温度分布が一定
にならない。
【0107】そこで、本実施形態においては、誘導コイ
ルの径をIC1<IC2<IC3の条件を満足させて、
高周波電源から遠ざかるにしたがってコイル径を大きく
することで、加熱ローラの磁気結合が強くなるように構
成している。すなわち、給電リード線9、9の分布容量
による高周波電力の低減量を誘導コイルの磁気結合を強
めることで補うようにしたものである。その結果、加熱
ローラの軸方向の温度分布が一定になる。
【0108】図13は、本発明の定着装置の一実施形態
を示す縦断面図である。図において、21は誘導加熱ロ
ーラ装置、22は加圧ローラ、23は記録媒体、24は
トナー、25は架台、ICは誘導コイルである。
【0109】誘導加熱ローラ装置21は、図1ないし図
5に示す誘導加熱ローラ装置の第1の実施形態を用いて
いる。しかし、図6ないし図12に示す各誘導加熱ロー
ラ装置を用いることができる。
【0110】加圧ローラ22は、誘導加熱ローラ装置2
1の加熱ローラHRと圧接関係を有して配設されてお
り、両者の間に記録媒体23を狭圧しながら搬送する。
【0111】記録媒体23は、その表面にトナー24が
付着することにより、画像が形成される。
【0112】架台25は、以上の各構成要素(記録媒体
23を除く。)を所定の位置関係に装架している。
【0113】そうして、定着装置は、トナー24が付着
して画像を形成している記録媒体23が誘導加熱ローラ
装置21の加熱ローラHRと加圧ローラ22との間に挿
入されて搬送されるとともに、加熱ローラHRの熱を受
けてトナー24が加熱されて溶融し、熱定着が行われ
る。
【0114】図14は、本発明の画像形成装置の一実施
形態としての複写機の概念的断面図である。図におい
て、31は読取装置、32は画像形成手段、33は定着
装置、34は画像形成装置ケースである。
【0115】読取装置31は、原紙を光学的に読み取っ
て画像信号を形成する。
【0116】画像形成手段32は、画像信号に基づいて
感光ドラム32a上に静電潜像を形成し、この静電潜像
にトナーを付着させて反転画像を形成し、これを紙など
の記録媒体に転写して画像を形成する。
【0117】定着装置33は、図13に示した構造を有
し、記録媒体に付着したトナーを加熱溶融して熱定着す
る。
【0118】画像形成装置ケース34は、以上の各装置
および手段31ないし33を収納するとともに、搬送装
置、電源装置および制御装置などを備えている。
【0119】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数の加熱領
域に切り換えられる加熱ローラと、加熱ローラの軸方向
に分散して配設され、加熱ローラの複数の加熱領域に対
向して配設された複数の第1の誘導コイルと、加熱ロー
ラの隣接した加熱領域に跨る部位に対向して配設された
第2の誘導コイルと、第1および第2の誘導コイルに高
周波電力を供給する高周波電源と、高周波電源および誘
導コイルの間に介在して所望の加熱領域に対向する第1
の誘導コイルおよび加熱ローラの加熱領域に跨る第2の
誘導コイルに対して高周波電源の高周波出力を選択的に
供給する誘導コイル選択手段とを具備していることによ
り、加熱ローラの軸方向の温度分布を可変にするととも
に、いずれの加熱領域においても温度分布が均一で、し
かも、多様な加熱領域を設定しやすい誘導加熱ローラ装
置を提供することができる。
【0120】請求項2の発明によれば、加えて第2の誘
導コイルが加熱ローラの隣接した加熱領域に対向する第
1の誘導コイルの間に配設されていることにより、誘導
コイルの外周面が平坦になるため、誘導コイルを加熱ロ
ーラに接近させて高い磁気結合を得る誘導加熱ローラ装
置を提供することができる。
【0121】請求項3の発明によれば、加えて第2の誘
導コイルの両端が加熱ローラの隣接した加熱領域に対向
する第1の誘導コイルに重合して配設されていることに
より、加熱領域内の温度分布をより一層均一化しやすい
誘導加熱装置を提供することができる。
【0122】請求項4の発明によれば、後記誘導コイル
に磁気結合して誘導電流により発熱するとともに、被加
熱体のサイズに応じて長さが異なる複数の加熱領域に切
り換えられる加熱ローラと、加熱ローラの軸方向に分散
して配設されるとともに、加熱ローラの複数の加熱領域
に対向し、かつ、いずれの加熱領域においてもその両端
からはみ出る長さを有するように配設された複数の誘導
コイルと、複数の誘導コイルに高周波電力を供給する高
周波電源と、高周波電源および誘導コイルの間に介在し
て被加熱体のサイズに応じた加熱ローラの加熱領域に対
向する誘導コイルに対して高周波電源の高周波出力を選
択的に供給する誘導コイル選択手段とを具備しているこ
とにより、それぞれの加熱領域における温度分布の均整
度が良好で、しかも、誘導コイルの数が少ないので、構
造が比較的簡単な誘導加熱装置を提供することができ
る。
【0123】請求項5の発明によれば、加圧ローラを備
えた定着装置本体と、請求項1ないし4のいずれか一記
載の誘導加熱ローラ装置とを具備していることにより、
請求項1ないし4の効果を有する定着装置を提供するこ
とができる。
【0124】請求項6の発明によれば、画像形成装置本
体と、請求項5記載の定着装置とを具備していることに
より、請求項1ないし4の効果を有する画像形成装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱ローラ装置の第1の実施形態
を示す装置全体の概要を示す回路ブロック図
【図2】同じく誘導コイルおよび加熱ローラの一部切欠
中央断面正面
【図3】同じく誘導コイルおよび加熱ローラの横断面図
【図4】同じく回路図
【図5】同じく誘導コイル選択手段のフィルタ特性を示
すグラフ
【図6】同じく加熱ローラの加熱領域に切り換えと加熱
ローラの温度分布との関係を説明する概念図
【図7】本発明の誘導加熱ローラ装置の第2の実施形態
における被加熱体のサイズの変化と、第1および第2の
誘導コイルの配置と加熱ローラの温度分布との関係を説
明する概念図
【図8】本発明の誘導加熱ローラ装置の第3の実施形態
における被加熱体のサイズの変化と、第1および第2の
誘導コイルの配置と加熱ローラの温度分布との関係を説
明する概念図
【図9】本発明の誘導加熱ローラ装置の第4の実施形態
における第1および第2の誘導コイルの構成を概念的に
示す誘導コイルの配置図
【図10】本発明の誘導コイル装置の第5の実施形態に
おける誘導コイルおよび加熱ローラの温度分布を示す概
念図
【図11】本発明の誘導コイル装置の第6の実施形態に
おける誘導コイルおよび加熱ローラの温度分布を示す概
念図
【図12】本発明の誘導コイル装置の第7の実施形態に
おける誘導コイルを示す概念的斜視図
【図13】本発明の定着装置の一実施形態を示す縦断面
【図14】本発明の画像形成装置の一実施形態としての
複写機の概念的断面図
【符号の説明】
AS…低周波電源、F1…誘導コイル選択手段、F2…
誘導コイル選択手段、F3…誘導コイル選択手段、HF
S…高周波電源、HR…加熱ローラ、IC1…第1の誘
導コイル、IC3…第1の誘導コイル、IC2…第2の
誘導コイル、OSS…外部信号源、RDC…直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 貴章 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊也 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA12 DC10 DE07 DE10 EA12 EC01 ED25 EE01 2H033 AA03 AA30 AA32 BA25 BA27 BA30 BA32 BB03 BB13 BB18 BB28 BE06 CA03 CA04 CA07 CA17 CA28 CA30 CA40 CA46 3K059 AA08 AB04 AB19 AD05 CD79

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流に
    より発熱するとともに、被加熱体のサイズに応じて長さ
    が異なる複数の加熱領域に切り換えられる加熱ローラ
    と;加熱ローラの軸方向に分散して配設されるととも
    に、加熱ローラの複数の加熱領域に対向して配設された
    複数の第1の誘導コイルと;加熱ローラの隣接した加熱
    領域に跨る部位に対向して配設された第2の誘導コイル
    と;第1および第2の誘導コイルに高周波電力を供給す
    る高周波電源と;高周波電源および誘導コイルの間に介
    在して被加熱体のサイズに応じた加熱ローラの加熱領域
    に対向する第1の誘導コイルおよび加熱ローラの加熱領
    域に跨る第2の誘導コイルに対して高周波電源の高周波
    出力を選択的に供給する誘導コイル選択手段と;を具備
    していることを特徴とする誘導加熱ローラ装置。
  2. 【請求項2】第2の誘導コイルは、加熱ローラの隣接し
    た加熱領域に対向する第1の誘導コイルの間に配設され
    ていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱ローラ
    装置。
  3. 【請求項3】第2の誘導コイルは、その両端が加熱ロー
    ラの隣接した加熱領域に対向する第1の誘導コイルに重
    合して配設されていることを特徴とする請求項1記載の
    誘導加熱ローラ装置。
  4. 【請求項4】後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流に
    より発熱するとともに、被加熱体のサイズに応じて長さ
    が異なる複数の加熱領域に切り換えられる加熱ローラ
    と;加熱ローラの軸方向に分散して配設されるととも
    に、加熱ローラの複数の加熱領域に対向し、かつ、いず
    れの加熱領域においてもその両端からはみ出る長さを有
    するように配設された複数の誘導コイルと;複数の誘導
    コイルに高周波電力を供給する高周波電源と;高周波電
    源および誘導コイルの間に介在して被加熱体のサイズに
    応じた加熱ローラの加熱領域に対向する誘導コイルに対
    して高周波電源の高周波出力を選択的に供給する誘導コ
    イル選択手段と;を具備していることを特徴とする誘導
    加熱ローラ装置。
  5. 【請求項5】加圧ローラを備えた定着装置本体と;定着
    装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係に対設し
    て、両ローラ間にトナー画像が形成された記録媒体を挟
    んで搬送しながらトナー画像を定着するように配設され
    た請求項1ないし4のいずれか一記載の誘導加熱ローラ
    装置と;を具備していることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】記録媒体にトナー画像を形成する画像形成
    手段を備えた画像形成装置本体と;画像形成装置本体に
    配設されて記録媒体のトナー画像を定着する請求項5記
    載の定着装置と;を具備していることを特徴とする画像
    形成装置。
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