JP2003347029A - 誘導加熱ローラ装置および画像形成装置 - Google Patents

誘導加熱ローラ装置および画像形成装置

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JP2003347029A
JP2003347029A JP2002151164A JP2002151164A JP2003347029A JP 2003347029 A JP2003347029 A JP 2003347029A JP 2002151164 A JP2002151164 A JP 2002151164A JP 2002151164 A JP2002151164 A JP 2002151164A JP 2003347029 A JP2003347029 A JP 2003347029A
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JP
Japan
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heating roller
induction
frequency
induction coil
heating
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JP2002151164A
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English (en)
Inventor
Takaaki Tanaka
貴章 田中
Toshiya Suzuki
俊也 鈴木
Takayuki Ogasawara
崇行 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Harison Toshiba Lighting Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱ローラを軸方向に均一に加熱できるととも
に、分散して配置された複数の誘導コイルの間の絶縁が
容易で、しかも、所望により加熱ローラの加熱領域を切
り換え可能にする誘導加熱ローラ装置および画像形成装
置を提供する。 【解決手段】誘導加熱ローラ装置は、後記誘導コイルI
Cに磁気結合して誘導電流により発熱する加熱ローラH
Rと、加熱ローラHRの内部に軸方向に分散して配設さ
れるとともに、隣接するもの同士の巻き方向が互いに逆
で、かつ、発生磁束が同一極性になるような関係に設定
されている複数の誘導コイルICと、複数の誘導コイル
ICに高周波電力を供給する高周波電源とを具備してい
る。複数の誘導コイルICは、複数の誘導コイル群IC
1、IC2、IC3にグループ分けすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱ローラ装
置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トナー画像を熱定着するために、従来か
らハロゲン電球を熱源として用いた加熱ローラが用いら
れているが、効率が悪く、大電力を必要とする不具合が
ある。そこで、誘導加熱方式を導入してこの問題を解決
しようと開発が行われている。
【0003】特開2000−215974号公報には、
被加熱体に近接して配設され、被加熱体であるところの
磁性体製の加熱ローラに誘導電流を生じさせる励磁コイ
ルであって、コイル線材を平面的に巻いたものを被加熱
体の曲面に沿わせて変形してあり、励磁コイルの長手方
向両端部の被加熱体とは反対側に励磁コイルの曲面に沿
うように磁性体コアが配設されている励磁コイルが記載
されている。(従来技術1) また、特開2000−215971号公報には、電磁誘
導発熱性の加熱回転体すなわち加熱ローラと、加熱回転
体の内側に配置された磁束発生手段を有し、磁束発生手
段から発生させた高周波誘導磁束により加熱回転体を電
磁誘導発熱させて被加熱体を加熱する誘導加熱装置であ
って、磁束発生手段は、磁性体からなるコアと、コアに
巻線した電磁変換コイルを有し、磁性体コアは、電磁変
換コイルを巻線したコア部分と、コア部分より加熱回転
体の一部分に磁束を集中させるための、先端部間に磁気
空間ギャップを存して対向させた磁束誘導コア部分を有
する構造が記載されている。(従来技術2) 従来技術1および2は、いずれも渦電流損を利用する加
熱方式(以下、「渦電流損方式」という。)であり、I
Hジャーなどにおいて実用化されているのと同様な動作
原理である。なお、渦電流損方式において用いられてい
る高周波の周波数は、20〜100kHz程度である。
【0004】これに対して、特開昭59−33787号
公報には、導電部材で構成した円筒状ローラ本体すなわ
ち加熱ローラと、ローラ本体内に同心状に配置した円筒
状ボビンと、ボビンの外周に螺旋状に巻装して通電によ
りローラ本体内に誘導電流を誘起させて加熱する誘導コ
イルとを備えた高周波誘導加熱ローラが記載されてい
る。(従来技術3) 従来技術3においては、円筒状ローラ本体が閉回路の2
次コイルとなり、誘導コイルが1次コイルとなって、両
者の間にトランス結合が生じて、円筒状ローラ本体の2
次コイルに2次電圧が誘起される。そして、この2次電
圧に基づいて2次コイルの閉回路内を2次電流が流れる
ことにより、円筒状ローラ本体が発熱する2次側抵抗の
発熱による加熱方式(以下、「トランス方式」という。)
である。トランス方式は、渦電流損方式より磁気的結合
が強いために定常効率が高いとともに、加熱ローラ全体
を加熱できるので、従来技術1および2に比較して定着
装置の構造が簡単になるという利点がある。また、加え
て動作周波数を100kHz以上、好適には1MHz以
上の高周波にすることによって、誘導コイルのQを大き
くして電力伝達効率を高くすることができる。このた
め、加熱の総合効率が高くなり、省電力を図ることがで
きる。また、渦電流損方式に比較して定着装置の構造が
簡単になるという利点もある。さらに、渦電流損方式の
加熱ローラより熱容量をかなり小さくすることができ
る。したがって、トランス方式は、熱定着の高速化に甚
だ好適である。
【0005】本発明者らは、先に誘導コイルに空芯トラ
ンス結合する回転可能に支持される中空構造からなる加
熱ローラの2次側抵抗値を2次リアクタンスにほぼ等し
い閉回路に形成することにより、誘導コイルから加熱ロ
ーラへの電力伝達効率が高くなり、加熱ローラを効率よ
く加熱できる著しい効果が得られるトランス結合形の発
明をなした。この発明は、特願2001−016335
号として本件出願人により出願されている。この発明に
より加熱ローラの誘導加熱の省電力を図るとともに、熱
定着を高速化することが容易になった。
【0006】一方、複写機、プリンターなどの画像形成
手段においては、画像を形成する用紙のサイズを複数選
択可能にしているものが多い。このような機能に対応さ
せるには、用紙サイズに応じて加熱ローラの発熱領域を
変更することが要求される。
【0007】トランス方式においては、加熱ローラに対
する誘導コイルの好適な構成として、複数の誘導コイル
を加熱ローラの軸方向に分散して配置し、かつ、誘導コ
イルを選択的に駆動することにより、加熱ローラの加熱
領域を軸方向に可変にすることができる。これによって
上記の要求に応えるとともに、必要な領域のみを加熱し
て電力の無駄な消費を回避することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、加熱ローラ
を軸方向に均一に加熱するためには、複数の誘導コイル
をなるべく相互に接近して配置する必要がある。また、
複数の誘導コイルを選択的に駆動するためには、各誘導
コイルを互いに独立して高周波電源に接続する必要があ
る。さらに、隣接する誘導コイル間に大きな電位差があ
る場合には、それらの間に電位差に応じた所定の絶縁距
離を設ける必要が生じる。したがって、加熱ローラをそ
の軸方向に均一に加熱するとともに、加熱領域を切り換
え可能にするには、上記の各要求をともに満足しなけれ
ばならない。
【0009】しかしながら、従来技術においては、以上
の各要求を全て満足することが困難であった。
【0010】本発明は、加熱ローラを軸方向に均一に加
熱できるとともに、分散して配置された複数の誘導コイ
ルの間の絶縁が容易な誘導加熱ローラ装置およびこれを
備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】また、本発明は、加えて加熱ローラの加熱
領域を切り換え可能にした誘導加熱ローラ装置およびこ
れを備えた画像形成装置を提供することを他の目的とす
る。
【0012】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の誘導加
熱ローラ装置は、後記誘導コイルに磁気結合して誘導電
流により発熱する加熱ローラと;加熱ローラの内部に軸
方向に分散して配設されるとともに、隣接するもの同士
の巻き方向が互いに逆で、かつ、発生磁束が同一極性に
なるような関係に設定されている複数の誘導コイルと;
複数の誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源
と;を具備していることを特徴としている。
【0013】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味は次によ
る。
【0014】<加熱ローラについて> 加熱ローラ
は、後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流により発熱
する。そのために、加熱ローラは、周回方向に閉回路を
形成した2次コイルを備えていて、この2次コイルが誘
導コイルと磁気結合、たとえば空芯トランス結合する。
後者の場合、閉回路の2次側抵抗値は、2次コイルの2
次リアクタンスとほぼ等しい値を有している。なお、2
次側抵抗値と2次リアクタンスとが「ほぼ等しい」と
は、2次側抵抗値をRaとし、2次リアクタンスをXa
とし、かつ、α=Ra/Xaとしたとき、数式1を満足
する範囲とする。なお、数式条件を規定する理由につい
ては本発明者によりなされた特願2001−01633
5に開示されている。また、2次側抵抗値は、測定によ
り求めることが可能である。2次リアクタンスは、計算
により求めることが可能である。さらに、αは、好適に
は0.25〜4倍の範囲、最適には0.5〜2倍の範囲
である。
【0015】
【数1】0.1<α<10 また、加熱ローラは、2次コイルを単一または複数配設
することができる。複数の2次コイルを配設する場合、
それらを加熱ローラの軸方向に分散して配設することが
望ましい。2次コイルを支持するために、絶縁性物質か
らなるローラ基体を用いることができる。そして、ロー
ラ基体の外面、内面またはローラ基体の内部に2次コイ
ルを配設することができる。
【0016】さらに、本発明によれば、所望により、加
熱ローラを被加熱体のサイズに応じて複数の長さの加熱
領域が形成されるように構成することができる。すなわ
ち、加熱ローラをトナー画像の定着などのために利用す
る場合、用紙サイズに応じて加熱領域を変化させるよう
に構成される。加熱領域の変化は、後述する誘導コイル
との協働によるものである。トナー画像定着の場合を例
として加熱領域を説明する。たとえばA4サイズ用紙の
トナー画像を定着する場合、用紙を縦置きにして定着さ
せるのと、横置きにするのとでは、必要な加熱領域の長
さが異なる。また、たとえばA4サイズ用紙を定着する
場合と、B4サイズ用紙とでも加熱領域幅が異なる。一
方、定着に必要な加熱領域以外の領域まで発熱させるの
は電力の無駄であり、回避しなければならない。他方、
必要な加熱領域内においては、均一な発熱が必要にな
る。また、2つの異なる加熱領域であっても、いずれの
領域に対して共通に寄与する共通加熱部位と、それぞれ
の加熱領域に対してのみ寄与する単独加熱部位とがあ
る。さらに、共通加熱部位と単独加熱部位との配置の態
様は、共通加熱部位を左右いずれか一方に片寄せして、
単独加熱部位をいずれか他方に寄せて配置する態様と、
共通加熱部位を中央に配置して、その左右に単独加熱部
位を配置する態様とがあり、本発明においては、そのい
ずれであってもよい。
【0017】さらにまた、加熱ローラの2次コイルを導
体層、導電線および導電板などの導体を持って形成する
ことができる。導体層は、所望の2次側抵抗値を得るた
めに、以下の材料および製造方法を採用することができ
る。厚膜形成法(塗布+焼成)により形成する場合に
は、Ag、Ag+Pd、Au、Pt、RuOおよびC
からなるグループから選択した材料を用いるのがよい。
塗布方法としては、スクリーン印刷法、ロールコーター
法およびスプレー法などを用いることができる。これに
対して、めっき、蒸着またはスパッタリング法により形
成する場合には、Au、Ag、NiおよびCu+(A
u、Ag)のグループから選択した材料を用いるのがよ
い。導電線および導電板は、Cu、Alなどを用いるこ
とができる。なお、Cu、ALの場合は、酸化を防止す
るために、防錆被膜を表面に形成するのが好ましい。ま
た、ローラ基体をFeやSUS(ステンレス鋼)で構成
する場合、ローラ基体の表面層が高周波の表皮効果によ
って2次コイルとして作用する。したがって、上記のよ
うな格別の2次コイルを配設しなくてもよい。しかし、
この場合であっても、要すればローラ基体とは別に2次
コイルを配設することができる。なお、FeやSUSか
らなるローラ基体においても、表面に亜鉛被膜などの防
錆皮膜を形成することができる。
【0018】次に、より一層実際的な加熱ローラを得る
ために、必要に応じて以下の構成を付加することが許容
される。
【0019】1 ローラ基体について 2次コイルを支持するために、絶縁性物質からなるロー
ラ基体を用いることができる。この場合、2次コイル
は、ローラ基体の外面、内面または内部に配設すること
ができる。絶縁性のローラ基体は、セラミックスまたは
ガラスを用いて形成することができる。そして、ローラ
基体の耐熱性、強い衝撃性および機械的強度などを考慮
して、たとえば以下の材料を用いることができる。セラ
ミックスとしては、たとえばアルミナ、ムライト、窒化
アルミニウムおよび窒化ケイ素などである。ガラスとし
ては、たとえば結晶化ガラス、石英ガラスおよびパイレ
ックス(登録商標)などである。
【0020】2 熱拡散層について 熱拡散層は、加熱ローラの軸方向における温度の均整度
を向上するための手段として、必要に応じて導体層の上
側に配設することができる。このために、熱拡散層は、
加熱ローラの軸方向への熱伝導が良好な物質を用いるの
がよい。熱伝導率の高い物質は、Cu、Al、Au、A
gおよびPtなど導電率の高い金属に多く見られる。し
かし、熱拡散層は、導体層の材料に対して同等以上の熱
伝導率を有していればよい。したがって、熱拡散層は、
導体層と同一材料であってもよい。
【0021】また、熱拡散層が導電性物質からなる場
合、導体層と導電的に接触していてもよいが、絶縁膜を
介して配設することにより、放射ノイズの輻射を遮断す
る作用をも奏する。なお、高周波磁界は、熱拡散層まで
作用しないので、熱拡散層には発熱に寄与するほどの2
次電流は誘起されない。
【0022】3 保護層について 保護層は、加熱ローラの機械的保護および電気絶縁、あ
るいは弾性接触性またはトナー離れ性向上のために、必
要に応じて配設することができる。前者のための保護層
の構成材料としては、ガラスを、また後者のための保護
層の構成材料としては合成樹脂を、それぞれ用いること
ができる。ガラスとしては、ホウケイ酸亜鉛系ガラス、
ホウケイ酸鉛系ガラス、ホウケイ酸系ガラスおよびアル
ミノシリケート系ガラスからなるグループの中から選択
して用いることができる。また、後者としては、シリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂+フッ素樹脂お
よびポリアミド+フッ素樹脂からなるグループの中から
選択して用いることができる。なお、ポリイミド樹脂+
フッ素樹脂およびポリアミド+フッ素樹脂の場合、フッ
素樹脂が外側に配設される。
【0023】4 加熱ローラの形状について 所望により加熱ローラにクラウンを形成することができ
る。クラウンとしては、鼓形および樽形のいずれであっ
てもよい。
【0024】5 加熱ローラの回転機構について 加熱ローラを回転するための機構は、既知の構成を適宜
選択して採用することができる。なお、トナー画像を熱
定着する場合には、加熱ローラと正対して加圧ローラを
配設して、両ローラの間をトナー画像が形成された記録
媒体が通過する際に加熱されてトナーが記録媒体に融着
するように構成することができる。
【0025】<誘導コイルについて> 本発明におい
て、「誘導コイル」は、そこから発生する磁界を加熱ロ
ーラに鎖交させて加熱ローラに2次電流を誘起させ、か
つ、抵抗発熱を発生させることで加熱ローラを所要に加
熱するための手段であり、その複数が加熱ローラの内部
に、かつ、軸方向に分散して配設されている。そして、
後述する高周波電源から直接または整合回路およびまた
は高周波伝送路を経由して駆動、換言すれば付勢すなわ
ち励磁されるとともに、加熱ローラに磁気結合たとえば
空芯トランス結合する。誘導コイルは、回転する加熱コ
イルに対して静止していてもよいし、加熱ローラと一緒
に、または別に回転してもよい。なお、回転する場合に
は、周波数可変高周波電源と誘導コイルとの間に回転集
電機構を介在すればよい。なお、「空芯トランス結合」
とは、完全な空芯のトランス結合だけでなく、実質的に
空芯とみなせるトランス結合の場合を含む意味である。
しかし、要すれば、渦電流損加熱方式の電磁結合であっ
てもよい。
【0026】また、複数の誘導コイルは、隣接するもの
同士の巻き方向が互いに逆で、かつ、発生磁束が同一極
性すなわち加熱ローラに対して同一方向になるような関
係に設定されている。このため、誘導コイルの少なくと
も一方の端部を共通接続することにより、隣接する誘導
コイルの互いに接近しているコイル端部間における電位
差をなくするか、低減することが可能になる。複数の誘
導コイルの一部または全部を共通する高周波電源に並列
接続する場合、隣接する誘導コイルにおいて、隣接側の
端部同士間の電位差は0になる。複数の誘導コイルが異
なる高周波電源に接続する場合であっても、一方例えば
高周波電源の安定電位側を共通に接続すれば、共通側の
電位差が0になるとともに、高電位側においても電位差
が小さくなる。
【0027】さらに、複数の誘導コイルを複数のグルー
プに分けてグループ単位で高周波電源から選択的に高周
波で駆動するように構成することができる。この場合、
中間に位置するグループの誘導コイルの数を偶数にする
ことにより、隣接するグループとの間でも、本発明の誘
導コイルについての要件を満足するようになる。なお、
端部側に位置するグループの誘導コイルの数は、偶数お
よび奇数のいずれであってもよい。
【0028】さらにまた、誘導コイルは、これを支持す
るためにコイルボビンを備えていることができる。コイ
ルボビンには、整列巻の状態で誘導コイルを支持するた
めの巻溝を形成することができる。コイルボビンを中空
にして内部に誘導コイルに接続する給電線を通線するよ
うに構成することができる。しかし、上記のようなコイ
ルボビンに代えて合成樹脂やガラス質材により誘導コイ
ルを直接成形ないし接着することによって、複数の誘導
コイルを所定形状に維持するように構成することもでき
る。また、コイルボビンをその長手方向に沿って分割可
能にして、誘導コイルをコイルボビンの内部に収納する
ように構成してもよい。
【0029】さらに、誘導コイルは、個々にまたはグル
ープ分けされて個別の高周波電源に接続してもよい。い
ずれの態様であっても、誘導コイルに対して高周波電源
から高周波電力を給電するための給電線は、誘導コイル
の内面または外面に接近した位置に配置するのがよい。
給電線を誘導コイルの内部に通線する場合、給電リード
線が誘導コイルの中心軸に近いと、給電線と鎖交する磁
束が多くなるために、内部に渦流損が生じて電力伝達効
率が低下するので、好ましくない。これに対して、上記
のように構成することにより、給電線と鎖交する磁束が
少なくなるので、電力伝達効率の低下が相対的に抑制さ
れる。
【0030】さらにまた、複数の誘導コイルは、長さが
一定であってもよいし、相違してもよい。誘導コイルに
供給される高周波電力は、高周波電源を共通にしている
場合、高周波電圧の印加時間に概ね比例的になる。これ
に対して、加熱ローラの温度上昇は、誘導コイルに投入
される高周波電力の誘導コイル単位長当たりの大きさに
左右される。したがって、高周波電圧の印加時間が同じ
場合、相対的に長い誘導コイルは、相対的に短い誘導コ
イルに比較して温度上昇が遅くなる。そこで、長短複数
の誘導コイルを切り替えながらそれぞれが対向する加熱
ローラの領域を同じ温度で、しかも、迅速に加熱する場
合には、高周波電圧の印加時間を誘導コイルの長さにほ
ぼ比例的に変化させればよい。これらの制御は、後述す
る誘導コイル選択手段によって行なうように構成するこ
とができる。
【0031】<高周波電源について> 高周波電源
は、複数の誘導コイルを付勢するために、高周波電力を
発生して、誘導コイルに供給する。また、高周波電源
は、その出力周波数(またはその範囲)が基本的に限定
されるものではないが、トランス方式の場合は1MHz
以上の高周波を出力するように構成されていると効果的
である。なぜなら、1MHz以上の高周波にすることに
より、導誘コイルのQを大きくして電力伝達効率をより
一層高くすることが可能になるからである。電力伝達効
率が高くなると、加熱の総合効率が高くなり、省電力を
図ることができる。しかし、実際には15MHz以下の
周波数にすることにより、放射ノイズの問題をなるべく
回避しやすくすることができる。なお、適合する能動素
子(たとえば、後述するようにMOSFETを用いることがで
きる。)の経済性および高周波ノイズ抑制の容易性など
の観点からは、好適には1〜4MHzである。さらに、
本発明は、渦電流結合方式(渦電流加熱方式)であって
もよいが、その場合には、20〜100kHzの範囲の
周波数が好適である。
【0032】また、高周波を発生させるには、直流また
は低周波交流を直接または間接的に半導体スイッチ素子
などの能動素子を用いて高周波に変換するのが実際的で
ある。低周波交流から高周波電力を得るには、整流手段
を用いていったん低周波交流を直流に変換するのがよ
い。直流は、平滑回路を用いて形成した平滑化直流でも
よいし、非平滑直流であってもよい。直流を高周波に変
換するには、増幅器およびインバータなどの回路要素を
用いることができる。増幅器としては、たとえば電力変
換効率の高いD級増幅器やE級増幅器などを用いること
ができる。また、ハーフブリッジ形インバータなどを用
いることもできる。さらに、能動素子としては、高周波
特性に優れているMOSFETが好適である。複数の高周波電
源回路を並列的に接続して、各高周波電源回路の高周波
出力を合成してから誘導コイルに印加するように構成す
ることができる。これにより、所望の電力でありながら
各高周波電源回路の出力を小さくてよいから、能動素子
にMOSFETを用いて、廉価に効率よく高周波を発生するこ
とができる。
【0033】さらに、高周波電源は、複数の誘導コイル
に対して共通に高周波電力を供給するように配設するこ
とができる。しかし、要すれば、誘導コイルに対してそ
れぞれ個別に、またはグループ化して複数の高周波電源
を配設することも許容される。
【0034】さらにまた、高周波電源の出力周波数は、
一定であってもよいし、可変であってもよい。後述する
誘導コイル選択手段がスイッチ手段からなる場合、出力
周波数が一定および可変のいずれであっても、所望の誘
導コイルを選択して、当該誘導コイルに高周波電力を供
給することができる。これに対して、誘導コイル選択手
段がフィルタ手段および共振回路からなる場合、高周波
電源の出力周波数を可変にする必要がある。高周波電源
の出力周波数を可変にするには、たとえば励振回路の発
振周波数を可変にするなど既知の周波数可変手段を用い
ることができる。なお、要すれば、たとえば起動時の投
入電力を通常運転時のそれより大きくして、急速加熱を
行なうように構成することができる。
【0035】<その他の構成について> 本発明の必
須構成要件ではないが、所望により以下の構成を選択的
に実施することにより、さらに効果的な誘導加熱ローラ
装置を得ることができる。
【0036】1 誘導コイル選択手段 誘導コイル選
択手段は、高周波電源および誘導コイルの間に介在して
高周波電源の高周波出力を所望の誘導コイルに対して選
択的に供給するように制御する手段であり、加熱ローラ
の加熱領域を切り換えるときに効果的である。誘導コイ
ル選択手段は、たとえばフィルタ手段、共振回路または
スイッチ手段などによって構成することができる。複数
の誘導コイルのうち常時高周波電力を供給しておきたい
誘導コイルが一つまたは複数あれば、当該誘導コイルと
高周波電源との間には、誘導コイル選択手段を介在させ
なくてもよい。しかし、残余の誘導コイルは介在する誘
導コイル選択手段により高周波電力の供給が制御される
ように構成されているものとする。
【0037】また、誘導コイル選択手段を用いることに
より、誘導コイルに対する高周波電圧の印加時間を変化
させることができる。これにより、第1および第2の誘
導コイルの単位長さ当たりに供給される高周波電力を同
一にしたり、同じく単位長さ当たりの投入電力を変化さ
せたりすることが可能になる。高周波電圧の印加時間を
制御するには、たとえば周波数の変化に加えてPWM制
御を行なうことができる。これにより、見かけ上同一印
加時間であっても、高周波電力が実際に投入される実印
加時間を相違させることができる。また、PWM制御
は、高周波の各半サイクルごとに行なうようにしてもよ
いし、相対的に低周波たとえば1〜100Hz程度で行
なってもよい。
【0038】以下、誘導コイル選択手段の各構成例につ
いて説明する。
【0039】(1)フィルタ手段による構成 フィル
タ手段は、周波数可変形の高周波電源と誘導コイルとの
間に介在させる。そして、フィルタ手段に印加される高
周波の周波数を変化させることによって、複数の誘導コ
イルのうち、主として所望の一つまたは複数の誘導コイ
ルに対して高周波電力を選択的に供給することができ
る。
【0040】(2)共振回路による構成 共振回路
は、誘導コイルを共振回路要素として構成されている。
誘導コイルは、主としてインダクタンスを含んでいるの
で、一般的にはコンデンサを追加することにより共振回
路を構成することができる。共振回路は、周波数可変形
の高周波電源に対して直列共振回路および並列共振回路
のいずれであってもよい。前者は、周波数可変形の高周
波電源に対して誘導コイルおよびコンデンサの直列接続
回路を接続する。後者は、周波数可変形の高周波電源に
対して誘導コイルおよびコンデンサの並列回路を接続す
る。しかし、要すれば、誘導コイルの他にインダクタン
スを付加することができる。そして、第1および第2の
誘導コイルを共振回路構成部品として含む複数の共振回
路を構成する場合は、それらの共振周波数を少なくとも
2種類以上に相違させる。
【0041】さらに、要すれば複数の共振回路の間にお
いて、選択度であるQの大きさを共振周波数とともに、
少なくとも2つの異なった値を有するように構成するこ
とができる。
【0042】(3)スイッチ手段による構成 スイッ
チ手段は、有接点形および無接点形のいずれであっても
よい。誘導コイルに対するスイッチ手段の接続は、直列
的に行なうのが一般的であるが、要すれば並列的に接続
して、誘導コイルを短絡することにより、誘導コイルに
対する高周波電力の供給を遮断するように構成してもよ
い。なお、後者の接続態様においては、複数の誘導コイ
ルを高周波電源に対して直列接続することを許容する。
【0043】2 ウオームアップ制御について 起動すなわち給電開始後のウオームアップ期間中、加熱
ローラが通常運転時におけるより低い回転数で回転する
ように制御することができる。
【0044】3 加熱ローラの温度制御について 加熱ローラの温度を所定範囲内で一定たとえば200℃
に維持にするために、加熱ローラの表面に感熱素子を導
熱的に接触させることができる。そして、感熱素子を温
度制御回路に接続する。感熱素子としては、負温度特性
を有するサーミスタや正温度特性を有する非直線抵抗素
子を用いることができる。
【0045】4 搬送シートについて 加熱ローラを用いて被加熱体を加熱する際に、加熱ロー
ラが直接被加熱体に当接するように構成することができ
るが、要すれば両者の間に搬送シートが介在するように
構成することができる。この場合、搬送シートは、無端
状またはロール状の形態をとることが許容される。搬送
シートを用いることにより、被加熱体の加熱と搬送をス
ムースに行うことが可能になる。
【0046】<本発明の作用について> 複数の誘導
コイルの隣接するもの同士の巻き方向が互いに逆で、か
つ、発生磁束が同一極性とになるような関係に設定され
ていることによって、隣接する誘導コイル間の電位差が
なくなるか、小さくなるので、隣接する誘導コイル間の
絶縁が容易になる。このため、隣接する誘導コイル間の
距離を小さく設定することが可能になる。このことは、
隣接する誘導コイルが異なる高周波電源に接続する場合
であっても、基本的に同様である。
【0047】また、複数の誘導コイルから発生する磁束
の極性が同じなので、隣接する誘導コイル間の磁界の変
化が少なくなる。
【0048】以上の結果、加熱ローラの温度分布の均整
度が良好になる。
【0049】さらに、所望により、複数の誘導コイルを
選択的に駆動することによって、加熱ローラの所望の領
域を選択的に加熱することができる。
【0050】請求項2の発明の画像形成装置は、記録媒
体にトナー画像を形成する画像形成手段を備えた画像形
成装置本体と;加圧ローラを備えた定着装置本体、なら
びに定着装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接関係
に対設して両ローラ間にトナー画像が形成された記録媒
体を挟んで搬送しながらトナー画像を定着するように配
設された請求項1記載の誘導加熱ローラ装置を備え、形
成装置本体に配設されて記録媒体のトナー画像を定着す
る定着装置と;を具備していることを特徴としている。
【0051】本発明において、「画像形成装置本体」と
は、画像形成装置から定着装置を除いた残余の部分をい
う。また、画像形成手段は、記録媒体に間接方式または
直接方式により画像情報を形成する画像を形成する手段
である。なお、「間接方式」とは、転写によって画像を
形成する方式をいう。画像形成装置としては、たとえば
電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリなどが該当す
る。
【0052】記録媒体としては、たとえば転写材シー
ト、印刷紙、エレクトロファックスシート、静電記録シ
ートなどが該当する。
【0053】定着装置は、加圧ローラを備えた定着装置
本体と、定着装置本体の加圧ローラに加熱ローラを圧接
関係に対設して、両ローラ間にトナー画像が形成された
記録媒体を挟んで搬送しながらトナー画像を定着するよ
うに配設された請求項1記載の誘導加熱ローラ装置とを
具備している。なお、「定着装置本体」とは、定着装置
から誘導加熱ローラ装置を除いた残余の部分をいう。加
圧ローラと加熱ローラとは、直接圧接してもよいが、要
すれば搬送シートなどを介して間接的に圧接してもよ
い。なお、搬送シートは、無端またはロール状であって
もよい。トナー画像が形成された記録媒体を加熱ローラ
と加圧ローラとの間に挟んで搬送しながらトナー画像を
高速で定着する。
【0054】そうして、本発明においては、高速タイプ
に好適な画像形成装置にすることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0056】図1ないし図6は、本発明の誘導加熱ロー
ラ装置の第1の実施形態を示し、図1は装置全体の概要
を示す回路ブロック図、図2は誘導コイルおよび加熱ロ
ーラの一部切欠中央縦断面図、図3は同じく横断面図、
図4は回路図、図5は複数の誘導コイルの接続態様およ
び発生磁束の極性を示す概念図、図6は誘導コイルの切
り換えと加熱ローラの温度分布の関係を説明する概念図
である。本実施形態の誘導加熱ローラ装置は、加熱ロー
ラHR、誘導コイルIC、高周波電源HFSおよび誘導
コイル選択手段F1、F2、F3を備えて構成されてい
る。また、加熱ローラHRは、図2に示すように、回転
機構RMを備え、これにより駆動されて回転する。以
下、上記の構成要素ごとにその構成を詳細に説明する。
【0057】<加熱ローラHR> 加熱ローラHR
は、ローラ基体1、2次コイルwsおよび保護層2を備
えて構成されているとともに、回転機構RMにより回転
駆動される。ローラ基体1は、アルミナセラミックス製
の円筒体からなり、たとえば長さ300mm、厚み3m
mである。2次コイルwsは、Cuの蒸着膜からなるフ
ィルム状をなした円筒状の1ターンコイルからなり、ロ
ーラ基体1の外面において、軸方向の有効長のほぼ全体
にわたって配設されている。そして、2次コイルwsの
厚みは、加熱ローラHRの周回方向の2次側抵抗Rの値
が2次リアクタンスとほぼ同じ値の1Ωになるように設
定されている。保護層2は、フッ素樹脂からなり、2次
コイルwsの外面を被覆して形成されている。
【0058】回転機構RMは、加熱ローラHRを回転さ
せるための機構であって、以下のように構成されてい
る。すなわち、図2に示すように、第1の端部部材3
A、第2の端部部材3B、一対の軸受4、4、ベベルギ
ア5、スプラインギア6およびモータ7を備えて構成さ
れている。第1の端部部材3Aは、キャップ部3a、駆
動軸3bおよび尖端部3cからなる。キャップ部3a
は、加熱ローラHRの図2において左端に外側から嵌合
するとともに、図示を省略している押しねじを用いて加
熱ローラHRに固定することによって、加熱ローラHR
の左端を支持している。駆動軸3bは、キャップ部3a
の外面の中央部から外方へ突出している。尖端部3c
は、キャップ部3aの内面の中央部からキャップ部3a
の内方へ突出している。第2の端部部材3Bは、リング
部3dからなる。リング部3dは、加熱ローラHRの図
2において右端に外側から嵌合するとともに、図示を省
略している押しねじを用いて加熱ローラHRに固定する
ことによって、加熱ローラHRの右端を支持している。
一対の軸受4、4の一方は、第1の端部部材3Aにおけ
るキャップ部3aの外面を回転自在に支持する。また、
他方は、第2の端部部材3Bの外面を回転自在に支持す
る。したがって、加熱ローラHRは、その両端に固定し
た第1および第2の端部部材3A、3Bと、一対の軸受
4、4とにより回転自在に支持されている。ベベルギア
5は、第1の端板3Aの駆動軸3bに装着されている。
スプラインギア6は、ベベルギア5に噛合している。モ
ータ7は、そのロータ軸がスプラインギア5に直結して
いる。
【0059】<誘導コイルIC> 誘導コイルIC
は、図5に示すように、その複数が互いに小間隔で隣接
して配設されるとともに、第1、第2および第3の誘導
コイル群IC1、IC2、IC3にグループ分けされ
て、コイルボビン8に巻装されている。なお、図1、4
および6において、第1、第2および第3の誘導コイル
群IC1、IC2、IC3は、図を簡単にするために単
一のコイルように表記してある。
【0060】第1の誘導コイル群IC1は、加熱ローラ
HRの軸方向に沿って隣接して配置された3つの誘導コ
イルからなる。第2の誘導コイル群IC2は、同様に順
次隣接して配置された6つの誘導コイルからなる。第3
の誘導コイル群IC3は、同様に隣接して配置された3
つの誘導コイルからなる。そして、誘導コイルICは、
第1、第2および第3の誘導コイル群IC、IC2、I
C3を通じたその全部において、互いに隣接する誘導コ
イル同志のコイルの巻き方向が互いに逆の関係になって
いる。加えて、図5に示すように、複数の誘導コイルか
ら発生する磁束Φが加熱ローラHRの軸に対して同一方
向になるような極性に関係付けられている。
【0061】また、図1に示すように、第1の誘導コイ
ル群IC1は、加熱ローラHRの隣接する加熱領域Aに
対向する位置に配設されている。同様に、第2の誘導コ
イル群IC2は加熱領域B、第3の誘導コイ群IC3は
加熱領域C、にそれぞれ対向して配設されている。そし
て、各誘導コイル群IC、IC2、IC3は、加熱ロー
ラHRの2次コイルwsに磁気結合している。なお、第
1、第2および第3の誘導コイル群IC、IC2、IC
3は、コイルボビン8に巻装されることによって配設位
置が固定されるようになっている。
【0062】さらに、図5に示すように、第1、第2お
よび第3の誘導コイル群IC、IC2、IC3の複数の
誘導コイルは、その図において下方へ延在する一端が、
図の下部にある安定電位の給電線9aに共通に接続して
いる。これに対して、複数の誘導コイルの図において上
方へ延在する他端は、誘導コイル群ごとに図において上
部にある固有の高電位側の給電線9b、9c、9dに接
続している。
【0063】一方、コイルボビン8は、図2に示すよう
に、フッ素樹脂製の円柱体からなり、凹部8a、支持部
8bおよび通線溝8c0、8c1、8c2、8c3を有
している。凹部8aは、コイルボビン8の先端中央に形
成されていて、回転機構RMに相対的に回転自在に係止
している。支持部8bは、コイルボビン8の基端に形成
されていて、図示しない固定部に固定される。通線溝8
c0、8c1、8c2、8c3は、コイルボビン8の外
周面に90°間隔で分散して樋状に形成されていて、内
部に給電線9a、9b、9c、9dを通線している。各
給電線9a、9b、9c、9dは、コイルボビン8の基
端側から外部へ導出され、後述する誘導コイル選択手段
F1、F2、F3に接続する。
【0064】そうして、第1、第2および第3の誘導コ
イル群IC1、IC2およびIC3は、静止状態で使用
される。また、上記誘導コイル群は、加熱ローラHRの
第2の端部部材3Bのリング部3dから内部に挿入され
ていて、コイルボビン1の先端に形成された凹部1aが
第1の端板3Aの尖端部3cに係合し、かつ、前述した
ように基端に形成した支持部1bが固定部に固定される
ことによって、加熱ローラHRと同軸関係に支持される
とともに、加熱ローラHRが回転しても静止状態を維持
する。
【0065】<高周波電源HFS> 高周波電源HF
Sは、図4に示すように、低周波電源AS、直流電源R
DC、高周波発生部HFIおよび整合回路MCから構成
されている。なお、図1において、符号HFは、上記の
うち直流電源RDC、高周波発生部HFIおよび整合回
路MCの集合体を示す。
【0066】低周波交流電源ASは、たとえば100V
商用交流電源からなる。
【0067】直流電源RDCは、整流回路からなり、入
力端が低周波交流電源ASに接続し、低周波交流電圧を
非平滑直流電圧に変換して、その直流出力端から出力す
る。
【0068】高周波発生部HFIは、高周波フィルタH
FF、周波数可変形の高周波発振器OSC、駆動回路D
C、ハーフブリッジ形インバータ主回路HBI、負荷回
路LCおよび外部信号源OSS(図1に示す。)により
構成されている。高周波フィルタHFFは、両線路にそ
れぞれ直列の一対のインダクタL1、L2および一対の
インダクタL1、L2の前後で両線路間に接続された一
対のコンデンサC1、C2からなり、直流電源RDCお
よび後述するハーフブリッジ形インバータ主回路HBI
の間に介在して、高周波が低周波交流電源AS側へ流出
するのを阻止する。高周波発振器OSCは、発振周波数
可変形であり、後述する外部信号源OSSにより制御さ
れて可変周波数の高周波励振信号を発生して、駆動回路
DCに入力する。駆動回路DCは、プリアンプからな
り、高周波発振器OSCから送出された高周波信号を増
幅して駆動信号を出力する。ハーフブリッジ形インバー
タ主回路HBIは、直流電源RDC出力端間に直列接続
され、駆動回路DCの駆動信号により励振されて交互に
スイッチングする一対のMOSFETQ1、Q2および一対の
MOSFETQ1、Q2に並列接続されたコンデンサC3、C
4からなり、直流電源RDCの直流出力をほぼ矩形波の
高周波に変換する。コンデンサC3、C4は、インバー
タ動作中に高周波バイパス作用を行なう。負荷回路LC
は、直流カットコンデンサC5、インダクタL3および
後述する整合回路MCにより構成されている。直流カッ
トコンデンサC5は、一対のMOSFETQ1、Q2を介して
直流電源DC側から直流成分が負荷回路LCに流入する
のを阻止する。インダクタL3および整合回路MCは、
直列共振回路を形成して、各誘導コイル群IC1、IC
2、IC3に印加される高周波電圧を正弦波に波形整形
する。波形整形された高周波電圧によって各誘導コイル
IC1、IC2、IC3は付勢される。外部信号源OS
Sは、高周波電源HFSの出力周波数を変化させるため
のもので、発振器OSCを制御して、その発振周波数を
操作により選択された加熱領域に応じて変化させるよう
に機能する。
【0069】整合回路MCは、高周波出力線路に直列の
コンデンサC6および並列のコンデンサC5からなるイ
ンピーダンス変換回路であり、高周波発生部HFIに接
近して配置されている。そして、高周波発生部HFIと
整合回路MCから見た負荷のインピーダンスを整合させ
て電力伝達効率を高める作用を行なう。
【0070】<誘導コイル選択手段F1、F2、F3>
誘導コイル選択手段F1、F2、F3は、帯域通過
形のフィルタからなり、その通過帯域が互いに相違して
いる。それぞれの通過帯域は、たとえば誘導コイル選択
手段F1が1MHzであり、誘導コイル選択手段F2が
2MHz、誘導コイル選択手段F3が3MHzである。
そして、誘導コイル選択手段F1は、高周波電源HFS
と第1の誘導コイル群IC1との間に直列に介在してい
る。誘導コイル選択手段F2は、同様に第2の誘導コイ
ル群IC2に接続している。また、誘導コイル選択手段
F3は、同様に第3の誘導コイル群IC3に接続してい
る。
【0071】<誘導加熱ローラ装置の動作> 低周波
交流電源ASの低周波交流電圧は、直流電源RDCによ
り直流電圧に変換され、さらに高周波電源HFSで高周
波電圧に変換され、さらに誘導コイル選択手段F1、F
3、F2を経由して、静止状態の第1ないし第3の誘導
コイル群IC1、IC2、IC3に選択的に印加され
る。
【0072】外部信号源OSSを操作して、高周波電源
HFSの高周波出力の周波数をたとえば10Hzの低周
波で交互に1MHzおよび2MHzにサイクリックに切
り換えると、誘導コイル選択手段F1は、1MHzを通
過させるので、高周波電源HFSが1MHzを出力して
いるときには、第1の誘導コイル群IC1が時分割的に
付勢される。また、高周波電源HFSが2MHzを出力
しているときには、第2の誘導コイル群IC2が時分割
的に付勢される。そのため、第1の誘導コイル群IC1
および第2の誘導コイル群IC2と、これらに対向する
加熱ローラHRの加熱領域AおよびBの2次コイルws
とが空芯トランス結合して、2次コイルwsに2次電流
が加熱ローラHRの周回方向に誘導される。その結果、
2次コイルwsの抵抗Rがジュール発熱する。その結
果、加熱領域AおよびBは、図6の(2)に示すよう
に、均一に加熱される。
【0073】これに対して、外部信号源OSSを操作し
て、高周波電源HFSの高周波出力の周波数をたとえば
10Hzの低周波で交互に1MHz、2MHzおよび3
MHzにサイクリックに切り換えると、誘導コイル選択
手段F1、F2、F3がそれぞれの通過周波数の高周波
電力を通過させるので、第1、第2および第3の誘導コ
イル群IC1、IC2およびIC3が交互に時分割的に
切り換えられて付勢される。その結果、上記と同様に作
用して加熱ローラHRの加熱領域A、BおよびCは、図
6の(3)に示すように、均一に加熱される。
【0074】これに対して、外部信号源OSSを操作し
て、高周波電源HFSの高周波出力の周波数をたとえば
2MHzに切り換えると、誘導コイル選択手段F2のみ
が高周波電力を通過させるので、第2の誘導コイル群I
C2のみが付勢される。その結果、上記と同様に作用し
て加熱ローラHRの加熱領域Bは、図6の(1)に示す
ように、均一に加熱される。
【0075】次に、図7および図8を参照して、本発明
の第2および第3の実施形態を説明する。各図におい
て、図5と同一部分については同一符号を付して説明は
省略する。
【0076】図7は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
2の実施形態における複数の誘導コイルの接続態様およ
び発生磁束の極性を示す概念図である。本実施形態は、
誘導コイルICが同一のコイル仕様(コイル長、コイル
ピッチおよびコイル径)の4つの誘導コイルICa、I
Cb、ICc、ICdからなり、一対の給電線9a、9
bの間に固定的に並列接続している。
【0077】図8は、本発明の誘導加熱ローラ装置の第
3の実施形態における複数の誘導コイルの接続態様およ
び発生磁束の極性を示す概念図である。本実施形態は、
誘導コイルICの数が図5に示す第1の実施形態と同じ
であるが、それらは一対の給電線9a、9bの間に固定
的に並列接続している。
【0078】図9および図10は、本発明の画像形成装
置の一実施形態としての複写機を示し、図9は全体の概
念的断面、図10は定着装置の断面図である。各図にお
いて、31は読取装置、32は画像形成手段、33は定
着装置、34は画像形成装置ケースである。
【0079】読取装置31は、原紙を光学的に読み取っ
て画像信号を形成する。
【0080】画像形成手段32は、画像信号に基づいて
感光ドラム32a上に静電潜像を形成し、この静電潜像
にトナーを付着させて反転画像を形成し、これを紙など
の記録媒体に転写して画像を形成する。
【0081】定着装置33は、図10に示すように、誘
導加熱ローラ装置21、加圧ローラ22および架台25
備えて構成されている。誘導加熱ローラ装置21は、図
1ないし図6に示す誘導加熱ローラ装置の第1の実施形
態を用いている。しかし、図7および図8に示す各誘導
加熱ローラ装置を用いることができる。加圧ローラ22
は、誘導加熱ローラ装置21の加熱ローラHRと圧接関
係を有して配設されており、両者の間に記録媒体23を
狭圧しながら搬送する。なお、記録媒体23は、その表
面にトナー24が付着することにより、画像が形成され
る。架台25は、以上の各構成要素(記録媒体23を除
く。)を所定の位置関係に装架している。
【0082】そうして、定着装置は、トナー24が付着
して画像を形成している記録媒体23が誘導加熱ローラ
装置21の加熱ローラHRと加圧ローラ22との間に挿
入されて搬送されるとともに、加熱ローラHRの熱を受
けてトナー24が加熱されて溶融し、熱定着が行われ
る。
【0083】画像形成装置ケース34は、以上の各装置
および手段31ないし33を収納するとともに、搬送装
置、電源装置および制御装置などを備えている。
【0084】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、誘導電流によ
り発熱する加熱ローラと、その内部に軸方向に分散して
配設されるとともに、隣接するもの同士の巻き方向が互
いに逆で、かつ、発生磁束が同一極性になるような関係
に設定されている複数の誘導コイルと、複数の誘導コイ
ルに高周波電力を供給する高周波電源とを具備している
ことにより、加熱ローラを軸方向に均一に加熱できると
ともに、分散して配置された複数の誘導コイルの間の絶
縁が容易で、しかも、所望により加熱ローラの加熱領域
を切り換え可能にする誘導加熱ローラ装置を提供するこ
とができる。
【0085】請求項2の発明によれば、画像形成装置本
体と、請求項1記載の定着装置とを具備していることに
より、請求項1の効果を有する画像形成装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導加熱ローラ装置の第1の実施形態
における装置全体の概要を示す回路ブロック図
【図2】同じく誘導コイルおよび加熱ローラの一部切欠
中央縦断面図
【図3】同じく横断面図
【図4】同じく回路図
【図5】同じく複数の誘導コイルの接続態様および発生
磁束の極性を示す概念図
【図6】同じく誘導コイルの切り換えと加熱ローラの温
度分布の関係を説明する概念図
【図7】本発明の誘導加熱ローラ装置の第2の実施形態
における複数の誘導コイルの接続態様および発生磁束の
極性を示す概念図する概念図
【図8】本発明の誘導加熱ローラ装置の第3の実施形態
における複数の誘導コイルの接続態様および発生磁束の
極性を示す概念図
【図9】本発明の画像形成装置の一実施形態としての複
写機の概念的断面図
【図10】同じく定着装置の縦断面図
【符号の説明】
A…加熱領域、B…加熱領域、C…加熱領域、IC…誘
導コイル、IC1…第1の誘導コイル群、IC2…第2
の誘導コイル群、IC3…第3の誘導コイル群、Φ…磁
束、8…コイルボビン、9a…給電線、9b…給電線、
9c…給電線、9d…給電線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 崇行 愛媛県今治市旭町5丁目2番地の1ハリソ ン東芝ライティング株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA03 BA25 BA26 BA27 BB18 BB21 BB22 BE06 CA17 CA30 CA45 3K059 AA08 AC33 AD05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】後記誘導コイルに磁気結合して誘導電流に
    より発熱する加熱ローラと;加熱ローラの内部に軸方向
    に分散して配設されるとともに、隣接するもの同士の巻
    き方向が互いに逆で、かつ、発生磁束が同一極性になる
    ような関係に設定されている複数の誘導コイルと;複数
    の誘導コイルに高周波電力を供給する高周波電源と;を
    具備していることを特徴とする誘導加熱ローラ装置。
  2. 【請求項2】記録媒体にトナー画像を形成する画像形成
    手段を備えた画像形成装置本体と;加圧ローラを備えた
    定着装置本体、ならびに定着装置本体の加圧ローラに加
    熱ローラを圧接関係に対設して両ローラ間にトナー画像
    が形成された記録媒体を挟んで搬送しながらトナー画像
    を定着するように配設された請求項1記載の誘導加熱ロ
    ーラ装置を備え、形成装置本体に配設されて記録媒体の
    トナー画像を定着する定着装置と;を具備していること
    を特徴とする画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015043013A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、定着制御方法及び定着制御プログラム
KR101568674B1 (ko) 2014-07-09 2015-11-12 김상덕 전선관 벤딩용 히터봉

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JP2015043013A (ja) * 2013-08-26 2015-03-05 株式会社リコー 定着装置、画像形成装置、定着制御方法及び定着制御プログラム
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