JP2005285625A - 組電池用フレームおよび組電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組電池を組み立てる際の作業性を低下させず、フレームの歪みも防止できる組電池用フレームを提供する。
【解決手段】 単電池10を載置し位置決めした状態で、複数積層されることにより、組電池を構成する組電池用フレーム2であって、組電池1の形成時には、積層方向に並ぶ単電池10の正極タブ11および負極タブ12を挟んで交互に配置され、該単電池10を積層方向に電気的に接続する導電性の導通ワッシャ7および電気的に絶縁する絶縁性の絶縁ワッシャ8を、前記積層方向に遊動可能に保持する保持手段25Aと、保持手段25Aが設けられ、単電池10の正極タブ11および負極タブ12を支持する電極支持部22と、を有する組電池用フレーム。
【選択図】 図5

Description

本発明は、扁平型電池を積層して組電池化する際に用いる組電池用フレームおよび該フレームを用いた組電池に関する。
複数の単電池を直列または並列に組み合わせて、高電力または高持久力の組電池またはモジュール電池が作成されている。たとえば、発電要素をラミネートフィルムで覆った扁平型単電池(以下、ラミネート電池という)を複数直列または並列に接続して、高電力または高容量の組電池を作成することが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このようなラミネート電池を組電池とする場合には、複数のラミネート電池を同一平面上に配置すると共に、この同一平面上に配置したラミネート電池をさらに複数層積層し、これらの電池を直列または並列に接続することによって、積層型電池として、より高電力または高容量の組電池を作成することができる。
このような積層型組電池を組み立てる場合、ラミネート電池を一つずつ平面上に配置および積層すると作業性が悪いため、ラミネート電池を板状のフレーム上に配置し、この電池が配置されたフレームを複数積層することによって、積層型組電池を組み立てる際の作業性を向上することが考えられている。
さらに、積層方向(上下方向)に隣り合うフレーム上に配置された電池同士を電気的に接続または絶縁する場合には、フレームのラミネート電池の電極端子である板状の電極タブに対応する位置に、導電性材料からなるワッシャ(以下、絶縁ワッシャという)を組み込み、ラミネート電池が載置されたフレームを積層し、積層方向上下からフレームまたは導電ワッシャおよび絶縁ワッシャを加圧することによって、電極タブと導電ワッシャおよび絶縁ワッシャとを確実に接触させて、積層方向の電池の電気的接続を行うことにより、作業性を向上することが考えられている。
特開2001−256939号公報
上記のようにフレームに導通ワッシャおよび絶縁ワッシャ(以下、総称してワッシャという)を組み込む場合、ワッシャは接着剤等によりフレームに固定されている。ワッシャとラミネート電池との高さが同じであれば、フレームには負荷がかからない。
しかし、一般的にラミネート電池の高さ方向の寸法誤差は大きいので、ワッシャとラミネート電池の高さを合わせるのは困難である。ラミネート電池の高さ寸法がワッシャの高さ寸法よりも大きい場合に、ワッシャはフレームに固く固定されているので、ワッシャにつられてフレームに無理な力が加わり、フレームが歪んでしまう。
フレームが歪んだ状態では、反力が発生するので、ワッシャとラミネート電池の電極タブとが接触しなかったり、接触しにくくなったりする場合がある。これでは、組電池内で回路が切断されたり、抵抗が大きくなったりして、組電池の電池特性を悪化してしまう。
さらに、上記のように、ワッシャを組み付けたフレームでは、フレームに対するワッシャの平行度が低い場合にも、組電池化したときにフレームが歪んでしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、組電池を組み立てる際の作業性を低下させず、フレームの歪みも防止できる組電池用フレームおよび該フレームを用いた組電池の提供を目的とする。
本発明の組電池用フレームは、扁平型電池を載置し位置決めした状態で、複数積層されることにより、組電池を構成する組電池用フレームであって、組電池の形成時には、積層方向に並ぶ前記扁平型電池の電極端子を挟んで交互に配置される、該扁平型電池を積層方向に電気的に接続する導電性の導通部材および電気的に絶縁する絶縁性の絶縁部材を、前記積層方向に遊動可能に保持する保持手段と、前記保持手段が設けられ、前記扁平型電池の前記電極端子を支持する電極支持部と、を有する
本発明の組電池は、複数個の積層された扁平型電池と、扁平型電池を載置し位置決めした状態で、複数積層されるフレームと、を有してなる組電池であって、前記フレームは、積層方向に並ぶ前記扁平型電池の電極端子を挟んで交互に配置され、該扁平型電池を積層方向に電気的に接続する導電性の導通部材および電気的に絶縁する絶縁性の絶縁部材と、前記導通部材および前記絶縁部材を前記積層方向に遊動可能に保持する保持手段と、を有する。
上記組電池用フレームによれば、導通部材および絶縁部材が、堅固に固定されずに、積層方向に遊動可能に保持されている。したがって、扁平型電池の高さが導通部材および絶縁部材の高さよりも高い場合でも、組電池の形成時に組電池用フレームが歪まない。すなわち、電極端子と共に導通部材および絶縁部材を積層方向両側から加圧したときに、導通部材および絶縁部材の遊動により、扁平型電池と導通部材および絶縁部材との高さの差を吸収し、組電池用フレームに負荷をかけない。
さらに、組電池用フレームの姿勢が多少傾いても、遊動により、導通部材と電極端子との導通を確保できる。フレームの歪みにより、導通部材と電極端子とが非接触になったり、接触しにくくなったりすることを防止できる。
加えて、導通部材および絶縁部材を組電池用フレームに取り付ける際の取付精度の調整が不要である。
上記組電池によれば、導通部材および絶縁部材が、堅固に固定されずに、積層方向に遊動可能に保持されている。したがって、扁平型電池の高さが導通部材および絶縁部材の高さよりも高い場合でも、組電池の形成時にフレームが歪まない。すなわち、電極端子と共に導通部材および絶縁部材を積層方向両側から加圧したときに、導通部材および絶縁部材の遊動により、扁平型電池と導通部材および絶縁部材との高さの差を吸収し、組電池用フレームに負荷をかけない。
さらに、組電池用フレームの姿勢が多少傾いても、遊動により、導通部材と電極端子との導通を確保できる。フレームの歪みにより、導通部材と電極端子とが非接触になったり、接触しにくくなったりすることを防止できる。
加えて、導通部材および絶縁部材をフレームに取り付ける際の取付精度の調整が不要である。
以下、本発明について、図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態では、最初に、本願発明が適用された組電池の全体について説明し、その後、各構成について詳細に説明する。
図1は本発明の組電池を示す斜視図、図2は図1に示す組電池のA−A断面図、図3は単電池を示す斜視図、図4はフレームに単電池を配置する様子を示す斜視図、図5はフレームに単電池を配置する様子を示す平面図、図6は、組電池内に形成される回路構成を示す図である。
図1に示すように、組電池1は、板形状の組電池用フレーム(以下、単にフレームという)2がその厚み方向に複数個積層されてなる電池ユニット100を、ヒートシンク3でその積層方向の両面から挟んで加圧し一体的に保持したものである。
フレーム2は、図4および図5に示すように、4個の扁平型電池(以下、単電池という)が並べられている。この状態で、フレーム2が積層されて、組電池1が構成されている。組電池1は、たとえば、フレームが24枚積層され、積層方向6枚おきに中間ヒートシンク5が介挿される。したがって、組電池1は4個並列に配置された単電池がそれぞれ24個ずつ積層されており、合計96個の単電池を有している。
ヒートシンク3および5は、両ヒートシンクを連結する6個の加圧ユニットをナット6で取り付けることによって固定する。加圧ユニットは、引っ張りコイルばねの両端にナット6で固定されるシャフトを取り付けたものであり、これをヒートシンク3および5間に取り付けることによって電池ユニット100を構成するすべての単電池に対して積層方向に適切な面圧を与えている。
組電池1の積層構造は図2に示す通りである。なお、これらの図は発明の理解を容易にするために簡略化して記載してある。これらの図には、ヒートシンク3と中間ヒートシンク5との間には4枚のフレーム2しか設けられていないが、実際には、本実施形態では6枚のフレーム2が設けられている。
図2に示すように、フレーム2にそれぞれ1層の単電池10が配置され、これが積層されている。単電池10は、図3にしめすように、扁平型であり、扁平型の本体から、正極の電極端子(以下、正極タブという)11および負極の電極端子(以下、負極端子という)12が引き出されている。正極タブ11および負極タブ12は、単電池10内の積層型の発電要素に接続されている。正極タブ11および負極タブ12には、それぞれ、貫通孔13および貫通孔14が形成されている。
図2に戻って、単電池10は、積層方向に正極タブ11と負極タブ12が交互に配置されている。交互に配置された正極タブ11および負極タブ12は、図2中左右の側で、接続されている。したがって、単電池10は、積層方向に直列接続されている。積層方向に隣接する単電池10の接続方法は、次の通りである。
フレーム2には、図2中左側に、開口部21が設けられている。この開口部21において、積層方向に隣接する単電池10の正極タブ11および負極タブ12が超音波溶接される。ここで、単電池10は、開口部21において、上層または下層のいずれか一方の単電池10とだけ接続される。たとえば、積層1段目の正極タブ11および積層2段目の負極タブ12が開口21において超音波溶接され、積層3段目の正極タブ11および積層4段目の負極タブ12が開口21において超音波溶接される。このように、図中左側では、積層方向に隣接する正極タブ11および負極タブ12が、超音波溶接により電気的に接続される。
一方、フレーム2には、図2中右側に、厚み寸法がフレーム2の厚み方向と同じ、もしくはフレーム2の厚み寸法よりも大きい導通ワッシャ7(導通部材)または絶縁ワッシャ8(絶縁部材)が配置されている。導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8が、積層方向に交互に並ぶように、フレーム2が積層されている。したがって、導通ワッシャ7を挟む正極タブ11および負極タブ12は電気的に接続され、絶縁ワッシャ8を挟む正極タブ11および負極タブ12は絶縁される。たとえば、積層2段目の正極タブ11と積層3段目の負極タブ12との間に導通ワッシャ7が配置され、積層3段目の負極タブ12と積層4段目の正極タブ11との間に絶縁ワッシャ8が配置される。このように、図中右側では、積層方向に隣接する正極タブ11および負極タブ12が、導通ワッシャ7を介して電気的に接続される。
導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8は、フレーム2に設けられた保持手段により積層方向に遊動可能に保持されている。保持手段については、後述の(フレーム)の項において詳細に説明する。
導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8は、正極タブ11および負極タブ12と共に、通しボルト9が挿通される。通しボルト9は、少なくとも導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8と接触する部分が絶縁部材により覆われている。通しボルト9は、両端からナット90により締結される。これにより、導通ワッシャ7、絶縁ワッシャ8が積層方向両側から加圧されて、導通ワッシャ7、絶縁ワッシャ8と正極タブ11、負極タブ12とが確実に接続される。
フレーム2は、中央部分が開口され、積層方向に隣接する単電池の外装面が直接接触するようになっている。
最下層の絶縁ワッシャ8と、ヒートシンク3との間には、バスバー91が挿通されている。バスバー91は、隣接する電池ユニット100を電気的に接続する。したがって、96個の全単電池10が組電池1内で直列接続される。
以上のように、組電池1は、図6に示すように、フレーム2に配置された単電池が積層方向に直列接続されて、また、バスバー91を介して、電池ユニット100同士が接続されて、一つの高出力の電池に組み上げられている。
組電池の各構成について、詳細に説明する。
(単電池)
本実施の形態で用いる単電池10は、図3に示すような矩形状の扁平型積層二次電池であり、少なくとも正極板と負極板を順に積層した積層型の発電要素を内部に備えており、たとえば、特開2003−059486号公報に開示されているような構造を持つものである。単電池10はその外装材としてラミネートフィルムが用いられ、内蔵されている発電要素は単電池10の周縁部のラミネートフィルムが熱融着接合されることで封止される。
単電池10の長手方向両側面からは、正極タブ11および負極タブ12が引き出されている。正極タブ11は、たとえば厚さ0.2mm程度のアルミニウム薄板で構成されている。一方、負極タブ12は、たとえば厚さ0.2mm程度の銅の薄板で構成されている。正極タブ11および負極タブ12には、通しボルト(図2の9)を挿入するための挿入孔13、14が開口されている。なお、熱融着接合されている単電池10の周縁部はフレームに位置決めされ、支持される。単電池10の積層方向は、この発電要素を構成する正極板と負極板の積層方向と同一の方向である。
本実施の形態では図3のように対抗する2辺に別々の極性の電極タブが取り付けられているタイプの単電池を用いて組電池1を構成しているが、特開2003−059486号公報に開示されているように、1辺のみに別々の極性の電極タブが取り付けられているタイプの単電池を用いて組電池1を構成しても良い。ただ、このタイプの単電池を用いた場合には、フレームの構造や単電池同士の接続方法は本実施の形態とは大きく異なる。また、本実施の形態では、1つの扁平型電池を単電池としているが、直列接続された複数の電池、または並列接続された複数の電池、直列と並列の接続を交えて接続された複数の電池をそれぞれ単電池としてフレームに保持させても良い。
(ヒートシンク)
本実施の形態で用いるヒートシンクは、図1および図2に示したとおり、最上段および最下段に位置されるヒートシンク3、積層されているフレーム2間に少なくとも1以上介挿される中間ヒートシンク5の2種類である。
ヒートシンク3、5は、共に組電池1を放熱する放熱板の役割を果たす。ヒートシンク3、5は、たとえば、銅、アルミニウム、マグネシウムなどから形成されている。放熱性や軽量化を考慮するとアルミニウムが最適である。ヒートシンク5は、放熱効率を向上させるためその長手方向に貫通する通気口が形成されている。
最下段のヒートシンク3は、積層されるフレームを位置決めするためのロケートピンが四隅に設けられている。もちろんフレーム2には、ロケートピンが挿入されるロケートピン挿入孔(図示せず)が開口されている。ヒートシンク3にフレーム2を積層する場合には、フレーム2のロケートピン挿入孔をこれらのロケートピンに挿入しフレームの位置決めを行う。
ヒートシンク3は、放熱の役割の他に、電池ユニット100に適切な面圧を付与するとともに電池ユニット100を一体的に保持する役割も果たす。電池ユニット100に面圧を加えるために、ヒートシンク3間には、加圧ユニットが取り付けられている。加圧ユニットは、引っ張りコイルバネと、引っ張りコイルバネの端部に螺合して、該端部をヒートシンクに固定するバネ固定部とを有する。
ヒートシンク3間で引き延ばした状態になるように、引っ張りコイルバネをバネ固定部によりヒートシンク3に固定する。すると、ヒートシンク3間で電池ユニット100に面圧が与えられる。
(フレーム)
本実施の形態で用いる組電池用のフレーム2は、単電池10の正極タブ11および負極タブ12を支持する電極支持部22を有する。一方の側の電極支持部22には、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8が配置されている。上述のように、単電池10を積層方向に接続するためである。フレーム2の厚み寸法(積層方向の寸法)は、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8の厚み寸法よりも小さい。導通ワッシャ7の厚み寸法の方が大きくないと、正極タブ11および負極タブ12とが導通できないからである。
図5においては、フレーム2に導通ワッシャ7が保持されている場合について説明する。しかし、フレーム2には絶縁ワッシャ8が保持されることがあることは当然である。
導通ワッシャ7は、電極支持部22に形成された保持手段25Aにより保持されている。
(保持手段)
図7はワッシャを保持する保持手段を示す平面図、図8はワッシャを保持する保持手段を示す斜視図である。
保持手段25Aは、図5、図7、および図8に示すように、電極支持部22に形成されており、環状部26Aと、接続部27Aとを含む。
環状部26Aは、電極支持部22が環状にくり抜かれて形成され、環の内部に導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8が嵌合可能である。接続部27Aは、環状部26Aの一端を、電極支持部22に対して揺動自在に接続する。
第1実施形態では、図7に示すように、保持手段25Aは、電極支持部22と一体に形成されている。すなわち、接続部27Aの一端が電極支持部22から切り離されないように、電極支持部22に鍵穴状の切れ込みを入れることによって、環状部26Aおよび接続部27Aが形成されている。したがって、保持手段25Aを形成するために、電極支持部22以外の別部材を用いていない。
環状部26Aは、接続部27Aにより環の一部だけを保持されているので、接続部27Aが弾性により揺動すると、追従して上下に揺動可能である。したがって、保持部25Aは、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8を保持した状態において、該導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8を積層方向に揺動させられる。
以上のように、本発明では、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8が、堅固に固定されずに、積層方向に遊動可能に保持されている。
したがって、以下の効果が得られる。
導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の高さが、単電池10の高さと異なっていても、換言すると、単電池10の高さが導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の高さより高くても、組電池1の形成時にフレーム2が歪まない。すなわち、正極タブ11または負極タブ12と共に、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8に通しボルト9を挿通し、両端からナット90で締結したときに、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の遊動により、単電池10と導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8との高さの差が吸収され、フレーム2に負荷がかからない。フレーム2に負荷がかからないので、ナット6を締結しても、フレーム2の反力により、規定の締結力が得られないという事態を防止できる。
さらに、フレーム2の姿勢が多少傾いても、導通ワッシャ7が遊動により適当な姿勢に移動でき、結果として、導通ワッシャ7と正極タブ11または負極タブ12との導通を確保できる。フレーム2の歪みにより、導通ワッシャ7と正極タブ11または負極タブ12とが非接触になったり、接触しにくくなったりすることを防止できる。
加えて、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8をフレーム2に取り付ける際の取付精度を緻密に調整しなくても、ある程度は、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の遊動により自然と調整されるので、調整が不要となる。
また、第1実施形態では、電極支持部22に切れ込みを入れて、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8を保持する保持手段25Aを形成している。したがって、保持手段25Aの形成が容易である。したがって、保持手段25Aを形成する再の作業効率が良く、製造コストを低減できる。
また、上記実施形態では、導通部材として導通ワッシャ7と用い、絶縁部材として絶縁ワッシャ8を用いる場合について説明している。しかし、導通部材および絶縁部材は、ワッシャ形状のものに限定されるものではない。
なお、上記第1実施形態では、保持手段25Aを、電極支持部22と一体に形成しているが、これに限定されない。
保持手段を電極支持部22とは別体に形成することもできる。たとえば、図9、図10に示す通りである。
図9は保持手段の異なる形態を示す平面図、図10は、保持手段の異なる形態を示す斜視図である。
図9および図10に示すように、電極支持部22を鍵穴状にくり抜いて、くり抜いた跡に、保持手段25Bを設けている。
保持手段25Bは、導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8を内部に嵌合する環状部26Bと、環状部26Bを電極支持部22に接続する接続部27Bとを含む。接続部27Bは、上記接続部27Aとは異なり、電極支持部22とは別体である。しかし、接続部27Aと同様に、弾性により、環状部26Bを遊動可能に保持する。
したがって、上記と同様の効果が得られる。ただし、接続部27Bが電極支持部22と別体なので、上記保持手段25Aほどは容易には形成できない。
(第2実施形態)
第1実施形態では、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8を嵌合する環状部26A、Bを揺動自在とすることで、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8がフレーム2に対して揺動自在となるようにしていた。第2実施形態では、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8を、環状部26A、Bに嵌合することなく、フレーム2に対して遊動可能とする。
保持手段、導通ワッシャ7、および絶縁ワッシャ8についてのみ説明する。他の部分は、第1実施形態と同様である。
図11ははめ込み式の保持手段を示す斜視図、図12ははめ込み式の保持手段の拡大図、図13は保持手段に導通ワッシャを嵌め込んだ様子を示す断面図である。
保持手段50は、位置決め部51と、突出部52と、逃げ部53とを含む。
位置決め部51は、電極支持部22の一部を貫通して設けられており、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の外周縁と嵌合する。突出部52は、位置決め部51に導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8を配置したときに、位置決め部51から導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8に向かって突出する。
逃げ部53は、位置決め部51の外周に形成されており、電極支持部22に穴を開けて形成されている。逃げ部53は、位置決め部51を変形可能とし、位置決め部51に導通ワッシャ7または絶縁ワッシャ8が合致できるようにする。
第2実施形態では、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8は共に、外周に溝70、80が形成されている。溝70、80の幅は、保持手段50の突出部52よりも厚い。
図11に矢印で示すように、導通ワッシャ7を、位置決め部51に嵌め込もうとすると、突出部52が導通ワッシャ7に引っかかり、嵌りにくい。しかし、力を加えると、突出部52は、逃げ部53の方に逃げるように変形する。したがって、導通ワッシャ7は、位置決め部51に嵌る。絶縁ワッシャ8を嵌める場合も同様である。
導通ワッシャ7が、位置決め部51に嵌った時の断面図は、図13に示す通りである。
図13に示すように、導通ワッシャ7の溝70に、保持手段50の突出部52が突出している。一度、力を加えて、溝70の中に突出部52を入れると、再度力を加えて、突出部52を変形させなければ、導通ワッシャ7は保持手段50から取れない。
ここで、溝70の幅の方が、突出部52の幅よりも大きいので、導通ワッシャ7は、突出部52が溝70から外れない範囲で、積層方向に遊動可能である。
以上のように、第2実施形態では、保持手段50において、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8を積層方向に遊動可能に保持できるようにしている。
したがって、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の高さが、単電池10の高さと異なっていても、組電池1の形成時にフレーム2が歪まない。フレーム2に負荷がかからないので、ナット6を締結しても、フレーム2の反力により、規定の締結力が得られないという事態を防止できる。
さらに、フレーム2の姿勢が多少傾いても、導通ワッシャ7が遊動により適当な姿勢に移動でき、結果として、導通ワッシャ7と正極タブ11または負極タブ12との導通を確保できる。フレーム2の歪みにより、導通ワッシャ7と正極タブ11または負極タブ12とが非接触になったり、接触しにくくなったりすることを防止できる。
なお、上記第2実施形態では、電極支持部22に穴を開けて、逃げ部53を形成していたが、これに限定されない。図14に示すように、位置決め部51の外周において、電極支持部22に切れ込みを入れて、逃げ部53を形成することもできる。
また、上記第2実施形態では、電極支持部22の一部を貫通して設けているが、これに限定されない。図15および図16に示すように、位置決め部をクリップ式にすることもできる。
図15はクリップ式の保持手段を示す斜視図、図16はクリップ式の保持手段にワッシャを保持した状態を示す斜視図である。
図15に示すように、クリップ式の保持手段60では、電極支持部22に穴を開ける代わりに、U字型に位置決め部61を形成している。U字型の位置決め部61は、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8の外周の半分よりも長い内周を有する。
位置決め部61からは、突出部62が突出している。突出部62は、上記突出部52と同様に、導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8が位置決め部61に嵌ったときに、溝70、80内に突出する。突出部62の幅は、溝70、80の幅よりも小さい。
位置決め部61の外周には、電極支持部22との間に隙間63が設けられている。隙間63があるので、たとえば、導通ワッシャ7を位置決め部61の方に押すと、クリップ状の位置決め部61が開く。これにより、位置決め部61に、導通ワッシャ7が嵌り、保持される。
導通ワッシャ7が位置決め部61に嵌った状態は、図14と同様である。したがって、導通ワッシャ7は、溝70が突出部62から抜けない範囲で積層方向に遊動可能である。絶縁ワッシャ8についても、同様に、保持手段60に保持できる。
このように、保持手段をクリップ状にすることによって、より容易に導通ワッシャ7および絶縁ワッシャ8を、保持手段60に保持させられる。作業効率を向上できる。
本発明の組電池を示す斜視図である。 図1に示す組電池のA−A断面図である。 単電池を示す斜視図である。 フレームに単電池を配置する様子を示す斜視図である。 フレームに単電池を配置する様子を示す平面図である。 組電池内に形成される回路構成を示す図である。 ワッシャを保持する保持手段を示す平面図である。 ワッシャを保持する保持手段を示す斜視図である。 保持手段の異なる形態を示す平面図である。 保持手段の異なる形態を示す斜視図である。 はめ込み式の保持手段を示す斜視図である。 はめ込み式の保持手段の拡大図である。 保持手段に導通ワッシャを嵌め込んだ様子を示す断面図である。 異なるはめ込み式の保持手段を示す斜視図である。 クリップ式の保持手段を示す斜視図である。 クリップ式の保持手段にワッシャを保持した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1…組電池、
2…フレーム、
3、5…ヒートシンク、
6…ナット、
7…導通ワッシャ、
8…絶縁ワッシャ、
9…通しボルト、
10…単電池、
11…正極タブ、
12…負極タブ、
13…貫通孔、
14…貫通孔、
21…開口、
22…電極支持部、
25A、25B、50、60…保持手段、
25A…保持部、
26A、26B…環状部、
27A、27B…接続部、
51、61…位置決め部、
52、62…突出部、
53…逃げ部、
63…隙間、
70、80…溝、
90…ナット、
91…バスバー、
100…電池ユニット

Claims (12)

  1. 扁平型電池を載置し位置決めした状態で、複数積層されることにより、組電池を構成する組電池用フレームであって、
    組電池の形成時には、積層方向に並ぶ前記扁平型電池の電極端子を挟んで交互に配置される、該扁平型電池を積層方向に電気的に接続する導電性の導通部材および電気的に絶縁する絶縁性の絶縁部材を、前記積層方向に遊動可能に保持する保持手段と、
    前記保持手段が設けられ、前記扁平型電池の前記電極端子を支持する電極支持部と、
    を有する組電池用フレーム。
  2. 前記導通部材および前記絶縁部材よりも、前記積層方向の寸法が小さいことを特徴とする請求項1に記載の組電池用フレーム。
  3. 前記保持手段は、
    前記電極支持部が環状にくり抜かれて形成され、内周に前記導通部材または前記絶縁部材が嵌合される環状部と、
    前記環状部の一端を、前記電極支持部に対して揺動自在に接続する接続部と、
    を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組電池用フレーム。
  4. 前記環状部および前記接続部は、前記電極支持部と一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の組電池用フレーム。
  5. 前記保持手段は、
    前記導通部材または前記絶縁部材の外周縁と嵌合して、前記積層方向に垂直な方向に対して位置決めする位置決め部と、
    前記位置決め部から前記導通部材または前記絶縁部材に向かって突出する突出部と、
    を含み、
    前記導通部材および前記絶縁部材は、
    前記突出部の厚さよりも大きな幅の溝が外周面に形成されており、該溝内に前記突出部が入るように、前記位置決め部内に嵌められることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組電池用フレーム。
  6. 前記位置決め部の外周には、該位置決め部が前記積層方向に垂直な方向に対して変形可能なように、逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の組電池用フレーム。
  7. 複数個の積層された扁平型電池と、扁平型電池を載置し位置決めした状態で、複数積層されるフレームと、を有してなる組電池であって、
    前記フレームは、
    積層方向に並ぶ前記扁平型電池の電極端子を挟んで交互に配置され、該扁平型電池を積層方向に電気的に接続する導電性の導通部材および電気的に絶縁する絶縁性の絶縁部材と、
    前記導通部材および前記絶縁部材を前記積層方向に遊動可能に保持する保持手段と、
    を有する組電池。
  8. 前記フレームの前記積層方向の寸法は、前記導通部材および前記絶縁部材の前記積層方向の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の組電池。
  9. 前記保持手段は、
    前記電極支持部が環状にくり抜かれて形成され、内周に前記導通部材または前記絶縁部材が嵌合される環状部と、
    前記環状部の一端を、前記電極支持部に対して揺動自在に接続する接続部と、
    を含むことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の組電池。
  10. 前記環状部および前記接続部は、前記電極支持部と一体に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の組電池。
  11. 前記保持手段は、
    前記導通部材または前記絶縁部材の外周縁と嵌合し、前記積層方向に垂直な方向に対して位置決めする位置決め部と、
    前記位置決め部から前記導通部材または前記絶縁部材に向かって突出する突出部と、
    を含み、
    前記導通部材および前記絶縁部材は、
    前記突出部の厚さよりも大きな幅の溝が外周面に形成されており、該溝内に前記突出部が入るように、前記位置決め部内に嵌められることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の組電池。
  12. 前記位置決め部の外周には、該位置決め部が前記積層方向に垂直な方向に対して変形可能なように、逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の組電池。
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