JP2005285375A - 二次電池用複合可逆電極の製造方法 - Google Patents

二次電池用複合可逆電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バナジウム材料でのより高い放電電圧を示す二次電池を作製するための複合電極材料の製造方法を提供する。
【解決手段】反応媒体中に五酸化バナジウムと、重合により導電性ポリマーを生成する有機化合物とを含む反応混合物を前記有機硫黄化合物の重合に供することを包含し、前記反応媒体が0〜50体積%の水を含有するアルコールからなることを特徴とする二次電池用複合可逆電極の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二次電池用の複合材料可逆電極の製造方法に関する。
最近、非水溶媒系リチウム(イオン)二次電池の正極材料として、高い容量を有する五酸化バナジウム(V25)が注目されている。しかしながら、五酸化バナジウムは、本来非導電性であるため、正極材料として使用するためには、導電性の物質を添加する必要がある。非特許文献1は、五酸化バナジウムの層間に導電性のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を挿入することを記載している。非特許文献1によれば、五酸化バナジウムと3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を蒸留水に入れ、還流下に加熱してEDOTを五酸化バナジウムの層間で酸化重合させている。得られた正極材料は、240mAh/gという正極容量を示すが、そのように高い容量を示すのは、初期の充放電サイクル(1〜10サイクル程度)だけであり、しかも得られているリチウム二次電池の放電電圧は低い値を示している。また、非特許文献2は、同様の手法により五酸化バナジウムの層間でアニリンを重合させた後、過酸化水素で酸化処理することを開示している。しかしながら、この正極材料を用いて得られたリチウム二次電池の放電電圧も、同様に低い。
J. Mater. Chem., 2001, 11, 2470-2475 J. Electrochem. Soc., 143, L181 (1996)
従って、本発明は、バナジウム系材料でより高い放電電圧を示す二次電池を提供し得る複合材料可逆電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、五酸化バナジウムの層間で、EDOTのような重合してレドックス活性を有する導電性ポリマーを生成する有機化合物を重合する際に、反応媒体として含水アルコールまたはアルコール自体を用いることにより、上記目的を達成することができることを見いだした。本発明は、この知見に基づく。
すなわち、本発明によれば、反応媒体中に五酸化バナジウムと、重合により導電性ポリマーを生成する有機化合物とを含む反応混合物を前記有機化合物の重合に供することを包含し、前記媒体が0〜50体積%の水を含有するアルコールからなることを特徴とする二次電池用複合材料可逆電極の製造方法が提供される。
本発明によれば、バナジウム材料を基礎としてより高い放電電圧を示す二次電池を提供し得る複合レドックス可逆電極材料が得られる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明の二次電池用の複合材料可逆電極の製造方法は、反応媒体中に五酸化バナジウムと重合により導電性ポリマーを生成する有機化合物(モノマー)とを含む反応混合物を有機化合物の重合に供することを含む。反応媒体は、0〜50体積%の水を含有するアルコールからなる。
本発明において、反応媒体を構成するアルコールは、好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のプロパノールおよびブタノールからなる群の中から選ぶことができる。中でも、メタノールとイソプロピルアルコールが好ましい。本発明により0〜50体積%の水を含有するアルコール系反応媒体を用いることにより、反応媒体として従来使用されている水を用いる場合よりも、得られる複合電極材料は二次電池の放電電圧を有意に向上させる。反応媒体中に占める水の割合が、50体積%を超えると、二次電池の放電電圧が低くなる傾向を示す。
本発明において使用される有機化合物(モノマー)は、重合によりレドックス活性を有する導電性ポリマーを生成する化合物である。そのような化合物として、アニリンもしくはその誘導体のようなアニリン化合物、ピロールもしくはその誘導体のようなピロール化合物、チオフェン化合物のような有機硫黄化合物等を用いることができる。チオフェン化合物は、下記式(I):
Figure 2005285375
(ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基であり、または互いに結合して、置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基または1,2−シクロヘキシン基を形成してもよい)で示すことができる。式(I)で示されるチオフェン化合物としては、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと略称する)が特に好ましい。
有機化合物の重合は、上記反応媒体中に五酸化バナジウムと有機化合物を含む反応混合物を、凍結温度を超え、90℃以下の温度で加熱することにより行うことができる。重合反応温度は低いほうが好ましく、75℃以下の温度で行うことがより好ましい。重合反応時間は、通常1時間以上である。この反応によって、有機化合物は五酸化バナジウムの層間で重合し、得られる導電性ポリマーは、五酸化バナジウムの層間に挿入されるか、もしくは五酸化バナジウムの表面を被覆したものとなる。この重合に際し、反応混合物中に酸素を吹き込むことが好ましい。酸素は、五酸化バナジウムから酸素が抜け出すことを抑制し、五酸化バナジウムを安定化させる。この重合により、例えば有機化合物が式(I)で示されるチオフェン化合物であるとき、下記式(II):
Figure 2005285375
(ここで、R1およびR2は、式(I)におけるR1およびR2と同じ意味を有する)で示される繰り返し単位を有するポリチオフェン化合物が得られる。
本発明により得られる複合材料可逆電極において、有機化合物の重合により得られるポリチオフェン化合物、ポリアニリン化合物、ポリピロール化合物等の導電性ポリマーは、五酸化バナジウム1モル当たり、0.001〜0.4モルの割合で存在することが好ましい。複合可逆電極材料中の導電性ポリマーの量が五酸化バナジウム1モル当たり0.001未満であると、得られる二次電池のサイクル特性が低下し、他方その量が0.4モルを越えると、二次電池の電極容量密度が低下する傾向を示す。また、本発明によりアルコール系反応媒体を用いて得られる複合材料可逆電極の導電性ポリマーが、五酸化バナジウム1モル当たり、0.25モル未満であると、高い放電電圧が得られる。複合材料可逆電極内の導電性ポリマーは、五酸化バナジウム1モル当たり、0.005〜0.2モルの割合で存在することが特に好ましい。このような複合電極材料は、五酸化バナジウム1モル当たり、0.1〜0.6モルの量的範囲内で有機化合物を用いることによって製造することができる。
ところで、上記反応混合物中に導電性カーボン材料の粒子を存在させると、得られる複合可逆電極材料中に有効な電子移動変換パスが構築されて導電性が向上し、五酸化バナジウムの4価の状態が安定化され、得られる二次電池は50回以上繰り返し充放電サイクルを行えることがわかった。導電性カーボンの例を挙げると、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ等である。この導電性カーボン材料は、10nm〜30μmの平均粒径を有する粒子の形状で用いることが好ましい。導電性カーボン材料の粒子は、五酸化バナジウム100体積部当たり、15〜40体積部の割合で用いることが好ましい。この割合は、重量比では、カーボンブラックの場合は、五酸化バナジウム100重量部当たり、5.3〜20重量部の割合に相当する。導電性カーボン粒子が15体積部(カーボンブラックの場合は5.3重量部)未満であると、電子移動変換パスの構築が不十分となり、40体積部(カーボンブラックの場合は20重量部)を超えると、製膜性が悪くなる傾向を示す。なお、導電性カーボンは、上記重合後に添加することもできる。
以上のようにして得られる複合可逆電極材料は、乾燥後、ポリフッ化ビニリデン等のバインダーと混合し、電極基体(集電体)上に塗布することにより、複合可逆電極を作製することができる。電極材料層を支持する基体(集電体)は、少なくとも本発明の複合可逆電極材料の層と接する表面において導電性を示す導電性基体である。この基体は、金属、導電性金属化合物、導電性カーボン等の導電性材料で形成することができるが、銅、金、アルミニウムもしくはそれらの合金または導電性カーボンで形成することが好ましい。あるいは、基体は、非導電性材料で形成された基体本体をこれらの導電性材料で被覆することによっても形成することができる。
本発明において、複合材料可逆電極の活物質層は50〜200μmの厚さを有することが好ましい。
本発明により得られる複合可逆電極は、二次電池の正極として、特にリチウム二次電池の正極として用いることが好ましい。二次電池は、正極と負極を備え、それらの間に電解質層が配置されている。リチウム二次電池においては、負極は、リチウム系材料で形成することが好ましい。そのようなリチウム系材料としては金属リチウムやリチウム合金(例えば、Li−Al合金)のようなリチウム系金属材料、またはリチウムインターカレーション炭素材料を例示することができる。リチウム金属系材料は、箔の形態で使用することが電池の軽量化の上で好ましい。正極と負極との間に挿入される電解質層は、電解質の溶液を含むポリマーゲルで構成すること(ポリマーゲル電解質)が好ましい。ポリマーゲルとしては、アクリロニトリルとアクリル酸メチルもしくはメタアクリル酸との共重合体を用いることが好ましい。なお、ポリマーゲル電解質は、ポリマーを電解質溶液中に浸漬することによって、または電解質溶液の存在下でポリマーの構成成分(モノマー/化合物)を重合させることによって得ることができる。また、特開2002−198095号公報に開示されたポリオレフィン系ゲルも好適に使用することができる。このポリオレフィン系ゲルは、ポリエチレンのモル比で約10%がポリエチレングリコール等のポリエチレンオキシドのオリゴマーを含有する化合物でグラフト化されている非架橋ポリマーである。
リチウム二次電池においては、CF3SO3Li、C49SO8Li、(CF3SO22NLi、LiBF4、LiPF6、LiClO4等のリチウム塩を電解質として使用することができる。これら電解質を溶解する溶媒は非水溶媒であることが好ましい。非水溶媒には、鎖状カーボネート、環状カーボネート、環状エステル、ニトリル化合物、酸無水物、アミド化合物、ホスフェート化合物、アミン化合物等が含まれる。非水溶媒の具体例を挙げると、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメトキシエタン(ジメチルカーボネート:DMC)、γ−ブチルラクトン(GBL)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、エチルメチルカーボネート(EMC)、およびこれらの混合物等である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、それらに限定されるものではない。
比較例1
表1に示すように、五酸化バナジウム100g、および蒸留水1Lを四つ口フラスコに入れ、攪拌羽と還流管と温度計と酸素フロー用ノズルをセットし、酸素を流しながら14時間還流下で加熱した。その後、五酸化バナジウムを濾過し、アルコールで洗浄し、50〜60℃で12時間以上真空乾燥し、五酸化バナジウムの酸素処理試料を調製した。得られた五酸化バナジウム粒子について、熱分析(TG)による組成分析、エックス線回折(XRD)による結晶解析(V25層間距離の算出)、IR測定による定性分析とSEM観察を行った。組成分析結果(ポリマー/V25モル比)およびV25層間距離の算出結果を表2に示す。
比較例2
表1に示すように、五酸化バナジウム100g、カーボンブラック(CB:三菱化学#3350B)11g、および蒸留水とメタノールとの体積比75:25の混合物(反応媒体)1Lを四つ口フラスコに入れ、5時間超音波処理を行い、五酸化バナジウムとカーボンブラックを十分に分散させた。ついで四つ口フラスコに攪拌羽、還流管、温度計および酸素フロー用ノズルをセットし、酸素を流しながら14時間還流下で加熱した。その後、得られた反応混合物を濾過し、アルコールで洗浄し、50〜60℃で12時間以上真空乾燥して五酸化バナジウムとカーボンブラックの複合粒子を得た。得られた複合粒子について、熱分析(TG)による組成分析、エックス線回折(XRD)による結晶解析(V25層間距離の算出)、IR測定による定性分析とSEM観察を行った。組成分析結果(ポリマー/V25モル比)およびV25層間距離の算出結果を表2に示す。
比較例3
表1に示すように、五酸化バナジウム100g、EDOT46.84g、および蒸留水1Lを四つ口フラスコに入れ、攪拌羽と還流管と温度計と酸素フロー用ノズルをセットし、酸素を流しながら14時間還流下で加熱した。ついで、反応混合物を濾過し、アルコールで洗浄し、50〜60℃で12時間以上真空乾燥して五酸化バナジウムとポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)の複合粒子を得た。得られた複合粒子について、熱分析(TG)による組成分析、エックス線回折(XRD)による結晶解析(V25層間距離の算出)、IR測定による定性分析とSEM観察を行った。組成分析結果(ポリマー/V25モル比)およびV25層間距離の算出結果を表2に示す。
実施例1
表1に示すように、五酸化バナジウム100g、EDOT46.84g、および水とメタノールとの体積比25:75の混合物(反応媒体)1Lを四つ口フラスコに入れ、5時間超音波処理を行い、五酸化バナジウムを混合溶媒中に十分に分散させた。ついで、四つ口フラスコに攪拌羽、還流管、温度計および酸素フロー用ノズルをセットし、酸素を流しながら14時間還流下に加熱した。その後、反応混合物を濾過し、アルコールで洗浄し、50〜60℃で12時間以上真空乾燥して、五酸化バナジウムとPEDOTとCBの複合粒子を得た。得られた複合粒子について、熱分析(TG)による組成分析、エックス線回折(XRD)による結晶解析(V25層間距離の算出)、IR測定による定性分析とSEM観察を行った。組成分析結果(ポリマー/V25モル比)およびV25層間距離の算出結果を表2に示す。
比較例4、実施例2〜10
それぞれ表1に示す量で五酸化バナジウム、カーボンブラック(CB:三菱化学#3350B)、および反応媒体を四つ口フラスコに入れ、3時間超音波処理を行い、五酸化バナジウムとカーボンブラックを反応媒体中に十分に分散させた。次に、EDOTまたはアニリンを加え、さらに2時間の超音波処理を行った。ついで、四つ口フラスコに攪拌羽、還流管、温度計および酸素フロー用ノズルをセットし、酸素を流しながら、14時間還流下で加熱した(ただし、実施例9では温度を還流温度未満の60℃に設定した)。その後、反応混合物を濾過し、アルコールで洗浄し、50〜60℃で12時間以上真空乾燥して五酸化バナジウムとカーボンブラックと導電性ポリマー(PEDOTまたはポリアニリン(PANI))の複合粒子をそれぞれ得た。得られた複合粒子について、熱分析(TG)による組成分析、エックス線回折(XRD)による結晶解析(V25層間距離の算出)、IR測定による定性分析とSEM観察を行った。組成分析結果(ポリマー/V25モル比)およびV25層間距離の算出結果を表2に示す。
Figure 2005285375
Figure 2005285375
なお、表1において、MeOHは、メタノールを表し、EtOHは、エタノールを表し、IPAは、イソプロピルアルコールを表す。また、上記比較例および実施例において、重合反応後の五酸化バナジウムおよびカーボンブラックの回収率は、ほぼ100%であった。また、PEDOTの生成は、TGデータからのモノマーEDOTの消失とIRから確認した。PANIの生成も同様にして確認した。
実施例11
比較例1〜3、および実施例1、実施例3〜5、実施例7〜10でそれぞれ得た生成物粒子を遊星式ボールミルにより粉砕した。CBを含んでいない粒子については、表3に示す導電材を表3に示す量(五酸化バナジウムの全体積に対する体積%)添加(後添加)し、導電材を含んでいる粒子はそのまま、それぞれ約100gをポリフッ化ビニリデン系バインダー(呉羽化学社製KFポリマー#9130)の溶液に加え、高分散装置で混練してペースト化し、転写塗工方式により、正極集電体としての厚さ20μmのアルミニウム箔に塗工し、乾燥した。乾燥後の塗工密度および厚さを表3に示す。こうして、2〜4mAh/cm2(200mAh/gとして)の容量を有する正極基材を合計11種(正極A〜K)作製した。各正極材料の塗工量と、この塗工量から、表2の生成物の組成に基づいて算出した各正極材料中の活物質および導電材の塗工量を表3に示す。これら正極材料塗布アルミニウム箔を2×3cm2の大きさの集電体部(正極材料塗布部分)にタブ部が延出した形状に加工し、正極として用いた。
他方、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド(LiN(C25SO22)をECとDECとの体積比1:3の混合溶媒に1モル濃度で溶解して調製した電解液を厚さ20μmで3.5×3.5cm2の大きさのポリオレフィン系多孔質セパレータに含浸させた。
さらに、3×4cm2の大きさのリチウム金属箔を負極集電体としての銅箔(3×4cm2の大きさの集電体部にタブが延出した形状のもの)に張り合わせ、負極を作製した。
また、1×3cm2の大きさのリチウム金属箔を銅箔(1×3cm2の大きさの集電体部にタブが延出した形状のもの)に張り合わせ、参照電極を作製した。
このように作製した正極、セパレータ、負極および参照電極を図1に示すように組み合わせ、評価用電池を組み立てた。図1において、セパレータ11の上表面上に、タブ121aを有する正極集電体(アルミニウム箔)121と正極材料122からなる正極12と、タブ131aを有する銅箔131とリチウム箔132からなる参照電極13が離間して配置されている。セパレータ11の下表面には、タブ141aを有する負極集電体(銅箔)141とリチウム箔142からなる負極14が設けられている。
充放電の測定は、電流値を0.2C相当の0.6mA/cm2とし、充電は4.0もしくは4.2VのCC・CVモード(定電流・定電圧モード)で行い、放電は1.5Vから2.0ボルトまでCCモード(定電流モード)で行った。そして、特性が安定(定常)になってから、サイクリックボルタンメトリー(CV測定)を6mV/分で測定した。その後、同条件で充放電測定を行い、電池試験を計50サイクル行った。電池のCV特性を表4に示す。
Figure 2005285375
Figure 2005285375
なお、表3において、KBは、ケッチェンブラック(ライオン(株)製ECP600JD)を表す。また、表4示す酸化電気量は、Qa=∫Idt(I>0)により算出し、還元電気量は、Qc=∫Idt(I<0)により算出した。また、反応電子数は、酸化還元電気量から算出した。
なお、正極Aを用いて作製した電池のCV特性を図2に、正極Cを用いて作製した電池のCV特性を図3に、正極Eを用いて作製した電池のCV特性を図4に、正極Fを用いて作製した電池のCV特性を図5に、正極Hを用いて作製した電池のCV特性を図6に、正極Jを用いて作製した電池のCV特性を図7に、正極Kを用いて作製した電池のCV特性を図8に示す。
また、正極C、EおよびJを用いて作製した電池の充放電容量と電池電圧との関係を図9に示す。図9において、曲線aは、正極Cを用いて作製した電池の結果を、曲線bは、正極Eを用いて作製した電池の結果を、曲線cは、電極Jを用いて作製した電池の結果を示す。
さらに、電極Eを用いて作製した電池のサイクル数と充放電容量および放電容量密度との関係を図10に示す。図10において、黒丸印は充電容量を示し、白丸印は、放電容量を示す。
また、正極Kを用いて作製した電池の充放電容量と電池電圧との関係を図11に示す。
実施例12
負極としてカーボン負極を用いても本発明の正極材料が有効かどうかを確認するために以下の試験を行った。
正極材料として正極FおよびGの正極材料をそれぞれアルミニウム箔に対し100MPa程度でプレス処理して得た正極LおよびM(正極材料の塗工密度1.6〜1.7g/cc)を用い、実施例11と同様にして評価用電池を組み立てた。充放電の測定は、電流値を0.2相当の0.4mA/cm2とし、充電は4.2VのCC・CVモード(定電流・低電圧モード)で行い、放電は1.5から2.0VまでCCモード(定電流モード)で5から6サイクル行い、特性が安定し、正極にリチウムがドープされた状態(放電状態)で、評価用電池を分解し、用いた負極をカーボン負極(電極面積3.5×3.5cm2、正極:3×3cm2)に取り替えて、評価用電池を再度組み立てた。この評価用電池について、上記と同様の条件で充放電特性評価を行った。この電池の放電容量と電池電圧の関係を図12に示す。図12において、曲線aは、正極Lを用いた場合の結果を、曲線bは、正極Mを用いた場合の結果を示す。図12に示すように、負極材料としてカーボンを用いても、試作電池は十分に満足でくる充放電特性を示すことが確認された。
以上のように、比較例と実施例の比較、図4、図5、図7および図8に示す結果と図3に示す結果との比較から、反応媒体として、アルコール比率が50体積%以上の反応媒体を使用することにより、得られる複合可逆電極材料を用いた二次電池の放電電圧が高電位にシフトすることが明らかとなった。
また、特に、表4における電極Hを用いた電池と電極IおよびJを用いた電池における3V以上の還元応答の有無の比較、および図6に示す結果と図7に示す結果との比較から、得られた複合可逆電極材料中のPEDOT/V25モル比が0.25未満の場合に放電電圧が高電位にシフトすることが明らかとなった。そして、得られた複合可逆電極中のPEDOT/V25モル比が小さいほど放電容量密度(mAh/g)が向上し、最大300mAh/gが期待できることが見いだされた(表4中の還元電気量、および図9参照)。
さらに、表3の電極Dと電極Eにおける正極材料塗工密度の比較から、導電性カーボン材料を複合化することにより、可逆電極材料の塗工密度を向上させることができるも明らかとなった。
評価用電池の構成を示す斜視図。 実施例11において正極Aを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Cを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Eを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Fを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Hを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Jを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極Kを用いて作製した電池のCV特性を示すグラフ。 実施例11において正極C、EおよびJを用いて作製した電池の充放電容量と電池電圧との関係を示すグラフ。 実施例11において電極Eを用いて作製した電池のサイクル数と充放電容量および放電容量密度との関係を示すグラフ。 実施例11において正極Kを用いて作製した電池の充放電容量と電池電圧との関係を示すグラフ。 実施例12において正極LおよびMを用いて作製した電池の放電容量と電池電圧の関係を示すグラフ。

Claims (8)

  1. 反応媒体中に五酸化バナジウムと、重合により導電性ポリマーを生成する有機化合物とを含む反応混合物を前記有機硫黄化合物の重合に供することを包含し、前記反応媒体が0〜50体積%の水を含有するアルコールからなることを特徴とする二次電池用複合可逆電極の製造方法。
  2. 前記反応混合物が、導電性カーボン材料の粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記導電性カーボン材料が、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、黒鉛およびカーボンナノチューブからなる群の中から選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールからなる群の中から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記有機化合物が、アニリン化合物、ピロール化合物および有機硫黄化合物からなる群の中から選ばれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記有機硫黄化合物が、下記式(I):
    Figure 2005285375
    (ここで、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素もしくは炭素数1〜4のアルキル基であり、または互いに結合して、置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基または1,2−シクロヘキシン基を形成してもよい)で示される少なくとも1種のチオフェン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記有機化合物が、3,4−エチレンジオキシチオフェンを含むことを特徴とする請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記重合を90℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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