JP2005283024A - 貯湯式電気温水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 空焚き防止用として追加の装置や温度センサを用いることなく、貯湯タンク内の水温を検知する温度センサを用いることで安価に貯湯式温水器の空焚きを防止する。

【解決手段】 下部ヒータまたは上部ヒータが通電中に、ステップS21にて上部ヒータよりも上方に設置された温度センサT3の検知温度を取得し、所定時間(例えば、20秒)経過後の温度センサT3の検知温度が所定温度(例えば、2℃)以上の上昇を所定回数(例えば、3回)連続で検知した場合(S22,S23,S24)、貯湯タンク内に水が満たされておらず、空焚きと判定し、ステップS25にて下部ヒータまたは上部ヒータへの通電を停止する。

【選択図】 図1


Description

本発明は、貯湯タンク内の水を全量沸き上げするための下部ヒータと、貯湯タンク内の水を少量沸き上げするための上部ヒータとを備えた貯湯式電気温水器の空焚き防止に関する発明である。
従来の貯湯式電気温水器における空焚き防止方法は、貯湯タンク内に水位検出装置を設け、この水位検出装置が貯湯タンク内の水を検知しない場合は、貯湯タンク内の水を加熱するためのヒータへの通電を中止するものや、貯湯タンクに設置され、貯湯タンク内の水温を検知し、ヒータへの通電制御を行うための温度センサとは別に、ヒータ取付フランジにフランジ温度検出センサを設け、ヒータ通電中にフランジ温度検出センサの検出する温度上昇速度が所定値以上の場合は空焚きと判定し、ヒータへの通電を中止するものがある。(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、水位検出装置を設けるものは取付構造が複雑で高価となる。また、フランジ温度検出センサを設けるものは、ヒータを2個搭載した貯湯式電気温水器の場合は、フランジ温度検出センサも2個設ける必要があり高価になる。貯湯式電気温水器は、深夜電力時間帯に貯湯タンク内の水を全量沸き上げるための貯湯タンク下部に設置する下部ヒータと、昼間の時間帯に湯切れした場合に貯湯タンク内の水を少量沸き上げるための貯湯タンク上部に設置する上部ヒータとを設けているものが一般的である。
特開平5−34005号公報(第1−2頁、第1図、第8図)
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、空焚き防止用として追加の装置や温度センサを用いることなく、貯湯タンク内の水温を検知する温度センサを用いることで安価に貯湯式電気温水器の空焚きを防止することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明のよれば、貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を全量沸き上げするための下部ヒータと、前記貯湯タンク内の水を少量沸き上げするための上部ヒータと、前記貯湯タンク内の水温を検知するための複数の温度センサを備えた貯湯式電気温水器において、前記下部ヒータまたは前記上部ヒータが通電中に、前記上部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記上部ヒータまたは前記下部ヒータへの通電を中止することにしたので、空焚き防止用として追加の装置や温度センサを用いることなく、貯湯タンク内の水温を検知する温度センサを用いることで安価に貯湯式電気温水器の空焚きを防止することができる。
請求項2記載の発明のよれば、貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を全量沸き上げするための下部ヒータと、前記貯湯タンク内の水を少量沸き上げするための上部ヒータと、前記貯湯タンク内の水温を検知するための複数の温度センサを備えた貯湯式電気温水器において、前記下部ヒータが通電中の場合に、前記下部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記下部ヒータへの通電を中止し、前記上部ヒータが通電中の場合に、前記上部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記上部ヒータへの通電を中止することにしたので、下部ヒータの空焚きをより早く検出することができる。
請求項3の発明によれば、前記下部ヒータまたは前記上部ヒータへの通電開始前または通電開始時後に、前記複数の温度センサの検知温度の差が所定値以上の場合、前記空焚き判定を行わないことにしたので、空焚きの誤検知を防止することができる。
本発明によれば、空焚き防止用として追加の装置や温度センサを用いることなく、貯湯タンク内の水温を検知する温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上の場合、ヒータへの通電を中止することにしたので、安価に貯湯式電気温水器の空焚きを防止することができる。
(第1実施形態)
本発明の実施形態を図1を用いて説明する。貯湯式電気温水器1は屋外に設置されており、貯湯式電気温水器1を制御するための制御部9と、台所や浴室などの屋内に設置されたリモートコントローラ10が有線または無線で接続されている。貯湯式電気温水器1内は貯湯タンク2内の水を全量沸き上げするための下部ヒータ3、少量沸き上げするための上部ヒータ4(上部ヒータ4付近から上方の貯湯タンク2内の水を沸き上げる)、貯湯タンク2内の温度を検知するために、下部ヒータ3よりも上方に設置された下部温度センサ(T1)5、中下部温度センサ(T2)6、上部ヒータ4よりも上方に設置された中上部温度センサ(T3)7、上部温度センサ(T4)8で構成しており、これらが前記貯湯タンク2の表面温度を図るためにタンク側面に設けている。。貯湯タンク2は底部から給水し、天部から沸き上げた温水を給湯する。
リモートコントローラ10は、貯湯タンク2の沸き上げ温度を設定するための温度下降スイッチ14、温度上昇スイッチ15、設定した沸き上げ温度で、下部ヒータ3に通電することにより、貯湯タンク2を全量沸き上げするための全量わき増しスイッチ13、上部ヒータ4に通電することにより、少量沸き上げするための少量わき増しスイッチ12、貯湯タンクの残湯量や沸き上げ温度の設定値を表示するための表示器11で構成されている。
図2は、貯湯タンク2内の残湯量を表示するためのフローチャートであり、表示器11に表示される残湯量は温度センサ(T1,T2,T3,T4)が検知する温度によって変化する。
ステップS1にて上部温度センサ(T4)8が所定温度(例えば、45℃)未満であれば、貯湯タンク2内に温水がなくなったことを示す残湯量表示eを表示する(S2)。
次にステップS3にて中上部温度センサ(T3)7が所定温度(例えば、45℃)未満であれば、残湯量表示dを表示する(S4)。
同様に、中下部温度センサ(T2)6が所定温度(例えば、45℃)未満であれば(S5)、残湯量表示cを表示し(S6)、下部温度センサ(T1)5が所定温度(例えば、45℃)未満であれば(S7)、残湯量表示bを表示する(S8)。
温度センサ(T1,T2,T3,T4)がすべて所定温度(例えば、45℃)以上であれば、ステップS9にて貯湯タンク2内は温水で満たされていることを示す残湯量表示aを表示する。
また、温度センサ(T1,T3)の検知温度は、ヒータ(3,4)の通電制御にも用いられている。
全量わき増しスイッチ13が操作されたときや深夜電力時間帯における下部ヒータ3の通電制御フローを図3を用いて説明すると、ステップS10にて下部ヒータ3よりも上方に設置された下部温度センサ(T1)5の検知温度が、リモートコントローラ10で設定された沸き上げ設定温度以上であるかを判断し、設定温度以上であれば、下部ヒータ3への通電を停止し(S11)、設定温度未満であれば下部ヒータ3に通電し、貯湯タンク2内の水を沸き上げる(S12)。
少量わき増しスイッチが操作されたときにおける上部ヒータ4の通電制御フローを図4を用いて説明すると、ステップS13にて上部ヒータ4よりも上方に設置された中上部温度センサ(T3)7の検知温度が、リモートコントローラ10で設定された沸き上げ設定温度以上であるかを判断し、設定温度以上であれば、上部ヒータ4への通電を停止し(S14)、設定温度未満であれば上部ヒータ4に通電し、貯湯タンク2内の上部ヒータ4付近から上方の水を沸き上げる(S15)。
以上、説明したように、貯湯タンク2に設置された温度センサ(T1,T2,T3,T4)の検知温度は、リモートコントローラ10の表示器11への残湯量表示や下部ヒータ3、上部ヒータ4の通電制御に従来の貯湯式電気温水器より用いられている。
次に、本実施形態における空焚を検出する方法を図5のフローを用いて詳細に説明する。下部ヒータ3または上部ヒータ4が通電中に、ステップS21にて上部ヒータ4よりも上方に設置された中上部温度センサ(T3)7の検知温度を取得し、所定時間(例えば、20秒)経過後の中上部温度センサ(T3)7の検知温度が所定温度(例えば、2℃)以上の上昇を所定回数(例えば、3回)連続で検知した場合(S22,S23,S24)、貯湯タンク2内に水が満たされておらず、空焚きと判定し、ステップS25にて下部ヒータ3または上部ヒータ4への通電を停止する。リモートコントローラ10の表示部11には、空焚きである旨を報知する。所定時間、所定温度については、貯湯タンク2内に水を満たしたときの温度上昇速度よりも高い値にすればよい。所定回数については、1回でも構わないが、ノイズ等による誤検知を防止するため、ここでは3回とした。また、ここでは空焚き判定のソフトの容量やソフトの作成の負荷を低減するため、下部ヒータ3が通電中のときと上部ヒータ4が通電中のときとで、所定時間、所定温度、所定回数を共通としたが(S22,S23,S24)、個別に設けても構わない。
(第2実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態を図6、図7を用いて説明する。この実施形態では、前記下部ヒータ3への通電時又は前記上部ヒータ4への通電時に、それぞれのヒータより上部に設けた温度センサにより温度検知を行うことにより、第1の実施形態より早く空焚きを検出するものである。これにより、ヒータへのダメージを最小にすることができる。
特に記載していない構成は第1の実施形態と共通である。
下部ヒータ3が通電中の場合は、ステップS31にて下部ヒータ3よりも上方に設置された下部温度センサ(T1)5の検知温度を取得し、所定時間(例えば、20秒)経過後の下部温度センサ(T1)5の検知温度が所定温度(例えば、2℃)以上の上昇を所定回数(例えば、3回)連続で検知した場合(S32,S33,S34)、貯湯タンク2内に水が満たされておらず、空焚きと判定し、ステップS35にて下部ヒータ3への通電を停止する。リモートコントローラ10の表示部11には、空焚きである旨を報知する。
上部ヒータ4が通電中の場合は、ステップS41にて上部ヒータ4よりも上方に設置された上部温度センサ(T3)7の検知温度を取得し、所定時間(例えば、20秒)経過後の上部温度センサ(T3)7の検知温度が所定温度(例えば、2℃)以上の上昇を所定回数(例えば、3回)連続で検知した場合(S42,S43,S44)、貯湯タンク2内に水が満たされておらず、空焚きと判定し、ステップS45にて上部ヒータ4への通電を停止する。リモートコントローラ10の表示部11には、空焚きである旨を報知する。
本発明の第二の実施形態では空焚き判定のソフトの容量やソフトの作成の負荷が増加することになるが、通電するヒータ(3,4)より上方に設置され、通電するヒータ(3,4)に最も近い温度センサ(T1,T3)にて空焚きを判定するため、空焚きをより早く検出でき、無負荷通電によるヒータ(3,4)へのダメージや、貯湯タンク2と通水部パッキンへの熱によるダメージを低減できる。ヒータ(3,4)は通電を停止しても余熱により周囲温度は上昇を継続するため、早期の空焚き判定が望ましい。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態を説明する。
尚、特記しない構成は第1の実施形態と共通である。
本発明者らは、貯湯タンク2内の中上部温度センサ(T3)7と上部温度センサ(T4)8の間に低温水と高温水の境界層がある場合、上部ヒータ4の通電により、低温水が加熱され境界層が破壊されることを見出した。それにより、中上部温度センサ(T3)7の検知温度上昇速度が、一気に上がるため、貯湯タンク2内に水が満たされているにも関わらず、空焚きと誤検知することが判明した。
一方、使用する湯の量によって、低温水と高温水の境界層の位置は変化するため、温度センサを設置する場所を変更しても無意味である。
本発明の実施形態では、ヒータ(3,4)への通電前または通電開始時(例えば、通電開始から10秒以内)に、隣接する温度センサ(例えば、T3とT4)の検知温度の差が、所定値(例えば、6℃)以上であれば、上述した説明の空焚き判定を行わないようにしている。これは、図8に例を示すが、例えば貯湯タンク2内の中上部温度センサ(T3)7と上部温度センサ(T4)8の間に低温水と高温水の境界層がある場合、上部ヒータ4の通電により、低温水が加熱され境界層が破壊される。これにより、中上部温度センサ(T3)7の検知温度上昇速度が、一気に上がるため、貯湯タンク2内に水が満たされているにも関わらず、空焚きと誤検知することがあるためである。
本発明の実施形態を示す構成図。 本発明の実施形態による残湯量表示を示すフローチャート図。 本発明の実施形態による下部ヒータ動作を示すフローチャート図。 本発明の実施形態による上部ヒータ動作を示すフローチャート図。 本発明の第一実施形態によるヒータ動作を示すフローチャート図。 本発明の第二実施形態による上部ヒータ動作を示すフローチャート図。 本発明の第二実施形態による下部ヒータ動作を示すフローチャート図。 本発明の実施形態の空焚き誤検知防止を説明する構成図。
符号の説明
1…貯湯式電気温水器
2…貯湯タンク
3…下部ヒータ
4…上部ヒータ
5…下部温度センサ
6…中下部温度センサ
7…中上部温度センサ
8…上部温度センサ
9…制御部
10…リモートコントローラ
11…表示器


Claims (3)

  1. 貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を全量沸き上げするための下部ヒータと、前記貯湯タンク内の水を少量沸き上げするための上部ヒータと、前記貯湯タンク内の水温を検知するための複数の温度センサを備えた貯湯式電気温水器において、前記下部ヒータまたは前記上部ヒータが通電中に、前記上部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記上部ヒータまたは前記下部ヒータへの通電を中止することを特徴とする貯湯式電気温水器。
  2. 貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の水を全量沸き上げするための下部ヒータと、前記貯湯タンク内の水を少量沸き上げするための上部ヒータと、前記貯湯タンク内の水温を検知するための複数の温度センサを備えた貯湯式電気温水器において、前記下部ヒータが通電中の場合に、前記下部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記下部ヒータへの通電を中止し、前記上部ヒータが通電中の場合に、前記上部ヒータよりも上部に備えた前記温度センサの検知温度の上昇速度が所定値以上のときに空焚きと判定し、前記上部ヒータへの通電を中止することを特徴とする貯湯式電気温水器。
  3. 請求項1または2記載の貯湯式電気温水器において、前記下部ヒータまたは前記上部ヒータへの通電開始前または通電開始時に、前記複数の温度センサの検知温度の差が所定値以上の場合、前記空焚き判定を行わないことを特徴とする貯湯式電気温水器。


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