JP2005282641A - 密封装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Kanzaki
芳行 勘崎
Masaki Sato
正樹 佐藤
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Nok Corp
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Nok Corp
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Abstract

【課題】 強度の強い突起を有する密封装置を提供する。
【解決手段】 摺動接触する外周端のシールリップ5と、内周側のシャフト3に取り付けられたスナップリング6に係止する突起2と、を備えたキャンセラーシール1において、突起2は、キャンセラーシール1を曲げ加工して形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用自動変速機等に用いられる密封装置に関するものである。
自動車に使用される自動変速機としては、油圧を受けて移動するピストン部材(ピストンシール)の押圧力によって多板クラッチを連結し、変速制御を行うCVT(Continuously Variable Transmission)が広く知られている。
CVTの変速切換部には、図4に示すようにキャンセラーシール101が配置されている。キャンセラーシール101には、図4のB矢視図である図5に示すようにスナップリング103に係止する突起102を等配して設けている。
キャンセラーシール101の突起102は、従来、特許文献1,2等に開示されているように、プレスポンチで半抜き加工して形成されていた。
このようなプレスポンチで半抜き加工した突起102は、図4のC矢印で示すように応力集中し易いコーナー部位(突起102の立ち上がり位置)が薄肉となり、強度的に弱い。このため、スナップリング103と突起102との係止力を高めようとして突起高さ寸法を高く設定することは、さらに強度を弱めることになるのでできなかった。
特開2000−27825号公報 特開2003−254438号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、強度の強い突起を有する密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の密封装置は、以下の構成を有する。
摺動接触する外周端のシール部と、内周側の軸に取り付けられたスナップリングに係止する突起と、を備えた密封装置において、
前記突起は、装置本体を曲げ加工して形成されることを特徴とする。
前記突起は、装置本体の内周端から外径方向に切り込みを2箇所形成し、当該切り込みに挟まれた部分を折り曲げて形成されることを特徴とする。
内周端部に流体を疎通させるための切り欠き部を有し、
前記突起は、前記切り欠き部の近傍に装置本体の内周端から外径方向に切り込みを1箇所形成し、前記切り欠き部と前記切り込みとに挟まれた部分を折り曲げて、前記切り欠き部の隣接箇所に形成されることを特徴とする。
前記突起は、1つの前記切り欠き部について前記切り欠き部の周方向両側2箇所に形成されることを特徴とする。
本発明によると、曲げ加工によって突起が形成されるので、突起のコーナー部位でも装
置本体自体が有する一定の肉厚を保つことができ、薄肉とはならず強度が強い。
(第1の実施の形態)
図1、図2を参照して、第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態に係るキャンセラーシール1の半断面図である。図2は第1の実施の形態に係るキャンセラーシール1の突起2を拡大して示す図であり、図2(a)は図1のA矢視平面図であり、図2(b)はA矢視斜視図である。
図1において、回転軸であるシャフト3の外周面と不図示の内側に多板クラッチが備えられたハウジングとで環状のピストン室を形成している。このピストン室のキャンセラーシール1の図示上方に不図示の有底円筒形状のピストン部材が軸方向にストローク可能に配置されている。
そして、シャフト3の外周に、軸方向の移動が規制された密封装置としてのキャンセラーシール1が取り付けられている。キャンセラーシール1は、遠心油圧を保持する機能を有し、油圧制御されるピストン部材に作用する遠心油圧を相殺し、キャンセルするための部品要素であり、油圧制御の精度を確実にしている。
キャンセラーシール1は、金属材料からなる板材をプレス加工などにより成形した円盤状の部材であり、軸方向に延びる筒状部11と、この筒状部11のピストン部材側(図示上方端側)の端部から外向きに広がる外向きフランジ部12と、筒状部11の他端部側(図示下方端側)から内向きに設けられる内向きフランジ部13と、が一体的に成形されている。
内向きフランジ部13の図示上面(ピストン室側の面)は、シャフト3に略垂直な面となっており、ピストン部材をキャンセラーシール1から離れる方向に付勢するスプリング4が内向きフランジ部13のこの平面の外周側よりに一端を当接させている。スプリング4は、周方向に複数配置されている。
このキャンセラーシール1は、摺動接触する外周端のシール部としてのシールリップ5と、内周側のシャフト3に取り付けられたスナップリング6に係止する突起2と、を備える。
シールリップ5は、ピストン室側に配置されたピストン部材の外周側円筒部の内周面に密封接触している。
突起2は、内向きフランジ部13のピストン室とは反対側の面(図1では下面)の内周側寄りに設けられている。
この突起2は、図1のA矢視図となる図2に示すように、キャンセラーシール1の内向きフランジ部13の内周端から外径方向に切り込みを2箇所形成し、当該切り込みに挟まれた部分を軸方向(図1では下方向)に向かうように略垂直に折り曲げて形成されている。即ち、突起2は、キャンセラーシール1自体の板材を曲げ加工して形成されている。
突起2の内周側には、スナップリング6がシャフト3に取り付けられて配置されており、スナップリング6がキャンセラーシール1の突起2を係止して、キャンセラーシール1の軸方向の移動を規制すると共に偏心を防止している。また、回転遠心力によってスナップリング6が広がって外れることも防止している。
加えて、内向きフランジ部13の突起2と異なる周方向の内周位置には、切り欠き部7がスナップリング装着外径よりも大きく設けられている。切り欠き部7は、ピストン部材とキャンセラーシール1間に油を導入するためのもので、装着されたスナップリング6よりも外径側に油流路が確保されている。
以上の本実施の形態では、曲げ加工によって突起2が形成されるので、キャンセラーシール1自体の板材としての一定の肉厚をどこでも保つことができ、突起2のコーナー部位(突起の立ち上がり位置)が薄肉とはならず強度が強い。
また、曲げ加工によって形成される突起2は、肉痩せしないため、スナップリング6と突起2との係止力を高めるために突起高さ寸法を高く設定できる。
さらに、突起2の曲げ加工時には、プレスポンチによる半抜き加工よりもプレス荷重が少なくて済み、突起2の作製が容易となる。
(第2の実施の形態)
図3を参照して、第2の実施の形態について説明する。図3は第2の実施の形態に係るキャンセラーシール1の突起を拡大して示す図であり、図3(a)は図1のA矢視平面図であり、図3(b)はA矢視斜視図である。
本実施の形態のキャンセラーシール1は、突起2を切り欠き部7に隣接して設けている。突起2は、1つの切り欠き部7について切り欠き部7の周方向両側2箇所に形成されている。
本実施の形態の突起2は、切り欠き部7の近傍にキャンセラーシール1の内周端から外径方向に切り込みを1箇所形成し、切り欠き部7と切り込みとに挟まれた部分を軸方向に向かうように略垂直に折り曲げて、切り欠き部7の隣接箇所に形成される。
このような切り欠き部7と隣接する突起2であると、突起2及び切り欠き部7の等配数を増やすことができ、設計自由度が増す。
第1の実施の形態に係るキャンセラーシールの半断面図である。 第1の実施の形態に係るキャンセラーシールの突起を拡大して示す図である。 第2の実施の形態に係るキャンセラーシールの突起を拡大して示す図である。 従来のキャンセラーシールの半断面図である。 従来のキャンセラーシールの突起を拡大して示す図である。
符号の説明
1 キャンセラーシール
2 突起
3 シャフト
4 スプリング
5 シールリップ
6 スナップリング
7 切り欠き部
11 筒状部
12 外向きフランジ部
13 内向きフランジ部

Claims (4)

  1. 摺動接触する外周端のシール部と、内周側の軸に取り付けられたスナップリングに係止する突起と、を備えた密封装置において、
    前記突起は、装置本体を曲げ加工して形成されることを特徴とする密封装置。
  2. 前記突起は、装置本体の内周端から外径方向に切り込みを2箇所形成し、当該切り込みに挟まれた部分を折り曲げて形成されることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 内周端部に流体を疎通させるための切り欠き部を有し、
    前記突起は、前記切り欠き部の近傍に装置本体の内周端から外径方向に切り込みを1箇所形成し、前記切り欠き部と前記切り込みとに挟まれた部分を折り曲げて、前記切り欠き部の隣接箇所に形成されることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  4. 前記突起は、1つの前記切り欠き部について前記切り欠き部の周方向両側2箇所に形成されることを特徴とする請求項3記載の密封装置。
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