JP2008128392A - キャンセルプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】キャンセルプレート3の形状の簡素化を図る。また、クラッチピストン2の動作の応答性を向上させる。
【解決手段】キャンセルプレート3の内周部に、止め環4の拡径を規制する複数のストッパ32が形成され、このストッパ32は、キャンセル油圧室S2と反対側へ舌片状に打ち抜き突出された形状をなす。したがってストッパ32は、止め環4の拡径を規制する機能と、舌片状の打ち抜きによる打ち抜き痕32bが、キャンセル油圧室S2への作動油の出入口として機能する。また、クラッチピストン2がキャンセル油圧室S2側へ移動する際の作動油の排出性が良く、しかも、ストッパ32の先端が回転方向を向いたものとすれば、クラッチピストン2が加圧室S1側へ復帰動作する際に、ストッパ32のポンプ作用によって、作動油がキャンセル油圧室S2内へ速やかに導入される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の自動変速機の油圧クラッチ装置に用いられるキャンセルプレートに関する。
図6は、従来の技術によるキャンセルプレートを、自動車の油圧クラッチの一部と共に軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図7は、従来の技術によるキャンセルプレートを図6における外側空間S3側から見た、軸心と平行な方向の投影図、図8は、従来の技術によるキャンセルプレートをキャンセル油圧室と反対側から見た部分的な斜視図である。
まず図6に示される油圧クラッチにおいて、参照符号101は、断面略コ字形の環状の作動空間Sを有し不図示の駆動軸に取り付けられたクラッチシリンダ、参照符号102は、作動空間S内に軸方向移動可能に配置されてクラッチシリンダ101との間に加圧室S1を画成する環状のクラッチピストン、参照符号103は、このクラッチピストン102に対する加圧室S1と反対側にキャンセル油圧室S2を画成するキャンセルプレート、参照符号104は、クラッチシリンダ101の内周部101aに形成された係止溝101bに嵌着されて、キャンセルプレート103の内周部を支持する止め環、参照符号105は、クラッチピストン102とキャンセルプレート103の間に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号106は多板クラッチである。
クラッチピストン102は、その内外周に、クラッチシリンダ101の内周部101a及び外周部101cと摺動可能に密接されたゴム状弾性材料からなるシールリップ102a,102bが一体に接着されている。キャンセルプレート103は、その外周縁に、クラッチピストン102の外周筒部の内周面と摺動可能に密接されたゴム状弾性材料からなるシールリップ103aが一体に接着されている。また、クラッチシリンダ101の内周部101aには、加圧室S1に油圧を導入するための加圧ポート100aと、キャンセル油圧室S2に作動油を供給するキャンセルポート100bが開設されている。
多板クラッチ106は、クラッチシリンダ101に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート106aと、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ107に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート106bが軸方向交互に配置された構造を有する。また、クラッチピストン102の外周筒部の端部に形成された押圧鍔部が、多板クラッチ106と軸方向に対向されている。
すなわち、この油圧クラッチは、加圧ポート100aを介して加圧室S1に作動油(ATF)の油圧を印加することによって、クラッチピストン102がリターンスプリング105を圧縮しながら、クラッチシリンダ101の作動空間S内をキャンセル油圧室S2側へ軸方向変位し、多板クラッチ106におけるドライブプレート106aとドリブンプレート106bを押し付けて摩擦係合させる。このため、多板クラッチ106が接続状態となり、不図示の駆動軸の駆動トルクが、クラッチシリンダ101から多板クラッチ106及びクラッチハブ107を介して不図示の従動軸へ伝達される。
また、この接続状態から、加圧室S1の油圧を開放すると、クラッチピストン102は、圧縮されたリターンスプリング105の付勢力によって、加圧室S1側へ復帰移動して、多板クラッチ106におけるドライブプレート106aとドリブンプレート106bの摩擦係合状態を解除し、これによって、駆動軸から従動軸への駆動力伝達を遮断する。
ここで、クラッチシリンダ101及びクラッチピストン102は、駆動軸と共に軸心Oの周りに回転しているので、加圧室S1内に導入された作動油は遠心力によって外周側へ押し付けられる。したがって加圧室S1内には、このような遠心力による油圧(以下、遠心油圧という)が発生し、この遠心油圧は、リターンスプリング105によるクラッチピストン102の復帰動作を妨げるように作用する。しかし、クラッチピストン102とキャンセルプレート103の間に画成されたキャンセル油圧室S2に貯留された作動油には、加圧室S1の遠心油圧とほぼ均衡する遠心油圧(キャンセル油圧)が発生するので、クラッチピストン102の復帰動作によるクラッチの切断を円滑に行うことができる。
一方、加圧室S1への油圧の印加によって、クラッチピストン102がキャンセル油圧室S2側へ円滑に移動するためには、キャンセル油圧室S2内の作動油が、クラッチピストン102の移動に伴って、外側空間S3へ速やかに排出されなければならない。このため、従来は、キャンセルプレート103の内周部における複数箇所に、図7に示されるように止め環104の外径より外周側へ延びる切欠103bが形成され、この切欠103bと止め環104の間の隙間δを通じて、キャンセル油圧室S2と外側空間S3の間で作動油が出入りできるようになっている。
また、円周方向1箇所が切断された略C字形をなす止め環(スナップリング)104が、高速回転時に遠心力によって拡径変形するのを規制するため、キャンセルプレート103の内周部には、図7及び図8に示されるように、複数のストッパ103cが、止め環104の外周を包囲するように、キャンセル油圧室S2と反対側(外側空間S3側)へ打ち出し形成されている(例えば特許文献1参照)。
特許第3308204号
しかしながら、キャンセルプレート103の内周部に、ストッパ103cのほかに、切欠103bを形成しているため、キャンセルプレート103の形状が複雑になり、製造コストが高くなる。
また、加圧室S1への油圧の印加によって、クラッチピストン102がキャンセル油圧室S2側へ移動する際には、これに伴ってキャンセル油圧室S2内の作動油が外側空間S3へ速やかに排出されないと、クラッチピストン102の前進によるクラッチ接続の応答性が悪化し、逆に、リターンスプリング105によってクラッチピストン102が加圧室S1側へ復帰動作する際には、これに伴って作動油がキャンセル油圧室S2内へ速やかに導入されないと、クラッチピストン102の復帰によるクラッチ切断の応答性が悪化することになる。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、キャンセルプレートの形状の簡素化を図ることにあり、他の課題は、クラッチピストンの動作の応答性を向上させることにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るキャンセルプレートは、クラッチピストンを加圧室側へ付勢するリターンスプリングを支持すると共に、前記クラッチピストンとの間に前記加圧室の遠心油圧と対抗する遠心油圧を発生させるキャンセル油圧室を画成し、内周縁が、駆動側の内周部に係止された止め環によって支持されたキャンセルプレートであって、内周部に、前記止め環の拡径を規制する複数のストッパが形成され、このストッパは、前記キャンセル油圧室と反対側へ舌片状に打ち抜き突出された形状をなすことを特徴とするものである。
この構成によれば、キャンセルプレートの内周部に形成された複数のストッパが、止め環の拡径を規制するものであると共に、このストッパを舌片状に打ち抜いた部分が、キャンセル油圧室への作動油の出入口として機能するため、キャンセルプレートに、油排出路を別途に形成する必要がなく、その結果、キャンセルプレートの形状を簡素化することができる。また、ストッパがキャンセル油圧室と反対側へ舌片状に打ち抜き突出された形状であるため、クラッチピストンがキャンセル油圧室側へ移動する際にキャンセル油圧室内の作動油がストッパの打ち抜き部を通じてキャンセルプレートの外側空間へ容易に排出される。
また、請求項2の発明に係るキャンセルプレートは、請求項1に記載の構成において、ストッパの先端が回転方向を向いていることを特徴とするものである。
この構成によれば、ストッパの先端が回転方向を向いているので、このストッパは、キャンセルプレートの回転に伴い、作動油をキャンセルプレートの外側空間から、ストッパの打ち抜き部を通じてキャンセル油圧室へ導入するポンプ作用を発生する。このため、クラッチピストンが加圧室側へ復帰動作する際に、作動油がキャンセル油圧室内へ速やかに導入される。
請求項1の発明に係るキャンセルプレートによれば、その内周部に形成された複数のストッパが、止め環の拡径を規制する機能と、その打ち抜き部による作動油の出入口としての機能を有するため、キャンセルプレートの形状を簡素化してその製造コストを低減することができる。クラッチピストンがキャンセル油圧室側へ動作する際の、前記キャンセル油圧室からの作動油の十分な排出流量を確保して、動作の応答性の向上を図ることができる。
請求項2の発明に係るキャンセルプレートによれば、請求項1による効果に加え、ストッパが、回転によって、作動油をキャンセル油圧室へ導入するポンプ作用を発生するため、クラッチピストンが加圧室側へ復帰動作する際の動作の応答性を向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るキャンセルプレートの好ましい実施の形態を、油圧クラッチの一部と共に、軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図、図2は、図1のキャンセルプレートを図1の外側空間S3側から見た、軸心と平行な方向の投影図、図3は、図1のキャンセルプレートの内周部を図1の外側空間S3側から見た要部斜視図である。
図1に示される油圧クラッチは、基本的には先に説明した図6と同様の構造を有するものである。すなわち図1において、参照符号1は、不図示の駆動軸に取り付けられて内面の断面形状が略コ字形を呈し、軸心Oを中心とする環状の作動空間Sを有するクラッチシリンダ、参照符号2は、前記作動空間S内に軸方向移動可能に配置されてクラッチシリンダ1との間に加圧室S1を画成する環状のクラッチピストン、参照符号3は、このクラッチピストン2に加圧室S1と反対側から軸方向に対向されると共に止め環(スナップリング)4を介してクラッチシリンダ1の内周部1aに支持された環状のキャンセルプレート、参照符号5は、クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間のキャンセル油圧室S2に適宜圧縮状態に介装されたリターンスプリング、参照符号6は多板クラッチである。
請求項1に記載された「駆動軸側」に相当するクラッチシリンダ1の内周部1aには、円周方向に連続した係止溝11が形成されており、キャンセルプレート3は、その内周縁が、前記係止溝11に嵌着された止め環4に、キャンセル油圧室S2と反対側(外側空間S3側)から支持されている。更に、前記クラッチシリンダ1の内周部1aには、加圧室S1に作動油(ATF)の油圧を導入するための加圧ポート12と、キャンセル油圧室S2に作動油を供給するキャンセルポート13が開設されている。
クラッチピストン2は、金属板の打ち抜きプレス成形等によって製作されたものであって、内周筒部2aと、その加圧室S1側の端部から径方向に延びる端盤部2bと、その外周端から内周筒部2aと同心的に延びる外周筒部2cと、更にこの外周筒部2cの多板クラッチ6側の端部に形成された押圧鍔部2dを有し、軸心Oを通る平面で切断した断面形状が略コ字形をなす。そしてこのクラッチピストン2は、その内外周に、ゴム状弾性材料からなるシールリップ21,22が一体に接着されており、シールボンデッドピストンあるいはボンデッドピストンシールとも呼ばれる。
詳しくは、クラッチピストン2における内周筒部2aのキャンセルプレート3側の端部には、加圧室S1側へ向けて突出し、内周部がクラッチシリンダ1の内周部1aと摺動可能に密接されるシールリップ21を一体に有し、外周筒部2cにおける押圧鍔部2dと反対側の端部に、加圧室S1側へ向けて突出し、外周縁がクラッチシリンダ1の外周部1bと摺動可能に密接されるゴム状弾性材料からなるシールリップ22を一体に有し、端盤部2bにおける加圧室S1側の面には、シールリップ21,22と連続したゴム状弾性材料からなる膜部24に形成された緩衝体23が、円周方向所定間隔で突設されている。
シールリップ21,22、緩衝体23及び膜部24は、所定のゴム加硫成形用金型内に、予め加硫接着剤を塗布したクラッチピストン2をセットし、型閉じによってクラッチピストン2と前記金型の内面との間に画成される環状のキャビティ内に未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時にクラッチピストン2に加硫接着したものである。
キャンセルプレート3は、金属板の打ち抜きプレス成形等によって製作されたものであって、外周部には、キャンセル油圧室S2側へ向けて突出してクラッチピストン2の外周筒部2cの内周面と摺動可能に密接されるゴム状弾性材料からなるシールリップ31が一体に接着されており、遠心油圧キャンセラあるいはキャンセラシールとも呼ばれる。前記シールリップ31は、所定のゴム加硫成形用金型内に、予め加硫接着剤を塗布したキャンセルプレート3をセットし、型閉じによってキャンセルプレート3と前記金型の内面との間に画成される環状のキャビティ内に未加硫ゴム材料を充填し、加熱・加圧することによって、加硫成形と同時にキャンセルプレート3に加硫接着したものである。
キャンセルプレート3の内周部には、このキャンセルプレート3を支持する止め環4が遠心力によって拡径変形するのを規制するためのストッパ32が、図2に示されるように、例えば円周方向3等配で設けられている。このストッパ32は、それぞれ図1に示されるキャンセル油圧室S1と反対側、すなわち外側空間S3へ、図3に示されるように舌片状に打ち抜き突出された形状をなし、その先端32aが、キャンセルプレート3の回転方向(R方向)を向いている。
また、ストッパ32は、少なくともその先端32aがキャンセルプレート3から完全に浮き出しており、したがって、ストッパ32の打ち抜き痕32bが外側空間S3へ開放されており、すなわちキャンセル油圧室S2と外側空間S3との間で作動油の出入口として機能するようになっている。
止め環4は、図2に一点鎖線で示されるように、円周方向一箇所で分割された形状(略C字形)をなすものであり、その分割部で互いに対向する分割端部4a,4bを不図示の治具で強制的に開きながら、クラッチシリンダ1の内周部1aに形成された係止溝11に嵌着したものである。
多板クラッチ6は、図1に示されるように、クラッチシリンダ1の外周部1bに軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドライブプレート61と、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ7に軸方向移動可能な状態で円周方向に係止された複数のドリブンプレート62が軸方向交互に配置された構造を有する。また、クラッチピストン2の押圧鍔部2dが、多板クラッチ6と軸方向に対向されている。
以上の構成において、図1に示される油圧クラッチは、加圧室S1への作動油の加圧供給による油圧の印加あるいはこの油圧の開放によって、クラッチピストン2がクラッチシリンダ1内を軸方向変位して、多板クラッチ6を接続動作あるいは遮断動作させるものである。
詳しくは、加圧室S1が加圧されると、クラッチピストン2がリターンスプリング5を圧縮しながら図1における下方へ変位し、多板クラッチ6のドライブプレート61とドリブンプレート62とを摩擦係合させる。このため、不図示の駆動軸からの駆動力が、クラッチシリンダ1、このクラッチシリンダ1に係合されたドライブプレート61、ドリブンプレート62、及びこのドリブンプレート62と係合されたクラッチハブ7を介して、不図示の従動軸へ伝達される。
加圧室S1の加圧によって、クラッチピストン2がクラッチ接続方向へ移動する過程では、キャンセル油圧室S2の容積が縮小されるので、これに伴って、キャンセル油圧室S2内の作動油は、キャンセルプレート3の内周部に舌片状のストッパ32の打ち抜きにより形成された複数の打ち抜き痕32bを通じて、外側空間S3へ排出される。このとき、外側空間S3へ向けて流れようとする作動油の圧力によって、ストッパ32が打ち抜き痕32bによる流路を開くように外側空間S3側へ押し出されるので、作動油の十分な排出流量が確保される。このため、クラッチピストン2はクラッチシリンダ1内を円滑に移動して、多板クラッチ6を接続動作することができる。
また、このクラッチ接続状態から、加圧室S1の油圧を開放すると、圧縮されたリターンスプリング5の反発力によって、クラッチピストン2が加圧室S1の容積を縮小させるように図1における上方へ変位するので、多板クラッチ6のドライブプレート61とドリブンプレート62の摩擦係合が解除され、駆動軸から従動軸への駆動力の伝達が遮断される。
ここで、キャンセルプレート3の内周部を支持する止め環4は、高速回転時には遠心力によって拡径変形しようとするが、キャンセルプレート3の内周部に外側空間S3へ舌片状に打ち出された複数のストッパ32が、この止め環4の拡径変形を、係止溝11に対する止め環4の掛合代(係止溝11の溝深さ)よりも小さく規制する。このため、止め環4が大きく拡径して係止溝11から脱落することはない。
ここで、クラッチシリンダ1、クラッチピストン2、キャンセルプレート3、リターンスプリング5などは、不図示の駆動軸と共にその軸心Oの周りに回転しているので、加圧室S1内の作動油には遠心油圧が発生しており、この遠心油圧は、リターンスプリング5による加圧室S1の容積を縮小させる方向へのクラッチピストン2の復帰移動を妨げるように作用する。クラッチピストン2とキャンセルプレート3の間に画成されたキャンセル油圧室S2は、このような加圧室S1内の遠心油圧によるクラッチピストン2のキャンセル油圧室S2側への移動力を相殺する遠心油圧(キャンセル油圧)を発生させることによって、加圧室S1側へのクラッチピストン2の復帰移動を円滑にするためのものである。
そして、この形態によれば、クラッチピストン2の復帰移動に際して、容積が拡大されるキャンセル油圧室S2内へは、キャンセルポート13を通じて作動油が供給されるほか、外側空間S3に貯留されている作動油の一部が、キャンセルプレート3の内周部にストッパ32の打ち抜きにより形成された複数の打ち抜き痕32bを通じて導入される。しかも、外側空間S3へ舌片状に打ち出されたストッパ32は、図2及び図3のように、先端32aが回転方向(R方向)を向いているので、回転によって、外側空間S3の作動油をキャンセル油圧室S2側へ送り出すスクリュのように機能する。
このため、キャンセル油圧室S2に貯留された作動油の内周側の油面レベルが、このキャンセル油圧室S2の容積拡大に伴って低下(外周側へ移動)するのを防止し、すなわちキャンセル油圧室S2内の遠心油圧の低下を有効に防止して、リターンスプリング5によるクラッチピストン2の復帰移動(クラッチの切断動作)を円滑に行うことができる。
この形態によれば、キャンセルプレート3の内周部に形成された複数のストッパ32が、止め環4の拡径を規制する本来の機能と、その打ち抜き痕32bによる作動油の出入口としての機能を有するため、キャンセルプレート3の形状を簡素化してその製造コストを低減することができるが、キャンセルプレート3の内周には、ストッパ32のほかに、先に説明した図7及び図8のような切欠を併有する構成としても良い。
図4は、このような例として、本発明に係るキャンセルプレートの好ましい他の実施の形態を、キャンセル油圧室と反対側から見た、軸心と平行な方向の投影図、図5は、図4のキャンセルプレートの内周部を図1の外側空間S1側から見た要部斜視図である。
すなわち、この形態によれば、キャンセルプレート3の内周部に、図2及び図3と同様の、外側空間S3側へ舌片状に打ち抜き突出され先端32aがキャンセルプレート3の回転方向(R方向)を向いたストッパ32と、キャンセルプレート3の内周縁3aから止め環4の外径より外周側へ延びる切欠33が、それぞれ例えば円周方向3等配で、円周方向交互に形成されている。
したがってこの形態によれば、先に説明したような、ストッパ32の打ち抜きにより形成された打ち抜き痕32bからなる作動油の出入り口のほか、切欠33と止め環4の間の隙間δによる作動油の出入り口を有するため、クラッチピストンの移動に伴うキャンセル油圧室S2への作動油の出入りを一層良好にし、クラッチピストンの動作の応答性を向上させることができる。
本発明に係るキャンセルプレートの好ましい実施の形態を、油圧クラッチの一部と共に軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 図1のキャンセルプレートを図1の外側空間側から見た、軸心と平行な方向の投影図である。 図1のキャンセルプレートの内周部を図1の外側空間側から見た要部斜視図である。 本発明に係るキャンセルプレートの好ましい他の実施の形態を図1の外側空間側から見た、軸心と平行な方向の投影図である。 図4のキャンセルプレートの内周部を図1の外側空間側から見た要部斜視図である。 従来の技術によるキャンセルプレートを、自動車の油圧クラッチの一部と共に軸心Oを通る平面で切断して示す半断面図である。 従来の技術によるキャンセルプレートを図6の外側空間側から見た、軸心と平行な方向の投影図である。 従来の技術によるキャンセルプレートをキャンセル油圧室と反対側から見た部分的な斜視図である。
符号の説明
1 クラッチシリンダ(駆動軸側)
1a 内周部
11 係止溝
12 加圧ポート
13 キャンセルポート
2 クラッチピストン
21,22,31 シールリップ
3 キャンセルプレート
3a 内周縁
32 ストッパ
32a 先端
32b 打ち抜き痕
33 切欠
4 止め環
5 リターンスプリング
6 多板クラッチ
7 クラッチハブ
S 作動空間
S1 加圧室
S2 キャンセル油圧室
S3 外側空間
δ 隙間

Claims (2)

  1. クラッチピストン(2)を加圧室(S1)側へ付勢するリターンスプリング(5)を支持すると共に、前記クラッチピストン(2)との間に前記加圧室(S1)の遠心油圧と対抗する遠心油圧を発生させるキャンセル油圧室(S2)を画成し、内周縁が、駆動側の内周部(1a)に係止された止め環(4)によって支持されたキャンセルプレート(3)であって、内周部に、前記止め環(4)の拡径を規制する複数のストッパ(32)が形成され、このストッパ(32)は、前記キャンセル油圧室(S2)と反対側へ舌片状に打ち抜き突出された形状をなすことを特徴とするキャンセルプレート。
  2. ストッパ(32)の先端(32a)が回転方向を向いていることを特徴とする請求項1に記載のキャンセルプレート。
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