JP7317512B2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7317512B2
JP7317512B2 JP2019007886A JP2019007886A JP7317512B2 JP 7317512 B2 JP7317512 B2 JP 7317512B2 JP 2019007886 A JP2019007886 A JP 2019007886A JP 2019007886 A JP2019007886 A JP 2019007886A JP 7317512 B2 JP7317512 B2 JP 7317512B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seal lip
reinforcing ring
lip body
annular piston
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019007886A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020118184A (ja
Inventor
拓 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2019007886A priority Critical patent/JP7317512B2/ja
Publication of JP2020118184A publication Critical patent/JP2020118184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7317512B2 publication Critical patent/JP7317512B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

本発明は、自動変速機に用いられる密封装置に関する。
自動変速機においては、動力の伝達と伝達解除を行うためのクラッチを駆動する油圧アクチュエータに、密封装置が備えられている。図12を参照して、従来例に係る密封装置について説明する。図12は従来例に係る密封装置を備える油圧アクチュエータの模式的断面図である。
油圧アクチュエータは、環状シリンダ710と、環状シリンダ710に備えられる環状空間R0内において往復移動自在に備えられる環状ピストン720とを備えている。環状ピストン720は、環状空間R0の一端側に形成される油圧室R1内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板740を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う役割を担っている。また、環状ピストン720を挟んで、油圧室R1とは反対側には、キャンセルプレート730が配置されている。このキャンセルプレート730によって、環状ピストン720との間に、油圧室R1内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室R2が形成される。
以上のように構成される油圧アクチュエータにおいては、油圧室R1及びキャンセル室R2の密閉性を確保するために、各部にシール部が設けられる。すなわち、環状ピストン720においては、金属製のピストン本体721の内周面側と外周面側に、それぞれ弾性体製のシールリップ722,723が設けられている。また、キャンセルプレート730においては、金属製のプレート本体731の外周面側に、弾性体製のシールリップ732が設けられている。
ここで、油圧が高くなる条件下においては、シールリップ722,723,732の剛性を高くする必要がある。しかしながら、これらのシールリップ722,723,732の剛性を高くしようとすると、弾性体からなるシールリップ自体の体積を大きくしなければならず、摺動抵抗が高くなり、かつ、省スペース化の支障となってしまう。
特開2006-242311号公報
本発明の目的は、省スペース化を図りつつ、摺動抵抗の抑制を図ることのできる密封装置を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明の密封装置は、
環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンと
の間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
を備え、
前記環状ピストンの内周面側には、前記環状空間における径方向内側の壁面に対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
前記シールリップは、
前記壁面に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
を備えることを特徴とする。
また、他の発明の密封装置は、
環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンとの間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
を備え、
前記環状ピストンの外周面側には、前記環状空間における径方向外側の壁面に対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
前記シールリップは、
前記壁面に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
を備えることを特徴とする。
更に、他の発明の密封装置は、
環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンとの間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
を備え、
前記キャンセルプレートの外周面側には、前記環状ピストンに対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
前記シールリップは、
前記環状ピストンに対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
を備えることを特徴とする。
上記の各発明によれば、ゴム状弾性体製のシールリップ本体の内部に、補強リングが設けられているので、シールリップの体積を増やすことなく、シールリップの剛性を高めることができる。また、締め代を大きくする必要もないため、摺動抵抗の上昇も抑制することができる。
また、上記の各補強リングは、それぞれのシールリップ本体のリップ先端に向かって伸び、該シールリップ本体の動作に追随する可撓部を有し、かつ、前記可撓部の全体が前記シールリップ本体の内部に設けられている
これにより、各補強リングによって、それぞれのシールリップ本体の動作が妨げられることもない。
以上説明したように、本発明によれば、省スペース化を図りつつ、摺動抵抗の抑制を図ることができる。
図1は本発明の実施例に係る密封装置を備える油圧アクチュエータの模式的断面図である。 図2は本発明の実施例に係る密封装置に備えられる補強リングを簡略的に示す図である。 図3は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図4は本発明の実施例に係る密封装置に備えられる補強リングを簡略的に示す図である。 図5は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図6は本発明の実施例に係る密封装置に備えられる補強リングを簡略的に示す図である。 図7は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図8は本発明の実施例に係る密封装置に備えられる補強リングを簡略的に示す図である。 図9は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図10は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図11は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの模式的断面図である。 図12は従来例に係る密封装置を備える油圧アクチュエータの模式的断面図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(実施例)
図1~図11を参照して、本発明の実施例に係る密封装置について説明する。図1は本発明の実施例に係る密封装置を備える油圧アクチュエータの模式的断面図である。図1においては、環状の密封装置における中心軸線を含む面で各部材を切断した断面図を示している。なお、図1中右側が中心軸線側である。図2,図4,図6,図8は本発明の実施例に係る密封装置に備えられる補強リングの複数の例を示す簡略図である。図3,図5,図7,図9,図10,図11は本発明の実施例に係る密封装置に備えられるシールリップの複数の例を示す模式的断面図である。これらの図においては、密封装置における中心軸線を含む面で密封装置を切断した断面図を示している。いずれの図においても、図中、右側が中心軸線側である。なお、以下の説明において、環状の密封装置等の中心軸線が伸びる
方向を「軸方向」と称する。
<油圧アクチュエータ>
図1を参照して、本実施例に係る密封装置を備える油圧アクチュエータについて説明する。本実施例に係る油圧アクチュエータは、環状シリンダ300と、環状シリンダ300に備えられる環状空間R0内において往復移動自在に備えられる環状ピストン100とを備えている。環状ピストン100は、環状空間R0の一端側に形成される油圧室R1内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチ400による動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う役割を担っている。また、環状ピストン100を挟んで、油圧室R1とは反対側には、キャンセルプレート200が配置されている。このキャンセルプレート200によって、環状ピストン100との間に、油圧室R1内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室R2が形成される。環状ピストン100とキャンセルプレート200は、本実施例に係る密封装置の主要構成部材である。また、環状ピストン100とキャンセルプレート200との間には、スプリング500が、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
環状ピストン100は、金属製のピストン本体110と、ピストン本体110の内周面側に備えられるシールリップ(以下、第1シールリップ120と称する)と、ピストン本体110の外周面側に備えられるシールリップ(以下、第2シールリップ130と称する)とを備えている。ピストン本体110は、鋼板などの金属板を打ち抜きプレス成形することにより得られる。このピストン本体110は、受圧板部111と、受圧板部111の径方向内側に設けられる内筒部112と、内筒部112の先端に設けられる内向きフランジ部113と、受圧板部111の径方向外側に設けられる外筒部114とを有している。そして、内向きフランジ部113の先端に第1シールリップ120が設けられており、受圧板部111と外筒部114との境界付近に第2シールリップ130が設けられている。
キャンセルプレート200は、金属製のプレート本体210と、プレート本体210の外周面側に備えられるシールリップ(以下、第3シールリップ220と称する)とを備えている。プレート本体210は、鋼板などの金属板を打ち抜きプレス成形することにより得られる。このプレート本体210の内周端部211は、環状シリンダ300における径方向内側の壁面310に固定されたスナップリング313に位置決めされた状態で支持されている。そして、このプレート本体210の外周端部212に、第3シールリップ220が設けられている。
環状シリンダ300には、油圧室R1に油圧を導入するための第1油通路311と、キャンセル室R2に油圧を導入するための第2油通路312とが設けられている。これら第1油通路311と第2油通路312は、いずれも環状シリンダ300における径方向内側の壁面310に開口するように設けられている。
クラッチ400は、環状シリンダ300における径方向外側の壁面320に対して軸方向に移動可能な状態で周方向に係止された複数のドライブプレート410を備えている。また、クラッチ400は、不図示の従動軸側に設けられたクラッチハブ430に対して軸方向に移動可能な状態で周方向に係止された複数のドリブンプレート420を備えている。これら複数のドライブプレート410と複数のドリブンプレート420は、軸方向に交互に配置されている。
以上のように構成される油圧アクチュエータによれば、第1油通路311から送られる油圧によって、油圧室R1内の油圧が高くなると、環状ピストン100がスプリング500による押圧力に抗してキャンセルプレート200側に向かって移動する。これにより、環状ピストン100におけるピストン本体110の外筒部114の先端フランジ部115
がクラッチ板としてのドライブプレート410を図1中下方に押圧する。これにより、ドライブプレート410が図中下方に移動して、複数のドライブプレート410と複数のドリブンプレート420とがそれぞれ摩擦係合された状態となる。これにより、クラッチ400は、動力伝達状態となり、不図示の駆動軸の駆動トルクが、環状ピストン100及びクラッチ400等を介して、不図示の従動軸に伝達される。そして、油圧室R1内の油圧が低下すると、環状ピストン100がスプリング500による押圧力により元の位置に戻るため、環状ピストン100によるドライブプレート410への押圧状態が解除されて、複数のドライブプレート410と複数のドリブンプレート420との摩擦係合状態も解除される。これにより、駆動軸から従動軸への動力の伝達も解除される。
ここで、環状ピストン100及び環状シリンダ300等は、不図示の駆動軸と共に回転している。そのため、油圧室R1内においては、油の遠心力が作用する。このような遠心油圧は、環状ピストン100の動作に影響を与え得る。しかしながら、本実施例においては、第2油通路312からキャンセル室R2内に、上記遠心油圧と同等の遠心油圧を発生させる油が供給される。従って、環状ピストン100に対しては、油圧室R1内の遠心油圧とキャンセル室R2内の遠心油圧の双方が作用するため、これらの油圧は相殺される。これにより、遠心油圧により、環状ピストン100の動作に影響が及ぼされることはない。
<シールリップ>
特に、図2~図11を参照して、本実施例に係る密封装置に備えられるシールリップ(第1シールリップ120,第2シールリップ130及び第3シールリップ220)について、より詳細に説明する。本実施例において、これらのシールリップは、いずれも、ゴム状弾性体製のシールリップ本体と、このシールリップ本体の内部に設けられ、シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングとを備えている。補強リングについては、耐圧性を高めるために剛性を高めることを重視するか、シールリップ本体の動作への追随性を高めることを重視するか、両者のバランスをどのようにするかなどの観点によって、各種の構成を採用し得る。なお、補強リングのシールリップ本体に対する追随性が高まると、シールリップ自体の追随性が高まる。つまり、シールリップが摺動する相手側の部材の偏心移動等に対するシールリップの追随性が高まり、安定したシール性能が発揮される。以下、より具体的に説明する。
<<第1シールリップ>>
図2~図9を参照して、本実施例に係る第1シールリップ120について説明する。環状ピストン100の内周面側に設けられる第1シールリップ120は、環状空間R0における径方向内側の壁面(環状シリンダ300における径方向内側の壁面310)に対して摺動自在に構成されている。そして、この第1シールリップ120は、シールリップ本体と、シールリップ本体の内部に設けられる補強リングとから構成される。上記の通り、補強リングについては、各種構成を採用することができ、ここでは4つの例を説明する。
(具体例1)
図2は具体例1に係る補強リングを簡略的に示す図であり、同図(a)は補強リングの平面図であり、同図(b)は補強リングの側面図である。図3は具体例1に係る補強リングを適用した第1シールリップ120の模式的断面図である。
第1シールリップ120は、環状空間R0における径方向内側の上記の壁面310に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体121と、シールリップ本体121の内部に設けられる補強リング122とを備えている。補強リング122は、シールリップ本体121よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、ピストン本体110及び補強リング122をインサート部品として、これらを金型の所
定位置にセットした状態で、インサート成形によりシールリップ本体121を成形することで、第1シールリップ120をピストン本体110に一体的に設けることができる。また、図示のように、ピストン本体110における内向きフランジ部113には、補強リング122が装着される環状の切り欠き部113aを設けるのが望ましい。これにより、金型の所定位置にピストン本体110及び補強リング122をセットした後に、シールリップ本体121を成形する際に、補強リング122の位置がずれてしまうことを抑制することができる。なお、ピストン本体110及び補強リング122を金型にセットする際においては、ピストン本体110をセット後に補強リング122をセットしてもよいし、予め補強リング112をピストン本体110の切り欠き部113aに装着した状態で、これらを金型にセットしてもよい。また、切り欠き部113aにピストン本体110を装着させる構成を採用すれば、第1シールリップ120全体の厚みが、徒に厚くなってしまうことを抑制することができる。
補強リング122は、シールリップ本体121のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体121の動作に追随する可撓部122aを有している。すなわち、補強リング122は、中央に孔を有する円板状の部材により構成されており、内周面側にテーパ状に湾曲した部分(可撓部122aの部分)を有している。なお、この具体例1に係る補強リング122においては、可撓部122aは周方向に間隔を空けて複数設けられており、隣り合う可撓部122aの間には、それぞれ切り欠き部122bが設けられている。このように、具体例1に係る補強リング122においては、可撓部122aと切り欠き部122bのそれぞれの幅の設定によって、補強リング122の内周面側の剛性や追随性を定めることが可能である。
(具体例2)
図4は具体例2に係る補強リングを簡略的に示す図であり、同図(a)は補強リングの平面図であり、同図(b)は補強リングの模式的断面図(補強リングの中心軸線を含む面で補強リングを切断した断面図)である。図5は具体例2に係る補強リングを適用した第1シールリップ120の模式的断面図である。
第1シールリップ120は、環状空間R0における径方向内側の上記の壁面310に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体121と、シールリップ本体121の内部に設けられる補強リング123とを備えている。補強リング123は、シールリップ本体121よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、第1シールリップ120の製法については、上記具体例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この具体例においても、上記具体例1の場合と同様に、環状の切り欠き部113aが設けられている。その理由については、上記具体例1で説明した通りである。
補強リング123は、シールリップ本体121のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体121の動作に追随する可撓部123aを有している。すなわち、補強リング123は、環状部材により構成されており、内周面側にテーパ状に伸びる部分(可撓部123aの部分)を有している。この具体例2においては、補強リング123が、シールリップ本体121における内部の大部分を占めるように構成されている。これにより、第1シールリップ120全体の剛性が高くなっている。
(具体例3)
図6は具体例3に係る補強リングを簡略的に示す図であり、同図(a)は補強リングの平面図であり、同図(b)は補強リングの模式的断面図(補強リングの中心軸線を含む面で補強リングを切断した断面図)である。図7は具体例3に係る補強リングを適用した第1シールリップ120の模式的断面図である。
第1シールリップ120は、環状空間R0における径方向内側の上記の壁面310に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体121と、シールリップ本体121の内部に設けられる補強リング124とを備えている。補強リング124は、シールリップ本体121よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、第1シールリップ120の製法については、上記具体例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この具体例においても、上記具体例1の場合と同様に、環状の切り欠き部113aが設けられている。その理由については、上記具体例1で説明した通りである。
補強リング124は、シールリップ本体121のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体121の動作に追随する可撓部124aを有している。すなわち、補強リング124は、中央に孔を有する円板状の部材により構成されており、内周面側にテーパ状に湾曲した部分(可撓部124aの部分)を有している。なお、この具体例3に係る補強リング124においては、可撓部124aの根元付近に、周方向に間隔を空けて複数の貫通孔124bが設けられている。このように、具体例3に係る補強リング124においては、複数の貫通孔124bの個数や貫通孔124bの孔径の設定によって、補強リング124の内周面側の剛性や追随性を定めることが可能である。また、この補強リング124bにおいては、可撓部124aの長さを短くしており、シールリップ本体121の先端が変形し易いように構成されている。従って、シールリップ本体121の壁面310に対する追随性が高くなっている。
(具体例4)
図8は具体例4に係る補強リングを簡略的に示す図であり、同図(a)は補強リングの平面図であり、同図(b)は補強リングの模式的断面図(補強リングの中心軸線を含む面で補強リングを切断した断面図)である。図9は具体例4に係る補強リングを適用した第1シールリップ120の模式的断面図である。
第1シールリップ120は、環状空間R0における径方向内側の上記の壁面310に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体121と、シールリップ本体121の内部に設けられる補強リング125とを備えている。補強リング125は、シールリップ本体121よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、第1シールリップ120の製法については、上記具体例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この具体例においても、上記具体例1の場合と同様に、環状の切り欠き部113aが設けられている。その理由については、上記具体例1で説明した通りである。
補強リング125は、シールリップ本体121のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体121の動作に追随する可撓部125aを有している。すなわち、補強リング125は、中央に孔を有する円板状の部材により構成されており、内周面側にテーパ状に湾曲した部分(可撓部125aの部分)を有している。なお、この具体例4に係る補強リング125においては、可撓部125aの根元付近が、径方向外側と内側に比べて、肉厚が薄い薄肉部125bにより構成されている。このように、具体例4に係る補強リング125においては、薄肉部125bの肉厚の設定によって、補強リング125の内周面側の剛性や追随性を定めることが可能である。
<<第2シールリップ>>
図10を参照して、本実施例に係る第2シールリップ130について説明する。環状ピストン100の外周面側に設けられる第2シールリップ130は、環状空間R0における径方向外側の壁面(環状シリンダ300における径方向外側の壁面320)に対して摺動
自在に構成されている。この第2シールリップ130は、上記の壁面320に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体131と、シールリップ本体131の内部に設けられる補強リング132とを備えている。補強リング132は、シールリップ本体131よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、第2シールリップ130の製法については、上記具体例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この第2シールリップ130の場合にも、上記具体例1の場合と同様に、受圧板部111の外周付近に、補強リング132が装着される環状の切り欠き部111aが設けられている。その理由については、上記具体例1において、切り欠き部113aを設けた理由と同一である。
また、補強リング132は、シールリップ本体131のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体131の動作に追随する可撓部132aを有している。なお、この補強リング132においても、上記の第1シールリップ120に備えられる補強リングの各種具体例のように、可撓部と切り欠き部が周方向に交互に複数設けられる構成(具体例1)、シールリップ本体の内部の大部分を占める構成(具体例2)、複数の貫通孔が設けられる構成(具体例3)、及び可撓部の根元付近が薄肉部となる構成(具体例4)を適用可能である。
<<第3シールリップ>>
図11を参照して、本実施例に係る第3シールリップ220について説明する。キャンセルプレート200の外周面側に設けられる第3シールリップ220は、環状ピストン100におけるピストン本体110の外筒部114の内周面に対して摺動自在に構成されている。この第3シールリップ220は、上記の外筒部114の内周面に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体221と、シールリップ本体221の内部に設けられる補強リング222とを備えている。補強リング222は、シールリップ本体221よりも剛性の高い材料(樹脂材料や金属材料など)により構成されている。なお、第3シールリップ220の製法については、上記具体例1の場合と同様であるので、その説明は省略する。また、この第3シールリップ220の場合にも、上記具体例1の場合と同様に、プレート本体210の外周端部212に、補強リング222が装着される環状の切り欠き部212aが設けられている。その理由については、上記具体例1において、切り欠き部113aを設けた理由と同一である。
また、補強リング222は、シールリップ本体221のリップ先端に向かって伸び、このシールリップ本体221の動作に追随する可撓部222aを有している。なお、この補強リング222においても、上記の第1シールリップ120に備えられる補強リングの各種具体例のように、可撓部と切り欠き部が周方向に交互に複数設けられる構成(具体例1)、シールリップ本体の内部の大部分を占める構成(具体例2)、複数の貫通孔が設けられる構成(具体例3)、及び可撓部の根元付近が薄肉部となる構成(具体例4)を適用可能である。
<本実施例に係る密封装置の優れた点>
本実施例に係る密封装置によれば、各シールリップにおけるゴム状弾性体製のシールリップ本体の内部には、それぞれ補強リングが設けられているので、シールリップの体積を増やすことなく、シールリップの剛性を高めることができる。また、締め代を大きくする必要もないため、摺動抵抗の上昇も抑制することができる。従って、省スペース化を図りつつ、摺動抵抗の抑制を図ることができる。
また、上記の各補強リングは、それぞれのシールリップ本体のリップ先端に向かって伸び、該シールリップ本体の動作に追随する可撓部を有している。これにより、各補強リングによって、それぞれのシールリップ本体の動作が妨げられることもない。
ここで、上記の通り、補強リングについては、シールリップの剛性や追随性などの観点から各種の構成を採用し得る。上記具体例1で示した補強リング122のように、可撓部122aと切り欠き部122bが周方向に交互に複数設けられる構成を採用すれば、これらの幅の設定によって、補強リング122の内周面側の剛性や追随性を定めることができる。すなわち、可撓部122aの幅に対する切り欠き部122bの幅の比を大きくするほど、追随性が高まり、当該比を小さくするほど剛性が高まる。また、上記具体例2で示した補強リング123のように、シールリップ本体の内部の大部分を補強リング123が占める構成を採用することで、剛性を高めることができる。これにより、追随性を高くすることは難しいものの、耐圧性を高めることができる。また、締め代を小さくできるため、摺動抵抗を抑制することができる。また、上記具体例3で示した補強リング124のように、複数の貫通孔124bが設けられる構成を採用すれば、これらの個数や孔径の設定によって、補強リング124の内周面側の剛性や追随性を定めることが可能である。すなわち、貫通孔124bの個数を多くするほど、また、孔径を大きくするほど、追随性が高まり、当該個数を少なくするほど、また、孔径を小さくするほど、剛性が高まる。更に、上記具体例4で示した補強リング125のように、可撓部125aの根元付近に薄肉部125bを有する構成を採用すれば、この薄肉部125bの肉厚の設定によって、補強リング125の内周面側の剛性や追随性を定めることができる。すなわち、薄肉部125bの肉厚を薄くするほど、追随性が高まり、当該肉厚を厚くするほど、剛性が高まる。
このように、補強リングの構成については、使用環境等に応じて、各種の観点から適宜の構成を採用することができる。なお、具体例1~具体例4における各種構成については、単独で用いることもできるし、各種構成を適宜組み合わせることもできる。
100 環状ピストン
110 ピストン本体
111 受圧板部
112 内筒部
113 内向きフランジ部
114 外筒部
115 先端フランジ部
120 第1シールリップ
121 シールリップ本体
122,123,124,125 補強リング
122a,123a,124a,125a 可撓部
122b 切り欠き部
124b 貫通孔
125b 薄肉部
130 第2シールリップ
131 シールリップ本体
132 補強リング
132a 可撓部
200 キャンセルプレート
210 プレート本体
211 内周端部
212 外周端部
220 第3シールリップ
221 シールリップ本体
222 補強リング
222a 可撓部
300 環状シリンダ
310 壁面
311 第1油通路
312 第2油通路
313 スナップリング
320 壁面
400 クラッチ
410 ドライブプレート
420 ドリブンプレート
430 クラッチハブ
500 スプリング
R0 環状空間
R1 油圧室
R2 キャンセル室

Claims (3)

  1. 環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
    前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンとの間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
    を備え、
    前記環状ピストンの内周面側には、前記環状空間における径方向内側の壁面に対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
    前記シールリップは、
    前記壁面に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
    前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
    を備え
    前記補強リングは、前記シールリップ本体のリップ先端に向かって伸び、該シールリップ本体の動作に追随する可撓部を有し、かつ、前記可撓部の全体が前記シールリップ本体の内部に設けられていることを特徴とする密封装置。
  2. 環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
    前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンとの間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
    を備え、
    前記環状ピストンの外周面側には、前記環状空間における径方向外側の壁面に対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
    前記シールリップは、
    前記壁面に対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
    前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
    を備え
    前記補強リングは、前記シールリップ本体のリップ先端に向かって伸び、該シールリップ本体の動作に追随する可撓部を有し、かつ、前記可撓部の全体が前記シールリップ本体の内部に設けられていることを特徴とする密封装置。
  3. 環状空間内において往復移動自在に備えられ、前記環状空間の一端側に形成される油圧室内の油圧に応じて往復移動することに伴って、クラッチ板を押圧または押圧解除することにより、クラッチによる動力の伝達と伝達解除の切り替えを行う環状ピストンと、
    前記環状ピストンを挟んで、前記油圧室とは反対側に配置されて、前記環状ピストンとの間に、前記油圧室内に生ずる遠心油圧を相殺する油圧を生じさせるキャンセル室を形成するキャンセルプレートと、
    を備え、
    前記キャンセルプレートの外周面側には、前記環状ピストンに対して摺動自在なシールリップが設けられると共に、
    前記シールリップは、
    前記環状ピストンに対して摺動するゴム状弾性体製のシールリップ本体と、
    前記シールリップ本体の内部に設けられ、該シールリップ本体よりも剛性の高い補強リングと、
    を備え
    前記補強リングは、前記シールリップ本体のリップ先端に向かって伸び、該シールリップ本体の動作に追随する可撓部を有し、かつ、前記可撓部の全体が前記シールリップ本体の内部に設けられていることを特徴とする密封装置。
JP2019007886A 2019-01-21 2019-01-21 密封装置 Active JP7317512B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019007886A JP7317512B2 (ja) 2019-01-21 2019-01-21 密封装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019007886A JP7317512B2 (ja) 2019-01-21 2019-01-21 密封装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020118184A JP2020118184A (ja) 2020-08-06
JP7317512B2 true JP7317512B2 (ja) 2023-07-31

Family

ID=71890358

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019007886A Active JP7317512B2 (ja) 2019-01-21 2019-01-21 密封装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7317512B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3129998B1 (fr) 2021-12-03 2024-03-15 Valeo Embrayages Embrayage humide

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005265073A (ja) 2004-03-19 2005-09-29 Nok Corp ピストン装置
JP2006029576A (ja) 2004-03-12 2006-02-02 Nok Corp 密封装置
JP2006144901A (ja) 2004-11-19 2006-06-08 Nok Corp 往復動シール
JP2007177831A (ja) 2005-12-27 2007-07-12 Nok Corp ボンデットピストンシール
DE102009025721A1 (de) 2009-02-07 2010-08-19 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Druckkolbenanordnung mit losem Dichtring

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB541336A (en) * 1940-05-18 1941-11-24 Noel Banner Newton Improvements in or relating to gland packings
DE2934487C2 (de) * 1979-08-25 1984-03-29 Fa. Carl Freudenberg, 6940 Weinheim Wellendichtring
JPS60114372U (ja) * 1984-01-12 1985-08-02 エヌオーケー株式会社 オイルシ−ル

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006029576A (ja) 2004-03-12 2006-02-02 Nok Corp 密封装置
JP2005265073A (ja) 2004-03-19 2005-09-29 Nok Corp ピストン装置
JP2006144901A (ja) 2004-11-19 2006-06-08 Nok Corp 往復動シール
JP2007177831A (ja) 2005-12-27 2007-07-12 Nok Corp ボンデットピストンシール
DE102009025721A1 (de) 2009-02-07 2010-08-19 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Druckkolbenanordnung mit losem Dichtring

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020118184A (ja) 2020-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006220236A (ja) 皿ばね
JP2008144784A (ja) パッキン及びシーリングシステム
KR20120068938A (ko) 토크 컨버터
KR100783674B1 (ko) 자동변속기용 피스톤
JP7317512B2 (ja) 密封装置
JP2007510105A (ja) 軸方向および半径方向に隣接する2つの多板式クラッチを備えた変速機におけるクラッチ装置
JP4911314B2 (ja) 自動変速機用ピストン
JP2018115689A (ja) 密封装置
JP5484093B2 (ja) 流体式変速機用クラッチピストン
JP4935997B2 (ja) 油圧クラッチ用ピストン
JP2008128392A (ja) キャンセルプレート
JP5424552B2 (ja) 流体式自動変速機のクラッチシリンダ
JP7402611B2 (ja) 密封装置
JP2006292109A (ja) キャンセルプレートの支持構造
JP5053052B2 (ja) ピストン装置及びこれを備えた油圧シリンダ装置
JP2022076048A (ja) 密封装置
JP7458240B2 (ja) 密封装置
JP5876638B2 (ja) 流体式変速機用クラッチピストン
JP2003329143A (ja) 密封装置
WO2020230466A1 (ja) 油圧アクチュエータの密封装置
JP2006144901A (ja) 往復動シール
JP5070016B2 (ja) 流体式変速機のキャンセルプレート
JP2005083558A (ja) 油圧式クラッチ遮断装置
JP2007225046A (ja) シール一体型ピストン
JP2005282641A (ja) 密封装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220906

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230719

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7317512

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150