JP2005274531A - ネットワークアナライザ、伝送トラッキング測定方法、ネットワーク解析方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

ネットワークアナライザ、伝送トラッキング測定方法、ネットワーク解析方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】 伝送トラッキングを測定するために、ネットワークアナライザのポートにおける2ポートを選んで直結する労力を軽減する。
【解決手段】 ネットワークアナライザ1には、4ポートを9ポート(主ポート群:3ポート、副ポート群:3ポート×2)に分岐するテストセットが接続され、送受信用ポート1a、1b、1c、1dと、テストセットの主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、テストセットの副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポート1a、1b、1c、1dにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定部7と、伝送トラッキング決定部7により決定された伝送トラッキングに基づき、他の伝送トラッキングを導き出す伝送トラッキング導出部8とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被測定物の回路パラメータを演算計測するネットワークアナライザに関する。
従来より、被測定物(DUT:Device
Under Test)の回路パラメータ(例えば、Sパラメータ)を測定することが行われている。従来技術にかかる被測定物(DUT)の回路パラメータの測定法を図18を参照して説明する。
信号源110から周波数f1の信号をDUT200を介して受信部120に送信する。この信号は受信部120により受信される。受信部120により受信された信号の周波数をf2とする。受信部120により受信された信号を測定することによりDUT200のSパラメータや周波数特性を取得することができる。
このとき、信号源110等の測定系とDUT200との不整合などにより測定に測定系誤差が生ずる。この測定系誤差は、例えばEd:ブリッジの方向性に起因する誤差、Er:周波数トラッキングに起因する誤差、Es:ソースマッチングに起因する誤差、である。周波数f1=f2の場合の信号源110に関するシグナルフローグラフを図19に示す。RF INは、信号源110からDUT200等に入力する信号、S11mはDUT200等から反射されてきた信号から求められたDUT200等のSパラメータ、S11aは測定系誤差の無い真のDUT200等のSパラメータである。
周波数f1=f2の場合は、例えば特許文献1に記載のようにして誤差を補正することができる。このような補正をキャリブレーションという。キャリブレーションについて概説する。信号源110に校正キットを接続し、オープン(開放)、ショート(短絡)、ロード(標準負荷Z0)の三種類の状態を実現する。このときの校正キットから反射された信号をブリッジにより取得して三種類の状態に対応した三種類のSパラメータ(S11m)を求める。三種類のSパラメータから三種類の変数Ed、Er、Esを求める。
しかしながら、周波数f1が周波数f2と等しくない場合がある。例えば、DUT200がミキサ等の周波数変換機能を有するデバイスである場合である。この場合は、受信部120による測定系誤差も無視できない。信号源110と受信部120とを直結した場合のシグナルフローグラフを図20に示す。S21mは、受信部120が受信した信号から求められたDUT200等のSパラメータである。図20に示すように、Et(伝送トラッキング)、ELという受信部120による測定系誤差が生ずる。これについても、特許文献1に記載のようなキャリブレーションでは求めることができない。
そこで、周波数f1が周波数f2と等しくない場合は、特許文献2に記載のようにして誤差を補正する。まず、三種類の校正キット(オープン(開放)、ショート(短絡)、ロード(標準負荷Z0))を信号源に接続する。これは、特許文献1に記載の方法と同様であるので、Ed、Es、Erを求めることができる。さらに、信号源110と受信部120とを直結し、そのときの測定結果により、伝送トラッキングEt、ELを求めることができる(特許文献2の図8、図9を参照)。
なお、上記の例は、信号源110および受信部120を有するネットワークアナライザが2ポートを有している場合に適合するものである。ネットワークアナライザが4ポートを有している場合は、4ポートから2ポートを選んで直結することになり、4×3/2=6通りの結合を全て行なう必要がある。一般的に、ネットワークアナライザがnポートを有している場合は、nポートから2ポートを選んで直結することになり、n×(n−1)/2通りの結合を全て行なう必要がある。
特開平11−38054号公報 国際公開第03/087856号パンフレット
しかしながら、上記のように、nポートから2ポートを選んで直結して、全ての2ポートの組み合わせを実現するのは多大な労力を要する。
そこで、本発明は、伝送トラッキングを測定するために、ネットワークアナライザのポートにおける2ポートを選んで直結する労力の軽減を課題とする。
本発明は、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートと、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定手段と、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出手段とを備えるように構成される。
上記のように構成された発明によれば、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザが提供される。
送受信用ポートは、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するためのものである。伝送トラッキング決定手段は、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する。伝送トラッキング導出手段は、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す。
また、本発明は、伝送トラッキング導出手段が、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の他の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを導き出すために、導出対象の伝送トラッキングの始点および終点の接続関係以外の接続関係を二つ用いるようにしてもよい。
また、本発明は、主ポート群は、2個のネットワークアナライザ側ポートに接続される3個の被測定物側ポートを有し、副ポート群は、1個のネットワークアナライザ側ポートに接続される3個の被測定物側ポートを有し、副ポート群が2個存在するようにしてもよい。
また、本発明は、送受信用ポートにより送信される送信信号に関する送信信号パラメータを、測定系誤差要因の生ずる前に測定する送信信号測定手段と、送受信用ポートにより受信された受信信号に関する受信信号パラメータを測定する受信信号測定手段とを備えるようにしてもよい。
また、本発明においては、受信信号は送信信号が反射された反射信号を含むようにしてもよい。
本発明は、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザの伝送トラッキングを測定するための伝送トラッキング測定方法であって、ネットワークアナライザは、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有し、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて実現する接続関係実現工程と、接続関係実現工程において一つの組み合わせが実現した際に、ネットワークアナライザ側ポートに接続されている被測定物側ポートにおける2ポートの組み合わせの結合を全て実現する被測定物側ポート結合工程と、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号を測定する信号測定工程と、信号測定工程の測定結果に基づき、被測定物側ポート結合工程により実現された結合についての伝送トラッキングを決定する伝送トラッキング決定工程と、伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出工程とを備えるように構成される。
上記のように構成された発明によれば、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザの伝送トラッキングを測定するための伝送トラッキング測定方法が提供される。
ネットワークアナライザは、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有している。
接続関係実現工程は、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて実現する。被測定物側ポート結合工程は、接続関係実現工程において一つの組み合わせが実現した際に、ネットワークアナライザ側ポートに接続されている被測定物側ポートにおける2ポートの組み合わせの結合を全て実現する。信号測定工程は、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号を測定する。伝送トラッキング決定工程は、信号測定工程の測定結果に基づき、被測定物側ポート結合工程により実現された結合についての伝送トラッキングを決定する。伝送トラッキング導出工程は、伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す。
また、本発明は、被測定物側ポート結合工程は、4個のポートにおける2個の組み合わせを全て結合可能な4ポート校正器を使用して実現されるようにしてもよい。
本発明は、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析方法であって、伝送トラッキング決定手段が、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定工程と、伝送トラッキング導出手段が、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出工程とを備えるように構成される。
本発明は、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定処理と、伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明は、ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つのネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、被測定物側ポートは、ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、主ポート群において実現可能な接続関係の一つと、副ポート群において実現可能な接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定処理と、伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出処理とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるネットワークアナライザ1が使用される測定系の構成を示す図である。測定系は、ネットワークアナライザ1、9ポートテストセット10、DUT20を備える。
ネットワークアナライザ1は、送受信用ポート1a、1b、1c、1dを備える。9ポートテストセット10は、ネットワークアナライザ側ポートNP1、NP2、NP3、NP4およびDUT側ポートTP1、TP2、TP3、TP4、TP5、TP6、TP7、TP8、TP9を備える。DUT(Device Under Test:被測定物)20は、ポート20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20jを備える。
送受信用ポート1aは、ネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されている。送受信用ポート1bは、ネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されている。送受信用ポート1cは、ネットワークアナライザ側ポートNP3に接続されている。送受信用ポート1dは、ネットワークアナライザ側ポートNP4に接続されている。送受信用ポート1a、1b、1c、1dは、信号を送受信するためのポートである。
DUT側ポートTP1はポート20aに接続される。DUT側ポートTP2はポート20bに接続される。DUT側ポートTP3はポート20cに接続される。DUT側ポートTP4はポート20dに接続される。DUT側ポートTP5はポート20eに接続される。DUT側ポートTP6はポート20fに接続される。DUT側ポートTP7はポート20gに接続される。DUT側ポートTP8はポート20hに接続される。DUT側ポートTP9はポート20jに接続される。
図2は、本発明の実施の形態に係るネットワークアナライザ1の構成を示したブロック図である。ネットワークアナライザ1は、送受信用ポート1a、1b、1c、1d、信号源2、切替器3、ブリッジ4a、4b、4c、4d、レシーバ(受信信号測定手段)5a、5b、5c、5d、9ポートテストセット接続関係取得部6、伝送トラッキング決定部7、伝送トラッキング導出部8を備える。ネットワークアナライザ1は、送受信用ポート1a、1b、1c、1dにより送受信された信号に基づき、DUT20の特性を測定するためのものである。
信号源2は、信号出力部2a、ブリッジ2b、レシーバ(R)2c(送信信号測定手段)を有する。
信号出力部2aは、所定の周波数の信号を出力する。この信号は、送受信用ポート1a、1b、1c、1dのいずれかから送信される送信信号である。
ブリッジ2bは、信号出力部2aから出力された送信信号をレシーバ(R)2cおよび切替器3に供給する。ブリッジ2bが供給する信号は、ネットワークアナライザ1による測定系誤差要因の影響を受けていない信号といえる。
レシーバ(R)2c(送信信号測定手段)は、ブリッジ2bから受けた信号のSパラメータを測定する。よって、レシーバ(R)2cは、ネットワークアナライザ1による測定系誤差要因の影響の生ずる前に、送信信号に関するSパラメータ(送信信号パラメータ)を測定する。
切替器3は、信号源2から与えられた送信信号を、ブリッジ4a、4b、4c、4dのうちのいすれか一つに与える。
ブリッジ4aは、信号源2から与えられた送信信号を、送受信用ポート1aに向けて出力する。さらに、ブリッジ4aは、送受信用ポート1aが受信した受信信号を受け、レシーバ5aに向けて出力する。送受信用ポート1b、1c、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1aにより受信されたものが受信信号である。ただし、送受信用ポート1aから送信された送信信号が反射され、送受信用ポート1aにより受信されたもの(反射信号)もまた、受信信号である。
なお、送受信用ポート1aと、送受信用ポート1b、1c、1dのいずれかとがDUT20あるいは後述する4ポート校正器30により接続される。よって、送受信用ポート1b、1c、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1aにより受信される。また、送受信用ポート1aから送信された送信信号が、DUT20、9ポートテストセット10あるいは後述する4ポート校正器30により反射され、送受信用ポート1aにより受信される。
ブリッジ4bは、信号源2から与えられた送信信号を、送受信用ポート1bに向けて出力する。さらに、ブリッジ4bは、送受信用ポート1bが受信した受信信号を受け、レシーバ5bに向けて出力する。送受信用ポート1a、1c、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1bにより受信されたものが受信信号である。ただし、送受信用ポート1bから送信された送信信号が反射され、送受信用ポート1bにより受信されたもの(反射信号)もまた、受信信号である。
なお、送受信用ポート1bと、送受信用ポート1a、1c、1dのいずれかとがDUT20あるいは後述する4ポート校正器30により接続される。よって、送受信用ポート1a、1c、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1bにより受信される。また、送受信用ポート1bから送信された送信信号が、DUT20、9ポートテストセット10あるいは後述する4ポート校正器30により反射され、送受信用ポート1bにより受信される。
ブリッジ4cは、信号源2から与えられた送信信号を、送受信用ポート1cに向けて出力する。さらに、ブリッジ4cは、送受信用ポート1cが受信した受信信号を受け、レシーバ5cに向けて出力する。送受信用ポート1a、1b、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1cにより受信されたものが受信信号である。ただし、送受信用ポート1cから送信された送信信号が反射され、送受信用ポート1cにより受信されたもの(反射信号)もまた、受信信号である。
なお、送受信用ポート1cと、送受信用ポート1a、1b、1dのいずれかとがDUT20あるいは後述する4ポート校正器30により接続される。よって、送受信用ポート1a、1b、1dのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1cにより受信される。また、送受信用ポート1cから送信された送信信号が、DUT20、9ポートテストセット10あるいは後述する4ポート校正器30により反射され、送受信用ポート1cにより受信される。
ブリッジ4dは、信号源2から与えられた送信信号を、送受信用ポート1dに向けて出力する。さらに、ブリッジ4dは、送受信用ポート1dが受信した受信信号を受け、レシーバ5dに向けて出力する。送受信用ポート1a、1b、1cのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1dにより受信されたものが受信信号である。ただし、送受信用ポート1dから送信された送信信号が反射され、送受信用ポート1dにより受信されたもの(反射信号)もまた、受信信号である。
なお、送受信用ポート1dと、送受信用ポート1a、1b、1cのいずれかとがDUT20あるいは後述する4ポート校正器30により接続される。よって、送受信用ポート1a、1b、1cのいずれかから送信された送信信号が、送受信用ポート1dにより受信される。また、送受信用ポート1dから送信された送信信号が、DUT20、9ポートテストセット10あるいは後述する4ポート校正器30により反射され、送受信用ポート1dにより受信される。
レシーバ(受信信号測定手段)5aは、ブリッジ4aから受けた信号のSパラメータを測定する。よって、レシーバ(Ta)5aは、送受信用ポート1aにより受信された受信信号に関するSパラメータ(受信信号パラメータ)を測定する。
レシーバ(受信信号測定手段)5bは、ブリッジ4bから受けた信号のSパラメータを測定する。よって、レシーバ(Tb)5bは、送受信用ポート1bにより受信された受信信号に関するSパラメータ(受信信号パラメータ)を測定する。
レシーバ(受信信号測定手段)5cは、ブリッジ4cから受けた信号のSパラメータを測定する。よって、レシーバ(Tc)5cは、送受信用ポート1cにより受信された受信信号に関するSパラメータ(受信信号パラメータ)を測定する。
レシーバ(受信信号測定手段)5dは、ブリッジ4dから受けた信号のSパラメータを測定する。よって、レシーバ(Td)5dは、送受信用ポート1dにより受信された受信信号に関するSパラメータ(受信信号パラメータ)を測定する。
9ポートテストセット接続関係取得部6は、どのネットワークアナライザ側ポートが、どのDUT側ポートに接続しているか(接続関係という)を取得して、伝送トラッキング決定部7に与える。接続関係の取得は、例えば、利用者が与えるようにしてもよい。9ポートテストセット接続関係取得部6が9ポートテストセット10と接続されており、9ポートテストセット10の接続関係が信号として、9ポートテストセット接続関係取得部6に与えられるようにすることも考えられる。
伝送トラッキング決定部7は、レシーバ(R)2cおよびレシーバ5a、5b、5c、5dから測定結果を受け、伝送トラッキングを決定する。いずれの接続関係についての伝送トラッキングかは、9ポートテストセット接続関係取得部6から与えられた接続関係により判明する。
伝送トラッキング導出部8は、伝送トラッキング決定部7により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、伝送トラッキング決定部7により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す。
図3は、9ポートテストセット10の構成を示す図である。9ポートテストセット10は、ポート接続部12a、12b、12c、ネットワークアナライザ側ポートNP1、NP2、NP3、NP4およびDUT側ポートTP1、TP2、TP3、TP4、TP5、TP6、TP7、TP8、TP9を備える。
ポート接続部12aは、DUT側ポートTP1およびTP2のうちのいずれか一つを選択して、ネットワークアナライザ側ポートNP1に接続する。ポート接続部12aは、さらに、DUT側ポートTP2およびTP3のうちのいずれか一つを選択して、ネットワークアナライザ側ポートNP2に接続する。ただし、DUT側ポートTP2に、ネットワークアナライザ側ポートNP1を接続する場合は、ネットワークアナライザ側ポートNP2にはDUT側ポートTP2を接続しない。DUT側ポートTP2に、ネットワークアナライザ側ポートNP2を接続する場合は、ネットワークアナライザ側ポートNP2にはDUT側ポートTP1を接続しない。
ポート接続部12bは、DUT側ポートTP4、TP5およびTP6のうちのいずれか一つを選択して、ネットワークアナライザ側ポートNP3に接続する。
ポート接続部12cは、DUT側ポートTP7、TP8およびTP9のうちのいずれか一つを選択して、ネットワークアナライザ側ポートNP4に接続する。
ここで、どのネットワークアナライザ側ポートが、どのDUT側ポートに接続しているかという接続関係の取り得る状態を図4に示す。
接続関係Aにおいては、DUT側ポートTP1がネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されている。DUT側ポートTP2がネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されている。DUT側ポートTP4がネットワークアナライザ側ポートNP3に接続されている。DUT側ポートTP7がネットワークアナライザ側ポートNP4に接続されている。
このような接続関係を、DUT側ポートTP1について、A1という。DUT側ポートTP2について、A2という。DUT側ポートTP4について、A3という。DUT側ポートTP7について、A4という。
接続関係Bにおいては、DUT側ポートTP1がネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されている。DUT側ポートTP3がネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されている。DUT側ポートTP5がネットワークアナライザ側ポートNP3に接続されている。DUT側ポートTP8がネットワークアナライザ側ポートNP4に接続されている。
このような接続関係を、DUT側ポートTP1について、B1という。DUT側ポートTP3について、B2という。DUT側ポートTP5について、B3という。DUT側ポートTP7について、B8という。
接続関係Cにおいては、DUT側ポートTP2がネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されている。DUT側ポートTP3がネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されている。DUT側ポートTP6がネットワークアナライザ側ポートNP3に接続されている。DUT側ポートTP9がネットワークアナライザ側ポートNP4に接続されている。
このような接続関係を、DUT側ポートTP2について、C1という。DUT側ポートTP3について、C2という。DUT側ポートTP6について、C3という。DUT側ポートTP9について、C4という。
図5に、ネットワークアナライザ側ポートと、DUT側ポートとの接続関係の例を示す。図5に示す例では、DUT側ポートTP2がネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されている(C1)。DUT側ポートTP3がネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されている(C2)。DUT側ポートTP4がネットワークアナライザ側ポートNP3に接続されている(A3)。DUT側ポートTP7がネットワークアナライザ側ポートNP4に接続されている(A4)。
ここで、DUT側ポートTP1、TP2およびTP3を主ポート群14a、DUT側ポートTP4、TP5およびTP6を副ポート群14b、DUT側ポートTP7、TP8およびTP9を副ポート群14cという。主ポート群14aにおける接続関係、副ポート群14bにおける接続関係および副ポート群14cにおける接続関係は、独立して定めることができる。図5に示す例では、主ポート群14aにおける接続関係がCだからといって、副ポート群14bにおける接続関係および副ポート群14cにおける接続関係をCにする必要は無く、Aであってもよい。
図6は、DUT20の構成の一例を示す機能ブロック図である。DUT20は、例えば、デュプレクサである。DUT20は、GSMデュプレクサ(DPX)22a、DCSデュプレクサ(DPX)22b、デュプレクサ(DPX)22cを備える。
GSMデュプレクサ(DPX)22aは、アンテナ用のポート20a、送信用のポート20j、受信用のポート20fに接続されている。GSMデュプレクサ(DPX)22aは、アンテナ用のポート20aから信号を受け、受信用のポート20fに出力する。さらに、GSMデュプレクサ(DPX)22aは、送信用のポート20jから信号を受け、アンテナ用のポート20aから送信する。
DCSデュプレクサ(DPX)22bは、アンテナ用のポート20b、送信用のポート20h、受信用のポート20eに接続されている。DCSデュプレクサ(DPX)22bは、アンテナ用のポート20bから信号を受け、受信用のポート20eに出力する。さらに、DCSデュプレクサ(DPX)22bは、送信用のポート20hから信号を受け、アンテナ用のポート20bから送信する。
デュプレクサ(DPX)22cは、アンテナ用のポート20c、送信用のポート20g、受信用のポート20dに接続されている。デュプレクサ(DPX)22cは、アンテナ用のポート20cから信号を受け、受信用のポート20dに出力する。さらに、デュプレクサ(DPX)22cは、送信用のポート20gから信号を受け、アンテナ用のポート20cから送信する。
図1に示した測定系においては、測定系誤差要因が生じる。測定系誤差要因には、Ed:ブリッジの方向性に起因する誤差、Er:周波数トラッキングに起因する誤差、Es:ソースマッチングに起因する誤差、Et:伝送トラッキング、ELがある。このような測定系誤差要因を測定し、DUT20の測定結果における誤差を除去する必要がある。すなわち、校正を行なう必要がある。
図7は、測定系の校正を行なうための構成を示す図である。9ポートテストセット10には、DUT20のかわりに4ポート校正器30が接続される。なお、9ポートテストセット10の接続関係は、A1、A2、A3およびA4であるとする。
4ポート校正器30は、校正用ポート32a、32b、32c、32dを備える。校正用ポート32aは、9ポートテストセット10を介して、送受信用ポート1aに接続される。校正用ポート32bは、9ポートテストセット10を介して、送受信用ポート1bに接続される。校正用ポート32cは、9ポートテストセット10を介して、送受信用ポート1cに接続される。校正用ポート32dは、9ポートテストセット10を介して、送受信用ポート1dに接続される。
9ポートテストセット10の接続関係は、A1、A2、A3およびA4なので、DUT側ポートTP1が校正用ポート32aに、DUT側ポートTP2が校正用ポート32bに、DUT側ポートTP4が校正用ポート32cに、DUT側ポートTP7が校正用ポート32dに接続される。
図8は、4ポート校正器30の構成を示すブロック図である。4ポート校正器30は、スイッチ33a、33b、33c、33d、サブ校正器34a、34b、34c、34d、2ポート結合器36を備える。
スイッチ33aは、校正用ポート32aを、サブ校正器34aあるいは2ポート結合器36に接続する。スイッチ33bは、校正用ポート32bを、サブ校正器34bあるいは2ポート結合器36に接続する。スイッチ33cは、校正用ポート32cを、サブ校正器34cあるいは2ポート結合器36に接続する。スイッチ33dは、校正用ポート32dを、サブ校正器34dあるいは2ポート結合器36に接続する。
図9は、サブ校正器34aの構成を示すブロック図である。サブ校正器34aは、校正用具38op、短絡校正用具38s、標準負荷校正用具38L、校正用具接続部37を有する。
校正用具は、特開平11−38054号公報に記載のようにオープン(開放)、ショート(短絡)、ロード(標準負荷Z0)の三種類の状態を実現する周知のものである。
開放校正用具38opは、送受信用ポート1aについて、開放の状態を実現する。短絡校正用具38sは、送受信用ポート1aについて、短絡の状態を実現する。標準負荷校正用具38Lは、送受信用ポート1aについて、標準負荷の状態を実現する。
校正用具接続部37は、送受信用ポート1aに、開放校正用具38op、短絡校正用具38s、標準負荷校正用具38Lの内のいずれか一つを接続する。校正用具接続部37は、一種のスイッチである。
なお、サブ校正器34b、34c、34dは、サブ校正器34aと同じ構成である。ただし、サブ校正器34bは、送受信用ポート1bに接続される。サブ校正器34cは、送受信用ポート1cに接続される。サブ校正器34dは、送受信用ポート1dに接続される。
2ポート結合器36は、校正用ポート32aおよびスイッチ33aを介して送受信用ポート1aと、校正用ポート32bおよびスイッチ33bを介して送受信用ポート1bと、校正用ポート32cおよびスイッチ33cを介して送受信用ポート1cと、校正用ポート32dおよびスイッチ33dを介して送受信用ポート1dと接続されている。
2ポート結合器36は、送受信用ポート1a、1b、1c、1dにおける二個のポートの組み合わせを全て実現できる。すなわち、送受信用ポート1aと1b、送受信用ポート1aと1c、送受信用ポート1aと1d、送受信用ポート1bと1c、送受信用ポート1bと1d、送受信用ポート1cと1dの6種類の結合が可能である。2ポート結合器36は、これらの6種類の結合から一つづつ選択して実現し、最終的には6種類全てを実現する。
図10は、送受信用ポート1aと1bとがDUT20により結合された状態を示すシグナルフローグラフである。ただし、S11、S12、S21、S22は測定系誤差の無い真のDUT20のSパラメータである。図10に示す状態では、送受信用ポート1aから送信信号が出力され、送受信用ポート1bにより受信される。また、送受信用ポート1aから出力された送信信号が反射され、送受信用ポート1aにより受信される。
測定系誤差要因は、Ed(ブリッジの方向性に起因する誤差)、Er(周波数トラッキングに起因する誤差)、Es(ソースマッチングに起因する誤差)、Et(伝送トラッキング)、ELがある。4ポート校正器30を使用して、これらの誤差要因を測定する。
まず、スイッチ33aにより、校正用ポート32aを、サブ校正器34aに接続する。このときの状態をシグナルフローグラフで表したものが図11である。ただし、Xは、開放校正用具38op、短絡校正用具38sおよび標準負荷校正用具38LのSパラメータである。Rは、レシーバ(R)2cにより測定される、送信信号に関するSパラメータである。Taは、レシーバ(Ta)5aにより測定される、反射信号に関するSパラメータである。このとき、Ta/R=Ed+Er・X/(1−Es・X)という関係が成立する。
Xは三種類(開放校正用具38op、短絡校正用具38sおよび標準負荷校正用具38LのSパラメータ)の値をとるため、Ed、Er、Esを求めることができる。
次に、スイッチ33aにより、校正用ポート32aを、2ポート結合器36に接続する。さらに、スイッチ33bにより、校正用ポート32bを、2ポート結合器36に接続する。2ポート結合器36は、校正用ポート32aと校正用ポート32bとを結合することにより、送受信用ポート1aと1bとを結合する。このときの状態をシグナルフローグラフで表したものが図12である。ただし、Tbは、レシーバ(Tb)5bにより測定される、受信信号に関するSパラメータである。このとき、Tb/Rに基づき、Etを求めることができる。また、Ta/Rに基づき、ELを求めることができる。
このようにして、Et(伝送トラッキング)などを測定できる。Etを決定するためには、二個の送受信用ポートを2ポート結合器36により結合しなければならない。二個の送受信用ポートの結合は、二個の接続関係の結合として表すことができる。例えば、図7に示すような状態において、2ポート結合器36により、送受信用ポート1aと1bとを結合したとする。これは接続関係A1およびA2の結合ということになる。
図13に、測定系において決定すべきEt(伝送トラッキング)を決定するために必要な接続関係の結合を示す。図13において、A1、A2などという表記は、接続関係を示す。なお、A1=B1というのは、どちらもDUT側ポートTP1がネットワークアナライザ側ポートNP1に接続されているから、同じ状態であるということを意味する。また、B2=C2というのは、どちらもDUT側ポートTP3がネットワークアナライザ側ポートNP2に接続されているから、同じ状態であるということを意味する。さらに、各接続関係を結ぶ直線は、Et(伝送トラッキング)を測定するために、結合すべき接続関係を意味する。例えば、接続関係A1およびA2は結合する必要がある。しかし、接続関係A4およびB3は結合する必要がない。
図13を参照するとわかるように、主ポート群14aにおける接続関係の一つA1、A2と、副ポート群14b、14cにおける接続関係の全てA3、A4、B3、B4、C3、C4、との結合が必要である。同様に、主ポート群14aにおける接続関係の一つB1、B2と、副ポート群14b、14cにおける接続関係の全てA3、A4、B3、B4、C3、C4、との結合が必要である。同様に、主ポート群14aにおける接続関係の一つC1、C2と、副ポート群14b、14cにおける接続関係の全てA3、A4、B3、B4、C3、C4、との結合が必要である。
ここで、図13に示すような結合関係を4ポート校正器30の2ポート結合器36により全て実現しようとした場合、4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着を7回繰り返さなければならない。ただし、後述するように、本発明の実施形態におけるネットワークアナライザ1が伝送トラッキング導出部8を備えているため、実際には3回でよい。
図14は、4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着の態様を示す図である(伝送トラッキング導出部8が無いと仮定した場合)。なお、図14に示す脱着の順番は、必ずしも、これに限定されない。
まず、図14(a)に示すように、4ポート校正器30を9ポートテストセット10に取りつけて、(1)接続関係A1、A2、A3、A4を結合する。すなわち、接続関係A1とA2との結合、接続関係A1とA3との結合、接続関係A1とA4との結合、接続関係A2とA3との結合、接続関係A2とA4との結合、接続関係A3とA4との結合を順々に実現していく。そして、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、(2)接続関係B1、B2、B3、B4を結合する。さらに、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、(3)接続関係C1、C2、C3、C4を結合する。
さらに、図14(b)に示すように、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、(4)接続関係C1、C2、A3、A4を結合する。そして、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、図14(c)に示すように、(5)接続関係A1、A2、C3、C4を結合する。最後に、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、図14(d)に示すように、(6)接続関係A1、A2、B3、B4を結合し、4ポート校正器30を9ポートテストセット10から外し、また取りつけて、(7)接続関係C1、C2、B3、B4を結合する。
ところが、本発明の実施形態におけるネットワークアナライザ1が伝送トラッキング導出部8を備えているため、図15に示すように、接続関係の結合は、(1)接続関係A1、A2、A3、A4の結合、(2)接続関係B1、B2、B3、B4の結合、(3)接続関係C1、C2、C3、C4の結合、の三種類ですむ。他の結合(点線で図示)にかかるEt(伝送トラッキング)は、(1)、(2)、(3)の結合にかかるEt(伝送トラッキング)から導出することができる。
図16は、Et(伝送トラッキング)の導出法の原理を説明するための図である。ここで、説明の便宜上、図16(a)に示すように、ネットワークアナライザ1を2ポート結合器36に直接に接続するものとする。送受信用ポート1aは2ポート結合器36のポート1と、送受信用ポート1bは2ポート結合器36のポート2と、送受信用ポート1cは2ポート結合器36のポート3と、送受信用ポート1dは2ポート結合器36のポート4とが接続されているものとする。
図16(a)を参照して、ポート1とポート2とを接続することにより伝送トラッキングEt12が測定できる。ただし、Etijは、ポートiに接続された送受信ポートから信号が送信され、この送信信号がポートjに接続された送受信ポートにより受信されるときの伝送トラッキングを意味する。さらに、ポート1とポート3とを接続することにより伝送トラッキングEt13が測定できる。ポート2とポート3とを接続することにより伝送トラッキングEt23が測定できる。ポート1とポート4とを接続することにより伝送トラッキングEt14が測定できる。
ここで、Et24をポート2とポート4とを接続することなく導出できる。Et34も、ポート3とポート4とを接続することなく導出できる。これは、Etik/Etjk=(kに関係なく一定)という定理に基づく。ただし、i≠jであり、k≠i、k≠jであるものとする。例えば、Et24/Et14 =Et23/Et13である。Et14、Et23、Et13は既に測定してあるため、Et24を導出できる。
図16(b)は、Et24の導出法を図示したものである。Et24は、ポート2からポート4へ向かう矢印として表される。ポート2からポート4へ向かうためには、ポート2からポート3へ向かい(Et23)、ポート3からポート1へ向かい(Et13の逆)、ポート1からポート4へ向かう(Et14)ようにしてもよい。これは、Et24が、Et14、Et23、Et13から導出できることと合致する。すなわち、ポート2からポート4へ向かう矢印として表されるEt24を、ポート2からポート4へ到達するような他の矢印三本(ポート2からポート3へ向かう矢印、ポート1からポート3へ向かう矢印(逆方向)、ポート1からポート4へ向かう矢印)を用いて求めることができる。
図15を参照して、例えば、接続関係A2と接続関係B3との結合についてのEt(伝送トラッキング)は、図16を参照して説明した方法を適用すれば、接続関係A2と接続関係A1との結合についてのEt、接続関係B1(=A1)と接続関係B2との結合についてのEt、接続関係B2と接続関係B3との結合についてのEtから導出できることがわかる。このように、Etの始点および終点である接続関係A2および接続関係B3以外の二つの接続関係A1、B2を用いて、Etを導出できることがわかる。
また、接続関係A2と接続関係C3との結合についてのEt(伝送トラッキング)は、接続関係A2と接続関係A1との結合についてのEt、接続関係B1(=A1)と接続関係B2との結合についてのEt、接続関係C2(=B2)と接続関係C3との結合についてのEtから導出できることがわかる。このように、Etの始点および終点である接続関係A2および接続関係C3以外の二つの接続関係B1、C2を用いて、Etを導出できることがわかる。
ネットワークアナライザ1の伝送トラッキング決定部7は、(1)、(2)、(3)の結合にかかるEt(伝送トラッキング)を決定する。測定結果が、どの結合についてのEtであるかは、9ポートテストセット接続関係取得部6から与えられた接続関係により判明する。
伝送トラッキング導出部8は、伝送トラッキング決定部7により決定された(1)、(2)、(3)の結合にかかるEtに基づき、上記のような導出法を使用して、決定されていないEtを導出する。
次に、本発明の実施形態の動作を図17のフローチャートを参照して説明する。
まず、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つを、9ポートテストセット10のポート接続部12a、12b、12cを操作することにより実現する(S10)。主ポート群14aにおける接続関係は、A1、A2と、B1、B2と、C1、C2との三種類がある。このうちの一つ、例えば、A1、A2を実現する。
次に、副ポート群14b、14cにおける接続関係のうちの一つを、9ポートテストセット10のポート接続部12a、12b、12cを操作することにより実現する(S12)。副ポート群14b、14cにおける接続関係は、A3、A4と、B3、B4と、C3、C4との三種類がある。このうちの一つ、例えば、A3、A4を実現する。
そして、4ポート校正器30を9ポートテストセット10のDUT側ポートに接続する(S14)。A1、A2およびA3、A4が実現された場合、DUT側ポートTP1が校正用ポート32aに、DUT側ポートTP2が校正用ポート32bに、DUT側ポートTP4が校正用ポート32cに、DUT側ポートTP7が校正用ポート32dに接続される。すなわち、ネットワークアナライザ側ポートNP1、NP2、NP3、NP4に接続されているDUT側ポートを校正用ポート32a、32b、32c、32dに接続する。
そして、ネットワークアナライザ1は、信号を送信する。そして、R(送信信号パラメータ)、Ta、Tb、Tc、Td(受信信号パラメータ)を測定する(S16)。R、Ta、Tb、Tc、Tdの測定の際の、4ポート校正器30の動作は、先に説明した通りである。校正用ポート32a、32b、32c、32dに接続されているDUT側ポート(ネットワークアナライザ側ポートにも接続されている)における2ポートの組み合わせを一つづつ実現し、最終的には6種類全てを実現することになる。
ここで、主ポート群14aにおける接続関係の全てを実現したか否かを判定する(S18)。まだ、実現していないものがあれば(S18、No)、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つの実現(S10)に戻る。これにより、例えば、以下のような接続関係の結合についてR、Ta、Tb、Tc、Tdが測定されることになる。
まず、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つ、A1、A2を実現し(S10)、副ポート群14b、14cおける接続関係のうちの一つ、A3、A4を実現する(S12)。これにより、(1)接続関係A1、A2、A3、A4の結合(図15参照)、について、R、Ta、Tb、Tc、Tdが測定される(S16)。
次に、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つ、B1、B2を実現し(S10)、副ポート群14b、14cおける接続関係のうちの一つ、B3、B4を実現する(S12)。これにより、(2)接続関係B1、B2、B3、B4の結合(図15参照)、について、R、Ta、Tb、Tc、Tdが測定される(S16)。
最後に、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つ、C1、C2を実現し(S10)、副ポート群14b、14cおける接続関係のうちの一つ、C3、C4を実現する(S12)。これにより、(3)接続関係C1、C2、C3、C4の結合(図15参照)、について、R、Ta、Tb、Tc、Tdが測定される(S16)。
ここまで行なえば、主ポート群14aにおける接続関係の全て(A1、A2と、B1、B2と、C1、C2との三種類)を実現したことになる(S18、Yes)。
主ポート群14aにおける接続関係の全てを実現したならば(S18、Yes)、伝送トラッキング決定部7が、R、Ta、Tb、Tc、Tdの測定結果および9ポートテストセット接続関係取得部6により取得された接続関係に基づき、Et(伝送トラッキング)を決定する(S20)。
伝送トラッキング導出部8は、伝送トラッキング決定部7により決定された(1)、(2)、(3)の結合にかかるEtに基づき、上記のような導出法を使用して、決定されていないEtを導出する(S22)。
本発明の実施形態によれば、主ポート群14aにおける接続関係のうちの一つ(例えばA1、A2)と、副ポート群14b、14cおける接続関係のうちの一つ(例えばA3、A4)との組み合わせについてEt(伝送トラッキング)を、伝送トラッキング決定部7が決定する。
しかも、Et(伝送トラッキング)の測定は、主ポート群14aにおいて実現可能な接続関係の全て(A1、A2と、B1、B2と、C1、C2との三種類)について行なわれる。例えば、図15を参照して、(1)A1、A2と、A3、A4との組み合わせ、(2)B1、B2と、B3、B4との組み合わせ、(3)C1、C2と、C3、C4との組み合わせ、についてEt(伝送トラッキング)の測定が行なわれる。
この測定されたEt(伝送トラッキング)に基づき、伝送トラッキング導出部8が測定されていないEtを導出する。例えば、接続関係A2と接続関係B3との結合についてのEt(伝送トラッキング)は、Etの始点および終点である接続関係A2および接続関係B3以外の二つの接続関係A1、B2を用いて導出する。
このようにして、Et(伝送トラッキング)を測定あるいは導出するため、4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着の回数は3回ですむ。伝送トラッキング導出部8によるEt(伝送トラッキング)の導出が無ければ、7回(図14参照)の脱着が必要であることと比較すれば、脱着の回数を少なくできる。
4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着は、ネットワークアナライザ1の送受信ポート1a、1b、1c、1dにおける2ポートを選んで直結するために行なわれる。4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着の回数が少なくなったため、ネットワークアナライザ1の送受信ポート1a、1b、1c、1dにおける2ポートを選んで直結するための労力も軽減されることになる。
また、上記の実施形態は、以下のようにして実現できる。CPU、ハードディスク、メディア(フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROMなど)読み取り装置を備えたコンピュータのメディア読み取り装置に、上記の各部分(例えば9ポートテストセット接続関係取得部6、伝送トラッキング決定部7、伝送トラッキング導出部8)を実現するプログラムを記録したメディアを読み取らせて、ハードディスクにインストールする。このような方法でも、上記の実施形態を実現できる。
本発明の実施形態にかかるネットワークアナライザ1が使用される測定系の構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係るネットワークアナライザ1の構成を示したブロック図である。
9ポートテストセット10の構成を示す図である。
どのネットワークアナライザ側ポートが、どのDUT側ポートに接続しているかという接続関係の取り得る状態を示す図である。
ネットワークアナライザ側ポートと、DUT側ポートとの接続関係の例を示す図である。
DUT20の構成の一例を示す機能ブロック図である。
測定系の校正を行なうための構成を示す図である。
4ポート校正器30の構成を示すブロック図である。
サブ校正器34aの構成を示すブロック図である。
送受信用ポート1aと1bとがDUT20により結合された状態を示すシグナルフローグラフである。
校正用ポート32aをサブ校正器34aに接続した状態を示すシグナルフローグラフである。
送受信用ポート1aと1bとを結合した状態を示すシグナルフローグラフである。
測定系において決定すべきEt(伝送トラッキング)を決定するために必要な接続関係の結合を示す図である。
4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着の態様を示す図である(伝送トラッキング導出部8が無いと仮定した場合)。
4ポート校正器30の9ポートテストセット10に対する脱着の態様を示す図である。
Et(伝送トラッキング)の導出法の原理を説明するための図である。
本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
従来技術にかかる被測定物(DUT)の回路パラメータの測定法を説明するための図である。
周波数f1=f2の場合の信号源110に関するシグナルフローグラフである。
信号源110と受信部120とを直結した場合のシグナルフローグラフである。
符号の説明
1 ネットワークアナライザ
1a、1b、1c、1d 送受信用ポート
2 信号源
2a 信号出力部
2b ブリッジ
2c レシーバ(R)(送信信号測定手段)
4a、4b、4c、4d ブリッジ
5a、5b、5c、5d レシーバ(受信信号測定手段)
6 9ポートテストセット接続関係取得部
7 伝送トラッキング決定部
8 伝送トラッキング導出部
10 9ポートテストセット
12a、12b、12c ポート接続部
NP1〜NP4 ネットワークアナライザ側ポート
TP1〜TP9 DUT側ポート
14a 主ポート群
14b、14c 副ポート群
20 DUT
30 4ポート校正器
32a、32b、32c、32d 校正用ポート
36 2ポート結合器

Claims (10)

  1. ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の前記被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つの前記ネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、前記被測定物側ポートは、前記ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、
    前記ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートと、
    前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、前記主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、前記送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定手段と、
    前記伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、前記伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出手段と、
    を備えたネットワークアナライザ。
  2. 請求項1に記載のネットワークアナライザであって、
    前記伝送トラッキング導出手段は、前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の他の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを導き出すために、導出対象の伝送トラッキングの始点および終点の接続関係以外の接続関係を二つ用いる、
    ネットワークアナライザ。
  3. 請求項1または2に記載のネットワークアナライザであって、
    前記主ポート群は、2個の前記ネットワークアナライザ側ポートに接続される3個の前記被測定物側ポートを有し、
    前記副ポート群は、1個の前記ネットワークアナライザ側ポートに接続される3個の前記被測定物側ポートを有し、
    前記副ポート群が2個存在する、
    ネットワークアナライザ。
  4. 請求項1または2に記載のネットワークアナライザであって、
    前記送受信用ポートにより送信される送信信号に関する送信信号パラメータを、前記測定系誤差要因の生ずる前に測定する送信信号測定手段と、
    前記送受信用ポートにより受信された受信信号に関する受信信号パラメータを測定する受信信号測定手段と、
    を備えたネットワークアナライザ。
  5. 請求項4に記載のネットワークアナライザであって、
    前記受信信号は、前記送信信号が反射された反射信号を含む、
    ネットワークアナライザ。
  6. ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の前記被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つの前記ネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、前記被測定物側ポートは、前記ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザの伝送トラッキングを測定するための伝送トラッキング測定方法であって、
    前記ネットワークアナライザは、前記ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有し、
    前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の一つとの組み合わせを、前記主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて実現する接続関係実現工程と、
    前記接続関係実現工程において一つの組み合わせが実現した際に、前記ネットワークアナライザ側ポートに接続されている前記被測定物側ポートにおける2ポートの組み合わせの結合を全て実現する被測定物側ポート結合工程と、
    前記送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号を測定する信号測定工程と、
    前記信号測定工程の測定結果に基づき、前記被測定物側ポート結合工程により実現された結合についての伝送トラッキングを決定する伝送トラッキング決定工程と、
    前記伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、前記伝送トラッキング決定工程により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出工程と、
    を備えた伝送トラッキング測定方法。
  7. 請求項6に記載の伝送トラッキング測定方法であって、
    前記被測定物側ポート結合工程は、4個のポートにおける2個の組み合わせを全て結合可能な4ポート校正器を使用して実現される、
    伝送トラッキング測定方法。
  8. ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の前記被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つの前記ネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、前記被測定物側ポートは、前記ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、前記ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析方法であって、
    伝送トラッキング決定手段が、前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、前記主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、前記送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定工程と、
    伝送トラッキング導出手段が、前記伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、前記伝送トラッキング決定手段により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出工程と、
    を備えたネットワーク解析方法。
  9. ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の前記被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つの前記ネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、前記被測定物側ポートは、前記ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、前記ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、前記主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、前記送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定処理と、
    前記伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、前記伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. ネットワークアナライザ側ポートと、被測定物に接続される被測定物側ポートと、複数の前記被測定物側ポートのうちのいずれか一つを選択して、一つの前記ネットワークアナライザ側ポートに接続するポート接続手段とを有し、前記被測定物側ポートは、前記ネットワークアナライザ側ポートとの接続関係が独立して設定可能な主ポート群および副ポート群を構成するテストセットに接続されるネットワークアナライザであって、前記ネットワークアナライザ側ポートと1対1に接続し、信号を送受信するための送受信用ポートを有するネットワークアナライザによりネットワークを解析するネットワーク解析処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体であって、
    前記主ポート群において実現可能な前記接続関係の一つと、前記副ポート群において実現可能な前記接続関係の一つとの組み合わせについて伝送トラッキングを、前記主ポート群において実現可能な接続関係の全てについて、前記送受信用ポートにより送信される前の信号および受信された信号に基づき決定する伝送トラッキング決定処理と、
    前記伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキング以外の伝送トラッキングを、前記伝送トラッキング決定処理により決定された伝送トラッキングに基づき導き出す伝送トラッキング導出処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体。
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