JP2005273474A - 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法 - Google Patents

回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005273474A
JP2005273474A JP2004084698A JP2004084698A JP2005273474A JP 2005273474 A JP2005273474 A JP 2005273474A JP 2004084698 A JP2004084698 A JP 2004084698A JP 2004084698 A JP2004084698 A JP 2004084698A JP 2005273474 A JP2005273474 A JP 2005273474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
pump
rotors
seal member
timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004084698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4652708B2 (ja
Inventor
Takuya Fukitsuke
拓也 吹附
Hitoshi Mizutani
仁 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004084698A priority Critical patent/JP4652708B2/ja
Publication of JP2005273474A publication Critical patent/JP2005273474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4652708B2 publication Critical patent/JP4652708B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】 回転式ポンプを完全に停止させるのではなく、動作させつつも放熱ができるようにする。
【解決手段】 トロコイドポンプを駆動するに際し、シール部材がアウターギアおよびインナーギアに押し付けられるタイミングと、押し付けられないタイミングとを設ける。すなわち、アウターギアおよびインナーギアと第2のサイドプレートとの間のシール性を確保できるが摩擦熱が発生するタイミングと、シール性が確保できないが放熱を行えるタイミングとを切り替える。このようにすれば、トロコイドポンプを駆動し続けられ、ブレーキ装置の動作を続けることが可能になることから、ブレーキ装置の性能向上を図ることが可能となる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、流体の吸入・吐出を行う回転式ポンプを備えたポンプ装置に関し、特にトロコイドポンプ等の内接歯車ポンプを用いるブレーキ装置に適用して好適である。
トロコイドポンプ等の内接歯車型の回転式ポンプは、外周に外歯部を備えたインナーロータ、内周に内歯部を備えたアウターロータ、及びこれらアウターロータとインナーロータを収納するケーシング等から構成されている。インナーロータ及びアウターロータは、内歯部と外歯部とが互いに噛み合わさり、これら互いの歯によって複数の空隙部を形成した状態でケーシング内に配置されている。
インナーロータとアウターロータの両中心軸を通る線をポンプの中心線とすると、この中心線を挟んだ両側において、ケーシングには上記複数の空隙部と連通する吸入口や吐出口が備えられている。
そして、ポンプ駆動時には、インナーロータの中心軸を駆動軸として、この駆動軸を介してインナーロータが回転運動し、それに伴って外歯部と内歯部の噛合によりアウターロータも同方向へ回転する。このときに、それぞれの空隙部の容積がアウターロータ及びインナーロータが1回転する間に大小に変化して吸入口からオイルを吸入し、吐出口でオイルを吐き出すようになっている。
このような回転式ポンプは、高圧なオイルを圧送するようになっているため、インナーギアおよびアウターギアとケーシングとの間の隙間からの液洩れが問題となる。この洩れを低減するために、ケーシングの内壁面にシール部材を配置すると共に、回転式ポンプから吐出されたオイルの圧力をケーシング側に加えることで、シール部材がインナーギアおよびアウターギアの端面側に押し付けられるようにしている。
特開2003−201973号公報
しかしながら、上述のようにシール部材をインナーギアおよびアウターギアの端面側に押し付ける場合、摩擦による熱が発生し、回転式ポンプやオイルが高温化することになる。このため、回転式ポンプやオイルの熱許容値を超えてしまうと、回転式ポンプの吐出を停止して放熱時間を設けなければならなかった。
本発明は上記点に鑑みて、回転式ポンプを完全に停止させるのではなく、動作させつつも放熱ができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ポンプ室を形成するケーシング(50、71〜73)と、ケーシング内に配置され、内外周のいずれかに歯部(51a、52a)が形成された第1、第2のロータ(51、52)を有してなり、第1、第2のロータの互いの歯部を噛合わせることによって複数の空隙部(53)を形成し、第1、第2のロータの回転によって、空隙部内に液体を吸入すると共に、該吸入された液体を空隙部外に吐出するように構成された回転式ポンプ(10c)を備えたブレーキ装置であって、ケーシングと第1、第2のロータとの間に配置されたシール部材(55)と、ケーシングに形成され、シール部材を第1、第2のロータに押し付けるために、回転式ポンプの吐出した液体の圧力をシール部材に伝える圧力導入通路(72b)と、圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整する調圧弁(10d〜10g)とを備えていることを特徴としている。
このような構成のブレーキ装置を用いれば、調圧弁によって液体の圧力を調整することにより、シール部材が第1、第2のロータに対して押し付けられる圧力を調整することが可能となる。
そして、請求項2に示されるように、回転式ポンプを駆動するタイミングに、第1、第2のロータを回転させ続けると共に、調圧弁によって圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整することで、シール部材が第1、第2のロータに対して押し付けられるタイミングと押し付けられないタイミングとを切り替えることができる。
例えば、請求項3に示されるように、回転式ポンプもしくは液体が熱許容量を超える前には、シール部材が第1、第2のロータに対して押し付けられるようにし、それ超えると想定されるときには、シール部材が第1、第2のロータに対して押し付けられないようにすることができる。
このようにすれば、第1、第2のロータとケーシングとの間のシール性を確保できるが摩擦熱が発生するタイミングと、シール性が確保できないが放熱を行えるタイミングとを切り替えることができる。これにより、回転式ポンプを駆動し続けながら回転式ポンプの放熱を行うことができ、ブレーキ装置の動作を続けることが可能になる。したがって、ブレーキ装置の性能向上を図ることが可能となる。
請求項4または5に記載の発明は、回転式ポンプを駆動するタイミングにおいては、第1、第2のロータを回転させ続けると共に、調圧弁によって圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整することで、シール部材が第1、第2のロータに対して第1の圧力で押し付けられるタイミングとそれよりも弱い第2の圧力で押し付けられるタイミングとを切り替えることを特徴としている。
このように、放熱の際には、シール部材が第1、第2のロータに対して第1の圧力で押し付けられないようにするのではなく、放熱が行える程度の第2の圧力で押し付けられるようにすることも可能である。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態が適用される回転式ポンプとしてのトロコイドポンプを備えたブレーキ装置のブレーキ配管概略図を示す。本実施形態のブレーキ装置は、例えば、右前輪FR−左後輪RL、左前輪FL−右後輪RRの各配管系統で構成されたX配管の油圧回路を備える前輪駆動の4輪車に適用されるものであるが、各配管系統が同じ構成となっていることから、右前輪FR−左後輪RLに制動力を発生させるための第1配管系統のみ図示してあり、第2配管系統に関しては省略してある。
図1に示すように、ブレーキペダル1は倍力装置2と接続されており、この倍力装置2によりブレーキ踏力等が倍力される。
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ(以下、M/Cという)3に伝達するプッシュロッド等を有しており、このプッシュロッドがM/C3に配設されたマスタピストンを押圧することによりM/C圧を発生させる。また、このM/C3には、M/C3内にブレーキ液を供給したり、M/C3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。これらブレーキペダル1、倍力装置2、M/C3及びマスタリザーバ3aがブレーキ液圧発生手段に相当する。
そして、M/C圧は、アンチロックブレーキ装置(以下、ABSという)を介して右前輪FR用のホイールシリンダ(以下、W/Cという)4及び左後輪RL用のW/C5へ伝達される。これらW/C4、5が制動力発生手段を構成する。
以下、右前輪FR及び左後輪RL側についてのみ説明を行うが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様であるため、これらについての説明は省略する。
ブレーキ装置には、M/C3に接続される管路(主管路)Aが備えられており、この管路Aには比例制御弁(PV:プロポーショニングバルブ)22が備えられている。この比例制御弁22によって管路Aは2部位に分けられている。すなわち管路Aは、M/C3から比例制御弁22までの間においてM/C圧を受ける管路A1と、比例制御弁22から各W/C4、5までの間の管路A2に分けられる。
比例制御弁22は、通常、正方向にブレーキ液が流動する際には、ブレーキ液の基準圧を所定の減衰比率をもって下流側に伝達する作用を有している。そして、図1に示すように、比例制御弁22を逆接続する場合には、管路A2側が基準圧となる。
また、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、一方にはW/C4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはW/C5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
これら増圧制御弁30、31は、図示しないABS用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、M/C圧あるいは後述するポンプ部10のブレーキ液の吐出によるブレーキ液圧を各W/C4、5に加えることができるようになっている。
なお、ABS制御が実行されていないノーマルブレーキ時には、これら第1、第2の増圧制御弁30、31は常時連通状態に制御されている。また、増圧制御弁30、31には、それぞれ安全弁30a、31aが並列に設けられており、ブレーキ踏み込みを止めてABS制御が終了したときにW/C4、5側からブレーキ液を排除するようになっている。
また、第1、第2の増圧制御弁30、31と各W/C4、5との間における管路Aとリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路Bには、ABS用のECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33がそれぞれ配設されている。これらの減圧制御弁32、33はノーマルブレーキ状態(ABS非作動時)では、常時遮断状態とされている。
管路Aの比例制御弁22と増圧制御弁30、31とリザーバ20のリザーバ孔20aとを結ぶ管路(補助管路)Cにはポンプ部10が安全弁10a、10bに挟まれて配設されている。また、このポンプ部10は、後述するようにトロコイドポンプ(図3参照)を備えており、ABS用のECUにより駆動されるモータ11によってトロコイドポンプが駆動されることで、ブレーキ液の吸入吐出動作を行うようになっている。
また、ポンプ部10から吐出されたブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうちポンプ部10の吐出側にはダンパ12が配設されている。そして、リザーバ20とポンプ部10の間と、M/C3とを接続するように管路(補助管路)Dが設けられており、ポンプ部10はこの管路Dを介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路Cを介して管路A2へ吐出することによってW/C4、5におけるW/C圧をM/C圧よりも高くして車輪制動力を高められるようになっている。
なお、比例制御弁22はこの際のM/C圧とW/C圧との差圧を保持する。また、このときの管路Dから伝えられる液圧により、管路Cからリザーバ20へ逆流しないように管路C及び管路Dの接続部とリザーバ20の間には逆止弁21が配設されている。さらに、この管路Dには制御弁34が設けられ、この制御弁34により、管路Dはノーマルブレーキ時には常時遮断状態とされ、ポンプ部10にて管路A1のブレーキ液を汲み取る際に連通状態とされるようになっている。
また、管路A2のうち、比例制御弁22と増圧制御弁30、31との間には制御弁40が備えられている。制御弁40は、ABS用のECUによって駆動される2位置弁で構成され、ノーマルブレーキ時には連通状態にされているが、M/C圧が所定圧よりも低いときにW/C4、5を急加圧して急ブレーキをかける場合に遮断される。これにより、M/C3側とW/C4、5側との差圧を保つことでブレーキ力を高めるブレーキアシストの役割を果たす。また、この制御弁40は、トラクション制御時にも遮断され、この場合にもM/C3側とW/C4、5側との差圧を保つようになっている。
次に、ポンプ部10の詳細について説明する。
図2は、ポンプ部10の構成を示した模式図である。この図に示されるように、ポンプ部10は、トロコイドポンプ10cと複数の調圧弁10d〜10fとを備えて構成されている。
まず、ポンプ部10におけるトロコイドポンプについて、図3(a)、(b)を参照して説明する。
図3(a)は、トロコイドポンプ10cの断面模式図、図3(b)は、図3(a)のA−A矢視断面図である。
トロコイドポンプ10cは、ケーシング50、アウターギア51およびインナーギア52を備えて構成されている。
ケーシング50によってロータ室が形成され、このロータ室内に、アウターロータ51及びインナーロータ52がそれぞれの中心軸(図中の点Xと点Y)が偏心した状態で組付けられて収納されている。
アウターロータ51は内周に内歯部51aを備えており、インナーロータ52は外周に外歯部52aを備えている。これらアウターロータ51とインナーロータ52とが互いの歯部51a、52aによって複数の空隙部53を形成して噛み合わさっている。そして、インナーロータ52の回転トルクをアウターロータ51に伝えるために、インナーロータ52とアウターロータ51とは複数の接触点を有して構成されている。
また、図3(b)に示されるように、ケーシング50は、両ロータ51、52を両側から挟むように配置される第1のサイドプレート部71及び第2のサイドプレート部72と、これら第1、第2のサイドプレート部71、72間に配設され、アウターロータ51及びインナーロータ52を収容する孔が設けられた中央プレート部73とから構成されており、これらによってロータ室50aが形成される。
また、第1、第2のサイドプレート71、72の中心部には、ロータ室内と連通する中心孔71a、72aが形成されており、これら中心孔71a、72aにはインナーロータ52に固定された駆動軸54が嵌入されている。そして、アウターロータ51及びインナーロータ52は、中央プレート部73の孔内において回転自在に配設される。つまり、アウターロータ51及びインナーロータ52で構成される回転部は、ケーシング50のロータ室内に回転自在に組み込まれ、アウターロータ51は点Xを軸として回転し、インナーロータ52は点Yを軸として回転するようになっている。
さらに、第1のサイドプレート71のうち、駆動軸54を挟んだ左右には、ロータ室へ連通する吸入口60と吐出口61が形成されている。この吸入口60及び吐出口61は、複数の空隙部53に連通する位置に配設されている。そして、吸入口60を介して外部からのブレーキ液を空隙部53内に吸入すると共に、吐出口61を介して空隙部53内のブレーキ液を外部へ吐出することができるようになっている。
そして、第2のサイドプレート72とアウターギア51およびインナーギア51との間には、これらの間のシール性を確保するためのシール部材55が配置されている。第2のサイドプレート72のうち、シール部材55を挟んでアウターギア51およびインナーギア51の反対側には、圧力導入通路72bが設けられている。この圧力導入通路72bを通じて、トロコイドポンプ10cが突出した高圧なブレーキ液が複数の調圧弁10d〜10fによって調圧されて導入されるようになっている。
続いて、ポンプ部10に備えられる複数の調圧弁10d〜10fについて説明する。
図2に示されるように、複数の調圧弁10d〜10fは、トロコイドポンプ10cの吐出側において、それぞれ並列的に接続されている。複数の調圧弁10d〜10fは、遮断状態と上下流の差圧に応じて開閉する差圧状態との2位置に制御される2位置弁で構成され、ABS制御用のECUによって駆動される。複数の調圧弁10d〜10fが差圧状態の際に開閉するために必要とされる差圧値、すなわち調圧弁10d〜10fのバネ定数は、それぞれ異なる値に設定されている。
そして、このような構成の複数の調圧弁10d〜10fの下流側が管路A2側に接続されていると共に、複数の調圧弁10d〜10fとトロコイドポンプ10cとの間がトロコイドポンプ10cにおける圧力導入通路72bに接続された構成となっている。
このような構成により、トロコイドポンプ10cにおける吐出側の高圧なブレーキ液が複数の調圧弁10d〜10fによって調圧され、圧力導入通路72bに圧送されるようになっている。具体的には、ABS制御用のECUにより、複数の制御弁10b〜10dのいずれか1つが差圧状態、他のものが遮断状態とされることで、複数の制御弁10b〜10dのうち差圧状態にされたものの差圧設定値に応じて、圧力導入通路72bに伝えられるブレーキ液の圧力が調整されるようになっている。
そして、この複数の制御弁10b〜10dの下流側におけるブレーキ液の圧力が圧力導入通路72bを通じてシール部材55に加えられる。これにより、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52側に押し付けられ、アウターギア51およびインナーギア52と第2のサイドプレート72との間のシール性が確保できるようになっている。
次に、このように構成されたブレーキ装置及びトロコイドポンプ10cの作動について説明する。
まず、ノーマルブレーキ時には、ドライバがブレーキペダル1を踏み込んだときの当力に応じたM/C圧がM/C3に発生させられる。この圧力が管路A1に伝えられると、比例制御弁22によって管路A2の圧力が管路A1に対して所定の比率増加された値となり、その圧力が制御弁40よび増圧制御弁30、31を介してW/C4、5に伝えられ、W/C4、5に対するW/C圧となる。これにより、各車輪に制動力が発生させられることになる。
また、大きな制動力を必要とするブレーキアシスト時、例えばブレーキ踏力に対応した制動力が得られない場合やブレーキペダル1の操作量が大きい場合、若しくはトラクション制御時等には、制御弁34が適宜連通状態にされる。これにより、管路Dを通じて、M/C3内のブレーキ液がトロコイドポンプ10cによって吸入可能となる。
そして、トロコイドポンプ10cにおいては、モータ11の駆動により駆動軸54の回転に応じてインナーロータ52が回転運動し、それに伴って内歯部51aと外歯部52aの噛合によりアウターロータ51も同方向へ回転する。このとき、それぞれの空隙部53の容積がアウターロータ51及びインナーロータ52が1回転する間に大小に変化するため、吸入口60からブレーキ液が吸入され、吐出口61から管路A2に向けてブレーキ液が吐出される。
このように、トロコイドポンプ10cはロータ51、52が回転することによって吸入口60からブレーキ液を吸入し、吐出口61からブレーキ液を吐出するという基本的なポンプ動作を行う。
このようにして、トロコイドポンプ10cから高圧なブレーキ液が吐出されると、それによってW/C圧が増圧される。したがって、ブレーキアシスト時にはノーマルブレーキ時より大きな制動力が発生され、トラクション制御時等には、M/C圧が発生していなくても制動力が発生させられるようになっている。
このような作動を行うにあたり、本実施形態のブレーキ装置では、トロコイドポンプ10cを以下のように駆動している。
図4(a)は、本実施形態のブレーキ装置におけるトロコイドポンプ10cの駆動形態を示すタイミングチャートであり、図4(b)は、従来のブレーキ装置におけるトロコイドポンプの駆動形態を示すタイミングチャートである。図4(a)では、トロコイドポンプ10c(すなわちモータ11)のオンオフに加え、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられるときの圧力について示してある。また、図4(b)では、トロコイドポンプ(すなわちモータ)のオンオフについて示してある。
従来では、図4(b)に示されるように、トロコイドポンプを駆動するタイミングにおいて、トロコイドポンプまたはブレーキ液が熱許容量を超えると考えられる状態になった場合には、トロコイドポンプを停止(ポンプ駆動回転数=0)させている。
これに対し、本実施形態では、図4(a)に示されるように、トロコイドポンプ10cを駆動するタイミングには、トロコイドポンプまたはブレーキ液が熱許容量を超える状態になったとしても、トロコイドポンプ10cを常に回転させたままの状態に保つようにしている。
そして、それに加えて、ABS制御用のECUによって複数の調圧弁10d〜10fの弁位置を調整し、圧力導入通路72bに伝えられるブレーキ液の圧力を調整することで、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられるタイミングと、押し付けられないタイミングとを切り替えるようにしている。
例えば、トロコイドポンプ10aまたはブレーキ液が熱許容量を超える前には、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられ、熱許容量を超えると考えられるタイミングに合わせて、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52が押し付けられないように切り替えている。
このようにすれば、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられなくなるため、摩擦熱がほぼ発生しなくなる。このため、トロコイドポンプ10cによる吸入・吐出を停止させなくても、トロコイドポンプ10cを放熱させることが可能となる。
したがって、トロコイドポンプ10cを駆動し続けられるために、ブレーキ装置の動作を続けることが可能になると共に、トロコイドポンプ10cを駆動するためのモータ11の回転入り切り時の立上がり、立下げ時間の短縮を図ることが可能となる。また、トロコイドポンプ10cを駆動し続けることにより、放熱時にもブレーキ液を流動させた状態にできるため、より効率良く放熱を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態におけるブレーキ装置によれば、トロコイドポンプ10cを駆動するに際し、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられるタイミングと、押し付けられないタイミングとを設けている。すなわち、アウターギア51およびインナーギア52と第2のサイドプレート72との間のシール性を確保できるが摩擦熱が発生するタイミングと、シール性が確保できないが放熱を行えるタイミングとを切り替えられるようにしている。
このため、トロコイドポンプ10cを駆動し続けられ、ブレーキ装置の動作を続けることが可能になることから、ブレーキ装置の性能向上を図ることが可能となる。そして、トロコイドポンプ10cの流量検査やトルク検査などの検査時間を短縮することが可能となるため、それによる設備費低減を図ることが可能となる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、放熱を行う際には、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられないようにしている。しかしながら、必ずしも完全に押さえつけられないようにする必要はない。すなわち、放熱を行わないタイミングには、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に第1の圧力で押し付けられ、放熱を行うタイミングには、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に第1の圧力よりも弱い第2の圧力で押し付けられるようにしても良い。この場合、トロコイドポンプ10cの放熱が行われる程度に弱い圧力に第2の圧力を設定することになる。
なお、ここでいう第2の圧力としては、圧力導入通路72bを通じて導入されるブレーキ液の圧力によって発生させられるものの他、シール部材55の弾性力によるセルフシール等も考えられる。
また、上記実施形態では、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52と第2のサイドプレート72との間にのみ配置される例を示したが、もちろん、アウターギア51およびインナーギア52と第1のサイドプレート71との間に配置されるもの、両方に配置されるものに関しても、本発明を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、複数の調圧弁10d〜10fを備えることにより、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられる状態と押し付けられない状態とが切り替えられるようにしている。しかしながら、これは単なる一例であり、例えば、図5に示されるように、1つの自動可変式の調圧弁10gを用いて、圧力導入通路72bに導入されるブレーキ液の圧力を調整し、シール部材55がアウターギア51およびインナーギア52に押し付けられる状態と押し付けられない状態とが切り替えられるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、回転式ポンプがブレーキ装置に適用される場合について説明したが、他のポンプ装置、例えば燃料供給に用いられるフューエルポンプ装置に適用されるような場合に関しても、本発明を適用することができる。
本発明の第1実施形態におけるブレーキ装置の配管構成を示す図である。 ポンプ部の概略構成を示した図である。 図1に示されるブレーキ装置に備えられるトロコイドポンプを示した図であり、(a)は、トロコイドポンプの概略断面図、(b)は、(a)のA−A断面図である。 (a)は、図1に示すブレーキ装置におけるトロコイドポンプの駆動形態を示すタイミングチャートであり、(b)は、従来のブレーキ装置におけるトロコイドポンプの駆動形態を示すタイミングチャートである。 他の実施形態で説明するポンプ部の概略構成を示した図である。
符号の説明
10…ポンプ部、10c…トロコイドポンプ、10d〜10f…調圧弁、
50…ケーシング、51…アウターロータ(第1のロータ)、51a…内歯部、
52…インナーロータ(第2のロータ)、52a…外歯部、53…空隙部、
54…駆動軸、55…シール部材、60…吸入口、61…吐出口、
71、72…第1、第2のサイドプレート、72b…圧力導入通路、
73…中央プレート。

Claims (5)

  1. ポンプ室を形成するケーシング(50、71〜73)と、
    前記ケーシング内に配置され、内外周のいずれかに歯部(51a、52a)が形成された第1、第2のロータ(51、52)を有してなり、
    前記第1、第2のロータの互いの歯部を噛合わせることによって複数の空隙部(53)を形成し、
    前記第1、第2のロータの回転によって、前記空隙部内に液体を吸入すると共に、該吸入された液体を前記空隙部外に吐出するように構成された回転式ポンプ(10c)を備えたポンプ装置であって、
    前記ケーシングと前記第1、第2のロータとの間に配置されたシール部材(55)と、
    前記ケーシングに形成され、前記シール部材を前記第1、第2のロータに押し付けるために、前記回転式ポンプの吐出した液体の圧力を前記シール部材に伝える圧力導入通路(72b)と、
    前記圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整する調圧弁(10d〜10g)とを備えていることを特徴とするポンプ装置。
  2. 請求項1に記載のポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法であって、
    前記回転式ポンプを駆動するタイミングにおいては、前記第1、第2のロータを回転させ続けると共に、前記調圧弁によって前記圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整することで、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して押し付けられるタイミングと押し付けられないタイミングとを切り替えることを特徴とするポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法。
  3. 前記回転式ポンプもしくは液体が熱許容量を超える前には、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して押し付けられるようにし、それ超えると想定されるときには、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して押し付けられないようにすることを特徴とする請求項2に記載のポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法。
  4. 請求項1に記載のポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法であって、
    前記回転式ポンプを駆動するタイミングにおいては、前記第1、第2のロータを回転させ続けると共に、前記調圧弁によって前記圧力導入通路に圧送される液体の圧力を調整することで、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して第1の圧力で押し付けられるタイミングとそれよりも弱い第2の圧力で押し付けられるタイミングとを切り替えることを特徴とするポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法。
  5. 前記回転式ポンプもしくは液体が熱許容量を超える前には、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して前記第1の圧力で押し付けられるようにし、それ超えると想定されるときには、前記シール部材が前記第1、第2のロータに対して前記第2の圧力で押し付けられるようにすることを特徴とする請求項4に記載のポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法。
JP2004084698A 2004-03-23 2004-03-23 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法 Expired - Fee Related JP4652708B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084698A JP4652708B2 (ja) 2004-03-23 2004-03-23 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004084698A JP4652708B2 (ja) 2004-03-23 2004-03-23 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005273474A true JP2005273474A (ja) 2005-10-06
JP4652708B2 JP4652708B2 (ja) 2011-03-16

Family

ID=35173427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004084698A Expired - Fee Related JP4652708B2 (ja) 2004-03-23 2004-03-23 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4652708B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60147786U (ja) * 1984-03-13 1985-10-01 小松ゼノア株式会社 歯車式油圧回転装置
JPH038608U (ja) * 1989-06-15 1991-01-28
JPH038609U (ja) * 1989-06-15 1991-01-28
JPH0310008U (ja) * 1989-06-15 1991-01-30
JPH0988843A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Mayekawa Mfg Co Ltd トロコイド式流体機械
JP2000145659A (ja) * 1998-11-12 2000-05-26 Toyota Motor Corp 内接ギヤポンプ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60147786U (ja) * 1984-03-13 1985-10-01 小松ゼノア株式会社 歯車式油圧回転装置
JPH038608U (ja) * 1989-06-15 1991-01-28
JPH038609U (ja) * 1989-06-15 1991-01-28
JPH0310008U (ja) * 1989-06-15 1991-01-30
JPH0988843A (ja) * 1995-09-22 1997-03-31 Mayekawa Mfg Co Ltd トロコイド式流体機械
JP2000145659A (ja) * 1998-11-12 2000-05-26 Toyota Motor Corp 内接ギヤポンプ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4652708B2 (ja) 2011-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8851578B2 (en) Rotary pump device and vehicle brake control system
JP4007080B2 (ja) ブレーキ装置用回転式ポンプ
US8708670B2 (en) Structure for coupling rotary shafts and pump device of rotary type
JP4508083B2 (ja) 回転式ポンプを用いた車両用ブレーキ装置
JP5169655B2 (ja) 回転式ポンプおよびそれを備えたブレーキ装置
JP5952723B2 (ja) 回転式ポンプおよびそれを備えたブレーキ装置
JP3899785B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
US6402266B1 (en) Vehicle brake apparatus with rotary pump
JP4654658B2 (ja) ブレーキ装置用回転式ポンプ
JP3697880B2 (ja) 回転式ポンプを備えた油圧回路及びこの油圧回路を用いたブレーキ装置
JP5973871B2 (ja) 回転式ポンプおよびそれを備えたブレーキ装置
JP3960176B2 (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP4652708B2 (ja) 回転式ポンプを備えたポンプ装置およびポンプ装置における回転式ポンプの駆動方法
JP2000054968A (ja) ポンプ装置
JPH10299669A (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP3849254B2 (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを用いたブレーキ装置
JPH10299671A (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP2015148206A (ja) 回転式ポンプ
JP4221843B2 (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP2007263116A (ja) 回転式ポンプ及びその回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP2014125907A (ja) 回転式ポンプおよびそれを備えたブレーキ装置
JP3835226B2 (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JP3738568B2 (ja) 回転式ポンプを備えたブレーキ装置
JPH10205459A (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを用いたブレーキ装置
JPH10299668A (ja) 回転式ポンプ及び回転式ポンプを備えたブレーキ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091224

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20100204

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20100326

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101111

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101216

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4652708

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131224

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees