JP2005272016A - エンボスキャリアテープ用シート - Google Patents

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Kenji Miyagawa
健志 宮川
Mikio Shimizu
美基雄 清水
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Denka Co Ltd
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Abstract

【課題】高速実装に適したエンボスキャリアテープおよびエンボスキャリアテー
プ用シートを提供する。
【解決手段】シートのJIS−K−7128−3による引裂強度を105N/m
m以上とすることにより高速実装性に優れるでエンボスキャリアテープ用シート
を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明はチップ部品、IC、電子部品等を包装するエンボスキャリアテープの材料として使用されるエンボスキャリアテープ用シートに関する。
チップ部品、IC、電子部品等の包装形態としてインジェクショントレー、真空成形トレー、マガジン、エンボスキャリアテープなどが使用されており、特に実装の効率化を目的としエンボスキャリアテープが広く使用されている。しかしながら、近年電子部品は複雑化、精密化、小型化が進み、また電子部品の包装及び実装の高速化も進んでおり、高速実装時にエンボスキャリアテープが破断してしまうという問題がある。
本発明はかかる問題点を解決するものである。発明者等はこのエンボスキャリアテープの破断のメカニズムを解析した結果、破断はエンボスポケットのフランジコーナー部もしくはスプロケットホール部からの引裂によって生じることを解明し本願にいたった。
すなわち本発明はJIS−K−7128−3による引裂強度が105N/mm以上であるエンボスキャリアテープ用シートである。
JIS−K−7128−3による引裂強度が105N/mm以上であるエンボスキャリアテープ用シートは、高速実装に好適に用いることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のシートはJIS−K−7128−3による引裂強度が105N/mm以上でなければならず、好ましくは115N/mm以上である。引裂強度が105N/mm未満ではエンボスキャリアテープとした際にスプロケットホール部若しくはポケット上部のフランジコーナーから引き裂かれるように破断が生じ易くなる。
シートの肉厚はJIS−K−7128−3による引裂強度が105N/mm以上であれば特に限定されないが、好ましくは0.1〜3.0mmの範囲である。全体の肉厚が0.1mm未満ではシートを成形して得られるポケット部の包装容器としての強度が不足し、3.0mmを超えると圧空成形、真空成形、熱板成形等の成形が困難となる。
また、構造は単層であっても二層以上からなる複層であっても特に限定されない。好ましい構造としては単層で全体が導電性を有するものがある。基材層を有し、少なくとも片方の表面に導電層を有するものも好ましい構造の一つである。最も好ましいのは基材層の両方の面に導電層を積層した3層構造のものである。
本発明のシートは電子部品と接触する少なくとも片面が導電性があることが好ましい。収納する電子部品の種類により本発明のシートは必ずしも導電性である必要はないが、多くの場合電子部品の静電気による破壊を防止するためにシートは導電性であることが望ましい。表面の導電性は1012Ω/□以下、好ましくは1012〜104Ω/□の範囲である。
導電性を付与するには導電層に導電性を有する樹脂、例えば熱可塑性樹脂とカーボンブラック、導電性無機充填材、導電性繊維等からなる導電性樹脂を用いるとよい。或いは、表面に帯電防止剤を用いたり、導電性樹脂と併用してもよい。
本発明のシートは熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂の他、スチレン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル等を主成分とする各種コポリマーが挙げられ、これらを単独若しくは複数使用することができる。また表皮層・基材層・表皮層の様に多層構成とする場合異なる樹脂を積層して使用することも可能である。これらの樹脂には導電性を出すために必要に応じてカーボンブラック等の導電フィラー、帯電防止剤、可塑剤などの加工助剤、各種補強剤の他、艶消し剤、無機フィラーなどを添加することが可能である。
上述の熱可塑性樹脂をシート状に加工する方法としては公知の押出成形、カレンダー成形等が挙げられ、更に多層化する際には複数の押出機によるフィードブロック法、マルチマニホールド法や押出ラミネート法、ドライラミネート法、グラビアコート等様々な手法を用いることが可能である。
シートを圧空成形、真空成形、熱板成形等の成形法によりエンボス状に成形す
ることによりエンボスキャリアテープとすることができる。
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
ポリカーボネート樹脂(表1中でPCと略記)であるパンライト L−1225(帝人化成社)、及びカーボンブラック(表1中でCBと略記)であるデンカブラック粒状(電気化学工業社、アセチレンブラック)20質量%を直径50mmベント式2軸押出機によって予め混練、ペレット化し導電性樹脂コンパウンドを得た。該導電性樹脂コンパウンドを使用し、直径65mm押出機(L/D=28)、及び500mm幅のTダイを用いて肉厚が300μmのシートを得た。更に該シートを24mm幅にスリットしEDG社製キャリアテープ成形機にてポケットサイズが12mm×15mm×5.5mmの24mm幅エンボスキャリアテープを得た。
実施例2
表皮層樹脂としてポリカーボネート樹脂であるパンライト L−1225(帝人化成社)、及びカーボンブラックであるケッチェンブラックEC(ライオンAKZO社)12質量%を直径50mmベント式2軸押出機によって予め混練、ペレット化し導電性樹脂コンパウンドを得た。該導電性樹脂コンパウンドとシート基材層用ABS樹脂テクノABS YT−346(テクノポリマー社)を使用し、直径65mm押出機(L/D=28)、直径40mm押出機(L/D=26)、及び500mm幅のTダイを用いたフィードブロック法により全体の肉厚が200μm、導電性樹脂組成物層の肉厚が両側30μmとなるような3層シートを得た。該シートを使用し実施例1と同様にしてエンボスキャリアテープを得た。
実施例3
ポリエチレンテレフタレート樹脂(表1中でPETと略記)を使用した以外は実施例1と同様にしてシート及びエンボスキャリアテープを得た。
実施例4
表皮層樹脂としてポリスチレン樹脂(表1中でPSと略記)であるトーヨースチロール E640N(東洋スチレン社)、及びケッチェンブラックEC(ライオンAKZO社)12質量%を直径50mmベント式2軸押出機によって予め混練、ペレット化して得た導電性樹脂コンパウンドを使用した以外は実施例2と同様にして肉厚が400μm、導電性樹脂組成物層の肉厚が両側30μmとなるような3層シートを得た。該シートを使用して実施例2と同様にしてエンボスキャリアテープを得た。
実施例5
スチレン-メチルメタクリレート共重合体樹脂(表1中でMSと略記)であるTP−URX(電気化学工業社)を使用した以外は実施例1と同様にして肉厚が500μmのシート、及びエンボスキャリアテープを得た。
比較例1
ポリスチレン樹脂であるトーヨースチロール E640N(東洋スチレン社)及びケッチェンブラックEC(ライオンAKZO社)18質量%を直径50mmベント式2軸押出機によって予め混練、ペレット化して得た導電性樹脂コンパウンドを得た。該コンパウンドを使用した以外は実施例1と同様にしてシート、及びエンボスキャリアテープを得た。
比較例2
スチレン-メチルメタクリレート共重合体樹脂 TP−SX(電気化学工業社)を使用した以外は実施例5と同様にして肉厚が500μmのシート、及びエンボスキャリアテープを得た。
比較例3
基材層樹脂としてポリスチレン樹脂トーヨースチロール HRM20(東洋スチレン社)を使用した以外は実施例4と同様にしてシート、及びエンボスキャリアテープを得た。
比較例4
基材層樹脂としてポリスチレン樹脂トーヨースチロール HRM20(東洋スチレン社)を使用した以外は実施例2と同様にしてシート、及びエンボスキャリアテープを得た。得られたシート引裂強度をJIS−K−7128−3により測定するとともに、エンボスキャリアテープをオートグラフ引張試験にてチャック間を32mmとし引張速度10cm/分の速度で引張試験を行った評価結果を表1に示す。
各実施例では60N以上のキャリアテープの強度が得られたが、比較例では50N未満となった。また実施例、比較例の各エンボスキャリアテープについて部品実装タクトが0.1sec/部品の実装機を使用しエンボス100ポケット分の実装テストを行ったところ、各実施例についてはエンボスキャリアテープが破断するトラブルは発生しなかったが、各比較例ではエンボスキャリアテープが破断するトラブルが発生した。
Figure 2005272016



Claims (6)

  1. JIS−K−7128−3による引裂強度が105N/mm以上であるエンボスキャリアテープ用シート。
  2. 少なくとも片方の表面の表面抵抗値が1012Ω/□以下である、請求項1のシート。
  3. 単層シートである請求項2のシート。
  4. 複層である請求項2のシート。
  5. 基材層と導電性の表皮層を有する請求項4のシート。
  6. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシートからなるエンボスキャリアテープ。
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