JP2004082497A - 表面導電性複合プラスチックシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂又はポリカーボネート系樹脂から選ばれた少なくとも一種類以上の熱可塑性樹脂からなるもので、JIS−K−7113における引張弾性率が1500MPa以上2600MPa未満であるシート基材の片面若しくは両面に、ポリスチレン系樹脂と導電性カーボンブラックを主成分としたものからなり、その表面抵抗値が1×103Ω/□以上、1×1010Ω/□未満である表面導電層を積層してなる表面導電性複合プラスチックシート。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物よりなる基材層と導電性を有する表面層からなる積層体で、帯電防止性を有し、かつ、機械的強度に優れ、チップ型電子部品の保管、輸送、装着に際し、チップ型電子部品をチリなどの汚染物から保護し、電子回路基盤に実装するために整列させ、スムーズに高速で取り出せる機能を有する包装体のうち、収納ポケットを形成したエンボスキャリヤテープに適した表面導電複合プラスチックシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からICやICを用いた電子部品の包装形態としてインジェクショントレー、真空成型トレー、マガジン、エンボスキャリヤテープ等が使用されている。エンボスキャリヤテープに収納され、搬送、保管される場合は、蓋材であるカバーテープでシールし供給される。このエンボスキャリヤテープは、帯電防止効果や機械的強度が要求され、内容物であるIC等の重量が比較的大きいためエンボスキャリヤテープのポケット強度すなわち成形前シートの引張弾性率が大きくなければならない。本用途に用いられるシート材料としては、例えば、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。中でも環境問題及び軽量化の点で比重の小さいスチレン系樹脂が好ましく使用されている。しかしながら、スチレン系樹脂にカーボンブラックを分散したシートでは、帯電防止効果や成形性は良好であるが、耐衝撃性等の機械的強度が不十分である。表層又は/及び裏層面はスチレン系樹脂と導電性カーボンブラックを主成分とした導電性樹脂よりなるもの、基材層には汎用ABS樹脂を使用したものが使用されているが、特にエンボスキャリヤテープのポケットが大きいものでは更なる高強度を要求されており、従来のポリスチレン系シートでは満足するものがなかった。また、近年は環境問題等の影響をうけ省資源化などの観点から、エンボスキャリヤテープにおける必要特性がほぼ同じで、使用するシートの薄肉要求が高まっている。
【0003】
また、ICの薄肉化に伴ない、それを保護する為に微細な形状を有するエンボスキャリヤテープが増えており、金型形状の復元性を高める為にエンボスキャリヤテープにおける必要特性がほぼ同じで、使用するシートの薄肉化要求が高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題を解決したものであり、特定の樹脂組成よりなる引張弾性率の大きい基材層および導電性を有するポリスチレン系樹脂表面層とを積層することにより、様々な形状のエンボスキャリヤテープに加工した場合においても、帯電防止性、機械強度、ポケット強度等に優れた従来より薄肉化が可能な表面導電性複合プラスチックシートを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂又はそのポリマーアロイからなり、JIS−K−7113による引張弾性率が1500MPa以上2600MPa未満であるシート基材層の片面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と導電性カーボンブラックを主成分とする表面導電層を積層してなり、その表面抵抗値が1×103Ω/□以上、1×1010Ω/□未満であることを特徴とする表面導電性複合プラスチックシートである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明においては、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂又はそのポリマーアロイがシート基材層として使用される。
【0007】
本発明でシート基材層として用いられるシートの引張弾性率としては、1500MPa以上2600MPa未満である。より好ましくは1600MPa以上2400MPa以下である。引張弾性率が下限値より小さくなると十分なポケット強度が得られず、上限値を超えると剛性が高くなり過ぎ、すなわち、硬くなり過ぎて、エンボスキャリヤテープをリールに巻く際の反発が大きくリールに巻き難くなる。
【0008】
本発明で使用するポリスチレン系樹脂とは一般のポリスチレン系樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、スチレンとメチルメタクリレートとの共重合樹脂及びこれらの混合物を主成分とするものである。ABS系樹脂とはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレンの三成分を主体とした共重合体を主成分とするものである。本発明で使用するAS系樹脂とは、一般的なスチレンとアクリルニトリルの共重合体である。
【0009】
また本発明で使用するポリカーボネート系樹脂とは、脂肪族ポリカーボネート、芳香族ポリカーボネート、脂肪―芳香族ポリカーボネート等である。一般には、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルホン、スルフィドまたはスルホキサイド系等のビスフェノール類からなる重合体、若しくは共重合体であり、目的に応じてハロゲンで置換されたビスフェノール類を用いた重合体も含まれる。
【0010】
また、表面導電層に使用される導電性カーボンブラックは、比表面積が大きく、π電子捕捉不純物が少ないアセチレンブラック、ファーネブラック、ケッチェンブラック等が好ましく用いられる。また、添加量は表面に用いられるポリスチレン系樹脂100重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部である。1重量部未満では十分な導電効果が得られず表面抵抗値が上昇してしまい、また、50重量部を超えると樹脂との均一性、成形性、流動性、機械的強度等が著しく低下するため好ましくない。また、表面抵抗値が1×1010Ω/□を超えると十分な帯電防止効果が得られず、1×103Ω/□未満では導電性が良すぎて外部で発生した静電気に対して内容物であるIC等を破壊する恐れがあるため好ましくない。
【0011】
本発明のシート基材層および導電層には、必要に応じて流動性や力学的特性を改善するために、滑剤、可塑剤、加工助剤、相容化剤及び補強剤等の各種添加剤や樹脂等を添加することが可能である。
本発明により、シート基材層に引張弾性率が1500MPa以上2600MPa未満の樹脂を用いたシートを成型することで、高い表面導電性を有し、しかも、従来品に比べ薄肉化、強いポケット強度を持ったエンボスキャリヤテープを提供することが可能となった。また、従来品より薄肉化したシートを使用出来る為、微細な形状を有するエンボスキャリヤテープを成形し、提供することが可能となった。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
<実施例1>
導電層としては、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(A&Mスチレン(株)製、HT516)90wt%、スチレンとブタジエンの共重合体樹脂(旭化成工業(株)製、タフプレン125)8wt%、エチレンと酢酸ビニルの共重合体樹脂(三井デュポン(株)製、エバフレックスV406)2wt%の合計100重量部に対して導電性カーボンブラック(電気化学工業(株)製、デンカブラック(粒状))22重量部をバンバリーにて混練し、押出機にてストランドカットでペレット化したものを使用した。シート基材層としてABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製、サンタックGT−10)を使用し、導電層とシート基材層との積層は、20mmφの押出機2台を用いた2種3層のフィードブロック方式のシーティング設備にて共押出にて行った。複合シートの層構成比率を、導電層:シート基材層:導電層=5:90:5とし、厚み0.2mmのシートを得た。
またこれとは別に、引張弾性率測定用サンプルとして、シート基材層のみで厚み0.2mmの単層シートを押出機により作製した。
【0013】
<実施例2>
シート基材層としてABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製、クララスチックGA−101)を用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.2mmの複合シート及びシート基材層のみの単層シートを得た。
<実施例3>
シート基材層としてPC樹脂(住友ダウ(株)製、カリバー301−4)60wt%とABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製、サンタックMT−81)40wt%とのポリマーアロイを用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.2mmの複合シート及びシート基材層のみの単層シートを得た。
<実施例4>
シート基材層としてPC/ABSアロイ樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、ユーピロンMB2206)を用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.2mmの複合シート及びシート基材層のみの単層シートを得た。
【0014】
<比較例1>
シート基材層としてABS樹脂(日本エイアンドエル(株)製、サンタックMT−81)を用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.2mmの複合シート及びシート基材層のみの単層シートを得た。
<比較例2>
シート基材としてAS樹脂(旭化成工業(株)製、スタイラック767)を用いた以外は実施例1と同様にして厚み0.2mmの複合シート及びシート基材層のみの単層シートを得た。
【0015】
実施例1〜4、比較例1、2で得られた表面導電性複合プラスチックシートの表面抵抗値及び引張降伏点応力、並びにシート基材層の引張弾性率測定結果を表1に示した。試験法としては表面抵抗値(JIS―K―6911)、引張弾性率(JIS−K−7113)、引張降伏点応力(JIS―K―6734)で行った。
さらに、実施例1〜4、比較例1、2で得られた表面導電性複合プラスチックシートを圧空成形により、縦14mm×横16mm×深さ3mmのポケット形状を有するエンボスキャリヤテープを成形し、作製したポケット強度の評価を行った。
ポケット強度に関しては、エンボスキャリヤテープのポケットを1mm/minで圧縮し、つぶれ始めた値で評価した。巻き状態は、エンボスキャリヤテープ成形後、リールに巻いた際に、ポケットつぶれや巻き反発等の異常がないものを○、多少異常はあるが製品として問題はないものを△、異常により使用できないものを×とした。
【0016】
【表1】
*1:シート基材層の0.2mm厚み単層シートでの値。
* その他は、複合シートでの値
【0017】
【発明の効果】
本発明により、表面導電性を有し、しかも、従来品に比べ薄く、強いポケット強度を持ったエンボスキャリヤテープを提供することが可能となった。
Claims (1)
- ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、AS系樹脂及びポリカーボネート系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂又はそのポリマーアロイからなり、JIS−K−7113による引張弾性率が1500MPa以上2600MPa未満であるシート基材層の片面又は両面に、ポリスチレン系樹脂と導電性カーボンブラックを主成分とする表面導電層を積層してなり、その表面抵抗値が1×103Ω/□以上、1×1010Ω/□未満であることを特徴とする表面導電性複合プラスチックシート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002246163A JP2004082497A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 表面導電性複合プラスチックシート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002246163A JP2004082497A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 表面導電性複合プラスチックシート |
Publications (1)
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JP2004082497A true JP2004082497A (ja) | 2004-03-18 |
Family
ID=32054116
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002246163A Pending JP2004082497A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 表面導電性複合プラスチックシート |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004082497A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006264043A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 多層シート及びそれよりなる電子部品搬送用容器 |
-
2002
- 2002-08-27 JP JP2002246163A patent/JP2004082497A/ja active Pending
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JP2006264043A (ja) * | 2005-03-23 | 2006-10-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 多層シート及びそれよりなる電子部品搬送用容器 |
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