JP2005269993A - シュー皮用品質改良材及びシュー皮 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シュー皮がサクサクとした歯切れの良い食感となり、且つフィリング充填に適した適度な硬さとなり、さらにフィリング充填後もサクサクとした歯切れのよい食感を持続することができる品質改良材、及び、このような性質をシュー皮を提供することを課題とする。
【解決手段】 卵殻粉からなるシュー皮用品質改良材及びシュー皮全体の乾燥重量に対して、卵殻粉を0.2%〜5%含有してなるシュー皮を提供する。
【選択図】 なし
Description
しかし、シュー皮はオーブンで焼成した後しばらく保管すると空気中の水分を吸収してしまう。そのために、サクサクとした歯切れの良い食感が失われたり、また、適度な硬さを失いフィリング充填用の口金が差し込みにくくなってしまうという問題があった。さらに、シュー皮にカスタードクリーム、生クリーム、チョコレートクリーム等のフィリングを充填して保管すると、充填後の保管時間の経過とともに、フィリングの水分がシュー皮に移行し、シュー皮のサクサク感はさらに失われてしまうという問題もあった。
したがって、上記シュー皮の問題点を解決するために、フィリング充填前のシュー皮はもちろんのこと、フィリング充填後もサクサクとした歯切れの良い食感を持続するシュー皮の開発が求められている。
また、シュー皮を製造する技術としては、炭酸カルシウムを膨張剤としてシュー皮に含有させる技術(特許文献1及び2)、平均粒子径が20μm以下の増粘安定剤を含有させる技術(特許文献3)、サクサクとした軽い食感のシュー皮を調製するために、シュー皮生地に内部が空洞のカップ状耐熱容器を被せて焼成する技術(特許文献4)が提案されている。
さらに、製造直後及び保管後もサクサクとして歯切れがよく、且つ適度な硬さのあるシュー皮を得ることができるのでフィリング充填用の口金が差し込みやすくなり充填作業が容易となる。また、フィリング充填後もサクサクとした歯切れの良い食感を持続するシュー皮を得ることができるので、販売直前にフィリングを充填する必要がなくなるため、シュー皮の製品を販売する際の煩雑な作業が軽減される。
本発明のシュー皮用品質改良材は、卵殻粉からなる。卵殻粉からなる品質改良材は、シュー皮に添加すると、サクサクとした歯切れがよく、且つフィリング充填に適した適度な硬さのあるシュー皮及びフィリング充填後もサクサクとした食感を持続したシュー皮を得ることができる。
ここで、本発明で用いる卵殻粉は、鶏卵を割卵して卵黄と卵白を取り出し、洗浄、乾燥、粉砕したものであり、通常食品に用いられているものであればよい。卵殻粉の大きさは、特にこだわるものではないが、細かいほうがシュー生地と混ざりやすく、また、舌触りが滑らかとなるため、平均粒子径が20μm以下の粉末を用いると望ましく、10μm以下の粉末を用いるとより望ましい。
なお、本発明のシュー皮用品質改良材は、本発明の効果を損なわない範囲で、デキストリン、デキストリンアルコール、澱粉等の賦形剤や他の品質改良材を添加してもよい。
また、シュー皮に用いる小麦粉は、薄力粉、中力粉、強力粉、全粒紛等適宜用いてもよい。
まず、卵殻粉を用意する。卵殻粉は、卵を割卵して内容卵液を除去したのち、卵殻を粗粉砕し、卵殻膜を取り除いた後、よく洗浄して乾燥する。乾燥後の卵殻の水分含量は約5%以下になるようにするのが望ましい。次いでハンマーミル等の粉砕機にかけて微粉末化する。卵殻は、微粉砕にかける時間、回数により、卵殻微粉末の粒子径を調節することができる。卵殻粉の平均粒子径は20μm以下であると望ましく、10μm以下であるとより望ましい。
次に、シュー皮を調製する。シュー皮は、清水とバター、マーガリン等の油脂類とを加熱し油脂類を溶解させた後、加熱を止めて小麦粉、卵殻粉等の粉体を投入し、生地が滑らかとなるまで攪拌混合し、生地温度が 60℃程度以下になったら液卵を数回にわけて投入して攪拌混合し、生地が滑らかになったら、絞り口付きの袋に詰めて、天板に搾り出し、オーブン約200℃で20分間程度焼成して調製する。なお、清水と油脂類を加熱する方法は特に問うものではなく、直火、電子レンジ、オーブン等を用いてもよく、また、ここで用いる清水は牛乳等の乳製品や豆乳を用いてもよい。
また、焼成前のシュー生地にパイ生地やクッキー生地等を被せたりして焼成してもよい。
<実施例1>
なお、シュー皮乾燥重量全体に対して卵殻粉は1.7%であり、卵殻粉の平均粒子径は8μmであった。また、ここでの卵殻粉の平均粒子径の値は、島津製作所製、レーザー回析式粒度分布測定装置SALD-2000Aを用いて測定したメディアン径である。
得られたシュー皮はサクサクとして歯切れがよくて適度な硬さを有ししっかりしていたためカスタードクリームを充填しやすく、また、カスタードクリーム充填後もサクサクとした歯切れの良い食感であった。
卵殻粉の含有量を変更した以外は、実施例1と同様にしてシュー皮を調製した。シュー皮の乾燥重量に対する卵殻の含有量は1)0.1%、2)0.2%、3)0.5%、4)1.0%、5)1.7%、6)2.5%、7)5.0%、8)7.0%となるように調製した。
なお、対照として卵殻を含有していないシュー皮も同様にして調製した。
得られたシュー皮の粗熱を取った後24時間常温で保管し、保管後のシュー皮の破断応力及び圧縮距離を測定することにより、シュー皮の食感を調べた。
破断応力及び圧縮距離の測定値は、シュー皮をそのままレオメーター(不動工業社製)の台座に載せ、直径3mmの円柱プランジャーで6cm/minにて測定した値10個分の平均値である。圧縮距離は、プランジャーがシュー皮に接触してからシュー皮を破るまでに動いた距離であり、破断応力は、プランジャーがシュー皮を破るために必要とした力である。破断応力が大きいほどシュー皮が硬さを有していることになり、圧縮距離が短いほど、歯切れがよくサクサクとした食感となることを意味する。容積の測定値は、菜種を用いた容積置換法により測定したシュー皮の10個分の平均値であり、数値が大きいほどシュー皮がより膨らんでいることを意味する。
これに対して、卵殻を含有しているシュー皮(1)〜8))は、圧縮距離が短くて破断応力が大きくなっていることから、シュー皮が適度な硬さを有ししっかりとしていながらもサクサクとして歯切れがよいシュー皮になっていることがわかる、また、適度な硬さを有しているのでカスタードクリーム充填用の口金が刺さりやすくカスタードクリーム充填しやすく作業性が良好であった。
さらに、シュー皮全体の乾燥重量に対する卵殻の割合が0.2%以上、より望ましくは0.5%以上であると、破断応力が大きくなり圧縮距離が短いことからサクサクとして歯切れがよくより適度な硬さを有したしっかりとしたシュー皮が得られることがわかる。また、卵殻の含有量を多くしすぎるとシュー皮が膨張し難くなる傾向となることが読み取れるので、シュー皮全体の乾燥重量に対する卵殻の割合が5.0%以下であると望ましく、2.5%以下であるとより望ましい。
得られたシュー皮の粗熱を取った後、市販のカスタードクリームを1個40gとなるように充填し、5℃にて24時間保管し、保管後のシュー皮の圧縮距離を測定した。
圧縮距離の測定値は、5℃で保管したシュー皮をそのままレオメーター(不動工業社製)の台座にのせ、直径3mmの円柱プランジャーを用いて6cm/minにて測定した値10個分の平均値である。
これに対して、卵殻を含有しているシュー皮(1)〜8))は、圧縮距離が短いことから、シュー皮がサクサクとして歯切れがよいことがわかり、これはカスタードクリームの水分移行があまりなく、サクサクとして歯切れがよいシュー皮が保たれていることが推定できる。
さらに、シュー皮全体の乾燥重量に対する卵殻の割合が0.2%以上より望ましくは0.5%以上であると、圧縮距離がより短くなっていることから、よりサクサクとして歯切れの良いシュー皮が得られることが理解できる。
卵殻を含有したシュー皮と炭酸カルシウムを含有したシュー皮の食感を比較した。実施例1と同様の方法にて、卵殻を含有したシュー皮を調製し、また、比較品として、実施例1の卵殻を炭酸カルシウムに置き換えた他は、実施例1と同様にしてシュー皮を調製し、対照として、卵殻を含有しないシュー皮を調製した。
Claims (3)
- 卵殻粉からなるシュー皮用品質改良材。
- 卵殻粉を含有してなるシュー皮。
- シュー皮全体の乾燥重量に対して、卵殻粉を0.2%〜5%含有してなる請求項2記載のシュー皮。
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JP2004088449A JP4381194B2 (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | シュー皮 |
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JP2004088449A JP4381194B2 (ja) | 2004-03-25 | 2004-03-25 | シュー皮 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015136442A1 (en) * | 2014-03-12 | 2015-09-17 | Universidade De Aveiro | Formulations with hydrocolloids for the preparation of custard tarts ready for consuption by heating in microwave oven and process for their production |
-
2004
- 2004-03-25 JP JP2004088449A patent/JP4381194B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015136442A1 (en) * | 2014-03-12 | 2015-09-17 | Universidade De Aveiro | Formulations with hydrocolloids for the preparation of custard tarts ready for consuption by heating in microwave oven and process for their production |
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JP4381194B2 (ja) | 2009-12-09 |
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