JP5125472B2 - 蛋白質高含有焼き菓子生地又はパン生地の製造法 - Google Patents

蛋白質高含有焼き菓子生地又はパン生地の製造法 Download PDF

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Description

本発明は、蛋白質高含有焼き菓子生地又はパン生地の製造法、およびこれら生地を用いた焼き菓子又はパンに関する。
蛋白質素材は、スポーツマンにおける筋肉の増強や肥満者のシェイプアップ、手術後の栄養補給、食生活での栄養バランス改善などに利用されてきた。特に、大豆蛋白質は血清コレステロール値の正常化や血清脂質濃度の低減機能等の生理機能を有し、厚生労働省が認可する特定保健用食品の素材として用いられたり、アメリカ食品医薬品局(FDA)において心臓病のリスク低減に効果ある旨のヘルスクレームが認められるなど、健康に係る素材として広く認知され、食生活での大豆蛋白質成分の摂取のニーズは増加している。
このような蛋白質素材を高度に配合したビスケット、クッキーなど蛋白質高含有焼き菓子は、常温で保管でき、プロテインパウダーなどの粉末状食品のように水や牛乳などに溶かす必要が無いため、摂取簡便性および携帯性の点で優れている。また、蛋白質高含パンは主食として毎日継続して摂取がしやすい点で優れている。
かかる蛋白質高含有焼き菓子は、小麦粉等の澱粉性原料を主体とする生地に粉末状大豆蛋白や、組織状大豆蛋白などの蛋白質素材を配合した生地を焼成して得られるのであるが、蛋白質素材は一般に高い吸水性を有するため、調製直後の生地はある程度の成型適性を有するとしても、経時的に吸水が進み、ボソボソとしたまとまりの悪い生地となってしまう。またパン生地に粉末状大豆蛋白や、組織状大豆蛋白などの蛋白質素材を配合すると、高い吸水性を有するため小麦グルテン膜のつながりを悪くし、ボリュームが低下して固い食感となる。これを考慮して水を多く添加すると、生地がだれてしまう。
特許文献1は、生地にアルカリ土類金属等の蛋白不溶化剤を添加することにより、この問題を解決しようとするものである。
特許文献2は、加圧・加熱し圧力解除することにより膨化させた粒状の植物性蛋白質素材(パフ)を最大粒径2mm未満に粉砕して用いることにより、当該植物蛋白素材は加熱膨化により変性して水不溶性となるため、これを生地に配合する場合、ダマができずに生地への分散が良く、経時的な生地の変化も少なく作業性の低下が見られず、上記した問題を解決しうることを開示する。
特許文献3も特許文献2と同様であり、粉砕してパウダー状にした植物性蛋白質素材を焼き菓子生地に配合することを開示する。
しかしながら、かかるパフの粉砕品を製造するには、粒状にする工程に加え、これを粉砕する工程、さらに粉砕したものを粒径により分級する工程などが必要であり、各工程の設備が必要であるばかりか、歩留りも悪化するためどうしても高価な素材となってしまう。また、これを配合した焼き菓子やパンは、密度が高く硬く詰まったような歯切れの悪い食感となる点も好ましくない。
WO2006−106706号公報 特開2004−180516号公報 WO2005−096834号公報
従って、本発明は、蛋白質を高度に含有する焼き菓子やパンを製造する場合において、高価とならざるを得ないパフの粉砕品を配合することなく、低吸水性の生地を作成し、より好ましい食感の菓子やパンを得ることを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、蛋白質を多く含む生地を調製する際に、パフをそのまま又は水戻しして生地に混合することにより、パフの形状が崩れて生地に分散し、パフを乾燥状態で粉砕したものを配合した場合と同様の、低吸水性の生地を得られる知見を得た。そして、意外にも、パフを粉砕したものを配合した場合より優れた食感の菓子が得られることを見出して、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、1)パフを焼き菓子生地又はパン生地中に配合し、混合作業により、生地中のパフの平均粒径を1.5 mm以下に崩壊させることを特徴とする焼き菓子生地又はパン生地の製造法。2)パフを水戻しして配合する1記載の焼菓子生地又はパン生地の製造法。3)生地中のパフの平均粒径を0.25mm〜1.5mmに崩壊させる1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。4)生地にさらに粉末状大豆蛋白を配合する1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。5)パフを生地中2〜60重量%配合する1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。6)粉末状大豆蛋白を生地中2〜40重量%配合する5記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。7)生地の蛋白質含量が生地中8重量%以上である1〜6記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。8)粗蛋白含量が57重量%以上のパフを配合する1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。9)1〜8の何れか1に記載の生地を焼成した焼き菓子又はパン。を骨子とする。
本発明の方法により、高価とならざるを得ないパフの粉砕品を用いなくとも蛋白質を高度に配合した焼き菓子生地を得ることができ、経時的に吸水が進みボソボソとまとまりが悪くなるようなことがほとんどない。また、この生地を焼成することにより、優れた食感の蛋白質高含有焼き菓子を製造することができる。
本発明において焼き菓子とは、ビスケット、クッキー、クラッカー(乾パン、プレッツェルを含む)、ラスク、ウエハース、パイ、ケーキ等の焼き菓子を指し、小麦粉等の澱粉性原料を配合した焼き菓子生地を焼成したものが多いが、これらの菓子の名称や小麦粉の有無に関係なく、これらに類するものも含まれる。
本発明の焼き菓子生地又はパン生地は、パフを焼き菓子生地又はパン生地中に配合し、混合作業により、生地中のパフの平均粒径を1.5 mm以下に崩壊させることによって得られる。
本発明において、パフとは、蛋白質を含有する原料を加圧・加熱し膨化させたものを指す。具体的には、大豆蛋白などの蛋白原料及び澱粉、必要に応じその他の添加物を加え、エクストルーダーなどを用いて水系下に加圧・加熱し、押出して圧力解除することにより膨化させて得られる「組織状蛋白」や、ポンせんべいやばくだんあられなどの様に、蛋白質を含有する原料を必要により加水し、密閉性加圧膨化装置を用いて、100℃以上の高温・加圧条件下に投じ、加熱した後に、大気圧以下の密閉性装置外に放出させ、瞬間的に水分を蒸発させることにより、その水蒸気による膨張圧で植物性蛋白素材を膨化させて得られるものが例示できる。
パフの主原料としては、植物性および/又は動物性蛋白を含有する原料であれば任意に使用することができ、乳蛋白(粉乳、カゼイン、カゼインナトリウム、カゼインカルシウム、乳ホエー粉末、濃縮ホエー蛋白、等)、卵白蛋白、血清蛋白、コラーゲン蛋白(ゼラチン、チキンコラーゲン、ポークコラーゲン、フィッシュコラーゲン、等)、大豆蛋白(大豆粉、脱脂大豆、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白、全脂もしくは脱脂豆乳粉末、おから等)、小麦蛋白素材、およびこれらの分解物等が挙げられ、物性面や栄養の面から、単独または併用して使用することができる。中でも、大豆蛋白素材は、クリスピーで咀嚼しやすい食感になりやすく、特に、粗蛋白質含量が乾燥固形分中50重量%以上のものを用いることが好ましい。得られたパフを生地に混合した際の崩れ易さの点では、原料となる蛋白素材の0.22Mトリクロロ酢酸(TCA)可溶率はある程度高いのがよく、好ましくは乾燥重量あたり7%以上、より好ましくは10%以上〜30%のものを用いるのが良い。当該パフは、本出願人の特許出願PCT/2007/JP63219に記載した方法により製造することができる。
栄養成分、食感、味付け等のために、澱粉、食物繊維、糖類、ポリフェノール類、ビタミン類、ミネラル類、各種味付けのための素材などを副原料として使用することができる。
得られたパフの粗たん白質含量は、パフ重量あたり57重量%以上、好ましくは66重量%以上のものを用いるのが、本発明の目的とする蛋白質高含有焼き菓子生地又はパン生地および焼き菓子又はパンを得る上で好ましい。
パフの嵩比重は、0.4g/ml未満、好ましくは、0.3g/mlのものを用いると、生地に混合した際に生地中で原形を崩すことが容易となって好ましく、パフの粒径は、1mm〜15mm、好ましくは2mm〜10mmのものを用いると、原形が崩れたあとの生地中のパフの粒径を1.5mm以下に容易にすることができる。
パフの菓子生地又はパン生地への配合量は、菓子の種類、栄養価、品質に応じ、適宜設定すればよいが、少なすぎると蛋白質の栄養価が低くなるため、生地中2重量%以上、より好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上に設定することが適当である。上限は特にないが、極端に配合量が多すぎると生地を調製する際に、原形を崩すことが困難になるため、60重量%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは40%以下とすることが好ましい。
パフは、生地に配合し、生地中でパフの原形が崩れ、生地中のパフの平均粒径が1.5mm以下になるように混合することが必要である。例えば、配合中の液体あるいはペースト状原料をパフに接触させたり、或いはこれらをパフにスプレーしたりして、パフがやわらかくなったところで、生地にねりこみ、ミキサーやカッターで撹拌することで達成される。或いは、予め、パフを水に浸漬したり、蒸す等して水戻ししたものを用いてもよい。液体あるいはペースト状原料は流動性を有し水溶性のものであれば特に制限はなく、水、水溶液、油脂、乳化液、牛乳、豆乳、卵、液糖、フルーツピューレ、調味液等が挙げられる。
水戻しの方法としては、パフと液体原料を単に混合すればよい。パフの種類によっては数分から数十分あるいは数時間かかるものもある。水戻しの時間を短縮するには、加温した液体原料を使用する方法、水戻し中に加熱する方法が有効であり、場合によっては水戻しの時間をほとんどとらずに、混合と同時に原形を崩すことが可能である。加温した液体原料を使用する方法の場合の液体原料の温度は、容器の比熱や生地の調製工程全体を考慮し、可能な範囲でなるべく高いことが好ましい。すなわち、容器の比熱が大きい際には、品温が下がってしまい液体原料を加温する効果が出にくいため、液体を高温にする必要がある。また、クッキーなどの製造上、生地中の油脂が融解しては困る場合には浸漬後の品温を適度に抑える必要があるため、諸条件の許す範囲で高い温度に設定することが好ましい。
このようにして原形を崩したパフの平均粒径は、1.5mm以下であるべきであり、好ましくは、0.25mm〜1.5mmが良い。1.5mm以上であると、生地を調製した直後と60分後とで固さが変化しやすくなる。0.25mm未満であると、食感が詰まった傾向となり歯切れが劣った食感となる。
本発明では上記パフ以外に、粉末状の大豆蛋白を適宜配合することができる。粉末状の大豆蛋白を配合することにより、健康に係わる素材として広く認知されている大豆蛋白質を高度に配合した焼き菓子を得ることができる。
また、蛋白源以外の原料についても、菓子製造において通常使用される材料を特に限定されることなく適宜使用できる。例えば、小麦粉,米粉,トウモロコシ粉等の穀粉類、糖類、食物繊維類、油脂類、レシチン,サポニン,脂肪酸エステル等の乳化剤、牛乳,クリーム等の乳類、チョコレート、全卵,卵白,卵黄等の卵類、重曹,炭酸アンモニウム等の膨張剤、食塩,アミノ酸,シナモン等の調味料等が挙げられる。また、必要に応じてミネラル、ビタミン、機能性油脂等の栄養成分を添加してもよい。
以上のようにして、蛋白質含量が例えば生地中8重量%以上の焼き菓子生地又はパン生地を得ることができる。このように蛋白質が高度に含まれていても、良好な可塑性を有し、成型機への供給が可能な生地を得ることができる。さらに、この生地は、経時的な可塑性の変化が抑制されたものである。
生地の成型方法は特に限定するものではなく、例えば、食品工場において通常使用されるデポジット成型、ロータリーモールド成型、シート成型、押し出し成型、絞り出し成型等、生地の物性や焼き菓子様食品又はパンの品質に合わせ適宜設定すればよい。
成型された生地を焼成して蛋白質高含有焼き菓子又はパンを得ることができる。生地を焼成する装置としては、例えば、オーブン、マイクロ波加熱装置等、従来用いられているものを適宜選択すればよい。また、加熱条件は、加熱装置の機種や菓子の配合、水分、品質等に合わせて適宜設定すればよい。
上記のようにして得られた焼き菓子又はパンは、必要に応じ、粉糖等の粉末状食品や、ジャム、ソース、生クリーム、チョコレート等のペースト状食品を塗布したり、サンドしたり、飾り付けする等の様々な加工を施しても良い。また、上記のような生地と同様または別の生地を組み合わせて、複数の生地からなる組み合わせ菓子としても良い。 このようにして得られた焼き菓子又はパン生地は、持ち運びが容易で、生地の固さの経時変化が少なく連続生産に適する成型性を有し、低コストで簡便に蛋白質を補給することができる。中でも、クッキーのような干菓子を作ると、従来のように唾液を吸われたり歯に詰まったりすることのない、歯切れが良く好ましい食感の食品を製造することが可能になる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例中の「%」や「部」は、特に断りのない限り、「重量%」、「重量部」を示す。
(実施例1)
表1の配合に従って、シュガーバッター法により焼き菓子生地を調製した。ショートニング、マルトース、食塩を卓上ミキサーですりまぜ、粉末状分離大豆蛋白を加えて均一になるまで撹拌した。これに、予め大豆パフを表1の水と混合して30分おいて戻したものを加え、コラーゲン以下を順に加え、攪拌して生地を調製した。生地を調製するのに伴って容易にパフの原形が崩れた。ここで、粉末状分離大豆蛋白は「プロリーナ700」(不二製油(株)製。商品名)、コラーゲンは「マリンマトリックス」(焼津水産化学工業(株)製。商品名)、大豆パフは、TCAが19.8の分離大豆蛋白90部、澱粉9部、炭酸カルシウム1部を原料としエクストルーダにて水系下に加熱・加圧し押出して膨化したもので、蛋白蛋白質含量78%、嵩比重0.28g/ml、大きさは、4メッシュを通過し、8メッシュを通過しない画分が98.9%であるものを使用した。これは、本出願人の特許出願PCT/2007/JP63219に記載した方法に従って製造したものである。
(比較例1)
大豆パフ35部を水50部で戻したものに代えて、水50と大豆パフの原料として用いた粉末状分離大豆蛋白(乾燥重量あたりの素蛋白質含量85%)32部を順次加えた他は、実施例1と同様にして生地を調製した。
(比較例2)
大豆パフ35部を水50部で戻したものに代えて、水50と実施例1で用いた大豆パフを粉砕したもの35部を順次加えた他は、実施例1と同様にして生地を調製した。
調製直後の生地は、実施例1、比較例1〜2とも、成型可能な固さと結着性を有していた。また、調製後60分を経過した生地の場合も、調製直後と比較して特に大きな変化はなかったが、エクストルージョン工程を経た原料を用いた、実施例1、比較例2の方が比較例1より有意に生地のやわらかさが維持された。生地中の大豆パフの平均粒径は、実施例1が1.15mm、比較例2が0.22mmであった。測定方法は、後記する。
(実施例2)
表1の配合により生地を調製した。但し、製法が実施例1と異なる。すなわち、水は85℃のお湯を用い、先ずこれと大豆パフを卓上ミキサーで混ぜ、大豆パフをつぶした後、これにコラーゲンを加え、均一になるまで撹拌した。さらに、豆乳、マルトース、食塩、粉末状大豆蛋白、ショートニング、薄力粉、スパイス粉末を順次加え、均一になるまで撹拌して生地を調製した。配合は実施例1と同一であるが、お湯を使用し混合順を変更することで、実施例1のような浸漬時間をおかずにすぐ生地を調製できる。お湯の温度は高温なほどすばやく浸漬が進行するが、油脂が融けないよう、ショートニングなどの油脂を混合する時点までに35℃未満まで冷める温度に設定するのが望ましい。
実施例2の調製直後の生地は実施例1と同様、成型可能な固さと結着性を有していた。また、調製後60分を経過した生地の場合も、調製直後と比較して特に大きな変化はなく、生地のやわらかさが維持された。生地中の大豆パフの平均粒径は、0.34mmであった。
(実施例4)
生地中のパフの粒径を小さくする目的で、大豆パフを加えて均一にした後、コラーゲンを加えるまでに、3分間の攪拌操作を挿入した他は実施例1と同様にして生地を調製した。
(比較例3)
実施例1と同じ配合だが、大豆パフは、予め水で戻すことをせず、粉末状分離大豆蛋白を加えた後、水を加え、コラーゲン、豆乳を加え、均一にした後で、大豆パフを加え、薄力粉、スパイス粉末を加えて混合して生地を調製した。
この生地は、パフが原型を保っているために調製直後の吸水が少なく、やわらかすぎて生地の成型ができなかった。また、吸水が徐々に進行したため、生地の固さの変化が大きかった。このため、水分量を減らして成型可能な固さにした場合、60分以内に生地が固くなりすぎると推定される。
生地中の大豆パフの粒径は、使用した素材の粒径とほぼ同じで、3mmであった。
以上のようにして調製した生地を厚さ3mmのシート状に伸ばし、幅35mm、長さ67mmの長方形に成型し、160℃で35分間オーブンにて焼成した。このようにして得た焼き菓子について、翌日(24時間経過後)、パネラー5人で食感の評価を行ったところ、実施例1、2、4、比較例3ともぱりっとした適度な硬さと歯切れの良さを有していたが、実施例4は比較例2の方向に近づいたやや劣る食感であった。比較例1は歯切れが悪く、比較例2は硬くやや詰まったような歯切れの劣る食感であった。比較例3は、生地がやわらかすぎたため、厚さ3mm、直径48mmの円盤型にすりこんで成型したが、生地をすりきる際にパフがひっかかって、穴があいたり成型困難であった。
(実施例3)
表2の配合によりオールインミックス法で生地を調製した。表2に記載のすべての原料を卓上ミキサーに入れてすりまぜ、均一になってから1分間撹拌した。本配合の場合には、実施例1のような浸漬時間をおかずに大豆パフの形がくずすことができ、すぐ生地を調製できる。
調製直後の生地は実施例1と傾向は異なるが、成型可能な固さと結着性を有していた。また、調製後60分を経過した生地の場合も、調製直後と比較して特に大きな変化はなく、生地のやわらかさが維持された。
また、このようにして調製した生地を1個当たり5gに分割して丸め、押しつぶして円盤状に成型した。これを160℃で35分間焼成した。このようにして得た焼き菓子について、翌日、パネラー5人で食感の評価を行ったところ、実施例1と同様、歯切れが良く好ましい食感であった。
(粒径の測定法)
生地を厚さ3mmに伸ばして測定対象とし、デジタルマイクロスコープVHX-600((株)キーエンス製 実体顕微鏡)にて表面を観察し、パフの粒径を測定した。測定は1回につきランダムに10個の粒子を選択し、各粒子の最長径を測定してこれを平均した。以上の測定(測定対象の調製以降)を3回行った平均値を測定値とした。生地の色調により、パフが生地と同化して観察が困難である場合は、色素をを生地に配合し識別しやすしくした。
これらの結果から、生地中のパフの粒径が小さくなると食感がつまった傾向となるので、前述の測定法で0.25mm以上の粒子を含むことが望ましい。また、生地中のパフの粒径が大きくなると成型がしにくく方法が限られるため、1.5mm未満が望ましい。
Figure 0005125472
Figure 0005125472
本発明の方法により、高価とならざるを得ないパフの粉砕品を用いなくとも蛋白質を高度に配合した焼き菓子生地又はパン生地を得ることができ、経時的に吸水が進みボソボソとまとまりが悪くなるようなことがほとんどない。また、この生地を焼成することにより、優れた食感の蛋白質高含有焼き菓子又はパンを製造することができる。

Claims (7)

  1. 粗蛋白質含量が57重量%以上かつ、0.22Mトリクロロ酢酸(TCA)可溶率が乾燥重量あたり7%以上、嵩比重が0.4g/ml未満、粒径が2mm〜15mmであるパフを焼き菓子生地又はパン生地中に配合し、混合作業により、生地中のパフの平均粒径を1.5 mm以下に崩壊させることを特徴とする焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
  2. パフを水戻しして配合する請求項1記載の焼菓子生地又はパン生地の製造法。
  3. 生地中のパフの平均粒径を0.25mm〜1.5mmに崩壊させる請求項1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
  4. 生地にさらに粉末状大豆蛋白を配合する請求項1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
  5. パフを生地中2〜60重量%配合する請求項1記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
  6. 粉末状大豆蛋白を生地中2〜40重量%配合する請求項5記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
  7. 生地の蛋白質含量が生地中8重量%以上である請求項1〜6記載の焼き菓子生地又はパン生地の製造法。
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