JP2008125445A - 加熱加工食品 - Google Patents

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Yasunori Yagyu
康典 柳生
Yoshinori Sato
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Abstract

【課題】 生地が適度な乳化性、伸展性を有することにより作業性や機械耐性に優れたものであり、該生地を加熱加工して得られる食品であることから、気泡や焼きむらのない均一な組織を有するものであり、さらに、食味に優れ、しかも、その優れた食味を長期間維持できる加熱加工食品を提供することを課題とする。
【解決手段】 小麦粉を必須の材料として含有する生地を、加熱加工することにより得られる加熱加工食品であって、前記生地には、魚ゼラチンが加えられていることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱加工食品に関し、詳しくは、小麦粉を必須の材料として含有する生地を加熱加工することにより得られる加熱加工食品を対象にしている。
小麦粉を必須の材料として含有する生地を加熱加工することにより得られる加熱加工食品(以下、単に「加熱加工食品」ということがある)は、外気中の関係湿度が低い場合に、時間の経過とともに、水分が移行蒸散、すなわち離水し、失湿状態になる。これに伴い、デンプンの老化による生地の硬化や収縮、色沢の消失などが起こり、外観を損なうことはもちろん、食味が大きく劣化する。
加熱加工食品のこのような経時的劣化を抑制するための技術が種々提案されているが、そのうちの一つとして、保湿効果が高いトレハロースを加熱加工食品中において糖の一部として使用し、水分の移行蒸散、水分活性を抑えるという方法がある。
例えば、特許文献1では、低甘味で食品本来の色、風味などを損なうことなく、食品の水分活性を低下させ、離水防止効果をもたらす食品類の水分調整剤として、トレハロースを用いることができることが開示されている。
しかし、トレハロースは、経時的離水を抑制することはできるが、他方で、経時的な組織の硬化を生じてしまうことが知られており、食味に違和感があることが指摘されている。
また、別の方法として、トレハロースと同様に保湿効果の高い材料として、ゼラチンが知られている。
例えば、特許文献2では、基本配合原料の他にゼラチンを配合し、ホイップし、次いで焼成することにより、水分活性値を低下させてもしっとり感を有しているスポンジ菓子を製造する方法が開示されている。
特開平9−56342号公報 特開平4−311340号公報
特許文献2にあるように、ゼラチンは、水分活性値を低下させても食品にしっとり感をもたせることができる、保湿効果の高いものであり、実際に、加熱加工食品の材料としてゼラチンを用いれば、確かに、食品中の水分移行蒸散を抑え、経時的な離水を抑えることができる。しかし、従来用いられていたゼラチンは、牛または豚由来のゼラチンであって、経時的な離水の抑制などの効果は得られるものの同時に以下の問題点が発生してしまう。
すなわち、生地の粘性が過剰に増加するため、ゼラチン溶液として用いる場合には、添加の際に不均一にゲル化するおそれがあり、粉末タイプとしてゼラチンを用いる場合には、水分量や配合材料が限定されてしまったり、それらの見直しが必要となったりしてしまう。そして、粘性の増加に伴い、生地から空気が抜けにくくなるため、加熱加工中に気泡や焼きむらを生じやすいうえ、加熱加工後の食品には、歯への付着性が見られる。
特許文献2においても、ゼラチンの添加量は、1〜4重量%が好ましい旨が記載されており、併せて、4重量%以上では、仕込みの際に生地の比重が下がらず、焼成中における水分の蒸散が適当なものとならず、その結果できあがるスポンジ菓子は粘弾性を有するものとなって商品価値に著しい低下が生じる、と記載されていることからも、従来用いられていたゼラチンは、先に述べた、生地の粘性の過剰な増加に伴う問題点をもっていることが明らかといえる。
したがって、本発明の目的は、生地が適度な乳化性、伸展性を有することにより作業性や機械耐性に優れたものであり、該生地を加熱加工して得られる食品であることから、気泡や焼きむらのない均一な組織を有するものであり、さらに、食味に優れ、しかも、その優れた食味を長期間維持できる加熱加工食品を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた結果、加熱加工食品の材料としてゼラチンを用いるのであるが、該ゼラチンを従来用いられていた牛や豚由来のものではなく、魚由来のものとすることにより、ゼラチンに期待される加熱加工食品の長期の品質保持効果を奏することはもちろん、ゼラチンを用いることにより生じることが危惧されていた諸問題が解消された、優れた食味をもつ加熱加工食品を得ることができるとの着想を得て、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、小麦粉を必須の材料として含有する生地を加熱加工することにより得られる加熱加工食品であって、前記生地には、魚由来のゼラチン(以下、本明細書中では、「魚ゼラチン」という)が加えられていることを特徴とする加熱加工食品である。
前記魚ゼラチンの配合量が生地の総仕込み量に対して0.01〜10.0重量%であること、が好ましい。
前記加熱加工食品が、加熱加工後において、水分量10.0〜40.0重量%、水分活性値0.95以下であること、が好ましい。
本発明によれば、生地が適度な乳化性、伸展性を有することにより作業性や機械耐性に優れたものとなり、該生地を加熱加工することで、気泡や焼きむらのない均一な組織を有するものとなり、さらに食味に優れ、しかも、その優れた食味を長期間維持できる加熱加工食品を得ることができる。
本発明にかかる加熱加工食品は、特に限定されないが、例えば、発酵パン(食パン、コッペパンなど)、蒸しパン、ピザ生地、焼成菓子(スポンジケーキ、バターケーキ、シュー、タルト、ソフトクッキー、カステラ、おとし焼き、まんじゅう、どら焼きなど)、パン用ミックス粉もしくは液、ケーキ用ミックス粉もしくは液、などを挙げることができ、基本的には、焼成または蒸し焼きなどの加熱加工によって、小麦粉の胚乳から生成されるタンパク質の一種であるグルテンが、食品の骨格を作り上げるものである。
本発明にかかる加熱加工食品の主材料としては、前記したとおり、小麦粉が必須のものとして用いられ、その他にも、目的とする加熱加工食品の種類によって多少異なるが、糖類、卵製品、油脂類などが用いられる。
前記小麦粉は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉に分類されるが、目的とする食品の種類に応じて、例えば、食パン類には、強力粉や準強力粉、スポンジケーキやクッキーには中力粉や薄力粉というように適宜選択すればよい。
前記糖類としては、特に限定されないが、例えば、上白糖、グラニュー糖、三温糖、黒糖や、酸糖化水あめ、酵素糖化水あめ、粉末水あめなどの水あめ類、などが挙げられる。
卵製品としては、目的に応じて、全卵、卵白、卵黄、を使い分ければよく、液状卵、凍結卵、乾燥卵などの加工卵を用いることもできる。
油脂類としては、特に限定されないが、例えば、バターをはじめ、牛脂、豚脂などの動物性油脂、大豆油、ナタネ油、ヤシ油、パーム油などの植物性油脂が挙げられる。
本発明にかかる加熱加工食品の副材料には、魚ゼラチンが必須のものとして含まれるほか、本発明の効果を害しない範囲で、目的とする食品の種類に応じて、デンプン類、糊料類、膨張剤、乳化剤、着色料、調味料、香料などを用いることができる。さらに、本発明においては、保湿効果に優れた魚ゼラチンを用いていることから、従来の技術では困難であった、水や、果汁類、ピューレ類、乳類、各種調味料などの水分を含んだ副材料も使用できる。
前記魚ゼラチンは、サケ、マス、スケトウダラ、サメ、ホッケ、オヒョウなどの魚を用いて、その魚皮、魚鱗または魚骨から得ることができる。例えば、前記魚皮、魚鱗または魚骨などに、脱脂処理、魚ゼラチンの抽出処理を施したうえ、脱色、脱臭などの処理を適宜行なえばよい。
前記デンプン類としては、特に限定されないが、例えば、トウモロコシデンプン、サツマイモデンプン、バレイショデンプン、タピオカデンプン、米デンプン、小麦デンプンなどが挙げられる。
前記糊料類としては、ゼラチンもこれに含まれるが、その他にも、例えば、寒天、カラゲーナン、ファーセレラン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸塩およびその誘導体などが挙げられる。
前記乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
本発明にかかる魚ゼラチンの配合量は、生地の総仕込み量に対して、0.01〜10.0重量%であることが好ましい。0.01重量%未満では、魚ゼラチンが加えられていることによって得られる本発明の効果が不十分となるおそれがあり、10.0重量%を超えると、生地の粘性が過剰に増し、作業性の低下、食味の低下などを招くおそれがある。さらに、流通形態に応じて、常温流通では0.3〜3.0重量%、チルド流通では0.1〜1.5重量%、冷凍流通では0.5〜3.0重量%とすることが、より好ましい。また、魚ゼラチンは、酸処理されたものであることが好ましい。アルカリ処理したものでは、生地の粘性が過剰に増してしまうおそれがある。
魚ゼラチンが粒状の場合は、水で十分に膨潤したものが作業性や熱効率の観点から好ましく、粉末状の場合も、同様の理由で、糖類を主成分とする材料や、その他の粉末材料と、水溶液中で混合分散したものを用いることが好ましい。
前記主材料および副材料を撹拌混合して得られる生地を加熱加工することにより、本発明にかかる加熱加工食品が得られる。
前記加熱加工方法としては、従来公知の方法で行なえばよい。例えば、オーブンを用いて、焼成を行なう方法や、蒸し器を用いて、蒸し焼きを行なう方法がある。オーブンや蒸し器は従来公知のものを用いればよく、オーブンによる加熱温度や加熱時間、蒸し器で用いる水蒸気の量や温度、加熱時間などは、目的とする食品の種類や水分量に応じて、適宜選択すればよい。
前記加熱加工は、加熱加工後における加熱加工食品の水分量が、10.0〜40.0重量%となるように行なうことが好ましい。水分量が10.0重量%未満では、ゼラチンの膨潤、溶解が不十分となるおそれがあり、40.0重量%を超えると保存性が低下し、常温での流通が困難となり、流通形態がチルドまたは冷凍流通に限定されることとなるおそれがあるだけでなく、高濃度でも作業性、機械特性に優れるという他のゼラチンでは実現できない魚ゼラチン特有の利点が、十分に生かされないおそれもある。また、水分活性値は0.95以下であることが好ましい。水分活性値が0.95を超える食品は、みずみずしい食味を有するものの、細菌(特に、グラム陰性菌やグラム陽性菌)の増殖によって、優れた食味を長期間維持することが困難となるおそれがある。水分活性値が0.95以下の食品であれば、前記グラム陰性菌の増殖が抑制され、優れた食味をより長期間維持することができる。さらに好ましくは、水分活性値が0.91以下である。0.91以下であれば、グラム陰性菌に加えて、グラム陽性菌についても、その増殖のほとんどが抑制され、常温流通、チルド流通のいずれであっても、該流通時における経時的な腐敗細菌、一般細菌の増殖を抑えることが可能となり、優れた食味をより一層長期間維持することができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は、実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
マドレーヌを作製し、品質およびその経時的変化について評価した。
魚ゼラチンを添加したマドレーヌを実施例1−1、トレハロースを添加したマドレーヌを比較例1−1、魚ゼラチンもトレハロースも添加しないマドレーヌを比較例1−2とし、表1に示す配合割合で各種材料を用い、下記の事前準備およびマドレーヌの作製に示す手順で各マドレーヌを作製した。なお、表1における数値は、全て重量%で表したものである。また、表1において、トレハロースは林原商事株式会社製、ベーキングパウダーは日清製粉株式会社製のものをそれぞれ用いた。そして、「ポッカレモン」はポッカ株式会社製のストレートレモン果汁、バターオイル110−347は内外香料株式会社製の香料であり、10重量%魚ゼラチン溶液に用いられている魚ゼラチンはイクオスジェルFGL−200SP(新田ゼラチン社製)である。
Figure 2008125445
さらに、比較例1−3〜1−5として、表1の実施例1−1における「10重量%魚ゼラチン溶液」を、以下のゼラチンを用いた10重量%ゼラチン溶液へと変更し、下記の事前準備およびマドレーヌの作製に示す手順で各マドレーヌを作製した。
比較例1−3;アルカリ処理牛ゼラチンMJ(牛由来のゼラチン(以下、単に「牛ゼラチン」という)、新田ゼラチン社製)
比較例1−4;アルカリ処理豚ゼラチンGBL−200(豚由来のゼラチン(以下、単に「豚ゼラチン」という)、新田ゼラチン社製)
比較例1−5;酸処理豚ゼラチンAP−200(豚ゼラチン、新田ゼラチン社製)
<事前準備>
無塩バターを溶かし、アクを除いて室温に冷ましておいた。薄力粉とベーキングパウダーを計量し、合わせてよく篩っておいた。
<マドレーヌの作製>
ゼラチンは、水を用いて室温(25℃)で60分間膨潤させ、85℃に達するまで加熱撹拌しながら溶解させた。これにより、10重量%ゼラチン溶液を得た。以下の操作では、前記ゼラチン溶液は室温(25℃)で使用した。
卵を割卵し、グラニュー糖とすり混ぜ、さらに、表1に示すとおり、実施例1−1では、10重量%魚ゼラチン溶液を、比較例1−1では、水とトレハロースを、比較例1−2では水を、比較例1−3〜1−5では、それぞれに対応した10重量%ゼラチン溶液を加えて、すり混ぜた。
前記すり混ぜて得られた混合物に、ポッカレモン、事前に篩っておいた前記薄力粉とベーキングパウダーを順次添加、撹拌した。
さらに、無塩バターとバターオイルを加えて、乳化させながら撹拌し、生地を得た。
前記得られた生地を常温で30分間休ませた後、シリコン型に定量充填し、コンベクションオーブンで160℃15分間焼成した。
生地の中心温度100℃を確認して焼き上がりとし、各マドレーヌを得た。
焼成後に実施例1−1のマドレーヌについて、水分量と水分活性値を測定したところ、水分量19.4重量%、水分活性値0.823であった。
<評価>
上記操作で得られた各マドレーヌについて、製造時や加熱加工後に見られた生地の特徴を、以下の基準により評価した。結果を表2に示す。
Figure 2008125445
生地の粘性:生地の調整後に、粘度の低いものから高いものへと、順に1〜6とした。
生地の作業性:生地の調整中、充填時に適度な伸展性があり作業性の良いものから、伸展性がなく(または過剰にあり)作業性が悪いものへと、順に1〜6とした。
加熱加工後の表面:クラストの焼き色や、質感(ツヤ、なめらかさ)が良いものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
加熱加工後の組織:クラムが均一に組織されるものを、良いものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
次に、作製した各マドレーヌについて、常温保存における品質およびその経時的な変化を、以下の基準により評価し、結果を表3に示した。なお、表3における水分量に関する数値は、全て重量%で表したものである。
Figure 2008125445
水分量:簡易包装を行ない、常温保存で各日数が経過した時の水分量を、簡易型水分測定器(「水分チェッカー MODEL SK−940A」、佐藤計量器製作所製)を用いて測定した。測定は、電気抵抗式で、センサー、検体ともに常温の条件で行なった。
食味:常温保存で各日数が経過したものを試食し、香りや風味が良いものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
食感:常温保存で各日数が経過したものを試食し、口中でパサツキがなく、口溶けの良い食感を有するものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
〔実施例2〕
ベークドチーズケーキを作製し、品質およびその経時的変化について評価した。
魚ゼラチンを添加したベークドチーズケーキを実施例2−1、トレハロースを添加したベークドチーズケーキを比較例2−1、魚ゼラチンもトレハロースも添加しないベークドチーズケーキを比較例2−2とし、表4に示す配合割合で各種材料を用い、下記の事前準備およびベークドチーズケーキの作製に示す手順で各ベークドチーズケーキを作製した。なお、表4における数値は、全て重量%で表したものである。また、表4において、クリームチーズは森永乳業株式会社製、トレハロースは林原商事株式会社製、ベーキングパウダーは日清製粉株式会社製のものをそれぞれ用いた。そして、「ポッカレモン」はポッカ株式会社製のストレートレモン果汁であり、10重量%魚ゼラチン溶液に用いられている魚ゼラチンはイクオスジェルFGL−200SP(新田ゼラチン社製)である。
Figure 2008125445
また、比較例2−3から2−5として、表4の実施例2−1における「10重量%魚ゼラチン溶液」を、以下のゼラチンを用いた10重量%ゼラチン溶液へと変更し、下記の事前準備およびベークドチーズケーキの作製に示す手順で各ベークドチーズケーキを作製した。
比較例2−3;アルカリ処理牛ゼラチンMJ(牛ゼラチン、新田ゼラチン社製)
比較例2−4;アルカリ処理豚ゼラチンGBL−200(豚ゼラチン、新田ゼラチン社製)
比較例2−5;酸処理豚ゼラチンAP−200(豚ゼラチン、新田ゼラチン社製)
<事前準備>
冷やしていたクリームチーズを室温に戻し、柔らかくしておいた。薄力粉を計量し、よく篩っておいた。卵を割卵し、卵黄と卵白に分離しておいた。
<ベークドチーズケーキの作製>
ゼラチンは、水を用いて室温(25℃)で60分間膨潤させ、85℃に達するまで加熱撹拌しながら溶解させた。これにより、10重量%ゼラチン溶液を得た。以下の操作では、前記ゼラチン溶液は室温(25℃)で使用した。
クリームチーズ、卵黄を、グラニュー糖、食塩とすり混ぜ、さらに、表4に示すとおり、実施例2−1では、10重量%魚ゼラチン溶液を、比較例2−1では、水とトレハロースを、比較例2−2では水を、比較例2−3〜2−5では、それぞれに対応した10重量%ゼラチン溶液を加えて、さらにすり混ぜた。
前記すり混ぜて得られた混合物に、生クリーム、ポッカレモン、7部立てにした卵白のうち半分量、事前に篩っておいた薄力粉、残り半分の卵白、を順次添加、撹拌し、生地を得た。
前記得られた生地を型に定量充填し、コンベクションオーブンで150℃45分間焼成した。
生地の中心温度100℃を確認して焼き上がりとし、各ベークドチーズケーキを得た。
焼成後に実施例2−1のベークドチーズケーキについて、水分量と水分活性値を測定したところ、水分量35.4重量%、水分活性値0.870であった。
<評価>
各ベークドチーズケーキについて、冷凍保存したものを、各日数経過後にチルド(5〜7℃)で凍結解凍し、これを試食して、各ベークドチーズケーキの品質およびその経時的変化を以下の基準により評価し、結果を表5に示した。
Figure 2008125445
食味:水っぽさ(組織からの離水)がなく、風味の良いものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
食感:口中でパサツキがなく、なめらかで口溶けの良い食感を有するものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
〔実施例3〕
蒸しパンを作製し、品質およびその経時的変化について評価した。
魚ゼラチンを添加した蒸しパンを実施例3−1、トレハロースを添加した蒸しパンを比較例3−1、魚ゼラチンもトレハロースも添加しない蒸しパンを比較例3−2とし、表6に示す配合割合で各種材料を用い、下記の事前準備および蒸しパンの作製に示す手順で各蒸しパンを作製した。なお、表6における数値は、全て重量%で表したものである。また、表6において、精製パーム油はミヨシ油脂株式会社製、トレハロースは林原商事株式会社製のものをそれぞれ用いた。そして、「パティーグラース−300」は理研ビタミン株式会社製の製菓用油脂、「リポアップ110」は理研ビタミン株式会社製の製菓用油脂、バターオイル110−347は内外香料株式会社製の香料であり、10重量%魚ゼラチン溶液に用いられている魚ゼラチンはイクオスジェルFGL−200SP(新田ゼラチン社製)である。
Figure 2008125445
また、比較例3−3から3−5として、表6の実施例3−1における「10重量%魚ゼラチン溶液」を、以下のゼラチンを用いた10重量%ゼラチン溶液へと変更し、下記の蒸しパンの作製に示す手順で各蒸しパンを作製した。
比較例3−3;アルカリ処理牛ゼラチンMJ(牛ゼラチン、新田ゼラチン社製)
比較例3−4;アルカリ処理豚ゼラチンGBL−200(豚ゼラチン、新田ゼラチン社製)
比較例3−5;酸処理豚ゼラチンAP−200(豚ゼラチン、新田ゼラチン社製)
<蒸しパンの作製>
ゼラチンは、水を用いて室温(25℃)で60分間膨潤させ、85℃に達するまで加熱撹拌しながら溶解させた。これにより、10重量%ゼラチン溶液を得た。以下の操作では、前記ゼラチン溶液は室温(25℃)で使用した。
卵を割卵し、グラニュー糖、パティーグラース−300とすり混ぜた。
薄力粉、全脂粉乳および水に対して、前記卵、グラニュー糖およびパティーグラース−300をすり混ぜたものを加えて混合分散し、さらに、表6に示すとおり、実施例3−1では、10重量%魚ゼラチン溶液を、比較例3−1では、水とトレハロースを、比較例3−2では水を、比較例3−3〜3−5では、それぞれに対応した10重量%ゼラチン溶液を加えて、混合分散し、生地を得た。
前記得られた生地を、ホイッピング用縦型ミキサー(品川工業所社製)を用いて、生地比重が0.4〜0.5程度となるよう高速撹拌することにより泡立てた。具体的には、低速で20秒均質化した後、高速に切り替え5〜10分撹拌し、再度、低速に切り替え20秒均質化した。
前記泡立て後の生地に対し、生地温度が23〜25℃の状態で、精製パーム油、リポアップ110およびバターオイル110−347を加え、高速で速やかに混合した後、紙容器に定量充填し、80〜90℃を維持した蒸し器を用いて15分間蒸し上げることにより、各蒸しパンを得た。
蒸し焼き後に実施例3−1の蒸しパンについて、水分量と水分活性値を測定したところ、水分量40.0重量%、水分活性値0.910であった。
<評価>
各蒸しパンについて、常温保存における品質およびその経時的な変化を、以下の基準により評価し、結果を表7に示した。
Figure 2008125445
食味:水っぽさ(組織からの離水)がなく、風味の良いものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
食感:口中でパサツキがなく、なめらかで口溶けの良い食感を有するものから順に◎、○、△とし、流通品として問題がある場合には、×とした。
〔考察〕
上記実施例1〜3から、以下のことが分かる。
(1)ゼラチンもトレハロースも用いない場合、生地の粘性や作業性の点では問題が無いが、加熱加工後の表面、組織に焼きムラができたり不均一化が生じたりしている(表2の比較例1−3参照)ほか、経時的離水や食味、食感の経時的な劣化が著しい(表3の比較例1−2、表5の比較例2−2、表7の比較例3−2参照)。
(2)トレハロースを用いる場合、生地の粘性や作業性の点では問題が無く、加熱加工後の表面、組織も良好である(表2の比較例1−1参照)。しかし、水ほどではないにしても、経時的離水が十分に抑制できておらず、食感や食味の経時的な劣化も十分に抑制できていない(表3の比較例1−1、表5の比較例2−1、表7の比較例3−1参照)。
(3)魚以外の、牛または豚ゼラチンを用いる場合、生地の粘性や作業性の点で問題が生じており、さらに、生地の粘性の問題に伴い、加熱加工後の表面、組織に焼きムラができたり不均一化が生じたりしている(表2の比較例1−3〜1−5参照)。そして、経時的離水の抑制は十分で、食感や食味の経時的な劣化も余り見られないが、生地の粘性が過剰であるために、食品が完成した時点で既に、食感や食味が他の実施例、比較例よりも劣ってしまっている(表3の比較例1−3〜1−5、表5の比較例2−3〜2−5、表7の比較例3−3〜3−5参照)。
(4)魚ゼラチンを用いた場合、ゼラチンであるにもかかわらず、生地の粘性や作業性の点でほとんど問題が生じておらず、かつ、加熱加工後の表面、組織も良好である(表2の実施例1−1参照)。しかも、食品の経時的離水を十分に抑制し、食感や食味が良好であるとともに、それらの食感や食味は食品の作成日から相当期間経過しても維持されている。
(5)以上述べたことから、総合的に見て、生地に材料として魚ゼラチンが加えられている加熱加工食品が、他の比較例と比較して、より優れた食品であることがわかる。
本発明は、特に賞味期限の短い加熱加工食品について、品質を劣化させることなく賞味期限を延長することが可能となり、その結果、賞味期限経過による廃棄処分を軽減しうるとともに、業務用食材に利用される可能性のほか、流通範囲の拡大により外食産業の分野で広く利用される可能性もある。

Claims (3)

  1. 小麦粉を必須の材料として含有する生地を加熱加工することにより得られる加熱加工食品であって、前記生地には、魚由来のゼラチンが加えられている、ことを特徴とする、加熱加工食品。
  2. 前記魚由来のゼラチンの配合量が、生地の総仕込み量に対して0.01〜10.0重量%である、請求項1に記載の加熱加工食品。
  3. 加熱加工食品が、加熱加工後において、水分量10.0〜40.0重量%、水分活性値0.95以下である、請求項1または2に記載の加熱加工食品。
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