JP2005269951A - 黒酢飲料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有し、黒酢由来の味のクセがマスキングされたことを特徴とする黒酢含有飲料。
【選択図】 なし
Description
その製造法に関しては、伝統的に行われている静置発酵法で発酵及び熟成して製造しても良いし、深部発酵法のような方法で製造しても良いとされる。このような製造過程における発酵及び熟成を経て、褐色又は黒褐色に着色されることから、一般的に黒酢と呼ばれている。
黒酢の一種としては、壷酢とも呼ばれる、鹿児島県の福山町などで醸造されている麹菌、乳酸菌、酵母、酢酸菌が並行して発酵する方式のものも知られている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、黒酢を単に水で希釈して飲用しようとすると、食酢独特の酸味や刺激臭に加え、特に黒酢由来の味のクセが強く感じられるという問題があった。
しかしながら、これらの技術では酸味や刺激臭を和らげることはできても、黒酢由来の味のクセを抑えることができていなかったことから、より飲みやすく風味の良好な黒酢飲料の開発が望まれている。
そこで、本発明の目的は、黒酢飲料において、黒酢独特の味のクセがマスキングされ、飲みやすく風味の良好な飲料を提供することである。
また、請求項2記載の本発明は、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の黒酢含有飲料に関する。
本発明の黒酢飲料は、従来のものと比較してより飲みやすく風味が良好であることから、血圧の降下作用による高血圧の改善などの生活習慣病の改善効果など、黒酢の有する健康機能を発揮するものとして有用である。
本発明において用いる黒酢とは、製造過程における発酵及び熟成を経て、褐色又は黒褐色に着色されるものを意味し、一般には、日本農林規格に従い、原料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いたものを除く。)、又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用し、かつ米の使用量が180g/L以上のものと定義できる。
具体的には例えば、原料となる玄米を洗浄、浸漬、蒸煮し、冷却後種麹と合わせ、玄米麹を製造する。この玄米麹を更に玄米と混合し、仕込みを行ない、アルコール発酵・酢酸発酵後、熟成して製造することができる。
トレハロースとしては、一般に流通しているものを用いることができるが、中でも、98%以上含有の粉末タイプが好ましい。このようなトレハロースの具体例としては、商品名トレハ(林原製)などが挙げられる。
黒酢1重量部に対してトレハロースが0.005重量部より少ないと、充分なマスキング効果が得られず好ましくない。また、黒酢1重量部に対してトレハロースを1重量部よりも多くしても、トレハロースによるマスキング効果は増強されず、従ってトレハロースの添加は無駄になるので好ましくない。なお、黒酢1重量部に対してトレハロースを0.01〜0.5重量部含有させることにより、より充分なマスキング効果が得られ、かつ飽和状態に達する心配がない。
黒酢は、飲料全量に対して1〜10重量%であることが、風味の面から好ましい。黒酢の使用量が1重量%よりも少ないと、黒酢由来の健康機能が期待しにくいので好ましくなく、また、10重量%よりも多いと、黒酢由来の酢酸の酸味や刺激臭が強くなりすぎてしまうので、好ましくない。
一方、トレハロースは、飲料全量に対して0.01〜3重量%であることが、風味の面から好ましい。トレハロースの添加量が0.01重量%よりも少ないと、充分なマスキング効果が得られず、さらに3重量%を超えると、黒酢使用量との関係からも、マスキング効果が飽和となり黒酢特有の好ましい風味もマスキングされてしまい黒酢飲料としての特徴が弱くなってしまうと共に、トレハロース由来の甘味が強くなりすぎて味のバランスが崩れる点からも好ましくない。
具体的には、ショ糖、果糖ぶどう糖液糖、果糖、異性化糖等の糖類;リンゴ果汁、梅果汁、みかん果汁、ぶどう果汁等の果汁;クエン酸及びその塩類、リンゴ酸及びその塩類、グルコン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、コハク酸及びその塩類等の酸味料;スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム等の甘味料;ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンA等のビタミン類;リンゴ香料等の香料;カルシウム、鉄、亜鉛、マンガン等のミネラル類などを添加することが可能である。
具体的には、水に黒酢及びトレハロース、及び前述した副原料を適量だけ添加し混合溶解する。ここで、添加・混合する際の混合順序について、特に制限はない。
続いて、UHT殺菌機等を用いて高温加熱殺菌を行い、容器に充填、密封、冷却することにより最終製品を得ることができる。黒酢飲料を充填する容器は、ビン容器の他、紙、PET、缶等や、チアーパックのような軟包材等のいずれの容器でも良い。
このような本発明の黒酢含有飲料は、黒酢特有の好ましい風味はそのままに、黒酢由来の味のクセがマスキングされた飲料であって、飲みやすく風味の良好なものである。
表1に示す処方に従い、各成分を添加し混合溶解した後、ビン容器に詰め90℃まで達温、加熱殺菌を行った後、キャップにて密栓し、冷却して黒酢飲料を作製した。
尚、黒酢は、以下の手順により製造した。すなわち、原料となる玄米を洗浄、浸漬、蒸煮し、冷却後種麹と合わせ、玄米麹を製造する。この玄米麹を更に玄米と混合し、仕込みを行ない、アルコール発酵・酢酸発酵後、熟成して、最終的に黒酢を得た。
こうして作製した黒酢飲料を、官能評価パネラー20名で飲用し、黒酢由来の味のクセのマスキング効果を評価した。この評価結果を表1に示す。
なお、マスキング効果の評価は、下記の評価指標を用い、20名のパネラーの平均を評価結果とした。なお、マスキング効果の評価結果については、+++:非常にマスキングされている、++:マスキングされている、+:ややマスキングされている、及び、−:マスキングされていない、の4段階で表わした。
また、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01重量部以上含有させた場合は(検体4〜8)、それ以下の配合量で含有させた場合と比較して強いマスキング効果が得られ、特に、0.5重量部以上含有させた場合は(検体7及び検体8)、最も強いマスキング効果が得られた。
従って、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることにより、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料を得ることができることが明らかとなった。
実施例1と同様にして、表2に示す処方に従い、黒酢飲料を作製した。こうして作製した黒酢飲料を実施例1と同様に、官能評価パネラー20名で飲用し、黒酢由来の味のクセのマスキング効果を評価した。この評価結果を表2に示す。
また、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01重量部以上含有させた場合は(検体13〜16)、それ以下の配合量で含有させた場合と比較して強いマスキング効果が得られ、特に、0.5重量部以上含有させた場合は(検体15及び検体16)、最も強いマスキング効果が得られた。
従って、スクラロースを含有させた場合も、スクラロースを含有させなかった場合(前記実施例1)と同様に、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることにより、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料を得ることができることが明らかとなった。
Claims (2)
- 黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部含有し、黒酢由来の味のクセがマスキングされたことを特徴とする黒酢含有飲料。
- 黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の黒酢含有飲料。
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