JP2005267905A - 回路遮断器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小形化すると共に、固定接点と可動接点が溶着した場合、あるいは、トリップ時の開閉機構部の動作などの改善をはかった回路遮断器を得る。
【解決手段】 下リンク15の他端が上リンク14の一端と他端の中間に位置するように下リンク15と上リンク14を折りたたんだ状態でオン状態を得るように構成させる。また、固定接点21aと可動接点22aが溶着したとき、コネクトリンク13の強制係合部13dにハンドル12が係合して、ハンドル12がオフ位置まで回動しないようにする。また、レバー16に開極突起16dを設け、コネクトリンク13に開極突起16dが当接する突起当接部13fを設け、トリップ始動時に開極突起16dがコネクトリンク13の突起当接部13fに当接してコネクトリンク13の始動を補助するように構成したものである。
【選択図】図20
Description
また、特殊な例としては、トグルリンク機構を採用せず、接触ばねで接触圧力を確保し、開離時には補助ばねを用いる構造が知られている。(例えば、特許文献2参照)。
一端がフレームに回動自在に軸支されると共に他端が過電流引き外し装置に連動するトリップバーに係合するようになされたラッチと、一端がフレームに回動自在に軸支されると共に、常時は他端がラッチに係止されているレバーと、一端が上記レバーの他端に回動自在に連結されると共に、他端に下側スプリングピンが設けられた上リンクと、一端が下側スプリングピンを介して上リンクに回動自在に連結された下リンクと、一端がフレームに回動自在に軸支されると共に他端が可動接触子を作動させる押し板に連結され、かつ、中間部に下リンクの他端が回動自在に連結されたコネクトリンクと、フレームの上端側に回動自在に設けられたハンドルと、ハンドルの位置に近接してフレームに形成された摺動溝と、ハンドルに係合され、ハンドルの回動により摺動溝を摺動する上側スプリングピンと、上記上側スプリングピンと下側スプリングピンとの間に懸架されたメインばねとを有する回路遮断器において、下リンクの他端が上リンクの一端と他端の中間に位置するように下リンクと上リンクを折りたたんだ状態でオン状態を得るように構成したものである。
図1及び図2は、この発明を実施するための実施の形態1における回路遮断器100を示すものであり、図1は回路遮断器の全体を示す正面図、図2はこの発明の主要部である開閉機構部を拡大して示す斜視図である。なお、図1は、回路遮断器の図面としては、通常、側面図として説明されるが、この実施例では、他の図面との関係から図1の図面を正面図として説明する。
この場合、開閉接触子部4の幅寸法を小さくするために、上記の5枚の部品が密接状態に挿入されている。即ち、同じ厚さの部品ならば、6枚は挿入できないほどにフレーム11の空間が設定されている。このため、隣接する部品が干渉しないように、一部分を折り曲げたものがある。
なお、図12は、開閉機構部3の側面図であり、フレーム板111と112の間に、コネクトリンク13、上リンク14、下リンク15、レバー16、ラッチ17の5個のリンク部品が密接状態に挿入されていることを示す。また、上記フレーム11の両外側において、上側スプリングピン32と下側スプリングピン35の間にメインばね19が懸架されることを示している。
なお、上記の実施例ではフレーム11に摺動溝11bを形成させると共に、摺動溝11bを摺動する上側スプリングピン32と下側スプリングピン35との間にメインばね19を懸架させて、ハンドル12により上側スプリングピン32を摺動させることにより、上リンク14を回動させて可動接触子22を固定接触子21に接離するようにしたが、例えば、特許第3166908号公報(図6)に示されるように、ハンドル12で直接メインばね19を駆動させるようにしても良い。また、この発明による開閉機構部3は、橋絡形2接点方式の開閉接触子部4に適用されるだけでなく、一般の方式の開閉接触子部にも適用が可能である。
上記の構成において、フレーム11に形成された円弧状の摺動溝11bは、ハンドル12を、オンからオフに回動するに従って、メインばね19が伸長される方向に傾斜した円弧状になされている。これは、ハンドル操作をしていないとき、あるいは、操作の途中で手を離したときにハンドルを元のオンまたはオフ位置に戻る付勢力を生じるようになされたものである。この場合、摺動溝11bの円弧状は、単純な円弧でもよいが、図18に示すように特殊な円弧状にすると更に望ましい動作が得られる。即ち、摺動溝11bにおいて、下側の円弧Sを、図に示すように、摺動溝11bのほぼ中間位置を変曲点とし半径中心を下側スプリングピン35の近傍の互いに上記変曲点を越えた位置とする2種類の半径寸法R−1及びR−2で形成された円弧状にする。即ち、中間位置を変曲点にした、ほぼヘ字形状にする。なお、上側の円弧Uは上側スプリングピン32が接触することがないので、特に考慮した円弧でなくてもよい。
また、上記の構成において、ハンドル12の係合孔12aは、長孔またはすり割り溝であるように説明した。しかし、この係合孔12aは、単純な長孔あるいは単純なすり割り溝の場合は、ハンドル12をオンからオフに回動するとき、上側スプリングピン32をフレーム11の円弧状摺動溝11bに押し付ける力が大きくなって、ハンドル12の滑らかな回動を得ることが困難になる。このため、図19のような形状の係合孔12aにした。即ち、ハンドル12がオンの状態において、係合孔12aが上側スプリングピン32を摺動溝11bの形状に沿った方向に押圧する押圧部12cを含む形状にした。この実施の形態においては、例えば、図19に示すように、ハンドル12と上側スプリングピン32を結ぶ中心線に対する直角方向の線から、約27度上向きになるような押圧方向を係合孔12aに設定した。
なお、ハンドル12をオフからオンに回動するときも、同様の考えで押圧部12cを設定できる。上記のような係合孔12aの押圧部12cにより、上側スプリングピン32の動きが滑らかで、ハンドル12の操作が容易になる。
上記構成において、回路遮断器に異常状態が生じた場合、固定接触子21と可動接触子22が閉合している状態で溶着することがある。この状態で、ハンドル12をオフ方向(矢印LA方向)に回動すると、ハンドル12は図14のようにオフ状態になるが、固定接触子21と可動接触子22が閉合している状態、即ち、固定接点21aと可動接点22a
が溶着状態になっている。この状態は危険であるため、本願発明の構成では、接点の溶着状態において、ハンドル12がオフ位置に回動できないようになされている。
即ち、図20において、図のように、固定接触子21と可動接触子22が溶着により閉合している状態で、ハンドル12をオフ方向(矢印LA方向)に回動すると、ハンドル12に形成された係合突起12cが、コネクトリンク13の強制係合部13dに係合してストップされ、オフ位置(一点鎖線で示すハンドルの位置)には回動できない。このストップされた位置においては、メインばね19がレバー連結軸36の位置を越えないので、上リンク14に対するメインばね19の作用方向が反転しない。このため、ハンドル12はオフ状態にならず、もとのオンの位置に復帰する。この構成によれば、固定接点21aと可動接点22aが溶着したとき、溶着による事故の拡大を抑制できる。
なお、本願発明の構成では、上記実施の形態4における接点の溶着が軽度な場合には、ハンドル12を強制回動することにより修復することができる。即ち、図20の状態において、ハンドル12を強制的にオフ位置(一点鎖線で示すハンドルの位置)に回動すれば、係合突起12cが、コネクトリンク13の強制回動部13eに係合して、コネクトリンク13を矢印LC方向に強制回動させる。この強制回動が可能であれば、溶着した接点が剥離してオフ状態にできる。この構成によれば、上記実施の形態4と同様に、固定接点21aと可動接点22aが溶着したとき、溶着による事故の拡大を抑制できる。
上記実施の形態1の構成において、過電流が流れたときには、周知のように過電流引外し装置が作動して図15に矢印LHで示すようにトリップバー18を回動させる。トリップバー18が矢印LH方向に回動すると、トリップバー18に係止されていたラッチ17が外れる。外れる寸前においては、ラッチ17は、前記のように、U字状に折り曲げて形成された回動係止部17cに、レバー16の係止突起16cが係合して時計方向(矢印RD方向)に回動する付勢力が加えられている。従って、ラッチ17は図17のように矢印RD方向に回動し、レバー16はラッチ17との係合が外れて、メインばね19の付勢力により矢印LD方向に回動して図17の位置に停止する。この停止は、レバー16がフレーム11に設けたストッパ11nにより停止される。このレバー16が停止しているとき、ハンドル12がレバー16の先端部に係合して、図のようにハンドル12はオンとオフの中間位置に停止する。このあと、トリップバー18はひねりばね(図示せず)の付勢力により元の位置にもどる。
従って、図21のオン状態から、図22のトリップ状態に至る過程において、レバー16が矢印LDの方向に回動するとき、開極突起16dが、図21において矢印で示すように移動する。この移動に際して、コネクトリンク13の突起当接部13fに開極突起16dが当接して、コネクトリンク13の矢印LC方向の始動を補助するように働く。コネクトリンク13が始動した後は、メインばね19の付勢力によりコネクトリンク13が急速に回動する。この急速回動を阻害しないように、開極突起16dは変曲点13gを経て当接係止部13hに係止されて図22の状態になる。なお、図22の状態は、図17に示すトリップ状態と同様の状態である。上記のように、過電流によりトリップしたとき、コネクトリンクの始動を補助することにより、可動接触子の開離を早くして、アークなどによる回路遮断器の損傷を抑止する。
5 過電流引外し装置、11 フレーム、11b 摺動溝、11k ガイド片、
12 ハンドル、12a 係合孔、12b 支承孔、12c 係合突起、
13 コネクトリンク、13d 強制係合部、13e 強制回動部、
13f 突起当接部、13g 変曲点、13h 当接係止部、14 上リンク、
15 下リンク、16 レバー、16a 貫通孔、16c 係止突起、
16d 開極突起、17 ラッチ、18 トリップバー、19 メインばね、
20 押し板、21 固定接触子、21a 固定接点、22 可動接触子、
22a 可動接点、31 ハンドル軸、32 上側スプリングピン、32a ローラ、
35 下側スプリングピン、36 レバー連結軸(連結軸)、100 回路遮断器、
111,112 フレーム板。
Claims (6)
- 合成樹脂材で形成された筺体と、
上記筺体に収納され、一端に固定接点が設けられ他端が電路に接続された固定接触子と、上記固定接点に対向して可動接点が設けられた可動接触子と、
上記可動接触子に連結された押し板と、
上記筺体に固着されたフレームと、
一端が上記フレームに回動自在に軸支されると共に他端が過電流引き外し装置に連動するトリップバーに係合するようになされたラッチと、
一端が上記フレームに回動自在に軸支されると共に、常時は他端の係止突起が上記ラッチに係止されているレバーと、
一端が上記レバーの他端の貫通孔に回動自在に連結されると共に、他端に下側スプリングピンが設けられた上リンクと、
一端が上記下側スプリングピンを介して上記上リンクに回動自在に連結された下リンクと、一端が上記フレームに回動自在に軸支されると共に他端が上記押し板に連結され、かつ、中間部に上記下リンクの他端が回動自在に連結されたコネクトリンクと、
上記フレームの上端側に回動自在に設けられたハンドルと、
上記下側スプリングピンに係合したメインばねを上記ハンドルで駆動することにより上記上リンクを回動させて上記可動接触子を上記固定接触子に接離させる回路遮断器において、
上記下リンクの他端が上記上リンクの一端と他端の中間に位置するように上記下リンクと上リンクを折りたたんだ状態でオン状態を得るように構成したことを特徴とする回路遮断器。 - 固定接点と可動接点が溶着時に、コネクトリンクに設けた強制係合部にハンドルに形成した係合突起が係合して、ハンドルがオフ位置まで回動しないように構成したことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- 固定接点と可動接点が溶着した状態においては、コネクトリンクに設けた強制回動部にハンドルに形成した係合突起が係合して、上記コネクトリンクをオフ方向に強制回動するように構成したことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
- レバーに開極突起を設け、コネクトリンクに上記開極突起が当接する突起当接部を設け、トリップ始動時に上記開極突起が上記コネクトリンクの突起当接部に当接してコネクトリンクの始動を補助するように構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の回路遮断器。
- コネクトリンクの突起当接部において、開極突起が当接してからトリップ終了時にいたるまでの途中に、当接による作用方向を変える変曲点を持たせたことを特徴とする請求項4記載の回路遮断器。
- コネクトリンクの突起当接部において、トリップ終了時に開極突起が係止される当接係止部を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の回路遮断器。
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