JP2005264368A - 混用物の染色方法 - Google Patents

混用物の染色方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005264368A
JP2005264368A JP2004076887A JP2004076887A JP2005264368A JP 2005264368 A JP2005264368 A JP 2005264368A JP 2004076887 A JP2004076887 A JP 2004076887A JP 2004076887 A JP2004076887 A JP 2004076887A JP 2005264368 A JP2005264368 A JP 2005264368A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dyeing
fiber
dyed
soaping
polyester
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004076887A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigefumi Hayashi
茂文 林
Yoshikazu Iwaki
由和 岩木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SOTOH CO Ltd
Original Assignee
SOTOH CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SOTOH CO Ltd filed Critical SOTOH CO Ltd
Priority to JP2004076887A priority Critical patent/JP2005264368A/ja
Publication of JP2005264368A publication Critical patent/JP2005264368A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coloring (AREA)

Abstract

【課題】 従来の方法よりも染色工程数が少なく、染色物の生産効率を大幅に向上することができる混用物の染色方法を提供する。
【解決手段】 本発明の混用物の染色方法は、セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含む混用物(例えば、綿とポリエチレンテレフタレートとの交織布等)の染色方法であって、上記混用物のセルロース系繊維を反応染料で染色するセルロース系繊維染色工程(染色温度;35〜80℃)と、上記混用物のポリエステル系繊維を分散染料で染色するポリエステル系繊維染色工程(染色温度;95〜140℃)と、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含むソーピング剤を用いるソーピング工程とを順次備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、混用物の染色方法に関する。更に詳しくは、従来の方法よりも染色工程数が少なく、染色物の生産効率に優れる混用物の染色方法に関する。
従来より、ポリエステル系繊維とセルロース系繊維との混用物の染色においては、ポリエステル系繊維の染色に用いられる分散染料がセルロース系繊維に汚染してしまい、染色堅牢度が低下してしまうことが知られている。
そのため、このような混用物の染色は、一般的に、混用物におけるポリエステル系繊維を分散染料により染色し、その後、染色堅牢度を低下させないように、セルロース系繊維に汚染した分散染料を還元洗浄[リダクションクリーニング(RC)]又はソーピングにより除去し、次いで、混用物におけるセルロース系繊維を反応染料により染色し、その後、未固着の反応染料をソーピング及び湯洗いにより除去することで行われている(図2参照)。
しかしながら、上記の一般的な染色方法では、ポリエステル系繊維染色工程、還元洗浄工程、セルロース系繊維染色工程及びソーピング工程の少なくとも4つの工程を必要としており、染色に長い時間(通常、8〜10時間)を要するため、生産効率の向上が求められている。
染色時間の短縮が可能な染色方法としては、易アルカリ溶解性分散染料でポリトリメチレンテレフタレート繊維を染色した後、反応染料でセルロース繊維を染色する、ポリトリメチレンテレフタレート繊維とセルロース繊維との混用品の染色方法が知られている(特許文献1参照)。
特許第3235985号公報
しかしながら、特許文献1の染色方法では、染色する繊維が限定されており、且つ易アルカリ溶解性分散染料という特殊な分散染料が必要となっている。
そのため、繊維の種類や染料の種類の限定要素が少なく、より容易に染色物の生産効率を向上させることのできる染色方法が求められていた。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、従来の方法よりも染色工程数が少なく、染色物の生産効率を大幅に向上することができる混用物の染色方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、混用物を効率よく染色する方法について鋭意検討した結果、従来の方法とは異なり、分散染料によりポリエステル系繊維を染色する工程よりも前に、反応染料を用いてセルロース系繊維の染色を行い、その後、分散染料により染色を行うことで、ポリエステル系繊維の染色を行いつつ、意外にも未固着の反応染料を十分に除去することができ、染色された混用物の染色堅牢度を低下させることなく、染色にかかる時間、エネルギー及び水等を大幅に節減し、染色物の生産効率を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
1.セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含む混用物の染色方法において、該混用物の該セルロース系繊維を反応染料で染色するセルロース系繊維染色工程と、該混用物の該ポリエステル系繊維を分散染料で染色するポリエステル系繊維染色工程と、を順次備えることを特徴とする混用物の染色方法。
2.上記ポリエステル系繊維染色工程の染色温度が、95〜140℃である上記1.に記載の混用物の染色方法。
3.上記セルロース系繊維染色工程の染色温度が、35〜80℃である上記1.又は2.に記載の混用物の染色方法。
4.上記ポリエステル系繊維染色工程の後に、ソーピング工程を備える上記1.乃至3.のいずれかに記載の混用物の染色方法。
5.上記ソーピング工程において、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含むソーピング剤を用いる上記4.に記載の混用物の染色方法。
本発明の染色方法によれば、ポリエステル系繊維染色工程において、反応染料の未固着分を除去することができるため、染色にかかる時間、エネルギー及び水等を大きく節減でき、染色物の生産効率を大幅に向上することができ、且つ、従来のものと同等以上の染色堅牢度を有する染色物を得ることができる。
また、上記ポリエステル系繊維染色工程の染色温度が特定の範囲である場合には、ポリエステル系繊維をより均質に染色することができ、且つセルロース系繊維染色工程で用いられた反応染料の未固着分を十分に除去することができる。
更に、上記セルロース系繊維染色工程の染色温度が特定の範囲である場合には、セルロース系繊維をより均質に染色することができる。
また、上記ソーピング工程を備えることにより、セルロース系繊維に汚染した分散染料が十分に除去することができる。
更に、特定のソーピング剤を用いた場合には、セルロース系繊維に汚染した分散染料をより確実に除去することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の混用物の染色方法は、セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含む混用物の染色方法であって、この混用物のセルロース系繊維を反応染料で染色するセルロース系繊維染色工程と、この混用物のポリエステル系繊維を分散染料で染色するポリエステル系繊維染色工程と、を順次備えることを特徴とする。
上記「混用物」は、セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含むものである。
上記「セルロース系繊維」は特に限定されないが、例えば、綿及び麻などの天然繊維、レーヨン、ポリノジック及びキュプラなどの再生繊維等が挙げられる。これらは単独で用いられていてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
この繊維の形態は特に限定されず、例えば、長繊維、短繊維、及び長繊維と短繊維との混合物(不織布を含む)を挙げることができる。また、このセルロース系繊維の形態は、上記繊維からなる、紡績糸、混紡糸及び混繊糸等の糸であってもよい。この糸の種類は特に限定されず、例えば、単糸、マルチフィラメント、強撚糸、甘撚糸、仮撚糸、加工糸、交撚糸、撚り合せ糸及び引き揃え糸等が挙げられる。尚、本発明の目的を損なわない範囲内で、他の繊維が混紡、交絡混繊、交撚、複合仮撚等の手段で混用されたものであってもよい。
上記「ポリエステル系繊維」は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンテレフタレート繊維(ポリイソプロピレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート繊維)、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート繊維等が挙げられる。これらは単独で用いられていてもよいし、2種以上が併用されていてもよい。
この繊維の形態は特に限定されず、例えば、長繊維、短繊維、及び長繊維と短繊維との混合物(不織布を含む)を挙げることができる。また、このセルロース系繊維の形態は、上記繊維からなる、紡績糸、混紡糸及び混繊糸等の糸であってもよい。この糸の種類は特に限定されず、例えば、単糸、マルチフィラメント、強撚糸、甘撚糸、仮撚糸、加工糸、交撚糸、撚り合せ糸及び引き揃え糸等が挙げられる。尚、本発明の目的を損なわない範囲内で、他の繊維が混紡、交絡混繊、交撚、複合仮撚等の手段で混用されたものであってもよい。
上記混用物の形態は特に限定されず、上記セルロース系繊維とポリエステル系繊維とが交絡混繊又は混紡された糸であってもよいし、セルロース系繊維からなる糸とポリエステル系繊維からなる糸とを交撚、複合仮撚等の手段で混用した糸であってもよい。また、両者が混合された不織布であってもよいし、セルロース系繊維からなる不織布とポリエステル系繊維からなる不織布との混用物であってもよい。更に、セルロース系繊維からなる糸とポリエステル系繊維からなる糸とを交編織等により編織したものであってもよいし、セルロース系繊維とポリエステル系繊維とが交絡混繊又は混紡された糸を交編織等により編織したものであってもよい。また、上記形態の異なるもの(糸状物、不織布、編織物)を任意に混合したものであってもよい。尚、この混用物は、精錬、漂白等の前処理がなされたものであってもよい。また、この前処理は、混用物とする前の各繊維に施されていてもよいし、混用物自体に施されていてもよい。
セルロース系繊維とポリエステル系繊維との組合せは特に限定されない。例えば、綿、麻及びレーヨンのうちの少なくとも1種と、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレンテレフタレート繊維及びポリトリメチレンテレフタレート繊維のうちの少なくとも1種との組合せ等が挙げられる。この組合せは、特に、綿と、ポリエチレンテレフタレート繊維との組合せとすることができる。
この混合物におけるポリエステル系繊維とセルロース系繊維との混合割合は特に限定されず、任意の割合とすることができる。
上記「セルロース系繊維染色工程」では、上記混用物に含まれるセルロース系繊維が反応染料により染色される。
上記「反応染料」は特に限定されず、セルロース系繊維の官能基と結合する反応基を1種又は2種以上有するものが用いられる。この反応基としては、例えば、スルファネートエチルスルホン基、ビニルスルホン基、モノクロロトリアジン基、ジクロロトリアジン基、モノフルオロトリアジン基、ジフルオロピリミジン基、ジフルオロクロロピリミジン基、トリクロロピリミジン基及びモノクロロキノキサリン基等が挙げられる。
具体的な反応染料としては、「Remazol Black DEN liq. 50」、「Remazol Black B liq. 50」、「Remazol Brill. Yellow GL 150%」、「Remazol Red BB」、「Remazol Black KN liq.」、「Remazol Yellow CA」、「Remazol Golden Yellow RC」、「Levafix Scarlet E−2GA」、「Levafix Brill.Red E−BA」、「Levafix Blue E−GRN」、「Levafix Brill.Yellow E−3G」(以上、ダイスター社製)、「Sumifix Supra Yellow 3RF 150 gran.」、「Sumifix Supra Red 4BNF 150 gran.」、「Sumifix Supra Brill. Yellow 3GF 150% gran.」、「Sumifix Supra Scarlet 2GF 150% gran.」、「Sumifix Supra Brill. Red 3BF 150% gran.」、「Sumifix Supra Brill. Red BSF 150% gran.」、「Sumifix Supra Blue 2BNF gran.」、「Sumifix Supra Turq. Blue BGF(N)」、「Sumifix Supra Navy Blue BF gran.」、「Sumifix Supra Mrine BNF gran.」、「Sumifix HF Yellow 3R gran.」、「Sumifix HF Scarlet 2G gran.」、「Sumifix HF Red 2B gran.」、「Sumifix HF Red G gran.」、「Sumifix HF Blue 2R gran.」、「Sumifix HF Blue BG gran.」、「Sumifix HF Navy 2G gran.」(以上、住友化学工業株式会社製)、「Cibacron Yellow LS−R」、「Cibacron Red FN−2BL」、「Cibacron Bill.Blue FN−G」、「Cibacron Navy C−R」、「Cibacron Black C−2R」、「Cibacron Blue LS−3R」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)等の市販品が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、セルロース系繊維の反応染料による染色においては、通常、反応染料を繊維に吸着させるための無機塩、反応染料の反応基を活性化させるためのアルカリ剤等の反応染料用染色助剤が用いられる。
上記無機塩は特に限定されず、例えば、硫酸ナトリウム及び塩化ナトリウム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アルカリ剤は特に限定されず、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等が挙げられる。また、「エスポロン R201」(一方社油脂工業株式会社製)等の市販品を用いてもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このセルロース系繊維染色工程における染色温度は特に限定されず、使用する反応染料の有する反応基の種類によって適宜調整することができる。例えば、この染色温度は、35〜80℃であることが好ましく、より好ましくは40〜70℃、更に好ましくは50〜60℃である。この温度が35〜80℃である場合には、セルロース系繊維をより均質に染色することができる。
この染色工程における染色時間は特に限定されず、例えば、20〜100分とすることが好ましく、より好ましくは30〜80分、更に好ましくは40〜60分である。
セルロース系繊維染色工程は、通常、水を媒体とし、混用物(被染物)の質量の5〜30倍、特に10〜20倍の液量で行われることが好ましい。この際の染色浴のpHは、反応染料の反応基が反応する限り特に限定されないが、pH10〜13.5であることが好ましく、より好ましくはpH11〜13である。
このセルロース系繊維染色工程においては、通常、セルロース系繊維の染色が終了した後に、染色液を廃棄する工程を備える。また、染色液を廃棄する前に冷却する工程を備えていてもよい。冷却する方法は特に限定されず、例えば、熱交換による間接冷却、水の注入による直接冷却等の方法を用いることができる。
更に、この染色工程においては、染色液を廃棄する工程の他に、染色物を水洗する工程を備えていてもよい。染色物を水洗する条件は特に限定されず、例えば、5〜60℃、特に15〜30℃の水を用いて行うことができる。また、この際の水量は、染色物の質量の5〜50倍、特に10〜30倍で行うことが好ましい。尚、この染色物を水洗する工程は、生産性をより向上させるために省略することができる。
このセルロース系繊維染色工程では、特に、セルロース系繊維の染色が終了後、冷却する工程と、染色液を廃棄する工程と、染色物を水洗する工程とを順次備えることが好ましい。
上記「ポリエステル系繊維染色工程」では、混用物に含まれるポリエステル系繊維が分散染料により染色される。更に、この工程では、ポリエステル系繊維の染色と共に、上記セルロース系繊維染色工程で用いられた反応染料の未固着分が除去される。そのため、従来の方法よりも染色工程数を減らすことができる。
上記「分散染料」としては、「Miketon Poly. Black PBSF u/c」、「Dianix Yellow E−3G」、「Dianix Black S−2B 200%」、「Dianix Black S−R 200%」、「Dianix Black E−G 01」、「Dianix Orange AD−R」、「Dianix Scarlet AD−RG」、「Dianix Yellow AM−2R」、「Dianix Red AM−B」、「Dianix Blue AM−R」(以上、ダイスター社製)、「Sumikaron Brill. Red SE-BL」、「Sumikaron Yellow SE−4G」、「Sumikaron Red S−BL」、「Sumikaron Red E−FBL」、「Sumikaron Red S 3BFL」、「Sumikaron Bordeaux SE−BL(A)」、「Sumikaron Blue S−3RF」、「Sumikaron Blue E−FBL」、「Sumikaron Blue S−BG 200%」、「Sumikaron Yellow Brown S−BRF」、「Sumikaron Navy Blue S−GL extra conc.」(以上、住友化学工業株式会社製)、「Terasil Yellow 4G」、「Terasil Red 3BL−01 150%」、「Terasil Red R」、「Terasil Blue 3RL−02」、「Terasil Brown 3R 150%」、「Terasil Red SD」、「Terasil Yellow SD」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「Kayalon Poly. Navy Blue ECX 300」(日本化薬株式会社製)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリエステル系繊維の分散染料による染色においては、通常、pH調整剤、均染剤等の分散染料用染色助剤が用いられる。
上記pH調整剤は特に限定されず、例えば、酢酸水溶液、結晶酢酸ナトリウム及び蟻酸水溶液等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記均染剤は特に限定されず、例えば、「ニューボンWS」、「ニッカサンソルト7000」、「ニッカサンソルト1200」(以上、日華化学株式会社製)、「Bispermol AN」、「Bispermol BNA」(以上、日成化成株式会社製)、「ミグノールRP−100A」、「ミグノールRP−770」(以上、一方社油脂工業株式会社製)、「イオネット RAP」(三洋化成工業株式会社製)等の市販品を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
このポリエステル系繊維染色工程における染色温度は、95〜140℃であることが好ましく、より好ましくは115〜130℃、更に好ましくは120〜130℃である。この温度が95〜140℃である場合には、ポリエステル系繊維を均質に染色することができ、且つ上記セルロース系繊維染色工程で用いられた反応染料の未固着分を十分に除去することができる。
この染色工程における染色時間は特に限定されず、例えば、20〜70分とすることが好ましく、より好ましくは30〜60分である。
この染色工程は、通常、水を媒体とし、混用物(被染物)の質量の5〜30倍、特に10〜20倍の液量で行われることが好ましい。この際の染色浴は、pH4〜8に調整することが好ましく、より好ましくはpH4.5〜7、更に好ましくはpH5〜6である。
また、ポリエステル系繊維染色工程においては、通常、ポリエステル系繊維の染色が終了した後に、染色液を廃棄する工程と、染色物を水洗する工程とを備える。また、染色液を廃棄する前に冷却する工程を備えていてもよい。尚、冷却方法、及び染色物を水洗する条件は、前記の説明をそのまま適用できる。
このポリエステル系繊維染色工程では、特に、ポリエステル系繊維の染色が終了後、冷却する工程と、染色液を廃棄する工程と、染色物を水洗する工程とを順次備えることが好ましい。
本発明の染色方法では、通常、上記ポリエステル系繊維染色工程の後に、ソーピング工程を備える。
このソーピング工程は、ポリエステル系繊維の表面に付着した分散染料及びセルロース系繊維に汚染した分散染料を除去するために行われるが、上記ポリエステル系繊維染色工程において、未固着な反応染料が全て除去されず、僅かに残ってしまった場合には、このソーピング工程により除去することができる。そのため、優れた染色堅牢度を有する染色物を得ることができる。
上記ソーピング剤は特に限定されず、公知のものを用いることができる。このソーピング剤としては、セルロース系繊維に汚染した分散染料をより確実に除去することができるという観点から、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含むソーピング剤(ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤からなるものを含む)を用いることが好ましい。具体的には、「グランアップ AX−33」(三洋化成工業株式会社製)、「Univadine NFL−A」、「Eriopon OL」、「Eriopon OS」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「ペレテックス E−451」、「ペレテックス F−500」(以上、ミヨシ油脂株式会社製)、「トライポール TK」(第一工業製薬株式会社製)、「センカノールCW」(センカ株式会社製)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ソーピング工程においては、通常、ソーピングが終了した後に、廃液を処理する工程と、染色物を水洗する工程とを備える。また、廃液を処理する前に冷却する工程を備えていてもよい。尚、冷却方法、及び染色物を水洗する条件は、前記の説明をそのまま適用できる。
更に、このソーピング工程は、上記廃液を処理する工程の後、又は上記染色物を水洗する工程の後に、湯洗い工程を備えていてもよい。湯洗いする条件は特に限定されず、例えば、40〜95℃、特に50〜70℃の温度で行うことができる。また、この際の水量は、染色物の質量の5〜50倍、特に10〜30倍で行うことが好ましい。尚、この湯洗い工程は、生産性をより向上させるために省略することができる。
このソーピング工程では、特に、ソーピングが終了後、冷却する工程と、廃液を処理する工程と、染色物を水洗する工程と、湯洗い工程とを順次備えることが好ましい。
本発明の染色方法においては、染色物に最終的な性能を付与する仕上げ工程を更に備えていてもよい。
上記仕上げ工程としては、例えば、樹脂加工、柔軟加工、硬仕上げ加工、親水加工、撥水加工、撥油加工、防燃加工、防縮加工、防虫加工、抗菌防臭加工、帯電防止加工、形状記憶加工、透湿防水加工及び導電性加工等が挙げられる。
また、本発明の染色方法は、セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含む混用物のセルロース系繊維を、pH10〜13.5(特にpH11〜13)の処理浴で、染色温度35〜80℃(特に40〜70℃、更には50〜60℃)、染色時間20〜100分(特に30〜80分、更には40〜60分)の条件下、反応染料で染色するセルロース系繊維染色工程と、混用物のポリエステル系繊維を、pH4〜8(特にpH4.5〜7、更にはpH5〜6)の処理浴で、染色温度95〜140℃(特に115〜130℃、更には120〜130℃)、染色時間20〜70分(特に30〜60分)の条件下、分散染料で染色するポリエステル系繊維染色工程と、を順次備えるものとすることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]混用物の染色
実施例1
混用物の染色方法を、図1(本発明の染色方法を模式的に説明する説明図)を参照しながら説明する。
(1)セルロース系繊維染色工程
被染物[経糸綿/緯糸ポリエチレンテレフタレートの交織布〔混合割合(綿/ポリエチレンテレフタレート);50/50〕]、反応染料及び無機塩を処理浴に入れ、60℃まで加温し、30分間維持した。その後、アルカリ剤を加え、更に60℃で60分間維持した。次いで、冷却し、染色液を廃棄した。
(2)ポリエステル系繊維染色工程
上記セルロース系繊維染色工程後、分散染料及び分散染料用染色助剤を処理浴に入れ、60分間かけて130℃まで加温し、60分間維持した。その後、冷却し、染色液を廃棄した後、水洗した。
(3)ソーピング工程
上記ポリエステル系繊維染色工程後、ソーピング剤を処理浴に入れ、96℃まで加温し、20分間維持した。その後、冷却し、廃液処理を行った後、水洗した。このソーピング工程後、乾燥し、仕上げ加工を施して、約6時間で実施例1の染色物を得た。
尚、上記の反応染料、無機塩、アルカリ剤、分散染料、均染助剤及びソーピング剤の詳細は以下の通りである。また、処理浴での染色は、水を媒体とし、被染物の質量の20倍の液量で行った。
[反応染料]
ダイスター社製、商品名「Remazol Black DEN liq. 50」、使用量;10.0%owf
[無機塩]
無水硫酸ナトリウム、使用量;80g/L
[アルカリ剤]
一方社油脂工業株式会社製、商品名「エスポロン R201」、使用量;8.0%owf
[分散染料]
ダイスター社製、商品名「Miketon Poly. Black PBSF u/c」、使用量;4.0%owf
[分散染料用染色助剤]
(a)日華化学株式会社製、商品名「ニューボンWS」、使用量;0.9%owf
(b)酢酸80%水溶液、使用量;0.3g/L
(c)結晶酢酸ナトリウム、使用量;0.3g/L
[ソーピング剤]
三洋化成工業株式会社製、商品名「グランアップ AX−33」、使用量;2.0g/L
尚、上記「%owf」は、被染物の質量に対する質量%を意味している。
比較例1(従来の染色方法により染色したもの)
混用物の染色方法を、図2(従来の染色方法を模式的に説明する説明図)を参照しながら説明する。
(1)ポリエステル系繊維染色工程
被染物、分散染料及び分散染料用染色助剤を処理浴に入れ、60分間かけて130℃まで加温し、60分間維持した。その後、冷却し、染色液を廃棄した後、水洗した。
(2)還元洗浄工程
上記ポリエステル系繊維染色工程後、還元洗浄薬剤を入れ、70℃まで加温し、20分間維持した。その後、冷却し、染色液を廃棄した後、水洗した。
(3)セルロース系繊維染色工程
上記還元洗浄後、反応染料及び無機塩を処理浴に入れ、60℃まで加温し、30分間維持した。その後、アルカリ剤を加え、更に60℃で60分間維持した。次いで、冷却し、染色液を廃棄した後、水洗した。
(4)ソーピング工程
上記セルロース系繊維染色工程後、ソーピング剤を処理浴に入れ、96℃まで加温し、20分間維持した。その後、冷却し、廃液処理を行った後、水洗した。次いで、処理浴に被染色物の質量の20倍の液量の水を注入し、80℃まで加温し、20分間維持することで湯洗いした。その後、冷却し、廃液処理を行った後、水洗した。次いで、このソーピング工程後、乾燥し、仕上げ加工を施して、約8時間で比較例2の染色物を得た。
尚、上記の分散染料、分散染料用助剤、反応染料、無機塩、アルカリ剤及びソーピング剤は、実施例1と同様のものを用いた。また、上記還元洗浄薬剤としては、下記のものを用いた。更に、処理浴での染色は、水を媒体とし、被染物の質量の20倍の液量で行った。
[還元洗浄薬剤]
(a)ハイドロサルファイト、使用量;2.0g/L
(b)センカ株式会社製、商品名「センカノールCW」、使用量;2.0g/L
(c)32.5%水酸化ナトリウム水溶液、使用量;2.0g/L
実施例2
下記の各反応染料及び各分散染料を用いた以外は、上記実施例1と同様にして染色を行い、約6時間で実施例2の染色物を得た。
[反応染料]
(a)住友化学工業株式会社製、商品名「Sumifix Supra Yellow 3RF 150 gran.」、使用量;0.5%owf
(b)住友化学工業株式会社製、商品名「Sumifix Supra Red 4BNF 150 gran.」、使用量;0.3%owf
(c)ダイスター社製、商品名「Remazol Black B liq. 50」、使用量;6.0%owf
[分散染料]
(a)ダイスター社製、商品名「Dianix Yellow E−3G」、使用量;1.0%owf
(b)住友化学工業株式会社製、商品名「Sumikaron Brill. Red SE-BL」、使用量;0.5%owf
(c)日本化薬株式会社製、商品名「Kayalon Poly. Navy Blue ECX 300」、使用量;3.0%owf
比較例2(従来の染色方法により染色したもの)
実施例2と同様の各反応染料及び各分散染料を用いた以外は、上記比較例1と同様にして染色を行い、約8時間で比較例2の染色物を得た。
[2]染色堅牢度試験
上記[1]で得られた実施例1、2、比較例1及び2の各染色物を用いて、下記の各種染色堅牢度試験を行い、染色堅牢度用グレースケールにて各々の等級を判定した。これらの結果を表1に示す。
洗濯堅牢度試験;JIS L 0844(A−2法)に準じて堅牢度試験を行った。
汗堅牢度試験;JIS L 0848(アルカリ性)に準じて堅牢度試験を行った。
水堅牢度試験;JIS L 0846に準じて堅牢度試験を行った。
摩擦堅牢度試験;JIS L 0849に準じて堅牢度試験を行った。
耐光堅牢度試験;JIS L 0843に準じて堅牢度試験を行った。
昇華堅牢度試験;JIS L 0879(B法)に準じて堅牢度試験を行った。
Figure 2005264368
[3]実施例の効果
表1によれば、本発明の方法により染色された実施例1の染色物は、この実施例1と同様の染料等を用いて、従来の方法により染色された比較例1の染色物と同等若しくはそれ以上の各種染色堅牢度を示すことが確認できた。また、実施例1と異なる染料等を用いて、本発明の方法により染色された実施例2の染色物においても、この実施例2と同様の染料等を用いて、従来の方法により染色された比較例2の染色物と同等若しくはそれ以上の各種染色堅牢度を示すことが確認できた。
また、実施例1及び2の染色物を得るのに要した時間(約6時間)は、比較例1及び2の染色物を得るのに要した時間(約8時間)よりも短く、生産性を大幅に向上できることが確認できた。
以上のことから、本発明の染色方法により混用物を染色すれば、従来の方法よりも必要な工程数を少なくでき、染色にかかる時間、エネルギー及び水等を大きく節減することができるため、染色物の生産効率を大幅に向上することができ、且つ従来のものと同等以上の染色堅牢度を有する染色物を得ることができることが分かった。
尚、本発明においては、ここで記載する実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、セルロース系繊維染色工程[図1の(1)参照]において、冷却した後に、染色液を廃棄し、更に水洗工程を備えていてもよい。
本実施例の染色工程を模式的に説明する説明図である。 従来の染色工程を模式的に説明する説明図である。

Claims (5)

  1. セルロース系繊維とポリエステル系繊維とを含む混用物の染色方法において、
    該混用物の該セルロース系繊維を反応染料で染色するセルロース系繊維染色工程と、該混用物の該ポリエステル系繊維を分散染料で染色するポリエステル系繊維染色工程と、を順次備えることを特徴とする混用物の染色方法。
  2. 上記ポリエステル系繊維染色工程の染色温度が、95〜140℃である請求項1に記載の混用物の染色方法。
  3. 上記セルロース系繊維染色工程の染色温度が、35〜80℃である請求項1又は2に記載の混用物の染色方法。
  4. 上記ポリエステル系繊維染色工程の後に、ソーピング工程を備える請求項1乃至3のいずれかに記載の混用物の染色方法。
  5. 上記ソーピング工程において、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤を含むソーピング剤を用いる請求項4に記載の混用物の染色方法。
JP2004076887A 2004-03-17 2004-03-17 混用物の染色方法 Pending JP2005264368A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004076887A JP2005264368A (ja) 2004-03-17 2004-03-17 混用物の染色方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004076887A JP2005264368A (ja) 2004-03-17 2004-03-17 混用物の染色方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005264368A true JP2005264368A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35089210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004076887A Pending JP2005264368A (ja) 2004-03-17 2004-03-17 混用物の染色方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005264368A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193852A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Nicca Chemical Co Ltd 反応染料被染物のソーピング方法
JP2008037095A (ja) * 2006-07-12 2008-02-21 Pilot Ink Co Ltd 水変色性壁面貼着材及びそれを用いた水変色性壁面貼着材セット
CN109680519A (zh) * 2018-12-14 2019-04-26 陕西元丰纺织技术研究有限公司 一种阻燃涤纶/腈氯纶混纺织物轧染染色工艺

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193852A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Nicca Chemical Co Ltd 反応染料被染物のソーピング方法
JP2008037095A (ja) * 2006-07-12 2008-02-21 Pilot Ink Co Ltd 水変色性壁面貼着材及びそれを用いた水変色性壁面貼着材セット
CN109680519A (zh) * 2018-12-14 2019-04-26 陕西元丰纺织技术研究有限公司 一种阻燃涤纶/腈氯纶混纺织物轧染染色工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3236005B2 (ja) 分散染料可染型繊維とポリウレタン繊維との混用染色品並びにその染色法
Ghazal et al. An overview of the dyeing process of lyocell fabric and its blends
JP2005264368A (ja) 混用物の染色方法
EP1599630B1 (en) Process for producing a dyed and finished lyocell fabric
KR20010033935A (ko) 셀룰로우스 직물의 염색 및 마무리 방법
CN110055773B (zh) Pla/phbv共混丝/天丝交织物两浴法染色工艺
JP4061392B2 (ja) 交撚糸及びその染色方法
JP4020658B2 (ja) 繊維構造物の染色加工方法及び染色繊維構造物
US6086638A (en) Method for dyeing a polyamide fabric in a grandrelle tone, and a dyed fabric obtained by said method
JPH0995865A (ja) セリシン定着繭及びセリシン定着糸
GB2314568A (en) Fibre finishing treatment
JP2009235655A (ja) 織物
JP4058690B2 (ja) 異色相可染交編織物及びその染色方法
JP3914524B2 (ja) ポリ乳酸繊維の染色加工方法
JPH1025670A (ja) 割繊型複合繊維を含む構造物の染色方法
GB2384249A (en) Dyeing & finishing of regenerated cellulose fabric with controlled fibrillation involving treatment with acid or acid donor then heat in gaseous atmosphere
JP2010163719A (ja) ポリ乳酸繊維と綿又はセルロース系繊維との複合繊維構造物に対するシルケット加工方法
JP2006077364A (ja) 綿と再生セルロース繊維とからなる複合繊維製品の製造方法
JP2011510182A (ja) 繊維混合物、それから製造された糸および織物
JP2004176238A (ja) 高染色堅牢度を付与されたセルロース系繊維構造物及び処理方法
JP3956502B2 (ja) ポリアミド系繊維構造物の杢調染色方法およびその染色物
JP4799021B2 (ja) ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料で非染色性の糸を染色可能とする方法
JPH11152690A (ja) 極細ポリアミド系繊維構造物の染色方法および染色物
JP3170820B2 (ja) ポリエステル系極細繊維構造物の染色方法
JP2000073283A (ja) ポリエステル/ポリアミド混合繊維構造物の染色方法およびその染色物