JP4799021B2 - ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料で非染色性の糸を染色可能とする方法 - Google Patents

ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料で非染色性の糸を染色可能とする方法 Download PDF

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本発明は、デニム生地特有のムラ感、洗いざらし感及び着古し感を表現できる糸および該糸を製造する方法に関する。
通常、染色物は繰り返し洗濯に対し変褪色の少ない事、即ち洗いざらされない様に堅牢に染色されていることが望ましい。しかしながら、最近の若者によるファッションの流行においてはたとえばブルーデニムのごとく、洗い晒した感じ、或いは、着古した感じが好まれている。とくにブリーチアウトデニム等と呼称されるカジュアルパンツは、インジゴ染料にて染色された織物あるいはその縫製物を漂白剤を使用して脱色されたものである。更にインジゴ染料のブルーのみならず種々の色相のカラージーンズに対しても着古した感じ、即ちブリーチアウトした感じの製品が好まれる傾向が大きくなっている。
従来、ブルーデニム生地を得るには、通常紡績方法で得た太番手の糸をインジゴ染料にて紡績糸表面の繊維のみを染色する、いわゆるリング染色を行い、織物やジーンズに縫製加工した製品の段階でインジゴ染めした部分の染料を脱落する様にしてジーンズ独特の着古し感を表現し、製造されている。
詳しくは、ジーンズ用紡績糸を紡績糸の内部は白いまま残すリング染色をし、この表面のみが染色された紡績糸を織り糸の経糸に用いて製織、更に縫製した後、ストーンウォッシュ等の洗い加工を施して全面や部分的に染料脱落や単繊維切断、摩耗による白化、紡績糸内部の単繊維の突出等により、ジーンズ独特の着古し感を表現する。
このようなリング染色は、インジゴ染料以外の通常綿やレーヨンの染色に用いられる反応染料及び直接染料では、糸の内部まで染色されてしまうために表面部分のみを染色する事が困難である。従って、ブリーチアウトした感じを出すことはできない。現在、デニム様の着古し感、ムラ感及び洗い晒し感を有する加工は、インジゴ染料で染料するほかなく、色相的にはブルー系に限定されているのが現状である。
本発明は、主に、デニム様のムラ感、洗い晒し感及び着古し感を出すことが可能な種々の色相に染色できる糸及びその製造方法、ならびに該糸からなる繊維製品を提供することを目的とする。
本発明は、以下の方法、糸及び繊維製品を提供するものである。
項1.ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸を、該染料に可染とする前処理薬剤で処理し、芯糸表面に部分的又は全体的に前処理薬剤のコーティングを形成することを特徴とする、前記染料で染色が可能な糸を製造する方法。
項2.ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸を、速度2〜20m/秒で前処理薬剤の溶液中に通す工程、80〜140℃で20〜200秒間予備乾燥する工程及び150〜200℃で20〜150秒間キュアリングを行う工程を含む項1に記載の方法。
項3.ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維が、セルロース繊維、再生セルロース系繊維、精製セルロース繊維、合成繊維及びこれらの繊維の混紡繊維からなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載の方法。
項4.前処理薬剤が、カチオン性を有する化合物の少なくとも1種である項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.カチオン性を有する化合物が、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、モノアリルアミン系ポリマー、ジアリルアミン系ポリマー、アミノ基及び/又はアンモニウム基をペンダントとして有するカチオン系アクリルポリマーからなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6.前処理薬剤が、カチオン性を有しない樹脂の少なくとも1種をさらに含む項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.芯糸の太さが1〜40番手である、項1〜6のいずれかに記載の方法。
項8.ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸と、該芯糸の表面にコーティングを有する糸であって、該コーティングはナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に可染性であり、かつ、該糸の横断面のコーティングの断面積が10〜50%であり、芯糸の断面積が90〜50%である、糸。
項9.コーティングが芯糸の外側にリング状に形成されてなる、請求項8に記載の糸。
項10.項9に記載の糸を、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて染色することを特徴とする、リング状に染色された糸を製造する方法。
項11.ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料が、酸性染料、含金属染料、羊毛用反応染料及びクロム染料からなる群より選択される少なくとも1種である項10に記載の方法。
項12.項10又は11に記載の方法によって染色された糸。
項13.項12に記載される糸から構成される繊維製品。
本発明の好ましい実施形態によれば、ブルーデニム特有の染色状態(リング状に染色された状態)を、ブルー系のみならず様々な色相によって実現することが可能である。従って、多彩な色相でリング状に染色された糸を得ることができる。さらに、このような糸を用いて、ブルー系以外の色相であっても、デニム様の洗いざらし感、着古し感、ムラ感の表現する事が可能な繊維製品を得ることができる。
本発明の方法によって得られた糸は、芯糸表面に形成された前処理薬剤のコーティングにのみに染料が染着することから、様々な特殊な染色が可能である。例えば、芯糸の片側半分のみに前処理薬剤のコーティングを形成することにより、糸表面の裏表で異色染色された糸を作成することや、部分的に該コーティングを形成することでカスリ調に染色することが可能できる。
本発明の方法を利用すれば、従来染色が困難であるポリプロピレン繊維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維に対しても、容易に色彩を付与できるようになり、染色加工のバリエーションが増やすことができる。
(1)前処理
本発明において、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性の繊維として、例えば、綿、麻等のセルロース繊維;レーヨン、ポリノジック、キュプラ等の再生セルロース系繊維;テンセル(登録商標)等の精製セルロース繊維;アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維等の合成繊維;これらの繊維の混紡繊維等が挙げられる。このような繊維を紡糸として用いる。本発明において、前記の繊維からなる前処理を施す前の糸を“芯糸”、前処理を施された後の糸を“糸”と呼ぶ。また、本発明においてナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性の繊維とは、これらの染料に全く染色されない繊維及びこれらの染料に染色されにくい繊維(難染色性の繊維)を指す。
本発明で使用される芯糸は、太さが1〜40番手、好ましくは4〜20番手である。また、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性の繊維が綿である場合は、綿蝋が付いた状態の原糸をそのまま芯糸として使用することで、繊維内部に過剰に染料が浸透することを防止でき、好ましい。
上記の芯糸に、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料による染色を可能とする前処理薬剤を用いて処理を施し、芯糸表面に前処理薬剤のコーティングを形成する。このコーティングは、芯糸全体を均一に覆うものが好ましいが、部分的に厚みが異なっていてもよい。コーティングが芯糸全体を覆っていれば、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料で染色した場合、リング状(すなわち、コーティングが染色され、芯糸が染色されていない状態)に染色された糸を得ることができる。
また、芯糸表面に前処理薬剤のコーティングが形成されていない部分があってもよい。このような糸をナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料で染色した場合には、糸表面に染色部分と染色されていない部分が混在する、カスリ調に染色された状態を呈する。
さらに、芯糸、或いは該芯糸を用いて製造した織物、編み物等の繊維製品を一部(例えば半分だけ)前処理薬剤の溶液に浸漬する等によって、芯糸表面の片側のみに前処理薬剤のコーティングを形成すれば、1本の糸表面の裏表を異なる種類の染料で染色することができる。
本発明において、糸をナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に染色可能とする前処理薬剤として、カチオン性を有する化合物を使用する。この様な化合物としては、例えば、トリアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩等のアミン系化合物;モノアリルアミン、ジアリルアミン系のポリマー、アミノ基及び/又はアンモニウム基をペンダントとして有するカチオン系アクリルポリマー等が挙げられる。これらの化合物の1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前処理薬剤は、上記カチオン性を有する化合物に、カチオン性を有しない樹脂を併用してもよい。カチオン性を有しない樹脂としては、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、SBR樹脂、NBR樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂等のノニオン、アニオン系の樹脂が挙げられる。
上記の前処理薬剤を、5〜50重量%程度、好ましくは15〜25重量%程度の濃度で水に溶解させて前処理薬剤溶液を調製する。前処理薬剤溶液中のカチオン性を有する化合物とカチオン性を有しない樹脂の合計量を100重量%とすると、カチオン性を有する化合物は、70〜100重量%程度、好ましくは85〜100重量%程度、カチオン性を有しない樹脂は、0〜30重量%程度、好ましくは0〜15重量%程度である。
また、前処理薬剤の溶液中にポリアクリル酸塩系、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ、CMC、デンプン等の増粘剤を0.1〜5重量%程度、好ましくは0.3〜2重量%程度加え、好適な粘度に調節してもよい。
前処理の方法としては、芯糸の表面に全体的にコーティングを形成する場合、上述したカチオン性を有する化合物を公知のパディング処理やロールタッチ加工により繊維表面に処理する加工方法が挙げられる。
例えば、パディング処理の場合、芯糸を速度2〜20m/秒程度、好ましくは5〜10m/秒程度で、前処理薬剤の溶液中に通した後、80〜140℃程度、好ましくは90〜120℃程度で20〜200秒間程度、好ましくは50〜180秒間程度予備乾燥を行う。芯糸を通す速度は、前処理薬剤溶液の粘度によって適宜調節することが可能である。さらに、この糸を、150〜200℃程度、好ましくは160〜190℃程度にて20〜150秒間程度、好ましくは90〜120秒間程度乾燥させてキュアリングを行う。
芯糸表面に部分的にコーティングを形成する場合、従来公知の方法に従えば良く、特に限定されないが、例えば、芯糸に前処理薬剤の溶液を噴霧する;芯糸の束の1箇所以上をきつく縛って前処理薬剤の溶液に浸漬する等の方法があげられる。
他の方法によって芯糸に前処理を行う場合は、当業者であれば、上記の例を参考に本発明の方法を適用することが可能である。
上記の条件で前処理を施すことで、芯糸表面が全体的に前処理薬剤で被覆された場合、芯糸の外側に、糸の横断面の断面積に対して10〜50%程度、好ましくは20〜40%程度、前処理薬剤が付着(コーティング)し、芯糸の断面積が90〜50%である、表面がナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に対して染色可能となった糸を得ることができる。また、前処理を行う際に、芯糸表面から前処理薬剤溶液が浸透することによって、芯糸の一部も含めてコーティングが形成されていてもよい。
(2)染色
このように前処理加工を行って得られる糸を羊毛又はナイロン繊維に用いられる染料にて、従来公知の方法に従い、羊毛又はナイロン繊維を染色するのと同様に染色する(例えば、含金染料であるラナセット染料で98℃染色を行う等)。染色によって得られた糸は、前処理加工によって芯糸表面のコーティングが形成された部分のみが染色され、糸表面が部分的又は全体的に染色されている。
本発明において染色に使用する染料とは、従来公知のナイロン繊維や羊毛の染色に用いられる染料を指し、酸性染料としては、例えばカヤノールミーリングBlue BW、ラナセットBlue 2R等;含金属染料として、例えばイルガランBlue 3GL、イソランNavy Blue S−RL等;羊毛用反応染料としては、例えばラナゾールRed 6G等;クロム染料として、例えばエリオクロムNavy RN 140%、三井クロムRed B等が挙げられる。これら染料を1種又は、2種以上組み合わせて使用できる。
本発明の前処理加工によって糸表面が全面に染色されたものは、ちょうどリング状に染色された糸となる(図1参照)。糸がリング状に染色されていることは、染色後の糸の横断面を目視することによって又は顕微鏡等を用いて確認できる。
このようにして得られた糸を織物や編物にしたて、ストーンウォッシュ、ケミカルウォッシュ、バイオウォッシュ等の従来公知の洗い加工を施し、デニム特有のムラ感、洗いざらし感、着古し感を有する繊維製品を得ることができる。
また、芯糸表面の全体にコーティングを形成した糸を用いて、カスリ調に染色された糸を得ることも可能である。この場合、従来公知の方法を参考に、例えば、糸の束を1箇所以上きつく縛り、染料に浸漬する等の方法を利用できる。
上記の方法によって得られた染色された糸を用いて、従来公知の方法に従い、繊維製品を得ることができる。繊維製品としては、例えば、織物、編物、不織布等を指す。織物及び編物には、生地及びそれを裁断、縫製して得られる衣類、鞄、財布等が含まれる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
芯糸である綿糸(7番手、産地 米綿、原糸)にナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料での染色を可能にする前処理を行い、綿糸表面がナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて染色可能な糸を得る。前処理は、下記のパディング処理の方法に従った。
パディング浴組成
エバファノールAP−12 30 %soln.
(日華化学社製:ノニオン系水系ポリウレタンエマルジョン)
ネオフィックスR−250 3 %soln.
(日華化学社製:ポリカチオン系ポリマー)
乾燥:120℃×2分→キュアリング:170℃×1分で行った。
その後、下記条件にて、染色、ソーピングを行い、湯洗後乾燥させて、リング状に染色された綿糸を得た。

染色条件:
Lanasol Red 6G 1 %o.w.f.
(チバガイギー社製:羊毛用反応染料)
硫酸アンモニウム 4 %o.w.f.
芒硝 10 %o.w.f.
浴比 1:20
処理温度×時間 98℃×30分間

ソーピング条件:
リポトール SK 2.0g/L
(日華化学社製)
浴比 1:20
処理温度×時間 70℃×20分間
このようにして得られた、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて糸表面のみが染色された、いわゆる、リング状に染色された糸を経糸に、綿の晒し糸を緯糸に綾織りでジーンズ調に織り上げた生地を作成し、ストーンウォッシュ加工にて当たりのある色相が赤色のカラーデニム地を得た。
芯糸である綿糸(7番手、産地 米綿、原糸)にナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料での染色を可能にする前処理を行い、綿糸表面のみがナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて染色可能な糸を得た。前処理は、下記のパディング処理の方法に従った。
パディング液組成
カチオン系アクリルエマルジョン 20 %soln.
(固形分:40%、Tg:−20℃)
乾燥:120℃×2分→キュアリング:170℃×1分で行った。
その後、下記条件で染色、ソーピングを行い、湯洗後乾燥させて、リング状に染色された綿糸を得た。

染色条件:
Lanaset Red G 1 %o.w.f.
(チバガイギー社製:含金属染料)
酢酸ソーダ 2 g/L
酢酸(90%) 0.5g/L
ニューボンE−1 1 %o.w.f.
(日華化学社製:ナイロン用均染剤)
浴比 1:20
処理温度×時間 98℃×30分間

ソーピング条件:
リポトール SK 2.0g/L
(日華化学社製)
浴比 1:20
処理温度×時間 70℃×20分間
このようにして得られた、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料でリング状に染色された糸を経糸に、綿の晒し糸を緯糸に綾織りでジーンズ調に織り上げた生地を作成し、ストーンウォッシュ加工にて当たりのある色相が赤色のカラーデニム地を得た。
芯糸である綿糸(7番手、産地 米綿、原糸)にナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料での染色を可能にする前処理を行い、綿糸表面のみがナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて染色可能な糸を得た。前処理は、下記のパディング処理の方法に従った。
パディング浴組成
エバファノールN−33 30 %soln.
(日華化学社製:ノニオン系水系ポリウレタンエマルジョン)
ネオフィックスR−250 2 %soln.
(日華化学社製:ポリカチオン系ポリマー)
乾燥:120℃×2分→キュアリング:170℃×1分で行った。
その後、下記の条件で染色、ソーピングを行い、湯洗後乾燥させて、リング状に染色された綿糸を得た。

染色条件:
Lanaset Blue 2R 1 %o.w.f.
(チバガイギー社製:含金属染料)
酢酸ナトリウム 1 %o.w.f.
酢酸(80%) 5 %o.w.f.
芒硝 5 %o.w.f.
ニューボンMG 1 %o.w.f.
(日華化学社製:羊毛均染剤)
浴比 1:20
処理温度×時間 98℃×30分間

ソーピング条件:
リポトール SK 2.0g/L
(日華化学社製)
浴比 1:20
処理温度×時間 75℃×15分間
このようにして得られた、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にてリング状に染色された糸を経糸に、綿の晒し糸を緯糸に綾織りでジーンズ調に織り上げた生地を作成し、ストーンウォッシュ加工にて当たりのある色相がブルーのカラーデニム地を得た。
比較例1
比較例1として、インジゴ染料を使用して染色された通常のブルーデニム生地を作成した。
比較例2
比較例2として、綿用反応染料 Remazol Red BB(ダイスター社製)を使用して染色したデニム生地を作成した。
実施例1〜3及び比較例2より得られたデニム生地を、比較例1と比較し、デニム生地としての特徴を糸の横断面を目視により評価した。
Figure 0004799021
表1の結果から、本発明のデニム様染色構造物(実施例1〜3)は、比較例1の通常のデニム地同様に、糸表面の繊維のみが染色されたいわゆる、リング染色されおり、デニム特有のムラ感、洗いざらし感及び着古し感のある染色繊維製品を得ることができた。比較例2でのカラーデニム地は、赤系の反応染料にて染色を行ったカラーデニムであり、反応染料が糸内部の繊維にまで染められるため、ストーンウォッシュ加工を施しても、インジゴ染料で表現されるブルーデニム地のようなムラ感、洗い晒し感及び着古し感を表現することはできなかった。
本発明の方法によって得られる糸は、以下の点においてインジゴ染料で染色されたブルーデニム生地に比べて優れている。
・様々な色の染料で染色することができる
・インジゴ染色した糸に比べて柔らかく、肌触りが良い
・洗濯を行った際の色落ちが少ない
染色前と染色後の糸の横断面図を示す。
符号の説明
1.芯糸
2a.前処理薬剤のコーティング
2b.染色層

Claims (11)

  1. ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸を、モノアリルアミン系ポリマー、ジアリルアミン系ポリマー、カチオン系アクリルエマルジョンからなる群より選択される少なくとも1種の前処理薬剤で処理し、芯糸表面に部分的又は全体的に前処理薬剤のコーティングを形成することを特徴とする、前記染料で染色が可能な糸を製造する方法。
  2. ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸を、速度2〜20m/秒で前処理薬剤の溶液中に通す工程、80〜140℃で20〜200秒間予備乾燥する工程及び150〜200℃で20〜150秒間キュアリングを行う工程を含む請求項1に記載の方法。
  3. ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維が、セルロース繊維、再生セルロース系繊維、精製セルロース繊維、合成繊維及びこれらの繊維の混紡繊維からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前処理薬剤が、カチオン性を有しない樹脂の少なくとも1種をさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 芯糸の太さが1〜40番手であって、綿蝋が付いた状態で芯糸として使用されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に非染色性である繊維からなる芯糸と、該芯糸の表面に、モノアリルアミン系ポリマー、ジアリルアミン系ポリマー、カチオン系アクリルエマルジョンからなる群より選択される少なくとも1種の前処理薬剤によるコーティングを有する糸であって、該コーティングはナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料に可染性であり、かつ、該糸の横断面のコーティングの断面積が10〜50%であり、芯糸の断面積が90〜50%である、糸。
  7. コーティングが芯糸の外側にリング状に形成されてなる、請求項6に記載の糸。
  8. 請求項7に記載の糸を、ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料にて染色することを特徴とする、リング状に染色された糸を製造する方法。
  9. ナイロン繊維又は羊毛に用いられる染料が、酸性染料、含金属染料、羊毛用反応染料及びクロム染料からなる群より選択される少なくとも1種である請求項8に記載の方法。
  10. 請求項8又は9に記載の方法によって染色された糸。
  11. 請求項10に記載される糸から構成される繊維製品。
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