JP2005264152A - 透湿防水フィルムおよび透湿防水複合材 - Google Patents

透湿防水フィルムおよび透湿防水複合材 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、優れた透湿性と防水性、素材耐久性、さらには水系化が可能なポリマーを利用することにより、低環境負荷プロセスで製造できる透湿防水フィルムと透湿防水複合材を提供する。
【解決手段】
ビスヒドロキシアルキル脂肪酸およびポリアルキレングリコールを重合成分として含む樹脂を2種類以上含む樹脂層からなり、該ビスヒドロキシアルキル脂肪酸が樹脂固形分に対して0.08mmol/g以上、0.5mmol/g以下含まれ、該アルキレングリコールの少なくともひとつがポリエチレングリコールであり、該ポリエチレングリコールが樹脂固形分に対し、20wt%以上、60wt%以下含まれるとともに、平均膜厚20μmでのJIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が3×10g/m・24h以上、200×10g/m・24h以下であることを特徴とする透湿湿防水フィルム。
【選択図】 図2

Description

本発明は、優れた透湿性、防水性および素材耐久性、さらには水系化が可能なポリマーを利用することにより、低環境負荷プロセスで製造することができる透湿防水フィルムおよび透湿防水複合材に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、織編物、不織布、紙、多孔性フィルム、既存の透湿防水素材および多孔性ボード等と組み合わせることで、フィッシングや登山衣等のアウトドアウェア、スキー関連ウェア、ウィンドブレーカー、アスレチックウェア、ゴルフウェア、テニスウェア、レインウェア、カジュアルコート、屋外作業着、手袋や靴等の衣料、衣料資材分野、壁紙や屋根防水シート、瓦等の建築材料、除湿器用フィルム基材などの電気機器部材のような非衣料分野において好適に用いることができる透湿防水フィルムおよび透湿防水複合材に関するものである。
従来、透湿性と防水性に優れた透湿防水フィルムや透湿防水複合材を得るためには、ポリマー鎖中に親水性部分を導入する、あるいは低透湿性の樹脂に高透湿性な親水性樹脂をブレンドするというような方法がとられており、いずれの場合も溶剤系樹脂におけるポリマーの改質や、ポリマーブレンドによる種々の検討がなされている(特許文献1および特許文献2参照)。
近年、地球環境への配慮からVOC(Volatile Organic Compounds)規制が実施され、樹脂溶媒である有機溶剤の水系化が望まれており、水系樹脂の透湿防水複合材分野への利用も一部検討がなされている(特許文献3および特許文献4参照)。しかしながら、溶剤系の樹脂を用いた場合のように透湿性と防水性を両立できる技術はいまだ無く、実用に耐え得る性能を具備したものは現行技術では見いだされていない。また、実用性能に加え素材耐久性をも具備する技術は皆無である。すなわち、水系化された樹脂の場合、溶剤系樹脂のようにポリマー鎖中に親水性部分を導入する、あるいは低透湿性の樹脂に高透湿性の親水性樹脂をブレンドするというような方法では、著しい膜強度の低下を引き起こすため、素材性能と素材耐久性の両立は困難を極めるものであった。
特開平7−9631号公報(特許第3212418号公報) 特開平7−3148号公報(特許第3272467号公報) 特開平1−97272号公報 特開平1−97274号公報(特許第2592465号公報)
そこで本発明は、前記の現状に鑑み、優れた透湿性、防水性および素材耐久性、さらには水系化が可能なポリマーを利用することにより、低環境負荷プロセスで製造することができる透湿防水フィルムおよび透湿防水複合材を提供することを目的とするものである。
本発明は、前記した課題を解決するために、次の構成を有するものである。
すなわち、本発明の透湿防水フィルムは、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸およびアルキレングリコールを重合成分として含む樹脂を2種類以上含む樹脂層からなり、該ビスヒドロキシアルキル脂肪酸が樹脂固形分に対して0.08mmol/g以上、0.5mmol/g以下含まれ、該アルキレングリコールの少なくともひとつがポリエチレングリコールであり、該ポリエチレングリコールが樹脂固形分に対し、20wt%以上、60wt%以下含まれるとともに、平均膜厚20μmでのJIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が3×10g/m・24h以上、200×10g/m・24h以下であることを特徴とする透湿防水フィルムである。
本発明の透湿防水フィルムの好ましい態様によれば、前記のアルキレングリコールは、アルキレン部の繰り返し単位炭素数が3以上、12以下のアルキレングリコールであり、また、前記の2種の樹脂はいずれもポリウレタン系樹脂である。
本発明の透湿防水フィルムの好ましい態様によれば、透湿防水フィルムのJIS L−1092、耐水圧法による耐水圧は0.1MPa以上、1.0MPa以下であり、また、フィルム断面切片の観察において樹脂の分散径は2μm以下である。
また、本発明の透湿防水複合材は、前記の透湿防水フィルムが、基材の少なくとも片面に設けられてなり、JIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が1×10g/m・24h以上、50×10g/m・24h以下である透湿防水複合材である。
また、本発明の透湿防水複合材の好ましい態様によれば、透湿防水複合材の24時間洗濯後の耐水圧保持率は80%以上、100%以下である。
本発明によれば、優れた透湿性、防水性および素材耐久性、さらには水系化が可能な樹脂を利用することにより、低環境負荷プロセスで製造することができる透湿防水複合材を得ることができる。さらに、フィルム中の樹脂同士の分散状態を制御することでさらなる高性能化が図れるものである。
本発明では、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸およびアルキレングリコールを重合成分として含む樹脂を2種類以上含む樹脂層を用いるものである。
ビスヒドロキシアルキル脂肪酸およびアルキレングリコールを重合成分として含む樹脂を2種類以上含む樹脂層とは、これらの重合成分を含む異なる2種類以上のポリマーからなる樹脂層をいう。
本発明で用いられるビスヒドロキシアルキル脂肪酸とは、アルキル脂肪酸の主鎖に2つのヒドロキシアルキル基が結合された化合物である。ビスヒドロキシアルキル脂肪酸としては、具体的には、2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸や2,2−ビスヒドロキシメチルブタン酸など、ヒドロキシアルキル基部分の炭素数は同じであるがアルキル脂肪酸部分の炭素数が増えた化合物、および2,2−ビスヒドロキシエチルプロピオン酸や2,2−ビスヒドロキシプロピルプロピオン酸などアルキル脂肪酸部分の炭素数は同じであるがヒドロキシアルキル基部分の炭素数が増えた化合物などが挙げられるが、本発明ではこれらに限るものではない。
本発明において、樹脂層に含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は、樹脂固形分に対して0.08mmol/g以上、0.5mmol/g以下である。樹脂のブレンド性向上の観点からは、2種類以上の樹脂それぞれの含有量が0.16mmol/g以上、0.33mmol/g以下であることが好ましく、2種類以上の樹脂の含有量差は0.08mmol以下であることが好ましい。
ここで言うビスヒドロキシアルキル脂肪酸の量は、樹脂を構成するポリマーに重合成分として含まれるものであり、ポリマー中に含まれる量がこの範囲にあることにより、樹脂同士のブレンド性、膜強度が向上するため、透湿性と耐水性の両立が可能となる。
また、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸量は、水酸化カリウムで滴定した場合、酸価(mgKOH/g)で表すことができる。酸価に換算すると、本発明の場合、5以上30以下となる。樹脂のブレンド性向上の観点からは、2つの酸価が10〜20の範囲であることが好ましく、2種類以上の樹脂の酸価の差が5以下であることが好ましい。
また、アルキレングリコールとは、アルキル鎖の両末端が水酸基である化合物、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなど、また、これら単独で縮重合された化合物、具体的にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールおよびポリヘキサメチレングリコールなどが挙げられるが、本発明ではこれらに限るものではない。
また、アルキレングリコールはポリエステルジオール、ポリ炭酸エステルジオールの一部として含まれていても構わない。
本発明では、機能発現と膜強度の両立という観点から、ポリアルキレングリコールが、樹脂固形分に対して40wt%以上、80wt%以下含まれることが好ましい。
アルキレングリコールの導入部位はポリマーの主鎖、側鎖を問わないが、効果発現の観点から主鎖中に含まれることが好ましい。アルキレングリコールが樹脂を構成するポリマー成分にこの範囲で含まれることにより、フィルムのTg低下によるソフト化およびポリマーの運動性向上による高透湿化が可能となる。
高透湿化と膜強度の両立という観点から、数平均分子量500以上3000以下のポリアルキレングリコールが好適であり、数平均分子量は800以上2500以下であることが好ましい。
本発明において、アルキレングリコールの少なくともひとつがポリエチレングリコールであり、ポリエチレングリコールが該樹脂層の重量に対し20wt%以上60wt%以下含まれていることが重要である。アルキレングリコールの少なくともひとつがポリエチレングリコールであることにより、被膜の透湿性を飛躍的に向上させることができる。ポリエチレングリコールの含有量が多ければ透湿性は向上するが、膜強度と耐久性の観点から、含有量は30〜50wt%であることが好ましい。高透湿化と膜強度の両立という観点から、ポリエチレングリコールの数平均分子量は800以上2500以下であることが好ましい。透湿性向上の観点からは、フィルムを構成する樹脂すべてにポリエチレングリコールが含まれることが好ましいが、膜強度の観点から好ましくない場合がある。特定の樹脂のみを高親水化することで、ブレンドされる他の樹脂をより膜強度の強い、疎水性の高い樹脂とすることができ、フィルム全体の性能バランスとして透湿性と膜強度の両立が容易となる。
本発明で用いられる樹脂としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、シリコーン系などに代表されるポリマー、またはこれら2種以上のポリマーからなる共重合物などが挙げられるが、本発明ではこれらに限るものではない。
本発明の透湿防水フィルムは、膜厚20μmでのJIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が3×10g/m・24h以上、200×10g/m・24h以下である。透湿性は、好ましくは、8×10g/m・24h以上、200×10g/m・24h以下である。
前述のポリマー構成により、透湿性をこの範囲にコントロールすることにより、フィルム単独、積層体とした場合に各種用途に展開できるようになる。透湿性の調整は、ポリアルキレングリコール、とくにポリエチレングリコールの含有量を調節することで可能である。透湿性を小さくするためには、ポリエチレングリコール量を少なく、また、透湿性を高くするためにはポリエチレングリコールの含有量を多くすれば良い。
透湿防水フィルムのフィルムの構造は特に限定されず、無孔性膜単独、多孔性膜単独、同種膜同士の積層膜および無孔性膜/多孔性膜の積層膜などが挙げられるがこれらに限るものではない。
ここでいう膜厚とは、フィルムそのものの厚みであり、支持体や基材などに積層されている場合においては、積層物から支持体や基材などの厚みを差した値をいう。厚さは、フィルムや積層物などをピーコックで直接測定する方法、断面をSEM観察する方法などで求められる。
膜厚20μmでの透湿性とは、例えば、前述の方法で厚さ50μmのフィルムの透湿性が3×10g/m・24hの場合、厚さ10μmのフィルムの透湿性が100×10g/m・24hの場合、本発明でいう膜厚20μmでの透湿性は、
前者が(3×10g/m・24h)÷(50μm/20μm)=1.2×10g/m・24hとなり、後者が(20μm/10μm)×(100×10g/m・24h)=50×10g/m・24hとなる。
本発明の透湿防水フィルムの膜厚は用途に適した厚さに調整して用いれば良く、特に限定はされないが、フィルム強度と製膜性の観点から、3μm〜300μm、好ましくは10μm〜100μmである。
本発明では、ポリアルキレングリコールが、アルキレン部の繰り返し単位炭素数が3以上12以下のポリアルキレングリコールであることが好ましい。ポリマーを構成するアルキレングリコールの炭素数がこの範囲であることにより、親水性の高いポリエチレングリコールを含むポリマーとのブレンド性をさらに向上することができるとともに、より疎水性の高いポリアルキレングリコールを用いることで膜強度向上にも寄与することができる。膜強度と透湿性の両立という観点からポリアルキレングリコールの数平均分子量は好ましくは800以上2500以下であり、また炭素数は好ましくは4〜6であり、なかでもポリアルキレングリコールは、ポリテトラメチレングリコールまたはヘキサメチレングリコールであることが好ましい。
さらに、本発明では、該2種の樹脂がいずれもポリウレタン系樹脂であることが好ましい。樹脂膜単独の場合の風合い、基材に積層した場合の風合い、ストレッチ性に優れていること、また、膜厚の異なる被膜を積層した場合においても、膜同志の追随性が非常に優れたものとなり、膜同志の接着性も優れているためである。
ポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールを反応せしめて得られる共重合体を主成分として含むものである。水系樹脂ではジアミンによる鎖伸長の際、ウレア結合などの結合が導入され、ポリウレタンウレアとなる場合があるがウレア部分が含まれていても良い。
イソシアネート成分としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートの単独またはこれらの混合物を用いることができる。
イソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートなどを用いることができる。
また、ポリオール成分としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、およびポリカーボネート系ポリオールなどを用いることができる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびポリヘキサメチレングリコールなど、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオールとアジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの2塩基酸との反応生成物やカプロラクトンなどの開環重合物など、ポリカーボネート系ポリオールとしてホスゲン法、エステル交換法等で合成される芳香族ポリカーボナート、脂肪族ポリカーボナートなどを用いることができる。その他、エーテル/エステル系、アミド系、シリコーン系、フッ素系、種々の共重合系などが適宜利用できるが、本発明はこれらに限るものではない。
ポリイソシアネートは、樹脂膜の強度、耐溶剤性および耐光性などの観点から、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートおよび4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)が好適であり、またポリオールは、樹脂膜の強度と耐加水分解性の観点から、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールおよびポリヘキサメチレンカーボネートが好適であり、また透湿性の観点から、ポリエチレングリコールを主成分としたポリウレタン樹脂が好適である。
また、本発明では透湿防水フィルムのJIS L−1092、耐水圧法による耐水圧が0.1MPa以上、1.0MPa以下であることが好ましい。前述の透湿性とともに、耐水性も具備することにより、より多くの用途に展開できるようになる。
さらに、本発明の透湿防水フィルムでは、フィルム断面切片の観察において樹脂の分散径を2μm以下とすることにより、より高性能な透湿防水フィルムを得ることができるようになる。すなわち、本発明の透湿防水フィルムは、樹脂の分散径が大きくても非常に高い性能を発現できるが、本発明者らは樹脂の分散性をコントロールすることにより、さらにフィルム性能を向上できることを見いだした。
本発明でいう、フィルム断面とはフィルムの厚さ方向における断面であり、切片とは長さ、または幅方向に切断した薄片のことをいう。ここでいう観察とは、フィルム断面の垂直方向(前述の薄片の長さ、または幅方向)に薄片の表面観察を行うことをいう。
樹脂の分散径が2μm以下であるとは、表面観察において観察できた樹脂塊の大きさが2μm以下であることをいう。分散径は小さいほど、すなわち、相溶状態である0μmに近づくほど高い性能を発現できるようになる。樹脂の分散径は実質的に相溶している0μm以上、2μm以下、好ましくは0μm以上、0.5μm以上である。
ここでいう分散径は、光学顕微鏡、SEM(走査型電子顕微鏡)、TEM(透過型電子顕微鏡)などによりフィルム断面を観察することで測定できる。例えば、任意に5カ所選択したフィルム断面の厚さ方向と直角方向の断面をSEMにより倍率500倍〜20000倍の範囲で樹脂塊の分散径が観察できる倍率で観察し、観察された樹脂塊の縦方向の最大径Yと横方向の最大径Xの平均値を分散径とすればよい。樹脂塊の観察が困難で有れば樹脂部分を染料、酸化オスミウム等で染色して観察すればよい。
本発明の透湿防水複合材は、前記の透湿防水フィルムを基材の少なくとも片面に設けてなるものであり、L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が1×10g/m・24h以上、50×10g/m・24h以下の透湿防水複合材である。さらには、快適性と素材適応範囲の広がりの点で、透湿性は8×10g/m・24h以上であることが好ましく、さらに好ましくは50×10g/m・24h以下。透湿防水複合材の透湿性は、基材自体の透湿性にもよるが、前述したようにポリマーレサイプ調整によるフィルム自体の透湿性、フィルムの膜厚調整、フィルムの接着方法などによりコントロールすることができる。
透湿防水フィルムを基材の少なくとも片面に設けられてなるとは、本発明の透湿防水フィルムが基材の少なくとも片面に積層され、基材の片面の一部または全部を被覆していることをいう。ここでいう被覆とは、連続層による全面被覆が好ましいが、利用目的により非連続層となっても構わない。
また、基材とは、繊維などからなる織編物、不織布、紙、多孔性フィルム、既存の透湿防水素材、および多孔性ボード等のシート状物が挙げられるが、本発明はこれらに限るものではない。
透湿防水フィルムを用いて基材を被覆するに際し、透湿防水フィルム用に調整した樹脂液を基材上にキャストまたはコーティングして被膜化する方法や、予め透湿防水フィルムを作製しておき、それを基材にラミネートする方法により、本発明の透湿防水複合材を得ることができる。
透湿防水フィルムのフィルム構造を多孔性膜とする場合は、膜厚を薄膜とすることで不連続層とする方法、水溶性溶剤等を加えることで選択凝集させる方法、塗工液に溶出成分である水溶性物質等を添加、製膜後に溶出する方法など、目的にあった方法で多孔性膜とすることができる。
コーティングの場合、一般的には、ナイフオーバーロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、リバースロールコーティングおよびグラビアコーティングなどのコーティング処方を用い、所望の膜厚となるように基材上に塗工量を適宜設定して塗工すればよい。
加熱処理条件は、低温乾燥では長時間を要するとともに、架橋などが不十分となる恐れがあること、高温乾燥では樹脂劣化の恐れがあることから、温度条件は80℃〜180℃の範囲が好ましく、処理時間は0.5分〜10分間が好ましい。
透湿防水フィルムを構成する樹脂と基材との接着性を向上させるためには、種々の方法を活用することができる。基材表面を粗面化する方法や、アンダーコートやプライマー処理をする方法などを目的に応じて適宜利用できるが、本発明はこれらに限るものではない。アンダーコートやプライマー処理の場合、処理剤中にブロックイソシアネートなどの架橋剤を添加しておけば、塗工液を基材に積層後も樹脂層と基材の間に架橋が形成されるため接着性はさらに向上する。
また、樹脂層を予め作製しておき、ラミネートする場合は、樹脂液を離型支持体上に製膜後、接着剤などを用い基材に積層すればよい。離型支持体とは、タフタ織物、フィルムおよび紙など、表面が平滑で、しかもその表面が支持上に形成させる樹脂膜に対し、親和性が低いもののことをいう。通常は、シリコーン樹脂などの離型剤を塗布した離型紙やフィルム、およびポリプロピレンをラミネートした離型紙などが好ましく用いられる。
離型支持体上へ樹脂液を塗工し、製膜するには、一般的には、ナイフオーバーロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、リバースロールコーティングおよびグラビアコーティングなどのコーティング処方を用い、所望の膜厚となるように離型支持体上に塗工量を適宜設定して塗工、乾燥し、製膜すれば良い。
樹脂を連続層とするにはナイフコーティング方式が好適であり、被膜化、製膜された樹脂層上に塗布、製膜を繰り返し行えば積層された樹脂層を製膜することができる。
最終的な用途目的に応じて、基材を選定し、基材上に樹脂層を設けることで、本発明の
透湿性と防水性を有する透湿防水複合材を得ることができる。
樹脂層を着色する場合は、樹脂液に無機系顔料あるいは有機系顔料等を適宜添加して用
いることができる。
樹脂層表面の滑性を改善する場合は、シリカ、酸化チタンおよびアルミナ等の無機粒子、ポリウレタンやアクリル等の有機粒子等をフィルム中に直接添加する方法、シリカ、酸化チタンおよびアルミナ等の無機粒子、ポリウレタンやアクリル等の有機粒子等を含んだ樹脂をフィルム表面にドット状に付与し、凹凸を付け擦過面積を低減させる方法などを適宜用いることができる。
さらに、本発明の透湿防水複合材は、24時間洗濯後の耐水圧保持率が80%以上、100%以下であることが好ましい。このように、前述の透湿性と耐水性とともに、耐水圧保持率も具備することにより、より多くの用途に展開できるようになる。
耐水圧保持率を向上するには、該樹脂層中に異なる2種類以上の架橋構造を有することが好ましい。樹脂層が架橋構造を有するとは、樹脂層を構成している樹脂ポリマーが架橋性を有する末端官能基を持ち、ポリマー同士が架橋する場合や、架橋性を有する末端官能基を有する架橋剤が介在することによりポリマー同士が架橋する場合を意味する。2種類以上の架橋構造を有するとはこれら架橋による構造が2種類以上存在することをいう。
架橋性を有する末端官能基としては、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、メチロール基およびオキサゾリン基などが挙げられるが、本発明はこれらに限るものではない。
架橋性を有する末端官基に対応する被架橋末端としては、同一末端のほかに、水酸基、アミノ基およびカルボキシル基などが挙げられるが、本発明はこれに限るものではない。
膜強度の観点から、架橋性を有する末端官能基は他のポリマーと架橋し得る構造を有することが好ましい。例えば、ポリマーの末端が水酸基、アミノ基およびカルボキシル基などの構造であれば、ポリイソシアネート系化合物を好適に利用することができ、特に膜強度向上には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートや4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を主成分とするポリイソシアネート化合物を好適に利用することができる。なかでも、架橋性を有する末端官能基と反応しうる官能基が封鎖されているブロックタイプの水系ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
また、製膜性の観点から、ブロックの解離温度は好ましくは80〜180℃であり、さらに好ましくは100〜140℃である。
基材との接着性向上の観点から、架橋性を有する末端官能基は、ポリマーおよび基材と架橋できる構造が好ましく利用できるが、なかでもメチロール基を有する化合物、例えばメチロール化メラミン系の架橋剤を好適に利用することができる。
架橋剤の添加量は透湿防水複合材として求める総合性能(透湿性、耐水性および耐久性など)をもとに決定すれば良いが、一般的には樹脂固形分に対し0.1〜10wt%の添加量が好適である。また、ポリマーが有する架橋性を有する末端官能基としては、耐熱性、耐候性および柔軟性向上という観点から、シラノール基などが好ましい。
これらのことから、高度な透湿性、高度な耐水性、および複合材とした場合の高度な耐水圧保持性は、ポリマーの高度な親水化による透湿性向上と膜強度の高い疎水化されたポリマーとの機能補完、および最適な架橋方法との組み合わせにより達成される。
次に、本発明の透湿防水フィルムと透湿防水複合材の製造方法について説明する。
本発明では、透湿防水フィルム用の樹脂を含む塗工液の溶媒を除去して得られる樹脂層を基材上に設けるに際し、該塗工液中に含まれる有機溶剤を樹脂固形分重量に対して0重量%以上、10重量%以下とし、基材上に塗工し、製膜し、積層することが好ましい。
本発明において用いられる塗工液は、有機溶剤の含有量が樹脂固形分重量に対して0重量%以上10重量%以下であり、好ましくは0重量%以上3重量%以下である。有機溶剤量を規制することにより、製膜時の有機溶剤排出量が従来溶剤系樹脂の加工と比べ大幅に削減でき、環境への負荷が小さくなる。
ここでいう有機溶剤とは、樹脂を溶解する溶媒または相溶化剤、製膜助剤等として塗工液に含有されるものであり、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族化合物、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、およびN−メチル−2−ピロリドン等の脂肪族化合物が挙げられるが、これらに限るものではない。
樹脂溶液中に含まれる有機溶剤の含有量は、樹脂液に含まれる樹脂固形分重量と、ガスクロマトグラフィー等で定量した樹脂液に含まれる有機溶剤の重量、また、樹脂の塗工量
と、同塗工量となるまでに発生した有機溶剤の重量から算出することができる。
また、有機溶剤以外の溶媒の主成分は水であることが好ましい。水を樹脂固形分重量に
対して25wt%以上、1900wt%以下とすることで、有機溶剤の含有量を0重量%
以上10重量%以下としながら良好な塗工液を調整することができる。
以上のことから、本発明で用いられる樹脂には、水系樹脂を好適に用いることができる。
ここで言う水系樹脂としては、乳化性、水溶性を有しないポリマーを界面活性剤などを用いて強制乳化させた強制乳化樹脂、自己乳化性を有するポリマーを乳化・分散させた自己乳化性樹脂、水溶性を有するポリマーを溶解させた水溶性樹脂などが挙げられる。
本発明においては、これら樹脂の中から前述の本発明の構成を満たす樹脂からなるフィルムが利用される。
本発明では、透湿性、耐水性および膜強度という観点から、少なくともひとつの樹脂が界面活性剤等の含有が少ない自己乳化性樹脂や水溶性樹脂であることが好ましく、さらに好ましくは、自己乳化性樹脂同士、水溶性樹脂同士、自己乳化性樹脂と水溶性樹脂がブレンドされた樹脂を好適に利用することができる。
自己乳化性とは、樹脂液の段階で樹脂が粒子径を有した分散状態であることをいう。また、水溶性とは、樹脂液の段階で樹脂が粒子径を有さず溶解状態であることをいう。
ここでいう粒子径の有無は、具体的には、ヘリウム−ネオン光源を用いた光散乱法で平均粒子径として測定することができる。自己乳化性樹脂の場合、粒子径は10nm以上、200nm以下をいう。好ましくは粒子径40nm以上100nm以下である。水溶性樹脂の場合も同様に、粒子径は10nm以上、200nm以下の粒子径を意味し、水溶性樹脂とはかかる粒子経を有する粒子は検出されないものをいう。
本発明の構成を満たし、樹脂自身が自己乳化性または水溶性を有するためは、例えば、分子構造中に、親水性基であるイオン性解離基(例えば、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、スルホネート基、カーバモイルスルホネート基、4級アミノ基又は4級アンモニウム塩等)、ノニオン性基[例えば、ポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン基など)、エポキシ基等]、などを導入すれば良いが、本発明はこれらに限るものではない。
親水性基としては、上記のとおりイオン性解離基であるアニオン性基が好ましく、なかでもカルボキシル基またはその塩が好ましい。
製膜性の観点から、カルボキシル基が有機アミン系化合物、例えば、トリエチルアミンなどで中和された塩であることが好ましく、本発明においては、ポリマーのジヒドロキシアルキル脂肪酸が予めトリエチルアミンなどで中和され水系化された樹脂液を好適に用いることができる。
また、本発明では、次のような方法により透湿防水フィルム中における樹脂塊の分散性を向上させることができる。例えば、水系樹脂などでは樹脂液の電荷状態を最適化することにより樹脂液の段階で高分散状態を作り出すことで、製膜後も樹脂液の高分散状態を保持することができる。具体的には、酢酸やプロピオン酸などの低級アルキル脂肪酸を樹脂液に添加し、pHを調整することで樹脂液段階での樹脂同士の分散性を高めることができる。分散性については樹脂液の光透過性などを測定することにより、透過性が向上すれば分散性が高くなっていると考えればよい。
本発明の透湿防水フィルムは、フィルム単独または用途に応じた基材との組み合わせにより壁材や屋根瓦といった建築材料、除湿器用基材などの生活関連材料部材等に好適に用いることができる。また、繊維材料などの基材と組み合わせることにより透湿防水複合材として、フィッシングや登山衣等のアウトドアウェア、スキー関連ウェア、ウィンドブレーカー、アスレチックウェア、ゴルフウェア、テニスウェア、レインウェア、カジュアルコート、屋外作業着、手袋や靴等といった衣料、衣料資材用途に好適に用いられる。
以下、実施例を用いて、本発明の透湿防水フィルムと透湿防水複合材について、具体的に説明する。なお、本発明に用いた基布、評価方法は次のとおりである。
[基材]
(1)ナイロンタフタ
糸使い 77デシテックス−68フィラメント(タテ、ヨコ)
織り密度 116×88本/cm
目付 72g/m2
(2)ポリエステルタフタ
糸使い 84デシテックス−72フィラメント(タテ、ヨコ)
織り密度 110×37/cm
目付 150g/m2
(3)ナイロン不織布
繊度 11デシテックス/フィラメント
目付 110g/m2
(4)ポリエチレン多孔性ネット
目付 29g/m2
厚さ 0.12mm
上記(1)〜(3)および上記(5)〜(6)の基材において、樹脂液を塗工後も裏抜けしない撥水処理(フッ素系撥水撥油剤であるAG925(旭硝子(株)製商品名)4%水分散液で処理)を行ない、家庭洗濯20回後も撥水度が3級以上となるようにして用いた。なお、上記(2)の基材については、撥水剤固形分に対し、水溶性ブロックイソシアネート系架橋剤を2部添加した処方を用いた。
[透湿性]
JIS L−1099 酢酸カリウム法(B−1法)に準じて測定した。
[耐水性]
JIS L−1092 高水圧法に準じて測定した。フィルム単独の場合、支持体と組み合わせた状態で膜面に水圧がかかるように取り付け同法により測定した。
[耐水圧保持率]
洗濯機 MAYTAG社製 CLOTHE WASHER(型式:LAT9206AAE)
浴比 1:50
界面活性剤を添加せず水洗い状態で24時間連続洗濯を行った後の耐水圧を測定し、未洗濯時の耐水圧に対する百分率(%)を保持率とした。ただし、耐水圧が0.3MPaを超えるものについては、0.3MPaを上限値として保持率を計算した。
[樹脂分散径測定]
ステンレス密閉容器(容積:8000cm)中にフィルムをぶら下げ、酸化オスミウム(VIII)の10wt%水溶液10ccを入れ、60℃の温度で8時間、気相で染色を行った。染色されたフィルムの薄片を作製し、走査型電子顕微鏡(S−4000、日立製作所製)で10000倍に拡大し、反射電子像を観察、写真映像とした。映像の任意で観察された樹脂塊の縦方向の最大径Yと横方向の最大径Xの平均値を分散径とすして算出した。
[実施例1]
ポリイソシアネート成分として4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を用い、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸として2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸を樹脂固形分に対し0.248mmol/g、ポリアルキレングリコール成分として数平均分子量1000のポリエチレングリコールを樹脂固形分に対し67.2wt%となるように合成した、架橋性を有する末端官能基としてシラノール基を含む水溶性ポリウレタンを主成分とする水溶性樹脂と、ポリイソシアネート成分として4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸として2,2−ビスヒドロキシメチルブタン酸を樹脂固形分に対し0.295mmol/g、アルキレングリコール成分として数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール、を用いて合成された自己乳化性ポリウレタンが主成分である“レザミンD2060”(大日精化工業(株)製商品名、登録商標)とを用い、それぞれの固形分が等重量となるように混合し固形分27wt%のブレンド樹脂を調整した。ブレンド樹脂固形分に対し含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は0.256mmol/gであり、ポリエチレングリコールは33.6wt%であった。
ブレンド樹脂の固形分に対し、架橋剤として、反応性末端にメチロール基を有するメラミン系架橋剤である“スミテックスレジンM−3”(住友ケミテックス(株)製商品名、登録商標を2wt%、反応性末端にイソシアネート基を有するブロックイソシアネート系架橋剤である“BN−69”(第一工業製薬(株)製商品名)を5.6wt%を添加し、さらに、樹脂層表面の滑材として、平均粒径2.7μmの多孔性シリカをブレンド樹脂の固形分に対し10wt%添加し、ミキサーで撹拌し、脱泡後、塗工液とした。
調整した塗工液を、ポリエステルフィルム上にロールオンナイフ方式でクリアランス0.1mmとし、塗工した。塗工後、熱風乾燥機を用い140℃の温度で2分間乾燥し、さらに160℃の温度で2分間熱処理し、製膜後、ポリエステルフィルムから剥離させ、48時間室温でエージングさせて、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性は、得られた透湿防水複合材は、にして本発明の透湿防水複合材を表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4いずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例2]
ポリイソシアネート成分として4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を用い、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸として2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸を樹脂固形分に対し0.248mmol/g、ポリアルキレングリコール成分として数平均分子量1000のポリエチレングリコールを樹脂固形分に対し67.2wt%となるよう合成した、架橋性を有する末端官能基としてシラノール基を含む水溶性ポリウレタンを主成分とする水溶性樹脂と、ポリイソシアネート成分として4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸として2,2-ビスヒドロキシメチルブタン酸を樹脂固形分に対し0.295mmol/g、アルキレングリコール成分として数平均分子量2000のポリテトラメチレングリコール、鎖伸長剤として水添加キシリレンジアミンを用いて合成された自己乳化性ポリウレタンが主成分である樹脂とを用い、それぞれの固形分が等重量となるように混合し固形分27wt%のブレンド樹脂を調整した。ブレンド樹脂固形分に対し含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は0.256mmol/g、ポリエチレングリコールは33.6wt%であった。
ブレンド樹脂の固形分に対し、架橋剤として、反応性末端にメチロール基を有するメラミン系架橋剤である“スミテックスレジンM−3”(住友ケミテックス(株)製商品名、登録商標)を2wt%、反応性末端にイソシアネート基を有するブロックイソシアネート系架橋剤である“BN−69”(第一工業製薬(株)製商品名)を5.6wt%を添加、さらに、樹脂層表面の滑材として、平均粒径2.7μmの多孔性シリカをブレンド樹脂の固形分に対し10wt%添加し、ミキサーで撹拌し、脱泡後、塗工液とした。調整した塗工液をポリエステルフィルム上にロールオンナイフ方式でクリアランス0.1mmとし、塗工した。塗工後、熱風乾燥機を用い140℃で2分間乾燥、さらに160℃の温度で2分間熱処理し、製膜後、ポリエステルフィルムから剥離させ、48時間室温でエージングさせ本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例3]
架橋剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様に作製し、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例4]
実施例1の塗工液の樹脂固形分を8wt%とし、ポリエステルフィルム上にキャストし、熱風乾燥機を用い140℃の温度で2分間乾燥、さらに160℃の温度で2分間熱処理した。製膜後、ポリエステルフィルムから剥離させ、48時間室温でエージングし、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例5]
“レザミンD2060”(大日精化工業(株)製商品名、登録商標)の樹脂の固形分に対し、架橋剤として、反応性末端にメチロール基を有するメラミン系架橋剤である“スミテックスレジンM−3”(住友ケミテックス(株)製商品名、登録商標)を2wt%、樹脂層表面の滑材として、平均粒径2.7μmの多孔性シリカをブレンド樹脂の固形分に対し15wt%添加、ミキサーで撹拌、脱泡後、塗工液とした。0.8mmドット60°千鳥のグラビアロールを用いて実施例1の複合材のフィルム表面にドット塗工を行い、熱風乾燥機を用い120℃の温度で1分乾燥を行うことで本発明の透湿防水フィルムを得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。また、フィルム表面の凹凸により表面滑性の高いフィルムであった。
[実施例6]
ポリイソシアネート成分として4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)を用い、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸として2,2−ビスヒドロキシメチルプロピオン酸を樹脂固形分に対し0.213mmol/g、アルキレングリコール成分としてヘキサメチレングリコールを含む数平均分子量1000のポリヘキサメチレンカーボネート、鎖伸長剤として水添加キシリレンジアミンを用いて合成された自己乳化性ポリウレタンが主成分である樹脂と実施例1の水溶性ポリウレタン樹脂をそれぞれの固形分のwt%が30:70となるように混合し固形分27.8wt%のブレンド樹脂を調整した。本樹脂を用いたこと以外は実施例5と同様に作製し、本発明の透湿防水フィルムを得た。ブレンド樹脂固形分に対し含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は0.224mmol/gであり、ポリエチレングリコールは47.0wt%であった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例7]
樹脂固形分に対し、ビスヒドロキシアルキル脂肪酸を0.179mmol/g含む、ポリウレタン系樹脂“パーマリンUA−310”(三洋化成工業(株)製商品名、登録商標)と実施例1の水溶性のブレンド樹脂を同wt%ずつブレンドしたこと以外は、実施例1と同様に作製し、本発明の透湿防水フィルムを得た。ブレンド樹脂固形分に対し含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は0.213mmol/gであり、ポリエチレングリコールは33.6wt%であった。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例8]
クリアランス0.15mmとし、ナイロンタフタに積層したこと以外は、実施例1と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性が高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例9]
ポリエステルタフタを利用したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性が高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材あった。
[実施例10]
ナイロン不織布を利用したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性が高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例11]
ポリエチレン多孔性ネット“DELNETP-620W”(三晶(株)製商品名、登録商標)を利用したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性と耐水性のがいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例12]
フローティングナイフ方式でクリアランスを0mmとし、塗工したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性が高く、耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例13]
実施例1で用いた自己乳化性樹脂と水溶性樹脂それぞれの固形分が30:70(wt%:wt%)となるようにブレンド後、水溶性ポリイソシアネートである“タケネートWD725”(三井武田ケミカル(株)製商品名、登録商標)をブレンド樹脂の固形分に対し、20wt%添加し、ミキサーで撹拌、脱泡後、接着剤とした。
実施例1で製膜したフィルム上に塗工量8g/mとなるように150メッシュグラビアロールを用い塗工を行い、熱風乾燥機を用い80℃の温度で1分予備乾燥を行った。撥水処理を行っていないナイロンタフタと積層し、熱ロールプレス機を用い120℃の温度、2kg/cmの線圧で熱圧着を行い、熱圧着後、離型フィルムを基材から剥離し、48時間室温でエージングさせることで本発明の透湿防水複合材を得た。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例14]
基材として、JIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が1.4×10g/m・24h、JIS L−1092、耐水圧法による耐水圧が0.23MPaである溶剤系湿式ポリウレタン多孔膜を機能膜、ナイロンタフタを基布とする透湿防水素材を用いたこと以外は、実施例8と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表1に組成等構成内容を、また表3に結果を示す。表3に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高いが、一部溶剤系プロセスであるため、有機溶剤の排出量が多い透湿防水複合材であった。
[実施例15]
基材として、JIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が1.2×10g/m・24h、JIS L−1092、耐水圧法による耐水圧が0.07MPaである水系樹脂からなるポリウレタン多孔膜を溶出法により作製し、このポリウレタン多孔膜を機能膜とし、ナイロンタフタを基布とする透湿防水素材を用いたこと以外は、実施例8と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例16]
架橋剤として、ブロックイソシアネート系架橋剤である“BN−69”(第一工業製薬(株)製商品名)をオキサゾリン基を有するオキサゾリン系架橋剤である“エポクロスWS700”((株)日本触媒製商品名、登録商標)の2wt%添加したこと以外は実施例8と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例17]
架橋剤として、メチロール基を有するメラミン系架橋剤である“スミテックスレジンM−3”(住友ケミテックス(株)製商品名、登録商標)をエポキシ基を有するエポキシ系架橋剤である”デナコール313”(ナガセケムテックス(株)製商品名、登録商標)の2wt%添加したこと以外は、実施例8と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例18]
自己乳化性樹脂をポリエステル系樹脂“バイロナールMD−1985”(東洋紡(株)製商品名、登録商標)とし、水溶性ポリウレタンと固形分を等重量とした塗工液を調整し、実施例5と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。ブレンド樹脂固形分に対し含まれるビスヒドロキシアルキル脂肪酸は0.151mmol/gであり、ポリエチレングリコールは33.6wt%であった。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例19]
自己乳化性樹脂をシリコーン系樹脂“BY22−826”(東レダウコーニングシリコーン(株)製商品名)とし、水溶性ポリウレタンと固形分を等重量とした塗工液を調整し、実施例5と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製た。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例20]
自己乳化性樹脂をアクリル系樹脂“ボンコート350”(大日本インキ(株)製商品名、登録商標)とし、水溶性ポリウレタンと固形分を等重量とした塗工液を調整し、実施例5と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性、耐水性および耐水圧保持性の高い、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例21]
実施例1の水溶性ポリウレタンを単独で利用したこと以外は、実施例1と同様に塗工液を調整し、実施例8と同様にして本発明の透湿防水複合材を作製した。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性が高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例22]
多孔性シリカを添加しないこと以外は、実施例1と同様に塗工液を調整し、実施例1と同様に製膜し、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。に示すように樹脂の分散径は2μmより大きく、分散性の低いフィルムであった。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すよう、得られた透湿防水複合材は、に透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例23]
実施例1の樹脂液に酢酸を添加し、pH7.8からpH6.2にするとともに、多孔性シリカを添加しないこと以外は、実施例1と同様に塗工液を調整し、実施例1と同様に製膜し、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。図2に示すように樹脂の分散径は2μmより小さく、分散性の高いフィルムであった。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例24]
実施例23の塗工液を使用したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合材は、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[実施例25]
多孔性シリカを添加しないこと以外は、実施例6と同様に塗工液を調整し、実施例6と同様に製膜し、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。図3に示すように樹脂の分散径は2μmより大きく、分散性の低いフィルムであった。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例26]
実施例6の樹脂液に酢酸を添加し、pH7.8からpH6.2にするとともに、多孔性シリカを添加しないこと以外は、実施例6と同様に塗工液を調整し、実施例1と同様に製膜し、本発明の透湿防水フィルムを得た。膜厚は20μmであった。図4に示すように樹脂の分散径は2μmより小さく、分散性の高いフィルムであった。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水フィルムは、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水フィルムであった。
[実施例27]
実施例26の塗工液を使用したこと以外は、実施例8と同様に作製し、本発明の透湿防水複合材を得た。表2に組成等構成内容を、また表4に結果を示す。表4に示すように、得られた透湿防水複合剤は、透湿性と耐水性はいずれも高く、水系樹脂であるため従来プロセスに比べ、有機溶剤の排出量の少ない低環境負荷な透湿防水複合材であった。
[比較例1]
“サンプレンHMP17A”(三洋化成工業(株)製商品名、登録商標)を単独で用いたこと以外は、実施例5と同様に作製し、複合材を得た。表4に示すように、環境負荷の大きな複合材であった。
本発明によれば、優れた透湿性、防水性および素材耐久性、さらには水系化が可能な樹脂を利用することにより、低環境負荷プロセスで製造することができる透湿防水複合材を得ることができる。さらに、フィルム中の樹脂同士の分散状態を制御することでさらなる高性能化を図ることができる。
図1は、本発明(実施例22)の透湿防水フィルム断面部分の通常樹脂分散状態を例示する走査型電子顕微鏡写真図である。 図2は、本発明(実施例23)の透湿防水フィルム断面部分の樹脂分散状態を例示する走査型電子顕微鏡写真図である。 図3は、本発明(実施例25)の透湿防水フィルム断面部分の樹脂分散状態を例示する走査型電子顕微鏡写真図である。 図4は、本発明(実施例26)の透湿防水フィルム断面部分の樹脂分散状態を例示する走査型電子顕微鏡写真図である。
符号の説明
1:水溶性樹脂部分(白色部分)
2:自己乳化性樹脂部分(黒色部分)

Claims (7)

  1. ビスヒドロキシアルキル脂肪酸およびアルキレングリコールを重合成分として含む樹脂を2種類以上含む樹脂層からなり、該ビスヒドロキシアルキル脂肪酸が樹脂固形分に対して0.08mmol/g以上、0.5mmol/g以下含まれ、該アルキレングリコールの少なくともひとつがポリエチレングリコールであり、該ポリエチレングリコールが樹脂固形分に対し、20wt%以上、60wt%以下含まれるとともに、平均膜厚20μmでのJIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が3×10g/m・24h以上、200×103g/m・24h以下であることを特徴とする透湿防水フィルム。
  2. アルキレングリコールが、アルキレン部の繰り返し単位炭素数が3以上、12以下のアルキレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の透湿防水フィルム。
  3. 2種の樹脂がいずれもポリウレタン系樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の透湿防水フィルム。
  4. JIS L−1092、耐水圧法による耐水圧が0.1MPa以上、1.0MPa以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の透湿防水フィルム。
  5. フィルム断面切片の観察において樹脂の分散径が2μm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の透湿防水フィルム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の透湿防水フィルムが、基材の少なくとも片面に設けられてなり、JIS L−1099、酢酸カリウム法(B−1法)による透湿性が1×10g/m・24h以上、50×10g/m・24h以下であることを特徴とする透湿防水複合材。
  7. 24時間洗濯後の耐水圧保持率が80%以上、100%以下であることを特徴とする請求項6に記載の透湿防水複合材。
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