JP2005263744A - 希少糖のtリンパ球の増殖抑制への使用 - Google Patents

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Abstract

【課題】 希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖の抑制。
【解決手段】 希少糖、好ましくはD-プシコース、D-アロースのTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖抑制剤。Tリンパ球増殖抑制剤を有効成分として含有してなるTリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患に対する、Tリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品。希少糖がD-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で希少糖の上記作用を利用する。上記組成物が、D-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用効果を利用する技術に関する。
現在、われわれを取り巻く環境、食生活、遺伝的背景の変化に伴い、これまで存在し得なかった免疫系の賦活化、再構築などがおこり、古典的な免疫疾患以外にアレルギー性疾患を中心とした新たな免疫系の破綻に伴う疾患が増加してきている。とくに小児におけるアトピー性皮膚炎、鼻アレルギーなどは増加の一途をたどっている。
アレルギーは、生まれつき持っているわけではない。生後、様々な物質と接触するうちに、ある物質(アレルゲン)に対して過敏になる。この、過敏になることを感作されるという。一度、感作されると、次にアレルゲンと出会ったとき、病的なアレルギー反応を起こす。アレルゲンにさらされたマクロファージは、それを処理したことを、Tリンパ球、Bリンパ球に刺激として伝える。Tリンパ球は、Bリンパ球を刺激し、Bリンパ球はIgE抗体を産生する。この抗体は、肥満細胞(または好塩基球)に付着すると、アレルギーを起こす準備ができたことになる。この状態をアレルゲンに感作されたと呼ぶ。なお、このマクロファージ、リンパ球、肥満細胞、好酸球は皆、白血球と呼ばれる血液中の細胞に属する。
感作されたところにアレルゲンが侵入すると、肥満細胞からヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンなどという化学伝達物質がばらまかれる。また、リンパ球は好酸球も刺激して、そこからもIL-5など、別の化学伝達物質が分泌される。化学伝達物質が分泌されると、その周囲に様々な炎症が起きる。炎症とは、発赤、痛み、はれ、発熱が起こった状態である。具体的には、スギ花粉が鼻の粘膜や目に入ると、そこが真っ赤に腫れて熱っぽくなり、痛む。これは炎症を起こした状態で、鼻水や目やにもその症状の一つである。ダニが気管支に入ると、気管支粘膜が腫れぼったくなり、イライラした痛みがして咳が出る。蕁麻疹なども同様である。卵に感作された人が、卵を食べると、全身が腫れて、痛みの軽い症状としてのかゆみが出る。
スギ花粉症を材料にアレルギーの治療をまとめると、以下のとおりである。
1)アレルゲンの除去
スギ花粉に感作されてしまっていたら、それを吸い込まないことである。マスクをして、吸い込むのを防いだり、干した布団は良くはたいて、花粉を家に入れないようにする。喘息に対してはダニ対策やペットの飼い方を工夫する事も重要になる。食物アレルギーなら、原因食品が特定できれば、それを食べないことである。
2)抗ヒスタミン剤
主な化学伝達物質である、ヒスタミンの作用を押さえ、アレルギー症状を軽減する。これは、ヒスタミンの作用部位にくっついて覆い、好塩基球から分泌されたヒスタミンを宙ぶらりんにして働かないようにする。即効性があり、主に飲み薬として用いられるが、注射薬、塗り薬なども使われている。眠気を起こしやすい薬であるが、最近は眠気がほとんどないものも開発されている。
3)抗アレルギー剤
抗ヒスタミン作用以外のルートを止めてアレルギー反応を防ぐ薬の総称である。好塩基球からの、化学伝達物質の分泌を押さえる薬がほとんどであるが、分泌されたヒスタミン以外の物質を抑えるものもある。また、抗ヒスタミン作用を併せ持つ薬、抗ヒスタミン作用が主な抗アレルギー剤もある。抗アレルギー剤は、即効性が無いため、花粉症では花粉が飛散する2週間くらい前から服用しておくと、ひどくならないで済むとされている。飲み薬の他に、点鼻薬、点眼薬、吸入薬などもあり、比較的軽いアレルギー症状や、ステロイド剤その他とも併用されている。
4)副腎皮質ステロイド
化学伝達物質であるロイコトリエンやプロスタグランディンの産生を抑えたり、Tリンパ球の働きを抑え、好酸球が関与するアレルギー反応を軽減するなど、様々な抗炎症作用を持っている。飲み薬は長期に使用すると、様々な副作用が出るため、最終手段として用いられている。最近は、体内に入ってもすぐ分解され、副作用のほとんど出ないステロイドが開発された。花粉症では点鼻や点眼で、気管支喘息では吸入薬として、中等度以上なら積極的に使われている。気管支喘息でも、吸入ステロイドが治療の中心として定着してきた。軟膏もかぶれなどでは、短期なので特に心配ないが、アトピー性皮膚炎などでは長期になるので慎重に使われている。
5)免疫抑制剤
CyA(サイクロスポリンA)やFK506(タクロリムス)などである。Tリンパ球から好酸球のルートを抑え、様々なアレルギーに効くが、新しいタイプのもので副作用も未知であることから、現在FK506がアトピー性皮膚炎に用いられているだけである。
6)減感作療法
少量のアレルゲンに慣らしてゆき、感作の状態から脱却する方法である。
一方で、臨床免疫学の進歩に伴い、動脈硬化性病変を含めた多くの生活習慣病や慢性疲労症候群などの現代病、ストレスに起因する各種疾患を含め、免疫系の関与が全く考えられていなかった疾患において、免疫系の破綻および変化が病因、病態に深く関与することが明らかになりつつある。免疫系は種々の免疫担当細胞などより構築されているが中でもTリンパ球がその中心的役割を担っていることが明らかとなってきている。そのTリンパ球の機能異常や活性化異常(暴走)が多くの免疫関連疾患の原因となることが明らかにされつつある。
Tリンパ球の中でもCD4陽性Tリンパ球(Th)はその産生サイトカインによりTh1およびTh2に分類され、その比率の変化によりアレルギー疾患や自己免疫疾患など種々の免疫関連疾患の病態形成に深く関与している。Th1型免疫応答は臓器特異免疫反応に、Th2型免疫応答はアトピー性疾患や鼻アレルギーなどのアレルギー疾患に深く関与している。特にアレルギーの抗原感作によるTh2型免疫応答の誘導においては抗原上の糖鎖の重要性が最近のトピックである。また実際に臨床分野において近年ではそれぞれの産生サイトカインを制御する薬剤が開発されつつある。
希少糖(D-アロース、D-プシコース)はこれまでの研究から免疫系に少なからず抑制効果および調節効果を及ぼすことが報告されており、本発明は、新たな作用機序をもった免疫抑制剤、免疫調節薬、抗アレルギー剤の提供を目的とする。
また、本発明は、希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖の抑制方法の提供を目的とする。
また、本発明は、希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖抑制の提供を目的とする。
また、本発明は、Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患に対する、Tリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品の提供を目的とする。
さらにまた、本発明は、甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品、飼料の形態で飲食、投与あるいは摂取させて、Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患の症状の進行の予防および/または治療のためにTリンパ球増殖の抑制方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(5)のTリンパ球増殖抑制剤を要旨とする。
(1)希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖抑制剤。
(2)免疫抑制剤である上記(1)のTリンパ球増殖抑制剤。
(3)免疫調節薬である上記(1)のTリンパ球増殖抑制剤。
(4)抗アレルギー剤である上記(1)のTリンパ球増殖抑制剤。
(5)希少糖がD-プシコースおよび/またはD-アロースである上記(1)ないし(4)のいずれかのTリンパ球増殖抑制剤。
本発明は、以下の(6)〜(7)のTリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品を要旨とする。
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかのTリンパ球増殖抑制剤を有効成分として含有してなるTリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患に対する、Tリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品。
(7)上記免疫関連疾患のTリンパ球の異常が、Tリンパ球の機能異常および/または活性異常である、上記(6)のTリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品。
本発明は、以下の(8)〜(11)のTリンパ球増殖の抑制方法を要旨とする。
(8)Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患の症状の進行の予防および/または治療のために希少糖のリンパ球の増殖を抑制する作用を利用することを特徴とするTリンパ球増殖の抑制方法。
(9)希少糖がD-プシコースおよび/またはD-アロースである上記(8)のTリンパ球増殖の抑制方法。
(10)D-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で希少糖の作用を利用する上記(8)のTリンパ球増殖の抑制方法。
(11)上記組成物が、D-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである上記(10)のTリンパ球増殖の抑制方法。
免疫関連疾患に対し免疫の暴走を制御するため現在、新たな免疫抑制剤、免疫調節薬、抗アレルギー剤など免疫系に作用する薬剤が次々と開発されつつある。しかし既存の免疫抑制剤、免疫調節薬、抗アレルギー剤の市場は拡大の一途をとっているが、薬効、副作用などの点からいまだ十分な薬剤は存在しないのが現状である。本発明は、新たな作用機序をもった免疫抑制剤、免疫調節薬、抗アレルギー剤を提供することができる。
また、希少糖のTリンパ球増殖抑制作用を利用するTリンパ球増殖抑制を提供することができる。また、Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患に対する、Tリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品を提供することができる。また、希少糖のTリンパ球増殖抑制作用を利用するTリンパ球増殖の抑制方法を提供することができる。
甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品、飼料の形態で飲食、投与あるいは摂取させて、Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患の症状の進行の予防および/または治療のためにTリンパ球増殖の抑制方法を提供することができる。
「希少糖」とは、自然界に微量にしか存在しない単糖と定義づけることができる。本発明においても前記定義に基づく希少糖であり、好ましくはアルドースであるD-アロース、またはケトースであるD-プシコースである。自然界に多量に存在する単糖は、D-グルコース、D-フラクトース、D-ガラクトース、D-マンノース、D-リボース、D-キシロース、L-アラビノースの7種類あり、それ以外の単糖は全て希少糖である。また、糖アルコールは単糖を還元してできるが、自然界にはD-ソルビトールが比較的多いが、それ以外のものは量的には少ないので、これらも本発明に従う希少糖と定義される。これらの希少糖は、これまで入手が困難であったが、自然界に多量に存在する単糖から希少糖を生産する方法が開発されつつあり、その技術を利用して製造することができる。
希少糖のうち、現在大量生産ができているD-アロースとD-プシコースという二つの希少糖について説明する。
本発明で用いられるD-アロース(D-アロヘキソース)は、アルドース(アルドヘキソース)に分類されるアロースのD体であり、融点が178℃の六炭糖(C6H12O6)である。D-アロースの製法は、D-アロン酸ラクトンをナトリウムアマルガムで還元する方法による製法や、また、シェイクワット・ホセイン・ブイヤン等による「ジャーナル・オブ・ファーメンテーション・アンド・バイオエンジニアリング(Journal of Fermentation and Bioengineering)」第85巻、539乃至541頁(1998年)において記載されている、L-ラムノース・イソメラーゼを用いてD-プシコースから合成する製法、近年では、特開2002-17392号公報に記載されているD-プシコースを含有する溶液にD-キシロース・イソメラーゼを作用させて、D-プシコースからD-アロースを生成する製法がある。別途出願中である特願平2003-95828号の明細書に記載された、当該高純度D-アロースの分離回収法は、D-プシコースの一部分をD-アロースに変換した酵素反応産物である例えば35%D-プシコースと15%D-アロースの混合溶液からD-アロースを回収するに際し、D-アロースのエタノールおよび/またはメタノールに難溶性の性質を利用してD-アロースを結晶化させ、該D-アロースの結晶を分離することを特徴とする。上記の方法において、D-プシコースを酵素反応でD-アロースに変換する際に用いる酵素は「L-ラムノースイソメラーゼ」が例示される。L-ラムノースイソメラーゼは、上記1998年の文献で発表された公知酵素であり、Pseudomonas stutzerii 由来の酵素を好ましいものとして例示される。菌株 Pseudomonas stutzerii LL172a は、上記文献に記載された公知菌であり、香川大学農学部生物資源食糧化学科の何森健研究室に保存されている。財団法人発酵研究所から同一のPseudomonas stutzerii は得られる。Pseudomonas stutzerii IFO 3773, Pseudomonas stutzerii IFO 13596 が同一の活性を持っていると思われる。L-ラムノースイソメラーゼは各種の微生物から容易に入手が可能であり、L-ラムノースが存在する培養条件の時に、誘導的に生産される。通常、L-ラムノースイソメラーゼ産生能を有する微生物を培養して得ることができる。例えば、L-ラムノースイソメラーゼは各種の微生物をL-ラムノースを炭素源として培養すると、L-ラムノースが誘導剤となって菌体内に生産される。酵素を大量に構成的に産生する変異株を用いることは、L-ラムノースなどの高価な炭素源を必要としないので特に有利である。得られた培養菌体からL-ラムノースイソメラーゼを抽出したもの、または菌体そのものを用いる。L-ラムノースイソメラーゼは、使用目的に応じて、必ずしも高純度に精製されたものでなくてもよく、粗酵素であっても用いることができる。粗酵素の具体的例としては、上記のL-ラムノースイソメラーゼ産生能を有する微生物自体を、また、その培養物や部分精製した培養物を用いることができる。このように特定の固定化法による固定化酵素または固定化菌体の形態で用いることにより、送液圧力が低く安定で長期間連続使用可能なリアクターを構築することができる。上記の高純度D-アロースを連続的に製造する方法によって、D-アロースの分離と同時に脱塩、脱イオン、そして濃縮、結晶化が行え、従来、すべて別々の工程で行っていた分離方法をワンステップに統合処理できる。したがって、短時間に大量の処理が可能である。
本発明で用いられるD-プシコースは、希少糖に属するケトヘキソースに分類されるプシコースのD体であり六炭糖(C6H12O6)である。このようなD-プシコースは、自然界から抽出されたもの、化学的またはバイオ的な合成法により合成されたもの等を含めて、どのような手段により入手してもよい。比較的容易には、例えば、エピメラーゼを用いた手法(特開平6-125776号公報等参照)により調製されたものでもよい。得られたD-プシコース液は、必要により、例えば、除蛋白、脱色、脱塩などの方法で精製され、濃縮してシラップ状のD-プシコース製品を採取することができ、更に、カラムクロマトグラフィーで分画、精製することにより99%以上の高純度の標品も容易に得ることができる。このようなD-プシコースは単糖としてそのまま利用できるほか、必要に応じて各種の誘導体として用いることも期待される。
D-プシコースの混合物については、すでに開発されているD-プシコースおよびD-フラクトースを含有する複合体結晶性糖質について説明する(特開2001−11090号公報)。このような混合糖質を製造するには、D-ケトヘキソース・3−エピメラーゼをD-フラクトースに作用させエピ化反応して、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物を調製することが有利に実施できる。調製される糖質のD-プシコースとD-フラクトースとの割合は、通常、固形物当たりそれぞれ約20乃至25%と約80乃至75%である。必要ならば、この割合のD-プシコースとD-フラクトースとの混合糖質を、D-プシコースにD-ケトヘキソース・3−エピメラーゼを作用させて製造することも随意である。また、無機および/または有機触媒を用いてD-フラクトースをエピ化してD-プシコースおよびD-フラクトースの混合物を製造することも可能である。その場合、通常、D-プシコースの純度が低いため、D-プシコースを添加したり、溶媒分画、膜分離、カラム分画、酵母処理、酵素処理などしてD-フラクトースを除去しD-プシコースの純度を高めたりすることも可能である。勿論、単純にD-プシコースとD-フラクトースとを任意の割合で配合して、D-プシコースおよびD-フラクトースの混合物を調製してもよい。
希少糖はTリンパ球の増殖を抑制する作用効果を有している。本発明者らによって、ヒトCD4陽性Tリンパ球に対してのリンパ球刺激に対する増殖の低下を希少糖が引き起こすことが初めて発見された。希少糖が免疫系の中心的役割を担っているCD4陽性Tリンパ球に作用し、免疫抑制作用を発揮するが確認された。
我々の身体において正常の恒常性維持には、三大調節系である神経系・内分泌系・免疫系が重要であり、それぞれが複雑に関連し維持されている。それぞれのシステムが共通の情報伝達物質とレセプターを有し、免疫系はサイトカインを用いて神経・内分泌系に影響を及ぼし、逆に心理的、肉体的ストレスなどに際し、脳は内分泌系や自律神経系を操作し免疫系に影響を及ぼすことが知られ、その機序についても様々な報告があり、そのクロストークが重要視されている。その中で免疫系は抵抗力ともいわれ、体内に進入してくる病原体など異物の排除や悪性腫瘍の監視機構など重要な役割を担っており、その恒常性維持のシステムについて急速に明らかになってきている。
しかし現在、われわれを取り巻く環境、食生活、遺伝的背景の変化に伴い、これまで存在し得なかった免疫系の賦活化、再構築などがおこり、古典的な免疫疾患以外にアレルギー性疾患を中心とした新たな免疫系の破綻に伴う疾患が増加してきている。とくに小児におけるアトピー性皮膚炎、鼻アレルギーなどは増加の一途をたどっている。
現在、自己免疫疾患、アレルギー疾患に用いられている免疫抑制剤および免疫調節薬は非常に限られたものしか存在しない。故にその選択と適応の幅はかなり狭いのが現状であり、新しい免疫抑制薬でかつ作用機序の異なる薬剤が誕生することは、今後かなりのニーズが期待される移植医療を含め、免疫抑制療法の分野において新しい時代が来ると考えても過言ではないと思われ、それにより生じうる社会貢献は計り知れないものがあると考えられる。
希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用効果は、Tリンパ球増殖抑制剤として、あるいは医薬品として、特定保健用食品として利用することができる。たとえば、D-プシコースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物は、食品類に対して、リンパ球の増殖を抑制する食品素材として利用できる。D-プシコース甘味は上品で爽やかで、サッカリンのような苦みや渋みを伴う不快感はなく、むしろフラクトースの甘味に類似している。甘味度は蔗糖の約70%である。D-プシコースやD-プシコースおよびD-フラクトースを含有する複合体結晶性糖質の甘味は、酸味、塩から味、渋味、旨味、苦味など、各種の物質の他の呈味とよく調和し、普通一般の飲食物の甘味付、呈味改良に、また品質改良などに有利に利用できる。
食品、飲料における配合量は特に制限されないが0.01〜10重量%程度が好ましい。医薬品の場合、カプセルや粉末、錠剤などとして経口投与することができ、水に溶けることから経口投与以外に静脈注射、筋肉注射などの投与方法を採用することが可能である。投与量は例えば症状の度合いや体重、年齢、性別などにより異なるものであり、使用に際して適当な量を症状に応じて決めることが望ましい。医薬品における配合量は特に制限はされないが、体重1kgあたり、経口投与の場合0.01〜2,000mg、静脈注射投与の場合0.01〜1,000mg、筋肉注射投与の場合0.01〜1,000mg程度が好ましい。
また本発明の希少糖は食品素材に微量に存在し、安全性が高く、大量生産技術が開発されればコスト面でも利用価値は高いものである。なお急性経口毒性試験では5,000mg/kg以上であった。
本発明の機能性食品(特定保健用食品など)は、特定の疾病などを予防する健康食品、予防医薬品の分野の利用に適している。特定の疾病を予防する健康食品においては、必須成分である希少糖の他に、任意的成分として、通常食品に添加されるビタミン類、炭水化物、色素、香料など適宜配合することができる。食品は液状または固形の任意の形態で食することができる。ゼラチンなどで外包してカプセル化した軟カプセル剤として食することができる。カプセルは、例えば、原料ゼラチンに水を加えて溶解し、これに可塑剤(グリセリン、D-ソルビトールなど)を加えることにより調製したゼラチン皮膜でつくられる。
本発明の薬剤においては、有効成分である希少糖はそれ自体のみならずそれの薬剤として許容される塩として使用される。該薬剤は、希少糖を単独で製剤として用いることができるほか、製薬上使用できる担体もしくは希釈剤を加えた製剤組成物に加工したものを用いることもできる。このような製剤または薬剤組成物は、経口または非経口の経路で投与することができる。例えば、経口投与用の固体または流体(ゲルおよび液体)の製剤または薬剤組成物は、タブレット、カプセル、錠剤、丸剤、粉末、顆粒もしくはゲル調製品の形態をとる。製剤または薬剤組成物の正確な投与量は、その目的とする使用形態および処置時間により変化するため、担当の医師または獣医が適当であると考える量になる。服用および投与用量は製剤形態によって適宜調整できる。錠剤などの経口固形製剤、経口液剤などとして1日服用量を1回ないし数回に分けて服用してもよい。また、例えばシロップやトローチ、チュアブル錠などの幼児頓服して、局所で作用させるとともに内服による全身性作用をも発揮させる製剤形態では1日服用量の1/2〜1/10を1回量として配合し服用すればよく、この場合全服用量が1日量に満たなくてもよい。
逆に、製剤形態からみて無理な服用容量とならなければ1日服用量に相当する量を1回分として配合してもよい。製剤の調製にあたっては、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、コーティング剤、徐放化剤など、希釈剤や賦形剤を用いることができる。この他、必要に応じて溶解補助剤、緩衝剤、保存剤、可溶化剤、等張化剤、乳化剤、懸濁化剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤、硬化剤、吸収剤、粘着剤、弾性剤、可塑剤、吸着剤、香料、着色剤、矯味剤、抗酸化剤、保湿剤、遮光剤、光沢剤、帯電防止剤などを使用することができる。
以上述べたような甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料にD-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で含有せしめる方法は、その製品が完成するまでの工程でD-プシコースなどとして0.1重量%以上、望ましくは0.5重量%以上含有せしめればよく、例えば、混和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、被覆、噴霧、注入、晶析、固化などの公知の方法が適宜選ばれる。
本発明のD-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物において、D-プシコースなどは、組成物中に0.1〜50重量%含まれるように配合されている。好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。組成物中において、D-プシコースなどが0.1重量%未満だと、T細胞の抑制作用が充分ではない。また、組成物中において、D-プシコースなどが50重量%を越えると、経済的な意味で好ましくない。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
希少糖(D-アロース、D-プシコース)の免疫系に及ぼす抑制、調節効果を免疫系の中心的役割を担うTリンパ球を中心にin vitroで検討し、抑制、調節効果が認められればそのメカニズムを検討し、さらには免疫系全体に及ぼす影響を解析し、本発明者らが現在行っている自己免疫疾患モデル(関節炎モデル、全身性エリテマトーデスモデル)、アレルギー疾患モデル(OVA感作アレルギー性鼻炎モデル)の治療に対して希少糖(D-アロース、D-プシコース)の有用性を検討するとともにヒトの免疫疾患における有用性を検討する。
〔研究の方法〕
ヒト末梢血免疫担当細胞、特にTリンパ球を中心に希少糖(D-アロース、D-プシコース)細胞生物学的活性について検討する。対象とする免疫細胞は従来より本発明者らが行っているmagnetic deviceを用いたnegative selectionを用いpurificationを行う。
a)Tリンパ球等の増殖活性に及ぼす影響
リンパ球は抗原刺激を受けT細胞レセプターを中心とした刺激により増殖する。増殖時にはDNA合成を起こすため、そのマーカーとしてThymidine(チミジン)の細胞内取り込みを測定し、希少糖(D-アロース、D-プシコース)のリンパ球、特にTリンパ球の増殖活性に及ぼす影響について検討した。リンパ球の増殖刺激には、T細胞レセプターの刺激抗体である抗CD3抗体(OKT-3およびUCTH-1)を用い、増殖活性の測定には3H-thymidineのincorporationを用い検討した。
〔結果および考察〕
(1)ヒト末梢血活性化 CD 4陽性Tリンパ球の増殖に及ぼす希少糖の効果
抗CD3抗体(UCTH-1)刺激活性化CD4陽性Tリンパ球の増殖に対するD-アロースおよびD-プシコースの効果を検討した。
CD4陽性Tリンパ球 (2 x 105)を抗CD3抗体(2 μg/ml )で刺激しD-アロース(13.5mM )、D-グルコース(13.5mM )、D-プシコース(13.5mM ) の存在下、非存在下で72時間培養した。増殖能測定は4時間のチミジン添加後、細胞内取り込みをシンチレーションカウンターで測定した。測定検体数はそれぞれ6検体で検討した。結果を図1に示す。
(2)ヒト末梢血活性化 CD 4陽性Tリンパ球の増殖に及ぼす希少糖の効果
抗CD3抗体(OKT-3)刺激活性化CD4陽性Tリンパ球の増殖に対するD-アロースおよびD-プシコースの効果を検討した。
CD4陽性Tリンパ球 (2 x 105)を抗CD3抗体(2 μg/ml )で刺激しD-アロース(13.5mM )、D-グルコース(13.5mM )、D-プシコース(13.5mM ) の存在下、非存在下で72時間培養した。増殖能測定は4時間のチミジン添加後、細胞内取り込みをシンチレーションカウンターで測定した。測定検体数はそれぞれ6検体で検討した。結果を、図2に示す。
(3)ヒト末梢血単核球の増殖に及ぼす希少糖の効果
抗CD3抗体(UCTH-1)刺激活性化末梢血単核球の増殖に対するD-アロースおよびD-プシコースの効果を検討した。
末梢血単核球 (1 x 105)を抗CD3抗体(2 μg/ml )で刺激しD-アロース(13.5mM )、D-グルコース(13.5mM )、D-プシコース(13.5mM ) の存在下、非存在下で72時間培養した。増殖能測定は4時間のチミジン添加後、細胞内取り込みをシンチレーションカウンターで測定した。測定検体数はそれぞれ6検体で検討した。結果を図3に示す。
(4)ヒト末梢血活性化 末梢血単核球の増殖に及ぼす希少糖の効果
抗CD3抗体(OKT-3)刺激活性化末梢血単核球の増殖に対するD-アロースおよびD-プシコースの効果を示した。
末梢血単核球 (1 x 105)を抗CD3抗体(2 μg/ml )で刺激しD-アロース(13.5mM )、D-グルコース(13.5mM )、D-プシコース(13.5mM ) の存在下、非存在下で72時間培養した。増殖能測定は4時間のチミジン添加後、細胞内取り込みをシンチレーションカウンターで測定した。測定検体数はそれぞれ6検体で検討した。結果を図4に示す。
図1〜図4に示すように、i)D-アロース、D-プシコースともに増殖抑制効果が認められたが、PBMCに対する抑制作用よりTおよびCD4+T細胞に対しての増殖抑制が強く認められた。ii)D-アロースによる増殖抑制効果がD-プシコースより優位であった。D-アロースの増殖抑制効果には濃度依存性が認められた。iii)増殖抑制効果は二種類の抗CD3抗体を用いて行ったが、いずれの抗体によるTcR刺激でも抑制効果が認められた。
b)T リンパ球の活性化に関する表面マーカー発現に及ぼす影響
Tリンパ球は刺激を受けて増殖する際に、細胞表面に種々の活性化マーカーを発現する。このマーカーの発現頻度を測定することにより、リンパ球の活性化の程度を検討できる。活性化マーカーの発現頻度に及ぼす希少糖(D-アロース、D-プシコース)の影響を検討することにより、希少糖(D-アロース、D-プシコース)の免疫抑制効果を評価することができる。活性化表面マーカーにはCD25分子とCD69分子を選択し、測定はそれぞれの抗体を用いたフローサイトメトリー法で細胞表面の活性化マーカーの発現頻度を検討した。
〔結果および考察〕
CD4陽性Tリンパ球のCD25発現に及ぼすD-アロースの効果を図5に示す。
CD4陽性Tリンパ球のCD69発現に及ぼすD-アロースの効果を図6に示す。
図5および図6に示すように、i)D-アロース、D-プシコースともにCD25の発現は低下していたがD-アロースの方が顕著であった。ii)CD69の発現に対してはD-アロースおよびD-プシコースともに影響を及ぼさなかった。
c)Tリンパ球等のアポトーシスに対する影響
リンパ球を含む免疫担当細胞はアポトーシスと呼ばれる自己プログラム細胞死を起こすことによりその免疫調節、恒常性の維持を維持している。このアポトーシスは種々のメカニズムが存在し、AICD(活性化依存性細胞死)とよばれるものやFAS分子依存性アポトーシスなどが存在し、この二つがCD4陽性Tリンパ球のアポトーシスの重要なメカニズムになっている。この二つのアポトーシス に対する希少糖(D-アロース、D-プシコース)の影響について検討した。AICDについては健常人の末梢血CD4陽性Tリンパ球を用い抗CD3抗体でリンパ球を活性化させてアポトーシスの頻度を測定した。FAS分子依存性アポトーシスに関しては、CEMと呼ばれるFAS分子を強発現している、ヒトCD4陽性腫瘍細胞株を用い抗FAS抗体にてアポトーシスを誘導し検討した。アポトーシス細胞の測定にはPropidium Iodide法を用いて細胞内の二重鎖DNAの存在量の変化をフローサイトメトリー法で測定しアポトーシス細胞比率を検討した。
〔結果および考察〕
(1)ヒト末梢血活
UCTH-1抗体刺激によるCD4陽性Tリンパ球の活性化細胞死に対するD-アロースの効果を図7に示す。
T細胞性細胞株におけるFAS依存性アポトーシスに対するD-アロースの効果を図8に示す。
図7および図8に示すように、i)D-アロースはUCTH-1抗体を用いたTcR刺激により誘導されるCD4+ Tリンパ球のAICD(activation-induced cell death)に対しては刺激後48時間では影響を及ぼさなかった。72時間後ではAICDを抑制した。ii)D-アロースはFas抗体によるT cell lineであるCEM(CD4 cell line)がIgM class 抗Fas抗体により誘導されるapoptosisに対しては影響を及ぼさなかった。
以上のa)b)c)の結果から、リンパ球、特にCD4陽性Tリンパ球においては希少糖、特にD-アロースが増殖活性抑制作用を持つことが明らかとなった(図1, 2, 3, 4, 5, 6)。この作用は希少糖によるcytoreductive な効果である可能性は少ない(図7、8)。活性化表面マーカーの検討では2nd activation phase のマーカーであるCD25の発現に抑制効果をしめすものの1st activation phaseのマーカーであるCD69の発現には影響を及ぼさない。このことから考えるとD-アロースの増殖抑制作用はTcRのシグナリングにはあまり影響を及ぼしていないと考えられる。
いずれにせよ、今回の実験ではヒトCD4陽性Tリンパ球に対してのリンパ球刺激に対する増殖の低下を希少糖が引き起こすことが初めて発見された。つまり希少糖が免疫系の中心的役割を担っているCD4陽性Tリンパ球に作用し、免疫抑制作用を発揮するが確認されたため、臨床応用に向けて、疾患治療に応用するための正常動物および疾患モデル動物への投与実験を平行して行う予定であり、すでに正常動物に対する投与実験および免疫機能に対する影響の評価を行っている段階である。
〔有望性、実用性、発展性〕
現在、自己免疫疾患、アレルギー疾患に用いられている免疫抑制剤および免疫調節薬は非常に限られたものしか存在しない。故にその選択と適応の幅はかなり狭いのが現状であり、新しい免疫抑制薬でかつ作用機序の異なる薬剤が誕生することは、今後かなりのニーズが期待される移植医療を含め、免疫抑制療法の分野において新しい時代が来ると考えても過言ではないと思われ、それにより生じうる社会貢献は計り知れないものがあると考えられる。
また、現在、我々の免疫機構に環境因子(環境ホルモン、汚染物質など)が深く影響してきており、遺伝学的にはまだ環境の変化に適応できず、免疫機能の破綻が起こりつつある。年々小児のアレルギー疾患(気管支喘息、アトピー性皮膚炎など)の増加や鼻アレルギーなどの環境自然免疫獲得機構の異常などはその一表現形である。さらに慢性疲労症候群や生活習慣病の増加の大きな一因にも免疫機構の破綻や関与が確実視されている。希少糖の免疫調節薬としての効果が確立されれば、これまでの薬剤と異なり、糖であるという利便性を生かして、つまり薬剤としてではなく食品や嗜好品などの形で利用も可能となる。免疫抑制薬としての利用もさることながら、食品や嗜好品などの形で利用においても社会的な効果(経済効果も含め)は大きいと思われる。
現在、免疫、アレルギーの分野を含めCELL TO CELL interactionを介する生体反応における細胞表面の糖鎖や外来抗原タンパクにおけるタンパク表面の糖鎖の重要性が指摘されている。希少糖の免疫系を中心とした作用がさらに明らかになれば、細胞表面やタンパク表面の糖鎖を希少糖などに置換することなどにより、免疫制御やガン制御の分野でこれまでに考えられなかった様な効果をもたらす可能性が十分に考えられ夢のような治療が実現する可能性もある。またやはり糖であるという決定的な特徴を生かして色々な糖鎖に選択した場所にのみ組み込む事が出来る可能性があり、drug deliveryについても超選択的なdeliveryが考えられる。以上のことからあらゆる分野で長期にわたって将来性がある。
ヒト末梢血活性化 CD 4陽性Tリンパ球の増殖に及ぼす希少糖の効果 ヒト末梢血活性化 CD 4陽性Tリンパ球の増殖に及ぼす希少糖の効果 ヒト末梢血単核球の増殖に及ぼす希少糖の効果 ヒト末梢血活性化 末梢血単核球の増殖に及ぼす希少糖の効果 CD4陽性Tリンパ球のCD25発現に及ぼすD-アロースの効果 CD4陽性Tリンパ球のCD69発現に及ぼすD-アロースの効果 UCTH-1抗体刺激によるCD4陽性Tリンパ球の活性化細胞死に対するD-アロースの効果 T細胞性細胞株におけるFAS依存性アポトーシスに対するD-アロースの効果。コーゲン含量を測定した。

Claims (11)

  1. 希少糖のTリンパ球の増殖を抑制する作用を用いるTリンパ球増殖抑制剤。
  2. 免疫抑制剤である請求項1のTリンパ球増殖抑制剤。
  3. 免疫調節薬である請求項1のTリンパ球増殖抑制剤。
  4. 抗アレルギー剤である請求項1のTリンパ球増殖抑制剤。
  5. 希少糖がD-プシコースおよび/またはD-アロースである請求項1ないし4のいずれかのTリンパ球増殖抑制剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれかのTリンパ球増殖抑制剤を有効成分として含有してなるTリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患に対する、Tリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品。
  7. 上記免疫関連疾患のTリンパ球の異常が、Tリンパ球の機能異常および/または活性異常である、請求項6のTリンパ球の増殖を抑制することによる症状の進行の予防および/または治療薬、または特定保健用食品。
  8. Tリンパ球の異常が原因となる免疫関連疾患の症状の進行の予防および/または治療のために希少糖のリンパ球の増殖を抑制する作用を利用することを特徴とするTリンパ球増殖の抑制方法。
  9. 希少糖がD-プシコースおよび/またはD-アロースである請求項8のTリンパ球増殖の抑制方法。
  10. D-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を配合した組成物の形態で希少糖の上記作用を利用する請求項8のTリンパ球増殖の抑制方法。
  11. 上記組成物が、D-プシコース、D-アロースおよび/またはその誘導体および/またはその混合物を有効成分として配合した甘味料、調味料、食品添加物、食品素材、飲食品、健康飲食品、医薬品および飼料からなる群から選ばれる形態のものである請求項10のTリンパ球増殖の抑制方法。


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