JP2005261446A - 被災者用収納袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単な設備または器具で作成され、血液、体液が袋体から外部にもれず感染等の二次災害の心配のない安心して運搬できる被災者用収納袋を提供する。
【解決手段】 収納口を設けた袋体(A)、及びその中に収納された生理食塩水に対する吸水量が20〜100g/g、保水量/吸水量が0.55〜1.00、ゲル弾性率が2×103〜12×103N/m2の水不溶性吸水性樹脂(B)からなることを特徴とする被災
者用収納袋;さらに被災者用収納袋に保冷剤、消臭芳香剤成分、殺菌抗菌剤から選ばれる1つ以上を被災者とともに封入する被災者用収納袋の使用方法である。
【選択図】 なし


Description

本発明は被災者用収納袋に関する。
従来、事故現場等から収容された被災者特に遺体の搬送には、毛布等で包囲した遺体を担架に載置したり寝袋状袋体に収納して、担架、台車、車輌等に載置する手段が採用されていた。その場合事故等が悲惨であるほど遺体の損傷が激しく血液、体液が噴出して上記毛布や袋体が汚れたり、外部に漏れたりして、例えば被災者が感染症を有する場合には二次感染が心配される等安心して運搬できる状況ではない場合もあった。このような場合の対策として、遺体を低温に維持しながら遺体の傷みを防止しつつ収納搬送する遺体収納搬送システムが提案されている。(例えば、特許文献1)
特開平9−103454公報
しかしながら、このシステムでは冷却防臭殺菌装置や冷気導入管や戻り管などが必要になり設備も簡単ではなく、また例えば大怪我等の重体者の血液、体液が噴出した場合には外部に漏れたり、またAIDS、SARS、劇性肝炎等の感染症を有する患者等の場合は二次感染等のおそれもありこれらが十分に解消できないという問題がある。
本発明の目的は、簡単な設備または器具で作成され、血液、体液が袋体から外部にもれず感染等の二次災害の心配のない安心して運搬できる被災者用収納袋を提供することである。
本発明者らは上記問題点を改善した被災者用収納袋を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は収納口を設けた袋体(A)、及びその中に収納された水不溶性吸水性樹脂(B)からなることを特徴とする被災者用収納袋;該被災者用収納袋を用いて被災者を収納運搬する被災者の救助運搬方法である。
本発明の被災者用収納袋は下記の効果を奏する。
(1)内部の吸水材が被災者から流出する血液、体液を吸収・保液するので袋から外部に漏れにくく、二次感染等の心配を減少することができる。
(2)さらに消臭芳香剤成分、殺菌抗菌剤成分等を封入することにより、消臭効果、腐敗防止効果等を発揮し、腐敗、感染等を抑制することができる。
本発明において、水不溶性吸水性樹脂(B)としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び/若しくは単糖類(イ−2)と水溶性単量体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂。(イ−1)としてはショ糖、セルロース、CMC、デンプン等が挙げられ、(イ−2)としてはペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ジペンタエリスリトール、グルコース、フルクトース等が挙げられる。
(ロ)としては例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体及びそれらの塩が挙げられる。カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば不飽和モノまたはポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。以下同様の記載を用いる)、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、フマル酸、フマル酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、クロトン酸、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、イタコン酸グリコールモノアルキル(炭素数1〜9)エーテル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。
スルホン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホアルキル(炭素数1〜9)[(メタ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スルホプロピル等]、(メタ)アクリルアミドアルキル(炭素数1〜9)スルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]等が挙げられる。
リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル(炭素数1〜9)リン酸モノエステル[2−アクリロイルオキシエチル(メタ)ホスフェート、フェニル−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート等]等が挙げられる。
上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を含有する水溶性単量体の塩[例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩等]等が挙げられる。アミド基含有モノマー[例えば(メタ)アクリルアミド等]、3級アミノ基含有モノマー[例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等]、第4級アンモニウム塩基含有モノマー[例えば上記3級アミノ基含有モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等]、エポキシ基含有モノマー[例えばグリシジル(メタ)アクリレート等]、その他モノマー[4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン等]等が挙げられる。
これらは2種以上併用してもよい。これらの内で好ましい水溶性単量体は、カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体及びその塩であり、より好ましくは不飽和モノ又はポリカルボン酸及びその塩、特に好ましくは(メタ)アクリル酸及びその塩である。
(ハ)としては、例えば、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤、ラジカル重合性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤、反応性官能基を2個以上有する架橋剤等が挙げられる。
ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する化合物の具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有する化合物[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート等]が挙げられる。(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物の具体例としては、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン等)、及びポリアミン(例えば、ポリエチレンイミン等)等が挙げられる。これらの架橋剤は2種類以上を併用しても良い。これらのうち好ましいものは、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する共重合性の架橋剤であり、更に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリアリルアミンである。
この吸水性樹脂の具体例としては特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させ必要により加水分解させたもの(デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物等);
(3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの架橋物等);
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体及び加水分解物(架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架橋型ポリアクリル酸塩等);
が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
これらの吸水性樹脂のうち、好ましいものは、(1)、(4)として例示したもののうち、架橋ポリアクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコールである。
中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩の種類および中和度については特に限定はないが、塩の種類としては好ましくはアルカリ金属塩、より好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対する中和度は好ましくは50〜90モル%、より好ましくは60〜80モル%である。
上記(1)、(4)として例示したものの場合、架橋剤の使用量は、水溶性単量体と架橋剤の合計質量に基づいて、好ましくは0.001〜5%であり、より好ましくは0.05〜2%、特に好ましくは0.1〜1%である。架橋剤の量が0.001%以上であると、吸水性樹脂の吸水・保水能力が大きくなり、血液、体液等を良く吸収することができる。一方5質量%以下であると、逆に架橋が強くなりすぎず、吸水・保水能力も十分でありゲル弾性も良好である。
吸水性樹脂の製造に当たり、重合方法については特に限定されず、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重合法、光開始重合法、放射線重合法などが例示される。好ましい重合方法は、逆相懸濁重合法である。
重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、必要により粒度調整して得られる粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して吸水性樹脂とすることもできる。このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても吸収性能と吸収速度に優れ、被災者の体重がかかっても吸収液をよく保持する。
表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン−1,3−ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)ジグリシジルエーテル、ポリグリセロール(重合度2〜100)ポリグリシジルエーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度2〜100)等];2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカーボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物である。
表面架橋における架橋剤の量は、架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸水性樹脂に対して好ましくは0.001〜3重量%、より好ましくは0.01〜2重量%、特に好ましくは0.05〜1重量%である。架橋剤の量が0.001重量%未満では表面架橋を行わない吸水性樹脂と加圧吸収量の面で大差はない。一方、3重量%を超えると、吸収性能が低下する傾向にあり好ましくない。
(B)の形状については特に限定はなく例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状等があるが、好ましくはパール状である。粒子の質量平均粒径についても特に限定はないが、好ましくは10〜850ミクロンであり、10ミクロンより大きいと粉塵が起こりにくく取り扱いやすい。また、850ミクロンより小さいと吸収速度が速い。粒度分布については好ましくは5〜1200ミクロンの範囲の粒子が95質量%以上となるように粉砕したものを用いることができる。ここで、質量平均粒径とは、吸水性樹脂の各粒度分布を横軸が粒径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒径を求める方法による。
吸水量は好ましくは20〜1,000g/gであり、より好ましくは80〜600g/gである。吸水量が20g/g以上であると被災者から出る血液、体液を十分吸収することができ、1,000g/g以下であると吸水したゲルは適度な硬さを有し漏出しにくい。吸水量は上記の吸水性樹脂の種々の製造条件によりコントロールできる。
保水量/吸水量の比は好ましくは0.55〜1.00であり、より好ましくは0.65〜1.00である。保水量/吸水量の比が0.55以上であると一旦吸収した血液、体液を吐き出しにくい。保水量/吸水量の比はモノマーの種類や架橋条件等によりコントロールできる。
前記吸水性樹脂は、上記物性に加えて更にクリープメーターによるその生理食塩水吸液のゲル弾性率が好ましくは2×103〜12×103N/m2、より好ましくは2.2×103〜6×103N/m2である。2×103N/m2以上であると、吸収したゲルは硬く漏出しにくい。12×103N/m2以下であると吸水量が大きく吸水が十分である。
ゲル弾性率は例えば重合条件(分子量と架橋度のバランス)等によって達成することができる。ゲル弾性率は吸水性樹脂の膨潤ゲルに一定の荷重(応力)をかけたときの瞬間圧縮変形量によって決められる弾性率のことであり、測定法は後記する。
従って、前記(B)が下記の条件を満たすものであるが好ましい。
(1)生理食塩水に対する吸水量が20〜1,000g/g
(2)保水量/吸水量が0.55〜1.00
(3)ゲル弾性率が2×103〜12×103N/m2
(B)は上記の様な粉末の形態でもよいが、収納袋(A)の内部に敷き詰めるのに有利なシート状であるのが好ましい。以下吸水シートという。
該吸水シートは、吸水性樹脂に水が接触できるように、少なくとも一部透水性を有する部分が必要である。シートのすきまから水が浸入可能であるだけでもよいが、速やかに水を吸収できるようにするためには、シートの少なくとも一部に透水性があって、湿潤強度及び湿潤状態での柔軟性を有する素材であることが好ましくい。このため、紙シート、布帛及びメッシュフィルム等が好ましい。透水性を有する部分の面積が吸水シート全体の面積の内占める割合は25%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは75%以上である。透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと好ましくは30秒以下であり、より好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。シートの常態強度は縦/横とも2kg/cm以上、好ましくは3kg/cm以上あれば取り扱い上の問題は生じない。湿潤強度(25℃のイオン交換水に1分浸漬後の引張強度)は0.05kg/cm以上、好ましくは0.1kg/cm以上必要である。
紙シートとしては、木材パルプ等の各種繊維の綿状物や、吸水性繊維等の各種繊維等の各種繊維に(B)の粉末を含めて抄紙、機械的接着、バインダー等の適宜の方法でシート化したもの;紙等の基材の片面又は両面に粘着剤やバインダー(接着剤)を用いて(B)の粉末を散布し、他方の基材でサンドイッチ状に挟み、エンボス加工法、熱融着法等の方法で一体化したもの等が挙げられる。
布帛としては、上記の湿潤強度があるものであれば特に限定は無く、任意の合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、ビニロン、アクリル繊維等)、半合成繊維(アセテート、レーヨン等)、天然繊維(綿、絹、羊毛等)、これらの混合品(混紡品等)等すべての繊維素材が適用できる。また織物であっても不織布であってもよいが不織布がより好ましい。また、メッシュフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な穴を数多く開けたもの等が挙げられる。穴の大きさは透水性があれば特に限定はないが、好ましくは0.01〜2mm、特に好ましくは0.1〜1mmである。
また、血液、体液等を吸収した吸水性樹脂が吸水シート内で偏り無く膨張するためには、面積当りの吸水性樹脂量がほぼ均一に挟み込まれた状態で、(B)がシートに固定されることが望ましく、そのために上記の素材中では紙シート、フェルト状の不織布が特に好ましい。フェルトとしては織フェルト、プレスフェルト、ニードルパンチフェルト等、一般にフェルトと称されるものであり、例えば、「産業用繊維資材ハンドブック」(日本繊維機械学会、362頁〜381頁)に記載されているものが使用できる。紙、フェルトの目付量は特に制限はないが、50〜500g/m2が好ましく、特に90〜300g/m2が好ましい。
吸水シート内における(B)の目付量は好ましくは1.0〜200g/m2であり、より好ましくは2.0〜100g/m2である。
吸水シートの作成方法は、例えば、シートの間に(B)を添加し必要により所定の大きさに裁断したもの、所定の大きさの袋状のシート中に(B)を添加・封入したものなどが好ましい例として挙げることができる。
(B)の膨潤時の押し出しを防止する方法としては、例えば、上記の吸水シートをさらに透水性の不織布等の布帛や微細な穴を多数設けた樹脂フィルム等からなる袋状シートで包み込む方法、開口部の布帛を構成する繊維の一部あるいは全部を熱融着繊維にしてヒートシールする方法、縫製による方法、ホットメルト等の接着剤を使用する方法及び開口部をフィルム状のもので挟み、ヒートシールや接着剤で固着する方法、開口部を包み込むようにヘムを用いて縫製等で取り付ける方法等が例示でき、(B)が吸水膨潤後に押し出されなければ、何れの方法を選んでもよいが、(B)の押し出しをほぼ完全に防止するためにはヘム止めする方法が更に好ましい。
この時のヘムの材質は特に制限はないが、水膨潤した時においても破れが生じない程度の、湿潤強度及び湿潤状態での柔軟性を有する素材であることが好ましい。このため、前記の布帛、メッシュフィルム及びスパンボンドが好ましく、特にスパンボンドが好ましい。
該吸水シート中に(B)がほぼ均一に添加された状態のもとで該シート間をニードルパンチやヒートシール等の方法で部分的に固定しシート中での吸水性樹脂の流動・偏在を抑制・防止し、水を吸収した時に吸水性樹脂がシート内で偏り無く膨張させることも可能である。
吸水シートとしては、2枚以上の多層構造からなる紙シート及び/若しくは不織布の1つ以上の層間に吸水性樹脂粉末が挟み込まれ、エンボス加工若しくはニードルパンチ加工で留めたシートであるのが特に好ましい。
吸水シートの大きさとしては、被災者用収納袋に入る大きさのものであれば限定はないが、30〜150cm×100〜250cmであり、厚さは好ましくは0.1〜10cmである。収納袋より小さいものを作成しておき収納袋中に好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個封入して収納袋に固定するのが好ましい。厚さが0.1cm以上ではクッション性があり、衝撃を受けにくく好ましい。一方厚みが10cm以下であれば使用時作業性が良好である。
また、吸水性樹脂(B)を収納袋(A)に入れる際には下記の無機物質又は有機物質を(B)に混合してもよい。
無機物質としては、無機質粉体[珪藻土、クレー、タルク、カオリン、ベントナイト、ドロマイト、炭酸カルシウム、アルミナ;その他〔ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、リン化合物(例えば赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル類;リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;リン酸アンモニウム;リン酸のメラミン等の有機塩基との塩類またはアミド、ポリリン酸アンモニウム;ポリリン酸のメラミン等の有機塩基との塩類またはアミドから選択される1種;ポリリン酸はリン酸が縮合しているものであれば、特に制限はないが、リン酸の2〜5,000量体が好ましい。)〕];無機質繊維(ロックウール、ガラスクロス、アスベスト等);無機質多孔体[フィルトン(多孔質セラミック、くんたん)、焼成バーミキュライト、軽石、火山灰、ゼオライト、シラスバルーン等];無機質発泡体(パーライト等)等が挙げられる。
有機物質としては、有機質粉末[ヤシガラ、モミガラ、ピーナッツの殻、ミカンの殻、木くず、木粉、ヤシの実乾燥粉体、合成樹脂又はゴムの粉末(ポリエチレン粉末、ポリプロピレン粉末、エチレン−酢酸ビニル共重合体粉末等)等];有機質繊維[天然繊維〔セルロース系のもの(木綿、オガクズ、ワラ等)およびその他、草炭、羊毛等〕、人造繊維(レーヨン、アセテート等のセルロース系等)、合成繊維(ポリアミド、ポリエステル、アクリル等)、パルプ〔メカニカルパルプ(丸太からの砕木パルプ、アスプルンド法砕木パルプ等)、ケミカルパルプ(亜硫酸パルプ、ソーダパルプ、硫酸塩パルプ、硝酸パルプ、塩素パルプ等)、セミケミカルパルプ、再生パルプ(例えば、パルプを一旦製紙して作った紙の機械的破砕または粉砕物、または故紙の機械的破砕または粉砕物である再生故紙パルプ等)等〕、その他廃材(紙オムツの製造より出る廃材等)等];有機質多孔体(ヤシ殻活性炭等);有機質発泡体[穀物、合成樹脂又はゴムの発泡体(ポリスチレン発泡体、ポリビニルアセタール系スポンジ、ゴムスポンジ、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ウレタンフォーム等)等];有機質ペレット[ゴム及び合成樹脂のペレット等]等が挙げられる。上記の植物体育成用担体は、単独で、あるいは必要に応じて2種類以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、無機質粉体、無機質多孔体、無機質発泡体、有機質繊維であり、より好ましくは、無機質粉体、有機質繊維であり、特に好ましくは無機質粉体のその他記載のもの、パルプである。
発泡体の密度は0.01〜1g/cm3である。この形態、大きさについては制限がないが、形態によって適する大きさは異なり、これらの粉末の粒子径(長径)は好ましくは1〜800μm、より好ましくは5〜200μmであり、多孔体、繊維及び発泡体の大きさは好ましくは0.001〜20mm、より好ましくは0.01〜10mmである。ペレットは好ましくは1〜1000mmである。
これらの量は(B)100重量に対して好ましくは10〜3,000重量部である。
収納口を設けた袋体(A)は、被災者を入れる開口が設けられた袋体である。袋体の材質としては血液、体液を通さない不透水性基材が好ましい。不透水性を構成する基材としては、柔軟性があり不透水性のフィルム又は高密度織物であれば制限はないが、フィルムとしてはポリエステルフィルム、ナイロン、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等の合成樹脂製フィルム;これらの積層ラミネートフィルム;アルミホイル等の金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルムが挙げられる。柔軟性の点から合成樹脂製フィルム、及び合成フィルムの積層ラミネートフィルムが好ましい。高密度織物としては合繊織物が好ましいが、より好ましくはポリエステルの高密度合繊織物である。高密度合繊織物は軽量である上強度も強いので特に好ましい。フィルム、織物の厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。さらに慎重を期してこれらの基材に従来公知の防水加工等の樹脂加工を施したものを用いてもよい。ここで不透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと好ましくは100秒以上であり、より好ましくは200秒以上である。
さらに、収納口が設けられていない袋体の側面に気密性の空間部を1箇所以上設け、この各空間部には空気等のガスを充満させる通気口と栓が設けられてなる袋体を使用してもよい。袋体の開口部とは反対側の側面の全面若しくは一部(好ましくは該側面の面積の50%以上)に気密性の袋を設ける。この中には空気等の気体を挿入するが、気体の通気口はこの気密性の袋に好ましくは1〜4箇所設ける。気密性袋の材質としては袋体に用いる水不透水性のものと同じでよいが、この内通気性のないものを用いる。好ましくはフィルム、樹脂加工してなる繊維織物である。気体を充満した時の気密性袋の厚さは好ましくは0.5〜10cmである。こうすることにより、クッション性を良くすることができる。そのため、硬い凹凸部に袋を置いた時でも被災者に苦痛を与えないですむことができる。また、水災害においても袋を浮かすことができるので有利に使用することができる。
袋体の製法は特に限定されないが、一例を示すと不透水性基材を所定のサイズに裁断し、熱融着、接着や縫製等の方法により袋状とする。次の収納口を切りそこに開閉できるようにファスナーを設ける。必要により両サイドに持ち運びし易いように取っ手を設ける。
袋体(A)の大きさは被災者が入る大きさであれば限定はないが、好ましくは50〜150cm×150〜300cm、より好ましくは70〜120cm×190〜250cmである。
袋体(A)の内部には、消臭芳香剤成分、殺菌抗菌剤成分の中から選ばれる1つ以上を封入することができるポケットを設けてこれらを入れておくのが好ましい。これらを予めポケット内に入れておけば、消臭効果、腐敗防止効果を発揮し、腐敗、感染等を抑制することができる。また、これらは内部の吸水性樹脂に予め吸収させておいてもよい。吸収させる量はその種類により多少異なるが好ましくは吸水性樹脂の0.1〜15重量%である。
ポケットの大きさは、特に限定はないが10〜30cm×10〜30cm、位置は、特に限定はないが収納袋内の頭部や臓器部に位置する付近が好ましい、数は、特に限定はないが2〜6箇所ぐらいに分散した方が好ましい。
消臭芳香剤成分としては、消臭性、芳香性又は消臭兼芳香性を有する物質として一般的に使用されているものでよく、特に制限されない。消臭剤成分としては、例えばイネ、松、ヒノキ、笹等の植物からの抽出物質、酸又はアルカリ性の水性液、活性炭、シリカゲル、ゼオライト等の吸着剤等が挙げられる。芳香剤成分としては、例えば天然香料や合成香料が挙げられ、これらは水溶性のものであればその水溶液、非水溶性のものであれば水と乳化剤、必要により溶剤等からなる水性エマルジョン又は水性液とすることができる。ここで、芳香剤成分はマスキング効果を兼備するため、実用上消臭性を有するとも言えることがある。
天然香料としては、じゃ香、霊猫香、竜挺香等の動物性香料、アビエス油、アジヨクン油、アルモンド油、ベージル油、ベルガモット油、バーチ油、ボアバローズ油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、ジル油、ユーリカ油、フエンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、レモン油、レモングラス油、メース油、ナツメグ油、マンダリン油、カラシ油、はっか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレンジ油、セイジ油、テレピン油、ウォームウッド油等の植物性香料を含む。
合成香料としては、ピネン、リモネン等の炭化水素類、リナロール、ゲラニオール、シトロネオール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェニルエチルアルコール等のアルコール類、アネノール、オイゲノール等のフェノール類、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド類、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、P−メチルアセトフェノン等のケトン類、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン又はオキシド類、イソプロピルフオーメート、エチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ吉草酸ゲラニル、ヘプチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリル酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチン酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルビルベート等のエステル類等を含む。
香料は一種類のみでもよいし、二種類以上を調合した調合香料でもよい。
香料とともに、バッチュリ油などの揮発保留剤、オイゲノール等の変調剤その他香料工業に使用される種々の成分を添加して差し支えない。
抗菌殺菌剤成分としては、第4級アンモニウム基を含有しない抗菌性化合物、例えばトリクロサン、ビス−(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、2,4,5,6−テトラクロロイソフタニル、トリクロロカルバニリド、8−オキシキノリン、デヒドロ酢酸、安息香酸エステル類、クロロクレゾール類、クロロチモール、クロロフェン、ジクロロフェン、ブロモクロロフェン、ヘキサクロロフェン等;炭素数8〜16のアルキル基を少なくとも一つ有する第4級アンモニウム塩型抗菌性化合物、例えば下記一般式(1)で示される化合物が挙げられる。
〔式中、R1〜R4の中で二つ以上、好ましくは二つは炭素数8〜16のアルキル基であり、それ以外は炭素数1〜3のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、好ましくはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基である。Y-は陰イオン基、好ましくはハロゲンイオン、炭素数1〜3のアルキル硫酸イオン又は脂肪酸イオンである。〕;2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンズイミダゾール、ポリリジン、ポリヘキサメチレンビグアニリド及びグルクロン酸クロルヘキシジンから選ばれる1種以上の化合物等が挙げられる。これらの抗菌殺菌剤は2種以上併用することができ、併用すると抗菌殺菌効果が上がる場合がある。
収納口の大きさは、特に限定はないができる限り表面の全面が開けられる
大きさが好ましい。形は特に限定はないが表面のほぼ全面が開けられるようなU字形、C字型の口をしたものが開けられやすくもあるので好ましい。位置は、特に限定はないが表面のほぼ中央部が好ましい。
ファスナーは金属製でもよいが、焼却処理のことを考えて燃やせるプラスチック製が好ましい。また、開きやすいようにダブルファスナーにすることもできる。
また、袋体の側面に搬送するための取っ手を設けるのが好ましい。
取っての形は、特に限定はないが手が握れる位の穴を開けたものや、丈夫な布製の帯を輪状にしたものを取り付けた物等が好ましい。大きさは、大人の手で握りやすい大きさが好ましい。位置は、特に限定はないが収納袋の周囲に2〜8箇所設けるのが好ましい。
また、袋体(A)の内部には、運搬中被災者が袋の中で移動しないように固定バンドを例えば脚部、胴体部、首部等数カ所に施してもよい。また、袋体の中で被災者が安定するように袋内底部に被災者と同等以上の大きさのプラスチック板を挿入してもよい。
このような被災者用収納袋は吸水性樹脂を含んでいるので、使用しない時
は収納口を閉じておくのが好ましい。また、さらに収納袋を折り畳んで防湿性の袋に入れて保管するのがより好ましい。防湿性の袋の材質としては上記の不透水性の基材と同じもので構成するのが好ましい。
このようにして作成した上記の被災者用収納袋を使用する場合には、事故
災害発生の際には被災者を収納するだけでも血液、体液を吸収して上記の効果を発揮するが、さらに収納する際に保冷剤、上記の消臭芳香剤成分、抗菌殺菌剤成分から選ばれる1つ以上を被災者とともに封入して被災者用収納袋を使用するのがよりいっそうの効果が発揮できるので好ましい。保冷剤を入れると遺体の場合には腐敗を遅らせることができる。入れる量としては、ケースバイケースでよいが、例えば保冷剤の場合には500gの保冷剤を4箇所いれるのが好ましい。他の場合には上記の量を加えるのが好ましい。
保冷剤はドライアイス、市販の保冷剤が適用でき、市販の保冷剤としては吸水性樹脂からなる含水ゲルを含有するものを予め凍らして使用するのが好ましい。これらは被災者に直接接するか袋体のポケット内に入れておくのが好ましい。
尚、本発明における被災者とは火災、水害等の災害、事故における被災者、遺体、病気の患者等を含むものとする。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[吸水量]
250メッシュナイロンネット製、サイズ10×20cm、ヒートシール幅5mm以内のティーバッグ状パッケージと、生理食塩水を準備する。吸水性樹脂をJIS標準篩いでふるい分けし、30〜100メッシュの粒径のものを採取して測定試料とする。
試料 1.0gをティーバッグ状パッケージへ投入し、それを生理食塩水中に、ティーバッグ状パッケージの底から約15cmを浸す。1時間放置後にティーバッグ状パッケージを引き上げ、垂直に吊るして15分間水切りする。重量(Ag)を測定する。試料を入れない空のティーバッグ状パッケージを使用して同様の操作を行い重量(Bg)を測定する。測定は各3回行い平均する。吸水量(g/g)=(A−B)/1.0より計算する。
[保水量]
150G(1,100rpm、r=10cm)の遠心力が発揮できる遠心分離器を準備する。遠心分離器に吸水量測定後の試料入りティーバッグ状パッケージをセットし、それと対角線上に空のティーバッグ状パッケージをセットし、150G×90秒遠心分離する。各々のティーバッグ状パッケージの重量を測定し、保水量(g/g)=(A−B)/1.0より計算する。
[ゲル弾性率]
26〜30メッシュの篩いで篩別した吸水性樹脂を生理食塩水で50倍に膨潤させ、クリープメーターで測定する。コンピューターのクリープ解析プログラムにより下記測定条件に設定する。
(i)初期高さ(H0)の条件設定:0.01mm
(ii)圧縮時高さ(H0−h1)の測定条件:0.01mm
(iii)荷重(応力):30g
(iv)プランジャー降下速度(初期高さ測定時及び圧縮時):1mm/sec
(v)断面積
支持テーブルの中央に膨潤サンプル0.20±0.10gを平坦(一層になるように)に置き、測定する。測定は3回行い平均する。弾性率は下式によって求める。
弾性率 E0=P0/h1/H0 (N/m2
ここで、応力 P0=F×98/S (N/m2
荷重 F=30g

断面積 S=V0/(H0−h1)
サンプル体積 V0=サンプル重量 W0
∴ 弾性率 E0=2940×H0×(H0−h1)/W0×h1
実施例1
[吸水シートの作成]
1m×2.5mのティッシュ2枚の間に水不溶性吸水性樹脂(サンフレッシュST−500D:吸水倍率600g/g、平均粒径350μm:三洋化成工業社製)25g/m2と再生パルプ100g/m2をほぼ均一になるように散布し、少し湿らしてからエンボス加工で一体化させて吸水シートを得た。
[収納袋の作成]
PVCで防水加工したポリエステルの高密度織物で90×230cmの袋を縫製し、表面がほぼ全開できるようにU字形の収納口を開口し、その部分に自由に開閉できるようにプラスチック製のファスナーを取り付けた。また、袋の両サイド各3箇所に持ち運びし易いように取っ手を設けた。
[被災者用収納袋の作成]
上記収納袋の中の底部に、上記の吸水シートをほぼ全面に敷き、吸水シートが移動しないように端と中を合計8箇所を両面粘着テープ(2cm×5cm)で留めた。
比較例1
吸水シートを用いずに、実施例1で得た収納袋をそのまま被災者用収納袋とした。
[吸液試験]
収納袋の中に重さ50kgのマネキン人形を入れ、生理食塩水(人体の体液を想定)1,000mlを投入し、ファスナーを閉めて密閉状態とし、5分間放置後収納袋を逆さまに吊して生理食塩水の漏出の有無を調べた。その結果、実施例1の収納袋からは漏出が見られなかったが、比較例1の収納袋からは漏出が激しくみられた。
本発明の被災者用収納袋は内部の吸水材が被災者から流出する血液、体液を吸収・保液するので袋から外部に漏れにくく、且つ軽量で簡単な装置であるので、事故、災害時等における被災者を運搬救助するための収納袋として好適である。

Claims (10)

  1. 収納口を設けた袋体(A)、及びその中に収納された水不溶性吸水性樹脂(B)からなることを特徴とする被災者用収納袋。
  2. 前記(B)が下記の条件を満たすものであることを特徴とする請求項1記載の被災者用収納袋。
    (1)生理食塩水に対する吸水量が20〜100g/g
    (2)保水量/吸水量が0.55〜1.00
    (3)ゲル弾性率が2×103〜12×103N/m2
  3. 前記(B)の形態がシート状であることを特徴とする請求項1又は2記載の被災者用収納袋。
  4. 前記(B)が、2枚以上の多層構造からなる紙シート及び/若しくは不織布の1つ以上の層間に吸水性樹脂粉末が挟み込まれ、エンボス加工若しくはニードルパンチ加工で留めたシートであることを特徴とする請求項1〜3の何れか記載の被災者用収納袋。
  5. さらに消臭芳香剤成分、殺菌抗菌剤成分の中から選ばれる1つ以上を封入してなることを特徴とする請求項1〜4の何れか記載の被災者用収納袋。
  6. 袋体の1箇所以上の端に搬送するための取っ手を設けてなることを特徴とする請求項1〜5の何れか記載の被災者用収納袋。
  7. 収納口が設けられていない袋体の側面に気密性の空間部を1箇所以上設け、この各空間部には空気等のガスを充満させる通気口と栓が設けられてなる請求項1〜6の何れか記載の被災者用収納袋。
  8. 防湿性の袋に入れて保管する請求項1〜7の何れか記載の被災者用収納袋の保管方法。
  9. 請求項1〜7の何れか記載の被災者用収納袋に、さらに保冷剤、消臭芳香剤成分、殺菌抗菌剤から選ばれる1つ以上を被災者とともに封入する被災者用収納袋の使用方法。
  10. 請求項1〜7の何れか記載の被災者用収納袋を用いて被災者を収納運搬する被災者の救助運搬方法。




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