JP2005259859A - 拡散ウエハおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 拡散ウエハの不純物拡散層を形成するための拡散時間を短縮させることにより、生産性の向上を図ることができ、さらに、デバイス形成に耐え得る十分な強度を有している拡散ウエハおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコンウエハ1の片面に、陽極化成処理により、多孔質層2を形成させる工程と、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層2側に不純物拡散源層3’を形成する工程と、前記多孔質層2側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層1’を露出させる工程と、前記不純物拡散源を熱処理により拡散させることにより、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する工程と、前記不純物拡散層2’の反対面を鏡面加工する工程とを備えた製造方法により、2層構造または3層構造からなる拡散ウエハを得る。
【選択図】 図1
【解決手段】 シリコンウエハ1の片面に、陽極化成処理により、多孔質層2を形成させる工程と、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層2側に不純物拡散源層3’を形成する工程と、前記多孔質層2側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層1’を露出させる工程と、前記不純物拡散源を熱処理により拡散させることにより、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する工程と、前記不純物拡散層2’の反対面を鏡面加工する工程とを備えた製造方法により、2層構造または3層構造からなる拡散ウエハを得る。
【選択図】 図1
Description
本発明は、非拡散層および不純物拡散層を備えており、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等のディスクリート(個別)素子の形成に好適に用いることができる拡散ウエハおよびその製造方法に関する。
半導体は、IC(集積回路)と、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等のディスクリート素子とに大別される。
いずれも、主に、シリコン単結晶ウエハを基板材料として製造されるが、ICの場合には、その作業領域はウエハの極表面に限られるのに対して、ディスクリート素子の場合には、そのウエハ自体の構造が、該素子の特性に大きな影響を及ぼす点で相違する。このため、ICおよびディスクリート素子に用いられるウエハは、通常、それぞれ異なる方法により製造される。
いずれも、主に、シリコン単結晶ウエハを基板材料として製造されるが、ICの場合には、その作業領域はウエハの極表面に限られるのに対して、ディスクリート素子の場合には、そのウエハ自体の構造が、該素子の特性に大きな影響を及ぼす点で相違する。このため、ICおよびディスクリート素子に用いられるウエハは、通常、それぞれ異なる方法により製造される。
前記ディスクリート素子用ウエハとしては、リン(P)、ホウ素(B)等の不純物が、いずれか一方の面に高濃度で拡散された半導体ウエハ、いわゆる拡散ウエハが多用されている。
従来、拡散ウエハの製造方法においては、気相または固相の高濃度ドーパント源を用いて、ウエハ表面から熱拡散させることにより製造する方法が一般的であった(例えば、特許文献1または2参照)。
従来、拡散ウエハの製造方法においては、気相または固相の高濃度ドーパント源を用いて、ウエハ表面から熱拡散させることにより製造する方法が一般的であった(例えば、特許文献1または2参照)。
図6は、上記のようにして製造された従来の拡散ウエハの断面図である。図6に示すように、従来の拡散ウエハは、デバイス形成領域である非拡散層(I層またはXi層ともいう)11と、低抵抗率領域である不純物拡散層13との2層構造からなるものである。
ディスクリート素子のデバイスは、前記非拡散層11に形成され、その厚さは、目的とするデバイスに応じて、通常数十〜百μm程度に形成される。
一方、前記不純物拡散層13は、デバイス形成の観点からは、前記非拡散層11の裏面に電極が形成可能な程度の厚さで十分であるが、拡散ウエハの割れや破損等を防止し、補強する観点から、少なくとも50μmの厚さが必要とされている。
ディスクリート素子のデバイスは、前記非拡散層11に形成され、その厚さは、目的とするデバイスに応じて、通常数十〜百μm程度に形成される。
一方、前記不純物拡散層13は、デバイス形成の観点からは、前記非拡散層11の裏面に電極が形成可能な程度の厚さで十分であるが、拡散ウエハの割れや破損等を防止し、補強する観点から、少なくとも50μmの厚さが必要とされている。
しかしながら、前記不純物拡散層13を所定の厚さ(例えば、200μm)で得るためには、通常、1200℃以上の高温下で、100〜400時間程度にも及ぶ長い拡散時間が必要であった。
拡散ウエハの製造においては、製造コストの削減、製品納期の短縮等の観点から、前記拡散時間を短縮することが求められているが、従来の拡散ウエハの構成では、シリコンに対する不純物(ドーパント)の拡散係数や転位密度抑制のための昇降温レートの制限により、拡散時間を大幅に短縮することは困難であった。
拡散ウエハの製造においては、製造コストの削減、製品納期の短縮等の観点から、前記拡散時間を短縮することが求められているが、従来の拡散ウエハの構成では、シリコンに対する不純物(ドーパント)の拡散係数や転位密度抑制のための昇降温レートの制限により、拡散時間を大幅に短縮することは困難であった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、拡散ウエハの不純物拡散層を形成するための拡散時間を短縮させることにより、生産性の向上を図ることができ、さらに、デバイス形成に耐え得る十分な強度を有している拡散ウエハおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る拡散ウエハは、非拡散層の下面が多孔質の不純物拡散層である2層構造からなることを特徴とする。
このように、低抵抗率領域である不純物拡散層を多孔質層とすることにより、拡散ウエハの不純物拡散層を形成するための不純物の拡散時間の短縮化を図ることができる。
このように、低抵抗率領域である不純物拡散層を多孔質層とすることにより、拡散ウエハの不純物拡散層を形成するための不純物の拡散時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明に係る他の態様の拡散ウエハは、非拡散層の下面が非多孔質の不純物拡散層であり、前記非多孔質の不純物拡散層の下面が多孔質の不純物拡散層である3層構造からなることを特徴とする。
このように、拡散ウエハを非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の順に積層された3層構造とすることにより、ウエハの強度を十分に有したまま、非多孔質の不純物拡散層の厚さを最低限必要とされる厚さまで薄くすることができ、拡散時間の短縮化を図ることができる。
このように、拡散ウエハを非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の順に積層された3層構造とすることにより、ウエハの強度を十分に有したまま、非多孔質の不純物拡散層の厚さを最低限必要とされる厚さまで薄くすることができ、拡散時間の短縮化を図ることができる。
本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第1の態様は、上記2層構造または3層構造からなる拡散ウエハを製造する方法において、シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側に不純物拡散源層を形成する工程と、前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、前記不純物拡散源を熱処理により拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成する工程と、前記不純物拡散層の反対面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第2の態様としては、上記2層構造または3層構造からなる拡散ウエハを製造する方法において、シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする。
上記のように2層構造または3層構造のいずれの拡散ウエハを製造する場合においても、予め、不純物拡散層を形成する側に、陽極化成処理により多孔質層を形成することにより、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができ、従来の拡散ウエハよりも生産性の向上を図ることができる。
上記のように2層構造または3層構造のいずれの拡散ウエハを製造する場合においても、予め、不純物拡散層を形成する側に、陽極化成処理により多孔質層を形成することにより、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができ、従来の拡散ウエハよりも生産性の向上を図ることができる。
さらにまた、本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第3の態様としては、上記2層構造または3層構造からなる拡散ウエハを製造する方法において、シリコンウエハの両面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの両面から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、該シリコンウエハを非多孔質層でスライスして、非拡散層を露出させる工程と、前記非拡散層の露出面を所定の厚さまで除去する工程と、前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする。
この製造方法は、上記第1および第2の態様の拡散ウエハの製造方法と同様に、予め、不純物拡散層を形成する側に、陽極化成処理により多孔質層を形成するものであるが、1枚のウエハを、後の工程でスライスして2枚とすることにより、より生産性の向上を図ることができる。
この製造方法は、上記第1および第2の態様の拡散ウエハの製造方法と同様に、予め、不純物拡散層を形成する側に、陽極化成処理により多孔質層を形成するものであるが、1枚のウエハを、後の工程でスライスして2枚とすることにより、より生産性の向上を図ることができる。
上述のとおり、本発明に係る拡散ウエハの第1の形態のものは、非拡散層および多孔質の不純物拡散層の2層構造からなり、不純物拡散層を形成するための拡散時間を短縮させることができ、生産性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る拡散ウエハの第2の形態である、非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の3層構造からなる拡散ウエハは、特に、ディスクリート素子用ウエハとして好適であり、多孔質の不純物拡散層の存在により、デバイス形成に必要な強度を十分に保持したまま、従来の拡散ウエハよりも、非多孔質の不純物拡散層を最低限必要な厚さまで薄層化させることができるため、不純物拡散層を形成するための拡散時間を短縮させることができる。
なお、前記3層構造からなる拡散ウエハは、ウエハの強度が十分に保持される程度の厚さのデバイスが非拡散層側に形成された後、裏面に存在する多孔質の不純物拡散層を研削等で除去することにより、従来どおりの拡散ウエハの仕様でのディスクリート素子の形成が可能となる。
また、本発明に係る拡散ウエハの第2の形態である、非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の3層構造からなる拡散ウエハは、特に、ディスクリート素子用ウエハとして好適であり、多孔質の不純物拡散層の存在により、デバイス形成に必要な強度を十分に保持したまま、従来の拡散ウエハよりも、非多孔質の不純物拡散層を最低限必要な厚さまで薄層化させることができるため、不純物拡散層を形成するための拡散時間を短縮させることができる。
なお、前記3層構造からなる拡散ウエハは、ウエハの強度が十分に保持される程度の厚さのデバイスが非拡散層側に形成された後、裏面に存在する多孔質の不純物拡散層を研削等で除去することにより、従来どおりの拡散ウエハの仕様でのディスクリート素子の形成が可能となる。
また、本発明に係る拡散ウエハの製造方法によれば、陽極化成処理方法を利用して、効率的に多孔質層を形成することができるため、上記ドーパント拡散時間の短縮化と併せて、前記拡散ウエハの生産性の向上に寄与することができ、量産が可能となる。
したがって、本発明に係る製造方法を用いれば、拡散ウエハの製造コストの低減化を図ることができる。
したがって、本発明に係る製造方法を用いれば、拡散ウエハの製造コストの低減化を図ることができる。
以下、本発明を一部図面を参照して、より詳細に説明する。
本発明に係る拡散ウエハは、非拡散層および多孔質の不純物拡散層の2層構造からなることを特徴とするものである。
このように、低抵抗率領域である不純物拡散層を多孔質層とすることにより、従来の2層構造の拡散ウエハよりも、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができる。
本発明に係る拡散ウエハは、非拡散層および多孔質の不純物拡散層の2層構造からなることを特徴とするものである。
このように、低抵抗率領域である不純物拡散層を多孔質層とすることにより、従来の2層構造の拡散ウエハよりも、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明に係る他の態様の拡散ウエハは、非拡散層の下面が非多孔質の不純物拡散層であり、前記非多孔質の不純物拡散層の下面が多孔質の不純物拡散層である3層構造からなることを特徴とするものである。
すなわち、非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の順に積層された3層構造からなる拡散ウエハである。
すなわち、非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の順に積層された3層構造からなる拡散ウエハである。
上記構成からなる拡散ウエハは、非拡散層が素子形成層として用いられ、不純物拡散層がウエハ全体の割れや破損等を防止し、強度を保持する役割を果たす。
したがって、従来の非拡散層と不純物拡散層との2層構造からなる拡散ウエハに比べて、ウエハの強度は十分に有したまま、非多孔質の不純物拡散層を最低限必要な厚さまで薄くすることができ、拡散時間の短縮化を図ることができることから、量産に好適な構造を有している。
したがって、従来の非拡散層と不純物拡散層との2層構造からなる拡散ウエハに比べて、ウエハの強度は十分に有したまま、非多孔質の不純物拡散層を最低限必要な厚さまで薄くすることができ、拡散時間の短縮化を図ることができることから、量産に好適な構造を有している。
なお、前記多孔質層は、半導体素子製造後も残存する場合は、素子特性の低下を招くおそれがあるが、一般に、素子製造工程時において研削除去されるため、多孔質層を有するウエハであっても、素子特性に影響を及ぼすことはない。
前記不純物拡散層を形成するために導入される不純物としては、一般的に使用されるドーパントを用いることができる。不純物拡散層を、N型として得る場合には、例えば、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)等をドーパントとし、また、P型として得る場合には、ホウ素(B)、ガリウム(Ga)等を用いることができる。
前記2層構造または3層構造からなる拡散ウエハの製造方法としては、シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側に不純物拡散源層を形成する工程と、前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、前記不純物拡散源を熱処理により拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成する工程と、前記不純物拡散層の反対面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする本発明に係る製造方法を用いることが好ましい。
また、上記のような本発明に係る2層構造または3層構造からなる拡散ウエハは、シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えている製造方法によって得ることができる。
また、シリコンウエハの両面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの両面から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、該シリコンウエハを非多孔質層でスライスして、非拡散層を露出させる工程と、前記非拡散層の露出面を所定の厚さまで除去する工程と、前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えている製造方法によっても好適に得ることができる。
このように、2層構造または3層構造のいずれの拡散ウエハの場合においても、前記多孔質層は、陽極化成処理により均質に形成することができ、該多孔質層表面から、ドーパント拡散処理を施すことにより、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができ、従来の拡散ウエハよりも生産性の向上を図ることができる。
このように、2層構造または3層構造のいずれの拡散ウエハの場合においても、前記多孔質層は、陽極化成処理により均質に形成することができ、該多孔質層表面から、ドーパント拡散処理を施すことにより、不純物拡散層を形成するための拡散時間の短縮化を図ることができ、従来の拡散ウエハよりも生産性の向上を図ることができる。
前記陽極化成処理とは、シリコンウエハをHF溶液に浸漬させて、該シリコンウエハを陽極、白金等の高耐食性金属を陰極として、電圧を印加することにより、該シリコンウエハ表面をエッチングして多孔質化させる処理方法である。例えば、特開平6−216110号公報に記載されているような方法により行うことができる。
このように、ウエハ表面を多孔質化させることにより、ウエハの表面積を増大させることができ、ドーパントの拡散速度を速くすることができる。
ただし、本発明において陽極化成処理により形成される多孔質層は、ディスクリート素子等のデバイス形成の際に破損しない程度の強度を保持することができるように多孔質化されることが好ましい。
このように、ウエハ表面を多孔質化させることにより、ウエハの表面積を増大させることができ、ドーパントの拡散速度を速くすることができる。
ただし、本発明において陽極化成処理により形成される多孔質層は、ディスクリート素子等のデバイス形成の際に破損しない程度の強度を保持することができるように多孔質化されることが好ましい。
図1に、本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第1の態様における各工程を模式的に示す。以下、図1を参照して説明する。
まず、シリコンウエハ1(図1(a))の片面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図1(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面に、不純物拡散源層3’を形成する(図1(c))。
ここで、不純物拡散源層3’を形成する拡散法としては、一般に、デポ拡散と呼ばれる熱処理方法が好適に用いられ、例えば、シリコンウエハに対する拡散源として、N型の場合にはPOCl3ガスを導入して、また、P型の場合にはB2O3を塗布して、1000℃以上の高温にて、3〜5時間程度、熱処理を行う方法が用いられる。
まず、シリコンウエハ1(図1(a))の片面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図1(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面に、不純物拡散源層3’を形成する(図1(c))。
ここで、不純物拡散源層3’を形成する拡散法としては、一般に、デポ拡散と呼ばれる熱処理方法が好適に用いられ、例えば、シリコンウエハに対する拡散源として、N型の場合にはPOCl3ガスを導入して、また、P型の場合にはB2O3を塗布して、1000℃以上の高温にて、3〜5時間程度、熱処理を行う方法が用いられる。
次いで、前記多孔質層2と反対面である非拡散層1’側に形成された不純物拡散源層3’を研削等により所定の厚さまで除去し、非拡散層1’を露出させる(図1(d))。
そして、前記不純物拡散源層3’を熱処理によりさらに深くまで拡散させ、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成させた後、前記非拡散層1’を鏡面加工して、2層構造からなる拡散ウエハに仕上げる(図1(e))。
ここで、不純物拡散層2’を形成させる拡散法としては、一般に、ドライブイン拡散と呼ばれる熱処理方法が好適に用いられ、例えば、不活性ガス雰囲気中で、前記デポ拡散よりもさらに高温で熱処理を行う方法が用いられる。
なお、前記ドライブイン拡散は、不純物拡散源層3’の形成時において、既に多孔質層2全域まで不純物拡散層が形成されている場合には、不要である。
そして、前記不純物拡散源層3’を熱処理によりさらに深くまで拡散させ、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成させた後、前記非拡散層1’を鏡面加工して、2層構造からなる拡散ウエハに仕上げる(図1(e))。
ここで、不純物拡散層2’を形成させる拡散法としては、一般に、ドライブイン拡散と呼ばれる熱処理方法が好適に用いられ、例えば、不活性ガス雰囲気中で、前記デポ拡散よりもさらに高温で熱処理を行う方法が用いられる。
なお、前記ドライブイン拡散は、不純物拡散源層3’の形成時において、既に多孔質層2全域まで不純物拡散層が形成されている場合には、不要である。
不純物を拡散させるための他の方法としては、例えば、エチルアルコール等の溶媒に拡散源を溶解させたドープ剤を多孔質層2側にスピンコートにより塗布した後、高温熱処理を行うことにより、片面のみに不純物拡散源層3’を形成させることができる。
この場合は、非拡散層1’側に不純物拡散源層3’が形成されることはないため、その除去工程は不要となる。
この場合は、非拡散層1’側に不純物拡散源層3’が形成されることはないため、その除去工程は不要となる。
図2に、本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第2の態様おける各工程を模式的に示す。
第2の態様に係る製造方法においては、まず、シリコンウエハ1(図2(a))の片面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図2(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面からドーパントの拡散を行い、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する(図2(c))。
なお、前記不純物拡散層2’は、上記第1の実施態様において説明したデポ拡散およびドライブイン拡散の両方、または、デポ拡散のみによる拡散処理を行うことによって、前記多孔質層2全域に形成することができる。
第2の態様に係る製造方法においては、まず、シリコンウエハ1(図2(a))の片面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図2(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面からドーパントの拡散を行い、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する(図2(c))。
なお、前記不純物拡散層2’は、上記第1の実施態様において説明したデポ拡散およびドライブイン拡散の両方、または、デポ拡散のみによる拡散処理を行うことによって、前記多孔質層2全域に形成することができる。
そして、前記上層部分の不純物拡散層3を完全に除去し、非拡散層1’を露出させた後、当該面を鏡面加工して、本発明に係る拡散ウエハに仕上げる(図2(d))。
このように、前記多孔質が形成された面の反対側に不純物拡散層を形成させて、後に除去することにより、デバイス形成面となる非拡散層1’表面上に、転位密度が高い層を形成することが可能となるため、非拡散層1’における転位密度の高レベル化が図られた拡散ウエハを製造することができる。
このように、前記多孔質が形成された面の反対側に不純物拡散層を形成させて、後に除去することにより、デバイス形成面となる非拡散層1’表面上に、転位密度が高い層を形成することが可能となるため、非拡散層1’における転位密度の高レベル化が図られた拡散ウエハを製造することができる。
なお、シリコンウエハ1の片面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させた後、該多孔質層2の反対面に保護膜(図示せず)を形成して、前記多孔質層2が形成された面のみから、ドーパントの拡散処理を行ってもよい。この場合は、多孔質層2側のみに不純物拡散層2’が形成されることとなる。
その後、保護膜を除去して、さらに、非拡散層を露出させた後、当該面を鏡面加工して、本発明に係る拡散ウエハに仕上げることができる。
このように、多孔質層の反対面に保護膜を形成することにより、該多孔質層の反対面には、不純物拡散層が形成されにくくなるため、後の工程で不純物拡散層の除去処理の時間およびコストを削減することができる。さらに、多孔質層形成前のシリコンウエハの厚さを小さくすることができるため、材料面からもコスト削減が可能である。
その後、保護膜を除去して、さらに、非拡散層を露出させた後、当該面を鏡面加工して、本発明に係る拡散ウエハに仕上げることができる。
このように、多孔質層の反対面に保護膜を形成することにより、該多孔質層の反対面には、不純物拡散層が形成されにくくなるため、後の工程で不純物拡散層の除去処理の時間およびコストを削減することができる。さらに、多孔質層形成前のシリコンウエハの厚さを小さくすることができるため、材料面からもコスト削減が可能である。
図3に、本発明に係る拡散ウエハの製造方法の第3の態様における各工程を模式的に示す。
第3の態様に係る製造方法においては、まず、シリコンウエハ1(図3(a))の両面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図3(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面からドーパントの拡散を行い、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する(図3(c))。
なお、不純物の拡散方法は、第1の実施の態様と同様であるため、説明は省略する。
第3の態様に係る製造方法においては、まず、シリコンウエハ1(図3(a))の両面に、陽極化成処理により、所定の厚さの多孔質層2を形成させる(図3(b))。
次に、前記多孔質層2が形成されたシリコンウエハの両面からドーパントの拡散を行い、前記多孔質層2全域に不純物拡散層2’を形成する(図3(c))。
なお、不純物の拡散方法は、第1の実施の態様と同様であるため、説明は省略する。
そして、前記シリコンウエハを非多孔質層(非拡散層)1’のA面でスライスして(図3(c))、非拡散層1’を露出させた後、該A面を所定の厚さまで除去して平坦化し、前記除去処理面を鏡面加工して、本発明に係る拡散ウエハに仕上げる(図3(d))。
上記第3の態様に係る製造方法も、上記方法と同様に、陽極化成処理によるシリコンウエハの多孔質化を利用した方法であるが、1枚のウエハを、後の工程でスライスして2枚のウエハとするものであり、上記方法よりも、さらに生産性の向上を図ることができる。
上記した本発明に係る拡散ウエハの製造方法において、前記ウエハ面を所定の厚さまで除去する工程は、例えば、ダイヤモンド砥粒が電着された砥石により表面を研削する方法、多孔質面側を保持して他方の面のみをエッチングする方法、両面をアルカリまたは酸エッチングする方法等により行うことができ、あるいはまた、片面または両面を直接、鏡面研磨してもよい。
なお、除去する所定の厚さとは、ディスクリート素子の各用途に応じて、それぞれ規格化された厚さであり、鏡面研磨取代を考慮した厚さとする。
なお、除去する所定の厚さとは、ディスクリート素子の各用途に応じて、それぞれ規格化された厚さであり、鏡面研磨取代を考慮した厚さとする。
なお、非拡散層、非多孔質の不純物拡散層、多孔質の不純物拡散層の3層構造を有する拡散ウエハを製造する場合は、上記製造方法において、ドライブイン拡散による多孔質層全域にわたる不純物拡散層の形成時間に、非多孔質の不純物拡散層の形成時間を考慮に入れた拡散時間を設定することにより、同様に、容易に製造することができる。
本発明において行われる陽極化成処理は、例えば、陽極側には、図4に示すような治具(陽極7)を用いて行うことが好ましい。
図4に示す治具は、シリコンウエハを電極5とし、この電極5を2枚の被処理シリコンウエハ4により両面から挟み込むことができるように構成される。
そして、前記電極5の両面に被処理シリコンウエハ4を装着させた際、該電極5と被処理シリコンウエハ4との隙間にHF溶液が浸入することを防止し、該被処理シリコンウエハ4の片面が電極5と完全に密着した状態となるように、深さ0.3mm程度のはめ込み段差を設けて、被処理シリコンウエハ4を嵌着可能な構成とすることが好ましい。
図4に示す治具は、シリコンウエハを電極5とし、この電極5を2枚の被処理シリコンウエハ4により両面から挟み込むことができるように構成される。
そして、前記電極5の両面に被処理シリコンウエハ4を装着させた際、該電極5と被処理シリコンウエハ4との隙間にHF溶液が浸入することを防止し、該被処理シリコンウエハ4の片面が電極5と完全に密着した状態となるように、深さ0.3mm程度のはめ込み段差を設けて、被処理シリコンウエハ4を嵌着可能な構成とすることが好ましい。
さらに、電極5と被処理シリコンウエハ4との隙間をバキュームライン6に接続して減圧状態とすることが好ましく、これにより、より強固な密着性が得られ、良好な導電性を保持することができる。
しかも、陽極化成処理終了後、減圧状態を解除することにより、前記被処理シリコンウエハ4を容易に取り外すことができる点でも有効である。
しかも、陽極化成処理終了後、減圧状態を解除することにより、前記被処理シリコンウエハ4を容易に取り外すことができる点でも有効である。
前記治具は、HF溶液に浸漬して用いられることから、フッ素系樹脂等の耐酸性材料により構成されていることが好ましい。
また、前記治具は、上記のように、被処理シリコンウエハ4を電極5の両面に装着することができる構造とすることにより、1つの電極で2枚ずつのウエハ処理が可能となり、陽極化成処理の効率化を図ることができる。
前記電極5には、被処理シリコンウエハ4と広面積で接触し、かつ、該被処理シリコンウエハ4への金属汚染転写を防止する観点から、シリコンウエハを用いることが好ましい。
また、前記治具は、上記のように、被処理シリコンウエハ4を電極5の両面に装着することができる構造とすることにより、1つの電極で2枚ずつのウエハ処理が可能となり、陽極化成処理の効率化を図ることができる。
前記電極5には、被処理シリコンウエハ4と広面積で接触し、かつ、該被処理シリコンウエハ4への金属汚染転写を防止する観点から、シリコンウエハを用いることが好ましい。
上記のように陽極7を構成する治具は、例えば、図5に示すように、HF溶液9の入った溶液槽10内に、白金板等の陰極8と交互に並列に複数組配置して、1バッチで複数枚同時に処理が行われる。
また、被処理シリコンウエハの装着および剥離工程と、溶液処理工程とを独立に自動化して行うことことにより、陽極化成処理を自動ライン化することができる。
上記のような陽極化成処理方法によれば、ウエハへのダメージが軽減され、複数枚の同時バッチ処理が可能となり、さらに、自動ライン化も可能となるため、シリコンウエハの片面を陽極化成処理により多孔質化させる工程を効率的に行うことができ、量産体制にも対応可能となる。
また、被処理シリコンウエハの装着および剥離工程と、溶液処理工程とを独立に自動化して行うことことにより、陽極化成処理を自動ライン化することができる。
上記のような陽極化成処理方法によれば、ウエハへのダメージが軽減され、複数枚の同時バッチ処理が可能となり、さらに、自動ライン化も可能となるため、シリコンウエハの片面を陽極化成処理により多孔質化させる工程を効率的に行うことができ、量産体制にも対応可能となる。
上記陽極化成処理を施す被処理シリコンウエハには、予め酸化膜を形成させておくことが好ましい。HF溶液槽内で、通電が開始されるまでの間に、該被処理シリコンウエハ表面が汚染された場合であっても、陽極化成処理中に、HF溶液による酸化膜の溶解と同時に、汚染物質も除去することができる。
したがって、上記のように、被処理シリコンウエハ表面を酸化膜により保護しておくことにより、陽極化成処理工程において、被処理シリコンウエハの装着から電圧印加までの間に付着する汚染物質や損傷の発生を防止することができる。
したがって、上記のように、被処理シリコンウエハ表面を酸化膜により保護しておくことにより、陽極化成処理工程において、被処理シリコンウエハの装着から電圧印加までの間に付着する汚染物質や損傷の発生を防止することができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
直径125mm、比抵抗30Ω・cm、厚さ580μmで両面がラッピング処理されたN型シリコンウエハを、図5に示すような装置を用いて、下記処理条件で陽極化成処理を5分間施し、該シリコンウエハの片面に厚さ200μmの多孔質層を形成した。
処理条件;印加電圧:30V
電流密度:15mA・cm-2
HF溶液組成: HF:H2O:C2H5OH=1:1:1
次に、多孔質層を形成したN型シリコンウエハを電気炉に挿入し、1200℃で保持しながら、炉内に酸素、窒素およびPOCl3ガスを導入して180分間熱処理を行い、該シリコンウエハの多孔質層側に約100μm、その反対面に約10μmの不純物拡散源層を形成した。
そして、前記シリコンウエハ両面に付着したリンガラス層を酸エッチングにより除去した後、前記多孔質層が形成された面の反対面の不純物拡散源層を、ダイヤモンドが電着された砥石により、研削除去した。
その後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で48時間熱処理し、前記多孔質層側の不純物拡散源層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を拡がり抵抗(SR)法により測定したところ、厚さ200μmの多孔質層全域に、不純物拡散層の形成が確認された。
[実施例1]
直径125mm、比抵抗30Ω・cm、厚さ580μmで両面がラッピング処理されたN型シリコンウエハを、図5に示すような装置を用いて、下記処理条件で陽極化成処理を5分間施し、該シリコンウエハの片面に厚さ200μmの多孔質層を形成した。
処理条件;印加電圧:30V
電流密度:15mA・cm-2
HF溶液組成: HF:H2O:C2H5OH=1:1:1
次に、多孔質層を形成したN型シリコンウエハを電気炉に挿入し、1200℃で保持しながら、炉内に酸素、窒素およびPOCl3ガスを導入して180分間熱処理を行い、該シリコンウエハの多孔質層側に約100μm、その反対面に約10μmの不純物拡散源層を形成した。
そして、前記シリコンウエハ両面に付着したリンガラス層を酸エッチングにより除去した後、前記多孔質層が形成された面の反対面の不純物拡散源層を、ダイヤモンドが電着された砥石により、研削除去した。
その後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で48時間熱処理し、前記多孔質層側の不純物拡散源層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を拡がり抵抗(SR)法により測定したところ、厚さ200μmの多孔質層全域に、不純物拡散層の形成が確認された。
[実施例2]
実施例1と同じN型シリコンウエハを、実施例1と同様な条件で陽極化成処理を2分間施し、該シリコンウエハの片面に厚さ100μmの多孔質層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、該シリコンウエハの多孔質層側に約100μm、その反対面に約10μmの不純物拡散源層を形成した後、リンガラス層を除去し、前記多孔質層が形成された面の反対面の不純物拡散源層を、研削除去した。
その後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で120時間熱処理し、前記多孔質層側の不純物拡散源層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を実施例1と同様な方法により測定したところ、厚さ100μmの多孔質層全域と、その上層である非多孔質層内に厚さ100μm、合計で厚さ200μmの不純物拡散層が形成されていることが確認された。
実施例1と同じN型シリコンウエハを、実施例1と同様な条件で陽極化成処理を2分間施し、該シリコンウエハの片面に厚さ100μmの多孔質層を形成した。
次に、実施例1と同様にして、該シリコンウエハの多孔質層側に約100μm、その反対面に約10μmの不純物拡散源層を形成した後、リンガラス層を除去し、前記多孔質層が形成された面の反対面の不純物拡散源層を、研削除去した。
その後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で120時間熱処理し、前記多孔質層側の不純物拡散源層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を実施例1と同様な方法により測定したところ、厚さ100μmの多孔質層全域と、その上層である非多孔質層内に厚さ100μm、合計で厚さ200μmの不純物拡散層が形成されていることが確認された。
[比較例1]
上記実施例1と同様のN型シリコンウエハを、陽極化成を施さずに、1200℃の電気炉に挿入し、炉内に酸素、窒素およびPOCl3ガスを導入して180分間熱処理を行い、該シリコンウエハ両面に約10μmの不純物拡散源層を形成した。
そして、前記シリコンウエハ両面に付着したリンガラス層を酸エッチングにより除去した後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で270時間熱処理し、両面の不純物拡散層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を拡がり抵抗(SR)法により測定したところ、不純物拡散層の厚さは200μmであった。
上記実施例1と同様のN型シリコンウエハを、陽極化成を施さずに、1200℃の電気炉に挿入し、炉内に酸素、窒素およびPOCl3ガスを導入して180分間熱処理を行い、該シリコンウエハ両面に約10μmの不純物拡散源層を形成した。
そして、前記シリコンウエハ両面に付着したリンガラス層を酸エッチングにより除去した後、アルゴンガス雰囲気中、1290℃で270時間熱処理し、両面の不純物拡散層の不純物をさらに深くまで拡散させた。
このときの不純物拡散層の厚さ(拡散深さ)を拡がり抵抗(SR)法により測定したところ、不純物拡散層の厚さは200μmであった。
以上の結果から、陽極化成処理により、多孔質層を形成しておくことにより、不純物拡散時間を、2層構造の拡散ウエハを製造する場合は5倍程度、また、3層構造の拡散ウエハを製造する場合も2倍程度短縮させることができることが認められた。
1 シリコンウエハ
1’、11 非多孔質層(非拡散層)
2 多孔質層(非拡散層)
2’ 多孔質の不純物拡散層
3、13 非多孔質の不純物拡散層
3’ 不純物拡散源層
4 被処理シリコンウエハ
5 電極
6 バキュームライン
7 陽極
8 陰極
9 HF溶液
10 溶液槽
1’、11 非多孔質層(非拡散層)
2 多孔質層(非拡散層)
2’ 多孔質の不純物拡散層
3、13 非多孔質の不純物拡散層
3’ 不純物拡散源層
4 被処理シリコンウエハ
5 電極
6 バキュームライン
7 陽極
8 陰極
9 HF溶液
10 溶液槽
Claims (5)
- 非拡散層の下面が多孔質の不純物拡散層である2層構造からなることを特徴とする拡散ウエハ。
- 非拡散層の下面が非多孔質の不純物拡散層であり、前記非多孔質の不純物拡散層の下面が多孔質の不純物拡散層である3層構造からなることを特徴とする拡散ウエハ。
- 請求項1または請求項2に記載の拡散ウエハを製造する方法において、
シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、
前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側に不純物拡散源層を形成する工程と、
前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、
前記不純物拡散源を熱処理により拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成する工程と、
前記不純物拡散層の反対面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする拡散ウエハの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の拡散ウエハを製造する方法において、
シリコンウエハの片面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、
前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの少なくとも多孔質層側から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、
前記多孔質層側の反対面を所定の厚さまで除去し、非拡散層を露出させる工程と、
前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする拡散ウエハの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の拡散ウエハを製造する方法において、
シリコンウエハの両面に、陽極化成処理により、多孔質層を形成させる工程と、
前記多孔質層が形成されたシリコンウエハの両面から不純物を拡散させることにより、前記多孔質層全域に不純物拡散層を形成させる工程と、
該シリコンウエハを非多孔質層でスライスして、非拡散層を露出させる工程と、
前記非拡散層の露出面を所定の厚さまで除去する工程と、
前記除去処理面を鏡面加工する工程とを備えていることを特徴とする拡散ウエハの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2004067111A JP2005259859A (ja) | 2004-03-10 | 2004-03-10 | 拡散ウエハおよびその製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007281448A (ja) * | 2006-04-05 | 2007-10-25 | Samsung Sdi Co Ltd | 太陽電池とその製造方法 |
JP2009537967A (ja) * | 2006-03-21 | 2009-10-29 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 半導体構造体の製造方法および半導体構造体 |
JP2018006640A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | 直江津電子工業株式会社 | 拡散ウエハの製造方法 |
-
2004
- 2004-03-10 JP JP2004067111A patent/JP2005259859A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007281448A (ja) * | 2006-04-05 | 2007-10-25 | Samsung Sdi Co Ltd | 太陽電池とその製造方法 |
US8227881B2 (en) | 2006-04-05 | 2012-07-24 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Solar cell and its method of manufacture |
JP2018006640A (ja) * | 2016-07-06 | 2018-01-11 | 直江津電子工業株式会社 | 拡散ウエハの製造方法 |
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