JP2005256217A - ガラス繊維混抄不織布 - Google Patents

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Katsuo Moriyama
勝男 森山
Hitoshi Fujiki
均 藤木
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Abstract

【課題】クッションフロアーの裏打ち材としてチクチク感がなく、しかもポリ塩化ビニル層側への反りを解消するガラス繊維混抄不織布を提供すること。
【解決手段】クッションフロアーの裏打ち材に使用されるガラス繊維混抄不織布において、床に接する側の面にカオリン、炭酸カルシウム等の無機顔料とSBR、アクリル樹脂等の合成樹脂からなる塗液を絶乾質量で10〜70g/m2塗工することを特徴とするガラス繊維混抄不織布。
【選択図】 なし

Description

本発明は、床材(クッションフロアー)の裏打ち材用ガラス繊維混抄不織布に塩化ビニルが塗布されるガラス繊維混抄不織布に関する。
クッションフロアーは裏打ち材の片面(以下表面と呼ぶ)に発泡性のポリ塩化ビニル(以下塩ビゾルと呼ぶ)を塗工し加熱によりゲル化、その後印刷し、更にその上に透明な非発泡性の塩ビゾルを塗工し、その後加熱により発泡塩ビゾル層を発泡することにより作られる。加熱発泡炉から出たクッションフロアーは、冷却が進むにつれて塩ビゾルが収縮する。その収縮する力と裏打ち材の吸湿により塩化ビニル側に反り返える欠点がある。
この現象は、可塑剤により液状化していた塩ビゾルは、加熱されることにより可塑剤が気化蒸発し抜けるため固化、更に冷却により密度が高くなり収縮しようとする。一方裏打ち材として使用されるガラス繊維混抄不織布は、軽量の上木材パルプ等有機繊維が使用されている為大気中の水分を吸収し伸びようとする。この塩化ビニル層の収縮力とガラス繊維混抄不織布の伸びとが相俟って起きると考えられる。
クッションフロアーの施工は、下地に接着剤を塗布しその上にクッションフロアーを貼り付けるのが一般的であるが、近年ホームセンターやスーパーマーケット等で販売されるようになり、各家庭でも簡単に入手でき、置き敷きや四隅を両面テープ等で貼りつける簡易施工でも使用されるようになってきている。ホームセンター等で展示されている商品が反り返った状態で見られたり、家庭で簡易施工した物が直ぐに反り返ったりする事があっては商品の価値が低下する恐れがある。
ガラス繊維混抄不織布は、主に湿式抄紙により作られ、1)ガラス繊維、合成繊維、木材パルプ、を主体に一部合成樹脂と無機顔料を含む表面層とガラス繊維を含まない主に木材パルプと合成繊維の裏面層の2層構造からなるガラス繊維混抄不織布。2)ガラス繊維、合成繊維、木材パルプを主体に一部合成樹脂と無機顔料を含む層のみの1層構造のガラス繊維混抄不織布が有るが、1層構造のガラス繊維混抄不織布は塩ビゾルを塗布しない裏面層にもガラス繊維が含まれている為、床材の施工時等にチクチク感があり嫌われ、2層構造のタイプは裏面にガラス繊維を含まないのでチクチク感が無く好まれている。(特許文献1参照)
ガラス繊維混抄不織布の質量は90〜150g/m2程度が一般的である。2層構造のガラス繊維混抄不織布は、表面層が少なくともガラス繊維、合成繊維、木材パルプ、合成樹脂、無機顔料等からなり、裏面層が少なくとも木材パルプ、合成繊維、等からなり、その質量比は表面層:裏面層=70〜90:30〜10である。又、表面層には更に目詰め効果を上げるために合成樹脂と無機顔料の塗液を5g/m2〜40g/m2程度塗布したものもある。(特許文献2参照)
クッションフロアーは、ガラス繊維混抄不織布の表面層上に塩ビゾルが略700g/m2〜1500g/m2塗布される。これはガラス繊維不織布重量の約7〜15倍程度の重量になる。又、ガラス繊維混抄不織布の裏面層はチクチク感を無くする目的から、木材パルプ主体の有機繊維層の為、吸湿し易く寸法安定性が劣る。高重量の塩ヒ゛層の収縮力とガラス繊維混抄不織布裏面層の吸湿による伸びとが相俟って塩ビ層側に反り返る現象が起きるのである。
特公昭57−26232号公報 特開平10−46485号公報
本発明は、クッションフロアーの裏打ち材としてチクチク感が無くしかもポリ塩化ビニル層側への反りを解消するガラス繊維混抄不織布を提供するものである。
床材(クッションフロアー)の裏打ち材に使用されるガラス繊維混抄不織布において、床に接する側の面にカオリン、炭酸カルシウム等の無機顔料とSBR、アクリル樹脂等の合成樹脂からなる塗液を絶乾質量で10〜70g/m2塗工することを特徴とするガラス繊維混抄不織布。
クッションフロアーを家庭などで簡易施工で使用しても、塩化ビニル層側に反り返ること無く、室内ファッションとしても綺麗に長期間平らな状態で使用できる。又、ホームセンターやスーパーマーケット等で商品陳列中でも反りが発生せず、商品価値を落とすことがない。
クッションフロアーの裏打ち材に使用されるガラス繊維混抄不織布に於いて、塩化ビニル層が設けられる反対側の層にカオリン、炭酸カルシウム等の無機顔料とSBR、アクリル樹脂等の合成樹脂からなる塗液を絶乾質量で10〜70g/m2、好ましくは30〜50g/m2塗工することにより、塩化ビニル層側への反りが小さいクッションフロアーが得られるのである。
クッションフロアーが塩化ビニル層側に反り返る現象の要因として、塩化ビニルの収縮力、ガラス繊維混抄不織布の吸湿による伸びに着目し、塩化ビニルの収縮力に負けない、尚かつ吸湿による伸びの小さいガラス繊維混抄不織布を得る為に鋭意取り組んだ。その結果以下の5つの要因 1)ガラス繊維混抄不織布の重量 2)ガラス繊維混抄不織布の裏面の重量 3)ガラス繊維の配合量 4)ガラス繊維混抄不織布の表面を無機顔料と合成樹脂の混合樹脂組成物で被覆 5)ガラス繊維混抄不織布の裏面を無機顔料と合成樹脂の混合樹脂組成物で被覆につき、吸湿伸度及び反りを検証した結果、ガラス繊維混抄不織布の裏面を、無機顔料と合成樹脂の混合樹脂組成物で被覆する事によりクッションフロアーの塩化ビニル層側への反りを抑える効果が有ることが判明した。
ガラス繊維混抄不織布の裏面に塗工する塗液は、無機顔料と合成樹脂の混合液であり、混合液中の合成樹脂の配合率は15%以上である。合成樹脂の比率が少なすぎると塗装が剥がれやすく、家庭等で使用中に粉状に脱落するため好ましくない。
無機顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、クレー、タルク、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、表面処理された炭酸カルシウムやシリカ等があるが、無機顔料ならばどの種類でも良い。しかしガラス繊維混抄不織布の裏面に塗工する塗目方が、絶乾質量で好ましくは30g/m2以上のため液濃度が低いと所定目方が付かない。このため吸油量の高いシリカ等では顔料の高濃度分散が難しく使用が困難である。また合成樹脂と混合するため、合成樹脂との親和性があって塗工後の脱落性のない物を選択する必要がある。経済的には炭酸カルシウムが好ましく塗液の保水性からはカオリンが好ましい。カオリンの種類としては塗装面の色相から比較的白色の1級カオリンが好ましい。
合成樹脂としては、ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、アルギン酸ソーダなどの水溶性高分子の他、SBR、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの水性エマルジョン等が例示される。しかしガラス繊維混抄不織布の裏面に塗工する塗目方が、絶乾質量で好ましくは30g/m2以上のため液濃度が低いと所定目方が付かない。このため合成樹脂の濃度の高い水性エマルジョンが好ましく、経済性と接着強度を考慮すると、SBRや各種アクリル系合成樹脂が好ましい。
塗液の液性は、塗工するコーターの種類により最適な濃度及び粘度を選択すればよいが、濃度は塗工量が20g/m2以上好ましくは40g/m2以上と多いことから30%〜50%程度が好ましく、粘度は500〜1500CPS(B型粘度計)の範囲が適当である。粘度が500CPSより低いと塗液が不織布層内にしみ込みやすく乾燥時にフクレやシボが出来やすく、1500CPS以上だと塗工作業性が悪くなり生産時のトラブルが発生しやすく好ましくない。
本発明でガラス繊維不織布の裏面への塗工方法は、エアーナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、等何れの塗工方法を選択しても良く20g/m2以上好ましくは40g/m2以上塗工できればよいが、塗工量が多いことからエアーナイフコーターが最適である。
本発明のガラス繊維混抄不織布は、1層構造でも良いが、1層構造では塗液を塗工する裏面にもガラス繊維が含まれるため毛羽立ちやすく、又、チクチク感があることから、裏面が木材パルプ主体の2層構造のガラス繊維混抄不織布で毛羽立ちが無く塗工性が良く、チクチク感が無いものである。
本発明のガラス繊維混抄不織布の塩ビゾルが塗工される表面層は、少なくともガラス繊維、木材パルプ、バインダー繊維、からなる。もしくは更に無機顔料と合成樹脂を含む塗液を塗工した物である。
塩化ビニル層が設けられる反対側の裏面層は、少なくとも木材パルプ、バインダー繊維からなる。もしくは更に合成繊維が含まれた物である。
本発明で使用されるガラス繊維は、折れ難く繊維シート構成能力があればいずれのガラス繊維でもよいが、通常、繊維径6〜13μm繊維長6〜25mmが適当である。又、コンクリート床等にも使用されることから、耐アルカリ性のあるEガラスが好ましい。
本発明で使用される木材パルプは、NBKP、LBKP、GP、その他いずれの種類のパルプでも良いが、目詰め、強度、の点からNBKPが好ましい。又、叩解度300〜600mmLCSFの範囲が好ましい。
本発明で使用されるバインダー繊維は、PVA繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、等その他何れの種類の繊維でも良いが、水中分散性、湿紙及び乾燥後或いは熱間でのガラス繊維混抄不織布の強度からPVA繊維が好ましい。又、PVA繊維の溶融温度は抄紙機乾燥機の温度が通常130℃〜160℃の為、60〜85℃のもが好ましい。
本発明におけるガラス繊維混抄不織布の抄造方法は、例えば以下のように行うことが出来る。表面の層として、水にノニオン系分散剤を添加した後、ガラス繊維を投入し、約15分間攪拌しガラス繊維が充分に開繊したのち、高分子ポリアクリルアミド水溶液を加えガラス繊維スラリーとし貯蔵する。又、水に450mmLCSFに叩解されたNBKP、PVA繊維、サイズ剤、イオン中和剤、を目標の比率になるよう投入、15分間攪拌し分散スラリーとし貯蔵する。この2つの分散原料スラリーを目標の比率で抄紙機に送り目標の坪量となるウエッブを構成する。裏面の層として、水に450mmLCSFに叩解したNBKP、PVA繊維、サイズ剤、イオン中和剤を目標の比率になるよう投入、15分間攪拌し分散スラリーとし貯蔵する。この原料スラリーを目標の坪量が得られるよう抄紙機に送りウエッブを構成する。表面層用のウエッブと裏面層用のウエッブを湿紙の状態で抄合わせたのち、ドライヤーで乾燥してガラス繊維混抄不織布を得る。或いは更に該ガラス繊維混抄不織布の表面に、水に分散剤を添加したのちカオリンを投入し、約30分間攪拌し分散クレーを作成貯蔵し、該分散クレーとアクリル系エマルジョンを目標の比率で混合、水、増粘剤を加えて目標の濃度及び粘度の塗液を作成しグラビアコーターで目標の塗工量を塗工してガラス繊維混抄不織布を得ることが出来る。
該ガラス繊維混抄不織布の裏面に、水に分散剤、カオリン、炭酸カルシウム、を目標の比率になるように投入し30分攪し分散クレーを作成貯蔵し、該分散クレーとアクリル系エマルジョンを目標の比率で混合、水、増粘剤を加えて目標の濃度、粘度、の塗液を作成し、エアーナイフコーターで目標の塗工量となるよう塗工する。
以下に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これにより本発明が限定されるものではない。
表1に示す配合比で表面の坪量が70g/m2、裏面の坪量が10g/m2に成るように抄合わせ、ドライヤーで乾燥して坪量80g/m2のガラス混抄不織布を得た。作成したガラス繊維混抄不織布の表面に表1に示す配合比の塗液をエアナイフコーターで10g/m2に成るように塗工し、更に裏面に表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が10g/m2に成るように塗工し、坪量100g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の裏面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が20g/m2に成るように塗工し、坪量110g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の裏面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が40g/m2に成るように塗工し、坪量130g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の裏面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が40g/m2に成るように塗工し、坪量130g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の裏面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が40g/m2に成るように塗工し、坪量130g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の裏面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が40g/m2に成るように塗工し、坪量130g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
(比較例1)
表1に示す配合比で表面の坪量が70g/m2、裏面の坪量が10g/m2に成るように抄合わせ、ドライヤーで乾燥して坪量80g/m2のガラス混抄不織布を得た。
(比較例2)
表1に示す配合比で表面の坪量が70g/m2、裏面の坪量が30g/m2に成るように抄合わせ、ドライヤーで乾燥して坪量100g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
(比較例3)
表1に示す配合比で表面の坪量が110g/m2、裏面の坪量が20g/m2に成るように抄合わせ、ドライヤーで乾燥して坪量130g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
(比較例4)
表1に示す配合比で表面の坪量が70g/m2、裏面の坪量が10g/m2に成るように抄合わせ、ドライヤーで乾燥して坪量90g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
(比較例5)
実施例1と同様にして作成したガラス繊維混抄不織布の表面に、表1に示す配合比の塗液をグラビアコーターで塗工量が10g/m2に成るように塗工し、坪量90g/m2のガラス繊維混抄不織布を得た。
クッションフロアーの作成
実施例1〜実施例6及び比較例1〜5のガラス繊維混抄不織布を巾25cm長さ30cmに断裁し、110℃恒温熱風乾燥機で30秒プレヒートした後、ガラス板上で表面に発泡用塩ビゾルをギャップ0.4mmのアクリケーターバーで塗工、200℃恒温熱風乾燥機で20秒加熱し塩ビゾルをゲル化させ冷却した後、更に非発泡塩ビゾルをギャップ0.6mm(塗工ギャップ0.2mm)塗工し、200℃恒温熱風乾燥機で150秒加熱、発泡塩ビゾルを発泡、非発泡塩ビゾルはゲル化、させクッションフロアーを作成した。
ガラス繊維混抄不織布及びクッションフロアーの吸湿水分の測定
実施例1〜6及び比較例1〜5のガラス繊維混抄不織布を使用して作成したクッションフロアーの吸湿水分を以下の通りの方法で測定した。105℃の恒温熱風乾燥器で1時間乾燥後の重量を測定、23℃−50%の恒温恒湿の部屋に48時間放置後の重量を測定しその吸湿水分率を求めた。その結果を表2に示す。
実施例1〜6は表面層、裏面層、共に塗工しているので、吸湿が減少しており、裏面の塗工量が20g/m2以上のものが1番少ない。一方、比較例1〜3は表面層も裏面層も塗工していないプレーンのガラス繊維混抄不織布の為吸湿が多く、比較例4はガラス繊維の配合率を多くしているので比較例1〜3より吸湿が若干減少している、比較例5は表面層を塗工しているので比較例4より更に吸湿が減少しているが、実施例1〜6には及ばない。
この結果よりガラス繊維混抄不織布を表面及び裏面とも無機顔料主体の樹脂組成物で被覆すれば顔料吸湿が少ないことが分かる。
ガラス混抄不織布の吸湿伸度の測定
実施例1〜6及び比較例1〜5のガラス繊維混抄不織布を使用して作成したクッションフロアーの吸湿による伸度を以下の通りの方法で測定した。20cm×20cmに断裁した試料を105℃の恒温熱風乾燥機で1時間乾燥後、5/100mmの精度で寸法を測定し、23℃−50%の恒温恒湿の部屋に48時間放置後同精度で寸法を測定、その伸び率を求めた。その結果を表2に示す。吸水水分同様に実施例1〜6は表面、裏面、共塗工している為、伸びが小さくなっている。一方、比較例1〜3は吸湿による伸びが大きく、比較例4はガラス繊維の配合率が多いため若干伸びが少なく、比較例5は表面塗工しているため更に伸びが小さくなる。この結果よりガラス繊維混抄不織布の表面、及び裏面を無機顔料主体の樹脂組成物で被覆すれば吸湿による伸びが小さくなることが分かる。
クッションフロアーの反りの測定
実施例1〜6及び比較例1〜5のガラス繊維混抄不織布を使用して作成したクッションフロアーを作成後20cm×20cmに断裁し、23℃−50%の恒温恒湿の部屋に48時間放置後、4角の反りの高さを測定その平均値を求めた。その結果を表3に示す。実施例1〜6は反りが大幅に小さくなっている。一方、比較例1〜3は反りが大きく、比較例4〜5は若干小さくなっているが実施例に比べるとまだ大きい。実施例1〜6の結果を見ると、裏面の塗工量が多いほど反りが小さくなっている。このことから裏面に無機顔料主体の樹脂組成物を塗工することにより、吸湿が抑えられ、且つ塗工量が多いほど塩化ビニル層の収縮力への抵抗力が強くなり反りを抑える事が出来る。塗工量は20g/m2以上になると顕著に効果が現れる。
クッションフロアー裏面塗工層の塗装落ちの評価
実施例3〜6のガラス繊維混抄不織布を使用して作成したクッションフロアーを5cm×25cmに断裁し、裏面に巾2cmのセロハンテープ(R)を貼付、RI印刷試験機を使用一定圧で加圧接着した後テープを剥離し、テープに付着した塗装粉体の程度により、ほとんど付着しないか、点々と微量に付着した物を○、明らかに白く付着した物を×とした。その結果を表3に示す。
実施例3〜5は殆どテープへの付着が無く、実施例6のみテープに明らかに白く付着した。このことよりバインダーとしての合成樹脂の量は塗液中に15%以上の配合率が必要と考えられる。又、合成樹脂の配合率が15%以上有れば、無機顔料の種類は炭酸カルシウム、カオリン、何れを使用しても問題なく、合成樹脂の種類はSBR、アクリル系樹脂は何れを使用しても問題はない。
(表1)

┌───────────┬──────┬─────┬──────┬─────┐
│ │ 実施例1 │ 実施例2 │ 実施例3 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面層] │ │ │ │ │
│ガラス繊維9μ×6mm│ 35 │ 35 │ 35 │ │
│NBKP450mmL │ 60 │ 60 │ 60 │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 5 │ 5 │ 5 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面塗工層] │ │ │ │ │
│NUクレー(カオリン)│ 67 │ 67 │ 67 │ │
│Z431 (アクリル)│ 33 │ 33 │ 33 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面層] │ │ │ │ │
│NBKP450mmL │ 90 │ 90 │ 90 │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 10 │ 10 │ 10 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面塗工層] │ │ │ │ │
│ソフトン2200(タンカル)│ 85 │ 85 │ 85 │ │
│ウルトラコート │ │ │ │ │
│ (カオリン) │ │ │ │ │
│Z431(アクリル) │ 15 │ 15 │ 15 │ │
│T2413(SBR) │ │ │ │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [層構成] │ │ │ │ │
│表面 g/m2 │ 70 │ 70 │ 70 │ │
│表面塗工 g/m2 │ 10 │ 10 │ 10 │ │
│裏面 g/m2 │ 10 │ 10 │ 10 │ │
│裏面塗工 g/m2 │ 10 │ 20 │ 40 │ │
│合計 g/m2 │ 100 │ 110 │ 130 │ │
└───────────┴──────┴─────┴──────┴─────┘

┌───────────┬──────┬─────┬──────┬─────┐
│ │ 実施例4 │実施例5 │ 実施例6 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面層] │ │ │ │ │
│ガラス繊維9μ×6mm│ 35 │ 35 │ 35 │ │
│NBKP450mmL │ 60 │ 60 │ 60 │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 5 │ 5 │ 5 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面塗工層] │ │ │ │ │
│NUクレー(カオリン)│ 67 │ 67 │ 67 │ │
│Z431 (アクリル)│ 33 │ 33 │ 33 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面層] │ │ │ │ │
│NBKP450mmL │ 90 │ 90 │ 90 │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 10 │ 10 │ 10 │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面塗工層] │ │ │ │ │
│ソフトン2200(タンカル)│ 50 │ 50 │ 90 │ │
│ウルトラコート │ 35 │ 35 │ │ │
│ (カオリン)│ │ │ │ │
│Z431 (アクリル)│ 15 │ │ 10 │ │
│T2413(SBR) │ │ 15 │ │ │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [層構成] │ │ │ │ │
│表面 g/m2 │ 70 │ 70 │ 70 │ │
│表面塗工 g/m2 │ 10 │ 10 │ 10 │ │
│裏面 g/m2 │ 10 │ 10 │ 10 │ │
│裏面塗工 g/m2 │ 40 │ 40 │ 40 │ │
│合計 g/m2 │ 130 │ 130 │ 130 │ │
└───────────┴──────┴─────┴──────┴─────┘

┌───────────┬──────┬─────┬──────┬─────┐
│ │ 比較例1 │ 比較例2 │ 比較例3 │ 比較例4 │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面層] │ │ │ │ │
│ガラス繊維9μ×6mm│ 35 │ 35 │ 35 │ 50 │
│NBKP450mmL │ 60 │ 60 │ 60 │ 45 │
│PVA繊維1d×3mm│ 5 │ 5 │ 5 │ 5 │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ 100 │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面層] │ │ │ │ │
│NBKP450mmL │ 90 │ 90 │ 90 │ 90 │
│PVA繊維1d×3mm│ 10 │ 10 │ 10 │ 10 │
│ [合 計] │ 100 │ 100 │ 100 │ 100 │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [層構成] │ │ │ │ │
│表面 g/m2 │ 70 │ 70 │ 110 │ 70 │
│裏面 g/m2 │ 10 │ 30 │ 20 │ 10 │
│合計 g/m2 │ 80 │ 100 │ 130 │ 80 │
└───────────┴──────┴─────┴──────┴─────┘

┌───────────┬──────┬─────┬──────┬─────┐
│ │ 比較例5 │ │ │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面層] │ │ │ │ │
│ガラス繊維9μ×6mm│ 35 │ │ │ │
│NBKP450mmL │ 60 │ │ │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 5 │ │ │ │
│ [合 計] │ 100 │ │ │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [表面塗工層] │ │ │ │ │
│NUクレー(カオリン)│ 67 │ │ │ │
│Z431 (アクリル)│ 33 │ │ │ │
│ [合 計] │ 100 │ │ │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面層] │ │ │ │ │
│NBKP450mmL │ 90 │ │ │ │
│PVA繊維1d×3mm│ 10 │ │ │ │
│ [合 計] │ 100 │ │ │ │
├───────────┼──────┼─────┼──────┼─────┤
│ [裏面塗工層] │ │ │ │ │
│表面 g/m2 │ 70 │ │ │ │
│表面塗工 g/m2 │ 10 │ │ │ │
│裏面 g/m2 │ 10 │ │ │ │
│裏面塗工 g/m2 │ │ │ │ │
│合計 g/m2 │ 90 │ │ │ │
└───────────┴──────┴─────┴──────┴─────┘
(表2)

┌─────┬────────────────────┬──────────┐
│ │ 吸湿水分(%) │ガラス繊維混抄不織布│
│ ├──────────┬─────────┤ │
│ │ガラス繊維混抄不織布│クッションフロアー│ 吸湿伸度(%) │
├─────┼──────────┼─────────┼──────────┤
│実施例1 │ 2.6 │ 0.4 │ 0.07 │
│実施例2 │ 2.2 │ 0.3 │ 0.05 │
│実施例3 │ 2.0 │ 0.2 │ 0.04 │
│実施例4 │ 2.0 │ 0.2 │ 0.05 │
│実施例5 │ 2.0 │ 0.3 │ 0.05 │
│実施例6 │ 2.0 │ 0.2 │ 0.04 │
│比較例1 │ 3.4 │ 0.8 │ 0.16 │
│比較例2 │ 3.8 │ 1.0 │ 0.18 │
│比較例3 │ 3.5 │ 0.8 │ 0.16 │
│比較例4 │ 3.0 │ 0.7 │ 0.12 │
│比較例5 │ 2.9 │ 0.8 │ 0.10 │
└─────┴──────────┴─────────┴──────────┘
(表3)

┌───────┬──────────┬─────────┐
│ │反りの大きさ(mm)│ 裏面塗装剥離 │
├───────┼──────────┼─────────┤
│実施例1 │ 20 │ − │
│実施例2 │ 9 │ − │
│実施例3 │ 4 │ ○ │
│実施例4 │ 5 │ ○ │
│実施例5 │ 3 │ ○ │
│実施例6 │ 4 │ × │
│比較例1 │ 30 │ − │
│比較例2 │ 31 │ − │
│比較例3 │ 29 │ − │
│比較例4 │ 27 │ − │
│比較例5 │ 25 │ − │
└───────┴──────────┴─────────┘

Claims (1)

  1. 床材(クッションフロアー)の裏打ち材に使用されるガラス繊維混抄不織布において、床に接する側の面にカオリン、炭酸カルシウム等の無機顔料とSBR、アクリル樹脂等の合成樹脂からなる塗液を絶乾質量で10〜70g/m2塗工することを特徴とするガラス繊維混抄不織布。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006087426A1 (en) * 2005-02-15 2006-08-24 Ahlstrom Glassfibre Oy A method of manufacturing a carrier substrate for cv flooring, a carrier substrate for cv flooring and cv flooring
CN115464576A (zh) * 2022-09-06 2022-12-13 南通市辉鑫玻璃纤维有限公司 一种高预应力玻璃纤维砂轮网片的生产工艺

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