JP4311578B2 - 化粧板用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に印刷が施された後、建材や家具等に貼り合わされ、建材や家具を装飾する化粧板用紙に関する。
化粧板は、表面に無地、あるいは柄等がグラビア印刷され、建材や家具等に貼り合わされ、その上にアミノアルキッド樹脂やポリウレタン樹脂等を塗布して用いられる。化粧板基材としては、天然木、メラミン、ポリエステル、塩化ビニル、紙等があるが、加工が容易で安価であることから、この中でも紙の使用が主流となってきており、紙が多く用いられている。これにより、紙を使用した化粧板の生産量は、年々増加してきている。
紙を使用した化粧板、即ち化粧板用紙は、建材や家具等に貼り合わされて用いられるため、紙間強度や表面耐磨耗性に優れていることが要求される。また、化粧板用紙は、表面に柄等をグラビア印刷するため、グラビア印刷適性に優れていることが要求される。例えば、下記の特許文献1では、原紙の表面に特定のバインダーや顔料を含有した塗料を塗工して塗工層を形成し、紙間強度等を向上させたものが提案されている。
また、化粧板用紙には、紙間強度等の特性が優れている他、例えば、キッチン、サニタリールーム等の結露や水濡れしやすい場所にも用いられるため、防湿性、防水性が要求される。化粧板用紙では、防湿性や防水性を持たせるため、原紙中の紙力増強剤の添加量を多くしたり、塗料中のバインダーの添加量を多くしている。しかしながら、特に塗料にバインダーを多く含有させると、塗工層の表面にバインダーが移動するバインダーマイグレーションが生じやすくなり、このバインダーマイグレーションによって塗工層の表面にムラが生じる虞がある。化粧板用紙では、塗工層の表面にムラが生じると、塗工層上に柄等をグラビア印刷するため、印刷ムラが発生してしまう。
更にまた、近年では、内装や家具に対して見栄えや高級感に優れていることが望まれているため、化粧板用紙を高平滑化、高光沢化することが求められ、表面を高平滑化、高光沢化した化粧板用紙では、柄等を形成するインキの網点のかすれ、欠け、つぶれ、ふとり等がなくなり、網点再現性が向上する。しかしながら、表面を高平滑化、高光沢化した化粧板用紙では、原紙や塗工層へのインキの浸透が低下し、インキとの密着性が悪くなってしまう。これにより、高平滑化、高光沢化された化粧板用紙では、インキの密着性が悪くなることによって、印刷時や印刷後の搬送時に傷が入りやすくなる、いわゆるスクラッチ適性が悪くなってしまう。高光沢な化粧板用紙では、浅い傷も目立ってしまう。
すなわち、化粧板用紙では、表面に塗工する塗料の塗工ムラがなく、見栄えや高級感を出すための高平滑化、高光沢化と、傷が発生しないようにスクラッチ適性を良好することとを両立することが困難である。
特開平7−42097号公報
本発明は、塗料の塗工ムラがなく、高平滑化、高光沢化と良好なスクラッチ適性とを両立することができる化粧板用紙を提供することを目的とする。
本発明に係る化粧板用紙は、基紙の表裏面の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを主成分とする塗料を塗工してなり、JIS P 8119に準じたベック平滑度が3000秒〜5000秒、JIS P 8142に準じて測定された75度白紙光沢度が50%以上であり、顔料には、当該顔料100重量部のうち、クレーが30重量部〜70重量部含有され、塗料には、バインダーが、顔料100重量部に対して有効成分で10重量部〜40重量部含有され、助剤としてアクリル酸アクリルアミド共重合物からなる保水剤が、顔料100重量部に対して、有効成分で0.03重量部〜0.15重量部含有され、浸透剤が顔料100重量部に対して、有効成分で0.05重量部〜0.2重量部含有されている。
本発明によれば、基紙に塗布する顔料及びバインダーを主成分とする塗料に、顔料100重量部のうち、クレーを30重量部〜70重量部含有し、バインダーを、顔料100重量部に対して有効成分で10重量部〜40重量部含有し、助剤としてアクリル酸アクリルアミド共重合物からなる保水剤を、顔料100重量部に対して、有効成分で0.03重量部〜0.15重量部含有し、浸透剤を顔料100重量部に対して、有効成分で0.05重量部〜0.2重量部含有することによって、JIS P 8119に準じたベック平滑度が3000秒〜5000秒であり、高平滑であり、塗料の塗工ムラがなく、網点再現性が良好である化粧板用紙を得ることができる。また、本発明では、高平滑であるため、印刷した際にインキの密着性が向上し、傷の発生を防止でき、スクラッチ適性が良好となる。また、本発明によれば、JIS P 8142に準じて測定された75度白紙光沢度が50%以上であり、高光沢であるため、見栄えがよく、高級感に優れている。したがって、本発明では、塗工ムラがなく、スクラッチ適性と高平滑化、高光沢化とを両立することができる。
以下、本発明を適用した化粧板用紙について詳細に説明する。図1に示す化粧板用紙1は、表面に柄等がグラビア印刷され、例えばサニタリールームやキッチン等の建材や家具等となる基材2に接着剤等で貼り合わされ、基材2を装飾するものである。
化粧板用紙1は、図1に示すように、原紙3の表裏面の少なくとも一方の面に、表面強度、平滑性、光沢性や印刷適性等の特性を向上させる塗工層4が形成されている。
原紙3は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等の化学パルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)等の機械パルプ、デインキングパルプ(DIP)、ウェストパルプ(WP)等の化学パルプや機械パルプ由来の古紙パルプ等を材料として、これらを単独又は混合したものが用いられる。なお、原紙3の材料は、これらに限定されるものではない。原紙3には、平滑性を向上させるため、繊維が細くて短いLBKPが80重量%〜100重量%含有されていることが好ましい。化粧板用紙1では、原紙3の平滑性が向上することによって、後述する塗料の塗工ムラの発生を防止することができる。
また、原紙3には、パルプの他に、填料を内添してもよい。填料としては、例えばクレー、炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン等の無機顔料等を挙げることができる。填料としては、特に二酸化チタンが不透明度を向上させる効果が高いので、少なくとも二酸化チタンを配合したうえで、クレー、炭酸カルシウム、タルク等の無機顔料のうち少なくとも1種類を組み合わせて使用することが好ましい。
また、原紙3は、化粧板用紙1の表面に粘着テープを長期間貼着後、そのテープを剥がすことがあるため、表面強度が高いことが要求される。このため、原紙3には、紙力増強剤を内添してもよい。紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、カチオン化澱粉等を挙げることができる。紙力増強剤の含有量は、絶乾パルプ1tに対して有効成分で5〜30kgであることが好ましい。紙力増強剤の含有量が5kg未満では、原紙3の表面強度の向上効果が低く、30kgを超えると塗工層4との密着性が低下してしまう。したがって、紙力増強剤を含有させる場合には、紙力増強剤の含有量を有効成分で5kg〜30kgとすることで、表面強度が向上し、塗工層4との密着性も良好となる。
なお、原紙3の米坪は、特に規定しないが、20g/m〜60g/mであることが好ましい。原紙3の米坪が20g/m未満では、不透明性が低下し、60g/mを超えると、厚みが厚くなるため、基材2と貼り合わせると側面から剥がれやすくなってしまう。したがって、原紙3は、米坪を20g/m〜60g/mとすることによって、不透明性が得られ、基材2との貼り合わせも良好となる。
また、原紙3には、必要に応じて硫酸バンド等のサイズ定着剤、ピッチ除去剤、浸透剤、消泡剤等を内添してもよい。このような原紙3は、通常の長網式や円網式等の抄紙機により抄造することができる。
原紙3上に形成される塗工層4は、顔料及びバインダーを主成分とする塗料を塗工して形成される。塗工層4は、原紙3の表面に露出しているパルプによる凹凸を被覆し、表面を平滑にし、化粧板用紙1の表面強度、光沢性や印刷適性等の特性を向上させる。
この塗工層4を形成する塗料中の顔料としては、クレー、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、マイカ等の無機顔料、プラスチックピグメント、ポリエチレン、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等を挙げることができる。なお、顔料は、これらに限定されるものではない。顔料としては、化粧板用紙1の光沢を向上させるため、顔料100重量部のうち、クレーを30重量部〜70重量部、好ましくは35重量部〜60重量部含有することが好ましい。顔料中のクレーの含有量が30重量部未満では、所定の光沢が得られず、70重量部を超えると表面強度が低下し、柄等の印刷時にインキに塗料がとられやすくなる。したがって、顔料中のクレーの含有量は、30重量部〜70重量部とすることが好ましい。また、クレーとしては、平均粒子径が0.2μm〜0.6μmの微粒クレーを使用すると、より光沢を向上させることができる。なお、無機顔料の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD−2100)を用いて測定した平均粒子径である。
また、顔料に軽質炭酸カルシウムを含有させた場合には、軽質炭酸カルシウムが2次凝集するため、塗工層4にこの2次凝集により隙間が発生し、その隙間にインキが吸収され、インキの吸収性、着肉性が向上する。このため、顔料中に軽質炭酸カルシウムを10重量部〜65重量部、好ましくは15重量部〜60重量部含有することが好ましい。顔料中の軽質炭酸カルシウムの含有量が10重量部未満では、2次凝集による隙間の発生が少なく、インキの吸収性や着肉性の効果が十分に得られず、65重量部を超えると2次凝集による隙間が多くなりすぎ、表面強度が低下し、印刷時にインキに塗料がとられやすくなる。したがって、軽質炭酸カルシウムを含有させる場合には、顔料中に10重量部〜65重量部とすることが好ましい。
塗料に含有されるバインダーとしては、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体の各種ラテックスを挙げることができる。
特にSBRラテックスのうち、スチレン含有量が50重量%〜80重量%のスチレンリッチであるものは、柔らかいブタジエンによる紙面のブロッキング効果がなく、光沢、網点再現性を向上させる効果があるため好ましい。
さらに、SBRラテックスは、コア部とシェル部の2重構造になっているものが好ましい。2層構造となっているSBRラテックスとしては、アクリル酸エステルが含有されたもので、具体的にシェル部にスチレン・アクリル酸エステル成分、コア部にスチレン・ブタジエン成分があるものがブタジエンによる紙面ブロッキング性低下のため、特に好ましい。
バインダーの含有量は、顔料100重量部に対して有効成分で10重量部〜40重量部が好ましく、特に好ましくは15重量部〜30重量部である。バインダーの含有量が10重量部未満では、表面強度が低下し、40重量部を超えると、ラテックスが塗工層4の表面に移動するバインダーマイグレーションが生じ、インキの吸収性や着肉性が低下してしまう。したがって、バインダーの含有量を顔料100重量部に対して有効成分で10重量部〜40重量部とすることによって、高い表面強度が得られ、インキの吸収性や着肉性も良好となる。
また、塗料には、顔料やバインダーの他に、助剤として保水剤を内添してもよい。保水剤は、塗料の保水性を向上させることができる。これにより、塗工層4では、保水性の向上により、ラテックス、即ちバインダーの原紙3への浸透が抑えられ、均一な塗工面が得られる。保水剤としては、例えば、アクリル酸アクリルアミド共重合物、アクリル系変性ポリマー、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等を挙げることができる。これらの中でも、アクリル酸アクリルアミド共重合物は、バインダーの原紙3への浸透を抑える効果が高く、均一な塗工面を形成することができるため特に好ましい。塗料中に保水剤を含有させる場合には、保水剤の含有量を顔料100重量部に対して、有効成分で0.03重量部〜0.15重量部とすることが好ましい。保水剤の含有量が0.03重量部未満では、保水性が向上せず、バインダーが原紙3へ浸透してしまい、表面強度が低下する。保水剤の含有量が0.15重量部を超える場合には、塗工層4中のラテックスの分布が多くなり過ぎ、インキの吸収性や着肉性が低下してしまう。したがって、塗料中に保水剤を含有させる場合には、保水剤の含有量を有効成分で0.03重量部〜0.15重量部とすることによって、均一な塗工面が得られ、インキの吸収性や着肉性も良好となる。
また、塗料中には、澱粉を内添してもよい。澱粉は、塗料の保水性を向上させる効果があり、原紙3に対して塗料の供給性、塗工性を向上させることができる。澱粉としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉、エステル化澱粉等を挙げることができる。これらの中でも、保水剤としては、塗料の保水性を向上させるという点でエステル化澱粉が好ましい。塗料中に澱粉を含有させる場合には、澱粉の含有量を顔料100重量部に対して、有効成分で0.5重量部〜20重量部とすることが好ましい。澱粉の含有量が0.5重量部未満では、塗料の保水性が得られず、20重量部を超えると、塗工層4の空隙率が減少し、インキの吸収性、着肉性が低下してしまう。したがって、塗料中に澱粉を含有させる場合には、澱粉の含有量を顔料100重量部に対して、有効成分で0.5重量部〜20重量部とすることによって、高い保水性が得られ、均一な塗工面を形成でき、インキの吸収性や着肉性が良好となる。
また、塗料中には、浸透剤を内添してもよい。浸透剤は、塗料の流動性を高め、原紙3の表面に塗料をブレード塗工する時等にストリークの発生を抑える効果がある。浸透剤としては、アセチレンジオール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、アルキルエーテル、アセチレンアルコール、ポリエーテル等の単体、これらの変性物、またはこれらの混合物を挙げることができる。塗料に浸透剤を含有させる場合には、浸透剤の含有量を顔料100重量部に対して、有効成分で0.05重量部〜0.2重量部とすることが好ましい。浸透剤の含有量が0.05重量部未満では、塗料の流動性を高める効果がなく、0.2重量部を超えると、バインダーが原紙3へ浸透するため、表面強度が低下してしまう。したがって、塗料中に浸透剤を含有させる場合には、浸透剤の含有量を顔料100重量部に対して、有効成分で0.05重量部〜0.2重量部とすることによって、塗料の流動性が高くなり、ストリークの発生が抑えられ、バインダーの原紙3への浸透を防止でき、表面強度の低下を防止することができる。
このような構成からなる化粧板用紙1は、原紙3の表裏面の少なくとも一方の面に、上述した塗料を例えばブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター等の塗工方式により、塗工量が10g/m〜25g/mとなるように塗工し、乾燥後、塗工面が平滑となるようにソフトカレンダー、スーパーカレンダー等によりカレンダー処理して得られる。化粧板用紙1では、塗料の塗工量を10g/m〜25g/mとすることによって、原紙3に均一に塗工することができ、カーバーリングの点で良好となる。なお、塗料の塗工方法は、上記塗工方法に限定されない。
以上のような構成の化粧板用紙1は、原紙3の表面に、顔料及びバインダーを主成分とする上述した塗料を塗工して塗工層4を形成し、カレンダー処理することによって、JIS P 8119に準じたベック平滑度が3000秒〜5000秒となり、JIS P 8142に準じて測定された75度白紙光沢度が50%以上となる。この化粧板用紙1では、ベック平滑度が3000秒〜5000秒であることによって、表面が高平滑となり、塗工ムラがなく、塗工層4上に柄等をグラビア印刷した際に、印刷ムラが生じず、柄等を形成するインキの網点にかすれ、欠け、つぶれ、ふとり等がない、いわゆる網点再現性も向上する。また、この化粧板用紙1では、ベック平滑度が3000秒〜5000秒であることによって、印刷面の表面強度が高くなり、インキの密着性が良くなるため、印刷時や搬送時に傷が付きにくくなり、スクラッチ適性が向上する。
化粧板用紙1では、ベック平滑度が3000秒未満の場合、グラビア印刷における網点再現性が悪くなり、5000秒を超えると、インキの密着性が悪くなり、スクラッチ適性が悪くなってしまう。この化粧板用紙1では、ベック平滑度が3000秒〜5000秒とすることによって、塗工ムラや印刷ムラがなく、網点再現性及びスクラッチ適性が向上する。
また、化粧板用紙1では、塗料の顔料中にクレーが含有されていることによって、75度白紙光沢度が50%以上となり、見栄えが良く、高級感に優れている。75度白紙光沢度が50%未満の場合、見栄えが悪くなってしまう。
以上のことから、化粧板用紙1では、ベック平滑度3000秒〜5000秒であり、75度白紙光沢度が50%以上であることから、塗工ムラがなく、スクラッチ適性と高平滑化、高光沢化とを両立することができる。
以下、上述した本発明を適用した化粧板用紙の実施例及び比較例について説明する。
〈実施例1〉
実施例1では、先ず、原紙を作製した。原紙を作製する際には、先ず、フリーネスが380ccの針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)とフリーネスが300ccの広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と水とからなる懸濁液を、所定の抄紙機で抄紙し、原紙を抄造した。この原紙には、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)が10重量%含有され、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が90重量%含有されている。なお、填料として酸化チタン(チタン工業社製、商品名KA−10)を全絶乾パルプ1tに対して50kg、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、商品名TP−121)を全絶乾パルプ1tに対して50kg、紙力増強剤(星光PMC社製、WS−525)を全絶乾パルプ1tに対して有効成分20kg、それぞれ内添した。また、この原紙の米坪は、30g/mである。
次に、塗料を作製した。塗料は、平均粒子径0.2μm〜0.6μmのクレー(シール社製、商品名カオファイン)(表1中Aで示す)と、軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製、商品名TP−123)(表1中Bで示す)と、重質炭酸カルシウム(イメリスミネラルジャパン社製、商品名カービタル90)(表1中Cで示す)と含有する顔料と、バインダーとしてスチレン・ブタジエンラテックスと、保水剤としてアクリル酸アクリルアミド共重合物(BASF社製、商品名ポリミンAE75)と、澱粉としてエステル化澱粉(三和澱粉工業社製、商品名PN−700)と、浸透剤としてエチレンジオール混合物(エアープロダクツジャパン社製、サーフィノール104E)を混合して作製した。
塗料中の顔料の含有量は、100重量部である。顔料中のクレー、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムの配合比は、表1に示すように、クレーが30重量部、軽質炭酸カルシウムが15重量部、重質炭酸カルシウムが55重量部である。バインダーのスチレン・ブタジエンラテックスは、2重構造のものであり、旭化成ケミカルズ社製の商品名A6200である。バインダーの含有量は、顔料100重量部に対して、有効成分で20重量部である。このスチレン・ブタジエンラテックスは、スチレン比率(表1中Dで示す)が66%であり、ブタジエン比率(表1中Eで示す)が13%であり、アクリル酸エステル比率(表1中Fで示す)が21%である。また、シェル部はスチレン・アクリル酸エステル成分であり、コア部はスチレン・ブタジエン成分である。保水剤の含有量は、顔料100重量部に対して有効成分で0.05重量部であり、澱粉の含有量は、顔料100重量部に対して有効成分で1重量部であり、浸透剤の含有量は顔料100重量部に対して有効成分で0.1重量部である。
続いて、原紙の一方の面に、作製した塗料をブレードコーターで塗工後、12段のスーパーカレンダーによって、速度500m/分、ニップ厚145kg/cm、ロール温度40℃にて平坦化処理して、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙は、JIS P 8119のベック平滑度が3000秒であり、JIS P 8142に準じて測定された75度白色光沢度が50%であった。
〈実施例2〉〜〈実施例8〉
実施例2〜実施例8では、実施例1の塗料の材料と同じ材料を用い、顔料の配合比及びバインダーの成分比、バインダーの含有量、保水剤の含有量を表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧板用紙を作製した。実施例2〜実施例8の化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈実施例9〉
実施例9では、バインダーに、スチレン比率(表1中Dで示す)が45%であり、ブタジエン比率(表1中Eで示す)が40%であり、アクリロニトリル比率(表1中Fで示す)が15%であるスチレン・ブタジエンラテックス(日本A&L社製、商品名P−0Z37)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗料を作製し、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈実施例10〉
実施例10では、バインダーに、スチレン比率(表1中Dで示す)が48%であり、ブタジエン比率(表1中Eで示す)が39%であり、アクリロニトリル比率が7%+アクリル酸エステル比率が6%(計13%を表1中Fで示す)であるスチレン・ブタジエンラテックス(ハンソル社製、商品名S−301)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗料を作製し、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈実施例11〜実施例14〉
実施例11〜実施例14では、実施例1の塗料の材料と同じ材料を用い、顔料の配合比及びバインダーの成分比、バインダーの含有量、保水剤の含有量を表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧板用紙を作製した。また、実施例11〜実施例14の化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
参考例15〉
参考例15は、本発明の参考例となるものであり、保水剤にアクリル系変性ポリマーを用いたものである。
参考例15では、保水剤に、アクリル系変性ポリマー(サンノプコ社製、商品名SNシックナー920)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして塗料を作製し、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈実施例16〉〜〈実施例18〉
実施例16〜実施例18では、実施例1の塗料の材料と同じ材料を用い、顔料の配合比及びバインダーの成分比、バインダーの含有量、保水剤の含有量を表1に示すようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、化粧板用紙を作製した。また、実施例16〜実施例18の化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈比較例1〉
比較例1では、顔料中のクレーの含有量が80重量部であること以外は、実施例1と同様にして、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
〈比較例2〉
比較例2では、顔料中のクレーの含有量が25重量部であること以外は、実施例1と同様にして、化粧板用紙を作製した。得られた化粧板用紙のベック平滑度及び75度白色光沢度は、表1に示すようになった。
Figure 0004311578
以上のようにして得られた各実施例及び各比較例の化粧板用紙について、網点再現性、スクラッチ適性、見栄えの評価を行った。
網点再現性の評価は、テストグラビア印刷機(GP2)にて、印刷後、50倍拡大鏡によって、網点のかすれ、欠け、つぶれ、ふとりを調べ、総合的に評価した。かすれ、欠け、つぶれ、ふとりの各評価項目において、全て良好である場合には、表1中に◎で示し、各評価項目について、問題ないレベルである場合には、表1中に○で示し、1つ以上の評価項目について、問題がある場合には、表1中に×で示した。
スクラッチ適性の評価は、印刷後、ホフマンスクラッチ試験機により、耐スクラッチ性試験、耐マーリング性試験、及びスチールウール試験を行い、総合的に評価した。キズの発生なく、良好である場合には、表1中に◎で示し、キズが光の角度によって見える程度であり、問題ないレベルである場合には、表1中に○で示し、キズがはっきりわかる場合には、表1中に×で示した。
見栄えの評価は、比較サンプルとして、チラシ、雑誌等に使用される印刷用コート紙(75度白紙光沢50%)を用い、白紙サンプルとの比較を目視で評価した。見栄えが比較サンプルと同等または良好である場合には、表1中に○で示し、比較サンプルより悪い場合には、×で示した。
表1に示す評価結果から、比較例1や比較例2と比べて実施例1〜実施例18は、網点再現性、スクラッチ適性、見栄えのすべての評価が良好であった。
比較例1では、ベック平滑度が5200秒であり、5000秒を超えているため、インキの密着強度が低下し、スクラッチ適性が悪くなった。
比較例2では、ベック平滑度が2900秒であり、3000秒よりも小さいため、高平滑化されず、網点再現性が悪くなった。また、比較例2では、75度白色光沢度が48%であり、50%よりも小さいため、見栄えも悪くなった。
比較例1及び比較例2に対して、実施例1〜実施例18は、ベック平滑度が3000秒〜5000秒であることから、高平滑であるため、網点再現性が良好となり、表面強度が高いため、インキとの密着強度が向上し、傷が付きにくく、スクラッチ適性が良好となった。また、実施例1〜実施例18では、75度白色光沢度が50%以上であることから、見栄えが良好となった。
また、実施例3は、保水剤にアクリル系変性ポリマーよりも原紙へのラテックスの浸透を防止することができるアクリル酸アクリルアミド共重合物を用いているため、アクリル系変性ポリマーを用いた参考例15と比べて、塗工面が均一となり、網点再現性が良好となった。
本発明を適用した化粧板用紙の断面図である。
符号の説明
1 化粧板用紙、2 基材、3 原紙、4 塗工層

Claims (2)

  1. 原紙の表裏面の少なくとも一方の面に、顔料及びバインダーを主成分とする塗料を塗工してなる化粧板用紙において、
    JIS P 8119に準じたベック平滑度が3000秒〜5000秒、JIS P8142に準じて測定された75度白紙光沢度が50%以上であり、
    前記顔料には、当該顔料100重量部のうち、クレーが30重量部〜70重量部含有され、
    前記塗料には、前記バインダーが、顔料100重量部に対して有効成分で10重量部〜40重量部含有され、助剤としてアクリル酸アクリルアミド共重合物からなる保水剤が、顔料100重量部に対して、有効成分で0.03重量部〜0.15重量部含有され、浸透剤が顔料100重量部に対して、有効成分で0.05重量部〜0.2重量部含有されていることを特徴とする化粧板用紙。
  2. 前記塗料には、前記バインダーとしてスチレン含有量が50重量%〜80重量%のSBRラテックスが用いられることを特徴とする請求項1に記載の化粧板用紙。
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