JP2005248324A - 金属材表面処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な金属材の表面における諸特性を向上させることが可能であり、しかも、容易且つ簡便に実施することができる金属材表面処理方法を提供する。
【解決手段】メラミンホルマリン樹脂等のアミノ系樹脂の存在下に、Fe合金、Ni合金、Al合金等の金属材に対して熱処理を施す。アミノ系樹脂は、金属材の表面に直接、又は水等の溶媒を介して塗布すればよい。塗布することに代替して、アミノ系樹脂を容器に収容し、この容器と金属材とを熱処理炉の中に挿入するようにしてもよい。熱処理時に窒化ガスを流通させれば従来の数倍の窒化処理を施すことができ、浸炭剤を流通させれば浸炭処理を施すことができる。
【選択図】図1


Description

本発明は、金属材の表面から内部にわたって硬度を向上させる金属材表面処理方法に関する。
ある部材において、所定の別部材が摺接する摺接面には、耐摩耗性や靱性、強度等に優れていることが希求される。このような諸特性を向上させるべく、各種の部材に対して、従来から、浸炭、浸硫、窒化、炭窒化等の様々な表面処理を施すことが提案されている。
例えば、特許文献1では、WC−5%TiC−3%TaC−6%Co等の超硬合金を窒素雰囲気下で焼結することによって、炭窒化物層を形成するとともに該炭窒化物層の直下に結合相に富む領域を設けるようにしている。この場合、炭窒化物層によって耐摩耗性が向上し、結合相に富む領域によって靱性が確保されるとのことである。
一方、特許文献2では、鋼材に対して窒化処理を施す前に、該鋼材の表面の酸化皮膜を除去するためにフッ化物膜を設けることが提案されている。このフッ化物膜が存在することにより、鋼材に酸化皮膜が再形成されることやO2が吸着することを回避することができ、その結果、均一な窒化層を形成することができるとされている。
また、特許文献3には、電極とワークとを所定距離で離間させ、このクリアランスに窒素ガスを流通させた状態で放電パルスを発生させる鋼材表面の窒化処理方法が開示されている。
さらに、特許文献4には、鋼材のねじり衝撃強度及びねじり疲労強度を向上させるべく、該鋼材に含有されたマンガンの割合に応じ、所定の式から算出される温度よりも低温で浸炭焼入れ・焼戻しを行うことが提案されている。
特開平5−171442号公報 特開平7−54123号公報 特開2003−129216号公報 特開2003−239039号公報
ところで、上記した表面処理方法のいずれも、鋼材や超硬合金等の特定材質にのみ適用可能であり、別種類の材質に対して同様の方法で表面改質を行うことは著しく困難である。また、例えば、いわゆる18−8ステンレス鋼の表面には除去することが著しく困難な不動態膜が存在するので、窒化等を施すに際しては、フッ酸や硫化水素、塩化物等でこの不動態膜を予め除去する必要がある。このような作業を行うことは煩雑であり、しかも、フッ酸や硫化水素等の作業安全環境上好ましいとは言い難い薬品を使用しなければならない。その上、除害・解毒機構を設置する必要があるので、装置構成が複雑になるとともに設備投資が高騰するという不具合がある。
さらに、上記したような従来技術に係る表面処理方法では、使用するガスの種類やその比率、反応温度、反応時間等を厳密に制御する必要があり、このために工程管理が煩雑である。
このように、材質の種類に関わらず適用することが可能であり、しかも、容易且つ簡便に実施することが可能な表面処理方法は、これまでのところ知られていない。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、様々な金属材の硬度を内部まで向上させることが可能であり、しかも、安全な環境下で容易且つ簡便に実施することができる金属材表面処理方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、金属材の表面に硬化層ないし化合物層を形成することにより前記金属材の表面を改質する金属材表面処理方法であって、
アミノ系樹脂の存在下に、金属材に対して熱処理を施す工程を有することを特徴とする。
アミノ系樹脂の存在下に熱処理が施された金属材では、アミノ系樹脂が存在しない条件下で熱処理が施された金属材に比して硬度が向上する。しかも、硬度が向上する領域がより内部まで及ぶ。なお、本発明においては、アミノ系樹脂の存在下に熱処理を施せばよく、使用するガスの種類やその比率、反応温度、反応時間等を厳密に制御する必要も特にない。そして、本発明によれば、様々な種類の金属材の硬度を向上させることが可能である。
このように、本発明によれば、アミノ系樹脂の存在下に熱処理を行うという簡便且つ容易な作業を行うことによって、アミノ系樹脂が存在しない条件下で熱処理が施された金属材に比して硬度が向上する。しかも、硬度が向上する領域がより内部まで及ぶ。
硬度が優れる金属材は、耐摩耗性や強度に優れる。すなわち、本発明に係る金属材表面処理方法によれば、摩耗し難く且つ高強度の金属材が得られる。
しかも、アミノ系樹脂には毒性がない。このため、安全な環境下で表面処理作業を行うことができる。
なお、アミノ系樹脂は、熱分解を起こして気相となり、金属材の周囲に雰囲気ガスとして存在するようになる。
アミノ系樹脂は、例えば、金属材の表面に塗布すればよい。その後、熱処理を施せば、一般的な表面処理方法に比して高い硬度及び厚みの大きな硬化層を有する種々の金属材を迅速に得ることができる。すなわち、本発明によれば、内部まで硬度が向上した種々の金属材を容易且つ簡便に、しかも、迅速に作製することが可能である。
この場合、アミノ系樹脂を、溶媒を介して金属材の表面に塗布することが好ましい。これにより塗布ムラが生じ難くなるので、金属材を略均等に硬化させることができるからである。
塗布することに代替して、アミノ系樹脂を、金属材とともに熱処理炉内に収容して熱処理を施すようにしてもよい。この場合においても、アミノ系樹脂が存在しない条件下で表面処理が施された金属材に比して硬度に優れ、且つ厚みの大きな硬化層を有する金属材を得ることができる。
ここで、アミノ系樹脂とは、アミノ基とホルムアルデヒドとを重縮合させることによって得られる樹脂を指称する。その代表的な例としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂又はホルマリン樹脂を挙げることができる。
一方、表面処理を施す金属材の好適な例としては、Fe合金、Ni合金、Al合金、Cu合金又はZn合金を挙げることができる。
表面処理方法としては、例えば、窒化処理を挙げることができる。この場合、熱処理の際にアンモニアガスやRXガス等を流通させればよい。
又は、熱処理の際に浸炭性ガスを流通させるようにしてもよい。この場合、金属材に対して浸炭処理を施すことができる。
本発明によれば、アミノ系樹脂の存在下に金属材に対して熱処理を施すようにしている。このような容易且つ簡便な作業を行うことにより、種々の金属材の硬度を内部まで向上させることができる。
以下、本発明に係る金属材表面処理方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、第1実施形態に係る金属材表面処理方法は、金属材の表面にアミノ系樹脂を塗布する第1工程と、アミノ系樹脂が塗布された金属材を熱処理する第2工程とを有する。なお、第1実施形態として、熱処理時にアンモニアガスとRXガスの混合ガスを流通させてガス軟窒化処理を行う場合を例示して説明する。
金属材としては、例えば、Fe合金からなる部材や、Ni合金からなる部材を選定することができる。Fe合金は、特に限定されるものではないが、鋳鉄や鋼材等を好適な例として挙げることができ、そのような材質からなる部材としては、自動車の内燃機関を構成するクランクシャフトが例示される。また、Ni合金からなる部材も特に限定されるものではないが、30Ni15Cr材等と表記されるいわゆるスーパーアロイからなるエンジンバルブを例示することができる。勿論、75Ni15Cr材等であってもよい。
一方のアミノ系樹脂とは、アミノ基(−NH2)とホルムアルデヒドとを重縮合させることによって得られる樹脂を指称し、その代表的なものとしては、下記の構造式(1)に示されるメラミン樹脂、構造式(2)に示される尿素樹脂、構造式(3)に示されるアニリン樹脂、ホルマリン樹脂等が挙げられる。なお、このようなアミノ系樹脂は、固形状又は粉末状で市販されている。
Figure 2005248324
Figure 2005248324
Figure 2005248324
代表的な例としては、組成式が(C639nで表されるメラミンホルマリン樹脂が挙げられる。
第1工程において、上記したようなアミノ系樹脂の粉末を前記金属材の表面に直接塗布するようにしてもよいが、水等の溶媒に粉末を分散させて懸濁液を調製し、この懸濁液を塗布することが好ましい。これにより、塗布ムラが生じることを回避することができ、結局、形成される化合物層の厚み等を略均等にすることができるからである。
塗布は、刷毛を使用する刷毛塗り法によって行えばよい。勿論、刷毛塗り法以外の公知の塗布技術を採用するようにしてもよい。
次に、アミノ系樹脂が直接、好ましくは懸濁液を介して塗布された金属材を、第2工程において、熱処理炉で熱処理する。この熱処理の際、アンモニアガスとRXガスの混合ガスを流通させる。
熱処理炉を昇温する過程中で、アミノ系樹脂が分解し始める。これにより、アミノ系樹脂に含まれるC、N、Hが遊離して金属材を攻撃する。金属材がFe合金やNi合金、Al合金等である場合、該金属材の表面には、酸化物からなる不動態膜が存在するが、遊離したC、N、Hは、この不動態膜を還元除去する。すなわち、酸化物膜は、C、N、Hの作用下に還元されて消失する。
なお、この過程中、分解したアミノ系樹脂は最終的に気相となり、雰囲気ガスとして熱処理炉内に存在する。
さらに昇温を続行し、所定の温度を保持して窒化処理を行う。熱処理条件は、金属材の種類にもよるが、例えば、600℃で2.5時間保持するようにすればよい。この熱処理において、アミノ系樹脂から遊離したNや、アンモニアガスのNにより、露呈した金属材の表面が窒化される。この際、不動態膜が既に消失しているので、Nが不動態膜を通過する必要がない。このため、窒化処理に要する時間を短縮することができるとともに、熱エネルギを低減することができる。
このようにして形成された化合物層の厚み、換言すれば、金属材中における窒素の拡散距離は、アミノ系樹脂が存在しないことを除いては同一条件下でガス軟窒化を行った場合に比して著しく大きくなる。
具体的には、S48Cベース鋼からなるクランクシャフトでは、通常のガス軟窒化によって形成される化合物層の厚みが約15μmであるのに対し、メラミンホルマリン樹脂を使用した第1実施形態によれば、化合物層の厚みを約25μmとすることができる。すなわち、通常のガス軟窒化が施されたクランクシャフトに比して内部まで硬度が高いクランクシャフトが得られる。
ここで、通常のガス軟窒化処理が施された鋼材と、メラミンホルマリン樹脂が塗布された後にガス軟窒化処理が施された鋼材とにおいて、表面から内部に指向して測定されたビッカース硬度を図1に示す。なお、測定時の圧子の押圧荷重は300gである。この図1から、メラミンホルマリン樹脂を塗布することによって、鋼材、ひいては金属材の硬度を表面から内部にわたって向上させることができることは明らかである。
一方、RXガスから遊離したCも、金属材の表面に吸着される。Cは、Nに比して拡散速度が小さく、このため、Nが上記したように金属材の比較的内部にまで拡散するのに対し、金属材の表面近傍で炭化物を形成する。同時に、Cは、窒化物の核として作用し、その結果、金属材の表面に炭窒化物からなる化合物層が形成される。
なお、金属材がFe合金である場合、第1実施形態において、電子線プローブマイクロアナライザ(EPMA)で熱処理後のFe合金の観察を行うと、緻密なマルテンサイトが生成していることが認められる。
また、30Ni15Cr材からなるエンジンバルブの表面に窒化処理を施すには、プラズマ窒化処理以外の手法では困難である。例えば、ガス軟窒化処理を施すと、図2に示すように、化合物層は点在して形成されるのみであり、その厚みは最大でも3.75μm程度である。しかしながら、メラミンホルマリン樹脂を使用した第1実施形態によれば、アンモニアガスとRXガスの混合ガスを流通させながら、600℃で2.5時間にわたって熱処理するという容易且つ簡便な方法によって、図3に示すように、化合物層をエンジンバルブの表面全体にわたって設けることができる。しかも、その厚みは、約37.5μmと未塗布の場合の約10倍にも及ぶ。さらに、窒化処理が困難な金属材、例えば、75Ni15Cr材であっても、同一条件の熱処理で厚み約5μmの化合物層を得ることができる。
このように、第1実施形態によれば、アミノ系樹脂を直接、又は溶媒を介して金属材の表面に塗布した後、該金属材に対して所定の条件下でアンモニアガスの存在下に熱処理を施すという容易且つ簡便な作業により、化合物層の厚みが大きく、このために内部まで硬度が高い金属材を得ることができる。
その上、第1実施形態においては、フッ酸等で酸化物膜を除去する等の予備処理を行う必要がない。このため、安全な環境下で作業を行うことができるという利点がある。
次に、第2実施形態に係る金属材表面処理方法につき、熱処理時に浸炭剤を流通させる浸炭処理を例示して説明する。
第2実施形態では、先ず、前記第1実施形態の第1工程と同一の作業が営まれる。すなわち、金属材の表面にアミノ系樹脂が塗布される。
次に、第1実施形態の第2工程でアンモニアガスを流通させることに代替し、浸炭性ガスが流通される。浸炭性ガスとしては、ガス浸炭で一般的に使用されるガス、例えば、プロパンガス、ブタンガス、RXガス、又はいわゆるエンリッチガスを使用すればよい。
浸炭処理を行う場合、熱処理条件は、例えば、920〜950℃で1.5時間保持するように設定することができる。その後、850℃で1時間保持して焼入れ処理を行うようにすればよい。
浸炭は、金属材中を炭素が拡散することによって進行する。特に、金属材がFe合金である場合、浸炭が迅速に進行する。
このようにして浸炭処理が施された金属材では、アミノ系樹脂が塗布されることなく浸炭処理された金属材に比して炭素の拡散距離、換言すれば、有効硬化層の厚みが大きくなる。具体的には、アミノ系樹脂が塗布されることなく浸炭処理された金属材における有効硬化層の厚みが0.5mm程度であるのに対し、メラミンホルマリン樹脂を使用した第2実施形態によって得られた金属材における有効硬化層の厚みは、1.6mm程度と著しく大きくなる。
アミノ系樹脂が塗布されることなく浸炭処理が施された鋼材と、メラミンホルマリン樹脂が塗布された後に浸炭処理が施された鋼材とにおいて、表面から内部に指向して測定されたビッカース硬度を図4に示す。圧子の測定時の押圧荷重は、上記と同様に300gとした。この図4から、メラミンホルマリン樹脂を塗布した浸炭処理においても、鋼材の硬度を表面から内部にわたって著しく向上させることができることが諒解される。
なお、浸炭処理された鋼材のEPMA観察により、有効硬化層全域にわたってNが存在すること、すなわち、炭窒化物が生成しているとともに、緻密なマルテンサイトが生成していることが認められた。
上記した第1及び第2の実施形態においては、アミノ系樹脂を金属材の表面に塗布するようにしているが、アミノ系樹脂を塗布することなく、アミノ系樹脂を容器に収容した後、該容器を金属材とともに熱処理炉内に挿入するようにしてもよい。すなわち、本発明においては、熱処理時にアミノ系樹脂が熱処理炉内に存在すればよく、金属材の表面に塗布する必要は特にない。
アミノ系樹脂を熱処理炉内に挿入する場合、アミノ系樹脂の量は、金属材1kg当たり1〜10%程度とすればよい。例えば、金属材が10kgであれば、1〜10%/kgのアミノ系樹脂を容器に収容して熱処理炉内に配置すればよい。
具体的には、金属材が75Ni15Cr材からなるエンジンバルブである場合、該エンジンバルブの質量の5%のメラミンホルマリン樹脂を熱処理炉内に挿入し、540℃で2時間、プラズマ窒化処理を施すことにより、厚み約5μmの化合物層を設けることができる。
また、アミノ系樹脂の存在下に行われる表面処理は、窒化又は浸炭に限定されるものではなく、その他の表面処理を行うこともできる。例えば、アミノ系樹脂を鋼材の表面に塗布した後、該鋼材に対して高周波焼入れ処理を施すようにしてもよい。アミノ系樹脂が塗布されない状態で高周波焼入れが施された鋼材における有効硬化層の厚みが9mm程度であるのに対し、アミノ系樹脂を鋼材の表面に塗布した場合、有効硬化層の厚みは11mm程度と、塗布しない場合に比して大きくなる。
このように、本実施形態によれば、様々な種類の金属材の表面に対し、容易且つ簡便に表面改質処理を施すことができる。しかも、第1実施形態及び第2実施形態のいずれにおいても、アミノ系樹脂の存在下に熱処理を施せばよく、使用するガスの種類やその比率、反応温度、反応時間等を厳密に制御する必要は特にない。
また、各種のアミノ系樹脂には、製品安全データシートから諒解される通り毒性がない。従って、第1実施形態及び第2実施形態のいずれも、安全な環境下で表面処理作業を実施することができるという利点がある。
なお、上記したように、本発明は、熱処理を伴う種々の表面処理方法に適用可能であり、窒化処理や浸炭処理に限定されるものではない。例えば、浸硫処理を行うようにしてもよい。
クランクシャフト及びエンジンバルブを図5に示す金属材から作製し、メラミン樹脂を熱処理炉内に配置した状態で、該クランクシャフト及びエンジンバルブに対し、600℃、2時間の条件下でガス軟窒化処理を施した。また、比較のため、メラミン樹脂を熱処理炉内に配置しなかったことを除いては同一条件下でガス軟窒化処理を行った。メラミン樹脂の存在下でガス軟窒化処理を施したクランクシャフト及びエンジンバルブにおける化合物層又は窒化物層の厚さ、表面硬度、クランクシャフトにおいては拡散層深さを、メラミン樹脂が存在しない条件下でガス軟窒化処理を施したクランクシャフト及びエンジンバルブの倍数として図5に併せて示す。この図5から、メラミン樹脂の存在下で窒化処理を行うことにより化合物又は窒化物の厚さや表面硬度を大きくすることができることが明らかである。
第1実施形態に係る表面処理方法によって窒化処理された鋼材と、通常の窒化処理が施された鋼材において、表面からの距離とビッカース硬度との関係を示すグラフである。 アミノ系樹脂が未塗布の状態でガス軟窒化処理が施された30Ni15Cr材の表層部における化合物層を示す断面の光学顕微鏡写真(倍率400倍)である。 本実施形態に係る表面処理方法(ガス軟窒化処理)によって30Ni15Cr材に形成された化合物層を示す断面の光学顕微鏡写真(倍率400倍)である。 第2実施形態に係る表面処理方法によって浸炭処理された鋼材と、通常の浸炭処理が施された鋼材において、表面からの距離とビッカース硬度との関係を示すグラフである。 クランクシャフト及びエンジンバルブの材質、メラミン樹脂の存在下でガス軟窒化処理を施した後の化合物層又は窒化物層の厚さ、表面硬度、拡散層深さを、メラミン樹脂が存在しない条件下でガス軟窒化処理を施した場合と対比して示す図表である。

Claims (5)

  1. 金属材の表面に硬化層ないし化合物層を形成することにより前記金属材の表面を改質する金属材表面処理方法であって、
    アミノ系樹脂の存在下に、金属材に対して熱処理を施す工程を有することを特徴とする金属材表面処理方法。
  2. 請求項1記載の処理方法において、アミノ系樹脂を前記金属材の表面に塗布して熱処理を施すことを特徴とする金属材表面処理方法。
  3. 請求項2記載の処理方法において、アミノ系樹脂を、溶媒を介して前記金属材の表面に塗布することを特徴とする金属材表面処理方法。
  4. 請求項1記載の処理方法において、アミノ系樹脂を、前記金属材とともに熱処理炉内に収容して熱処理を施すことを特徴とする金属材表面処理方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理方法において、前記アミノ系樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂、アニリン樹脂又はホルマリン樹脂を使用することを特徴とする金属材表面処理方法。

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