JPH02122062A - 真空浸炭方法 - Google Patents

真空浸炭方法

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JPH02122062A
JPH02122062A JP27476388A JP27476388A JPH02122062A JP H02122062 A JPH02122062 A JP H02122062A JP 27476388 A JP27476388 A JP 27476388A JP 27476388 A JP27476388 A JP 27476388A JP H02122062 A JPH02122062 A JP H02122062A
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(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、減圧下で鋼材からなる被処理物を浸炭する
真空浸炭方法に関する。
〈従来の技術〉 従来、ガス浸炭に比べて浸炭サイクルが短い・爆発の虞
れがない等の理由で、鋼材からなる被処理物を浸炭処理
する場合、減圧下で浸炭処理する真空浸炭方法が多く用
いられている(特公昭5129703号公報・特公昭5
4−31976号公報参照)。
そして、従来の真空浸炭方法では、被処理物を浸炭処理
する場合、実際の操業では、熱処理炉内の圧力を 15
0〜500TOrr、温度を 930〜1040度とす
るとともに、その炉内に炭化水素ガス(メタンやプロパ
ン等、さらに、必要により不活性ガスの窒素ガス等を混
入させたもの)を20〜100β/min供給するとと
もに20〜120秒滞溜させ、炉内で炭化水素ガスが熱
分解する際に生ずる原子状炭素を利用して行なっていた
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、浸炭時、炉内に供給する炭化水素ガスとして、
メタンに比べて単価の安いプロパンを使用する場合には
、従来の真空浸炭方法では、次のような問題が生じてし
まう。
プロパン(Czlg)の炉内での熱分解は、まず、C,
IIa−2ECI (原子状炭素) + cl(4+ 
2112(分解速度171000秒 (約1000度に
おいて))と分解し、その後、メタン(CI14)の熱
分解が、C04(メタン) −[C](原子状炭素)+2112 (分解速度60秒 (約1000度において))と分解
する。
そして、原子状炭素の寿命は、 l/10000〜l/
10秒程度と極めて短く、かつ、炭化水素ガスの炉内で
の滞溜時間を考慮すると、その原子状炭素が浸炭に寄与
するのは、メタンが熱分解する際の原子状炭素となる。
その結果、プロパンが炉内に注入された当初の、メタン
に熱分解する際に生ずる個分の原子状炭素は、ススとな
ってしまう。
そのため、ススによる炉のトラブルが発生し易い。また
、炉内に注入されるプロパンの大部分か浸炭に寄与する
ことなくススになることから、無駄にプロパンを使用す
ることになるとともに、ススとなるプロパンを加熱する
エネルギーも無駄となってしまう。
さらにまた、メタンが熱分解する際の原子状炭素を浸炭
に利用することから、未分解のメタンを常時被処理物に
接触させる必要があり、円滑に未分解のメタンが被処理
物に接触していないと、浸炭ムラが生じてしまう。
この発明は、上述の課題を解決するものであり、炉内で
のススの発生を抑えることができるとともに、使用する
ガス量を少なくでき、さらに、浸炭ムラを生ずることな
く高品質に処理できる真空浸炭方法を提供することを目
的とする。
く課題を解決するための手段〉 この発明に係る真空浸炭方法は、下記工程を経て被処理
物を浸炭する構成よりなる。
■第一工程 被処理物を熱処理炉に導入し、減圧しつつ加熱する真空
加熱工程。
■第二工程 前記被処理物を前記炉内で加熱しつつ前記炉内にキャリ
アガス材料を注入するキャリアガス材判注人工程。
■第三工程 前記被処理物を均熱加熱し、その間に併せて前記炉内に
注入されたキャリアガス材料が分解したキャリアガスと
前記被処理物とのブードア反応と水性ガス反応の平衡状
、法を作る均熱加熱工程。
■第四工程 前記炉内にエンリッチガスを導入し、前記被処理物を浸
炭処理する浸炭工程。
■第五工程 前記炉内を減圧し、前記被処理物を真空加熱する拡散工
程。
■第六工程 前記被処理物を降温均熱加熱する降温均熱加熱工程。
■第七工程 前記被処理物を焼入処理する焼入工程。
〈実施例〉 以下、この発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
実施例で使用する真空浸炭炉1は、7g1図に示すよう
に、加熱室2と冷却室3との2室を備え、加熱室2と冷
却室3どが、真空容器4で覆われるとともに、真空弁9
・11を備えた管路10・l2を介して真空ポンプ■と
、電磁弁13・15を備えた管路14・16を介して窒
素ガス等の不活性ガスffAGとにそれぞれ接続されて
いる。
加熱室2は、高温環境の真空中および大気中において化
学的・強度的に安定している発熱体2aと断熱材2bと
から構成されている。5は装入扉、5aは内部装入扉、
6は中間真空扉、6aは内部中間扉である。
冷却室3は、内部に冷却手段としての油槽3aを備えて
いる。8は被処理物Mを油槽3aに人れる昇降台である
そして、この真空浸炭炉1では、加熱室2に2つのノズ
ル27・29が配設されている。
ノズル27は、電磁弁17を備えた管路18を経てエン
リッチガス源Cに接続されており、ノズル29は、電磁
弁19を備えた管路20を経てキャリアガス材料源Kに
接続されている。
エンリッチガスとしては、メタン(CH4) 、プロパ
ン(C3+la)、ブタン(C4Ht o) 、イソプ
ロピルアルコール((C1h) 、Cll0)I)等を
使用することができるキャリアガス材料としては、加熱
室2内でXCO+Yl+2 と熱分解若しくは分解反応してキャリアガスを生しさせ
ればよく、メタノール(CI+3011) 、水とプロ
パン(C31111)、水とベンゼン(caua)等が
使用できるメタノールの熱分解は、 に I+ 3011 −CO+2112       
      ・・・(1)となり、 水とプロパンの分解反応は、 :lI+20+C*1la= 3CO+ 7112  
     ・・’ (2)となり 水とベンゼンの分解反応は、 6 It 20 +Ca It 6→6GO+91+2
       ・・・(3)となる。
そして、エンリッチガスとしてプロパンを使用するよう
な場合には、ノズル27から加熱室2内にプロパンがン
主人されることから、ノズル29からは水だけを注入す
ればよく、そのため、その場合には、キャリアガス材粕
妹Kには、水を貯溜しておけばよい。
つぎに、この真空浸炭炉1を使用して、鋼材である2N
2処理物Mを浸炭処理する方法について説明する(第2
図参照)。なお、実施例の場合、加熱室2の容積は 3
m”であり、500Kgの被処理物Mを浸炭処理するも
のである。
第一工程 まず、装入扉5・5aを開放し、被処理物Mを加熱室2
に装入し、直ちに装入扉5・5aを閉鎖する。そして、
真空ポンプVを作動させるとともにTL電磁弁を開き、
加熱室2内を0.5Torr程度に減圧しながら、被処
理物Mを発熱体2aにより真空加熱する。なお、この時
、同時に電磁弁11を開いて、冷却室3も減圧しておく
。また、実施例では、この第一工程の処理時間は約1時
間である第二工程 加熱室2内が約1150度に到達したなら、電磁弁9を
閉じて加熱室2内の減圧排気を停止させ、そして、電磁
弁19を開いて、管路20・ノズル29を経てキャリア
ガス材料源Kからのキャリアガス材料を加熱室2内に注
入する。そして、加熱室2内が150〜200Torr
(0,2〜0.25atm)となったならば、電Gi弁
19を閉じて、加熱室2内へのキャリアガス材料の注入
を停止する。
この時、キャリアガス材料としてメタノールを使用する
場合には、キャリアガス材料源Kにメタノールを貯溜さ
せておくことから、電磁弁19の操作だけでよい。しか
し、キャリアガス材料として水とプロパン等を使用する
ような場合には、キャリアガス材料UKに水を貯溜させ
ておくことから、エンリッチガス源Cのプロパン等と水
とを加熱室2内に注入させるよう、′:4.In弁17
・19を共に操作することとなる。なお、実施例では、
キャリアガス材料としてメタノール(液体)を使用する
場合、加熱室2内に25cc/minの流量で約10分
間注入する。また、キャリアガス材料として水とプロパ
ンを使用する場合には、水を24cc/+nin、プロ
パン(気体)を10ρ/minの流量として約lO分間
を主人する。
第三工程 被処理物Mを設定温度で均熱加熱する(実施例では 9
50度)。
この時、キャリアガス材料がメタノールの場合には、均
熱加熱する充分な時間(実施例では約1時間〜1時間3
0分)の間に、加熱室2内の温度によって、既述の (
1)式のように完全にキャリアガスに熱分解する。
また、キャリアガス材料として水とプロパンを使用する
場合には、既述の (2)式のようにキャリアガスに分
解反応する。この時、加熱室2内が高温であり、また、
加熱室2内が真空容器4で密封された減圧下であって、
3 (H2O)  + 1 (C*1Ia)−3(CO
) + 7 (I+21の容積の変化が容易に行なえ、
さらに、均熱加熱に要する充分な時間があることから、
完全に分解反応することになる。またさらに、プロパン
から熱分解した原子状炭素([Cl) とメタン(CI
+4)とが存在すれば、水は、約850度以上において
、 [Cl   +   1120  −   Co   
+   11.               ・・・
 (4)CIL  +  820 −  GO+ 31
12         ・・・ (5)となって、完全
に分解することとなる。
そして、被処理物Mが均熱加熱される時間(実施例では
約1時間〜1時間30分)内において、加熱室2内では
、下記のようなキャリアガスと被処理物Mとのブードア
反応と水性ガス反応の完全な平衡状態を作ることかでき
る。
F、 + 2CO→ [F、−Cl + CO,・・・
(6)F、   +   Co   ÷  1(2−令
   [F、−cl   +  lhO・・・ (7)
ちなみに、この時、試験例では、 850度で150T
orr (0,2atm)に封し込んだ水とプロパンか
らなるキャリアガス材料が、約30分後に、300To
rr (0,4atm) となって平衡状、聾になった
なお、第二工程において、キャリアガス材料として水と
プロパンを使用する場合、加熱室2内に水を注入した当
初には、既述の (7)式の脱炭方向の一方向の反応を
促進するが、密封された加熱室2内の高温・減圧下で、
少量の水(240cc)が封入されるものであり、均熱
加熱工程が終了するまでの長い時間の間には、その水は
、完全に分解してその後、キャリアガスと被処理物Mと
のブードア反応と水性ガス反応の完全な平衡状態を作る
ことに寄与で参る。
第四工程 そして、均熱加熱工程を経て、キャリアガスと被処理物
Mとの平衡状態が作られたなら、電磁弁17を開いて、
管路18・ノズル27を経てエンリッチガス源Cからの
エンリッチガスを加熱室2内に注入し、被処理物Mを浸
炭処理する。
エンリッチガスとしてプロパンを使用した場合には、実
施例では、加熱室2内にプロパンを2〜4立/旧nの流
量で約90分間供給する。すると、加熱室2内では、つ
ぎのような反応を示す。
C311、→ 2C+ C114+  211゜   
 ・・・(8)C令CO,→2CO・・・(9) C◆11,0→ CO+ I+、        ・・
・(lO)CI+4+Co2→2CO+2112・・・
(11)C112+ 11.0−  CO÷311. 
      ・・・(12)そして、既述の (6)・
(7)式の平衡状態が崩れ、被処理物Mが浸炭されるこ
ととなる(脱炭方向の一方向か崩れ、浸炭方向の一方向
となる)。なお、上述の (8)〜(12)式の反応は
、容積の変化を伴なうことから、減圧下において良好に
反応することとなる。なお、このエンリッチガスのV↑
大人時例えば、加熱室2内の設定圧を 400Torr
 (0,5atI11)とした場合、その設定圧を越え
たなら、約+5Torr(002atm)ずつ真空弁9
を減圧排気するようにして、浸炭処理を行なう。
そして、この浸炭時では、第三工程におけるブードア反
応と水性ガス反応の平衡状態を崩して浸炭に寄与するだ
けの量のエンリッチガスを加熱室2内に/1人させれば
よいため、エンリッチガスの使用量が少なく、かつ、そ
のエンリッチガスを昇イ昌させるエネルギーも少なくて
済み、さらに、ン主人されたエンリッチガスも加熱室2
内で完全に分解することから、エンリッチガスとしてプ
ロパンを使用しても、ススの発生を抑えることができる
。なお、同容積の加熱室2を使用し、従来の真空浸炭方
法でプロパンにより 500Kgの被処理物Mを浸炭処
理する場合には、プロパンを30〜80Il/minの
流ユで約90分間注入しており、実施例では、エンリッ
ヂガスの使用量を数十分の−とすることかできる そしてまた、この浸炭処理は、従来の真空浸炭方法のよ
うな炭化水素ガスが熱分解する際に生ずる寿命の短い原
子状炭素を利用するのではなく、ブードア反応と水性ガ
ス反応を利用して行なうものであることから、従来の真
空浸炭方法のようにガスを被処理物M表面に厳格に導か
なくともよく、その結果、浸炭ムラの発生を防止して浸
炭処理することができる。
第五工程 被処理物Mを浸炭処理したならば、電磁弁17を閉じ、
再び加熱室2内を0.5Torr程度に減圧しながら、
被処理物Mを真空加熱して拡散処理するなお、この時、
第二〜四工程で発生した微量のCo、、+120によっ
て、被処理物Mの表面に酸化物が発生していても、その
酸化物は真空加熱により解離して気散することとなって
、被処理物Mに異常層が生ずることはない。なお、実施
例では、この第五工程の処理時間は約1時間である。
第六工程 被処理物Mを拡散処理したならば、焼入れに最適な約8
50度の焼入温度まで被処理物Mを降温均熱加熱する。
この時、N 61弁13を開き、不活性ガス源Gからの
窒素ガス等を、加熱室2内が230〜600Torr(
0,:1〜0.8atm)程度となるまで、管路14を
経て加熱室2内に注入し、降温速度を増加させて被処理
物Mの処理時間を短縮させてもよい第七工程 被処理物Mを所定の焼入温度まで降温させたなら、中間
真空J7i16・6aを開き、被処理物Mを冷却室3の
昇降台8に8送し、直ちに中間真空m6・6aを閉じる
。そして、電磁弁15を開いて不活性ガス源Gからの窒
素ガス等を冷却室3内に供給し、昇降台8を降下させて
焼入処理する。なお、中間f36・6aを閉じたなら、
高温の加熱室2内へ空気を導入して加熱室2内を大気圧
状態としさらに、装入扉5・5aを開いて後続の二番目
の被処理物Mを加熱室2内へ装入し、直ちに装入扉5・
5aを閉じる。
そして、昇降台8を上昇させ、搬出ffl7を開いて被
処理物Mを炉1外へ搬出し、直ちに搬出5!7を閉じ、
冷却室3内を真空排気する。その間に、後続の被処理物
Mを既述のように真空加熱・浸炭・拡散処理し、以下順
次繰り返して操業する。
したがって、実施例の真空浸炭方法では、第四工程の浸
炭時、第三工程におけるブードア反応と水性ガス反応の
平衡状態を崩して浸炭に寄与するだけの量のエンリッチ
ガスを加熱室2内に注入させればよいため、エンリッチ
ガスの使用量が少なく、かつ、そのエンリッチガスを昇
温させるエネルギーも少なくて済み、さらに、注入され
たエンリッチガスも加熱室2内で完全に分解することか
ら、エンリッチガスにメタンだけでなくプロパンを使用
しても、ススの発生を抑えることができるそしてまた、
この浸炭処理は、従来の真空浸炭方法のような炭化水素
ガスが熱分解する際に生ずる寿命の短い原子状炭素を利
用するのではなく、ブードア反応と水性ガス反応を利用
して行なうものであることから、従来の真空浸炭方法の
ように、ガスを被処理物M表面に厳格に導かなくともよ
く、その結果、浸炭ムラの発生を防止して浸炭処理する
ことができる。
また、実施例において、エンリッチガスとしてプロパン
を使用する場合には、キャリアガス材料源Kに水を貯溜
させ、加熱室2内にその水とエンリッチガスlcからの
プロパンとを注入すれば、既述の (2)・(4)・(
5)式のように水とプロパンとが分解反応して、所定の
キャリアガスを形成することができる。この場合には、
例えば、キャリアガス材料としてメタノールを使用する
場合に比べて、人に対して無害であるとともに、火災の
虞れがなく安全で、貯溜するタンク等の防爆機構や消防
法の規定による 1001以上の貯溜が禁止される等の
規制がなく、さらに、コストも経済的となる。
さらにまた、CO/CO+l+2の混合比において、メ
タノ−ルの33%(既述の (1)式参照)に対して、
水とベンゼンを使用するような場合には、40%(既述
の (3)式参照)となって、浸炭処理の効率を良くす
ることができる。
なお、従来のガス浸炭方法においては、空気とメタン・
プロパン・ブタン等の炭化水素ガス等を変成炉で変成さ
れたX CO+ Y H2+ Z N、のキャリアガス
、あるいはメタノールと窒素ガス混合のキャリアガスを
使用するが、ガス浸炭方法では加熱室内の圧力を大気圧
以上にしてその雰囲気を維持するために多量のキャリア
ガスを加熱室内に注入し続けることから、キャリアガス
に少量の水が含まれていると、分解反応する時間がなく
て平衡状態を作ることができず、その結果、未分解の水
が加熱室内に注入されると、常時脱炭方向の反応を促進
することとなる。そのため、従来のガス浸炭方法では、
極力、キャリアガスに水が含まれることを排除している
。これに対し、実施例の真空浸炭方法では、キャリアガ
ス材料として水とプロパン等を使用しても、その水は、
加熱室2内に注入された当初、既述の (7)式の脱炭
方向の一方向の反応を促進するか、密封された加熱室2
内の高温・減圧下で適量の水が封入されるだけであり、
均熱加熱工程が終了するまでの長い時間の間に、既述の
 (2)・(4)・(5)式のように完全に分解され、
被処理物Mを脱炭させることはない。
さらに、従来のガス浸炭方法において、同容積の加熱室
2を使用するとともにキャリアガス材料とエンリッチガ
スとにプロパンを使用し、 500にgの?lii ′
A埋物Mを浸炭処理する場合には、総量で約38.3m
’のプロパンを便用することとなっていた。
しかし、実施例において、キャリアガス材料とエンリッ
チガスとにプロパンを使用する場合には、第二工程にお
いて、loi /minの流量として約10分間、第四
工程において、2〜4Il/ff1inの流量で約90
分間、加熱室2内にプロパンを注入することになり、総
i  100+180〜36[1−280〜460 k
、即ち、028〜0.46m’のプロパンの使用量で済
み、従来のガス浸炭方法に比べ、省資源・省エネルギー
で浸炭処理を行なうことができる。
また、実施例の真空浸炭方法において、浸炭窒化処理す
る場合には、次のように行なう。
キャリアガス材料にメタノールを使用するような場合に
は、メタノールに尿素((NO3) 2L:O)を20
%溶解させ、その溶液を1Occ/min、エンリッチ
ガスを3Il/min (プロパンの場合)、第四工程
の浸炭処理時に加熱室2内へ同時に注入すればよい。
キャリアガス材料に水を使用するような場合には、同じ
く水に尿素((NO3) 2CO)を50%溶解させそ
の熔ン夜を 5cc/mi口、エンリ・ンチガスを 5
27II110(プロパンの場合)、第四工程の浸炭処
理時に加熱室2内へ同時に注入すればよい。
上述のように行なうと、エンリッチガスによる浸炭と同
時に、尿素が加熱室2内で熱分解し、その熱分解によっ
て生じた原子状窒素が被処理物Mに吸着・侵透して浸炭
窒化処理が行なわれることとなる。
〈発明の作用・効果〉 この発明に係る真空浸炭方法は、以上のように、第四工
程の浸炭時、第三工程におけるブードア反応と水性ガス
反応の平衡状5咀を崩して1受炭に寄与するだけの量の
エンリッチガスを加熱室内に注入させればよいため、エ
ンリッチガスの使用量が少なく、かつ、そのエンリッチ
ガスを昇温させるエネルギーも少なくて済み、さらに、
注入されたエンリッチガスも加熱室内で完全に分解する
ことから、ススの発生を押えることができる。
そしてまた、この浸炭処理は、従来の真空浸炭方法のよ
うな炭化水素ガスが熱分解する際に生ずる寿命の短い原
子状炭素を利用するのではなく、ブードア反応と水性ガ
ス反応を利用して行なうものであることから、従来の真
空浸炭方法のように、ガスを被処理物M表面に厳格に導
かなくともよく、その結果、浸炭ムラの発生を防止して
浸炭処理することかできる。
4、図面のf’ji *な説明 第1図はこの発明で使用する真空浸炭炉の断面図、 第2図は同実施例の運転サイクルを示す図である。
1・・・(熱処理炉)真空浸炭炉、 2・・・加熱室、 3・・・冷却室、 ■・・・真空ポンプ、 G・・・不活性ガス源、 C・・・エンリッチガス源、 K・・・キャリアガス材料源、 M ・・・ ン皮 処 理 物 。
特  許  出  願  人 第 図 q M・・・仮処理吻

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 下記工程を経て被処理物を浸炭する構成よりなる真空浸
    炭方法。 (1)第一工程 被処理物を熱処理炉に導入し、減圧しつつ加熱する真空
    加熱工程。 (2)第二工程 前記被処理物を前記炉内で加熱しつつ前記炉内にキャリ
    アガス材料を注入するキャリアガス材料注入工程。 (3)第三工程 前記被処理物を均熱加熱し、その間に併せて前記炉内に
    注入されたキャリアガス材料が分解したキャリアガスと
    前記被処理物とのブードア反応と水性ガス反応の平衡状
    態を作る均熱加熱工程。 (4)第四工程 前記炉内にエンリツチガスを導入し、前記被処理物を浸
    炭処理する浸炭工程。 (5)第五工程 前記炉内を減圧し、前記被処理物を真空加熱する拡散工
    程。 (6)第六工程 前記被処理物を降温均熱加熱する降温均熱加熱工程。 (7)第七工程 前記被処理物を焼入処理する焼入工程。
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