JP5233258B2 - 炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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本発明は、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置に関し、中でも、脱炭反応を含む処理によって炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置に関し、特に、浸炭処理等によって表面炭素濃度が不均一となっている鋼材を炭素濃度制御する鋼材の製造方法及び製造造置に関する。
鋼の真空浸炭処理に関して、特許文献1には、「減圧下、ブタンガスを含んだ雰囲気ガス中において、雰囲気ガス中の酸素の量と雰囲気ガスの熱伝導度を測定しながら浸炭を行う真空浸炭装置」が提案されている。
同じく、特許文献2には、「被浸炭処理材である鋼材を浸炭ガスが減圧下で供給される浸炭処理雰囲気内で加熱すると共に、浸炭ガスとして都市ガス若しくは天然ガスを使用し、これを減圧下且つ850〜1150℃の温度下で導入工程、拡散保持工程及び排気工程を1サイクルとしこれを複数サイクル繰り返すパルス式手段により導入することによって浸炭処理を行う」真空浸炭方法が提案されている。
同じく、特許文献3には、「隣接する浸炭拡散室間で圧力を同一に保持しながら、しかも、不等間隔パルス法を実行できる」真空浸炭方法が提案されている。
また、特許文献4には、「減圧雰囲気及び浸炭可能温度以上の高温に保持した炉内に浸炭性ガスを導入して炉内のワークに対して拡散処理を実行する。その後、炉内を排気して減圧雰囲気において加熱することにより炉内のワークに対して拡散処理を実行する。拡散処理のうちの少なくとも初期において、脱炭性ガスを炉内に導入して炉内のワークの表面層に脱炭処理を行い、ワークの表面層のセメンタイトを減少または除去する」サイクルを「複数回連続的に繰り返す」真空浸炭方法が提案されている。さらに、特許文献4には、前記脱炭性ガスとして、「酸素、空気(酸素を含む)、水蒸気、COガスを採用できる」と記載されている。
特開2004−59959号公報 特開2004−332074号公報 特開2002−115042号公報 特開2004−115893号公報
特許文献1又は2の発明のように、浸炭処理によって、角部を要する鋼製品、例えば、ギヤの表面炭素濃度の調整を図ると、突出している角部の表面炭素濃度は平坦部の表面炭素濃度よりも高くなり、角部と平坦部との間の炭素濃度を均一にすることは困難である。なお、特許文献2の発明のように、パルス式浸炭処理を行っても、角部と平坦部との間の炭素濃度を小さくすることはできるが、均一にすることは困難である。
特許文献3の不等間隔パルス法によれば、浸炭の進行に合わせて浸炭及び拡散工程時間を調整可能であるが、角部と平坦部間の炭素濃度差を均一にすることは困難である。
また、特許文献4の発明によれば、脱炭性ガスとして酸素を含むガスを用いるため、ワークが粒界酸化されるおそれがある。また、ワークが酸化されないよう脱炭処理を行うには、脱炭条件が限定されたり、工数が増加したりする問題がある。さらに炭素濃度調整法が、流量管理であるため、炭素濃度を所定の値にするのは困難である。
本発明の目的は、鋼表面の炭素濃度の均一化及びその目標範囲への制御を容易にする、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明の別の目的は、広範囲な条件下で、鋼表面の炭素濃度の均一化を容易にする、
炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明の別の目的は、鋼の粒界酸化が防止される、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明の別の目的は、煤の発生が抑制される、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置を提供することである。
本発明の別の目的は、鋼表面の炭素濃度制御に要する時間を短縮可能な、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法及び製造装置を提供することである。
[浸炭及び脱炭反応からなる平衡反応を利用したCp制御]
本発明者らの知見によると、従来、角部と平坦部を有する鋼製のワークを真空浸炭すると、角部と平坦部間の表面炭素濃度を均一にすることはできない。それは、表面炭素濃度の均一性がワーク形状に依存してしまうためである。つまり、従来の真空浸炭法は、ワーク形状に依存しており、又、炭化水素ガスと鋼間の炭素置換反応を利用した、“カーボンポテンシャル”(以下「Cp」という)の制御を行うことはできない(Cp制御不能)。
また、本発明者らの知見によると、従来の酸化性ガスを用いた脱炭プロセスによれば、鋼の粒界酸化を回避することが困難である。
そこで、本発明者らは、Cp制御により、鋼の粒界酸化を回避しながら、鋼の表面炭素濃度を均一にする方法を探求した。
まず、炭化水素ガス(C)を用いたCp制御反応は、以下の脱/吸水素反応に基づいている。
(g)⇔C(inFe)+H(g) ・・・反応1.
本発明者らは、反応1.のCとして、まず、メタン(CH)ガス(n=1,m=4)等に着目すると共に、下記の反応1a.の平衡反応を利用して、浸炭及び脱炭反応を含む平衡反応を利用して鋼表面炭素濃度を目標範囲内に制御できることを見出した。
CH(g)⇔C(inFe)+2H(g) ・・・反応1a.
ここで、脱炭ガス成分として、メタン(CH)ガスが好適な理由を説明する。従来、高速の浸炭反応、すなわち、反応1.の正反応を起こす炭化水素ガスとして、不飽和炭化水素ガス、特に、アセチレン(C)ガスが利用されている。しかし、このアセチレンは、反応1.の逆反応、すなわち、脱炭反応を起こしにくい性質を有している。これは、アセチレンが、鋼との反応性が高く、又850℃以上でその熱分解が容易に進行するからである。
このようにして、本発明者らは、脱炭反応が進行するためには、熱分解しにくく安定な炭化水素ガス、例えば、メタンなどの鎖状炭化水素ガスが有用であることを見出した。
さらに、本発明者らは、プロセスを行う炉内圧力を加圧又は減圧側に変えることにより、反応1.又は1a.の平衡反応を浸炭又は脱炭側のいずれにも偏倚させることが可能であることを見出した。また、本発明者らは、炉内圧力制御と同様に、窒素又はアルゴンなどの不活性ガスを添加することによる全圧の希釈によっても、下記の反応2.に示す平衡反応を偏倚させて、鋼の表面炭素濃度を制御可能であることも見出した。
(g)+不活性ガス⇔C(inFe)+nH(g)+不活性ガス ・・・反応2.
[煤(スーティング)抑制]
また、本発明者らの知見によると、Cp制御においては、煤の発生が問題となる。例えば、浸炭ガス成分として炭化水素ガスを用いて、この炭化水素ガスを鋼製のワークが載置された加熱空間、例えば、真空浸炭炉に流入させたとき、炭化水素はワーク表面以外で熱分解して炭素と水素になってしまう。そして、炭化水素ガスが、ワーク表面へ侵入及び拡散できる量以上に供給されると、熱分解した炭素が加熱空間内側(例えば、炉壁)に吸着して、煤(スーティング)となる。
ところで、単位時間当たりの浸炭又は脱炭量は、下記の式1に基づいて決まる。
単位時間当たりの浸炭又は脱炭量(mol・cm・s)∝ガスのカーボンポテンシャルと鋼の表面炭素濃度との差 ・・・(式1)
つまり、単位時間当たりの浸炭又は脱炭量は、ガス/鋼界面における炭素濃度差のみによって決まり、又鋼中の炭素拡散濃度は、鋼材の物性値に依存する。ガスを用いた浸炭・拡散プロセスでは、鋼の表面炭素濃度を調整するためには、ガス中の炭素濃度指標(カーボンポテンシャル(Cp))を制御すればよい。また、脱炭プロセスは、非定常状態である。そして、同一相内において、Cpの高低が存在すると、Cp勾配が生じ、炭素の物質移動が起こる。
仮に、浸炭工程と脱炭工程を同一炉で実施したとすると、浸炭工程でワークとの反応量よりも過剰に供給されたアセチレンなどの浸炭ガス成分が熱分解して、炉内壁などに煤が発生する。ガスのCpは、煤が発生しなければ、ガス分圧(組成)及び温度に依存する。しかし、煤が発生すると、ガスと炉内壁の界面において、炭素濃度ないしCpが平衡値に到達してしまう。界面で平衡したCpは高いため、ガスのカーボンポテンシャルと鋼の表面炭素濃度との差は小さくなってしまい、単位時間当たりの浸炭又は脱炭量も小さくなる。従来は、この問題があるために、浸炭と脱炭を同一炉で実施すると、煤の発生によってCp制御が困難となる。
また、煤が発生すると、煤除去のための定期的なメンテナンス作業が必要となり、又減圧装置の寿命を短くする。また、生産管理の面では、加熱空間等の設備の経時変化が品質の管理幅に大きく影響する。よって、安定した鋼表面炭素濃度制御に関する操業を継続するために、煤の発生は重要な問題である。
以上のような知見に基づいて、本発明者らは、鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、第1の視点において、鋼を、減圧雰囲気下で浸炭ガス成分を含む浸炭ガスにより浸炭する浸炭工程と、前記浸炭された前記鋼を、脱炭ガス成分として非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスにより脱炭する脱炭工程と、を含む、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法を提供する。
本発明は、第2の視点において、鋼に、該鋼と平衡反応を生成する非酸化性炭素化合物ガスを含むガスを供給して、前記非酸化性炭素化合物ガスと前記鋼との間で平衡反応を生成すると共に、前記ガスのカーボンポテンシャルを制御することにより、前記鋼表面の炭素濃度を調整する炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法を提供する。
本発明は、第3の視点において、鋼に浸炭及び脱炭を行って鋼表面の炭素濃度を制御する鋼表面の炭素濃度制御装置であって、減圧雰囲気下で浸炭雰囲気に設定される浸炭室と、前記浸炭室とは別に構成され前記脱炭の開始当初から脱炭雰囲気に設定自在な脱炭室と、前記浸炭室に浸炭ガス、前記脱炭室に脱炭ガス成分として非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスを所定流量でそれぞれ供給するガス供給手段と、前記浸炭室又は前記脱炭室を加熱する加熱手段と、を有する、炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造装置を提供する。
本発明によれば、平衡反応を利用したCp制御によって、角部を有する鋼製の部品、例えばギヤの表面炭素濃度の均一化及びその目標範囲への制御が容易となる。
本発明によれば、上記効果を広範囲な条件下で得ることができる。
本発明によれば、鋼の粒界酸化が防止される。
本発明によれば、煤の発生が抑制されると共に、平衡反応を利用したCp制御によって、角部を有する鋼製の部品、例えばギヤの表面炭素濃度の均一化及びその目標範囲への制御が容易となる。
本発明によれば、鋼表面の炭素濃度制御に要する時間を短縮することができる。
本発明の好ましい実施の形態によれば、脱炭ガス成分として脱炭雰囲気で浸炭ガス成分よりも安定な非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスにより脱炭を行う。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記脱炭工程において前記鋼に前記脱炭ガスを供給することにより、前記非酸化性炭素化合物ガスと前記鋼との間で平衡反応を生成すると共に、該平衡反応において該非酸化性炭素化合物ガスが生成する方向の脱炭反応を促進して、前記鋼表面の炭素濃度を調整する。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭工程と前記脱炭工程を互いに異なる室内で行う。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭工程及び前記脱炭工程を各一回ずつ行って一サイクルで鋼表面の炭素濃度を調整する。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭ガス成分は、アセチレン、プロパン、エチレン及びブタンから選択される一又は複数のガス成分を含み、前記脱炭ガス成分は、メタン、アセチレン、ハロゲン化炭素及び炭化水素ラジカルから選択される一又は複数のガス成分を含む。
前記脱炭ガス成分が、メタン、ハロゲン化炭素及び炭化水素ラジカルである場合の平衡反応式は、下記のようになる。但し、CXはハロゲン化炭素及び炭化水素ラジカルであり、Xはハロゲン又は水素である。
CX(g)⇔C(inFe)+X(g)
上記平衡反応に不活性ガスを添加してもよい。
CX(g)+不活性ガス⇔C(inFe)+X(g)+不活性ガス
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭ガス成分はアセチレンであり、前記脱炭ガス成分はメタンである。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記脱炭ガスは、不活性ガス及び/又は水素ガスを含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記脱炭を行う雰囲気への前記浸炭ガスの供給量を調整することにより、前記鋼表面の炭素濃度を調整する。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭工程と前記脱炭工程の間に、前記浸炭により発生した煤を酸化性ガス及び/又は水素ガスにより除去する煤取工程を含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記鋼は突部と平坦部を有し、前記浸炭工程により、前記突部の表面炭素濃度は前記平坦部のそれよりも高くなり、前記脱炭工程により、前記突部の表面炭素濃度は目標範囲内に調整される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭室及び前記脱炭室をそれぞれ囲む壁は、前記浸炭ガス成分及び前記脱炭ガス成分とそれぞれ反応性が低い材料で形成される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、前記浸炭室と前記脱炭室はバッチ式又は連続式に構成される。
本発明の好ましい実施の形態は、鋼に、脱炭ガス成分として、該鋼と平衡反応を生成する非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスを供給し、前記非酸化性炭素化合物ガスと前記鋼との間で平衡反応を生成し、前記鋼表面の炭素濃度を調整する炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、下記の反応1.の平衡反応を利用して、浸炭及び/又は脱炭雰囲気のCpを制御して、鋼表面炭素濃度を調整する。
(g)⇔C(inFe)+H(g) ・・・反応1.
但し、n,mは1以上の自然数である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、不活性ガスを添加し、下記の反応2.の平衡反応を利用して、浸炭及び/又は脱炭雰囲気のCpを制御して、鋼表面炭素濃度を調整する。
(g)+不活性ガス⇔C(inFe)+nH(g)+不活性ガス ・・・反応2.
本発明の好ましい実施の形態によれば、浸炭及び/又は脱炭雰囲気の逐次的Cp変化に対応して、炭化水素ガス−水素ガス間の分圧制御を行うため、浸炭室又は脱炭室に所定のガスを供給するガス流量制御装置、減圧ポンプ、炉内攪拌ファンの運転をフィードバック制御する。このフィードバック制御により、反応2.の正逆反応の釣り合いが保持され、角部と平坦部を有する鋼製のワークも均一な表面炭素濃度に調整される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、高温で非常に高いCp下で浸炭プロセスを実行した後で、本発明による脱炭プロセスによる鋼表面炭素濃度調整が実行される。
本発明の好ましい実施の形態によれば、浸炭又は脱炭雰囲気に不活性ガスを添加することにより、雰囲気に投入する浸炭又は脱炭ガス成分のガス量を少なくすることが可能となる。また、水素−炭化水素ガス組成が同じ場合であっても、不活性ガスを添加することにより、特に、高Cp雰囲気を得ることができる。これは、浸炭プロセスにおいて有利である。よって、反応2.によれば、反応1.よりも、浸炭速度の向上が可能である。
本発明の好ましい実施の形態によれば、反応2.において、炭化水素ガスとして安定なメタンを用いる。この場合、反応2.は、下記の反応2a.のように表される。この反応2a.は、例えば、700〜1500℃で実現でき、又広範囲な炉内圧力で実現できる。
CH(g)+不活性ガス=C(inFe)+2H(g)+不活性ガス ・・・反応2a.
メタンを用いた場合、アセチレンなどの反応性の高い炭化水素ガスを用いた場合に比べて、反応2.における脱炭反応率が最も高くなる。
本発明の好ましい実施の形態によれば、脱炭工程をCp=0に維持した炉内で行うことにより、脱炭に要する時間の短縮を図る。
本発明の好ましい実施の形態によれば、加圧から減圧下までの広範囲な条件で、ガス/鋼間の炭素交換反応を利用して、鋼表面炭素濃度を迅速に制御する。
本発明の好ましい実施の形態によれば、浸炭と脱炭を同一炉で実施した場合、浸炭により炉壁に付着した煤を除去するために、炉壁から炉内へ、酸化性ガス又は水素ガス等の反応性ガスを供給できる構造を有し、加熱により、反応性ガスと煤が反応して、煤が除去される。
図1を参照すると、本発明の好ましい実施の形態によれば、浸炭ガス成分としてアセチレンガス、脱炭ガス成分としてメタンガスを用いて、図1に示すパターンで鋼表面の炭素濃度制御を行う。図1を参照すると、まず、加熱炉内で930℃度、1kPa程度の減圧雰囲気下で浸炭工程を行い、次に、H−CH混合ガスで加熱炉をパージし、1000℃以上、100kPaの常圧から1000kPaの加圧下でH/CH平衡反応を利用して脱炭工程を行い、次に、850℃で均熱処理を行う。なお、脱炭工程は、減圧から加圧下までの広い範囲で好適に実行することができる。
本発明の好ましい実施の形態によれば、アセチレンなどの反応性の高い炭化水素ガスを用いて上記反応1.を利用して浸炭を行い、メタンなどの鎖状飽和炭素のような熱分解しにくく安定な炭化水素ガスを用いて上記反応2.又は2a.を利用して脱炭を行うことにより、非酸化性雰囲気で鋼表面の炭素濃度を高速で調整する。さらに、処理時間を短縮するためには、下記のような炉を有する鋼表面の炭素濃度制御装置ないし鋼材製造装置を用いることが好ましい。
図2は、本発明の好ましい実施の形態に係る、浸炭室と脱炭室が同一な場合の鋼表面の炭素濃度を制御する鋼材製造装置の説明図である。図3は、本発明の好ましい実施の形態に係る、浸炭室と脱炭室を分離する場合の鋼表面の炭素濃度を制御する鋼材製造装置の説明図である。
図2を参照すると、この製造装置の炉は断熱多重構造であって、炉入口扉1aと、炉壁の外側断熱材2と、炉内への反応ガス流入口3と、炉内を加熱する加熱管4と、炉壁の内側断熱材5と、炉内の圧力を調整する真空ポンプ6と、炉内雰囲気を攪拌するファン7と、真空ポンプ6及びファン7に接続された炉内圧力制御装置8と、ヒータ9と、を有している。
この炉は、浸炭と脱炭工程においてバッチ式に利用される。浸炭時、炉内(室内)は減圧雰囲気下において高Cpに保持され、これによって浸炭時間が短縮される。脱炭時、炉内(室内)は低Cp、例えばCp≒0の雰囲気に保持され、脱炭時間は鋼内部への炭素拡散時間によって決まり、これによって脱炭時間が短縮される。このようにして、ワークへの浸炭及び脱炭処理時間が、非常に短縮される。
なお、炉壁は、無機材料から形成することが好ましい。例えば、炉壁は、SiO系、Al系、ZrO系、SiC系、C系、MgO系、Cr系、CaO系、TiO系、及びそれらの複合酸化物で構成されることが好ましい。また、水素、ハロゲン化炭素ガスと実質的に反応しない材料、例えば、SiC、Siで構成されていてもよい。
図3を参照すると、この製造装置の炉は、図2に示した炉に対して、炉出口扉1bを有する点で異なる以外は、同一の構造を有している。この炉は、ワーク運搬経路を介して複数接続されて用いられ、一方の炉は浸炭プロセス、他方の炉は脱炭プロセスに使用される。この炉は、浸炭と脱炭工程において連続式に利用される。
浸炭用及び/又は脱炭用の炉内雰囲気(室内雰囲気)については、浸炭又は脱炭処理時間以外は、不活性ガス又は煤との反応性ガスを供給することが好ましい。浸炭用の炉(浸炭室)と、脱炭用の炉(脱炭室)の組み合わせは、ワークに必要な物性値を得るための処理時間を短時間にできる組み合わせを選択することが好ましい。その組み合わせの一例を次に説明する。
図4(A)及び図4(B)は、本発明の好ましい実施の形態に係る浸炭室と脱炭室の連結例を示す図である。
図4(A)を参照すると、一つの浸炭室Cに対して複数の脱炭室Dが連結されると共に、一つの脱炭室Dに対しては一つの浸炭室Cが連結されている。図4(B)を参照すると、複数の浸炭室Cに対して複数の脱炭室Dがそれぞれ連結されている。浸炭室Cと脱炭室D間の搬送経路は、不活性雰囲気に保持される。
このように、浸炭室Cと脱炭室Dを分離することにより、浸炭室CでCpを過飽和にしても、脱炭室ではワークの形状に依存せずに鋼表面の炭素濃度を制御することができる。
上述したような炉内に存在する反応界面について説明する。図5(A)〜(C)は、本発明の好ましい実施の形態に係る浸炭又は脱炭における反応界面の説明図である。図5(A)〜(C)を参照して、炉内に存在する反応界面には、炉壁の煤/ガス間に存在する第1の界面と、ガス/鋼(ワーク)間に存在する第2の界面がある。
図5(A)を参照すると、浸炭初期は、ガスのCpから鋼中炭素濃度までの勾配(Cp勾配、濃度勾配)が急であるほど(鋼側が低い)、鋼への炭素流入量は増大する。
図5(C)を参照すると、一方、脱炭期には、浸炭により高くなって鋼表面炭素濃度からガス(気相)のCpまでの勾配が、ガス側が低い勾配、すなわち、下り坂にならなければ、脱炭量は少なくなる。また、鋼表面炭素濃度は、鋼内部への拡散のために、低下する。この拡散が生じても、脱炭量を維持するためには、ガスのCpを低くすればよい。
実操業において、炉壁に煤が析出すると、図5(B)を参照して、第1の界面(炉壁の煤/ガス間)において平衡するCpは、非常に高い状態、すなわち、煤析出領域に位置する。このとき、ガスのCp勾配は、第1から第2の界面に向かって下り坂になってしまい、浸炭量は増大するが、脱炭量は低下してしまう。この状態を解消するためには、炉内に煤との反応性ガスを投入し煤を消失させればよい。
また、浸炭と脱炭プロセスを同じバッチ式炉で実施して、同一炉内で、浸炭及び拡散を繰り返す限り、炉壁成分と、ガスとの反応によるCp上昇は回避できず、炉内に経時変化を招来する。そこで、好ましくは、浸炭と脱炭プロセスを独立して実施し、脱炭室は、脱炭処理時間外は常時不活性雰囲気に保持し、脱炭室の雰囲気を低Cpに維持する。
例えば、浸炭室での浸炭処理後、ワークを雰囲気が予め低Cpに維持された脱炭室に移送することにより、脱炭開始当初から、ガス/鋼間のCp差が大きい状態が達成され、過剰炭素部の脱炭量ないし脱炭速度が上昇する。さらに、ガス組成、温度を変えてCpを調整することによって、脱炭量をさらに増大し処理時間が短縮される。このようにして、脱炭のための酸化性ガスを脱炭のための熱処理プロセスで全く使用せずに、角部を有する鋼材ないし鋼製部品を、セメンタイトの析出と粒界酸化を抑制しながら、均一な炭素濃度に調整することが容易になる。
以下、本発明の一実施例を説明する。本実施例においては、浸炭又は脱炭ガス成分となる炭化水素ガスとしてメタンを用いて、メタン−水素−窒素混合ガス雰囲気で、本発明に係る浸炭及び脱炭反応を検証するための実験を行った。図6は、本発明の一実施例に係る実験装置の構成図である。
図6を参照すると、この実験装置は、ワークWが挿入される炉心管11aと、炉心管11aを備えた圧力制御式加熱炉11と、炉心管11aの上流側に接続された流量調整弁12と、流量調整弁12の上流側に流量計13と減圧弁14をそれぞれ介して接続されたメタンガスタンク15、水素ガスタンク16及び窒素ガスタンク17と、炉心管11a内に挿入される熱電対18と、炉心管11aの下流側に圧力計19を介して接続されるポンプ20と、炉心管11aの下流側に接続されるガス分析装置21と、圧力計19及びガス分析装置21に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)22を有している。
浸炭ガス又は脱炭ガスとなる混合ガスは、流量50〜2000cc/minで、圧力制御式加熱炉11内にセットした炉心管11a内に流入させた。炉心管11aの加熱温度は、500〜1500℃の間で制御可能である。炉心管11aの管内圧力は、混合ガスを管内に流入中も、約1kPa(減圧)から約100kPa(常圧)程度の間で制御できる。ワーク(処理用鋼材)Wには、初期炭素濃度0.008%〜1.1%のものを複数種類用意した。
処理中のワークWの温度は、熱電対18によりリアルタイムに測定した。炉心管11aから流出した生成ガスは、ガス分析装置21、詳細には、ガスクロマトグラフG4000(ジーエルサイエンス社製)により定性及び定量分析し、生成ガスのガス成分及び温度の経時変化を記録した。
ガスクロマトグラフィー分析条件は、下記の通りである:
検出器:FID
カラム長:3m
カラム温度:70℃
キャリアガス:N2、120kPa
パージガス:N2、50ml/min
注入量3:ml。
まず、下記の6種類の試験品を用いて、図7に示す熱処理条件で、上記ガスを用いて、上述した反応2a.なる平衡反応が生成するか確認した。
No.1 SK3φ5丸棒
No.2 カーボンφ5丸棒
No.3 カーボン片
No.4 カーボン片破砕片
No.5 純鉄
No.6 SCM220
これらの実験結果をまとめると次のとおりである。
(1)生成ガス量はメタンガスが最も多く、他の炭化水素ガスは殆どなかった。
(2)鋼中の炭素(No.1のSK3)、カーボン(No.2〜4)中の炭素からも、メタンガスが生成された。
(3)生成されるメタンガス量は、時間経過と共に、鋼(No.1,6)の場合は減少するのに対して、カーボン(No.2〜4)の場合は増加した。
(4)炭素を含まない純鉄(No.5)の場合、均熱保持時間においてH/C間反応は殆ど発生していない。
(5)純鉄(No.5)/H間の反応結果より、1000℃でHとの反応による初期メタンガス発生量は、0.04ppm程度である。
(6)試験品に炭素が含まれている場合(No.1,2〜4及び6)の場合、1000℃でHとの反応による初期メタンガス発生量は、2ppm以上である。
(7)No.1の実験前後で鋼材の組織を観察すると、実験前に存在した球状セメンタイト組織が消失し、フェライト+パーライトの2相組織が出現した。また、粒界酸化は発生していなかった。これにより、1000℃での均熱処理において、水素ガスと鋼中の炭素が反応してメタンガスが生成し、脱炭が発生したことを確認できた。
(8)以上より、本発明によれば、反応2a.の平衡反応ないしH/CH間反応を利用して、鋼表面炭素濃度を調整できること、特に、脱炭反応により鋼表面炭素濃度を調整できること、さらに、鋼表面炭素濃度の均一化が可能であることが判明した。また、非酸化性の炭素化合物ガスを脱炭ガス成分として用いることにより、粒界酸化が防止できることが確認された。
次に、減圧(真空)下から常圧(加圧)下までの広範囲な条件下で、メタンガス分圧と雰囲気温度を変えて、本発明により鋼表面炭素濃度を制御可能であるか検証し、特に、セメンタイトの析出が防止されるメタンガス分圧−雰囲気温度領域を探求した。
図8(A)〜図8(C)は、本発明の一実施例(実施例2)に係る実験結果を示すグラフであって、図8(A)は炉心管内圧力が常圧(100kpa)、図8(B)は10kpa、図8(C)は1kpaにおける実験結果をそれぞれ示すグラフである。
図8(A)〜図8(C)中、少なくとも、破線で囲まれた領域ではセメンタイトは析出しなかった。なお、破線で囲まれた領域よりもさらに低いメタンガス分圧領域でもセメンタイトは析出しなかった。しかし、帯線(太線)以上の領域にメタンガス分圧及び雰囲気温度が制御されると、セメンタイトが析出した。したがって、反応速度等も勘案すると、本発明による実用的なCp制御可能領域は、図8(A)〜図8(C)中においては、破線で囲まれた領域である。さらに、本発明によれば、常圧から1kPaまでだけではなく、1kPa以下でも、100kPa以上でも、メタンガス分圧の制御によって、セメンタイトの生成を抑制することが可能である。特に、脱炭工程により、セメンタイトの生成を抑制することが可能である。
また、メタンガスの分圧が高いほど浸炭速度が高いこと、同一ガス組成では温度が高いほどワークの表面炭素濃度が高くなることも判明した。
真空浸炭後、即焼き入れされた品(SCM420)と、それを実施例1の熱処理パターンに従って脱炭した品について、炭素濃度分布と組織の比較を行った。
図9(A)は、真空浸炭後に即焼き入れされた品(SCM420)の角部の炭素濃度分布写真、図9(B)は、図9(A)の組織写真である。図10(A)は、真空浸炭後に即焼き入れされた品(SCM420)を脱炭した品の角部の炭素濃度分布写真、図10(B)は、図10(A)の組織写真である。
図9(A)及び図9(B)を参照すると、本発明による脱炭処理を実行してない品では、粒界に沿ってセメンタイトが析出している。一方、図10(A)及び(B)を参照すると、同一品を本発明による脱炭処理を実行した品では、セメンタイトは消失し、表面炭素濃度が均一化されていることが分かる。
図11は、図10の品の角部と平坦部の炭素濃度推移を示すグラフである。図11を参照すると、角部と平坦部での表面炭素濃度の差がなくなり、表面炭素濃度の均一化が達成されたことが確認された。
本発明は、角部を有する鋼製品、例えばギヤを有する鋼部品ないし鋼材の表面炭素濃度の制御に好適に適用される。
本発明の好ましい一実施の形態に係る鋼表面の炭素濃度制御処理パターン図である。 本発明の好ましい実施の形態に係る、浸炭室と脱炭室が同一な場合の鋼表面の炭素濃度を制御する鋼材の製造装置の説明図である。 本発明の好ましい実施の形態に係る、浸炭室と脱炭室を分離する場合の鋼表面の炭素濃度を制御する鋼材の製造装置の説明図である。 (A)及び(B)は、本発明の好ましい実施の形態に係る浸炭室と脱炭室の連結例を示す図である。 (A)〜(C)は、本発明の好ましい実施の形態に係る浸炭又は脱炭における反応界面の説明図である。 本発明の一実施例(実施例1)に係る実験の構成図である。 本発明の一実施例(実施例1)に係る熱処理条件のパターン図である。 (A)〜(C)は、本発明の一実施例(実施例2)に係る実験結果を示すグラフであって、(A)は炉心管内圧力が常圧(100kpa)、(B)は10kpa、(C)は1kpaにおける実験結果をそれぞれ示すグラフである。 (A)は、真空浸炭後に即焼き入れされた品(SCM420)の角部の炭素濃度分布写真、(B)は、(A)の組織写真である。 (A)は、真空浸炭後に即焼き入れされた品(SCM420)を脱炭した品(実施例3)の角部の炭素濃度分布写真、(B)は、(A)の組織写真である。 図10の品の角部と平坦部の炭素濃度推移を示すグラフである。
符号の説明
1a 炉入口扉
1b 炉出口扉
2 外側断熱材
3 反応ガス流入口
4 加熱管
5 内側断熱材
6 真空ポンプ
7 ファン
8 炉内圧力制御装置
9 ヒータ
11a 炉心管
11 圧力制御式加熱炉
12 流量調整弁
13 流量計
14 減圧弁
15 メタンガスタンク
16 水素ガスタンク
17 窒素ガスタンク
18 熱電対
19 圧力計
20 ポンプ
21 ガス分析装置
22 パーソナルコンピュータ(PC)
C 浸炭室
D 脱炭室
W ワーク

Claims (11)

  1. 鋼を、減圧雰囲気下で浸炭ガス成分を含む浸炭ガスにより浸炭する浸炭工程と、
    前記浸炭された前記鋼を、脱炭ガス成分として非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスにより脱炭する脱炭工程と、
    を含む、ことを特徴とする炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法。
  2. 前記脱炭工程において前記鋼に前記脱炭ガスを供給することにより、前記非酸化性炭素化合物ガスと前記鋼との間で平衡反応を生成し、前記鋼表面の炭素濃度を調整することを特徴とする請求項1記載の鋼材の製造方法。
  3. 前記浸炭工程と前記脱炭工程を互いに異なる室内で行うことを特徴とする請求項1又は2記載の鋼材の製造方法。
  4. 前記浸炭ガス成分は、アセチレン、プロパン、エチレン及びブタンから選択される一又は複数のガス成分を含み、
    前記脱炭ガス成分は、メタン、アセチレン、ハロゲン化炭素及び炭化水素ラジカルから選択される一又は複数のガス成分を含む、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  5. 前記浸炭ガス成分はアセチレンを含み、前記脱炭ガス成分はメタンを含む、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  6. 前記脱炭ガスは、不活性ガス及び/又は水素ガスを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  7. 前記脱炭を行う雰囲気への前記浸炭ガスの供給量を調整することにより、前記鋼表面の炭素濃度を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  8. 前記浸炭工程と前記脱炭工程の間に、前記浸炭により発生した煤を酸化性ガス及び/又は水素ガスにより除去する煤取工程を含む、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  9. 前記鋼は突部と平坦部を有し、
    前記浸炭工程により、前記突部の表面炭素濃度は前記平坦部のそれよりも高くなり、
    前記脱炭工程により、前記突部の表面炭素濃度は調整される、
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一記載の鋼材の製造方法。
  10. 鋼に、該鋼と平衡反応を生成する非酸化性炭素化合物ガスを含むガスを供給して、前記非酸化性炭素化合物ガスと前記鋼との間で平衡反応を生成すると共に、前記ガスのカーボンポテンシャルを制御することにより、前記鋼表面の炭素濃度を調整することを特徴とする炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造方法。
  11. 鋼に浸炭及び脱炭を行って鋼表面の炭素濃度を制御する鋼材の製造装置であって、
    減圧雰囲気下で浸炭雰囲気に設定自在な浸炭室と、
    前記浸炭室とは別に構成され前記脱炭の開始当初から脱炭雰囲気に設定自在な脱炭室と、
    前記浸炭室に浸炭ガス、前記脱炭室に脱炭ガス成分として非酸化性炭素化合物ガスを含む脱炭ガスを所定流量でそれぞれ供給するガス供給手段と、
    前記浸炭室又は前記脱炭室を加熱する加熱手段と、
    を有する、ことを特徴とする炭素濃度制御された鋼表面を有する鋼材の製造装置。
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