JP2005248282A - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents

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【課題】 溶銑の脱珪及び脱硫を蛍石(CaF2)を用いず、かつ、中間除滓を行わずに連続して行うことができる溶銑の予備処理方法を提供する。
【解決手段】精錬容器1に収容された溶銑2−1の内部でインペラー3を回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑に酸素源4を添加して脱珪処理を行い、この溶銑の内部でインペラーを回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑に製鋼スラグのみあるいは製鋼スラグ及びCaO、MgO及びドロマイトのうち少なくとも一種類以上をスラグ固化剤5として添加してスラグ6−2のCaO/SiO2を1.2以上としてから、この溶銑の内部でインペラーを回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑にCaOとMg、Al、CaC2、Na2CO3及び製鋼スラグの少なくとも一種類以上とを混合した媒溶剤7を添加してスラグ6−3のCaO/SiO2を1.2以上5.0以下として脱硫処理を行い、中間除滓を行わずに溶銑の脱珪脱硫処理を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶銑の予備処理方法に関する。具体的に説明すると、本発明は、溶銑の脱珪及び脱硫を蛍石(CaF2)を用いず、かつ、中間除滓を行わずに行う予備処理方法に関する。
近年、鋼製品の高級志向により、低硫鋼、低燐鋼に対する要求が拡大しており、それに伴い、溶銑予備処理も普及してきた。従来の溶銑脱硫は、トーピード車(混銑車)あるいは溶銑鍋で脱硫材をインジェクションする方法や、インペラーを用いて機械攪拌する方法が一般的である。添加する脱硫材としては、生石灰のみ、あるいは生石灰に少量のソーダ灰や蛍石等を含んだ生石灰系が主流であるが、インジェクションする方法では金属Mg等も用いられる。特に、一般的にKRと呼ばれるインペラーによる機械攪拌方式は、その優れた脱硫効率から頻繁に採用されるようになった。
また、溶銑脱燐は、従来はトーピード車や溶銑鍋を用いたインジェクション方式が主流であったが、最近では転炉を使用した転炉型予備処理方法が盛んに行われるようになった。この方法はまず転炉で脱燐吹錬を行って出湯し、スラグを排滓した後に、出湯した溶銑を再度、転炉に装入し脱炭吹錬を行う方法である。この方法には、安定して低燐鋼を溶製することができ、かつ発生スラグ量を抑制できるメリットがある。このとき、事前に脱珪処理を行うと、より安定した低燐鋼の溶製とスラグ減少による低コスト化とを図ることができるため、転炉を用いて溶銑の予備処理を行う場合には、事前に脱珪処理を行うことが有効である。
溶銑脱珪は、従来は高炉の鋳床、トーピード車あるいは溶銑鍋を用いて、焼結鉱、スケール、砂鉄といった酸化鉄系の脱珪材を吹付けるか、あるいは吹き込むことが一般的であった。しかし、これらの従来のインジェクション方式等では効率が悪い。そこで、効率よく脱珪するために、攪拌動力が大きく、かつ反応性に優れるKRにより脱珪処理を行うことが考えられる。KR設備は、上述したように溶銑脱硫に優れた能力を発揮している。
しかし、このKRを脱珪及び脱硫の両方に用いる場合、脱珪反応は酸化精錬であるのに対して脱硫反応は還元精錬であるために脱硫処理時に脱珪反応の生成物である、FeOを多量に含む脱珪スラグが残存していると脱硫の進行が悪くなる。そこで、KRにより脱珪処理を行った後には除滓を行う必要があり、この除滓により転炉の出鋼ピッチに間に合わなってしまう。このため、KRによる脱珪処理を短時間で行って、脱珪及び脱硫の総処理時間を短縮する必要がある。
特許文献1には、中間除滓を行うことなくKRにより脱珪及び脱硫を行う方法として、溶銑に鉄酸化物、CaO、CaF2を添加し、スラグ中のT.Feを5%以下とする脱珪を主として行った後に、CaO、CaF2を含む脱硫材を添加する方法が開示されている。
また、特許文献2には、蛍石等のハロゲン化物を使用せず、生石灰源及び酸素源を添加して溶銑の脱珪処理を行った後、引き続いて脱硫剤を溶銑中に吹き込んで脱硫する方法が開示されている。
特開平11−100608号公報 特開2001−271111号公報
しかしながら、特許文献1により開示された方法では、CaF2を用いるため、環境問題や耐火物の溶損という問題があり、その実施は容易ではない。
また、特許文献2により開示された方法では、脱珪スラグのFeO濃度を下げて固相率を確保し、反応性に乏しいスラグとするために、下記(1)式で計算される攪拌力ε(W/t)を1.1kw/t以上とすることが必要とされている。
ε=0.0062 QgT{1n(1+Ho/1.54)+(1−Tg/T)}/W …………(1)
ただし、Qgはガス吹き込み量(Nl/min)を示し、Tは溶銑温度(K)を示し、Hoは吹き込み深さ(m)を示し、Tgは吹き込み前のガス温度(K)を示し、Wは溶銑量(t)を示す。
このように強い撹拌力を付与するためには、反応容器としては転炉タイプの予備処理炉が好ましく、脱珪後、炉底より脱硫剤を吹き込む必要がある。このことは、特許文献2に記載された実施例でも転炉タイプの精錬炉を用いていることによっても裏付けられている。
本発明の目的は、溶銑の脱珪及び脱硫を蛍石(CaF2)を用いず、かつ、かつ中間除滓を行わずに連続して行うことができる溶銑の予備処理方法を提供することである。
本発明は、精錬容器に収容された溶銑の内部でインペラーを回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑に酸素源を添加して脱珪処理を行う第一工程と、この第一工程を経た溶銑の内部でインペラーを回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑に製鋼スラグのみあるいは製鋼スラグ及びCaO、MgO及びドロマイトのうち少なくとも一種類以上をスラグ固化剤として添加してスラグのCaO/SiO2を質量%比で1.2以上とする第二工程と、この第二工程を経た溶銑の内部でインペラーを回転させてこの溶銑を撹拌するとともにこの溶銑にCaOとMg、Al、CaC2、Na2CO3及び製鋼スラグの少なくとも一種類以上とを混合した媒溶剤を添加してスラグのCaO/SiO2を質量%比で1.2以上5.0以下として脱硫処理を行う第三工程とを、中間除滓を行わずに行うことを特徴とする溶銑の予備処理方法である。
この本発明に係る溶銑の予備処理方法では、第一工程におけるインペラーの回転数をR1とし、第二工程におけるインペラーの回転数をR2とした場合にR1/R2を1.0以上3.0以下とすることが望ましく、第三工程におけるインペラーの回転数をR3とした場合にさらにR3≧R2とすることが望ましい。
本発明により、(a)中間除滓を行わず脱珪と脱硫処理を連続して行うことができ、これにより処理ピッチの短縮を図れること、(b)CaF2を添加せずに脱珪、脱硫が可能となること、(c)スラグ固化剤として製鋼スラグを用いることにより、低コストで処理可能となったこと、(d)製鋼スラグからの鉄分回収が可能となったことという効果が得られた。
このように、本発明により、溶銑の脱珪及び脱硫を、蛍石(CaF2)を用いず、かつ、かつ中間除滓を行わずに、連続して行うことができるようになる。
まず、はじめに本発明に係る溶銑の予備処理方法の原理を簡単に説明する。
脱珪は、下記(2)式により示される反応により進行する。しかし、処理時間内で反応が完結しない場合、脱珪後のスラグには、FeOがT.Fe換算で5%以上残存することが多い。このようなFeOが存在する場合に除滓を行わずに脱硫処理を行うと、下記(3)式で示される脱硫反応の進行が阻害されて悪化する。
[Si]+2(FeO)=SiO2+2Fe ・・・・・・・(2)
[S]+(CaO)=(CaS)+O ・・・・・・・(3)
したがって、従来は、一般的に脱珪後脱硫前にこの脱珪スラグを除滓していた。しかしながら、除滓に時間がかかり、転炉の出鋼ピッチに間に合わなかった。
そこで、本発明に係る溶銑の予備処理方法では、脱珪後の溶融スラグを残した状態で攪拌しながら、この脱珪後の溶融スラグを固化し反応性を低下させるフラックスを添加し、脱珪後の溶融スラグの反応性を低下させる。
その最も簡便でかつ有効な方法として、スラグの塩基度(CaO/SiO2)を高める方法がある。図1は、CaO-SiO2-FeO系平衡状態図である。この図1には、通常の溶銑予備処理スラグの成分で塩基度がそれぞれ異なる、A点(塩基度0.8)、B点(塩基度1.2)、及びC点(塩基度1.5)の三点をプロットしてある。
溶銑予備処理時の溶銑温度は、1300〜1400℃程度であるため、A点の組成におけるスラグは溶融しており、脱硫への悪影響が出ることは必至である。また、B点及びC点の組成におけるスラグの融点は高く、スラグは固化状態で存在し得る。したがって、しきい値となるスラグの塩基度は1.2である。なお、本願における塩基度(CaO/SiO2)は全て質量%比であり、この塩基度におけるCa0は、未滓化CaOを含めた全CaOを意味するスラグの分析平均値である。
ここで、高炉スラグの塩基度は、鋳床や樋脱珪を行っていない場合で1.0〜1.3程度であるため、鋳床や樋脱珪を行った場合、さらに低下して1.0未満であることが多い。これは、脱珪脱硫処理の第一工程である脱珪が完了した状態も同じであると考えられる。
このとき固化剤として使用するものは、CaO、MgO、ドロマイト等の資源でももちろんよいが、スラグを固化できるものであれば、どんなものでも構わない。したがって、近年の環境調和操業や低コスト化の観点から、製鋼スラグを使用することが望ましい。この場合の製鋼スラグとは、スラグ塩基度が1.2以上であり、CaF2を含有しないスラグであれば何でも良い。例えば、インジェクションやKRによる脱硫スラグや転炉スラグ等を例示することができる。転炉スラグはT.Fe分が15〜25%と高いため、脱硫スラグを用いるほうがより望ましい。
このようにして脱珪スラグを固化してから、脱硫剤を添加して攪拌することによって、脱珪スラグを除滓をすることなく、脱硫することが可能となるため、溶銑の脱珪及び脱硫を、蛍石(CaF2)を用いず、かつ、かつ中間除滓を行わずに、連続して行うことができる。
図2は、本発明に係る溶銑の予備処理方法のプロセスを模式的に示す説明図である。
図2に示すように、第一工程では、精錬容器1に収容された溶銑2-1の内部でインペラー3を回転させてこの溶銑2-1を撹拌するとともにこの溶銑2-1に酸素源である脱珪材4を添加して脱珪処理を行う。この際のスラグ6のCaO/SiO2は1.2未満である。
次に、第二工程では、第一工程を経た溶銑2-2の内部でインペラー3を回転させてこの溶銑2-2を撹拌するとともにこの溶銑2-2に製鋼スラグのみあるいは製鋼スラグ及びCaO、MgO及びドロマイトのうち少なくとも一種類以上をスラグ固化剤5として添加してスラグ6-2のCaO/SiO2を1.2以上3.0以下とする。
そして、第三工程では、この第二工程を経た溶銑2-3の内部でインペラー3を回転させてこの溶銑2-3を撹拌するとともにこの溶銑2-3にCaOとMg、Al、CaC2、Na2CO3及び製鋼スラグの少なくとも一種類以上とを混合した媒溶剤7を添加してスラグ6-3のCaO/SiO2を1.2以上5.0以下として脱硫処理を行う。これらのCaO/SiO2の値は、いずれも鍋内から処理後に溶銑上のスラグをスプーンや柄杓で掬って採取し、未滓化のCaOを含めて磨り潰したサンプルを分析して得た重量%比である。
このように、本発明によれば、中間除滓を行わずに、かつ、蛍石(CaF2)を用いずに連続して、溶銑の脱珪及び脱硫を行うことができる。
この際、スラグ固化剤5を添加する場合には、インペラー3の回転数に注意をする必要がある。KRはインペラーにて攪拌することにより、脱珪材あるいは脱硫材を溶銑中に巻き込みながら効率よく反応させる装置であるが、スラグ固化剤5は溶銑2-2との反応を目的としたものではなく、脱珪スラグ6-2との混合を目的としている。生石灰等のCaOであれば溶銑2-2と混合することで脱硫を行い、脱珪スラグ6-2と混合されて固化剤としての効果も十分果たすと考えられるが、脱硫スラグのような製鋼スラグを使用する場合、CaOよりも高濃度のSを含有しており、脱硫処理前のS濃度に影響したり、地金が混入している可能性が高いことから、これらをインペラー3により強攪拌すると、耐火物に損傷を与える可能性がある。逆に、これを上手く利用すれば鉄分回収にも繋がり、さらにコストの低下にもつながる。
さらに、本発明を実施例を参照しながら、より具体的に説明する。
本実施例で用いた製鋼スラグの平均成分を表1に示し、溶銑の平均使用量、温度及び成分を表2に示す。溶銑の諸条件については従来も同様である。
また、今回使用した脱硫剤の組成を表3に示す。今回は3種類使用したが、それぞれ脱硫率に若干の差はあるものの、同じ傾向であることから実施例には脱硫材(1) の結果を示す。
本発明の特徴は、上述したように、脱珪後に除滓を行わずにスラグ固化材を添加してスラグを固化させてその反応性を低下してから脱硫処理を行うものである。このため、脱硫剤自体の組成は、特段の限定を要するものではなく、様々な組成のものが考えられる。脱硫補助剤として、本例のNa2CO3、CaF2、MeAlの他に、Mg、CaC2 等の一般的に使用されている脱硫補助剤を用いることが可能である。
Figure 2005248282
Figure 2005248282
Figure 2005248282
本発明例1は、本発明により脱珪後の除滓を省略した効果を確認するものである。
高能率化、低コスト化を推進するにあたり、脱珪と脱硫を効率的に行うことは極めて重要である。図3(a) は脱珪量(%)と脱硫率(%)との関係、すなわち脱珪スラグの脱硫への影響を示すグラフであり、プロセス1は脱珪→除滓→脱硫(従来例)であり、プロセス2は脱珪→脱硫(中間除滓なしの比較例)であり、プロセス3は脱珪→固化→脱硫(本発明例)である。また、図3(b) は溶銑中の[Si](%)と[S](%)との関係、すなわち脱珪脱硫時の成分挙動を示すグラフである。
図3(a)にグラフで示すように、脱珪スラグを残した状態で脱硫を行うと脱硫悪化が生じるが、本発明例のように脱珪後にスラグ固化処理を行うと、中間除滓を行った場合と同程度に脱硫率が向上する。
また、図3(b) にグラフで示すように、脱珪スラグを残した状態で脱硫を行うと溶銑中の[S]の低下量は少なくなるが、本発明のように脱珪後にスラグ固化処理を行うと、溶銑中の[S]の低下量は顕著に増加する。
本発明によると、従来は必ず行っていた除滓を行わなくともよいため、溶銑の予備処理ピッチの一例を示す図4に示すように、処理ピッチを従来の約70%と、約30%も大幅に短縮できた。
本実施例2は、スラグ固化材として製鋼スラグを用いた場合である。
図5にスラグ固化剤として、CaOのみを固化材として用いた場合、及びCaOと製鋼スラグとを固化材として用いた場合の脱硫剤原単位(Kg/t)と脱硫率(%)との関係、すなわちこれらの固化材を用いた場合の脱硫への影響をグラフで示す。
なお、図5のグラフは、処理前[S]:0.025〜0.030%、脱珪量:0.15〜0.20%、溶銑温度:1340〜1350℃、製鋼スラグ/固化用CaO:0.8〜2.5の条件で測定した。、また、脱硫率(%)は、{ (処理前[S]−処理後[S])/処理前[S] }×100により算出した。
図5にグラフで示すように、固化材として製鋼スラグを用いても、充分に脱硫を行うことが可能であることがわかる。
図6は、脱硫処理後に採取したスラグ塩基度と脱硫率との関係を示すグラフである。同図にグラフで示すように、スラグ塩基度が5.0を超えると、徐々に反応効率が低下する。これはスラグ固相率が極端に高くなり脱硫剤と溶銑との混合が悪くなり過ぎたためであると考えられる。
脱硫反応と処理コストの両面から、スラグ塩基度はスラグが無害化される1.2以上5.0以下であることが望ましい。
本実施例3は、インペラーの回転数の影響を示すものである。
上述したように、第一工程におけるインペラーの回転数をR1とし、第二工程におけるインペラーの回転数をR2とし、第三工程におけるインペラーの回転数をR3とした場合、回転数R1及びR3は可能な限り大きい方が反応はよい。
しかし、回転数R2は、先に述べたように、注意が必要である。図7は、R1/R2とスラグ固化時間指数との関係、すなわちKRによる各工程での撹拌力比とスラグ固化時間及び鉄分歩留りとの関係を示すグラフである。ここで、スラグ固化時間とは、スラグ固化材添加から、目視にてスラグの流動性が著しく低下し、固まったと判断できるまでの時間である。ベースとなる指数=1の時間は3分間であり、これは同プロセスにて実施した10チャージ以上の平均値である。また、鉄分歩留(%)は、(除滓後の(溶銑+溶銑鍋)重量)/(除滓前の(溶銑+溶銑鍋)重量)×100により求めた。指数が1を越えるのは、脱珪剤及び製鋼スラグからの鉄分回収の効果である。
まず、スラグ固化に有効な回転数は、図7にグラフで示すように、R1/R2は3.0以下である。第二工程における固化時間は、脱珪処理時の反応促進を考慮してR1が十分に大きい値であることをベースに、R1が一定であるとすると、R2が大きい(R1/R2が小さい)方が短くなり、処理能率が向上する。また脱珪剤及び製鋼スラグからの鉄分回収、及び粒鉄ロスの抑制効果の面からは、有効な回転数はR1/R2が1.0以上である。R2の回転数を大きくしてR1/R2が1.0未満となった場合、スラグ固化時間は短縮されるが鉄分回収に必要な時間が確保できなくなり鉄分歩留が低下する。また、R1/R2を1.5以下にした場合、耐火物溶損の影響(製鋼スラグ添加時のKRインペラーや溶銑鍋の破損等)も考慮する必要がある。そこで、回転数は処理時間ピッチ、鉄分回収、耐火物異常溶損抑制の観点から、R1/R2=1.0〜3.0で実施するのが効果的である。製鋼スラグを添加した影響などにより耐火物の溶損が問題になるような場合には、R1/R2=1.5〜3.0の方が一層好ましい。通常R1、R3の回転数は90〜150rpmが一般的であり、本実施例でも110〜120rpmで行った。
KR脱硫は撹袢力が大きいほど、すなわち回転数が大きい方が反応効率が良いため、R3は通常R2よりも大きくなくなる。そのため一般的にはR3≧R2となる。
CaO-SiO2-FeO系平衡状態図である。 本発明に係る溶銑の予備処理方法のプロセスを模式的に示す説明図である。 図3(a) は脱珪量(%)と脱硫率(%)との関係、すなわち脱珪スラグの脱硫への影響を示すグラフであり、図3(b) は溶銑中の[Si](%)と[S](%)との関係、すなわち脱珪脱硫時の成分挙動を示すグラフである。 本発明による溶銑の予備処理ピッチの一例を示す説明図である。 スラグ固化剤として、CaOのみを固化材として用いた場合、及びCaOと製鋼スラグとを固化材として用いた場合の脱硫剤原単位(Kg/t)と脱硫率(%)との関係、すなわちこれらの固化材を用いた場合の脱硫への影響を示すグラフである。 脱硫処理後に採取したスラグ塩基度と脱硫率との関係を示すグラフである。 KRでの脱珪工程とスラグ固化工程におけるインペラー回転数比(R1/R2)とスラグ固化時間指数及び鉄分歩留りとの関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 精錬容器に収容された溶銑の内部でインペラーを回転させて該溶銑を撹拌するとともに該溶銑に酸素源を添加して脱珪処理を行う第一工程と、該第一工程を経た溶銑の内部でインペラーを回転させて該溶銑を撹拌するとともに該溶銑に製鋼スラグのみあるいは製鋼スラグ及びCaO、MgO及びドロマイトのうち少なくとも一種類以上をスラグ固化剤として添加してスラグのCaO/SiO2を質量%比で1.2以上とする第二工程と、該第二工程を経た溶銑の内部でインペラーを回転させて該溶銑を撹拌するとともに該溶銑にCaOとMg、Al、CaC2、Na2CO3及び製鋼スラグの少なくとも一種類以上とを混合した媒溶剤を添加してスラグのCaO/SiO2を質量%比で1.2以上5.0以下として脱硫処理を行う第三工程とを、中間除滓を行わずに行うことを特徴とする溶銑の予備処理方法。
  2. 前記第一工程における前記インペラーの回転数をR1とし、前記第二工程における前記インペラーの回転数をR2とした場合に、R1/R2を1.0以上3.0以下とする請求項1に記載された溶銑の予備処理方法。
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