JP2842248B2 - 溶銑の脱硫方法 - Google Patents
溶銑の脱硫方法Info
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Description
に、上下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうち
の一方を脱燐炉、他方を脱炭炉として、脱燐炉で得られ
た脱燐溶銑を脱炭炉にて精錬する製鋼法において、新た
なプロセスに供することなく、脱硫することができる方
法に関するものである。
と溶鋼段階での脱硫の2つに大別され、溶銑の脱硫法と
してはKRインペラー脱硫法やフラックスインジェクシ
ョン法等が既に実用化されている。
には、新たな設備の設置が必要である上、かつ脱硫実施
時には、耐火物溶損、並びに温度降下が大きく、経済的
な損失が大きかった。
素鋼を製造する際、転炉出鋼後の取鍋内で脱硫を行う方
法が提案されているが、高炭素鋼に限定されている上、
出鋼後にインジェクション等、何等かの設備設置を前提
としており、高価な方法と言える。
転炉形式の炉のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉とし
て、脱燐炉で得られた脱燐溶銑を脱炭炉にて精錬すると
いう製鋼法が、特開昭62−290815号公報や、特開平1−
147012号公報に提案されている。
しては、特開平1−147012号公報においてはスラグ塩基
度を調整することにより、脱硫することを提案してい
る。確かに溶鋼の脱硫より効果的かつ安価に実施できる
が、脱硫効率の点で十分とは云えなかった。S≦50ppm
とするには溶鋼脱硫を実施する必要があった。
は、これらの従来技術の問題を解決する手段を開発する
ことである。本発明の具体的な目的は、上下両吹き機能
を有した2基の転炉形式の炉のうちの一方を脱燐炉、他
方を脱炭炉として用い、脱燐炉で得られた脱燐溶銑を脱
炭炉にて精錬するという製鋼法において、脱硫設備の新
設が不要で、かつ余分な耐火物の溶損や温度降下なく50
ppm 以下、好ましくは10ppm 以下にまで脱硫できる経済
的な脱硫方法を提供することである。
脱硫することに着目し、脱燐炉精錬後取鍋への出湯時、
脱燐剤を取鍋内へ添加することにより、出湯完了までに
脱硫を行い、その後、排滓を行い脱炭炉に注銑して脱炭
吹錬することにより、復硫もしない効果的な脱硫が可能
になることを知り、本発明を完成した。
下両吹き機能を有した2基の転炉形式の炉のうちの一方
を脱燐炉、他方を脱炭炉として使用し、脱燐炉で得られ
た脱燐溶銑を脱炭炉にて精錬する製鋼法において、脱燐
炉精錬終了後に脱燐炉から取鍋を経て脱炭炉に溶銑を注
入する際に、脱燐炉から取鍋への溶銑出湯中にCaO-Al2O
3 系、CaO-CaF2系、およびNa2CO3から成る群から選ばれ
た少なくとも1種の脱硫剤を添加して脱硫を行うことを
特徴とする溶銑の脱硫方法である。
おけるスラグ組成を塩基度 (CaO/SiO2) が、1.5 以上で
あるように調整する。
作としては出湯中に取鍋上方から脱硫剤を投入してもよ
く、あるいは取鍋内に予め脱硫剤を入れ置きしておいて
もよい。
ながらその具体的操作に基づいて説明する。図1ないし
図3は、本発明にかかる方法の各処理工程を示す概略説
明図であって、図中、参照符合1は脱燐炉、2は出湯
流、3は溶銑、4は取鍋、5はスラグ、6はスラグ排滓
機、そして7は脱炭炉をそれぞれ示す。
を有した転炉形式の脱燐炉1において装入された溶銑に
酸素吹き込みにより脱燐処理を行う。この脱燐炉1の操
業条件はすでによく知られており、本発明においてもそ
のような公知の条件で脱燐処理を行えばよい。
溶銑3は取鍋4に出湯される。このとき炉内のスラグは
そのままとし溶銑3だけが出湯流2として取鍋4に投入
される。このとき、本発明によれば、脱硫剤が溶鋼に添
加される。図2は脱硫剤の添加後に取鍋4で除滓を行う
様子を示すもので、溶湯表面に形成された脱硫スラグ5
はスラグ排滓機6によって除去される。
に、取鍋内溶銑3は同じく上下両吹き機能を有した転炉
形式の脱炭炉7に注湯され、脱炭処理が行われる。この
ときの脱炭処理条件もすでに公知であり、本発明にあっ
てもその公知の処理条件で脱炭処理を行えばよい。
炉から取鍋を経て脱炭炉に溶銑を注入する際に、脱燐炉
から取鍋への溶銑出湯中に脱硫剤を添加することを特徴
とするが、このとき使用する脱硫剤としてはCaO-Al2O3
系、CaO-CaF2系、およびNa2CO3から成る群から選ばれた
少なくとも1種の脱硫剤を用いればよい。
度、脱燐銑の性状によって変わるが、一般には、1〜10
kg/溶銑1トン、好ましくは2〜6kg/溶銑トンであ
る。本発明では、従来の出湯段階において脱硫剤を添加
するのみでその効果が期待できるため、設備の新設は不
要であり、また、時間も余分に増えるわけではないので
脱硫に伴い温度降下や耐火物溶損が大きくなることもな
い。
ずしも明確ではないが、次のように考えられる。出湯中
に脱硫剤を添加するため、脱硫剤が溶銑内へ懸濁し、脱
硫剤がスラグに浮上するまでに反応するトランジトリー
反応により脱硫が進行する。反応式は次式の通りであ
る。
ため、一度懸濁した脱硫剤はなかなかスラグ中に浮上す
ることなく、溶鉄内での浮遊時間を長時間確保できるこ
とも脱硫が促進する一因となっている。
り、[O] が10ppm 以下と低酸素濃度であるため、脱硫に
適している。脱硫をより促進させるためには、溶鉄中の
酸素濃度がさらに低レベルであることが望ましいため、
溶鉄の脱酸剤 (Al、Si等) を出湯時、脱硫剤と同時に投
入すると効果的である。
く、溶湯との反応性が悪いので脱硫しないが、CaO がベ
ースにCaF2またはAl2O3 を混合し、低融点組成にするこ
とにより、脱硫剤界面での物質移動が速くなり、脱硫反
応がよく進行する。あるいはソーダ灰系脱硫剤としてNa
2CO3を用い、これを投入してもよい。
要) で、出湯時の温度降下が少ない時(1300℃以上ある)
、さらに鋼中、O2量が少ないため、反応が右に進み易
く、復硫、つまり上記反応が左へ進むこともない。
の[S] のとき [S]≦10ppm にまで脱硫が可能となる。し
かも、これは単に脱硫剤の添加だけで実現するのであっ
て、全く予想外と云わねばならない。
た。溶銑段階で [S]=20ppm まで脱硫した溶銑を脱燐炉
で吹錬し、出湯時脱硫した。
ては、CaO 70%−Al2O3 30%の脱硫剤を、4K/T とにし
た。この結果出湯前後で[S] は20ppm →6ppm まで脱硫
できた。スラグ排滓後脱炭吹錬することにより、復硫も
することなく、その後の溶鋼脱硫プロセスなしで極低硫
鋼の溶製ができた。結果は表2にまとめて示す。比較例
として脱硫剤を添加しなかった例も併せて示す。
硫した溶銑を脱燐炉で吹錬し、出湯時脱硫した。出湯時
の[C] は約3%であり、媒溶剤および合金としては溶鉄
脱酸用のAlを1K/T 、CaO 75%−CaF225%の脱硫剤を4
K/T 投入した。この結果、出湯前後で[S] は50ppm →30
ppm まで脱硫できた。スラグ排滓後脱炭吹錬することに
より、復硫〔(CaO) +[S] ← (Cas)+[O] 〕もせず、
[S] =30ppm の成品を作ることができた。
脱硫剤を添加しなかった例も併せて示す。この出湯脱硫
法の導入により溶銑脱硫での負荷が大幅に低減すること
ができた。
また、耐火物溶損や温度降下もなしに脱硫ができるよう
になった。従来、溶鋼脱硫プロセスを行なわなければ、
[S] ≦10ppm の極低硫鋼を安定して製造することは困難
であったが、本発明の出湯脱硫法を用いることにより、
溶銑脱硫との組み合わせにより溶鋼脱硫プロセスなしで
[S] ≦10ppm の極低硫鋼を製造することが可能となっ
た。
する際も、出湯脱硫法を用いることにより、溶銑脱硫の
負荷を大幅に低減することが可能となった。このように
本発明によれば脱P、脱Cを区分した2炉形式での低P
鋼溶製時、プロセスの増加なしに、低S鋼溶製が可能と
なったのであり、その実用上の意義は大きい。
様子の説明図である。
明図である。
鍋から脱炭炉に注湯するときの説明図である。
5:スラグ、 6:スラグ排滓機、 7:脱炭炉
Claims (2)
- 【請求項1】 上下両吹き機能を有した2基の転炉形式
の炉のうちの一方を脱燐炉、他方を脱炭炉として使用
し、脱燐炉で得られた脱燐溶銑を脱炭炉にて精錬する製
鋼法において、脱燐炉精錬終了後に脱燐炉から取鍋を経
て脱炭炉に溶銑を注入する際に、脱燐炉から取鍋への溶
銑出湯中にCaO-Al2O3 系、CaO-CaF2系、およびNa2CO3か
ら成る群から選ばれた少なくとも1種の脱硫剤を添加し
て脱硫を行うことを特徴とする溶銑の脱硫方法。 - 【請求項2】 前記脱燐炉におけるスラグ組成を塩基度
(CaO/SiO2) が1.5以上であるように調整する請求項1
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24138194A JP2842248B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 溶銑の脱硫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24138194A JP2842248B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 溶銑の脱硫方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08104913A JPH08104913A (ja) | 1996-04-23 |
JP2842248B2 true JP2842248B2 (ja) | 1998-12-24 |
Family
ID=17073444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24138194A Expired - Lifetime JP2842248B2 (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | 溶銑の脱硫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2842248B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102796847A (zh) * | 2012-08-31 | 2012-11-28 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种降低脱硫铁水渣熔点的预熔型铁水调渣剂 |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP24138194A patent/JP2842248B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08104913A (ja) | 1996-04-23 |
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