JP2005243706A - 半導体装置製造用耐熱性粘着テープおよび半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属製のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法(例えば、QFNの製造方法等)に使用される耐熱性粘着テープであって、樹脂封止工程での樹脂漏れを好適に防止することができる半導体装置製造用耐熱性粘着テープを提供すること。
【解決手段】 金属製のリードフレームに搭載された半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される耐熱性粘着テープであって、前記耐熱性粘着テープは基材層と粘着剤層とを有し、半導体チップを樹脂封止する際に、膨張変形するように設計されていることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
【選択図】 なし
【解決手段】 金属製のリードフレームに搭載された半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される耐熱性粘着テープであって、前記耐熱性粘着テープは基材層と粘着剤層とを有し、半導体チップを樹脂封止する際に、膨張変形するように設計されていることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、金属製のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法に使用される半導体装置製造用耐熱性粘着テープに関する。また本発明は、当該耐熱性粘着テープを用いた半導体装置の製造方法に関する。
近年、LSIの実装技術において、CSP(Chip Size/Scale Package)技術が注目されている。この技術のうち、QFN(Quad Flat Non−leaded package)に代表されるリード端子がパッケージ内部に取り込まれた形態のパッケージについては、小型化と高集積の面で特に注目されるパッケージ形態のひとつである。このようなQFNの製造方法のなかでも、近年では複数のQFN用チップをリードフレームのパッケージパターン領域のダイパッド上に整然と配列し、金型のキャビティ内で、封止樹脂にて一括封止したのち、切断によって個別のQFN構造物に切り分けることにより、リードフレーム面積あたりの生産性を飛躍的に向上させる製造方法が、特に注目されている。
このような、複数の半導体チップを一括封止するQFNの製造方法においては、樹脂封止時のモールド金型によってクランプされる領域はパッケージパターン領域より更に外側に広がった樹脂封止領域の外側だけである。従って、パッケージパターン領域、特にその中央部においては、アウターリード面をモールド金型に十分な圧力で押さえることができず、封止樹脂がアウターリード側に漏れ出すことを抑えることが非常に難しく、QFNの端子等が樹脂で被覆されるという問題が生じ易い。
このため、上記の如きQFNの製造方法に対しては、リードフレームのアウターリード側に粘着テープを貼り付け、この粘着テープの自着力(マスキング)を利用したシール効果により、樹脂封止時のアウターリード側への樹脂漏れを防ぐ製造方法が特に効果的と考えられる。
このような製造方法において、リードフレーム上に半導体チップを搭載した後、あるいはワイヤボンディングを実施した後から耐熱性粘着テープの貼り合せを行うことは、ハンドリングの面で実質的に困難であることから、耐熱性粘着テープは最初の段階でリードフレームのアウターパット面に貼り合わせられ、その後、半導体チップの搭載工程やワイヤボンディングの工程を経て、封止樹脂による封止工程まで貼り合わせられることが望ましい。このような方法として、厚み10μm以下の粘着剤層を有する耐熱性粘着テープを用いて、樹脂漏れを防止しつつワイヤボンディングなどの一連の工程を実施できる製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−184801号公報
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法においては、封止樹脂による封止工程において、耐熱性粘着テープを貼り合わせたリードフレームの精度や下金型の設計によって、それらの間にギャップが存在している場合がある。このような場合、特許文献1に記載されている、厚み10μm以下の粘着剤層を有する耐熱性粘着テープでは、そのリードフレームと下金型との間に生じるギャップによって、耐熱性粘着テープとリードフレームとの間や、モールド部分の外周部をうまくクランプできずに、樹脂漏れが生じてしまう場合がある。
そこで本発明は、金属製のリードフレームを用いた半導体装置の製造方法(例えば、QFNの製造方法等)に使用される耐熱性粘着テープであって、樹脂封止工程での樹脂漏れを好適に防止することができる半導体装置製造用耐熱性粘着テープを提供することを目的とする。
また本発明は、当該耐熱性粘着テープを用いた半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、耐熱性粘着テープの材料、構成等について鋭意研究したところ、封止工程時に膨張変形するような特徴を有する耐熱性粘着テープを用いることで、封止工程においてリードフレームと下金型とのギャップが埋まり、効果的に樹脂漏れを防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、金属製のリードフレームに搭載された半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される耐熱性粘着テープであって、前記耐熱性粘着テープは基材層と粘着剤層とを有し、半導体チップを樹脂封止する際に、膨張変形するように設計されていることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着テープ、に関する。
前記半導体装置製造用耐熱性粘着テープとしては、前記粘着剤層に発泡剤を含有するものを用いることができる。前記発泡剤としては熱膨張性微粒子が好適である。
前記半導体装置製造用耐熱性粘着テープとしては、前記基材層として少なくとも1層の多孔質層を有するものを用いることができる。
また本発明は、金属製のリードフレームのダイパッド上に半導体チップをボンディングする工程と、リードフレームのインナーリード先端と半導体チップ上の電極パッドとを電気的に接続する結線工程と、封止樹脂により半導体チップ側を片面封止する封止工程と、封止された構造物を個別の半導体装置に切断する切断工程とを、少なくとも含む半導体装置の製造方法であって、少なくとも封止工程において、リードフレームのアウターパッド側に請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性粘着テープが貼り合わされていることを特徴とする半導体装置の製造方法、に関する。
上記本発明の耐熱性粘着テープは、金属製のリードフレームに搭載された半導体チップに貼り合わせて用いられ、樹脂封止する際には膨張変形するように設計されている。そのため、半導体装置の製造方法において、耐熱性粘着テープを貼り合わせたリードフレームと下金型の間にギャップが存在している場合にも、封止工程時に耐熱性粘着テープの膨張変形によって前記ギャップを埋めることができる。その結果、前記キャップにより生じていた耐熱性粘着テープとリードフレームの間や、モールド部分の外周部において樹脂漏れを効果的に防止することができる。
本発明の耐熱性粘着テープは、基材層と粘着剤層とを少なくとも有する。耐熱性粘着テープは、樹脂封止する際に、膨張変形するように設計されている。具体的な膨張変形の手段は特に限定されるものではないが、たとえば、粘着層の一部または全部に加熱により膨張変形するような発泡剤を含ませて、封止工程における加熱工程によって粘着剤層を膨張変形させる方法があげられる。また基材層の少なくとも1層に多孔質材料を用いることで、加熱によりテープ基材厚を膨張変形させる方法があげられる。これら手段は組み合わせることができる。
基材層の材料としては、樹脂封止時の加熱条件に対して耐熱性を有する基材が用いられる。耐熱性は、少なくとも封止樹脂による封止工程でかかる加熱に対して耐えることである。封止樹脂による封止工程では一般的に175℃前後の温度がかかることから、このような温度条件下での著しい収縮、または基材そのものが破壊を生じない耐熱性を持っているものが好適に用いられる。
例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリエチレンサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリサルフォン(PSF)フィルム、ポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリアリレート(PAR)フィルム、アラミドフィルム、液晶ポリマー(LCP)などの耐熱熱性プラスチックフィルムが挙げられる。樹脂封止時の加熱条件が150℃以下であれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの使用も可能である。また耐熱性基材としては、ガラスクロス、金属などを使用できる。基材層は一層または多層とすることができる。
基材層を多孔質基材とする場合には、一般的な封止温度である175℃での耐熱性の点からフッ素系樹脂が好ましい。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA) 、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等を適宜に用いることができるが、PTFEが好ましい。
多孔質基材は、PTFEファインパウダーを用いた場合、ペースト押出しにより成形体を得た後、圧延、延伸することにより容易に多孔質体を得られ、また圧延および延伸条件を制御することにより容易に多孔質層の設計を行うことができる。多孔質層の気孔率は40〜98%、さらには70〜95%であることが好ましい。40%未満では、膨張変形が十分でなくなる傾向があり、98%を超えると機械的強度が低下する傾向がある。
基材層を多孔質基材とする場合、多孔質基材は少なくとも一層用いられる。多孔質基材は他の基材層との多層構造とすることができる。多層構造とする場合には、多孔質基材の片面または両面に他の基材層を積層するのが好ましい。
基材層の厚みは、折れや裂けを防止するため少なくとも5μm以上、好適なハンドリング性に鑑みて10〜100μmが好ましい。
粘着剤層を形成する粘着剤は耐熱性を有する粘着剤により形成されるものであれば特に制限されない。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等があげられる。その他に、エポキシ系粘着剤等の使用も可能である。これらのなかでも耐熱性に優れたシリコーン系粘着剤を使用することが好ましい。
粘着剤には、ベースポリマーに加えて、耐熱性を充足させたり、膨張変形を効果的に行うために適宜に架橋剤の配合およびその配合部数を調整するすることができる。また粘着剤には、必要に応じ耐熱性の添加剤(例えば、ガラスビーズ、各種無機フィラー、耐熱有機フィラー、シリコーンラバー等)を添加することができる。さらに、必要に応じて他の添加剤として、例えば、紫外線吸収材、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、老化防止剤、粘着付与剤、顔料、染料、シランカップリング剤等の各種添加剤を添加することができる。
上記粘着剤層は発泡剤を含有させることにより封止工程において膨張変形するように設計できる。発泡剤は、加熱下に膨張する素材を特に制限なく使用できる。
発泡剤としては、例えば種々の無機系や有機系の発泡剤を用いうる。無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などがあげられる。有機系発泡剤の代表例としては、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン等の塩フッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等のヒドラジン系化合物、ρ―トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等のセミカルバジド系化合物、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾール等のトリアゾール系化合物、N,N′−ジニトロソぺンタメチレンテトラミン、N,N′−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のN―ニトロン系化合物などがあげられる。
また発泡剤としては熱膨張性微粒子を用いることができる。膨張性微粒子は熱膨張性物質をマイクロカプセル化してなるものであり、混合操作が容易であるなどの点から好ましく用いられる。例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの加熱により容易にガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であればよい。前記穀は、通常、熱可塑性物質、熱溶融性物質、熱膨張により破裂する物質などで形成される。前記殻を形成する物質としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。熱膨張性マイクロカプセルは、前記粘着剤との分散混合性に優れているなどの利点も有する。熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、たとえば、マイクロスフェアー(商品名:松本油脂社製)などがあげられる。必要に応じて熱膨張助剤を添加してもよい。
前記粘着剤に対する発泡剤の配合量は、前記粘着剤層の種類に応じて、粘着剤層を膨張変形させることができる量を適宜に決定することができる。一般には、発泡剤を含む粘着剤層の厚みを加熱膨張直後の厚みの60%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上を維持できる配合量が好ましい。また粘着剤のベースポリマー100重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは10〜40重量部である。
本発明の耐熱性粘着テープは、上記基材層に上記粘着剤により粘着剤層を形成することにより作製することができる。基材層と粘着剤層との間には、層間剥離を防止するために、必要に応じて下塗りを施したり、表面凹凸処理、例えばスパッタ処理を施すこともできる。
粘着剤層の厚みは、通常1〜50μm程度、より好ましくは5〜30μmであることが好適である。
以下、上記耐熱性粘着テープを用いた半導体装置の製造方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。半導体装置の製造方法は、金属製のリードフレームのダイパッド上に半導体チップをボンディングする工程と、リードフレームのインナーリード先端と半導体チップ上の電極パッドとを電気的に接続する結線工程と、封止樹脂により半導体チップ側を片面封止する封止工程と、封止された構造物を個別の半導体装置に切断する切断工程とを、少なくとも含む。また少なくとも封止工程において、リードフレームのアウターパッド側に前記耐熱性粘着テープは貼り合わされる。
図1は、本発明の半導体装置の製造方法の一例の工程図である。図1は、金属製のリードフレーム10に半導体チップ15を搭載する前にリードフレーム10のアウターパッド側に耐熱性粘着テープ20を貼り合わせる場合である。当該図1に示す例では、半導体チップ15の搭載工程と、封止樹脂17による封止工程と、封止された構造物21を切断する切断工程とを少なくとも含むものである。
搭載工程は、図1(a)〜(b)に示すように、アウターパッド側(図の下側)に耐熱性粘着テープ20を貼り合わせた金属製のリードフレーム10のダイパッド11c上に半導体チップ15をボンディングする工程である。
リードフレーム10とは、例えば銅などの金属を素材としてQFNの端子パターンが刻まれたものであり、その電気接点部分には、銀,ニッケル,パラジウム,金などのなどの素材で被覆(めっき)されている場合もある。リードフレーム10の厚みは、100〜300μmが一般的である。なお、部分的にエッチングなどで薄く加工されている部分は、この限りではない。
リードフレーム10は、後の切断工程にて切り分けやすいよう、個々のQFNの配置パターンが整然と並べられているものが好ましい。例えば図2に示すように、リードフレーム10上に縦横のマトリックス状に配列された形状などは、マトリックスQFNあるいはMAP−QFNなどと呼ばれ、もっとも好ましいリードフレーム形状のひとつである。とくに近年では、生産性の観点から 1枚のリードフレーム中に配列されるパッケージ数を多くするため、これらの個々のパッケージが細密化されるばかりでなく、一つの封止部分で多数のパッケージを封止できるよう、これらの配列数も大きく拡大してきている。
図2(a)〜(b)に示すように、リードフレーム10のパッケージパターン領域11には、隣接した複数の開口11aに端子部11bを複数配列した、QFNの基板デザインが整然と配列されている。一般的なQFNの場合、各々の基板デザイン(図2(a)の格子で区分された領域)は、開口11aの周囲に配列れさた、アウターリード面を下側に有する端子部11bと、開口11aの中央に配置されるダイパッド11cと、ダイパッド11cを開口11aの4角に支持させるダイバー11dとで構成される。
耐熱性粘着テープ20は、少なくともパッケージパターン領域11より外側に貼着され、樹脂封止される樹脂封止領域の外側の全周を含む領域に貼着するのが好ましい。リードフレーム10は、通常、樹脂封止時の位置決めを行うための、ガイドピン用孔13を端辺近傍に有しており、それを塞がない領域に貼着するのが好ましい。また、樹脂封止領域はリードフレーム10の長手方向に複数配置されるため、それらの複数領域を渡るように連続して粘着テープ20を貼着するのが好ましい。
上記のようなリードフレーム10上に、半導体チップ15、すなわち半導体集積回路部分であるシリコンウエハ・チップが搭載される。リードフレーム10上にはこの半導体チップ15を固定するためダイパッド11cと呼ばれる固定エリアが設けられており、このダイパッド11cヘのボンディング(固定)の方法は導電性ペースト19を使用したり、接着テープ、接着剤など各種の方法が用いられる。導電性ペーストや熱硬化性の接着剤等を用いてダイボンドする場合、一般的に150〜200℃程度の温度で30分〜90分程度加熱キュアする。
一般的には、これに続いて、前記リードフレームの端子部先端と前記半導体チップ上の電極パッドとをボンディングワイヤで電気的に接続する結線工程が行なわれる。結線工程は、図1(c)に示すように、リードフレーム10の端子部11b(インナーリード)の先端と半導体チップ15上の電極パッド15aとをボンディングワイヤ16で電気的に接続する工程である。ボンディングワイヤ16としては、例えば金線あるいはアルミ線などが用いられる。一般的には120〜250℃(特に160〜230℃)に加熱された状態で、超音波による振動エネルギーと印加加圧による圧着エネルギーの併用により結線される。その際、リードフレーム10に貼着した耐熱性粘着テープ20面を真空吸引することで、ヒートブロックに確実に固定することができる。なお、上記では半導体チップをフェイスアップ実装して結線工程を行なう場合を示したが、半導体チップをフェイスダウン実装した場合には、リフロー工程が適宜に施される。
封止工程は、図1(d)に示すように、封止樹脂17により半導体チップ側を片面封止する工程である。封止工程は、リードフレーム10に搭載された半導体チップ15やボンディングワイヤ16を保護するために行われ、とくにエポキシ系の樹脂をはじめとした封止樹脂17を用いて金型中で成型されるのが代表的である。その際、図3に示すように、複数のキャビティを有する上金型18aと下金型18bからなる金型18を用いて、複数の封止樹脂17にて同時に封止工程が行われるのが一般的である。具体的には、例えば樹脂封止時の加熱温度は170〜180℃であり、この温度で数分間キュアされた後、更に、ポストモールドキュアが数時間行われる。なお、耐熱性粘着テープ20はポストモールドキュアの前に剥離するのが好ましい。
切断工程は、図1(e)に示すように、封止された構造物21を個別の半導体装置21aに切断する工程である。一般的にはダイサーなどの回転切断刃を用いて封止樹脂17の切断部17aをカットする切断工程が挙げられる。
上記図1に関する説明では、前記耐熱性粘着テープ20を、半導体チップ15をのリードフレーム10に搭載する工程以前に、リードフレーム10に貼り合わさて用いる場合を例示した。耐熱性粘着テープ20の使用態様は、図1の例に限らず、ワイヤーボンディング性の向上や余分な加熱工程の削減を目的に、結線工程(たとえばワイヤーボンディング)の後、つまり封止工程の直前にリードフレーム10に貼り合わせて用いることができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。
実施例1
25μm厚のポリイミドフィルム(東レデュポン製:カプトン100H)を基材として用いた。一方、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)100部に対して、熱膨張性微粒子(商品名「マイクロスフェアーF−100D」,松本油脂社製,加熱膨張開始温度:170℃)30部重量を配合した粘着剤を調製した。前記基材に前記粘着剤を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作製した。
25μm厚のポリイミドフィルム(東レデュポン製:カプトン100H)を基材として用いた。一方、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)100部に対して、熱膨張性微粒子(商品名「マイクロスフェアーF−100D」,松本油脂社製,加熱膨張開始温度:170℃)30部重量を配合した粘着剤を調製した。前記基材に前記粘着剤を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作製した。
実施例2
30μm厚のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質膜(日東電工製「ミクロテックス」気孔率90%)の両面を、12μm厚のPETフィルム(東レ製ルミラーS−10)でラミネートした3層構造のものを基材として用いた。この基材に、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作成した。
30μm厚のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質膜(日東電工製「ミクロテックス」気孔率90%)の両面を、12μm厚のPETフィルム(東レ製ルミラーS−10)でラミネートした3層構造のものを基材として用いた。この基材に、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作成した。
比較例1
25μm厚のポリイミドフィルム(東レデュポン製:カプトン100H)を基材として用いた。この基材に、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作成した。
25μm厚のポリイミドフィルム(東レデュポン製:カプトン100H)を基材として用いた。この基材に、シリコーン系粘着剤(東レダウコーニングシリコーン社製:SD4587L)を用いて粘着剤層の厚さ25μmとなるように塗布して耐熱性粘着テープを作成した。
実施例1、2および比較例1で得られた耐熱性粘着テープの粘着剤層を上向きとして広げておく。一辺16PinタイプのQFNが4個×4個に配列された銅製のリードフレームに半導体チップを搭載し、金線によってワイヤボンディングを施しておいたものを、そのアウターパッド側が、前記耐熱性粘着テープの粘着剤層に密着するように静かに載せて密着させた。
次いでエポキシ系封止樹脂(日東電工製,HC−300)により、これらをモールドマシン(TOWA製,Model−Y−serise)を用いて、175℃で、プレヒート設定40秒、インジェクション時間11.5秒、キュア時間120秒にてモールドした後、耐熱性テープを剥離した。さらに175℃にて3時間ほどポストモールドキュアを行って樹脂を十分に硬化させた後、ダイサーによって切断して、個々のQFNタイプ半導体装置を得た。
このようにしてQFNを製造した後、樹脂の漏れ具合を目視で確認した。実施例1および実施例2では、樹脂漏れは確認できなかった。一方、比較例1では約60%以上の端子に樹脂漏れがあることを確認した。
10 リードフレーム
11a 開口
11b 端子部
11c ダイパッド
15 半導体チップ
15a 電極パッド
16 ボンディングワイヤ
17 封止樹脂
20 粘着テープ
21 封止された構造物
21a 半導体装置
11a 開口
11b 端子部
11c ダイパッド
15 半導体チップ
15a 電極パッド
16 ボンディングワイヤ
17 封止樹脂
20 粘着テープ
21 封止された構造物
21a 半導体装置
Claims (5)
- 金属製のリードフレームに搭載された半導体チップを樹脂封止する際に、貼着して使用される耐熱性粘着テープであって、前記耐熱性粘着テープは基材層と粘着剤層とを有し、半導体チップを樹脂封止する際に、膨張変形するように設計されていることを特徴とする半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
- 前記粘着剤層が発泡剤を含有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
- 前記発泡剤が熱膨張性微粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
- 前記基材層が少なくとも1層の多孔質層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置製造用耐熱性粘着テープ。
- 金属製のリードフレームのダイパッド上に半導体チップをボンディングする工程と、リードフレームのインナーリード先端と半導体チップ上の電極パッドとを電気的に接続する結線工程と、封止樹脂により半導体チップ側を片面封止する封止工程と、封止された構造物を個別の半導体装置に切断する切断工程とを、少なくとも含む半導体装置の製造方法であって、
少なくとも封止工程において、リードフレームのアウターパッド側に請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性粘着テープが貼り合わされていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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2004
- 2004-02-24 JP JP2004048138A patent/JP2005243706A/ja active Pending
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