JP2005239837A - 光拡散塗膜形成用塗料及び光拡散シート - Google Patents

光拡散塗膜形成用塗料及び光拡散シート Download PDF

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Takashi Fukuda
敬志 福田
Kana Okazaki
佳奈 岡崎
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Abstract

【課題】 本発明は、光拡散性が良好であると共に光透過性がさらに改良された光拡散シートを形成し得る光拡散塗膜形成用塗料及び該塗料を用いてなる光拡散シートを提供することを目的とする。
【解決手段】 フッ素基含有モノマーを除く非架橋性モノマー(A)と架橋性モノマー(B)とを溶媒中で開始剤を用いて重合させてなる既架橋性粒子であって、特定のカチオン性重合開始剤と非イオン性開始剤とを併用し重合してなる既架橋微粒子と、有機バインダーとを含むことを特徴とする光拡散塗膜形成用塗料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光拡散性に優れ、液晶ディスプレイのバックライト、プロジェクションテレビなどの透過型スクリーン、照明器具、電飾看板等に用いられる光拡散シートに使用される光拡散用塗布組成物、およびその組成物を用いた塗布物、および光拡散シートに関する。
一般に、テレビ、パソコン、電子手帳、携帯電話機、アミューズメント機器等に用いられる液晶表示装置、プロジェクションテレビジョン等では、バックライトを配置し、そのバックライトからの光を液晶表示パネル側に供給することにより画像が表示される。これらに用いられるバックライトは、表示画像を見やすくするため、より多くかつ均一な光を供給するものであることが要求される。このような要求に対応するため、バックライトの構成部分の一部として光拡散シートが用いられる。
このような光拡散シートに含有される光拡散性の粒子としては、旧来、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナおよびガラス粉末等のような無機粉末を使用して塗布物の塗膜表面に凹凸を発生させ、光の反射を散乱させて効果を得るというのが一般的である。
しかしながら、無機粉末は、その粒子形状が球形ではなく、さらに、粒径のばらつきが大きいのが一般的であり、均一な光拡散が困難であり、また光拡散板自体の表面が無機粉末によって粗面化され、さらに光透過性が低い等種々の問題があった。
こうした状況下に、無機粒子に代わって樹脂粒子を使用することが提案された。こうした樹脂粒子は、例えば、特許文献1:特開昭63-147911号公報、特許文献2:特開平1-292064号公報、特許文献3:同3-207743号公報および特許文献4:同3-294348号公報等の公報に開示されている。
上記公報に開示されているような樹脂粒子を用いることにより、無機粒子を用いた場合よりも光の拡散性は向上する傾向があるが、これらの樹脂粒子の有する光拡散特性も必ずしも満足できるものではない。
特に、光拡散板を見る位置と光拡散板との角度によって、光源からの光の色彩や明るさが変化するという問題がある。例えばこのような光拡散板をプロジェクションテレビジョンに使用した場合には、従来から知られている樹脂粒子を用いると、プロジェクションテレビジョン画面を正面から見た場合と、斜め前から見た場合とで、画面の色や明るさが異なって見えるという問題がある。
特開昭63-147911号公報 特開平1-292064号公報 特開平3-207743号公報 特開平3-294348号公報
本発明は、光拡散性が良好であると共に光透過性がさらに改良された光拡散シートを形成し得る光拡散塗膜形成用塗料及び該塗料を用いてなる光拡散シートを提供することを目的とする。
本発明は、フッ素基含有モノマーを除く非架橋性モノマー(A)と架橋性モノマー(B)とを溶媒中で開始剤を用いて重合させてなる既架橋性粒子であって、開始剤として下記式(1)または下記式(2)で表される重合開始剤の少なくとも一方と非イオン性開始剤とを併用し重合してなる既架橋微粒子と、有機バインダーとを含むことを特徴とする光拡散塗膜形成用塗料に関する。
Figure 2005239837
Figure 2005239837
また本発明は、既架橋微粒子の平均粒子径が1〜8μmの範囲であり、かつ粒子径分布の変動係数が10%以下であることを特徴とする上記発明に記載の光拡散塗膜形成用塗料に関し、
さらに本発明は、有機バインダーが、ポリエステル樹脂であることを特徴とする上記発明のいすれかに記載の光拡散塗膜形成用塗料に関する。
また本発明は、上記発明のいずれかに記載の光拡散塗膜形成用塗料をシート状基材の少なくとも一方の面に塗布し、光拡散塗膜を形成してなる光拡散シートに関し、
さらにまた本発明は、シート状基材が透明であることを特徴とする上記発明に記載の光拡散シートに関する。
本発明により光拡散性が良好であると共に光透過性がさらに改良された光拡散シートを形成し得る光拡散塗膜形成用塗料及び該塗料を用いてなる光拡散シートを提供することができた。しかも良好な外観を呈する。その結果、得られた光拡散シートを、例えばプロジェクションテレビジョンに使用すると、光拡散性、光透過性が良好であり、どのような位置から見ても、画面の色彩や明るさの変化が少ない。さらに外観が綺麗になる。
本発明で用いる既架橋微粒子について説明する。
本発明でいう既架橋微粒子とは、重合終了時に粒子内部が架橋された微粒子のことを言い、粒子内部の架橋により耐溶剤性、耐熱性に優れた微粒子となる。
本発明の架橋性モノマー(B)は、架橋性を与えるための官能基を有している二官能性あるいは三官能性以上の多官能性モノマーであり、架橋剤として機能する。架橋性モノマー(B)の有する官能基のうち少なくとも1つは、非架橋性モノマー(A)と共重合を起こすために必要であり、残りの官能基は、架橋性を与えるための官能基として機能する。
架橋性モノマー(B)の架橋性を与えるための官能基としては、ビニル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、カルボキシル基,アルコキシシリル基等が挙げられ、ビニル基同士のラジカル重合による架橋、エポキシ基とカルボキシル基あるいはヒドロキシル基との付加反応による架橋、アルコキシシリル基の加水分解と縮合反応による架橋等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
中でも、ポリマーの生長時に起こるビニル基同士のラジカル重合による架橋が好ましく、さらに好ましくは、重合時の粒子の凝集及び多分散化が起こりにくく、生成粒子の耐熱性も良いと言う点から各官能基の反応性が異なるモノマーが良い。
具体的には、(メタ)アクリル酸残基、クロトン酸残基、マレイン酸残基、イタコン酸残基等の重合性不飽和カルボン酸残基と、前記重合性不飽和カルボン酸残基以外の反応性官能基とを有する化合物が好ましい。
前記重合性不飽和カルボン酸残基以外の反応性官能基としては、
例えば、ビニル基としては、エテニル基、1-プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、2-ペンテニル基等の炭素数1〜11の不飽和基含有アルキル基;
スチリル基、シンナミル基等の不飽和基含有芳香族基;
テトラヒドロフルフリル基等の複素環基含有アクリル基;
ヒドロキシ基としては、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基等のヒドロキシアルキレン基;
エポキシ基としては、グリシジル基;
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のアルコキシシリル基等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
上記架橋性モノマー(B)としては、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸1-メチルアリル、(メタ)アクリル酸2-メチルアリル、(メタ)アクリル酸1-ブテニル、(メタ)アクリル酸2-ブテニル、(メタ)アクリル酸3-ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3-メチル-3-ブテニル、(メタ)アクリル酸2-クロルアリル、(メタ)アクリル酸3-クロルアリル、(メタ)アクリル酸o-アリルフェニル、(メタ)アクリル酸2-(アリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリルラクチル、(メタ)アクリル酸シトロネリル、(メタ)アクリル酸ゲラニル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、ジアリルマレエート、ジアリルイタコン酸、(メタ)アクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、オレイン酸ビニル,リノレン酸ビニル等の不飽和基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル等の複素環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等のヒドロキシ(アルコキシ)含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等の不飽和カルボン酸類;
無水イタコン酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸無水物類;
ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン トリアクリル酸等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有モノマー類;
ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル等のジビニル類;
イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等のジアリル類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、これらを2種以上を併用して用いることも出来る。また、全モノマー中のモノマー(B)の量が5-20重量%であることが好ましい。
非架橋性モノマー(A)は、上記架橋性モノマー(B)とは異なり粒子内に架橋構造を形成し得る官能基を有しないモノマーであって、フッ素基含有モノマー以外のものをいう。ここでいうフッ素基含有モノマーとは、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらフッ素基含有モノマー以外の非架橋性モノマー(A)としては、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系モノマー等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは2種以上を併用して用いることも出来る。
中でも、単分散性の良い微粒子が得られるという点で、非架橋性モノマー(A)として、疎水性のものと親水性のものとを併用することが望ましい。
疎水性の非架橋性モノマー(A)とは、20℃における水への溶解度が、2.0×10-3 g/cm3以下のモノマーを表し、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸フェニル等が挙げられる。疎水性の非架橋性モノマー(A)は、非架橋性モノマー(A)全体の0〜50重量%であることが好ましい。
既架橋微粒を得る際に用いられる溶剤は、前記モノマー(A)及び(B)が均質に溶解し得るものであって、かつ前記モノマーを重合して得られるポリマーである既架橋微粒子が不溶になるものより選ばれる。
このような溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、等のケトン類;前記溶剤と水との混合溶剤等が挙げられるが、特にメタノール、エタノール、またはこれらと水の混合溶剤が望ましい。さらにこれらの溶剤は2種以上を混合して用いることが可能である。全溶剤は、前記モノマー全量が全溶剤に対して、10〜30重量%である事が好ましい。また、全溶剤中の水の量は0〜70重量%が好ましい。
既架橋微粒を得る際には、開始剤としては、特定のカチオン性の水溶性アゾ重合開始剤と非イオン性重合開始剤とを併用することが重要である。非イオン性重合開始剤を併用しないと、粒子径が小さくなり過ぎ、充分な光拡散性が得られない。
特定のカチオン性の水溶性アゾ開始剤は、該開始剤により、高分子鎖の末端をカチオン性にできる化合物であり、下記式(1)で表される化合物、あるいは下記式(2)で表される化合物である。これら特定のカチオン性の水溶性アゾ開始剤は、前記モノマー(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.01〜0.30重量部である事が好ましい。
Figure 2005239837
式(1)のR1およびR2は、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の水酸化アルキル基;フェニル基、ベンジル基等の芳香族基;クロロフェニル基、クロロベンジル基等のハロゲン化芳香族基;ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシベンジル基等の水酸化芳香族基等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
式(1)の化合物の例としては、2,2'-アゾビス[2-(フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-545、和光純薬製)、2,2'-アゾビス{2-[N-(4-クロロフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA-546、和光純薬製)、2,2'-アゾビス{2-[N-(4-ドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA-548、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[2-(N-ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-552、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[2-(N-アリルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-553、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V-50、和光純薬製)、2,2'-アゾビス{2-[N-(4-ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA-558、和光純薬製)等が挙げられる。
Figure 2005239837
また式(2)のR3およびR4は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基などのアルキレン基;ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基などの水酸化アルキレン基、フェニレン基、ビフェニレン基等の2価の芳香族基が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
式(2)の化合物の例としては、2,2-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-041、和光純薬製)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-044、和光純薬製)、2,2-アゾビス[2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-1,3-ジアゼピン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-054、和光純薬製)、2,2-アゾビス[2-(3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-058、和光純薬製)、2,2-アゾビス[2-(5-ヒドロキシ-3,4,5,6-テトラヒドロピリミジン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA-059、和光純薬製)、2,2-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}ジヒドロクロリド(VA-060、和光純薬製)、2,2-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン] (VA-061、和光純薬製)等が挙げられる。
上記カチオン性の水溶性アゾ開始剤と併用する非イオン性重合開始剤としては、基本的には、重合溶剤に溶解し、熱によりラジカルを発生するもので、開始剤により高分子末端がイオン性にならない化合物であれば良い。
例えば、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-70、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65、和光純薬製)2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(V-60、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(V-59、和光純薬製)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)(V-40、和光純薬製)、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(V-30、和光純薬製)、2-フェニルアゾ-4-メトキシ-2,4-ジメチル-バレロニトリル(V-19、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド](VA-080、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド](VA-082、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-[2-(1-ヒドロキシブチル)]-プロピオンアミド](VA-085、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-プロピオンアミド](VA-086、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロピオンアミド)ジハイドレート(VA-088、和光純薬製)、2,2'-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド](VF-096、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)(VAm-110、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)(Vam-111、和光純薬製)等のアゾアミド化合物、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)(VR-110、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)(VR-160、和光純薬製)等のアルキルアゾ化合物等の非イオン性アゾ重合開始剤、メチルエチルケトンパーオキサイド(パーメックH、日本油脂製)、シクロヘキサノンパーオキシド(パーヘキサH、日本油脂製)、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド(パーヘキサQ、日本油脂製)、メチルアセトアセテートパーオキサイド(パーキュアーSA、日本油脂製)、アセチルアセトンパーオキサイド(パーキュアーA、日本油脂製)等のケトンパーオキサイド類、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂製)、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサHC、日本油脂製)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサ3M、日本油脂製)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC、日本油脂製)、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロドデカン(パーヘキサCD、日本油脂製)、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン(パーヘキサ22、日本油脂製)、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート(パーヘキサV、日本油脂製)、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(パーテトラA、日本油脂製)等のパーオキシケタール類、t-ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH-69、日本油脂製)、p-メンタンヒドロパーオキサイド(パーメンタH、日本油脂製)、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド(パークミルP、日本油脂製)、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、クメンヒドロパーオキサイド(パークミルH-80、日本油脂製)、t-ヘキシルヒドロパーオキサイド(パーヘキシルH、日本油脂製)等のヒドロパーオキサイド類、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3(パーヘキシン25B、日本油脂製)、ジ-t-ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、t-ブチルクミルパーオキシド(パーブチルC、日本油脂製)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)、ジクミルパーオキシド(パークミルD、日本油脂製)、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(パーブチルP、日本油脂製)等のジアルキルパーオキサイド類、オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等のジアシルパーオキサイド類、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP-50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP-50、日本油脂製)、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ-2-エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ-2-メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等のパーオキシジカーボネート類、α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート(パーブチル355、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシラウレート(パーブチルL、日本油脂製)、2,5-ジメチル2,5-ビス(m-トルオイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25MT、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキシルモノカーボネート(パーブチルE、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート(パーヘキシルZ、日本油脂製)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25Z、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシアセテート(パーブチルA、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシ-m-トルオイルベンゾエート(パーブチルZT、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシベンゾエート(パーブチルZ、日本油脂製)、ビス(t-ブチルパーオキシ)イソフタレート(パーブチルIF、日本油脂製)等のパーオキシエステル類、t-ブチルパーオキシアリルモノカーボネート(ペロマーAC、日本油脂製)、t-ブチルトリメチルシリルパーオキサイド(パーブチルSM、日本油脂製)、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB-50、日本油脂製)、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタン(ノフマーBC、日本油脂製)等の有機過酸化物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。中でも、10時間半減期温度の低い非イオン性ラジカル重合開始剤を使用することにより、少量で効果的に粒子径を大きくすることができる。
このような非イオン性開始剤は、前記モノマー(A)及び(B)の合計100重量部に対して、0.001〜10重量部である事が好ましい。
本発明に用いられる既架橋微粒子の合成法についてより具体的に説明する。
例えば、前記溶剤中に前記非架橋性モノマー(A)と前記架橋性モノマー(B)とを均一に溶解し、溶存酸素を除去、60℃に加熱後、前記カチオン性水溶性開始剤をイオン交換水に溶解したものと前記非イオン性重合性開始剤を同時に添加し、3〜10時間加熱攪拌する方法で合成することができる。
重合後の転化率が充分でない時は、前記モノマー(A)及び(B)の合計100重量部に対して、開始剤を0.1〜2重量%重合終了後添加することができる。
重合後に添加し得る開始剤としては、通常の油溶性ラジカル重合開始剤であれば問題なく使用できる。例えば、2,2-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-70、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65、和光純薬製)2,2'-アゾビスイソブチロニトリル(V-60、和光純薬製)、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(V-59、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物、オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等のジアシルパーオキサイド類、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP-50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP-50、日本油脂製)、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ-2-エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ-2-エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ-2-メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、ジ(3-メチル-3-メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等のパーオキシジカーボネート類、t-ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH-69、日本油脂製)、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、等のヒドロパーオキサイド類、ジ-t-ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)等のジアルキルパーオキサイド類、α,α'-ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1-シクロヘキシル-1-メチルエチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、t-ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
またモノマー(A)及び(B)を重合する際には、分散安定剤及び界面活性剤を添加することができる。
分散安定剤としては、ポリビニルクロライドやスチレンアクリルコポリマー等への相溶性を向上するポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
界面活性剤としては、ポリプロピレンへの相溶性を向上するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(エパン、第一工業製薬製)、ポリエーテル変性シリコーン(シルウェット、日本ユニカー製)等のノニオン性界面活性剤、帯電防止効果にとして利用される第四級アンモニウム塩(コータミン、花王製)等のカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン(アモーゲン、第一工業製薬製)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、分散安定剤及び界面活性剤の添加は、重合中でも重合後でも良い。
本発明で用いられる既架橋微粒子は、平均粒子径1〜8μmであることが好ましく、2〜5μmであることがより好ましい。また、粒子径分布の変動係数(CV値)は10%以下であることが好ましく、0.1〜10%であることがより好ましい。平均粒子径及び変動係数は、微粒子分散液を光学顕微鏡で観察し、その分散している粒子の直径を実測することにより求めことができるものであり、変動係数は標準偏差を平均値で除した値の百分率で表される。
また、本発明で用いられる既架橋微粒子は、耐熱性、耐溶剤性に優れるものである。
分解温度及びゲル分率は、重合後の既架橋微粒子分散液を遠心分離により溶剤を除去後、80℃で12時間真空乾燥し、得られた既架橋微粒子を用いて測定する。分解温度は、市販の熱重量測定(TG)装置を使用し、窒素雰囲気下、10℃/minの昇温速度で測定する。本発明で用いられる既架橋微粒子の場合、昇温時の重量減少は一段階で起こり、微分熱重量(DTG)曲線のピークが最大となる温度を分解温度と言う。
また、本発明でいうゲル分率とは、既架橋微粒子をメチルエチルケトン中に分散し、23℃、65%で24時間放置後、遠心分離により溶剤を除去し、80℃で6時間真空乾燥した際の重量変化率を言う。
本発明で用いられる既架橋微粒子の分解温度は240℃以上であり、メチルエチルケトン中でのゲル分率は95%以上である。このように本発明で用いられる既架橋微粒子は、耐熱性、耐溶剤性に優れるものなので、種々の方法で乾燥して粒子として単離することもできるし、既架橋微粒子を溶解しない任意の溶剤中に、ストリッピング等の工程を用いて、分散する事ができる。また、この工程で、既架橋微粒子分散液の濃度を1〜50重量%まで任意に変えることも出来る。50重量%より高くなると粒子間の距離が小さくなり安定な分散状態を保つ事が出来ず、粒子同士の凝集が起こる。
次に本発明において用いられる有機バインダーについて説明する。
本発明の光拡散塗膜形成用塗料は、該既架橋微粒子を後述するシート状基材上に付着させ固定する機能を担う有機バインダーを含有する。
有機バインダーとしては、例えばフェノール樹脂、レゾルシン樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ニトロセルロースのような熱可塑性樹脂や、ブタジエンアクリロニトリルゴム、ネオプレンなどのエラストマーなどが挙げられ、ポリエステル樹脂が好ましい。なお、これらの有機バインダーには、予め硬化剤(イソシアネート系等)、分散剤、蛍光染料、染料、顔料などを添加してもよい。
有機バインダーと既架橋微粒子の比率は、有機バインダー99〜3重量%に対して、既架橋微粒子1〜97重量%程度である。好ましくは、有機バインダー70〜3重量%に対して、既架橋微粒子30〜97重量%程度であり、この範囲内で既架橋微粒子が密に詰まった良好な光拡散層が得られる。
本発明の光拡散塗膜形成用塗料は、既架橋微粒子の分散性を向上させるための分散剤や、上記有機バインダーを溶解し、既架橋微粒子は溶解せず分散する溶剤や、消泡剤、増粘剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤、表面調整剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、さらに透明性、耐光性、耐湿性、耐熱性などの特性を与える種々の添加物を含有してもよい。
例えば、硬化剤としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)などが挙げられる。
また、上記有機バインダーを溶解し、既架橋微粒子を分散させる溶剤としては、樹脂粒子の分散性、バインダーの溶解性に問題がなければ特に限定されないが、例えばn−ブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソノナン、n−デカン、n−ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタン、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、コハク酸ジエチルなどのエステル系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテルアルコール系溶剤、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。
これらの溶剤は、それぞれ単独で、または2種類以上を組合わせて用いることができる。
次に上記光拡散塗膜形成用塗料を用いてなる光拡散シートについて説明する。
本発明の光拡散シートは、上記の光拡散塗膜形成用塗料をシート状基材の少なくとも一方の面に塗布し、光拡散塗膜を形成してなるものである。シート状基材としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、酢酸セルロースブチレート、ポリオレフィン、アクリル、ポリスチレン、フッ素樹脂、エポキシ、ポリアリレート、シリコーン、ポリエチレンテレフタレートから形成されるプラスチック製のシートの他、ガラスなどが例示でき、これらシート状基材は透明であることが好ましく、耐熱性、耐カール性、耐溶剤性にも優れることが好ましい。尚、本発明にいうシート状とは平たい状態にあればよく、フィルム状とも言われる比較的薄いものから板状とも言われる比較的厚いものであってもよい。本発明に用いられるシート状基材の厚みは、10〜3000μm程度が好ましく、10〜300μm程度がより好ましい。
上記の光拡散塗膜形成用塗料をシート状基材の少なくとも一方の面に、リバースロールコート法、ダイコート法、コンマコータ法、スプレーコート法、グラビアコート法、キスリバースコータ法、ブレードコート法、ロッドコート法などのコート法の他、はけ塗り、ローラー塗装など種々の方法で塗布し、光拡散塗膜形成用塗料中に含まれる溶剤等を除去し、光拡散層を形成することによって、本発明の光拡散シートを得ることができる。
シート状基材上に形成される光拡散層は乾燥後0.5〜30μmであることが好ましい。
本発明の光拡散シートは、透明基材の少なくとも一方の面(片面または両面)に、上記塗布 用組成物が塗布 されてなるものである。
また、光拡散シート以外の液晶構成部材、例えば、防眩シート、偏光板、カラーフィルター、反射シート、導光板等に光拡散 性の付与が必要な場合は、これらについても本発明の塗布用組成物を塗布することができる。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。実施例において部及び%とあるのは、特に指定のない限り、すべて重量基準であるものとする。
合成例1(既架橋微粒子の合成例)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管のついた反応器にメタノール60.0部、水24.3部、メチルメタクリレート(和光純薬製)13.5部、ベンジルメタクリレート(和光純薬製)0.75部、アリルメタクリレート(和光純薬製)0.75部を仕込み、窒素ガスを流し溶存酸素を除去した。反応器を60℃に加熱後、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V-50、和光純薬製)0.025部をイオン交換水0.5部に溶解したものと2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(V-65、和光純薬製)0.025部を同時に添加し6時間加熱攪拌した後、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)を0.015部添加し、さらに2時間加熱攪拌を行い、固形分15%、粒径1.69μm、変動係数3.25%の単分散既架橋微粒子分散液を得た。
濾過によりポリマー粒子を分離し、スプレードライヤーで乾燥して単分散既架橋微粒子粉体1を得た。
合成例2〜4、比較製造例1(既架橋微粒子の合成例)
予め反応容器に仕込むメタノール、水、非イオン性開始剤の種類、仕込み量を表1に示す量とした以外は合成例1と同様にして、既架橋微粒子粉体2〜5を得た。
比較製造例2
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管のついた反応器にメチルメタクリレート40.0部、ノルマルブチルメタクリレート20.0部、スチレン20.0部、ジビニルベンゼン20.0部を入れて混合した後、過酸化ベンゾイル1.5部を添加し、溶解させた。
別にイオン交換水300.0部にポリビニルアルコール2.0部を添加して溶解させた溶液を調製し、この溶液を上記のガラス製反応容器に加え、ホモミキサーで激しく攪拌して分散させた。この反応器に窒素ガス導入管、温度計およびコンデンサーを装着して、窒素ガスを導入してパージした後、分散液を攪拌しながら80℃に加熱した。
この温度を8時間維持した後、得られた懸濁液を室温まで冷却し、濾過することにより微粒子と分散媒であるポリビニルアルコール水溶液とを分離した。
得られた微粒子をメチルアルコール100.0重量部に再分散し、1時間攪拌した後、濾過により微粒子を分離し、スプレードライヤーで乾燥した。
こうして得られた微粒子(非分級粒子)の平均粒子径およびCV値を求めたところ、平均粒子径は22.4μm、CV値は47.2%であった。この粒子を風力分級して平均粒子径13.7μm、変動係数(CV値)13.3%の微粒子粉体を得た。
実施例1(光拡散層形成用塗料の調整、光拡散シートの製造及びその評価)
(有機バインダー溶液の調整)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管のついた反応器にポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡績(株)製)25.0部、メチルエチルケトン25.0部、トルエン35.0部を入れ、60℃に加温して樹脂を溶解し、固形分約29.4%のポリエステル樹脂溶液を得た。
(光拡散層形成用塗料の調整)
合成例1で得た既架橋粒子粉体:15部と、上記ポリエステル樹脂溶液:85部とを混合して、光拡散層形成用塗料を得た。
(光拡散シートの製造及びその評価)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、上記光拡散層形成用塗料を、バーコーターを用いて塗布、熱風乾燥して、膜厚10μmの光拡散層を形成した。
また、同様のPETシート上に、上記ポリエステル樹脂溶液(微粒子を含まない)を同様に塗布、乾燥した塗布物をブランクとして作製した。
光拡散層を形成した光拡散シートの外観、光透過性、光拡散性を以下のようにして評価した。
<外観> 得られた光拡散シートの表面に室内蛍光灯を反射させ、目視観察で表面状態を評価した。
○・・・蛍光灯の輪郭が認められず、均一な表面状態である。
△・・・蛍光灯の輪郭は認められないが、表面状態が均一ではない。
×・・・蛍光灯の輪郭が部分的にあるいは全体に認められる。
<光透過性> ヘーズメーター((株)村上色彩研究所製;HM−150)所製)で全光線透過率を測定した。
○・・・透過率が85%以上であるもの。
△・・・透過率が70%以上85%未満のもの。
×・・・透過率が70%未満のもの。
<光拡散性> 変角光度計((株)村上色彩研究所製;GP-1R)を用いて0゜、10゜、30゜、45゜、75゜、90゜の各角度における光拡散シートの透過光強度を測定した。
0゜方向の透過光強度を100とした場合の各角度での相対透過光強度を、横軸を角度、縦軸を相対強度として座標系にグラフ化した場合に描かれる曲線と横軸および縦軸とによって囲まれる部分の面積を算出した。
さらにブランクについても同様の操作を行い、双方の比を求めた。
また上記測定で得られた角度45゜での相対透過光強度について、ブランクとの比を求めた。
○・・・グラフの面積の比が200%以上であり、かつ45゜での相対強度の比が500%以上である。
△・・・グラフの面積の比が200%以上であるか、または、45゜での相対強度の比が500%以上のいずれか一方を満たすが、両者の条件を同時には満たさない。
×・・・グラフ面積の比が200%未満であり、かつ45゜での相対強度の比が500%未満である。
実施例2〜4、比較例1〜4
各合成例、各比較合成例で得られた既架橋粒子粉体と、実施例1で用いたポリエステル樹脂溶液とを表2に示す組成で混合して、光拡散層形成用塗料を得、以下実施例1と同様にして評価した。
Figure 2005239837
Figure 2005239837

Claims (5)

  1. フッ素基含有モノマーを除く非架橋性モノマー(A)と架橋性モノマー(B)とを溶媒中で開始剤を用いて重合させてなる既架橋性粒子であって、開始剤として下記式(1)または下記式(2)で表される重合開始剤の少なくとも一方と非イオン性開始剤とを併用し重合してなる既架橋微粒子と、有機バインダーとを含むことを特徴とする光拡散塗膜形成用塗料。
    Figure 2005239837
    Figure 2005239837
  2. 既架橋微粒子の平均粒子径が1〜8μmの範囲であり、かつ粒子径分布の変動係数が10%以下であることを特徴とする請求項1記載の光拡散塗膜形成用塗料。
  3. 有機バインダーが、ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の光拡散塗膜形成用塗料。
  4. 請求項1ないし3いずれか記載の光拡散塗膜形成用塗料をシート状基材の少なくとも一方の面に塗布し、光拡散塗膜を形成してなる光拡散シート。
  5. シート状基材が透明であることを特徴とする請求項4記載の光拡散シート。

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