JP2007063344A - 親水性基含有既架橋微粒子分散液 - Google Patents

親水性基含有既架橋微粒子分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】
親水性基含有エチレン不飽和単量体の種類、量を適切にすることで、樹脂粒子とは別に生成する、重合溶剤に可溶な遊離の成分を、1重量%以下に抑え、洗浄工程を経ずに使用しても耐水性、密着性等の物性が低下しない既架橋微粒子分散液を提供する。
【解決手段】
分散安定剤の非存在下、親水性基含有エチレン性不飽和単量体1〜5重量%および他のエチレン性不飽和単量体95〜99重量%を、溶剤中で、特定の構造を有する重合開始剤を用いて重合させてなる既架橋微粒子分散液であって、前記微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分が全単量体量の1重量%以下であることを特徴とする既架橋微粒子分散液。
【選択図】なし。

Description

本発明は、親水性基を含有する既架橋微粒子分散液に関する。この親水性基含有既架橋微粒子分散液は、塗料、粘着剤、接着剤、液晶用光学機能性塗液等に関する。
従来より、既架橋微粒子は、塗料、粘着剤、接着剤、液晶用光学機能性塗液等の樹脂中に添加され、艶消し性、滑性、光学的性質の付与等に使用されている。これらの樹脂物性は、微粒子の組成、及び粒子径に大きく依存しており、任意の粒子径、粒度分布を再現良く製造する方法については、多くの検討がなされてきた。
しかし、多くの微粒子製造法では任意の粒子径、粒度分布を有する樹脂粒子を得ても、樹脂粒子製造時に使用している界面活性剤、分散安定剤等が塗膜の耐水性、耐熱性、密着性等の物性に悪影響を及ぼすため、微粒子製造後、洗浄工程が必須となる場合が生じていた。
そこで、本発明者らは、特開2001−278907号公報、特開2004−83709号公報に特定の開始剤を使用する事により、分散安定剤非存在下で任意の粒子径、粒度分布を有する既架橋微粒子合成法を開示した。
また、本発明者らは、特開2004−83708号公報において、既架橋微粒子へ親水性基を導入することで、貯蔵安定性の向上、あるいは樹脂中の分散性向上等の効果を見出している。
しかし、親水性基含有エチレン性不飽和単量体の種類・量に関しては充分な検討がなされておらず、親水性基含有エチレン性不飽和単量体の種類、量によっては、樹脂粒子とは別に、重合溶剤に可溶な遊離の成分が生成し、耐水性、耐熱性、密着性等の物性の低下が生じることが判明した。
特開2001−278907号公報 特開2004−83709号公報 特開2004−83708号公報
すなわち、本発明の目的は、親水性基含有エチレン不飽和単量体の種類、量を適切にすることで、樹脂粒子とは別に生成する、重合溶剤に可溶な遊離の成分を、1重量%以下に抑え、洗浄工程を経ずに使用しても耐水性、密着性等の物性が低下しない既架橋微粒子分散液を提供することにある。
本発明は、分散安定剤の非存在下、親水性基含有エチレン性不飽和単量体1〜5重量%および他のエチレン性不飽和単量体95〜99重量%を、溶剤中で、下記式(1)もしくは下記式(2)で表される重合開始剤を用いて重合させてなる既架橋微粒子分散液であって、前記微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分が全単量体量の1重量%以下であることを特徴とする既架橋微粒子分散液に関する。
式(1)
Figure 2007063344


[式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基または芳香族基を示す。]

式(2)
Figure 2007063344


[式中、R及びRは、それぞれ独立にアルキレン基または2価の芳香族基を示す。]
また、親水性基含有エチレン性不飽和単量体の水に対する溶解度が、15重量%以下であることが好ましい。次に、他のエチレン性不飽和単量体が、重合性不飽和カルボン酸残基およびビニル基を有することが好ましい。
さらに、上記式(1)もしくは上記式(2)で表される重合開始剤とノニオン性重合開始剤を併用することが好ましい。
本発明において、既架橋微粒子は、実質的に均一な粒子径を有し、かつ、既架橋微粒子の平均粒子径が0.1〜5μmであることが好ましい。また、重合時の溶剤が、水とアルコールとの混合溶剤であることが好ましい。
本発明は、分散安定剤の非存在下、親水性基含有エチレン性不飽和単量体1〜5重量%および他のエチレン性不飽和単量体95〜99重量%を、溶剤中で、上記式(1)もしくは上記式(2)で表される重合開始剤を用いて重合させてなる既架橋微粒子分散液の製造方法であって、前記微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分が全単量体量の1重量%以下であることを特徴とする既架橋微粒子分散液の製造方法に関する。
本発明により、洗浄工程を経ずに樹脂中に添加しても、耐水性、耐熱性、密着性等の物性が低下しない、親水性基含有単分散既架橋微粒子分散液を得ることができる。
また、洗浄工程を省略できるため簡易にハンドリングの良い微粒子を製造できる。
本発明でいう既架橋微粒子分散液とは、重合終了時に粒子内部が架橋された微粒子の分散液のことを言い、得られる微粒子は、粒子内部の架橋により耐溶剤性、耐熱性に優れており、ストリッピング法等により任意の溶剤に置換した状態で提供できる。
本発明の親水性基含有エチレン性不飽和単量体は、水との相互作用の強い極性基を有する化合物であり、重合溶剤に溶解し、他のエチレン性不飽和単量体と共重合を起こす化合物のうち、水に対する溶解度が15重量%以下の化合物であれば良い。水に対する溶解度が15重量%より多いと、重合時に生成する重合溶剤に可溶な成分が1重量%より多くなり、洗浄工程を経なければ、耐水性、耐熱性、あるいは密着性低下を抑えることが出来ない。
親水基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明でいう水に対する溶解度が15重量%以下の親水基含有エチレン性不飽和単量体としては、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ヒドロキシプロピルフタル酸2−メタクリロキシエチル、4−ヒドロキシビニルベンゼン等のヒドロキシ含有不飽和化合物;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸2−メタクリロキシエチル、マレイン酸2−メタクリロキシエチル、フタル酸2−メタクリロキシエチル、イソフタル酸2−メタクリロキシエチル、テレフタル酸2−メタクリロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロキシエチル等のカルボキシル基含有不飽和化合物;
メタクリル酸ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン等のジアルキルアミノ基含有不飽和化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。また、これらは2種以上を併用して用いることも出来る。
親水基含有エチレン性不飽和単量体は、単量体の全量を基準として1〜5重量%含まれることが好ましい。1重量%未満であると、導入による効果が得られず、5重量%以上では、重合時に生成する重合溶剤に可溶な成分が1重量%より多くなり、耐水性、耐熱性、密着性の低下を引き起こす。
本発明の他のエチレン性不飽和単量体には、架橋性単量体と非架橋性単量体があり、これらを併用することが望ましい。
架橋性単量体は、架橋性を与えるための官能基を有している二官能性あるいは三官能性以上の多官能単量体であり、架橋剤として機能する。架橋性単量体が有する官能基のうち少なくとも1つは、非架橋性単量体と共重合させるために必要であり、他の官能基は、架橋性を与えるための官能基として機能する。
架橋性単量体が有する架橋性を与えるための官能基としては、(メタ)アクリル酸残基、ビニル基、アルコキシシリル基等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、これらの官能基による架橋としては、(メタ)アクリル酸残基、ビニル基等のラジカル重合による架橋、アルコキシシリル基の加水分解と重縮合反応による架橋等が挙げられる。中でも、樹脂微粒子合成時に起こる(メタ)アクリル酸残基、ビニル基等のラジカル重合による架橋が好ましい。
架橋性単量体としては、重合時の樹脂微粒子の凝集及び多分散化が起こりにくく、得られる樹脂微粒子の耐熱性も良いと言う点から、反応性が異なる官能基を有する単量体が好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸残基、クロトン酸残基、マレイン酸残基、イタコン酸残基等の重合性不飽和カルボン酸残基と、前記重合性不飽和カルボン酸残基以外の反応性官能基とを有する単量体が好ましく、特に(メタ)アクリル酸残基およびビニル基を有するエチレン性不飽和単量体が望ましい。
前記重合性不飽和カルボン酸残基以外の反応性官能基としては、ビニル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
ビニル基としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基等の炭素数1〜11の不飽和基含有アルキル基;スチリル基、シンナミル基等の不飽和基含有芳香族基等が挙げられる。
アルコキシシリル基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等のアルコキシシリル基等が挙げられる。
架橋性単量体のうち、(メタ)アクリル酸残基およびビニル基を有するエチレン性不飽和単量体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸1−メチルアリル、(メタ)アクリル酸2−メチルアリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロルアリル、(メタ)アクリル酸3−クロルアリル、(メタ)アクリル酸o−アリルフェニル、(メタ)アクリル酸2−(アリルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリルラクチル、(メタ)アクリル酸シトロネリル、(メタ)アクリル酸ゲラニル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
他の架橋性単量体としては、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル等のアルコキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ジアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリアクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリル酸等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有単量体類;ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニル等のジビニル類;イソフタル酸ジアリル、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル等のジアリル類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
架橋性単量体は、2種以上を組み合わせて用いることができる。また、架橋性不飽和単量体の共重合比は、単量体の全量を基準として5〜20重量%であることが好ましい。
非架橋性単量体は、架橋性を与えるための官能基を有さない単量体であり、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、クロルスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。また、これらは2種以上を併用して用いることも出来る。
中でも、単分散性の良い微粒子が得られるという点で、疎水性の非架橋性単量体の併用が望ましい。疎水性の非架橋性単量体とは、20℃における水への溶解度が、2.0×10−3g/cm以下の単量体を表し、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボニル、メタクリル酸フェニル等が挙げられる。疎水性の非架橋性単量体は、非架橋性単量体の全量を基準として、0〜50重量%であることが好ましい。
さらに、Tg、屈折率等の物性を得るため、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸ヘキサフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸オクタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸ヘプタデカフルオロデシル等のフッ素基含有(メタ)アクリル酸エステルを非架橋性単量体の全量を基準として0〜95重量%併用しても良い。
親水性基含有エチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体を共重合させる際に用いられる溶剤は、前記単量体が均質に溶解し、かつ前記単量体を重合して得られる既架橋微粒子が不溶になるものより選ばれる。このような溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、メチルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類;前記溶剤と水との混合溶剤等が挙げられ、これらの溶剤は2種以上を混合して用いることができる。中でも、メタノール、エタノール、またはこれらと水の混合溶剤が好ましく、混合溶剤中の水の量は、0〜70重量%が好ましい。
前記単量体の共重合は、単量体の量が溶剤量を基準として5〜30重量%となる単量体濃度で行うことが好ましい。
重合開始剤としては、上記式(1)で表される重合開始剤もしくは上記式(2)で表される重合開始剤が用いられる。これらの重合開始剤は、カチオン性の水溶性アゾ重合開始剤であり、これらの重合開始剤を用いることにより、得られる既架橋微粒子の分子末端をカチオン性にすることができる。
上記式(1)もしくは上記式(2)で表される重合開始剤は、前記単量体の全量に対して0.01〜0.3重量%の比率で用いることが好ましい。
式(1)
Figure 2007063344

式(1)中のR1及びR4は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基または芳香族基を示す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、芳香族基としては、フェニル基、ベンジル基等が挙げられる。アルキル基及び芳香族基は、水酸化またはハロゲン化されていても良い。水酸化アルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。また、水酸化芳香族基としては、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシベンジル基等が挙げられ、ハロゲン化芳香族基としては、クロロフェニル基、クロロベンジル基等が挙げられる。
式(1)で表される重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビス[2−(フェニルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−545、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−クロロフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−546、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−ドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−548、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−552、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−553、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V−50、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−558、和光純薬製)等が挙げられる。
式(2)
Figure 2007063344

また、式(2)中のR3及びR4は、それぞれ独立にアルキレン基または2価の芳香族基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、2価の芳香族基としては、フェニレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。アルキレン基は、水酸化されていても良い。水酸化アルキレン基としては、ヒドロキシメチレン基、ヒドロキシエチレン基等が挙げられる。
式(2)で表される重合開始剤の例としては、2,2−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−041、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−044、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−054、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−058、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(VA−059、和光純薬製)、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロリド(VA−060、和光純薬製)、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](VA−061、和光純薬製)等が挙げられる。
親水性基含有エチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体を共重合させる際には、得られる既架橋微粒子の粒子径を制御するために、上記式(1)もしくは上記式(2)で表されるカチオン性の水溶性アゾ重合開始剤と共に、ノニオン性重合開始剤を併用することが好ましい。ノニオン性重合開始剤を併用することにより、既架橋微粒子の平均粒子径を0.1〜5μmの範囲に調整することが容易となる。また、カチオン性の水溶性アゾ重合開始剤のみを使用すれば、既架橋微粒子の平均粒子径を0.1〜2μmの範囲に調整することが容易となる。
ノニオン性重合開始剤は、重合溶剤に溶解し、熱によりラジカルを発生するもので、得られる重合体の分子末端がイオン性にならない化合物である。ノニオン性重合開始剤としては、アゾニトリル化合物、アルキルアゾ化合物、アゾアミド化合物等のノニオン性アゾ重合開始剤や、ケトンパーオキサイド類、パーオキシケタール類、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシジカーボネート類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物を用いることができる。
アゾニトリル化合物としては、例えば、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V−40、和光純薬製)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド(V−30、和光純薬製)、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチル−バレロニトリル(V−19、和光純薬製)等が挙げられる。
アルキルアゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)(VR−110、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)(VR−160、和光純薬製)等が挙げられる。
アゾアミド化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}(VA−080、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}(VA−082、和光純薬製)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}(VA−085、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド](VA−086、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)ジハイドレート(VA−088、和光純薬製)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド](VF−096、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)(VAm−110、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)(Vam−111、和光純薬製)等が挙げられる。
ケトンパーオキサイド類としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド(パーメックH、日本油脂製)、シクロヘキサノンパーオキシド(パーヘキサH、日本油脂製)、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド(パーヘキサQ、日本油脂製)、メチルアセトアセテートパーオキサイド(パーキュアーSA、日本油脂製)、アセチルアセトンパーオキサイド(パーキュアーA、日本油脂製)等が挙げられる。
パーオキシケタール類としては、例えば、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂製)、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサHC、日本油脂製)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサ3M、日本油脂製)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC、日本油脂製)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン(パーヘキサCD、日本油脂製)、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン(パーヘキサ22、日本油脂製)、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート(パーヘキサV、日本油脂製)、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン(パーテトラA、日本油脂製)等が挙げられる。
ヒドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH−69、日本油脂製)、p−メンタンヒドロパーオキサイド(パーメンタH、日本油脂製)、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド(パークミルP、日本油脂製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、クメンヒドロパーオキサイド(パークミルH−80、日本油脂製)、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド(パーヘキシルH、日本油脂製)等が挙げられる。
ジアルキルパーオキサイド類としては、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3(パーヘキシン25B、日本油脂製)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、t−ブチルクミルパーオキシド(パーブチルC、日本油脂製)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)、ジクミルパーオキシド(パークミルD、日本油脂製)、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(パーブチルP、日本油脂製)等が挙げられる。
ジアシルパーオキサイド類としては、例えば、オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等が挙げられる。
パーオキシジカーボネート類としては、例えば、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP−50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−50、日本油脂製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等が挙げられる。
パーオキシエステル類としては、例えば、α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(パーブチル355、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシラウレート(パーブチルL、日本油脂製)、2,5−ジメチル2,5−ビス(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25MT、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート(パーブチルE、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート(パーヘキシルZ、日本油脂製)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25Z、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシアセテート(パーブチルA、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート(パーブチルZT、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(パーブチルZ、日本油脂製)、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート(パーブチルIF、日本油脂製)等が挙げられる。
上記以外の有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート(ペロマーAC、日本油脂製)、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド(パーブチルSM、日本油脂製)、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB−50、日本油脂製)、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(ノフマーBC、日本油脂製)等が挙げられる。
中でも、10時間半減期温度の低いノニオン性ラジカル重合開始剤を使用することにより、少量で効果的に既架橋微粒子の平均粒子径を0.1〜5μmの範囲に調整できる。
ノニオン性重合開始剤は、前記単量体の全量に対して0〜10重量%の比率で用いることができ、前記カチオン性の水溶性アゾ重合開始剤と同時に添加することが好ましい。
既架橋微粒子は、例えば、前記溶剤中に前記親水性基含有エチレン性不飽和単量体および前記他のエチレン性不飽和単量体を均一に溶解し、溶存酸素を除去、60℃に加熱後、前記カチオン性水溶性アゾ重合開始剤をイオン交換水に溶解したものを、必要に応じて前記ノニオン性重合開始剤と同時に添加し、3〜10時間加熱攪拌する方法で合成される。
あるいは、前記溶剤中に前記他のエチレン性不飽和単量体を均一に溶解し、溶存酸素を除去、60℃に加熱後、前記カチオン性水溶性アゾ重合開始剤をイオン交換水に溶解したものを、必要に応じて前記ノニオン性重合開始剤と同時に添加し、3〜10時間加熱攪拌し、得られた既架橋微粒子分散液中に前記親水性基含有エチレン性不飽和単量体および前記他のエチレン性不飽和単量体を溶解し、前記ノニオン性重合開始剤を添加し、3〜10時間加熱攪拌する方法で合成される。
重合後の転化率が充分でない時は、重合終了後に、単量体全量に対し0.1〜2重量%の重合開始剤を添加する。重合終了後に添加する開始剤としては、通常の油溶性ラジカル重合開始剤であれば問題なく使用できる。例えば、アゾニトリル化合物;ジアシルパーオキサイド類、パーオキシジカーボネート類、ヒドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
既架橋微粒子は、耐熱性、耐溶剤性に優れた変動係数が5%以下の粒度分布を有する単分散微粒子として得られる。なお、変動係数は、微粒子の直径を光学顕微鏡で観察して実測し、標準偏差を平均値で除した値の百分率で表されるものである。また、単量体の組成、重合溶剤中の水の量、ノニオン性重合開始剤の量を調整することにより、0.1〜5μmの範囲で所望する平均粒子径の粒子が得られる。
本発明においては、水と有機溶剤の混合溶剤を用いて、水/有機溶剤の比率を調整することで、任意の粒子径の樹脂微粒子を得ることができる。水と有機溶剤に対する溶解度によるものと推定できる。さらには、併用する前記ノニオン性重合開始剤の量を調整することにより、任意の粒子径の樹脂微粒子を得ることができる。
本発明の既架橋微粒子は耐熱性、耐溶剤性に優れており、樹脂粒子とは別に生成する、重合溶剤に可溶な遊離の成分が少ない。重合溶剤に可溶な遊離の成分は、粒子作成時に粒子へ組み込まれなかった親水性基含有エチレン性不飽和単量体を含む低分子量の重合体であり、通常は洗浄工程により取り除かなければならない。本発明では、洗浄工程を経ず、得られた既架橋微粒子を溶解しない任意の溶剤中に、ストリッピング等の工程を用いて分散し、そのまま基材樹脂中へ添加することができる。この方法を用いることで、乾燥工程を経ないため、粒子同士が凝集することなく、一次粒子で分散した状態のまま、既架橋微粒子分散液が得られる。また、この工程で、既架橋微粒子分散液の濃度を1〜50重量%まで任意に変えることも出来る。50重量%より高くなると粒子間の距離が小さくなり安定な分散状態を保つ事が出来ず、粒子同士の凝集が起こる。
実施例により本発明を具体的に説明する。実施例において部及び%とあるのは、特に指定のない限り、すべて重量基準であるものとする。
(実施例1)
攪拌機、還流冷却器、温度計、窒素導入管のついた反応器にメタノール62.0部、水23.0部、ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロキシエチル(共栄社化学製「ライトエステルHO−HH」)0.38部、メタクリル酸メチル(和光純薬製)12.0部、メタクリル酸アリル(和光純薬製)0.75部、メタクリル酸ベンジル(和光純薬製)0.75部を仕込み、窒素ガスを流し溶存酸素を除去した。反応器を60℃に加熱後、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(V−50、和光純薬製)0.025部をイオン交換水0.5部に溶解したものと2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)0.01部を同時に添加し6時間加熱攪拌した後、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)を0.015部添加し、さらに2時間加熱攪拌を行い、固形分15%、粒径2.02μm、変動係数1.73%の単分散既架橋微粒子分散液を得た。
(実施例2〜4、比較例1〜2)
予め反応容器に仕込むメタノール、水、モノマーの種類、組成比、開始剤の種類、仕込み量を表1に示す量で仕込む以外は実施例1と同様に重合し、単分散既架橋微粒子分散液を得た。
本発明における既架橋微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分の量は、得られる既架橋微粒子分散液を遠心分離後、得られた上澄みの固形分を測定し、算出した。
既架橋微粒子の平均粒子径及び変動係数は、光学顕微鏡(OLYMPUS製 BX60)にて観察し得られた画像を、画像解析・計測ソフトウェア(三谷商事製WinRoof Standard Ver.5.0)を用い、微粒子の直径を実測し、算出した。
既架橋微粒子分散液の評価には、基材樹脂として下記アクリル樹脂溶液を使用する。
(アクリル樹脂溶液の調製)
反応容器にイオン交換水56.0部、20重量%のアンモニウム=α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン(10)水溶液2.5部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度で20重量%の過硫酸アンモニウム水溶液2.5部を添加後、以下の混合物を約3.6g/10分の速度で滴下した。滴下終了後、さらに0.5時間反応後、得られた水性分散体に25%アンモニア水1.6部を添加し、中和物水溶液を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート 2.5部
メタクリル酸 5.8部
アクリル酸 1.7部
β−メルカプトプロピオン酸 0.7部
得られた中和物水溶液に、5重量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液1.4部及び5重量%のイソアスコルビン酸ナトリウム水溶液1.2部を添加し、同時に以下に示す単量体、反応性界面活性剤及びイオン交換水をあらかじめ乳化混合したプレエマルジョンを約16g/10分の速度で滴下した。滴下終了後、更に2時間反応させ、固形分50.0%、粒子径60nmのアクリル樹脂溶液を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート 67.0部
メタクリル酸メチル 8.0部
メタクリル酸 14.2部
アクリル酸 0.3部
メタクリル酸アセトアセトキシエチル 0.5部
20重量%アンモニウム=α−スルホナト
−ω−1−(アリルオキシメチル)
アルキルオキシポリオキシエチレン(10)水溶液 10.0部
イオン交換水 29.8部
実施例及び比較例で得られた既架橋微粒子分散体をストリッピング法により50重量%の水分散体とした後、上記アクリル粘着剤樹脂溶液100gに、50重量%既架橋微粒子水分散体10gを混合し、得られた樹脂塗液を剥離紙に2mil.アプリケーターで塗工、105℃で1分乾燥後、50μPETフィルムを貼付して粘着剤塗工物を得た。塗工物を23℃、湿度65%で24時間以上放置後、25mm巾10cm長さの粘着剤塗工物試験片を得た。
密着性の評価は、上記塗工物試験片の剥離紙を剥がし、粘着剤層をSUS版に接触させ、2Kgロールを1往復させて貼付し、24時間以上放置後に180度、300mm/minの速度で引張試験を行い評価した。
耐水性の評価は、上記塗工物試験片を60℃の温水に3日間浸漬後、白化具合を目視で評価した。
実施例及び比較例で得られた結果を表1に示す。
Figure 2007063344

HO−HH:ヘキサヒドロフタル酸2−メタクリロキシエチル(共栄社化学製:ライトエステルHO−HH)
MMA:メタクリル酸メチル
AMA:メタクリル酸アリル
BzMA:メタクリル酸ベンジル
M−3F:2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレート
AA:アクリル酸
V−50:2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬製:V−50)
V−70:2,2’−アゾビス(4ーメトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製:V−70)
VA−044:2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬製:VA−044)
耐水性について
○:白化、膨れは認められなかった。
×:白化、膨れが認められた。
比較例1は、実施例1と同様の親水性基含有エチレン不飽和単量体を10重量%共重合し、比較例2では水への溶解度が15重量%より高い親水基含有エチレン性不飽和単量体を共重合しており、共に重合溶剤に可溶な成分が1重量%より多く、耐水性、密着性が悪化している。
一方、実施例では水への溶解度が15重量%以下の親水性基含有単量体を単量体全体の1〜5重量%共重合したため、重合溶剤に可溶な成分が1重量%以下であり、耐水性、密着性への効果が顕著に表れている。
本発明の既架橋微粒子分散液は、充填剤、塗料用添加剤など幅広く用いることができる。また、粒子径がそろっているところから、隔壁剤、空間調整剤などに、あるいは、屈折率を制御することで、光拡散剤、光干渉剤などの利用が期待できる。











Claims (7)

  1. 分散安定剤の非存在下、親水性基含有エチレン性不飽和単量体1〜5重量%および他のエチレン性不飽和単量体95〜99重量%を、溶剤中で、下記式(1)もしくは下記式(2)で表される重合開始剤を用いて重合させてなる既架橋微粒子分散液であって、前記微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分が全単量体量の1重量%以下であることを特徴とする既架橋微粒子分散液。
    式(1)
    Figure 2007063344
    [式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基または芳香族基を示す。]

    式(2)
    Figure 2007063344
    [式中、R及びRは、それぞれ独立にアルキレン基または2価の芳香族基を示す。]
  2. 親水性基含有エチレン性不飽和単量体の水に対する溶解度が、15重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の既架橋微粒子分散液。
  3. 他のエチレン性不飽和単量体が、重合性不飽和カルボン酸残基およびビニル基を有することを特徴とする請求項1または2記載の既架橋微粒子分散液。
  4. 上記式(1)もしくは上記式(2)で表される重合開始剤とノニオン性重合開始剤を併用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の既架橋微粒子分散液。
  5. 既架橋微粒子が、実質的に均一な粒子径を有し、かつ、既架橋微粒子の平均粒子径が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の既架橋微粒子分散液。
  6. 溶剤が、水とアルコールとの混合溶剤であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の既架橋微粒子分散液。
  7. 分散安定剤の非存在下、親水性基含有エチレン性不飽和単量体1〜5重量%および他のエチレン性不飽和単量体95〜99重量%を、溶剤中で、下記式(1)もしくは下記式(2)で表される重合開始剤を用いて重合させてなる既架橋微粒子分散液の製造方法であって、前記微粒子分散液重合時に生成する、重合溶剤に可溶な成分が全単量体量の1重量%以下であることを特徴とする既架橋微粒子分散液の製造方法。
    式(1)
    Figure 2007063344
    [式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基または芳香族基を示す。]

    式(2)
    Figure 2007063344
    [式中、R及びRは、それぞれ独立にアルキレン基または2価の芳香族基を示す。]
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016166305A (ja) * 2015-03-10 2016-09-15 東洋インキScホールディングス株式会社 ポリビニルアルコール系組成物

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