JP2005239709A - 消炎鎮痛外用剤 - Google Patents

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【課題】 本発明は、NSAIDとしてエトドラクを含有する外用剤であって、皮膚透過性に優れるのみならず、皮膚よりも深い部分にある組織における浸透性や拡散性に優れ、炎症や痛みのある筋肉や関節組織などに直接作用できる上に、皮膚刺激性が少ない消炎鎮痛外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の消炎鎮痛外用剤は、エトドラクおよび局所麻酔剤を含有することを特徴とする。

Description

本発明は、消炎鎮痛効果を有する外用剤に関するものである。
従来、消炎鎮痛剤として非ステロイド系消炎鎮痛剤(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs,以下、「NSAID」という)が知られている。このNSAIDは、痛みを増強する代謝経路であるアラキドン酸カスケードのうち最初の反応を触媒するシクロオキシゲナーゼ(以下、「COX」という)を阻害することによって、炎症や発痛に関わるプロスタグランジンの生成を抑制するという作用を有する。
ところがプロスタグランジンは、炎症や発痛といった作用の他にも多彩な作用を発揮するものであるため、NSAIDの投与によりプロスタグランジンの生成を必要以上に抑制すると、重篤な副作用が生じる場合がある。例えば、COXの作用が抑制されると、代わりにリポキシゲナーゼの活性が亢進してロイコトリエンが増えることにより胃液の分泌が減少すると同時に、消化管粘膜を破壊する活性酸素が増え、潰瘍が発生する。他にも、腎機能障害,肝機能障害,皮膚の発疹などの副作用が知られており、特に命に関わるものとしてアスピリン喘息が誘発される場合がある。
そこで、NSAIDについて、これら副作用を比較的生じ難い外用剤としての開発が進められてきた。つまり、NSAIDを経皮にて患部へ送達することによって、全身的な副作用を低減し、薬剤濃度を患部局所で高めることができ得る。
しかし、NSAIDの中には皮膚透過性が極めて悪く、外用剤として投与した場合の効果が、経口投与した場合に比べて極端に低下するものがある。そこで、NSAIDの皮膚透過性を改善する技術が種々検討されている。
例えば特許文献1に記載の発明は、NSAIDと局所麻酔剤を含む外用消炎鎮痛剤組成物であり、皮膚透過性の改善を解決課題としている。そして、当該文献の実施例では、NSAIDであるロキソプロフェンナトリウムと局所麻酔剤を含む組成物が調製されており、その皮膚透過性の評価試験が記載されている。
しかし、皮膚透過性のみの評価は、NSAIDのドラッグデリバリーシステムの価値を決定するには決して満足できるものではない。なぜなら、痛みを発する部位は筋肉組織や関節組織であり、NSAIDが到達すべき点は、毛細血管が存在する皮膚表面部ではなく、筋肉組織等が存在するさらに深部だからである。つまり、皮膚透過性や血中濃度のみが改善されても、筋肉組織等における浸透拡散性を有し、薬剤が患部へ直接作用できるとは限らない。実際、本発明者らによる知見によれば、NSAIDによっては、局所麻酔剤を添加することにより組織における浸透拡散性がかえって低下するものがある。それにもかかわらず、従来の製剤設計では、真皮より深い部位への浸透性や拡散性は、全く考慮されていなかったのが現状である。
さらに、高い皮膚透過性を示す製剤であっても、深部までNSAIDを浸透拡散することができないとすれば薬剤は皮膚の表面部で留まるを得ず、皮膚刺激による安全性の低下などの二次的な障害を引き起こしかねない。その上、皮膚表面の内側でNSAIDの濃度が高まると皮膚外側に存在する薬剤との濃度勾配が減少し、吸収効率が低下すると考えられる。その結果、外用製剤中でのNSAIDの含有量を高めても吸収量は上がらず、その効果も向上しないため、これまでの外用剤におけるNSAID濃度はせいぜい1%程度であり、それ以上添加しても効果は飽和するとされていた。
特許文献1の発明と同様に、NSAIDと局所麻酔剤を含む製剤は他にも知られている。例えば特許文献2には、炎症部位と末梢神経系の両方に作用させるという観点から、局所麻酔剤とNSAIDを含有する外用貼付剤が記載されており、NSAIDの具体例としてインドメタシン等が例示されている。しかし、エトドラクに関する記述はなく、且つ当該文献には実施例として官能試験結果が開示されているものの、皮膚透過性等に関する記載はない。
また、特許文献3にも、カルボキシル基を有するNSAIDとアミノ基を有する局所麻酔剤等から形成される塩が記載されており、NSAIDの一例としてエトドラクも記載されている。しかし、当該文献に記載されている技術は、NSAIDの水溶性を低減することにより注射剤等の薬剤徐放性を高めるものであって、外用剤としての利用は志向されていない。従って、皮膚透過性や筋肉組織等における浸透拡散性については、一切記載も示唆もされていない。また、当該文献の実施例で実際に製造されている塩は、NSAIDとしてジフニサルを含むもののみである。
ところで、COXには、主に1型と2型のアイソザイムがある。COX-1は体内の大部分の組織で恒常的に発現しており、胃粘膜の保護作用など、生体の安定性を維持する役割を果たしていると考えられている。一方COX-2の通常における発現レベルは低いが、炎症性刺激等により誘導される。よって、COX-2を選択的に阻害できれば、生体ダメージを抑制しつつ、炎症等を低減できると考えられる。しかし、上述した特許文献で実施例として具体的に開示されているインドメタシンやジクロフェナク等のNSAIDは、COXを非選択的に阻害してしまう。よって、たとえこれら外用剤の皮膚透過性を高めても、薬剤血中濃度の上昇に伴う副作用が問題となり得、外用剤とすることの意味が無くなってしまう。
特開平14-128699号公報(特許請求の範囲,段落[0001],実施例1) 国際公開第01/047559号パンフレット(特許請求の範囲) 国際公開第03/099293号パンフレット(特許請求の範囲,実施例)
上述した様に、これまでにもNSAIDと局所麻酔剤を含む製剤は知られており、ロキソプロフェンを含む外用剤では、皮膚透過性の改善を考慮したものもある。しかし従来の技術では、皮膚より更に下部の筋肉や関節組織における浸透性や拡散性を考慮したものはなかった。さらに、本発明者らによる知見によれば、NSAIDと局所麻酔剤を含む製剤の筋肉組織における挙動は一様ではなく、局所麻酔剤を共存させることによって、却ってNSAIDの浸透拡散性が低下する場合もある。
そこで、本発明が解決すべき課題は、NSAIDを含有する外用剤であって、皮膚透過性に優れるのみならず、皮膚よりも深い部分にある組織における浸透性や拡散性に優れ、炎症や痛みのある筋肉や関節組織などに直接作用できる上に、皮膚刺激性が少ない消炎鎮痛外用剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、NSAIDを含む製剤について、特に筋肉組織等における浸透拡散性に優れる構成につき鋭意研究を重ねた。その結果、特異な化学構造のNSAIDであるエトドラクと局所麻酔剤を併用した製剤は、筋肉組織等における浸透拡散性が他の併用製剤に比べて顕著に高いことを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明の消炎鎮痛外用剤は、エトドラクおよび局所麻酔剤を含有することを特徴とする。
上記消炎鎮痛外溶剤においては、エトドラク1質量部に対する局所麻酔剤の割合が0.1〜1.5質量部であるものが好適である。同様に、エトドラクに対する局所麻酔剤のモル比が、0.1〜1.8であるものも好ましい。斯かる範囲であれば、本発明の目的を達成することができ、皮膚透過性や浸透拡散性に優れる製剤が得られるからである。
上記局所麻酔剤としては、リドカインが好ましい。後述する実施例によって、エトドラクとの組合せが好適であることが実証されているからである。
本発明に係る消炎鎮痛外用剤は、皮膚透過性に優れるのみならず、筋肉組織など皮膚深部での浸透性や拡散性が顕著に改善されている。その結果、薬剤吸収の鈍化が抑制されることから、製剤中にNSAID(エトドラク)を比較的多く添加しても、その作用効果をそのまま発揮することができる。また、従来のNSAID含有外用剤で問題となっていた皮膚刺激性も低減されている。従って、本発明の消炎鎮痛外用剤は、慢性関節リウマチ,変形性関節症,腰痛症等の慢性疼痛;肩関節周囲炎や腱鞘炎等の炎症性疾患;頸腕症候群;手術や外傷等による疼痛;等の治療や処置に用いられる製剤として極めて優れている。
本発明の消炎鎮痛外用剤は、エトドラクおよび局所麻酔剤を含有する点に要旨を有する。
本発明で使用されるエトドラクは、化学名を1,8-ジエチル-1,3,4,9-テトラヒドロピラノ[3,4-B]インドール-1-酢酸といい、これまでにも鎮痛消炎剤として用いられてきたものである。本発明では、公知方法により合成されたものや、或いは市販のエトドラクを使用すればよい。
NSAIDの化学構造は共通するものが多いことから、インドメタシンに代表されるインドール酢酸系,ジフニサル等のサリチル酸系,ロキソプロフェン等のフェニルプロピオン酸系,ジクロフェナク等のフェニル酢酸系,メロキシカム等のオキシカム酸系などに分類されることがある。しかし、優れたNSAIDとして知られているエトドラクは、下記の通り特異な化学構造を持ち、これら何れのカテゴリーにも分類されない。
Figure 2005239709
また、エトドラクはCOX-2の優れた選択的阻害剤である。従って、本発明の外用剤は皮膚透過性に優れているが、外用剤として投与した場合に血中濃度が高まっても、副作用の心配は少ない。その上、本発明外用剤は、筋肉組織等における浸透拡散性も有することから、エトドラクが皮膚表面部に沈滞し、毛細血管から吸収されて血中濃度のみが高まるということもなく、局部に作用させることができる。
本発明に使用される「局所麻酔剤」は、従来医療用局所麻酔剤として使用されているものであれば特に限定はされないが、例えばリドカイン,テトラカイン,プロカイン,ジブカイン,ベンゾカイン,ブピバカイン,メピバカインおよびこれらの塩を挙げることができ、これらより1種または2種以上を選択して使用することが好ましい。これら局所麻酔剤のうち、リドカインが特に好ましい。後述する実施例によって、優れた効果を発揮できることが実証されているからである。
また、使用される「局所麻酔剤」は、アミノ基などの陽イオン基を有するものが好ましい。当該陽イオン基とエトドラクのカルボキシル基がイオン会合することによって、それぞれのイオン基部分を疎水性部分により被覆して薬物動態を改善し、皮膚透過性,浸透拡散性および皮膚刺激性が改善されると考えられるからである。
本発明の外用剤に配合されるエトドラクの量は、外用剤全体に対して1〜50質量%が好ましい。配合量が1質量%未満であると鎮痛効果が不十分となる場合があり、50質量%を超えると副作用が強くなる傾向があり得るからである。本発明外用剤は、エトドラクの皮膚透過性と共に筋肉組織等における浸透拡散性が改善されているため、効果が飽和せず、配合量に応じた効果を発揮することができる、従って、エトドラク配合量は3質量%以上がより好ましく、5%以上が特に好ましい。また、同様の理由から、本発明の外用剤に配合される局所麻酔剤の配合量も、外用剤全体に対して1〜50質量%が好ましい。
本発明外用剤におけるエトドラクと局所麻酔剤の配合割合は、特に制限されないが、エトドラク1質量部に対する局所麻酔剤の割合を0.1〜1.5質量部とするのが好ましい。同様に、両者のモル比も特に制限されないが、エトドラク1に対する局所麻酔剤のモル比が0.1〜1.8となる様に配合するのが好ましい。斯かる範囲であれば、エトドラクの皮膚透過性や浸透拡散性を改善することができるからである。さらには、上記配合割合としては約0.2質量部以上,約1.1質量部以下、上記モル比としては約0.2以上,約1.3以下がより好適である。医薬品としての使用を考慮した上で、エトドラクと局所麻酔剤のモル数をおおよそ等しくすることにより、特に皮膚透過性や浸透拡散性に優れる製剤が得られるからである。但し、上記範囲は、いずれか一方の薬剤が多少過剰であっても本発明の目的を達成できることから、幅を持たせたものである。例えば、後述する実施例の通り、製剤中のエトドラク(分子量:287.35)とリドカイン(分子量:234.34)の量を等しくし、リドカインのモル数をエトドラクのモル数よりも多少多くしても、本発明に係る効果を十分に発揮することができる。
本発明に係る外用剤の剤型としては、例えば軟膏剤,ローション剤,エアゾール剤,硬膏剤,水性パップ剤などを挙げることができるが、外用剤として用いられている剤形であるならば、特に限定はされない。
本発明の外用剤には、必要に応じて基剤(例えば、天然ゴム,イソプレンゴム,ポリイソブチレン,スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体,スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体,スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体,(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体,ポリ(メタ)アクリル酸エステル,ポリイソブチレン,ポリブテン,液状ポリイソプレン等のゴム類;ワセリン,セタノール,ミツロウ,ラノリン,流動パラフィン等の油類,カルボキシビニルポリマー,アクリル酸デンプン,ポリアクリル酸ナトリウム,カルメロースナトリウム,ポリエチレングリコール等の水溶性高分子;クロタミトン;セバシン酸ジエチル;無水ケイ酸等),賦形剤(例えば、白糖などの糖類;デキストリンなどのデンプン誘導体;カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体;キサンタンガムなどの水溶性高分子等),着色剤,乳化剤,増粘剤,湿潤剤(例えば、グリセリン等),安定剤(例えば、メチルパラベン,プロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール,ベンジルアルコール,フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール,クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;ソルビン酸等),保存剤,溶剤(例えば、水,プロピレングリコール,ブチレングリコール,イソプロパノール,エタノール,グリセリン,セバシン酸ジエチル,ミリスチン酸イソプロピル,アジピン酸ジイソプロピル,パルミチン酸ミリスチル,ステアリン酸ステアリル,ミリスチン酸ミリスチル,リグノセリン酸セリル,セロチン酸ラクセリル,ラクセル酸ラクセリル等),溶解補助剤,懸濁化剤(例えば、カルメロースナトリウム等),抗酸化剤(例えば、亜硫酸水素ナトリウム,L-アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,ブチルヒドロキシアニソール,ブチルヒドロキシトルエン,没食子酸プロピル,酢酸トコフェロール,dl-α-トコフェロール等),佐薬(例えば、ハッカ油,L-メントール,カンファー,チモール,酢酸トコフェロール,グリチルレチン酸,ノニル酸ワニリルアミド,トウガラシエキス等),緩衝剤,pH調整剤,などを通常の配合量で配合できる。
本発明外用剤を製造する際には、先ず、エトドラクまたはその塩と局所麻酔剤またはその塩を混合することが好ましい。具体的には、溶媒に両者を添加して攪拌混合したり、両者を直接加温混合する。
ここで用いられる塩は、薬理上許容されるものであれば特に制限されない。また、原料として塩を用いた場合であっても、エトドラクと局所麻酔剤とが強く相互作用することによって、本発明の目的が達成されると考えられる。
本発明の有効成分として使用できる局所麻酔剤の塩としては、例えばフッ化水素酸塩,塩酸塩,臭化水素酸塩,ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩;硝酸塩,過塩素酸塩,硫酸塩,リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩,トリフルオロメタンスルホン酸塩,エタンスルホン酸塩等の低級アルカンスルホン酸の塩;ベンゼンスルホン酸塩,p-トルエンスルホン酸塩等のアリールスルホン酸塩;オルニチン酸塩,グルタミン酸塩のようなアミノ酸塩;およびフマル酸,コハク酸,クエン酸,酒石酸,シュウ酸,マレイン酸等のカルボン酸塩を挙げることができる。これらのうち、塩酸塩を最も好適に使用することができる。
溶媒を用いてエトドラクと局所麻酔剤を混合する場合における溶媒は、医薬組成物を製造する際に一般的に用いられるものが好ましい。また、エトドラクと局所麻酔剤とを加温混合するだけでも油状分を形成し、溶媒なしでも製剤化が可能となる。例えば、両者をすり鉢に入れて混合しつつすり潰すことにより、摩擦熱も伴って、油状分を形成することができる。
本発明では、局所麻酔剤を皮膚刺激性の低減用途に使用するだけではなく、エトドラクの溶解補助剤または溶解剤としても用い得る。更に、その理由は必ずしも明らかではないが、これら局所麻酔剤を含有せしめることにより、エトドラクの皮膚透過性と浸透拡散性も改善される。
得られたエトドラクと局所麻酔剤の混合物へ、前述した各剤形に応じた配合成分を添加し、混合すればよい。その製法は、各剤形に応じた公知方法を採用すればよい。
こうして得られた本発明の消炎鎮痛外用剤は、従来のエトドラク含有外用剤に比してエトドラクをより多く配合しても、十分にその効果を発揮できる。また、皮膚透過性と共に皮膚深部における浸透拡散性が改善されているために、薬剤が皮膚表層部に蓄積せず皮膚刺激性が少ない上に、患部(筋肉や関節組織など)へ薬剤を送達することができる。従って、本発明外用剤は、慢性疼痛等の患部へ直接適用でき、優れた効果を有するエトドラク製剤である。
本発明の外用剤の使用量は、含有有効成分の種類、患者の症状や年齢等により異なるが、一般的には、成人に対して1日1回〜数回適用することが好ましい。更に好適には、1日1〜2回適用するが、症状によっては投与回数を増やしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
製造例1
表1の配合比に従って、エトドラク等をマクロゴール400に溶解し、エトドラクとリドカインを含有する供試液1と、エトドラクのみを含有する供試液2を調製した。なお、表1中の数値は質量部である。
Figure 2005239709
試験例1 筋肉組織における浸透拡散性試験
上記製造例1で調製したエトドラク含有供試液1と2について、肉片に対する浸透拡散性を試験した。先ず、直径9 cmのシャーレにガーゼをひき、供試液1または2を10 g加えた。別途、赤身の牛肉を2×2×4 cmの直方体に切り出し、2×2 cmが底面となる様にガーゼ上に置き、ポリ塩化ビニリデンフィルムで被覆し、4℃で48時間静置した。その後、肉片を下層より1 cmごとに切り出し、下から0〜1 cm,1〜2 cm,2〜3 cmの3つの画分において、肉片1 g当たりに含まれる量として、エトドラクの濃度を測定した。濃度測定は、各肉片をすり潰し、メタノール5 mLを加えてエトドラクを抽出した後、高速液体クロマトグラフィで分析することにより行なった。試験は、各供試液につきN=6で行なった。結果を、その平均値として表2に示す。なお、画分0〜1 cmは、供試液と直接接触していた部分であるので、結果から除外した。
Figure 2005239709
当該結果より、筋肉組織におけるエトドラクの浸透拡散性は、リドカインを配合した場合に顕著に改善され、深さ2〜3 cmの画分まで及ぶことが分かった。また、本発明者らによる知見によれば、エトドラクと局所麻酔剤を含有する外用剤は、皮膚透過性にも優れている。従って、本発明外用剤では、経皮吸収されたエトドラクはその後も皮膚表面部に留まることなく皮膚深層部へ浸透拡散し、患部へ直接作用できると考えられる。
製造例2 本発明に係るテープ製剤の調製
表3の配合比(質量部)で、トルエンによる溶媒法によりエトドラク−リドカイン配合テープ剤を調製した。即ち、先ず、エトドラクとリドカインとマクロゴールを、澄明になるまで40℃で加温混合した。別途、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体,流動パラフィン,脂環族飽和炭化水素樹脂およびジブチルヒドロキシトルエンをトルエンに溶解し、ここへエトドラクとリドカインの混合物を加えてさらに混合し、均一な融解物を得た。この融解物を、塗工機を用いて乾燥後の膏体重量が100 g/m2となる様に剥離フィルム(ポリエステル)に塗工した後、加熱乾燥してトルエンを蒸発させた。得られた塗工面に支持体(不織布)を貼り合わせ、これを所望の大きさに裁断し、テープ剤を得た。
Figure 2005239709

Claims (4)

  1. エトドラクおよび局所麻酔剤を含有することを特徴とする消炎鎮痛外用剤。
  2. 上記エトドラク1質量部に対する上記局所麻酔剤の割合が0.1〜1.5質量部である請求項1に記載の消炎鎮痛外用剤。
  3. 上記エトドラクに対する上記局所麻酔剤のモル比が、0.1〜1.8である請求項1に記載の消炎鎮痛外用剤。
  4. 上記局所麻酔剤がリドカインである請求項1〜3のいずれかに記載の消炎鎮痛外用剤。

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