JP2001513543A - 皮膚への局所適用のための非ステロイド性抗炎症薬製剤 - Google Patents

皮膚への局所適用のための非ステロイド性抗炎症薬製剤

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JP2001513543A JP2000507345A JP2000507345A JP2001513543A JP 2001513543 A JP2001513543 A JP 2001513543A JP 2000507345 A JP2000507345 A JP 2000507345A JP 2000507345 A JP2000507345 A JP 2000507345A JP 2001513543 A JP2001513543 A JP 2001513543A
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Abstract

(57)【要約】 実質的に中性の塩の形態のイブプロフェンもしくはナプロキセンのような他のNSAIDを含有する局所のアルコール性もしくは水性アルコール性ゲルは、皮膚を通る高められた浸透性を有し、そして、皮膚浸透増強性化合物として2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン、あるいは1,3−ジオキソランもしくは1,3−ジオキサンまたはアセタールの他のヒドロカルビル誘導体を製剤中に包含することにより、迅速な痛み/炎症の軽減を提供しうる。プロピレングリコールの量が、とりわけイブプロフェン、ナプロキセンおよびケトロラックの皮膚を通るNSAIDの初期流入を調節するよう変動されうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】
本発明は、患者の皮膚を通る非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の経皮投
与のための局所組成物、および当該局所組成物を使用する非ステロイド性抗炎症
薬を経皮的に投与する方法に関する。
【0002】
【従来技術の検討】
全部の薬物は、それらが、適正な時間にかつ適切な時間の長さの間、所望の効
果を達成するのに至適の濃度(血液の単位体積あたりの薬物の量)で身体中の意
図された部位に達するような様式で投与されなければならない。通例は、薬物は
経口で摂取され、注入され、吸入され、もしくは局所的に適用される。これらの
慣習的投与経路は、しかしながら、しばしば、述べられた目的に合致しない。例
えば、薬物がどんな経路によっても血流中に吸収される場合には、薬物の血中濃
度のピークおよび谷が発生し、そして所望されない効果(例えばピークの濃度)
もしくは活性の喪失(例えば谷)を引き起こしうる。これらの問題に対抗するた
めに多様なアプローチが検討されてきた。これらは、例えば、薬物を他の物質と
組み合わせる特別の薬物のコーティング、懸濁液もしくは乳液、および圧縮錠剤
を包含する。これらの製剤はそれらの担体からの薬物の放出を制御することを試
みるとは言え、所望の効果はしばしば再現可能でなく、患者から患者への変動を
受けるかも知れず、そして数日もしくは数ヶ月までものような延長された送達期
間に適することができない。
【0003】 経皮投与経路を介する血流への薬物および他の生物学的物質の投与は、近年、
多くの注目を受けてきた。平均的な成人の皮膚は2平方メートル以上の表面積を
覆い、また、身体中を循環する全血液の約1/3を受ける。それは、弾性であり
、起伏が多く、そして一般に自己発生的である。皮膚は三層、すなわち角質層(
S.C.)、表皮および真皮から成る。角質層は皮膚を通る化学物質の拡散に際
し律速段階を表わす。S.C.は、死んだ、角質化された、代謝的に不活性の細
胞から構成され、それらは一緒に緊密に詰められ、そして主に脂質および非線維
性タンパク質の無定形マトリックスから成り、その内にケラチンフィラメントが
分配されている。S.C.の細胞は一般に20%の水を含有する一方、その下の
胚芽層中の細胞は70%の水を含有する。S.C.は容易に水和されたようにな
らない。従って、経皮浸透は、主としてS.C.を通る拡散により制御される。
【0004】 薬物の経皮送達のための装置への興味に対するいくつかの主要な理由が存在す
る。すなわち、 −薬物が経口で投与される場合に生じる消化管からの吸収の不確実性およびそ
れに対する刺激の排除。
【0005】 −門脈循環を迂回し、それにより肝での初回通過代謝を排除し;これは短い半
減期、もしくは肝に対する潜在的な望ましくない作用をもつ薬物にとって極めて
重要である。
【0006】 −一定速度での直接に全身循環への医薬の送達(静脈内注入に類似の)。
【0007】 −ある薬物についてのまばらな投与(毎日、毎週もしくはより長い)。
【0008】 −使用の容易さ;患者のコンプライアンスを助長する。
【0009】 しかしながら、現在の経皮送達系は大きな欠点を有する。例えば、それらは低
分子量の薬物および適正な親油性/親水性バランスを有する構造をもつものに制
限される。高分子量の薬物、または高すぎるもしくは低すぎる親水性バランスを
もつ薬物は、しばしば、角質層を通してのそれらの不浸透性を克服するのに十分
高い濃度で現在の経皮系に組み込まれ得ない。
【0010】 経皮送達は、一般に、10mg/日未満の送達速度を必要とする医薬に制限される
。より高い血液濃度を得るために、薬物送達の速度が増大されなければならない
。吸収促進剤の使用を介する、そしてより容易に吸収され得るプロドラッグの開
発による、より高速度の薬物送達を成し遂げるための多くの提案が存在している
。存在する吸収増強剤の例は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレング
リコール、ヘキサノール、脂肪酸およびエステル、ならびにとりわけピロリドン
誘導体を包含する。多くの注目を受けている1個のこうした増強剤化合物は、ネ
ルソン リサーチ ラブス(Nelson Research Labs.)、
カリフォルニア州アービンにより開発されたエイゾーン(Azone)(N−ド
デシルアザシクロヘプタン−2−オン)である。
【0011】 1,3−ジオキサンおよび1,3−ジオキソランのある誘導体は、以前に、皮
膚浸透を高める化合物として使用された。商標SEPA(商標)で商業的に入手
可能にされているこれらの化合物は、米国特許第4,861,764号に詳細に
記述される。ジオキソラン促進剤を用いる研究はいくつかの文献および特許刊行
物に記述されている。
【0012】 本発明者は、イブプロフェンおよび他のNSAIDの皮膚浸透増強剤化合物と
しての1,3−ジオキサンおよび1,3−ジオキソラン誘導体ならびに関連する
アセタールの効果を研究することを継続した。驚くべきことに、プロピレングリ
コールがイブプロフェン製剤のための(しかし、ジクロフェナック、ケトプロフ
ェン、ピロキシカムのような他のNSAIDのためのでない)ベヒクル中で使用
される場合に、イブプロフェンの初期流入速度が、プロピレングリコール(PG
)の量が増大した際に減少することが見出された。ちょうど反対の効果が、他の
試験されたNSAID化合物について観察された。しかしながら、双方の場合に
おいても、24時間の期間にわたる総有効搭載量(payload)は実質的に同一であ る。すなわち、時間にわたる流入速度をプロットすることにより得られる曲線の
下の面積は24時間で同一であるが、しかし、イブプロフェンの曲線の特徴は、
他の試験されたNSAID化合物についてと劇的に異なる。
【0013】 本発明者はまた、イブプロフェンの流入を高めるために最も有効なより低いp
Hで、1,3−ジオキソランおよび1,3−ジオキサンの浸透を高める化合物が
不安定になることも発見した。この問題は、今や、イブプロフェンを、水酸化ナ
トリウムのような適切な塩基を使用して製剤を中和することによりその実質的に
中性の(例えば、pH=約6ないし約8、好ましくは約6.5ないし7.5)塩
の形態で組み込むことにより克服された。中性のpHでの経皮薬物送達の増強の
この観察結果は予期されなかった。なぜなら、薬物の中和はそれをより小さく親
油性にしそして角質層を通るその拡散を阻害するであろうと、もともとは考えら
れたからである。
【0014】 例えばジクロフェナックのようなNSAIDの流入速度および/もしくは総送
達が、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンもしくは対応するアセタール
化合物の皮膚浸透増強性化合物を使用して実質的に向上されることがさらに発見
された。
【0015】 本発明者による別の驚くべき発見は、ナプロキセンのようなNSAIDの有効
成分のあるものについては、皮膚を通る浸透がグリコール、例えばプロピレング
リコールが製剤から省かれる場合にさらに高められることである。
【0016】
【発明の要約】
本発明は、主要な一目的として、皮膚への組成物の適用によるイブプロフェン
もしくは他のNSAID化合物の経皮適用に有効な安定な局所組成物を提供する
ことを有する。
【0017】 以上、ならびに、以下のより詳述された記述および好ましい態様からより明ら
かになることができる本発明の他の目的は、本発明の第一の局面に従って、組成
物全体の重量を基礎として: 治療上有効な量の、薬理学的に許容できる塩の形態のイブプロフェン; 皮膚浸透増強する有効量の、C7ないしC14−ヒドロカルビル置換された1, 3−ジオキソラン、1,3−ジオキサンもしくはアセタール; 0ないし約18%の、3から6個までの炭素原子を有するグリコール; 最低40%の、エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物から成る群か
ら選択される揮発性アルコール; 0ないし約40%の水;ならびに 約6から約8までの範囲のpHを提供するための塩基;ならびに 場合によっては、皮膚に適用される場合の流出を回避するかもしくは最小にす
るように組成物を増粘するのに有効なゲル化剤、 を含んで成るイブプロフェン含有アルコール性もしくは水性アルコール性組成物
により、達成される。
【0018】 本発明の本局面の好ましい一態様において、成分は、以下の範囲、すなわち 約2から10%までのイブプロフェン; 約2から15%までの増強剤であって、ここでヒドロカルビル基の置換基が約
7から10個までの炭素原子を有し; 約0から15%までのプロピレングリコール; 約55から70%までのエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの混合
物; 約4から35%までの水;および 約6.5から約7.5までの範囲のpHを提供するための塩基;ならびに 0ないし約2%のセルロース性増粘剤、 で製剤中に包含される。
【0019】 本発明の別の局面により、組成物全体の重量を基礎として、 治療上有効な量の、ヘテロアリール酢酸、アリールプロピオン酸(イブプロフ
ェン以外)、アントラニル酸、エノール酸、アルカノン、スリンダック(sulinda
c)およびエトドラック(etodolac)から成る群から選択される非ステロイド性抗炎
症薬; 0.5ないし約25%の、皮膚浸透増強剤としての1,3−ジオキソラン、1
,3−ジオキサンもしくはアセタールのC7ないしC14−ヒドロカルビル誘導体 ; 0ないし約40%の、3から6個までの炭素原子を有するグリコール; 最低約40%の、エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物から成る群
から選択される揮発性アルコール; 0ないし約40%の水;ならびに 約6から約8までのpHを提供するための塩基;ならびに 0ないし約5%のゲル化剤、 を含んで成る非ステロイド性抗炎症薬の経皮送達に有効なアルコール性もしくは
水性アルコール性局所組成物が提供される。
【0020】 本発明の本第二の局面の好ましい一態様によれば、当該組成物は、 約0.1から10%までのジクロフェナック、ケトロラック、ナプロキセン、
フルルビプロフェン、ケトプロフェンもしくはピロキシカム; 約2から15%までの皮膚浸透増強剤; 0ないし約30%のプロピレングリコール; 約35から70%までのエタノールもしくはイソプロパノールまたはそれらの
混合物; 0ないし約20%の水; 約6.5から約7.5までの範囲のpHを提供するための塩基;および 約3%までのゲル化剤、 を含んで成る。
【0021】 本発明のさらになお別の局面において、NSAIDはナプロキセンであり、ま
た、グリコール成分が製剤から除外される。本発明の本第三の局面により、組成
物全体の重量を基礎として、 製薬学的に有効な量のナプロキセンの薬理学的に許容できる塩、 約2から20%までの、2−ヒドロカルビル基で置換された1,3−ジオキソ
ラン、1,3−ジオキサンもしくはアセタールの皮膚浸透増強剤であって、ここ
で、ヒドロカルビル基は7から14個までの炭素原子を有し; 約50から85%までのエタノールおよび/もしくはイソプロパノール; 0ないし約40%の水;ならびに 約6から約8までの範囲のpHを提供するような量の塩基;ならびに 約5%までのゲル化剤、 を含んで成る、ナプロキセンの経皮投与に有効なグリコールを含まない局所組成
物が提供される。
【0022】
【詳細な記述および好ましい態様】
本発明の組成物は、皮膚、とりわけ非ステロイド性の抗炎症性有効成分がその
薬理学的活性を発揮することを意図される領域、通常は筋肉もしくは関節に対す
る炎症、傷害もしくは痛み、または皮膚の炎症および/もしくは表皮における過
剰増殖活性を特徴とする他の形態の皮膚の障害もしくは崩壊状態の領域への局所
的な非侵襲的適用に意図される。
【0023】 本発明の局所製剤により有利に投与される非ステロイド性抗炎症薬(NSAI
D)の例は、例えばトルメチン、ジクロフェナック、ケトロラックのようなヘテ
ロアリール酢酸;例えばイブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、
ケトプロフェン、フェノプロフェン、オキサプロジンのようなアリールプロピオ
ン酸;例えばメフェナム酸、メクロフェナム酸、フィレナム酸のようなアントラ
ニル酸(フェナメート);例えばオキシカム(例えばピロキシカム、テノキシカ
ム)、ピラゾリジンジオン(例えばフェニルブタゾン、オキシフェンタトラゾン
)のようなエノール酸;例えばナブメトンのようなアルカノンを包含する。これ
らのなかでも、薬理学的技術の知識の現在の水準を基礎として、イブプロフェン
、ジクロフェナック、ケトロラック、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケト
プロフェンおよびピロキシカムがとりわけ好ましい。しかしながら、より一般的
には、例えばザ メルク インデックス(The Merck Index)の
最近の版に列挙されるような政府に承認されたNSAIDのいずれかが有利に使
用されうる。
【0024】 本発明に従えば、NSAIDはその薬理学的に許容できる実質的に中性の塩の
形態で投与される。当該製剤は、6.0から8.0まで、好ましくは6.5から
7.5まで、とりわけ好ましくは7.0のような6.8から7.4までの範囲の
pHを提供するような量のpH改変剤(塩基)の添加により実質的に中性にされ
る。公知のかつ薬理学的に安全な無機もしくは有機の塩基化合物のいずれかがこ
の目的上使用され得、そして、例は、 水酸化物のような、ナトリウムもしくは他のアルカリまたはアルカリ土類金属
の塩のような無機塩、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム;アンモ
ニウム塩;あるいは有機酸、とりわけ例えばジエチルアミン;ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルグルカミン
、エタノールアミン、イソプロピルアミン、テトラヒドロキシプロピルエチレン
ジアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどのようなアミン塩
を包含する。
【0025】 いずれかの特定の製剤については、NSAIDおよび他の成分は、所望の薬物
送達の特徴および所望される浸透の量を達成するよう選択されうる。至適なpH
は、その後決定されることができ、そして、例えばNSAIDの性質、塩基、お
よび必要とされる流入の程度に依存することができる。
【0026】 皮膚を通る有効成分の浸透は、当該組成物中に、皮膚浸透増強に有効量の、米
国4,861,764(その開示はそれに対する引用によりそっくりそのまま本
明細書に組み込まれる)に開示される置換1,3−ジオキサシクロペンタンおよ
び置換1,3−ジオキサシクロヘキサン型の増強剤化合物、もしくは対応する置
換アセタール化合物を包含することにより、許容できる水準まで高められる。
【0027】 皮膚浸透増強性化合物の代表的例は、 式(I)の2−置換1,3−ジオキソラン:
【0028】
【化1】
【0029】 式(II)の2−置換1,3−ジオキサン:
【0030】
【化2】
【0031】 式(III)の置換アセタール
【0032】
【化3】
【0033】 を包含する。
【0034】 上の式(I)、(II)および(III)において、Rは好ましくはC7ないしC14 ヒドロカルビル基を表わし、 R0、R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ独立に水素もしくはC1 ないしC4アルキル基を表わす。
【0035】 R’1およびR’2はそれぞれ独立にC1ないしC4アルキル基を表わす。
【0036】 Rについてのヒドロカルビル基は、直鎖もしくは分枝状鎖のアルキル、アルケ
ニルもしくはアルキニル基、とりわけアルキルもしくはアルケニルでありうる。
好ましくは、RはC7ないしC12脂肪族基;とりわけC7ないしC10脂肪族基を表
わす。適するアルキル基の例は、例えば、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オ
クチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−メチル
オクチル、4−エチルデシル、8−メチルデシルなどを包含する。n−ヘプチル
、n−オクチル、n−ノニルおよびn−デシルのような直鎖アルキル基がとりわ
け好ましい。アルケニル基の例は、例えば、2−ヘキセニル、2−ヘプテニル、
2−オクテニル、2−ノネニル、2’,6’−ジメチル−2’,6’−ヘプタジ
エニル、2’,6’−ジメチル−2’−ヘプタエニルなどを包含する。R基はま
た、例えば、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボキサミドおよびカルボアル
コキシにより置換されうる。
【0037】 C1ないしC4アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、tert−ブチルなどでありうる。R0およびR1ないしR 6 、ならびにR’1およびR’2に好ましいアルキル基は、1もしくは2個の炭素 原子を有するアルキル、最も具体的にはエチルである。R0およびR1ないしR6 はまた、好ましくは全部水素でもありうる。
【0038】 特定の増強剤化合物は、例えば、2−n−ペンチル−1,3−ジオキソラン、
2−n−ヘプチル−1,3−ジオキソラン、2−n−ノニル−1,3−ジオキソ
ラン、2−n−ウンデシル−1,3−ジオキソラン、2−n−ノニル−1,3−
ジオキサン、2−n−ウンデシル−1,3−ジオキサン、2−n−ヘプチルアル
デヒドアセタール、2−n−オクチルアルデヒドアセタール、2−n−ノニルア
ルデヒドアセタール、2−n−デシルアルデヒドアセタール、3,7−ジメチル
−2,6−オクタジエナール(シトラール),シトロナールなどを包含する。2
−n−ノニル−1,3−ジオキソランがとりわけ好ましく、そして、商標SEP
A(商標)でマサチューセッツ州レキシントンのマクロケム コーポレーション
(MacroChem Corporation)から商業的に入手可能である
【0039】 増強剤化合物の量は、有効成分について所望の送達速度を提供するように、し
かし、製品の安定性、副作用、担体系などのような付加的因子を考慮に入れて選
択される。一般には、特定のNSAIDおよび他のベヒクルに依存して、組成物
の約0.5から25%まで、好ましくは約2もしくは3から12もしくは15パ
ーセントまで、とりわけ約5から10パーセントまでの範囲の量が、有効成分の
至適の流入速度および24時間有効搭載量を提供することができる。通常、クリ
ーム製剤については、増強剤化合物の量は、製剤の約2から10パーセントまで
のように、ゲル製剤についてより少なくてよい。
【0040】 当該組成物は、一般に、ゲル、とりわけ水性−アルコール性ゲルとして処方さ
れる。しかしながら、例えば、ローション、クリーム、ムース、エアゾル、軟膏
、潤滑剤などのような他の形態も、皮膚の影響を受ける領域に適用される場合に
、当該製剤が、個体が影響を受ける領域にわたってかつ、その上に分布させそし
て組成物を保持させるのに十分な時間の間、所定の場所に、とどまる(すなわち
、流出しない)ことができる限りは、使用されうる。
【0041】 本発明の組成物の形態のいずれかのためのベヒクルは、グリコール、例えばプ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなど(上述さ
れた第三の態様の場合を除き)、低級アルコール、例えばエタノール、イソプロ
パノール、および通常水を包含することができる。増粘剤もしくはゲル化剤もま
た、通常、そして好ましくは皮膚への製剤の適用を助長するために包含される。
加えて、もちろん、皮膚浸透増強するジオキソラン、ジオキサンもしくはアセタ
ールが、角質層を包含する皮膚を通る有効なNSAID成分の浸透増強に有効な
量で製剤に包含される。
【0042】 従って、NSAIDおよび増強剤成分のためのベヒクルもしくは担体系は、好
ましくは、NSAIDを可溶化しそして増強剤と混合可能にするのに十分なアル
コール、とりわけエタノールおよび/もしくはイソプロパノール、ならびに、し
ばしば、グリコール、例えばプロピレングリコールを含有する水性もしくは非水
性のアルコール性担体である。しかしながら、一般に、製剤中の増強剤およびN
SAIDの量に依存して、水性アルコール性の担体は、約35%から約70%ま
でのエチルアルコールおよび/もしくはイソプロピルアルコール、好ましくは約
50から約70パーセントまでのエタノールもしくは約45から55パーセント
までのイソプロパノールを含有し得る。NSAIDの所望の溶解性および増強剤
との適合性を提供する比率のエタノールおよびイソプロパノールの混合物もまた
使用され得る。しかしながら、より一般的には、本発明者は、増強剤(2−n−
ノニル1,3−ジオキソラン)に対するアルコール(エタノールもしくはイソプ
ロパノール)、グリコール(プロピレングリコール)および水の組み合わせに関
する混合可能性データを開発した。このデータは、2重量%(●)および10重
量%(■)の増強剤化合物で図1(エタノールについて)、ならびに2重量%(
○)および10重量%(●)の増強剤化合物で図2(イソプロパノールについて
)のように提供される三相図によりグラフで表わされる。これらの相図のそれぞ
れにおいて、上部分(データ点を連結する線より上)は、ベヒクル成分が相互に
そして増強剤と混和しうる比率を表わし;逆に、データ点を連結する線より下の
領域は、ベヒクル成分が非混和性である比率を表わす。
【0043】 再度、水性もしくは非水性のアルコール性担体の総量は、NSAIDの量、増
強剤の量および型、ならびに組成物の形態、例えばゲル、クリーム、軟膏、など
に依存することができる。通常、約70%から約95%までの範囲内の水性もし
くは非水性のアルコール性担体の量が使用されうる。
【0044】 ゲルの形態にある好ましい組成物において、ヒドロキシプロピルセルロースの
ような増粘剤がゲル化剤として包含されることができる。しかしながら、いかな
る他の製薬学的に許容できる増粘剤/ゲル化剤も使用されうる。例えば、他のセ
ルロース性エーテル、ポリマー性増粘剤、例えば、アクリル酸ポリマー、カルボ
ポール[Carbopol](商標)増粘剤など、キサンタンガム、グアールガ
ムなど、ならびに無機増粘剤/ゲル化剤が挙げられうる。増粘剤の量はとりわけ
臨界的ではなく、そして、皮膚への容易な適用を見込むがしかしそれが適用され
た場所に留まることができるように水っぽすぎるかもしくはゆするぎることがで
きない、所望の製品の一貫性もしくは粘度を提供するよう選択され得る。一般に
は、その分子量に依存して、組成物の例えば0.1から約2%までのような約5
%までの増粘剤の量が、所望の効果を提供することができる。
【0045】 本技術分野でまた公知のとおり、特定の麻酔および/もしくは機能的効果のた
めに当該製剤中に他の成分を包含することが可能である。例えば、当該製剤は、
場合によっては、皮膚を水和するための1種もしくはそれ以上の湿潤剤および皮
膚を軟化させかつ滑らかにするための皮膚軟化剤を包含しうる。グリセリンはこ
うした適する加湿添加物の一例である。存在する場合、当該添加物は、通常、組
成物の約5重量パーセントまで、例えば約0.1から5%までの量で組み込まれ
ることができる。
【0046】 本発明の局所組成物の効果は以下の代表的実施例によってさらに具体的に説明
され、これらはいかなる方法でも本発明の範囲を制限することを意図されない。
【0047】 実施例1 本実施例は、70:30の混合比のエタノール/水担体を使用する、5重量%
のイブプロフェンおよび5%、10%もしくは15%のいずれかの2−n−ノニ
ル−1,3−ジオキソランを含有する水性アルコール性ゲルからのイブプロフェ
ンのブタ皮膚を通る経皮吸収を比較する。当該製剤は、pHを7.4に調節する
ためのNaOHを包含するが、しかしグリコールを包含しない。ヒドロキシプロ
ピルセルロース(2重量%)をゲル化剤として使用する。試験組成物を、ブタ皮
膚の1平方センチメートル(cm2)あたり約30ミリグラム(mg)の組成物を提供
するよう適用する。
【0048】 試験を、受容体液としてリン酸緩衝生理的食塩水(PBS)を用いて標準固定
セル(static cell)中で実施する(表面積0.635cm2、温度32℃)。以下の
表1は、各製剤について皮膚に適用されたイブプロフェンの総量を示す。差異は
、試験処方が適用されるわずかに異なる厚さから生じる。各試験を、限定された
用量の試験製剤を用いて非閉塞(non-occluded)条件下で24時間実施した。
【0049】
【表1】
【0050】 結果を得、そして表2に6個のセル(サンプル)についての平均値として報告
する。最初の2時間にわたる初期流入は、1,3−ジオキソランを含有する各製
剤について有意により高かったが、しかしとりわけより高レベル(15%、最大
流入約8.5μg/cm2/hr;5%および10%、最大流入約4μg/cm2/hr
)の増強剤でであった。流入は4ないし6時間後に平等になる傾向があり、そし
て最低約24時間ほぼ同一水準で継続した。対時間のイブプロフェンの総量(流
入);および24時間でのイブプロフェンの回収(用量の合計およびパーセント
)についての結果を以下の表2に示す。すなわち
【0051】
【表2】
【0052】 実施例1の手順を反復したがしかし5%、10%もしくは15%のエイゾーン
[Azone](商標)を使用した場合、2時間および4時間での初期流入は約
1ないし1.5μg/cm2/hrの間のみであった。
【0053】 実施例2 本実施例は、70:30の重量混合比のエタノール:水ベヒクルを使用する5
%のイブプロフェンおよび10%の2−n−ノニル−1,3−ジオキソランを含
有する水性アルコール性ゲル製剤中にプロピレングリコールを組み込むことの効
果を示す。これらの試験で使用された組成物を表3に示す(NaOHを、pHを
7.4に調節するために添加する)。すなわち
【0054】
【表3】
【0055】 当該試験は実施例1に記述されたと同一の条件を使用して実施した。流入を2
、4および6時間に測定した。結果を図3にグラフで示す。この図から、2時間
での流入が、プロピレングリコール(PG)含量が0%から5%まで、10%ま
で、15%まで、20%まで増大する際にほぼ直線的に減少することが見られる
。組成物を試験皮膚サンプルに適用した4時間後に、各濃度のPGについての流
入は増大したが、しかしより多量のPGを含有する組成物について、よりそうで
ある。最後に、6時間で、流入は平等になり始める。
【0056】 本実施例は、従って、浸透増強剤として2−置換1,3−ジオキソラン、2−
置換1,3−ジオキサンもしくは置換アセタールを使用するイブプロフェン局所
組成物中に少ないプロピレングリコールのみが包含される、もしくはプロピレン
グリコールは包含されないべきであることを示し、そこでは、最終目標は、例え
ば日焼けもしくは他の火傷傷害の治療で、または炎症により引き起こされる筋肉
の痛みの軽減のために、痛みもしくは炎症からの解放が迅速に開始し得るように
可能な限り迅速に大量の有効成分を投与することである。しかしながら、時間の
より長い期間にわたっては、実質的に同一量のイブプロフェンが、各量のプロピ
レングリコールで経皮的に送達される。
【0057】 実施例3 本実施例は実施例1に類似であるが、しかし、本発明のイブプロフェンを含む
局所水性アルコール性ゲル製剤を、類似のしかし増強剤を含まないゲル、および
4種の他の商業的に入手可能な局所イブプロフェン製剤と比較する。また、ブタ
皮膚よりもむしろヒト皮膚を使用した。本発明の組成物および比較は以下のとお
りであった。すなわち
【0058】
【表4】
【0059】 商業的に入手可能な製品は、ゲルフェン[Gelufene](商標)(イブ
プロフェン5%、イソプロピルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、水酸
化ナトリウム、ベンジルアルコールおよび精製水)、ドルジット[Dolgit
](商標)クリーム(イブプロフェン5%、中鎖トリグリセリド、グリセロール
モノステアレートおよびポリオキシエチレンステアレートの混合物、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、キサンタンガム、ラベンダー油、ネロリ油、水、プロ
ピレングリコール、メチルソーダのパラヒドロキシベンゾエート)、イブトップ
[Ibutop](商標)(イブプロフェン5%)(ラボラトワレ シェファロ
・アルデヴァル(Laboratoire Chefaro−Ardeval)
、フランス・サンデニスセデ(Saint−Denis Cedex))ならび
にディープリリーフ[Deep Relief](商標)ゲル(イブプロフェン
5%、メントール、カーボマー(Carbomer)、プロピレングリコール、
ジイソプロパノールアミン、エタノール、精製水)であった。結果を、対時間の
流入について図4に、また、皮膚サンプルを通るイブプロフェンの累積拡散につ
いて図5に示す。イブプロフェンの初期流入および累積量は、双方とも、対照も
しくは商業的製品についてより本発明の製剤について有意により高い。
【0060】 実施例4 本実施例もまた実施例1に類似であるが、しかし、5%、10%、15%もし
くは20%のプロピレングリコール(PG)または20%のイソペンチルジオー
ル(IP)とともに10%の2−n−ノニル−1,3−ジオキソランを含有する
5%イブプロフェン製剤からのイブプロフェン(ナトリウム塩として)のブタ皮
膚を通る経皮吸収を比較するよう設計される。試験条件は、それ以外は実施例1
で使用されたと同一であった。試験された製剤を表4に示す。すなわち
【0061】
【表5】
【0062】 受容体セルにおけるイブプロフェンの流入を測定し、そしてその結果を図7に
示す。この場合、ピークの流入は、適用後4時間以内に実験番号1〜4の製剤に
ついて達せられ、そして約60から72μg/cm2/hrまでの範囲の値に達した
。20%PG製剤(実験番号5)については、ピークの流入は6時間で達せられ
、そして約50μg/cm2/hrであった。20%IP製剤(実験番号6)につい
ては、ピークの流入は約16μg/cm2/hrにすぎず、そして適用後8時間まで
達せられなかった。
【0063】 以下の表5は、24時間後に受容体セルに達するイブプロフェンの累積量、お
よび24時間後の適用された用量のパーセント(%)としての受容体セルに達す
る量について報告された結果を示す。
【0064】
【表6】
【0065】 実施例5 本実施例は、プロピレングリコールを含むおよび含まない製剤についての流入
および総送達(24h)に対するイブプロフェン(IB)の濃度の影響を立証す
るよう設計される。この試験を、ヒト皮膚を使用し、PBSおよびエタノールの
80/20混合物を受容体液として使用し、また、pHを水酸化ナトリウムで7
.7に調節したことを除いて実施例1でと同一の条件下で実施し;調製しかつ試
験した試験組成物(増強剤は2−n−ノニル−1,3−ジオキソランであった)
を以下の表6に示す。すなわち
【0066】
【表7】
【0067】 試験製剤のそれぞれについての時間の関数としての流入を図8に示す。実験番
号1および4、実験番号2および5ならびに実験番号3および6についての結果
を比較すれば、各場合において、最大(ピーク)流入およびピークの流入に達す
るまでの時間は、プロピレングリコールを含まない製剤についてより高くかつよ
り速かったことが見られる。
【0068】 24時間でのイブプロフェンの累積用量および24時間での皮膚を通過するも
との用量のパーセントについての結果を以下の表7に示す。すなわち
【0069】
【表8】
【0070】 これらの結果は、例えば、10%イブプロフェンを含むがしかしプロピレング
リコールを含まない製剤(実験番号6)が最高の流入を与えることを示す。さら
に、実験番号4の製剤(100gの製剤あたり2.5gのIB+0PG)は、1
00cm2の面積にわたって80mgのイブプロフェンを送達することができる。
【0071】 実施例6 本実施例は、重篤な痛みを経験するヒト患者での臨床試験の結果を示す。実施
例3で示されたと同一の製剤(10%の2−ノニル−1,3−ジオキソランおよ び5%のイブプロフェンおよび17%のプロピレングリコール)をこれらの研究
で使用する。対照として、プールされたベヒクル(薬物および増強剤を含まない
第一の製剤ならびに薬物を含まないがしかし増強剤を含む第二の製剤の混合物)
を同様に試験した。結果を図6に示す。
【0072】 実施例7 本実施例は、プロピレングリコールを含みもしくは含まず、かつ、皮膚浸透増
強剤化合物(2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン)を含むもしくは含まない
、5%(w/w)ナプロキセンゲルを含有する多様な製剤からのナプロキセンナ
トリウムのヒト皮膚を通る経皮吸収を比較する。この試験は、表8に示されるよ
うなゲル製剤を使用し、実施例5で記述された同一の条件下(pH=7.7)で
実施した:
【0073】
【表9】
【0074】 これらのナプロキセンゲル製剤で、最高の流入および最高の総送達が実験番号
2の製剤(0%PG+5%増強剤)で達成された。ピークの流入は、皮膚へのゲ
ルの適用後4時間観察された。
【0075】 24時間でのナプロキセンの累積用量および24時間での皮膚を通過するもと
の用量のパーセントについての結果を以下の表9に示す。すなわち
【0076】
【表10】
【0077】 これらの結果は、プロピレングリコールは主題の製剤中で増強剤として機能し
ておらず(例えば実験番号1を実験番号4と比較せよ)、そしてさらに、プロピ
レングリコールがNSAIDすなわちナプロキセンの送達に対する有害な影響を
有することを示すようである。
【0078】 実施例8 本実施例は、10重量%の皮膚浸透増強剤2−n−ノニル−1,3−ジオキソ
ランを含有する水性製剤からの多様なNSAIDの送達に対するプロピレングリ
コール(PG)の影響を具体的に説明する。全部の試験された製剤は70:30
の重量比でエタノールおよび水を包含し、そして塩基で約7のpHに中和された
。試験を、実施例1で記述されたと実質的に同一の条件下で、しかしブタ皮膚よ
りむしろヒト皮膚を使用して、標準固定セル中で実施した。試験された組成物お
よび結果を以下の表10に示す。
【0079】
【表11】
【0080】 これらの結果から容易に確かめられうるとおり、プロピレングリコールの影響
は1個のNSAIDから別のものまでで実質的に異なる。その影響は、NSAI
Dの総送達(24時間でのもとの用量のパーセントとして報告される)に関して
、ケトプロフェンおよびジクロフェナックについて正;ピロキシカムおよびナプ
ロキセンについて実質的に中立;イブプロフェンについて負(とりわけ高濃度の
プロピレングリコールで);そしてケトロラックについて中間である。
【0081】 実施例9 本実施例は、対照(0%増強剤、0%PG)、および1種の商業的製品すなわ
ちゲルディーン[Geldene](商標)(そのジイソプロパノールアミン(
DIPA)塩の形態の0.5%ピロキシカム;およそ24%のエタノール;>0
のPG)に対する、2種の異なる濃度の増強剤2−n−ノニル−1,3−ジオキ
ソラン(5%もしくは10%)での薬物送達(0.5%ピロキシカム)に対する
PGの影響をさらに具体的に説明する。本発明の組成物および対照では、トリエ
タノールアミン(TEA)を、ピロキシカムを中和するための塩基として使用し
、また、ベヒクルはエタノール:水(70:30)であった。製剤および試験手
順は、それ以外は実施例8に記述されたとおりであった。結果を表11に下に示
す。
【0082】
【表12】
【0083】 これらの結果から、PGは、5%もしくは10%のいずれかの増強剤で薬物送
達に対する影響をほとんどもしくは全く有しないことが観察される。しかしなが
ら、増強剤を含む全部の製剤は、対照もしくは商業的製品のいずれかよりも有意
により大きなピークおよび総薬物送達を提供する。対照と商業的製品との間の性
能に有意の差異は存在しない。
【0084】 実施例10 本実施例は、NSAIDとしてジクロフェナックを含む本発明の効果をさらに
具体的に説明する。試験手順は、ヒト(H)もしくはブタ(P)のいずれかの皮
膚およびエタノール:水(70:30)ベヒクルを使用する、前述されたと実質
的に同一のものであった。2−n−ノニル−1,3−ジオキソランを、本発明の
皮膚浸透増強剤化合物として使用した。結果を下の表12に示す。実験番号10
−Aから10−Gでは1重量%のジクロフェナックを(遊離酸として)使用した
。実験番号10−Iおよび1−J(商業的製品)では0.93重量%のジクロフ
ェナックを(遊離酸として)使用した。
【0085】
【表13】
【0086】 表12に報告された上の結果から、以下の観察結果および結論が引き出されう
る。第一の組の実験、すなわち実験番号10A−10Cは、PGがジクロフェナ
ックの補助増強剤として正の効果を発揮することを示す。第二の組の実験、すな
わち実験番号10D−10Fでは、ジオキソラン増強剤とのPGの組み合わせが
、ジオキソラン増強剤単独およびPG単独での結果から期待されうるより良好な
性能を提供することが見られる。第三の組の実験、すなわち実験番号10−Gお
よび10−Hから、対イオン(塩基)としてのDEAがナトリウム(Na)より
良好な性能を提供することが観察される。最後に、第四の組の実験、すなわち実
験番号10−Iおよび10−Jから、本発明の製剤が商業的ジクロフェナック局
所製剤に比較して有意に改良された性能を提供することが見られる。
【0087】 実施例11 本実施例は、本発明の製剤(10%の2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン
、20%のPG、70:30EtOH/H2O)および商業的局所NSAID製 剤(エミュゲル(Emugel))の1日複数回の適用の効果を示す。各製品を
、8時間間隔で後に続く第二および第三の適用を伴い、ヒト皮膚のサンプルに適
用した。結果を表13に下に示す。
【0088】
【表14】
【0089】 これらの結果は、本発明の局所ジクロフェナック製剤の単回適用が商業的ジク
ロフェナック局所製剤の3回適用に匹敵する性能を提供することを示す。一方、
本発明の局所NSAID製剤の1日3回の適用が商業的製品の3回適用よりほぼ
3倍より高い薬物の送達を提供する一方、薬物送達の2倍の改良が、商業的製品
の1日2回の適用に比較して、本発明の製品の1日2回の適用で得られる。
【0090】 実施例12 実施例1で記述されたと同一の手順に従い、かつ、実施例1で記述されたよう
な標準固定セルを使用して、本発明の化合物のヒト皮膚を通る皮膚浸透を高める
効果を、代表的NSAID化合物ケトプロフェンについて、ジイソプロピルアジ
ペート(DIPA)、および安息香酸C12−C15アルキルエステル(ABE)な
らびに本発明の化合物とのABEの混合物を包含する他の既知の皮膚浸透を高め
る(SPE)化合物の皮膚浸透を高める効果と比較した。
【0091】 具体的には、以下の組成物(溶液)を、以下の表1に示される量の試験化合物
を70:20:10の重量比のエタノール/プロピレングリコール/水のベヒク
ルに添加すること、および2.5%ケトプロフェンを含有することにより試験し
た。各組成物は、DIPAを含有する組成物を除いて6回試験し;DIPA溶液
は4回試験した。24時間での薬物送達(μg/cm2)および24時間平均(μg/cm 2 /hr)に関する実験の結果もまた以下の表14に示す。
【0092】
【表15】
【0093】 さらなる明確のため、上の実験の結果を、24時間にわたる時間の関数として
のケトプロフェンの流入(μg/cm2/hr)(図9);時間の関数としての送達
されたケトプロフェンの累積量(μg/cm2)(図10);および対時間の送達さ
れたケトプロフェンの累積量(用量の%)(図11)に関して、添付される図9
、10および11にグラフで表わす。
【0094】 表14および図9〜11の結果から、本発明のジオキソラン、ジオキサンおよ
びアセタール化合物の高める効果は、増強剤を含まない対照に関して増強の有意
の改良を提供する一方、ジイソプロピルアジペートおよび安息香酸の高級脂肪ア
ルキルエステルを包含する引用される従来技術に開示された増強剤は、対照より
良好でないかもしくは対照より悪いことが見られる。ベンゾエート増強剤が本発
明の増強剤と共同して使用される場合でさえ、当該混合物は本発明の化合物単独
の使用より小さく有効である。
【0095】 実施例13 実施例12に記述されたと同一のベヒクル中の2.5%ケトプロフェン溶液を
用いるがしかしブタ皮膚を使用する別個の組の実験で、類似の結果が、10%の
2−ノニル−1,3−ジオキソランの代わりに増強剤として10%のデカナール
ジメチルアセタールを使用して得られたことが観察された。また、2.5%のケ
トプロフェンを含む10%の2−ノニル−1,3−ジオキソラン含有溶液中で、
ベヒクルのプロピレングリコール成分を等しい重量のグリセロール(GL)もし
くはプロピレンカーボネート(PC)のいずれかで置き換えて、類似の結果が得
られた。これらの結果を、対時間の流入、対時間の累積量(μg/cm2)、および
対時間の累積量(用量の%)について、それぞれ、添付される図12、13およ
び14にグラフで提示する。
【0096】 実施例14 これらの実験を、実施例12と類似の様式で、しかしヒト皮膚の代わりにブタ
皮膚、および溶液よりむしろゲル化された組成物を使用して実施した。さらに、
これらの実験では、NSAIDは5%のイブプロフェンであった。この一連の実
験で使用された増強剤は、2−ノニル−1,3−ジオキソラン(本発明)、シネ
オール(ユーカリプトール)およびメントールを、それぞれ組成物全体の10重
量%の量で包含した。ベヒクル(エタノール/プロピレングリコール/水 70
:20:10)に加えて、当該組成物はゲル化剤を包含した。
【0097】 結果を、以下の表15および添付される図15、16および17に示す。
【0098】
【表16】
【0099】 これらの結果は、シネオールおよびメントール化合物が皮膚浸透増強剤として
当該技術分野で開示されたとは言え、イブプロフェンの送達を高めることにおい
て等しく無効であることを立証する。対照的に、本発明のSPE化合物は、この
NSAID薬物の経皮送達を高めることにおいて予想外に有効である。
【0100】 実施例15 実施例12について上述されたと同一の手順に従い、NSAIDとしてジクロ
フェナックのナトリウム塩もしくは遊離のジクロフェナックのいずれかを含有す
る製剤を、59:20:21の重量比でエタノール:プロピレングリコール:水
を含んで成る担体を含む(100%まで)10%の2−n−ノニル−1,3−ジ
オキソランを使用して試験した。結果を以下の表16に示す。
【0101】
【表17】
【0102】 このデータは、遊離酸を上回るジエチルアミン塩の高められた利益を示し、そ
して、ジクロフェナックのナトリウム塩とともに発明のSPE化合物を使用する
薬物送達における有意の改良を立証する。
【0103】 実施例16 商業的製品ボルタレン[Voltarene](商標)エミュゲル[Emug
el](商標)、すなわちジクロフェナックのジエチルアミン塩を基礎とする局
所製品を、上と同一の条件下で試験した。薬物送達の累積量は約7ないし13μ
g/cm2/24hのみであった。発明のSPEを、エミュゲル(Emugel)に
類似、しかしジエチルアミン塩の代わりにトリエタノールアミン塩を含み、かつ
、溶媒系として20%イソプロピルアルコール、5%プロピレングリコール、6
5.64%の水および1.2%カルボポール(Carbopol)ゲル化剤を鉱
物油および他の乳化剤と共同して包含する組成物中で、5%もしくは10%の量
で使用する場合、24時間累積送達は約4ないし7μg/cm2のみである。
【0104】 いずれかの特定の理論により拘束されることを願わないとは言え、この場合の
劣った性能は、ただ高い水含量によるのでなく、しかし、SPEが乳化剤中に可
溶化されそして容易に放出されないという事実によることが考えられる。
【0105】 10%のSPE、および70:20:10の比のエタノール:プロピレングリ
コール:水担体を使用する、遊離酸としてジクロフェナックを用いる別個の実験
では、ヒト皮膚サンプルを通って拡散した遊離酸の累積量は、約96μg/cm2
24h程度であった。
【0106】 実施例17 実施例1で使用されたと同一の型の標準固定小室、ヒトもしくはブタのいずれ
かの皮膚を用いて、表17に示されるベヒクルおよび製剤の型を使用する表17
に示される量でいくつかの異なるNSAID薬物を使用して、一連の試験を実施
して、増強剤を含まない、または5%もしくは10%の発明の増強剤すなわち2
−n−ノニル−1,3−ジオキソラン(SEPA(商標))を含む製剤の平均流
入を測定した。表17からの結果を、発明の高める化合物を製剤に添加する場合
に得られる改良された薬物送達の程度(degree)もしくは程度(extent)を示す増強
因子(SEPA(商標)を含まない製剤についての流入に対するSEPA(商標
)を含む製剤についての流入の比)として表18に報告する。
【0107】 表17および18のデータは、多様な製剤の型中の幅広い範囲のNSAID化
合物にわたる本発明のジオキソラン、ジオキサンおよびアセタール増強剤の有効
性をはっきりと立証する。
【0108】
【表18】
【0109】
【表19】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかる、エタノール−プロピレングリコール−水ベヒクル中の10
重量%(■)もしくは2重量%(●)の2−n−ノニル−1,3−ジオキソラン
皮膚浸透増強剤の混合可能性を示す三相図である。
【図2】 この発明にかかる、イソプロパノール−プロピレングリコール−水ベヒクル中
の10重量%(●)もしくは2重量%(○)の1,3−ジオキソラン皮膚浸透増
強剤の混合可能性を示す三相図である。
【図3】 この発明にかかる、水性−アルコール性(エタノール)ゲル製剤中に5%のイ
ブプロフェンおよび0%(棒A)、5%(棒B)、10%(棒C)、15%(棒
D)もしくは20%(棒E)のプロピレングリコールを含有する製剤についての
、局所適用後2、4もしくは6時間での時間の関数としての、インビトロ研究に
おけるイブプロフェンナトリウムの流入をプロットする棒グラフである。
【図4】 この発明にかかる、本発明の、および10重量%の2−n−ノニル−1,3−
ジオキソラン皮膚浸透増強剤(◇)を含有する水性アルコール性ゲル、もしくは
皮膚浸透増強剤を含まない類似のゲル(▽)、または4種の商業的局所イブプロ
フェン製剤、すなわちゲルフェン[Gelufene](商標)(□)、ディー
プリリーフ[Deep Relief](商標)(○)、イブトップ[Ibut
op](△)およびドルジット[Dolgit](商標)(◆)についてのイン
ビトロ研究(実施例3)における対時間のイブプロフェンナトリウムの流入をプ
ロットするグラフである。
【図5】 この発明にかかる、図4の研究において使用された同一のサンプルについての
対時間のイブプロフェンナトリウムの累積拡散をプロットするグラフである。
【図6】 この発明にかかる、本発明の製剤(○)もしくはプールされたベヒクル(□)
のいずれかを使用する実施例6に記述されたような臨床試験においての時間(分
)の関数としての痛みの緩和を報告する応答者の数(パーセント)をプロットす
るグラフである。
【図7】 この発明にかかる、5重量%のイブプロフェンナトリウム、10重量%の2−
n−ノニル−1,3−ジオキソラン皮膚浸透増強剤、および0%のプロピレング
リコール(PG)(■)、5重量%のPG(●)、10重量%のPG(▲)、1
5重量%のPG(◇)、20重量%のPG(◆)もしくは20重量%のイソペン
チルジオール(IP)(○)を含有する水性アルコール性ゲルについての、実施
例4のインビトロ研究における対時間のイブプロフェンナトリウムの流入をプロ
ットするグラフである。
【図8】 この発明にかかる、10重量%の浸透増強剤、ならびに、プロピレングリコー
ル(PG)を含む(■)もしくは含まない(◇)かのいずれかの2.5重量%の
イブプロフェンナトリウム;プロピレングリコールを含む(●)もしくは含まな
い(◆)かのいずれかの5重量%のIB;およびプロピレングリコールを含む(
▲)もしくは含まない(○)かのいずれかの10重量%のIBを含有する水性ア
ルコール性ゲルについての、実施例5のインビトロ研究における対時間のイブプ
ロフェンナトリウムの流入をプロットするグラフである。
【図9】 この発明にかかる、5%(●)もしくは10%(▲)の2−n−ノニル−1,
3−ジオキソラン(SEPA(商標));5%(◆)もしくは10%(□)のジ
イソプロピルアジペート;または5%(○)もしくは10%(△)の安息香酸エ
ステルのいずれかの皮膚浸透増強剤(SPE)を使用する、あるいはSPEを含
まない(■)、対時間のケトプロフェンの流入をプロットするグラフである。
【図10】 この発明にかかる、図9に使用されたと同一のサンプルについての対時間のケ
トプロフェンの累積拡散(μg/cm2)をプロットするグラフである。
【図11】 この発明にかかる、図9に使用されたと同一のサンプルについての対時間の用
量のパーセントとして累積拡散をプロットするグラフである。
【図12】 この発明にかかる、エチレン(E)/プロピレングリコール(PG)/水(W
)を70:20:10の重量比で含有するベヒクル(■);もしくは(E)/グ
リセロール(GL)/(W)(70:20:10)を含有するベヒクル(▲);
もしくは(E)/プロピレンカーボネート(PC)/(W)(70:20:10
)を含有するベヒクル(◇)とともにSPEとして10%の2−n−ノニル−1
,3−ジオキソラン(SEPA(商標))を使用するか;または、(E)/(P
G)/(W)(70:20:10)ベヒクル中でSPEとして10%デカナール
を使用する(●)かのいずれかの、対時間のケトプロフェンの流入をプロットす
るグラフである。
【図13】 この発明にかかる、図12に使用されたと同一のサンプルについての対時間の
累積拡散(μg/cm2)をプロットするグラフである。
【図14】 この発明にかかる、図12に使用されたと同一のサンプルについての対時間の
用量のパーセントとしての累積拡散をプロットするグラフである。
【図15】 この発明にかかる、それぞれ組成物の10重量%の量で、SPEとして本発明
の化合物(●);またはシネオール(▲)もしくはメントール(■)を使用する
5%イブプロフェンの水性ゲルからのイブプロフェンの対時間の流入をプロット
するグラフである。
【図16】 この発明にかかる、図14に使用された同一のサンプルについての対時間の拡
散(それぞれμg/cm2もしくは用量パーセント)をプロットするグラフである。
【図17】 この発明にかかる、図14に使用された同一のサンプルについての対時間の拡
散(それぞれμg/cm2もしくは用量パーセント)をプロットするグラフである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年2月25日(2000.2.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項0.1ないし10%のジクロフェナック、ケトロラック、ナ
プロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェンもしくはピロキシカム; 2ないし15%の皮膚浸透増強剤; 0ないし30%のプロピレングリコール; 45ないし70%のエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの混合物;
0ないし20%の水; 0.1ないし3%のゲル化剤、および 6.5から約7.5までの範囲のpHを提供するための塩基、 を含んで成る、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】 非ステロイド性抗炎症薬がジクロフェナックもしくはケト
プロフェンである、請求項の組成物。
【請求項11】 プロピレングリコールの量が約5から20%までの範囲
にある、請求項10の組成物。
【請求項12】 皮膚浸透増強剤の量が約5から約10%までである、請求
11の組成物。
【請求項14】 組成物全体の重量を基礎として、 製薬学的に有効な量のナプロキセン、 約2から20%までの、2−C7−C14ヒドロカルビル置換1,3−ジオキ ソラン、1,3−ジオキサンもしくはアセタール皮膚浸透増強剤; 約35から85%までのエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの混
合物; 0ないし約40%の水; 約6から約8までの範囲のpHを提供するような量の塩基、および 約5%までのゲル化剤、 を含んで成る、ナプロキセンの経皮投与に有効なグリコールを含まない局所組成
物。
【請求項15】 増強剤の量が5から約10%までである、請求項14
グリコールを含まない組成物。
【請求項19】 40〜80:0〜20:0〜40のアルコール:グリコー
ル:水の混合比で、エタノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成
る群から選択される低級アルコール、3から6個までの炭素原子を有するアルキ
ルグリコール、ならびに水を含んで成るベヒクル中に、約5から15重量パーセ
ントまでのその薬理学的に許容できる塩の形態にあるイブプロフェンを含んで成
る実質的に中性の組成物を患者の皮膚に局所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者へのイブプロフェンの経皮投与方法であっ
て、前記ベヒクルが組成物の約70から90重量パーセントまで、ならびに、
約5から15重量パーセントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラ
ン、2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセ
タール(ここで、ヒドロカルビル基が7から14個までの炭素原子を有し)から
成る群から選択される皮膚浸透増強性化合物、ならびに6.5から約8までの範 囲のpHを提供するような量の塩基 を含んで成る方法。
【請求項20】 40〜80:0〜40:0〜40のアルコール:グリコー
ル:水の混合比で、エタノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成
る群から選択される低級アルコール、3から6個までの炭素原子を有するアルキ
ルグリコール、ならびに水を含んで成るベヒクル中に、約0.1から10重量パ
ーセントまでの非ステロイド性抗炎症薬を含んで成る実質的に中性の組成物を患
者の皮膚に局所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者への、トルメチン、ジクロフェナック、ケ
トロラック、アリールプロピオン酸(イブプロフェン以外)、アントラニル酸、
エノール酸、アルカノン、スリンダックおよびエトドラックから成る群から選択
される非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与方法であって、前記ベヒクルが組成物
の約70から90重量パーセントまで、ならびに、約0.5から25重量パーセ
ントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラン、2−ヒドロカルビル−
1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセタールから成る群から選択
される皮膚浸透増強性化合物を含んで成り、ここで、ヒドロカルビル基が7から
14個までの炭素原子を有する方法。
【請求項2135〜85:10〜40のアルコール:水の混合比で、エ
タノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成る群から選択される低
級アルコール、ならびに水を含んで成るグリコールを含まないベヒクル中に、治
療上有効な量のナプロキセンを含んで成る実質的に中性の組成物を患者の皮膚に
局所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者へのナプロキセンの経皮投与方法であって
、前記ベヒクルが組成物の約70から90重量パーセントまで、ならびに、約
2から約20重量パーセントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラン
、2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセタ
ール(ここで、ヒドロカルビルが7から14個までの炭素原子を有し)から成る
群から選択される皮膚浸透増強性化合物、6.5から約8までの範囲のpHを提 供するような量の塩基を 含んで成る方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/22 A61K 47/22 47/38 47/38 A61P 29/00 A61P 29/00 (72)発明者 ギユリク,ロバート・ジエイ アメリカ合衆国ニユーハンプシヤー州 03833エクゼター・アツシユブルツクロー ド12 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA12 BB31 CC05 DD37 DD38 DD59 EE31 FF34 FF67 4C084 AA19 MA17 MA28 NA06 NA11 ZA891 ZB111 4C206 AA01 AA02 DA24 MA05 MA83 NA06 NA11 ZA89 ZB11

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成物全体の重量を基礎として: 薬理学的に許容できる塩の形態にある治療上有効な量のイブプロフェン; 皮膚浸透増強に有効量のC7ないしC14−ヒドロカルビル置換1,3−ジオキ ソラン、1,3−ジオキサンもしくはアセタール; 3から6個までの炭素原子を有する0ないし約18%のグリコール; エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物から成る群から選択される最
    低約40%の揮発性アルコール; 0ないし約40%の水; 約6から約8までの範囲のpHを提供するための塩基、ならびに 場合によっては、皮膚に適用した場合に流出を回避するかもしくは最小にする
    ように組成物を増粘するのに有効なゲル化剤、 を含んで成る、実質的に中性のイブプロフェン含有アルコール性もしくは水性ア
    ルコール性組成物。
  2. 【請求項2】 約2から10%までのイブプロフェン; 約4から15%までの増強剤であって、ここでヒドロカルビル基の置換基が約
    7から10個までの炭素原子を有し; 約0から15%までのプロピレングリコール; 約55から70%までのエタノール; 約4から35%までの水; 約6.5から約7.5までの範囲に組成物のpHを調節するような量の塩基;
    および 0ないし約2%のセルロース性増粘剤、 を含んで成る、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 約2から10%までのイブプロフェン; 約5から10%までの増強剤; 約0%のプロピレングリコール; 約55から70%までのエタノール; 約4から35%までの水; 約6.5から約7.5までに組成物のpHを調節するような量の塩基、および 0ないし2%のゲル化剤、 を含んで成る、請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 約2から10%までのイブプロフェン; 約5から10%までの増強剤; 約1から15%までのプロピレングリコール; 約55から70%までのエタノール; 約4から35%までの水; 約6.5から約7.5までに組成物のpHを調節するような量の塩基;および 0ないし2%のゲル化剤、 を含んで成る、請求項2に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 約5%のイブプロフェン; 約5から10%までの皮膚浸透増強剤であって、ここでヒドロカルビル基の置
    換基が約7から10個までの炭素原子を有し; 約5%までのプロピレングリコール; 約55から70%までのエタノール; 約70:30のエタノール:水の重量比を提供するような量の水; イブプロフェンを本質的に中和するような量の塩基; および、組成物を濃くするのに有効な量のゲル化剤、 を含んで成る、請求項1の組成物。
  6. 【請求項6】 プロピレングリコールを含まない、請求項?の組成物。
  7. 【請求項7】 皮膚浸透増強性化合物として2−n−ノニル−1,3−ジオ
    キソランを含んで成る、請求項1の組成物。
  8. 【請求項8】 組成物全体の重量を基礎として、 治療上有効な量の、トルメチン、ジクロフェナック、ケトロラック、アリール
    プロピオン酸(イブプロフェン以外)、アントラニル酸、エノール酸、アルカノ
    ン、スリンダックおよびエトドラックから成る群から選択される非ステロイド性
    抗炎症薬の薬理学的に許容できる塩; 約0.5から25%までの、皮膚浸透増強剤としての1,3−ジオキソラン、
    1,3−ジオキサンもしくはアセタールのC7ないしC14−ヒドロカルビル誘導 体; 3から6個までの炭素原子を有する0ないし約40%のグリコール; エタノール、プロパノールおよびそれらの混合物から成る群から選択される最
    低約40%の揮発性アルコール; 約40%までの水; 約6から約8までのpHを提供するような量の塩基、ならびに 約5%までのゲル化剤、 を含んで成る、非ステロイド性抗炎症薬の経皮送達に有効な実質的に中性のアル
    コール性もしくは水性アルコール性局所組成物。
  9. 【請求項9】 皮膚浸透を高める化合物として2−n−ノニル−1,3−ジ
    オキソランを含んで成る、請求項3の組成物。
  10. 【請求項10】 約0.1から10%までのジクロフェナック、ケトロラッ
    ク、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェンもしくはピロキシカム
    ; 約2から15%までの皮膚浸透増強剤; 0ないし約30%のプロピレングリコール; 約45から70%までのエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの混合
    物; 0ないし約20%の水; 約0.1から3%までのゲル化剤、および 約6.5から約7.5までの範囲のpHを提供するための塩基、 を含んで成る、請求項8に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 非ステロイド性抗炎症薬がジクロフェナックもしくはケト
    プロフェンである、請求項4の組成物。
  12. 【請求項12】 プロピレングリコールの量が約5から20%までの範囲に
    ある、請求項11の組成物。
  13. 【請求項13】 皮膚浸透増強剤の量が約5から約10%までである、請求
    項12の組成物。
  14. 【請求項14】 非ステロイド性抗炎症薬がジクロフェナックのジエタノー
    ルアミン塩である、請求項4の組成物。
  15. 【請求項15】 組成物全体の重量を基礎として、 製薬学的に有効な量のナプロキセン、 約2から20%までの、2−C7−C14ヒドロカルビル置換1,3−ジオキソ ラン、1,3−ジオキサンもしくはアセタール皮膚浸透増強剤; 約50から85%までのエタノール、イソプロパノールもしくはそれらの混合
    物; 0ないし約40%の水; 約6から約8までの範囲のpHを提供するような量の塩基、および 約5%までのゲル化剤、 を含んで成る、ナプロキセンの経皮投与に有効なグリコールを含まない局所組成
    物。
  16. 【請求項16】 増強剤の量が約5から10%までである、請求項5のグリ
    コールを含まない組成物。
  17. 【請求項17】 非ステロイド性抗炎症薬がジクロフェナックのジエタノー
    ルアミン塩である、請求項4の組成物。
  18. 【請求項18】 40〜80:0〜20:0〜40のアルコール:グリコー
    ル:水の混合比で、エタノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成
    る群から選択される低級アルコール、3から6個までの炭素原子を有するアルキ
    ルグリコール、ならびに水を含んで成るベヒクル中に、約5から15重量パーセ
    ントまでのイブプロフェンを含んで成る実質的に中性の組成物を患者の皮膚に局
    所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者へのイブプロフェンの経皮投与方法であっ
    て、前記ベヒクルは組成物の約70から90重量パーセントまで、ならびに、約
    5から15重量パーセントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラン、
    2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセター
    ルから成る群から選択される皮膚浸透増強性化合物を含んで成り、ここで、ヒド
    ロカルビル基が7から14個までの炭素原子を有する方法。
  19. 【請求項19】 40〜80:0〜40:0〜40のアルコール:グリコー
    ル:水の混合比で、エタノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成
    る群から選択される低級アルコール、3から6個までの炭素原子を有するアルキ
    ルグリコール、ならびに水を含んで成るベヒクル中に、約0.1から10重量パ
    ーセントまでの非ステロイド性抗炎症薬を含んで成る実質的に中性の組成物を患
    者の皮膚に局所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者への、トルメチン、ジクロフェナック、ケ
    トロラック、アリールプロピオン酸(イブプロフェン以外)、アントラニル酸、
    エノール酸、アルカノン、スリンダックおよびエトドラックから成る群から選択
    される非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与方法であって、前記ベヒクルが組成物
    の約70から90重量パーセントまで、ならびに、約0.5から25重量パーセ
    ントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラン、2−ヒドロカルビル−
    1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセタールから成る群から選択
    される皮膚浸透増強性化合物を含んで成り、ここで、ヒドロカルビル基が7から
    14個までの炭素原子を有する方法。
  20. 【請求項20】 50〜85:10〜40のアルコール:水の混合比で、エ
    タノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物から成る群から選択される低
    級アルコール、ならびに水を含んで成るグリコールを含まないベヒクル中に、治
    療上有効な量のナプロキセンを含んで成る実質的に中性の組成物を患者の皮膚に
    局所的に適用すること、 を含んで成る、それを必要とする患者へのナプロキセンの経皮投与方法であって
    、前記ベヒクルが組成物の約70から90重量パーセントまで、ならびに、約2
    から20重量パーセントまでの2−ヒドロカルビル−1,3−ジオキソラン、2
    −ヒドロカルビル−1,3−ジオキサン、およびヒドロカルビル置換アセタール
    から成る群から選択される皮膚浸透増強性化合物を含んで成り、ここで、ヒドロ
    カルビルが7から14個までの炭素原子を有する方法。
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