JP2006335714A - 経皮投与製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】経皮吸収を目的として薬物を配合する経皮投与製剤において、長時間皮膚に適用しても、薬物に基づく皮膚刺激を抑制することの可能な経皮投与製剤を提供する。
【解決手段】薬物、及び水酸基を有するラクトン化合物を含有する経皮投与製剤。

Description

本発明は、皮膚を介して各種疾患の治療に要する薬物を吸収させる経皮投与製剤に関する。更に詳しくは、薬物の皮膚吸収性に優れると共に、薬物に基づく皮膚刺激性を低減し安全性に優れた経皮投与製剤に関する。
近年、皮膚を介して薬物を投与する経皮投与製剤の開発が種々試みられている。皮膚は外界からの異物に対するバリアとして機能するため、薬物が皮膚を透過することは通常困難であるが、化学的又は物理的吸収促進方法を用いることにより薬物の皮膚透過性を高める工夫がなされている。
一方、薬物は、皮膚に接触し一次刺激又はアレルギー性の接触感作を生じる場合があるが、その度合いは薬物の濃度及び皮膚に対する接触時間に依存するものと考えられており、薬物濃度を低くする、又は刺激を低減するための添加物を配合する等の方法が試みられている。
例えば、セロトニン再取り込み阻害剤であるフルオキセチンは皮膚刺激性を有するが、フルオキセチンを酢酸塩とし、強力な抗炎症作用を有するステロイド剤と共に投与することにより、皮膚刺激性を低減することが開示されている(特許文献1)。また、化粧品組成物において、美容成分であるヒドロキシ酸やレチノール等により生じる皮膚刺激及び/又は皮膚のヒリヒリする感覚が、グルコノラクトン及び/又はグルカロラクトンにより抑制されることが開示されている(特許文献2)
米国特許6,512,010公報 特表2002−504504号公報
従来の技術では、化粧品組成物に基づく皮膚表面の軽微な皮膚刺激性は、特定の添加物を配合することにより防止するよう改善がなされてきた。しかしながら、薬物を皮膚から投与し薬効を期待する経皮投与製剤では、薬物が治療に要する期間中皮膚に接触し、かつ薬物が生きた表皮層まで吸収される必要があるため、薬物が皮膚刺激性を有するにも拘わらず、経皮治療のメリットが享受できる場合には、やむを得ずステロイドのような抗炎症剤を配合することを余儀なくされていた。このようにステロイドを配合した場合には、皮膚刺激性そのものを抑制することは可能であるものの、ステロイドに起因する副作用の発現等が懸念されるという不都合があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、経皮吸収を目的として薬物を配合する経皮投与製剤において、抗炎症剤のような刺激低減剤を使用せずとも、基剤と添加剤の組み合わせを工夫することにより、長時間皮膚に適用しても、薬物に基づく皮膚刺激を抑制することの可能な経皮投与製剤を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を進める中で、シタロプラムのように比較的低濃度で皮膚一次刺激性を示す傾向の認められる薬物であっても、水酸基を有する特定量のラクトン化合物が共存する経皮投与製剤は、皮膚に対する刺激が著しく低減されることを見い出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、薬物及び水酸基を有するラクトン化合物を含有する経皮投与製剤に関する。
また本発明は、水酸基を有するラクトン化合物がδ−ラクトン化合物である、前記経皮投与製剤に関する。
さらに本発明は、δ−ラクトン類化合物がグルコノ−δ−ラクトンである、前記経皮投与製剤に関する。
さらにまた、本発明は、水酸基を有するラクトン化合物の含有量が製剤全体に対し0.01〜10質量%である、前記経皮投与製剤に関する。
本発明は、薬物が塩基性化合物又はその薬学的に許容される塩である、前記経皮投与製剤に関する。
また本発明は、薬物が、シタロプラム、フルオキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、パロキセチン又はその薬学的に許容される塩である、前記経皮投与製剤に関する。
さらに本発明は、薬物が、シタロプラム又はその薬学的に許容される塩である、前記経皮投与製剤に関する。
さらにまた本発明は、薬物の含有量が製剤全体に対し0.01〜20質量%である、前記経皮投与製剤に関する。
本発明は、製剤中にさらに経皮吸収促進剤を含有する、前記経皮投与製剤に関する。
また本発明は、剤型が貼付剤である、前記経皮投与製剤に関する。
本発明はさらに、実質的に水を含まない前記貼付剤に関する。
本発明の製剤によれば、全身性の薬理効果を期待して長時間製剤を適用した場合にも、薬物に基づく皮膚刺激性を顕著に低減できる吸収性に優れた経皮投与製剤を提供することが可能である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明は、薬物及び水酸基を有するラクトン化合物を含有する経皮投与製剤である。
本発明の経皮投与製剤に用いられる薬物は、皮膚を介して吸収され、後述の各種疾患の治療に用いられる化合物であれば特に制限はなく、例えば、非ステロイド性消炎鎮痛剤(ジクロフェナク、インドメタシン、ケトプロフェン、フェルビナク、ロキソプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、チアプロフェン、アセメタシン、スリンダク、エトドラク、トルメチン、ピロキシカム、メロキシカム、アンピロキシカム、ナプロキセン、アザプロパゾン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、バルデコキシブ、セレコキシブ、ロフェコキシブ)、降圧剤(ジルチアゼム、ニカルジピン、ニルバジピン、メトプロロール、ビソプロロール、トランドラプリル)、抗パーキンソン剤(ペルゴリド、ブロモクリプチン、ロピニロール、セレギリン)、気管支拡張剤(ツロブテロール、イソプレテノロール、サルブタモール)、麻薬系鎮痛剤(フェンタニル、モルヒネ)、泌尿器官用剤(オキシブチニン)、精神神経用剤(プロマジン、クロルプロマジン)、抗うつ剤(セルトラリン、フルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン)、抗痴呆薬(ドネペジル、リスペリドン、リバスチグミン、ガランタミン、イデベノン)、去痰薬(アンブロキソール)、抗不安薬(タンドスピロン)、抗精神病薬(オランザピン)、中枢神経興奮剤(メチルフェニデート)、骨粗しょう症治療薬(ラロキシフェン、アレンドロネート)、乳がん予防薬(タモキシフェン)、抗肥満薬(マジンドール、シブトラミン)、不眠症改善薬(メラトニン)、等が挙げられ、これらの薬学的に許容される塩や誘導体を使用してもよい。これらの中でも、塩基性薬物は、負荷電を有する表皮細胞等の細胞膜の損傷を引き起こしやすく、経皮投与製剤としての使用は皮膚刺激を伴うことが多いが、塩基性薬物を本発明の薬剤として用いた場合、特に刺激抑制効果に優れるため、好適に用いられる。
また、薬物の皮膚一次刺激性は、該薬物が皮膚と接触する濃度や皮膚透過量に依存するが、治療に必要とされる薬物の製剤中の濃度が20質量%以下において、皮膚刺激を生じる傾向が認められる薬物を配合することが好ましく、降圧剤(ジルチアゼム、ニカルジピン、ニルバジピン、メトプロロール、ビソプロロール、トランドラプリル)、抗パーキンソン剤(ペルゴリド、ブロモクリプチン、ロピニロール、セレギリン)、骨粗しょう症治療薬(ラロキシフェン、アレンドロネート) 、抗うつ剤(セルトラリン、フルオキセチン、パロキセチン、シタロプラム、フルボキサミン)、又はその薬学的に許容される塩が好適に用いられる。特に好ましいものとしては、シタロプラム及び臭化水素酸シタロプラムが挙げられる。
なお、本発明に使用する薬物は、治療に必要な量を皮膚から供給できる量であれば特に限定されないが、製剤全体に対し0.01〜20質量%を配合することが好ましく、さらに好ましくは、製剤全体に対し0.01〜10質量%配合されてもよい。
次に、本発明の経皮投与製剤に用いられる水酸基を有するラクトン化合物としては、上記薬物の皮膚刺激性を抑制できれば特に限定されないが、例えばδ−ラクトンやγ−ラクトン化合物等が挙げられ、好ましくはグルコノ−δ−ラクトン、D−マンノイック−δ−ラクトン、D−キシロイック−δ−ラクトン、ステアロイル−δ−ラクトン、アラビノイック−δ−ラクトン、γ−D−ガラクトノラクトン、α−D−グルコヘプタノイック−γ−ラクトン、L−グルコノ−1,5−ラクトン、D−グルクロノ−6,3−ラクトン等が挙げられる。
中でも、水酸基を有するδ−ラクトンは、1分子中に多くの水酸基を有することから、皮膚を構成する細胞表面との水素結合等に寄与して、細胞膜を保護する作用も考えられ、保湿効果や抗酸化作用が期待されるとともに、本発明の目的とする薬物の皮膚に対する刺激作用の抑制効果に優れるため好適である。特に、2,3,4,6位に水酸基を有するδ−ラクトンである、グルコノ−δ−ラクトンが特に好ましいものとしてあげることができる。
本発明の経皮投与製剤に使用する水酸基を有するラクトン化合物は、前記薬物の皮膚刺激性を低減できる濃度で有れば特に限定はされないが、製剤全体に対し0.01〜10質量%が配合されることが好ましい。0.01質量%以下であると皮膚刺激性の低減効果が不充分となり、10質量%以上であると薬物の含量安定性が低下するおそれがあるため、好ましくない。前記ラクトン化合物の配合量は、経皮投与製剤による薬物の皮膚吸収性を考慮すると、0.5〜5質量%で有ることが好ましく、特に経皮投与製剤が貼付剤である場合には皮膚への付着性に優れたものとなる。
本発明の経皮投与製剤は、必要に応じてさらに経皮吸収促進剤を配合することが可能である。経皮吸収促進剤としては、治療に必要な量を皮膚から吸収させることが可能であれば特に限定されるものではないが、製剤全体に対し0.5〜20質量%が配合される。かかる吸収促進剤としては、従来皮膚への吸収促進効果が認められている化合物のいずれでもよく、例えば炭素数6〜20の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、またはエーテル類、芳香族系有機酸、芳香族系アルコール、芳香族系有機酸エステル、またはエーテル(以上は飽和不飽和のいずれでもよく、また、環状、直鎖状、分枝状のいずれでもよい)、さらに、乳酸エステル類、酢酸エステル類、モノテルペン系化合物、エイゾン(Azone)、エイゾン誘導体、グリセロール脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類(Span系)、ポリソルベート系(Tween系)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油系(HCO系)、糖脂肪酸エステル類、脂肪酸アルキロールアミド等が挙げられる。
これらの化合物中、吸収促進剤自身の皮膚に対する刺激性が少ないという観点からは、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリン酸メチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、プロピレングリコールモノラウレート、N−メチル−2−ピロリドン、ピロチオデカン、l−メントール、d−リモネンが挙げられる。
さらに本発明の経皮投与製剤は、治療に必要とされる期間薬物を供給できる剤型であれば特に制限はなく、貼付剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、液剤等が利用できる。特に長時間、薬物の有効量を供給可能な剤型として、貼付剤が挙げられる。また、薬物の製剤中における安定性に優れるという点から、実質的に水を含有しない貼付剤であることが特に好ましい。実質的に水を含有しないとは、製剤が非水系材料で構成されることを意味する。但し、製剤中に原料または製造環境に由来する1質量%以下の微量の水分を含有することは許容される。一般に、非水系の粘着剤層を有する貼付剤は、粘着力が比較的強いため皮膚への密着性がよく、また水系の粘着剤層を有する貼付剤と比較して、薬物の皮膚吸収性を高めることができるが、薬物の皮膚吸収性が上昇するとそれに伴う皮膚刺激も増大することがある。しかしながら、本発明において、非水系の粘着剤層を用いた貼付剤は、皮膚刺激の低減効果に優れるため皮膚に対して安全であり、優れた治療効果を発現できるので、特に好ましい。
剤型が貼付剤である場合の基剤に使用される粘着層としては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、SISと略記する。)、イソプレンゴム、ポリイソブチレン(以下、PIBと略記する。)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、SBSと略記する。)、スチレン−ブタジエンゴム(以下、SBRと略記する。)ポリアクリレート共重合体(2−エチルヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、メタクリレート、メトキシエチルアクリレート、アクリル酸の少なくとも2種の共重合体)等の共重合体が挙げられ、使用する薬物の粘着剤への溶解性を考慮して、適宜選択することができる。また、これらの粘着剤を混合して使用することも可能である。
本発明の貼付剤に用いられる支持体は、特に限定されるものではないが、高分子フィルムや織布・不織布等の非伸縮性又は伸縮性の材質のものを使用することができ、支持体上に設けられた粘着剤層に含まれる薬物の吸着や浸透の生じない素材であることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、綿、アルミニウムシートが挙げられ、それらを積層して使用してもよい。
さらに本発明には、必要に応じて、抗酸化剤、紫外線吸収剤、結晶防止剤を用いることができ、抗酸化剤としてはトコフェロールおよびこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が好ましい。紫外線吸収剤としては紫外線吸収剤としては、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体などが望ましい。結晶化防止剤としてはポリビニルピロリドン等が望ましい。このような抗酸化剤、紫外線吸収剤、結晶化防止剤は合計で貼付製剤の粘着層の組成全体の質量に基づいて、好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下の量で配合されることができる。
本発明の貼付剤に用いられる剥離ライナーとしては、貼付剤を使用するまでの期間、粘着剤表面を保護するものであれば、特に限定されないが、ポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、紙等が挙げられる。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが好適に使用できる。これらは、剥離を容易にするためにシリコーン又はフッ素で表面を離型処理したり、背割れ、ハーフカット、ミシン目等の切れ目を設けたものであってもよい。
本発明の貼付剤を使用する場合、所望の治療効果に応じて、製剤の貼付面積を5〜140cm、好ましくは10〜60cmとすることができる。
本発明の経皮投与製剤は、その剤型に応じて慣用の基剤を含むことができ、液剤の場合は、低級アルコール、多価アルコール、水等を含むことができる。
クリーム剤の場合は、油性基剤、高級アルコール、脂肪酸エステル、多価アルコールおよびその誘導体、界面活性剤、ゲル化剤、水等を含むことができる。
上記の剤型において使用される低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、変性エタノール、イソプロパノールなどがあげられる。
油性基剤としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス等が挙げられ、高級アルコールは、炭素数10〜20個のアルコールであり、好ましくは、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコールが好ましい。
多価アルコールおよびその誘導体としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびこれらのエステルまたはエーテルなどがある。
脂肪酸エステルは、高級脂肪酸のエステルであり、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸と低級アルコール(炭素数1〜6)とのエステルがあげられる。
界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンステアリン酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシエチレンノニルエーテル、モノオキシエチレンセチルエーテル、モノオキシエチレンラウリルエーテル、などのポリオキシエチレンエーテルなどのノニオン系界面活性剤、その他塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン性界面活性剤または両性界面活性剤であってもよい。
ゲル化剤は、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどがある。
さらに本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。
実施例1
シタロプラム(抗うつ治療薬)をモデル薬物とした誘発細胞障害反応に対する添加剤の効果
<試験方法>
本実験には,ヒト由来正常表皮角化細胞(ケラチノサイト)を用いた。また細胞障害性は,細胞から逸脱する細胞室性酵素であるラクトースデヒドロゲナーゼ(LDH)の放出量を指標に判定を行った。まずケラチノサイトを96穴培養用プレートに播き(5x103 cell/80 μL/well)、CO2インキュベータ内(37℃,5%CO2)にて24時間静置した。その後、所定のウェルにシタロプラムおよび各添加剤を処置し、2時間30分インキュベートを行った。インキュベート終了後,遠心分離を行い(250 x g,5 min)、それぞれの培養上清 50 μL を採集して試験検体とした(放出LDH量測定)。同時に、各ウェル内に残っている細胞を lysis buffer にて完全に溶解させた後,この溶解液を培養液で10倍希釈し試験検体とした(全量 50 μL,細胞内残留LDH量測定)。次に各試験検体に、反応基質となるテトラゾリウム塩溶液(乳酸塩,50 μL)を加え、20分間インキュベートをした後、マイクロプレートリーダーにて490 nm の吸光度を測定した。試験結果は % of total LDH として,以下の式に従い算出した。
;% of total LDH = 放出LDH量 / (放出LDH量+細胞内残留LDH量)×100
各群の詳細については以下の通りである.また,各試薬の調整にはケラチノサイト用培地を使用し、各ウェルへの添加量はそれぞれ 10 μL とした(各ウェルの最終容量は 100 μLとする)。
〈群構成〉
(1)ケラチノサイト + 培地 + Lysis buffer (陽性対照群)
(2)ケラチノサイト + 培地 + シタロプラム(600 μM)
(3)ケラチノサイト + グルコノ−δ−ラクトン (100μM) + シタロプラム(600 μM)
(4)ケラチノサイト + グルコノ−δ−ラクトン (300μM) + シタロプラム(600 μM)
(5)ケラチノサイト + グルコノ−δ−ラクトン (600μM) + シタロプラム(600 μM)
(6)ケラチノサイト + L−酒石酸 (600 μM) + シタロプラム(600 μM)
(7)ケラチノサイト + D−酒石酸 (600 μM) + シタロプラム(600 μM)
(8)ラチノサイト + L−酒石酸ナトリウム (600 μM)+ シタロプラム(600 μM)
(9)ケラチノサイト + ジブチルヒドロキシトルエン (10 μM)+ シタロプラム(600 μM)
(10)ケラチノサイト + ピロ亜硫酸ナトリウム (300 μM)+ シタロプラム(600 μM)
試験結果を表1に表す。
まず、lysis buffer を添加して細胞を完全溶解させた陽性対照群においては、ほぼ100%のLDH放出が認められたのに対し、シタロプラム(600 μM)の添加群では軽度〜中等度の細胞障害性が認められた。すなわち、シタロプラムは、少なからず直接ケラチノサイトの細胞膜を破壊して皮膚刺激を発現する要因となりうることが理解される。これは、シタロプラムの皮膚刺激性が、いわゆるアラキドン酸カスケードに基づいて、各種のプロスタグランジン類及びロイコトリエン類等を産出する炎症発現とは異なるメカニズムにも依存していることを示唆している。
このような条件下にて、シタロプラムの細胞障害性に対する各添加剤の影響について検討したところ,グルコノ−δ−ラクトン、L−酒石酸、D−酒石酸、L−酒石酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエンおよびピロ亜硫酸ナトリウムの添加により,シタロプラムの細胞障害性反応が著名に抑制された。しかも、グルコノ−δ−ラクトンでは、用量依存的に刺激性を抑制する傾向が認められた。
なお、本試験と同条件において、L−酒石酸(600 μM)、D−酒石酸(600 μM)、L−酒石酸ナトリウム(600 μM)、ジブチルヒドロキシトルエン(10 μM)およびピロ亜硫酸ナトリウム(300 μM)の単独添加では全く細胞障害性が認められなかった。
Figure 2006335714
実施例2
抗うつ治療薬シタロプラム誘発皮膚1次刺激性に対するグルコノ−δ−ラクトンの影響
<試験方法概略>
モルモットの背部を除毛し、生理食塩水にて溶解した各種被験溶液を皮内投与(100 mL/site)した。投与24、48、72時間後の皮膚反応をDraize法1)に従い評価し一次刺激性評点(Primary Irritation Index; P.I.I)を算出した。
〈群構成〉
(1)生理食塩液
(2)0.5%グルコノ−δ−ラクトン生理食塩液
(3)0.3%シタロプラム生理食塩液
(4)0.3%シタロプラム/0.1%グルコノ−δ−ラクトン生理食塩液
(5)0.3%シタロプラム/0.3%グルコノ−δ−ラクトン生理食塩液
(6)0.3%シタロプラム/0.5%グルコノ−δ−ラクトン生理食塩液
(7)0.3%シタロプラム/0.5% L−酒石酸生理食塩液
(8)0.3%シタロプラム/0.1% ジブチルヒドロキシトルエン生理食塩液
(9)0.3%シタロプラム/0.5% ピロ亜硫酸ナトリウム生理食塩液
Figure 2006335714
1)Draize,J.H. J.Pharmacol.Exp.Ther., 82, 377-390(1944)
Figure 2006335714
モルモットを使用した皮膚一次刺激性試験の結果、シタロプラムによる一次刺激性評点(P.I.I.)2.6〜3.0(中等度刺激)が、グルコノ−δ−ラクトンの添加により2以下(軽度刺激)に低減することが可能となった。In vitro試験において効果の見られた他の添加物はin vivo系における刺激低減効果が見られなかった。

Claims (11)

  1. 薬物及び水酸基を有するラクトン化合物を含有する経皮投与製剤。
  2. 水酸基を有するラクトン化合物が、δ−ラクトン化合物である請求項1記載の経皮投与製剤。
  3. δ−ラクトン類化合物が、グルコノ−δ−ラクトンである請求項2記載の経皮投与製剤。
  4. 水酸基を有するラクトン化合物の含有量が、製剤全体に対し0.01〜10質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  5. 薬物が塩基性化合物又はその薬学的に許容される塩である、請求項1〜4のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  6. 薬物が、シタロプラム、フルオキセチン、セルトラリン、フルボキサミン、パロキセチン又はその薬学的に許容される塩である、請求項1〜5のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  7. 薬物が、シタロプラム又はその薬学的に許容される塩である請求項6に記載の経皮投与製剤。
  8. 薬物の含有量が、製剤全体に対し0.01〜20質量%である、請求項1〜7のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  9. 製剤中にさらに経皮吸収促進剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  10. 剤型が貼付剤である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の経皮投与製剤。
  11. 実質的に水を含まない、請求項10に記載の貼付剤。
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