JP2005145932A - 消炎鎮痛外用剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する外用剤であって、安定性を有し皮膚刺激性が少ないのみならず、皮膚よりも深い部分にある組織における浸透性や拡散性に優れ、炎症や痛みのある筋肉や関節組織などに直接作用できる上に、比較的高濃度の非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する消炎鎮痛外用剤を提供する。
【解決手段】 本発明の消炎鎮痛外用剤は、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤および局所麻酔剤を含有する消炎鎮痛剤であって、当該アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤を、当該消炎鎮痛剤全体に対して5質量%以上含むものである。

Description

本発明は、消炎鎮痛外用剤に関するものである。
これまで、副作用を低減する観点から、ホルモン剤であるステロイド消炎鎮痛剤にかわり、多くの非ステロイド消炎鎮痛剤が開発されてきた。この非ステロイド消炎鎮痛剤は、痛みを増強する代謝経路であるアラキドン酸カスケードのうち最初の反応を触媒するシクロオキシゲナーゼを阻害することによって、炎症や発痛に関わるプロスタグランジンの生成を抑制する作用を有する。
ところがプロスタグランジンは、炎症や発痛といった好ましくない作用を有する一方で生体内において多彩な作用を発揮するものであるため、非ステロイド消炎鎮痛剤の投与によりプロスタグランジンの生成を必要以上に抑制すると、重篤な副作用を生じる場合がある。例えば、シクロオキシゲナーゼのアイソザイムであるシクロオキシゲナーゼI型は、胃粘膜保護や腎機能に関係しているため、これを非ステロイド系消炎鎮痛剤により阻害すると、消化官障害や腎機能障害が生じ得る。
従って、非ステロイド消炎鎮痛剤について、これら副作用を比較的生じ難い外用剤、例えば軟膏剤,硬膏剤,パップ剤,液剤等での開発が進められてきた。
しかし、一般的に非ステロイド消炎鎮痛剤の経皮吸収性は極めて悪く、外用剤として投与すると、経口投与した場合に比べて効果が極端に低下する場合がある。そこで、特許文献1に記載の技術では、非ステロイド消炎鎮痛剤と共に局所麻酔剤を添加することによって、経皮吸収性の向上を図っている。また、非ステロイド消炎鎮痛剤と局所麻酔剤の両薬剤を含むパップ剤が、特許文献2に開示されている。
この経皮吸収性を向上させるには、局所麻酔剤を添加する他にも、非ステロイド消炎鎮痛剤の製剤中濃度を高くする方法が考えられる。当該濃度を高くすれば、外用剤の皮膚単位面積当たりの薬剤量が増加するからである。しかし、外用剤において、非ステロイド消炎鎮痛剤の製剤中濃度を高くすることには、2つの大きな問題があった。
その一つは、非ステロイド消炎鎮痛剤の生体組織内における浸透拡散性の問題である。
従来、非ステロイド消炎鎮痛剤の製剤中濃度は、1%以上の濃度でも経皮吸収性がほぼ同じで効果も変わらないことから、通常1%程度が適値とされている。これは、非ステロイド消炎鎮痛剤の皮膚組織内での浸透拡散性が低いことに起因している。即ち、たとえ経皮吸収性が改善されても、組織内での浸透拡散性が低い非ステロイド消炎鎮痛剤は、皮膚組織の表面部にとどまることになる。すると、皮膚組織表面部における非ステロイド消炎鎮痛剤の濃度が上昇して飽和状態となり、外用剤から皮膚組織への移行が鈍化していく。その結果、外用剤の非ステロイド消炎鎮痛剤の放出性や経皮吸収性が良好でも、製剤中の薬剤濃度に比例して吸収性が向上せず、ひいては薬剤濃度が薬効に反映されなくなる。
また、非ステロイド消炎鎮痛剤が皮膚組織内で拡散せず表面部で沈滞すると皮膚刺激等を引き起こし、安全性が低下するおそれがある。従って、外用剤においては、非ステロイド消炎鎮痛剤の濃度を無条件に上げることはできなかった。
外用剤の非ステロイド消炎鎮痛剤濃度を高めることに伴うもう一つの問題は、非ステロイド消炎鎮痛剤の溶媒および基剤に対する難溶性に起因する製剤上の理由によるものである。即ち、ほとんどの非ステロイド系消炎鎮痛剤はその構造中に酸性残基を有するので、pHを調整することによって、水へはある程度溶解することが可能である。しかし、親油性や両親媒性の溶媒や基剤には溶解性が悪く、特に大容量での製剤時においては溶解に要する時間が過剰に長くかかったり、溶解に多量の溶媒が必要であることから巨大な予備溶解槽が必要であったり、或いは溶解槽を多段階に設置せざるを得ず、製剤上の利便性は極めて低い。また、製剤時に多量の溶媒を使用すると、製剤設計上、硬膏剤やパップ剤などでは成形化が困難となり、軟膏剤では粘度等の面で問題が生じ易くなるといった問題もある。
一方、製剤時において、非ステロイド系消炎鎮痛剤を完全に溶解せずに製剤化を進めると、凝集体を形成して製剤の均一性が悪化する。その上、溶解していない薬剤の経皮吸収性は極端に低下するので、製剤の薬効自体が悪くなってしまう。
以上に述べた理由により、従来、非ステロイド消炎鎮痛剤と局所麻酔剤の両方を含む外用剤であって、且つ非ステロイド消炎鎮痛剤の濃度が比較的高いものは存在しなかった。事実、特許文献1の実施例では種々の外用剤が開示されているが、いずれも非ステロイド消炎鎮痛剤の含有量は3質量%のものであり、[発明の詳細な説明]項では、その含有量は通常0.1〜0.5質量%、好適には0.3〜3.0質量%であるとの記載がされている(原文まま)。また、特許文献2には、非ステロイド消炎鎮痛剤含有量として0.05〜10質量%という数値範囲が記載されているが、実施例で製造されているパップ剤は、何れも1質量%以下である。
また、特許文献1では、非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する外用剤の経皮吸収性の向上を解決課題としてあげており、皮膚組織内における浸透拡散性は全く認識されていない。また、特許文献2では、この浸透拡散性のみならず経皮吸収性さえも認識されていない。
特開2002−128699号公報(段落[0008]および実施例) 国際公開第01/47559号パンフレット(実施例)
上述した様に、これまでにも非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する外用剤であって、皮膚透過性の改善を期したものは種々知られていた。
しかし従来の技術では、薬剤の血中濃度を皮膚透過性の指標としており、皮膚より更に下部の筋肉や関節組織に到る浸透性や拡散性を考慮したものはなく、また、非ステロイド消炎鎮痛剤の製剤中濃度が比較的低いものばかりであった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する外用剤であって、安定性を有し皮膚刺激性が少ないのみならず、皮膚よりも深い部分にある組織における浸透性や拡散性に優れ、炎症や痛みのある筋肉や関節組織などに直接作用できる上に、比較的高濃度の非ステロイド消炎鎮痛剤を含有する消炎鎮痛外用剤を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく、外用剤の構成を種々調整し、比較的高濃度の非ステロイド消炎鎮痛剤を添加しても安全面で問題が生じないように、非ステロイド消炎鎮痛剤の組織浸透拡散性を向上できる条件につき鋭意研究を重ねた。その結果、非ステロイド消炎鎮痛剤としてアリール酢酸系のものを選択し、これに局所麻酔剤を添加すれば、上記問題を解決できることを見出した。
更に、本発明者の知見によれば、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の外用剤に対する濃度が低濃度であれば、局所麻酔剤添加の有無にかかわらず浸透拡散性はほとんど変化しなかった(図1等を参照)。しかし、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の濃度が一定値以上になると、局所麻酔剤の添加によって浸透拡散性を改善できることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明の消炎鎮痛外用剤は、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤と局所麻酔剤を含有するものであって、当該アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の含有量が、当該消炎鎮痛剤全体に対して5質量%以上であることを特徴とする。
この消炎鎮痛外用剤において、上記局所麻酔剤としてはリドカインまたはその塩が好適であり、上記アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤としては、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムが好ましい。後述する実施例において、その効果が実証されているからである。
本発明の消炎鎮痛外用剤は、経皮吸収性のみならず皮膚組織内での浸透拡散性にも優れているために、薬剤吸収の鈍化が抑制されることから、非ステロイド消炎鎮痛剤を比較的高濃度で含んでいても皮膚表面部における薬剤沈滞が抑制され安全である上に、その作用効果を継続的に発揮することができる。
従って、本発明の消炎鎮痛外用剤は、消炎鎮痛剤として極めて優れたものである。
以下に、本発明の実施形態、及びその効果について説明する。
本発明で使用される「アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤」は、非ステロイド消炎鎮痛剤のうち、芳香族炭化水素基やインドール基などのヘテロアリール基を含むアリール基により置換されている酢酸をその構造中に有し、且つ当該酢酸のα位がメチレン基である(つまり、構造中の酢酸基が前記アリール基にのみ置換されており、低級アルキル基など他の基により置換されていない)ものをいう(「医療薬 日本医薬品集」,日本医薬情報センター 編,(株)じほう、「今日の治療薬−解説と便覧−」,水島裕 編,南江堂などを参照)。従って、構造中の酢酸基がアリール基と共にメチル基にも置換されているイブプロフェン,ケトプロフェン,ザルトプロフェン,ナプロキセン,プラノプロフェン,ロキソプロフェン,フルルビプロフェン,チアプロフェン酸などの様に「アリールプロピオン酸系非ステロイド消炎鎮痛剤」に分類されるものは、本発明の「アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤」には含まれない。
本発明の「アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤」としては、例えばインドメタシン等のインドール酢酸系;ジクロフェナク,イブフェナク,アルクロフェナク,メチアジン酸,アンフェナク等のフェニル酢酸系;スリンダク等のインデニル酢酸系;トルメチン等のピロール酢酸系;ナブメトン等のナフチル酢酸系等の非ステロイド消炎鎮痛剤およびこれらの塩等(ナトリウム塩など)を挙げることができ、これらから1種または2種以上を選択して使用することが好ましい。これらアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の中でも、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムが特に好ましい。後述する実施例により、良好な結果を示すことが実証されているからである。また、インドメタシンは基剤に溶解していない状態では経皮吸収性が悪い一方で、溶解状態では安定性が劣ることが知られているが、本発明の構成を採用すれば、これらの問題も解決され得る。
本発明に使用される「局所麻酔剤」は、従来医療用局所麻酔剤として使用されているものであれば特に限定はされないが、例えばリドカイン,テトラカイン,プロカイン,ジブカイン,ベンゾカイン,ブピバカイン,メピバカインおよびこれらの塩を挙げることができ、これらより1種または2種以上を選択して使用することが好ましい。これら局所麻酔剤は構造中に第1〜3級アミノ基を有し、フリーの状態で塩基性を示す点で特徴的である。これら局所麻酔剤のうち、リドカインが特に好ましい。後述する実施例によって、優れた効果を発揮できることが実証されているからである。
本発明の消炎鎮痛剤を製造する方法は、特に大容量の製造時においては、先ず、上記アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤と局所麻酔剤とを加温混合するか、或いは溶媒を滴下しながら混合し、均一組成物を製造することが好ましい。この均一組成物の融点は、原料として用いた非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤の融点よりも、低いものになる。これは、非ステロイド系消炎鎮痛剤のカルボキシル基と局所麻酔剤のアミノ基が相互作用するとも考えられ、或いは、所謂イオン性液体或いはこれに類似した状態になっているとも考えられる。ここで、「イオン性液体」とは、有機カチオンとアニオンからなる塩であって、融点が極端に下がり、室温で液体の状態にあるものをいう。従って、この均一組成物は、親油性基剤や両親媒性基剤に対する溶解性や相溶性に優れており、結果として、製剤中に非ステロイド消炎鎮痛剤をより多く添加できることになる。また、得られた均一組成物の温度を融点以上にすれば、製剤時の利便性を更に向上させることができると考えられる。
アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤に対する局所麻酔剤の混合割合(非ステロイド系消炎鎮痛剤:局所麻酔剤)は、モル換算で1:0.5〜1.5とすることが好ましい。これら両薬剤を加温混合等するのみで均一組成物が得られる理由は必ずしも明らかでないが、非ステロイド系消炎鎮痛剤のカルボキシル基と局所麻酔剤のアミノ基が相互作用することが考えられるからである。従って、非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤は、略等モルで混合することが好ましいので、より好適には、非ステロイド系消炎鎮痛剤1モルに対して、局所麻酔剤を0.7モル以上,1.3モル以下、更に好ましくは0.9モル以上,1.1モル以下混合することが好ましく、略等モルで混合することが最適である。
これを質量部で表すと、両薬剤の分子量にもよるが、局所麻酔剤の含有割合は、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤 1質量部に対して0.2〜5質量部である。
また、本発明の外用剤に配合されるアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の配合量は、外用剤全体に対して5質量%以上とする。5質量%未満であると、局所麻酔剤によるアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の浸透拡散性向上効果はほとんど見られないからである。また、前述した製造方法によれば、大量合成においても比較的高濃度で非ステロイド消炎鎮痛剤を添加できるからであり、更に、本発明の消炎鎮痛剤は皮膚組織表面部での薬剤沈滞が抑制されていることから、高濃度に非ステロイド消炎鎮痛剤を添加しても、安全と考えられるからである。従って、当該配合量は、好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。但し、当該配合量は、50質量%以下とすることが好ましい。副作用のおそれがあるからである。更に、製剤上の問題から、20質量%以下とすることが好適である。
また、本発明の外用剤に配合される局所麻酔剤の配合量は、外用剤全体に対して1〜50質量%が好ましい。配合量が1質量%未満であるとアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の経皮吸収性向上効果が不十分となり、50質量%を超えると副作用が強くなることがあるからである。
加温混合する際の温度は、均一組成物の融点以上とすることが好ましい。この均一組成物の融点は、予備実験により均一組成物を少量製造し、その融点を測定することにより求めればよい。また、均一組成物の融点は、原料である非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤のそれよりも低下したものになる。例えば、ジクロフェナクとリドカインを等モル用いて均一組成物を製造した場合、それぞれの融点は156〜158℃,68〜69℃であるが、得られた均一組成物の融点は40℃以下になる。
この加温混合する際の温度は、非ステロイド系消炎鎮痛剤または局所麻酔剤の融点の内、低い方の融点以上とすることがより好ましい。少なくとも一方を溶融状態にすることで、より効率的に均一組成物とすることができるからである。
また、本発明の均一組成物は、溶媒を滴下しつつ非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤を混合することによっても製造することができる。ここで使用できる溶媒は、医薬組成物で基剤として使用できるものであれば特に制限されないが、例えば、液状ポリエチレングリコール;プロピレングリコール,ブチレングリコール,エタノール,イソプロパノール,グリセリン等のアルコール類;セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル,酢酸エチル等のエステル類;ジエチルエーテル,メチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン,トルエン等の芳香族炭化水素類;クロタミトンを挙げることができる。
溶媒を滴下しつつ混合する場合の溶媒使用量は、非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤の合計量の30質量%以下とすることが好ましい。この際に過剰量の溶媒を用いると、両薬剤を効果的に相互作用させることができず、均一組成物とするのに長時間がかかったり、均一組成物とすることができなくなる場合があるからである。また、溶媒を使用する場合にも、より効率的な製造のために、加温してもよい。その好適な温度条件等は、溶媒を使用しない場合と同様である。
混合は、好適には粉末状の非ステロイド系消炎鎮痛剤および局所麻酔剤を使用して行なうことが好ましい。より効率的な加温混合を達成するためである。具体的には、粉末状の非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤を、例えばビーカー等に入れてスパーテル等でかき混ぜたり、他にはヘンシェルミキサーを用いて攪拌すればよい。この際、製造すべき均一組成物の融点以上に温度を調整するか、製剤に用いられる溶媒を滴下しつつ、両薬剤を相互作用させて均一な組成物を得る。
また、非ステロイド系消炎鎮痛剤と局所麻酔剤としてそれぞれの塩を用いた場合には、均一組成物に副産物として無機塩が生じ得る。この無機塩は、除去することなくそのまま製剤中に含有せしめてもよいが、均一組成物を溶媒に溶解した際に析出することがあるので、その場合には、均一組成物を調製した際に脱塩することもできる。
本発明に係る外用剤の剤型としては、例えば軟膏剤,ローション剤,エアゾール剤,硬膏剤,水性パップ剤などを挙げることができるが、外用剤として用いられている剤形であるならば、特に限定はされない。
本発明の外用剤には、必要に応じて、基剤(例えば、天然ゴム,イソプレンゴム,ポリイソブチレン,スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体,スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体,スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体,(メタ)アクリル酸アルキルエステル(共)重合体,ポリ(メタ)アクリル酸エステル,(メタ)アクリル酸エステル,ポリイソブチレン,ポリブテン,液状ポリイソプレン等のゴム類;ワセリン,セタノール,ミツロウ,ラノリン,流動パラフィン等の油類;カルボキシビニルポリマー,アクリル酸デンプン,ポリアクリル酸ナトリウム,カルメロースナトリウム等の水溶性高分子;グリセリン;マクロゴール;無水ケイ酸等),賦形剤(例えば、白糖などの糖類;デキストリンなどのデンプン誘導体;カルメロースナトリウムなどのセルロース誘導体;キサンタンガムなどの水溶性高分子等),着色剤,滑沢剤(例えば、ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;ラウリル硫酸ナトリウム,ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;前記の賦形剤におけるデンプン誘導体等),結合剤(例えば、前記の賦形剤やマクロゴール等),乳化剤,増粘剤,湿潤剤,安定剤(例えば、メチルパラベン,プロピルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール,ベンジルアルコール,フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール,クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;無水酢酸;ソルビン酸等),保存剤,溶媒(例えば、水,プロピレングリコール,ブチレングリコール,イソプロパノール,エタノール,グリセリン,セバシン酸ジエチル,ミリスチン酸イソプロピル,アジピン酸ジイソプロピル,パルミチン酸ミリスチル,ステアリン酸ステアリル,ミリスチン酸ミリスチル,リグノセリン酸セリル,セロチン酸ラクセリル,ラクセル酸ラクセリル等),溶解補助剤,懸濁化剤(例えば、カルメロースナトリウム等),抗酸化剤(例えば亜硫酸水素ナトリウム,L-アスコルビン酸,アスコルビン酸ナトリウム,ブチルヒドロキシアニソール,ブチルヒドロキシトルエン,没食子酸プロピル,酢酸トコフェロール,d1-α-トコフェロール等),佐薬(例えばハッカ油,L-メントール,カンファー,チモール,酢酸トコフェロール,グリチルレチン酸,ノニル酸ワニリルアミド,トウガラシエキス等),緩衝剤,pH調整剤などを、通常の配合量で配合できる。
本発明に係る外用剤の使用量は、含有有効成分の種類、患者の症状や年齢等により異なるが、一般的には、成人に対して1日1回〜数回適用することが好ましい。更に好適には、1日1〜2回適用するが、症状によっては投与回数を増やしてもよい。
以下、実施例を示すことによって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例1
先ず、表1の配合比に従って、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤であるインドメタシンを含有する供試液No.1〜12を調製した。
Figure 2005145932
供試液No.4〜6,10〜12では、非ステロイド消炎鎮痛剤であるインドメタシンと、局所麻酔剤であるリドカインを60℃で加温混合することによって均一組成物を調製してから、ポリエチレングリコールまたはクロタミトンへ加えて混合した。一方、供試液No.1〜3,7〜9では、単に上記配合で混合するのみとした。
これとは別に、ゼラチン 5%,ミリスチン酸イソプロピル 3%,カルメロースナトリウム 1%,ポリビニルアルコール 3%,ポリソルベート80を1%,グリセリン 12%,および精製水 75%を均一溶液となる様に加温混合し、これを所定容器中へ深さ4cmで加えてから冷却し、ゲルを作成した。
このゲル上へ500mg/cmで各供試液No.1〜12を重層した。これを室温で7日間放置した後、上層より1cmごとにゲルを切り出し、上層から4つの各画分におけるインドメタシンの濃度を測定した。濃度測定は、ゲルをすり潰した後メタノールで抽出し、これを高速液体クロマトグラフィーで分析することにより行なった。また、結果は1サンプルにつきN=4で得た値の平均値として図1と2に示す。
図1は、基剤としてポリエチレングリコール(PEG)を用い、インドメタシンを含有する供試液No.1,4(濃度1%),2,5(5%),3,6(10%)の浸透拡散性を示したグラフであり、画分2,3,4のインドメタシン濃度を重層した重層棒グラフである。尚、画分1は供試液に直接触れる部分であるので、測定は行なっていない。
当該結果よりインドメタシン浸透拡散性の度合を画分2,3,4における濃度の和で比較すると、リドカイン未配合の供試液1,2,3では、インドメタシン濃度にかかわらず浸透拡散性には殆ど変化がみられないが、リドカイン配合の供試液4,5,6では、浸透拡散性がインドメタシン濃度にほぼ比例して強くなっていることが分かる。また、1%の場合ではそれ程の効果はみられないが、5%,10%の場合では、リドカインを配合した供試液は浸透拡散性が改善されている。即ち、リドカインを配合することによってインドメタシンの浸透拡散性は大幅に向上することが実証された。また、インドメタシンを5%および10%含有せしめた場合には、十分量のインドメタシンがゲルへ移行しているのが分かる。
図2は、基剤としてクロタミトンを用いインドメタシンを含有する供試液No.7,10(1%),8,11(5%),9,12(10%)の浸透拡散性を示したグラフであり、図1と同様の重層棒グラフである。
このグラフからも、図1とほぼ同様の結果が認められる。従って、基剤として両親媒性のポリエチレングリコールを用いても、インドメタシンに対する溶解性に優れ且つ経皮吸収性を高める作用を有する疎水性のクロタミトンを使用した場合でも、リドカインを配合したインドメタシン含有供試剤の方が浸透拡散性は顕著に向上していることから、浸透拡散性の改善は、基剤(溶媒)よりも局所麻酔剤であるリドカインによることが明らかにされた。また、非ステロイド消炎鎮痛剤を5%以上添加した場合には、効果を示すに十分な非ステロイド消炎鎮痛剤を放出できることも実証された。
比較例1
表2に示す配合比に従って、アリールプロピオン酸系非ステロイド消炎鎮痛剤であるケトプロフェンまたはロキソプロフェンナトリウムを含有する供試液No.13〜18を調製した。
Figure 2005145932
各供試液No.13〜18について、上記実施例1と同様の浸透拡散性試験を行なった。結果を図3〜5に示す。
図3は、非ステロイド消炎鎮痛剤としてアリールプロピオン酸系であるケトプロフェンを用いた供試液について、リドカインを配合したものと配合しないものの浸透拡散性を比較するためのグラフである。
当該結果によれば、リドカインによるケトプロフェンの浸透拡散性の向上効果はみられず、逆に悪くなる傾向にあった。
また、図4は、ロキソプロフェンナトリウムを含有する供試液No.15,16の浸透拡散性を示したグラフである。
当該結果もケトプロフェンの場合(図3)と同様の傾向を示し、リドカインの添加によって、ロキソプロフェンナトリウムの浸透拡散性は却って悪化した。
図5も、ロキソプロフェンナトリウムを含有する供試液No.17,18の浸透拡散性を示したグラフであり、塩酸リドカインの添加効果を示している。
当該結果でも、ロキソプロフェンナトリウムの浸透拡散性の向上効果はみられなかった。従って、局所麻酔剤であるリドカインの添加による非ステロイド消炎鎮痛剤の浸透拡散性の改善効果は、アリール酢酸系薬剤に特有のものであり、構造的に近いものであってもアリールプロピオン酸系薬剤には全くみられないことが明らかにされた。
実施例2
表3の配合に従って、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤であるジクロフェナクナトリウムを含有する供試液No.19〜22を調製した。
Figure 2005145932
次に、肉片に対する浸透拡散性を試験するために、直径9cmのシャーレにガーゼをひき、供試液No.3,6,19〜22を10g加えてガーゼを湿らせた。赤身の牛肉を2×2×4cmの直方体状に切り出し、ガーゼ上に2×2cmが底面となる様に肉片をおき、ラップして4℃で48時間放置した。その後、肉片を下層より1cmごとに切り出し、下から画分0〜1cm,1〜2cm,2〜3cmの3つの画分において、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムの濃度を測定した。濃度測定は、肉片をすり潰してメタノールで抽出した後、高速液体クロマトグラフィーにて行なった。試験は各供試液につきN=6で行ない、その平均値を図6〜8に示す。
図6は、左から供試液3と6の画分1〜2cm,2〜3cmのインドメタシン濃度を示すグラフである。尚、画分0〜1cmは供試液と直接接触していた部分であるので除外した。
当該結果より、インドメタシンの浸透拡散性はリドカインを配合した場合に顕著に改善され、深さ2〜3cmの画分にまで及ぶことが分かった。従って、アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の局所麻酔剤添加による浸透拡散性の向上効果は、ゲルのみならず実際の筋肉組織でも観察されることが実証された。
図7は、左から供試液19と20の画分1〜2cm,2〜3cmのジクロフェナクナトリウム濃度を示すグラフである。
当該結果によれば、ジクロフェナクナトリウムの筋肉組織における浸透拡散性はインドメタシンよりも低いが、やはりリドカインの添加によって顕著に改善されることが証明された。
図8は、左から供試液21と22の画分1〜2cm,2〜3cmのジクロフェナクナトリウム濃度を示すグラフである。
当該結果によれば、ジクロフェナクナトリウムの筋肉組織における浸透拡散性は塩酸リドカインの添加によって一層向上し、深さ2〜3cmの画分まで及ぶことが観察された。
比較例2
ロキソプロフェンナトリウムを含む供試剤No.15〜18の筋肉組織における浸透拡散性を、上記実施例2と同様の方法により試験した。結果を図9と10に示す。
図9は、左から供試液15と16の画分1〜2cm,2〜3cmのロキソプロフェンナトリウム濃度を示すグラフである。
当該結果により、ロキソプロフェンナトリウムの筋肉組織における浸透拡散性はリドカインを添加しても改善されず、むしろ悪化することが分かった。
図10は、左から供試液17と18の画分1〜2cm,2〜3cmのロキソプロフェンナトリウム濃度を示すグラフである。
当該結果により、ロキソプロフェンナトリウムの筋肉組織における浸透拡散性は、塩酸リドカインを添加しても全く改善されないことが観察された。
試験例2と比較例2の結果より、インドメタシンやジクロフェナクナトリウム等のアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の筋肉組織における浸透拡散性は、局所麻酔剤の添加により顕著に改善されることが実証された。その一方で、ロキソプロフェンナトリウム等のアリールプロピオン酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の筋肉組織における浸透拡散性は、局所麻酔剤の添加によっては全く向上しないことが明確にされた。
製剤例1 軟膏剤の調製
以下の配合比(全量100)で、軟膏剤を調製した。
Figure 2005145932
上記表中、まずインドメタシンとリドカインを加温混合し油状物とした後に、セバシン酸ジエチル,防腐剤およびワセリンを混和した。
製剤例2 被膜形成型軟膏剤の調製
以下の配合比(全量100)で、通常の方法により皮膜形成型軟膏剤を調製した。
Figure 2005145932
詳しくは、先ずジクロフェナクナトリウム,リドカインおよび塩酸リドカインをセバシン酸に溶解し、次いで他の成分を加えて混合した。
比較製剤例1 軟膏剤の調製
以下の配合比(全量100)で、通常の製造法により軟膏剤を調製した。
Figure 2005145932
比較製剤例2 被膜形成型軟膏剤の調製
以下の配合比(全量100)で、通常の製造法により被膜形成型軟膏剤を調製した。
Figure 2005145932
試験例1 薬剤吸収性試験
製剤例No.23〜25および比較製剤例No.28,29のインドメタシンを含有する軟膏剤、および製剤例No.26,27および比較製剤例No.30,31のジクロフェナクナトリウムを含有する被膜形成型軟膏0.1gを、被験者6人の上腕内側約2.5cmの範囲に塗布してガーゼで覆い、24時間後に軟膏をふき取った。ふき取った軟膏剤を回収し、その薬剤濃度を測定することにより薬剤吸収率を算出した。薬剤濃度の測定は、回収した軟膏剤または被膜形成型軟膏をメタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィーで分析することにより行なった。結果を表8に示す。
Figure 2005145932
当該結果によれば、局所麻酔剤を含まない軟膏剤である比較製剤例No.28の吸収率は10.6%であるのに対して、比較製剤例No.29は2.1%の吸収率しか示さない。これは、No.28のインドメタシン含有率が1%である一方でNo.29は10%であることから、インドメタシンが皮膚へ吸収されたものの拡散することができず表面部に滞留し、薬剤吸収の鈍化が生じたものと考えられる。
一方、本発明に係る製剤例No.23〜25の軟膏剤は、インドメタシン濃度はそれぞれ1,5,10%であるが、斯かる濃度に関係なく10%以上の吸収率を示す。これは、局所麻酔剤であるリドカインによりインドメタシンの組織内における浸透拡散性が向上しているため塗布部直下に滞留せず、恒常的に薬剤が吸収されることによると考えられる。
また、上記結果は、ジクロフェナクナトリウムを含有する被膜形成型軟膏でも、全く同様であった。
従って、組織内におけるアリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の浸透拡散性は、局所麻酔剤の添加により顕著に向上し、投与部直下における過度の薬剤濃度上昇が抑制されるため、薬剤吸収効率の鈍化が改善されることが実証された。
試験例2 安全性試験
製剤例No.23〜25の軟膏剤および製剤例No.30,31の被膜形成型軟膏剤を、上記試験例1と同様に被験者6人に対して塗布してガーゼで覆い、24時間後に軟膏をふき取った。その後、1時間,24時間,48時間後における塗布部の皮膚刺激を観察した。皮膚刺激なしを「−」,弱い皮膚刺激ありを「±」,皮膚刺激ありを「+」として判定した。結果を表9に示す。
Figure 2005145932
表中の数字は、それぞれのカテゴリーに含まれる被験者数を示す。
上記結果より、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムとリドカインを含有する外用剤は、薬剤濃度が高くなっても、低い皮膚刺激性を示すことが証明された。
試験例3 安定性試験
表10の配合に従って、ジクロフェナクナトリウム含有軟膏剤(No.32)および硬膏剤(No.33)を調製した。
軟膏剤では、先ずジクロフェナクナトリウムとリドカインを60℃で加温混合して油状物とした後に、防腐剤およびプラスチベースを混和した。硬膏剤では混合機としてニーダーを使用し、ジクロフェナクナトリウム,塩酸リドカインおよびリドカインを60℃で加温混合して均一組成物を調製し、別に120〜160℃でブチルヒドロキシトルエン,スチレン‐イソプレン‐スチレンブロック共重合体,脂環族飽和炭化水素樹脂,ポリブテンおよび流動パラフィンを加熱混合し、次いで、ここへ均一混合物をサリチル酸グリコールとミリスチン酸イソプロピルに溶解したものを加え混合し、直接ポリエステル布に展延し所望の大きさに切断して硬膏剤を作成した。
Figure 2005145932
上記軟膏剤と硬膏剤をそれぞれ−5℃,0℃,50℃で3ヵ月保存し、ジクロフェナクナトリウムの結晶析出などの外観性状を調べた。結果を表11に示す。
Figure 2005145932
表中、外観性状が初期と変わらないものを○とする。
上記結果より、ジクロフェナクナトリウムと局所麻酔剤を含有する外用剤は、ジクロフェナクナトリウムの外用剤組成成分に対する低溶解性が改善されており、保存中における析出も見られず、安定であることが確認された。
試験例4 安定性試験
以下の処方で、被膜形成軟膏剤を調製した。
Figure 2005145932
上記表中、先ずインドメタシンとリドカインをブタンジオールに溶解し、次いでクロタミトン,エタノール,L−メントール,防腐剤を加えて混和溶解し、更にポリ酢酸ビニルエマルジョンおよび精製水と混和し黄色のクリーム状製剤を得た。
また、溶媒としてトルエン誘導体を用いた溶媒法により以下の処方で硬膏剤を調製した。
Figure 2005145932
上記表中、先ずインドメタシンとリドカインを混合しつつセバシン酸ジエチルを滴下することにより均一組成物を調製し、別にブチルヒドロキシトルエン,スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体,脂環族飽和炭化水素樹脂をトルエンに溶解し、次いで、ここへ均一組成物を加え混合し、プラスチックフィルムに塗工し、80℃で乾燥後、ポリエステル布をラミネートし所望の大きさに切断して硬膏剤を作成した。
上記製剤No.34と35について40℃で6ヵ月間保存し、製剤の色を調査する外観試験および インドメタシン含量を液体クロマトグラフィー法にて測定する含量試験を実施した。その結果を表14に示す。
Figure 2005145932
外観試験の結果において、インドメタシンおよびリドカインを含有する外用剤の初期の結果は淡黄色でインドメタシンが製剤に溶解していることが確認でき、その色も6ヶ月後に至るまでほとんど変化はみられなかった。
また、含量試験においては、インドメタシンおよびリドカインを含有する外用剤のインドメタシン安定性は高いことが明らかとなった。
製剤例3 クリーム剤の調製
以下の配合比(全量100)で、クリーム剤を調製した。
Figure 2005145932
上記表中、まずジクロフェナクナトリウムと塩酸リドカインを混合しながらセバシン酸ジエチルおよびミリスチン酸イソプロピルを滴下し、次いで他の成分と混和してクリーム製剤を得た。
製剤例4 クリーム剤の調製
以下の配合比(全量100)で、クリーム剤を調製した。
Figure 2005145932
上記表中、まずインドメタシンとリドカインを混合しながらセバシン酸ジエチルを滴下し、次いで他の成分と混和してクリーム製剤を得た。
比較製剤例3 クリーム剤の調製
以下の配合比(全量100)で、通常の製造法によりクリーム剤を調製した。
Figure 2005145932
比較製剤例4 クリーム剤の調製
以下の配合比(全量100)で、通常の製造法によりクリーム剤を調製した。
Figure 2005145932
試験例5 薬剤吸収性試験
製剤例No.36〜38および比較製剤例No.42〜44のジクロフェナクナトリウム含有クリーム剤、並びに製剤例No.39〜41および比較製剤例No.45〜47のインドメタシン含有クリーム剤 0.1gを、被験者6人の上腕内側約2.5cmの範囲に塗布してガーゼで覆い、6時間後にクリーム剤をふき取った。このふき取ったクリーム剤を回収し、その薬剤濃度を測定することによって薬剤吸収率を算出した。薬剤濃度の測定は、回収したクリーム剤をメタノールで抽出し、高速液体クロマトグラフィーで分析することによって行なった。結果を図11と12に示す。
試験例5の結果を示す図11と12によれば、ジクロフェナクナトリウムとインドメタシンのクリーム剤の薬剤吸収性は、薬剤濃度1%では、リドカイン添加(No.36)と無添加(No.42)であまり差はないが、リドカイン添加量が5%,10%と高濃度になるに従って、リドカインを添加する方が薬剤吸収性は高まることが分かる。
試験例6 安全性試験
製剤例No.36〜41のクリ−ム剤および比較製剤例No.42〜47のクリ−ム剤を、上記試験例1と同様に被験者6人に対して塗布してガーゼで覆い、6時間後にクリ−ム剤をふき取った。その後、1時間,24時間,48時間後における塗布部の皮膚刺激を観察した。皮膚刺激なしを「−」,弱い皮膚刺激ありを「±」,皮膚刺激ありを「+」として判定した。結果を表19に示す。
Figure 2005145932
表中の数字は、それぞれのカテゴリーに含まれる被験者数を示す。
上記結果より、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムとリドカインを含有するクリーム剤は、薬剤濃度が高くなっても、低い皮膚刺激性を示すことが証明された。一方、リドカイン無添加のインドメタシン含有クリーム剤またはジクロフェナクナトリウム含有クリーム剤は、その薬剤濃度が10%の場合、皮膚刺激性がみられた。
試験例7 親油性溶媒に対する非ステロイド消炎鎮痛剤の溶解試験
表20,21の組成で室温にて混合し、溶解状態を調べた。
溶解状態の評価は、完全に溶解できた場合を「○」、一部のみ溶解して完全には溶解できなかった場合を「×」とした。
Figure 2005145932
Figure 2005145932
上記結果より、ジクロフェナクナトリウムやインドメタシンは、リドカイン添加によって、親油性溶媒であるセバシン酸ジエチルやミリスチン酸イソプロピルへの溶解性が、非ステロイド消炎鎮痛剤単独の時に比べて遥かに向上することが明らかとなった。
試験例8 両親媒性溶剤に対する非ステロイド消炎鎮痛剤の溶解試験
表22,23の組成で室温にて混合し、溶解状態を調べた。溶解状態の評価は、上記試験例7と同様にした。
Figure 2005145932
Figure 2005145932
上記結果より、ジクロフェナクナトリウムやインドメタシンは、リドカイン添加によって、両親媒性溶剤であるプロピレングリコールやマクロゴールへの溶解性が、非ステロイド消炎鎮痛剤単独の時に比べて遥かに向上することが明らかとなった。
インドメタシンを含有する供試液の浸透拡散性を示すグラフ。 インドメタシンを含有する供試液の浸透拡散性を示すグラフ。 ケトプロフェンを含有する供試液の浸透拡散性を示すグラフ。 ロキソプロフェンナトリウムを含有する供試液の浸透拡散性を示すグラフ。 ロキソプロフェンナトリウムを含有する供試液の浸透拡散性を示すグラフ。 インドメタシンの浸透拡散を示すグラフ。 ジクロフェナクナトリウムの浸透拡散を示すグラフ。 ジクロフェナクナトリウムの浸透拡散を示すグラフ。 ロキソプロフェンナトリウムの浸透拡散を示すグラフ。 ロキソプロフェンナトリウムの浸透拡散を示すグラフ。 ジクロフェナクナトリウムを含有するクリーム剤の吸収率を示すグラフ。 インドメタシンを含有するクリーム剤の吸収率を示すグラフ。

Claims (3)

  1. アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤および局所麻酔剤を含有する消炎鎮痛剤であって、当該アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤の含有量が、当該消炎鎮痛剤全体に対して5質量%以上であることを特徴とする消炎鎮痛外用剤。
  2. 上記局所麻酔剤が、リドカインまたはその塩である請求項1に記載の消炎鎮痛外用剤。
  3. 上記アリール酢酸系非ステロイド消炎鎮痛剤が、インドメタシンまたはジクロフェナクナトリウムである請求項1または2に記載の消炎鎮痛外用剤。
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