JP2005239590A - 油性化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗布時の皮膚への付着性(優れたフィット感)、艶及び艶の持続性等の官能面に優れ、且つ経時安定性に優れた油性化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等幅広い用途に利用が可能な油性化粧料を提供する。
【解決手段】 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルとデキストリン脂肪酸エステル、金属セッケン等の油ゲル化剤とを含有する油性化粧料を用いる。
【解決手段】 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルとデキストリン脂肪酸エステル、金属セッケン等の油ゲル化剤とを含有する油性化粧料を用いる。
Description
本発明は、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、油ゲル化剤とを含有する油性化粧料に関し、更に詳しくは、塗布時の皮膚への付着性(優れたフィット感)、艶及び艶の持続性等の官能面に優れ、且つ経時安定性に優れた油性化粧料に関するものである。
従来、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等の油性化粧料は、炭化水素類、エステル類、高級アルコール類、シリコーン油類等の液状油、ミツロウ、カルナウバロウ等の天然ワックス、パラフィンワックス等の炭化水素ワックス等の固形油をベース成分とする。しかし、こうした従来の処方剤系では、皮膚への付着性や艶について満足できるものではなかった。そこで、艶を向上させる技術としてポリブテン、ポリイソブテン等の高重合度炭化水素油類が用いられる。しかし、高重合度炭化水素油類を配合すると艶は向上するが、このものの粘性が非常に高いため、ベタつきがひどく使用性面上において問題が生じるため配合量に制限があった。これらの問題を解決した技術として、特許文献1が報告されている。しかしながら、必須成分であるオレフィンオリゴマーは、本発明のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルに比べ、臭気が強く、また耐熱性や経時変化臭が劣るものであるため、製品臭気や経時安定性面において問題があった。
特開2003−160425号公報
本発明が解決しようとする課題は、塗布時の皮膚への付着性(優れたフィット感)、艶及び艶の持続性等の官能面に優れ、且つ経時安定性に優れた油性化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと油ゲル化剤とを含有する油性化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、水酸基価から算出した平均重合度2〜15のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、炭素数8〜22の脂肪酸残基を有するデキストリン脂肪酸エステル、澱粉脂肪酸エステル、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アルミニウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸ビスアマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基とエイコサン二酸残基を有するグリセリンエステル、ポリグリセリンエステルから選ばれた1種以上の油ゲル化剤とを含有する油性化粧料に関するものである。
本発明により、塗布時の皮膚への付着性(優れたフィット感)、艶及び艶の持続性等の官能面に優れ、且つ経時安定性に優れた油性化粧料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するポリグリセリン分枝脂肪酸エステルは、水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを使用する、その中でポリグリセリン分岐脂肪酸エステルの原料であるポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜10のポリグリセリン、分岐脂肪酸は炭素数18のイソステアリン酸がより好ましく、分枝脂肪酸の付加モル数はポリグリセリン1モルに対して4〜12モル、好ましくは7〜9モルでエステル化したポリグリセリンイソステアリン酸エステルである。
本発明において、ポリグリセリン分枝脂肪酸エステルの配合量は油性化粧料に対して1〜99重量%、本発明の効果の点から5〜85重量%が特に好ましい。
本発明で使用する油ゲル化剤としては、炭素数8〜22の脂肪酸残基を有するデキストリン脂肪酸エステル、澱粉脂肪酸エステル、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アルミニウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸ビスアマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基とエイコサン二酸残基を有するグリセリンエステル、ポリグリセリンエステルから選ばれた1種以上を用いる。その中で、デキストリンラウリン酸エステル、デキストリンミリスチン酸エステル、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等の金属セッケンが官能面、経時安定性において最も好ましい。
本発明において、油ゲル化剤の配合量は油性化粧料に対して1〜35重量%、本発明の効果の点から5〜30重量%が特に好ましい。
尚、本発明に係る油性化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、植物性、動物性及び合成の油脂類、液状の炭化水素油類、エステル油類、多価アルコール等の保湿剤、水、紫外線吸収剤、抗酸化剤、防腐剤、顔料、色素、香料等を配合することが出来る。
本発明においては、上記のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと油ゲル化剤を加熱混合し、均一に溶解して油性化粧料とする。
本発明に係る油性化粧料の具体的な用途としては、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
表1に示す処方にて、油性化粧料に係るリップグロスを調製した。リップグロスは、全成分を加熱しながらディスパーミキサーで均一に加熱混合し、金皿に流し込み冷却することにより調製した。
表1に示した実施例及び比較例の油性化粧料に係るリップグロスを用いて、以下に示す評価を実施した。
(官能評価)
20名の健常女性パネラーにより、「のび」、「皮膚への付着性」、「艶」、「ベタつき感のなさ」、「塗布3時間後の艶」の項目について官能評価した。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
◎:4.5点以上(非常に良好である)
○:4.0点以上、4.5点未満(良好である)
△:3.0点以上、4.0点未満(やや悪い)
×:3.0点未満(悪い)
(経時安定性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2の油性化粧料に係るリップグロスを、40℃の恒温槽にて1ヶ月暴露し、その時の経時変化臭について評価した。尚、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
○:調製直後品の臭気と比べ差がない。
△:調製直後品の臭気と比べ、僅かに異臭がある。
×:調製直後品の臭気と比べ、異臭がある。
(官能評価)
20名の健常女性パネラーにより、「のび」、「皮膚への付着性」、「艶」、「ベタつき感のなさ」、「塗布3時間後の艶」の項目について官能評価した。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。その結果を表1に示す。
◎:4.5点以上(非常に良好である)
○:4.0点以上、4.5点未満(良好である)
△:3.0点以上、4.0点未満(やや悪い)
×:3.0点未満(悪い)
(経時安定性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2の油性化粧料に係るリップグロスを、40℃の恒温槽にて1ヶ月暴露し、その時の経時変化臭について評価した。尚、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
○:調製直後品の臭気と比べ差がない。
△:調製直後品の臭気と比べ、僅かに異臭がある。
×:調製直後品の臭気と比べ、異臭がある。
表1に示したとおり、実施例1〜3の油性化粧料に係るリップグロスは官能面及び経時安定性が共に良好であった。これに対し、比較例1〜2のリップグロスは官能面若しくは、経時安定性の何れか一方において不十分な結果であった。
実施例4 口 紅
A相 (重量%)
ノナイソステアリン酸デカグリセリル 20.00
セレシン 22.00
ヒマシ油 17.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
パルミチン酸デキストリン 10.00
B相
酸化亜鉛 2.00
赤色201号 0.50
赤色202号 1.00
赤色233号 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
A相 (重量%)
ノナイソステアリン酸デカグリセリル 20.00
セレシン 22.00
ヒマシ油 17.00
流動パラフィン 15.00
カルナウバロウ 7.00
キャンデリラロウ 5.00
パルミチン酸デキストリン 10.00
B相
酸化亜鉛 2.00
赤色201号 0.50
赤色202号 1.00
赤色233号 0.50
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
実施例5 リップスティック
(重量%)
デカイソステアリン酸デカグリセリル 45.00
固形パラフィン 18.00
マイクロクリスタリンワックス 17.00
ジメチルポリシロキサン 15.00
ステアリン酸カルシウム 5.00
全成分を85℃にて加温して均一溶解し、脱気後70℃で型に流し込み急冷して、リップスティックを得た。
(重量%)
デカイソステアリン酸デカグリセリル 45.00
固形パラフィン 18.00
マイクロクリスタリンワックス 17.00
ジメチルポリシロキサン 15.00
ステアリン酸カルシウム 5.00
全成分を85℃にて加温して均一溶解し、脱気後70℃で型に流し込み急冷して、リップスティックを得た。
実施例4〜5に示した油性化粧料について、上記と同様に官能評価及び経時安定性評価を実施した。その結果を表2に示す。
表2に示したとおり、実施例4〜5に示した油性化粧料は官能面及び経時安定性共に良好な結果であった。
本発明の油性化粧料は、塗布時の皮膚への付着性(優れたフィット感)、艶及び艶の持続性等の官能面に優れ、且つ経時安定性に優れた油性化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等幅広い用途に利用が可能なものである。
Claims (2)
- 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、油ゲル化剤とを含有する油性化粧料。
- 油ゲル化剤が、炭素数8〜22の脂肪酸残基を有するデキストリン脂肪酸エステル、澱粉脂肪酸エステル、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アルミニウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸アマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基を有する脂肪酸ビスアマイド、炭素数12〜22の脂肪酸残基とエイコサン二酸残基を有するグリセリンエステル、ポリグリセリンエステルから選ばれた1種以上である請求項1記載の油性化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004048879A JP2005239590A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 油性化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004048879A JP2005239590A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 油性化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005239590A true JP2005239590A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35021708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004048879A Pending JP2005239590A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 油性化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005239590A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009136633A1 (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-12 | ロート製薬株式会社 | 棒状化粧料、棒状化粧品、及びそれらの製造方法 |
JP5255749B2 (ja) * | 2003-09-05 | 2013-08-07 | 阪本薬品工業株式会社 | 化粧品用抱水性油性原料及び化粧品 |
EP2494952A4 (en) * | 2009-10-30 | 2015-10-21 | Nisshin Oillio Group Ltd | COMPOSITION FOR COSMETICS, COSMETICS, METHOD FOR PRODUCING AN OIL-IN-WATER EMULSION COSMETIC AND COSMETICS WITH TWO SEPARATE LAYERS |
JP2020109083A (ja) * | 2019-01-02 | 2020-07-16 | アモーレパシフィック コーポレーションAmorepacific Corporation | スティック剤形用化粧料組成物およびメイクアップ修正用スティック |
-
2004
- 2004-02-25 JP JP2004048879A patent/JP2005239590A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7417414B2 (ja) | 2019-01-02 | 2024-01-18 | アモーレパシフィック コーポレーション | スティック剤形用化粧料組成物およびメイクアップ修正用スティック |
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