JP2005247739A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用性を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶及び艶の持続性を向上した化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション、軟膏等幅広い用途に利用が可能な化粧料を提供する。
【解決手段】 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分1〜50重量%とを含有する化粧料を用いる。
【解決手段】 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分1〜50重量%とを含有する化粧料を用いる。
Description
本発明は、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分とを含有する化粧料に関する。
口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等のメイクアップ化粧料は、液状油、粘稠(ペースト状)油、固形ワックスを主成分とした製剤である。これらの製剤は通常、水が無配合の場合が殆どであり、皮膚に塗布した場合、艶や艶の持続性は良好であるが、皮膚に対する違和感(強いベタつき感や油性感等)が強く、使用感の面において以前より改良が望まれていた。これに対応すべく、製剤中に水を配合した口紅、ファンデーション等が市販されている。しかし、これらは水の配合量が少なく、十分には改良されていない。その他、揮発油を使用した乳化物を調製し、その揮発油を除去した後、水を高濃度に配合する技術があるが、得られる化粧料は、保存安定性が劣り、保存中にヒビやワレを起こしたり、使用面や艶が悪い等の問題点があった。更には、ソルビタンモノステアレート等の親油性の界面活性剤を用いた化粧料が、上記問題点を解決する方法として報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、このものは経時的に水分が蒸発していき、使用面上での問題や、製品にヒビ、ワレ等が発生するものであった。これは、必須成分である親油性の界面活性剤の抱水力が小さい事が要因と考えられている。このように、高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用性を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶及び艶の持続性を向上した化粧料の開発が望まれていた。
特許第2665473号
本発明が解決しようとする課題は、高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用性を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶及び艶の持続性を向上した化粧料を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決するため鋭意検討した結果、特定のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを用いた化粧料が、上記課題を解決し得ることを見出だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分とを含有する化粧料に関するものである。
本発明により、高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用性を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶及び艶の持続性を向上した化粧料を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するポリグリセリン分枝脂肪酸エステルは、水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルを使用する。その中でポリグリセリン分枝脂肪酸エステルの原料であるポリグリセリンは、水酸基価から算出した平均重合度4〜10のポリグリセリン、分枝脂肪酸は炭素数18のイソステアリン酸がより好ましく、分枝脂肪酸の付加モル数はポリグリセリン1モルに対して4〜12モル、好ましくは7〜9モルでエステル化したポリグリセリンイソステアリン酸エステルが好ましい。
本発明において、ポリグリセリン分枝脂肪酸エステルの配合量は、化粧料に対して1〜85重量%、本発明の効果の点から5〜75重量%が特に好ましい。
本発明で使用する25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分としては、重質流動イソパラフィン、ワセリン等の炭化水素油類、高重合度のメチルポリシロキサン、架橋型のメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン油類、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、オレイン酸フィトステリル等のエステル油類等が挙げられ、化粧品に適用可能なものであれば特に制限はない。
本発明において、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分の配合量は、化粧料に対して1〜50重量%、本発明の効果の点から5〜40重量%が特に好ましい。
本発明において、水分としては1〜20重量%、好ましくは2〜20重量%含有される様に添加量を調整する。上記範囲外では、目的の効果の1つである使用感において問題が発生する。
尚、本発明に係る化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、液状及び固体の植物性、動物性及び合成の油脂類、炭化水素油類、エステル油類、多価アルコール等の保湿剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、防腐剤、顔料、色素、香料等を配合することが出来る。
本発明においては、上記のポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠性油分を含む全成分を加熱混合し、均一に溶解して化粧料とする。
本発明に係る化粧料の具体的な用途としては、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
表1に示す処方にて、化粧料に係るリップグロスを調製した。リップグロスは、全成分を加熱しながらディスパーミキサーで均一に加熱混合し、金皿に流し込み冷却することにより調製した。
表1に示した実施例1〜3及び比較例1〜2の化粧料に係るリップグロスを用いて、以下に示す評価を実施した。
(官能評価)
20名の健常女性パネラーにより「ベタつき感のなさ」、「油性感のなさ」、「艶」、「艶の持続性(塗布から3時間後の艶)」の項目について官能評価した。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。更に艶の評価として、光沢度計(PG−1M、日本電色(株)製)を用いて、塗布した肌の光沢度を測定した。その結果を表1に示す。
◎:4.5点以上(非常に良好である)
○:4.0点以上、4.5点未満(良好である)
△:3.0点以上、4.0点未満(やや悪い)
×:3.0点未満(悪い)
(経時安定性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2の化粧料に係るリップグロスを、50℃の恒温槽にて1ヶ月暴露し、その時の経時変化臭について評価した。尚、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
○:調製直後品と差がない。
△:調製直後品と比べ、僅かにヒビやワレがある。
×:調製直後品と比べ、ヒビやワレがある。
(官能評価)
20名の健常女性パネラーにより「ベタつき感のなさ」、「油性感のなさ」、「艶」、「艶の持続性(塗布から3時間後の艶)」の項目について官能評価した。尚、各評価項目を5点満点とし、20名の平均点を算出し、以下の基準により評価した。更に艶の評価として、光沢度計(PG−1M、日本電色(株)製)を用いて、塗布した肌の光沢度を測定した。その結果を表1に示す。
◎:4.5点以上(非常に良好である)
○:4.0点以上、4.5点未満(良好である)
△:3.0点以上、4.0点未満(やや悪い)
×:3.0点未満(悪い)
(経時安定性評価)
実施例1〜3及び比較例1〜2の化粧料に係るリップグロスを、50℃の恒温槽にて1ヶ月暴露し、その時の経時変化臭について評価した。尚、以下の基準により評価した、その結果を表1に示す。
○:調製直後品と差がない。
△:調製直後品と比べ、僅かにヒビやワレがある。
×:調製直後品と比べ、ヒビやワレがある。
表1に示したとおり、実施例1〜3の化粧料に係るリップグロスは官能面及び経時安定性が共に良好であった。これに対し、比較例1〜2のリップグロスは官能面若しくは、経時安定性の何れか一方において不十分な結果であった。
実施例4 口 紅
A相 (重量%)
ノナイソステアリン酸デカグリセリル 37.50
重質流動イソパラフィン(4000mPa・s) 14.00
セレシン 4.00
マイクロクリスタリンワックス 3.00
ワセリン(500000mPa・s) 25.00
精製水 15.00
B相
赤色104号 0.50
黄色4号 1.00
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
A相 (重量%)
ノナイソステアリン酸デカグリセリル 37.50
重質流動イソパラフィン(4000mPa・s) 14.00
セレシン 4.00
マイクロクリスタリンワックス 3.00
ワセリン(500000mPa・s) 25.00
精製水 15.00
B相
赤色104号 0.50
黄色4号 1.00
A相を80℃にて加温して均一溶解した後、冷却しロールミルで均一に練る。これにB相を添加し脱泡後、型に流し込み急冷して口紅を得た。
実施例5 リップクリーム
(重量%)
オクタイソステアリン酸デカグリセリル 60.50
カルナウバロウ 5.00
キャンデリラロウ 10.00
高重合度ジメチルポリシロキサン(10000mPa・s) 9.50
精製水 15.00
全成分を85℃にて加温して均一溶解した後、ディスパーミキサーで分散する。脱気後、70℃で型に流し込み急冷して、リップクリームを得た。
(重量%)
オクタイソステアリン酸デカグリセリル 60.50
カルナウバロウ 5.00
キャンデリラロウ 10.00
高重合度ジメチルポリシロキサン(10000mPa・s) 9.50
精製水 15.00
全成分を85℃にて加温して均一溶解した後、ディスパーミキサーで分散する。脱気後、70℃で型に流し込み急冷して、リップクリームを得た。
実施例6 油性ファンデーション(スティックタイプ)
A相 (重量%)
デカイソステアリン酸デカグリセリル 15.00
固形パラフィン 7.50
マイクロクリスタリンワックス 7.00
リンゴ酸ジイソステアリル(2000mPa・s) 5.00
オレイン酸フィトステリル(5000mPa・s) 5.00
精製水 10.00
B相
カオリン 23.00
酸化チタン 23.00
ベンガラ 1.00
黄酸化鉄 3.00
黒酸化鉄 0.50
A相を85℃にて加温して均一溶解した後、これに予め混合粉砕したB相を撹拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。脱気後70℃で型に流し込み急冷して、油性ファンデーションを得た。
A相 (重量%)
デカイソステアリン酸デカグリセリル 15.00
固形パラフィン 7.50
マイクロクリスタリンワックス 7.00
リンゴ酸ジイソステアリル(2000mPa・s) 5.00
オレイン酸フィトステリル(5000mPa・s) 5.00
精製水 10.00
B相
カオリン 23.00
酸化チタン 23.00
ベンガラ 1.00
黄酸化鉄 3.00
黒酸化鉄 0.50
A相を85℃にて加温して均一溶解した後、これに予め混合粉砕したB相を撹拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。脱気後70℃で型に流し込み急冷して、油性ファンデーションを得た。
実施例4〜6に示した化粧料について、上記と同様に官能評価及び経時安定性評価を実施した。その結果を表2に示す。
表2に示したとおり、実施例4〜6に示した化粧料は官能面及び経時安定性共に良好な結果であった。
本発明の化粧料は、高含水であり、且つ優れた保存安定性や使用面を有すると共に、皮膚に塗布した場合の艶及び艶の持続性を向上した化粧料であり、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップスティック、頬紅、ファンデーション等幅広い用途に利用が可能なものである。
Claims (1)
- 水酸基価から算出した平均重合度2〜20のポリグリセリンと、炭素数8〜22の分枝脂肪酸でエステル化したポリグリセリン分枝脂肪酸エステルと、25℃での粘度が2000mPa・s以上の粘稠油分1〜50重量%とを含有する化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059622A JP2005247739A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004059622A JP2005247739A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005247739A true JP2005247739A (ja) | 2005-09-15 |
Family
ID=35028576
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004059622A Pending JP2005247739A (ja) | 2004-03-03 | 2004-03-03 | 化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005247739A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011071148A1 (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-16 | 株式会社 資生堂 | 唇用化粧料 |
JP2011140479A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-07-21 | Shiseido Co Ltd | 唇用化粧料 |
JP4772157B1 (ja) * | 2010-07-15 | 2011-09-14 | 株式会社 資生堂 | 唇用化粧料 |
JP5255749B2 (ja) * | 2003-09-05 | 2013-08-07 | 阪本薬品工業株式会社 | 化粧品用抱水性油性原料及び化粧品 |
-
2004
- 2004-03-03 JP JP2004059622A patent/JP2005247739A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5255749B2 (ja) * | 2003-09-05 | 2013-08-07 | 阪本薬品工業株式会社 | 化粧品用抱水性油性原料及び化粧品 |
WO2011071148A1 (ja) * | 2009-12-11 | 2011-06-16 | 株式会社 資生堂 | 唇用化粧料 |
JP2011140479A (ja) * | 2009-12-11 | 2011-07-21 | Shiseido Co Ltd | 唇用化粧料 |
CN102781414A (zh) * | 2009-12-11 | 2012-11-14 | 株式会社资生堂 | 唇用化妆品 |
CN102781414B (zh) * | 2009-12-11 | 2014-10-22 | 株式会社资生堂 | 唇用化妆品 |
JP4772157B1 (ja) * | 2010-07-15 | 2011-09-14 | 株式会社 資生堂 | 唇用化粧料 |
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