JP5322381B2 - スティック状化粧料 - Google Patents

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Description

本発明はスティック状化粧料に関する。さらに詳しくは、保型性、使用感(特に塗布時ののび、つや)に極めて優れたスティック状化粧料に関する。
スティック状化粧料は、例えば、口紅、リップクリーム、リップグロス、リップペンシル等の口唇用化粧料として重要である。
これらのうち、油性タイプの口唇用化粧料は、液状油分(例えば、ヒマシ油、ホホバ油、スクワラン、ラノリン、各種合成エステル油、流動パラフィン)と、ワックス(固形剤:例えば、カルナバロウ、キャンデリラロウ、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、硬化動物油、硬化植物油、ミツロウ)との混合物に、粉体が分散されている。
上記油性タイプの口唇用化粧料は、ワックスと液状油分との混合割合の調節により、製品に必要な保型性及び使用感(特に塗布時ののび、つや)を満足させなければならない。
しかしながら、十分な保型性と使用感を同時に満足させることは非常に困難である。
なぜなら、ワックスは液状油分の固化に必須の成分であり、使用時に製品の形を維持する(保型性)ため、十分な量を配合しなければならない。
しかしながら、ワックスの配合量が多いと、塗布時ののびが重くなり、また液状油分によって発揮されるつやが低下する。
したがって、この背反現象のため、保型性と使用感の両方を満足する口唇用化粧料を提供することは極めて難しい。
保型性と使用感の両方に優れた口唇用化粧料は、市場の長年の要望があり、多くの研究者による開発努力がなされている。
上記課題を解決するため、少量で十分な保型性を与えるワックスとして、フィッシャートロプシュワックスとマイクロクリスタリンワックスとを混合したワックスが、保型剤として、口紅等のスティック状固形化粧料に使用されている(特許文献1)。
しかしながら、フィッシャートロプシュワックスは、その炭素分布が狭いために、これを用いた口唇用化粧料を唇に塗布した場合、上滑りした感じになってしまうという課題があった。
一方、使用感が良いワックスとして、口唇用化粧料にはポリエチレンワックスが多用されている(特許文献2)。
特開2002−348204 特開昭58−15904
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、口紅等に使用されている様々なポリエチレンワックスのうち、結晶化開始温度が80〜95℃のものと、結晶化開始温度が85〜100℃のマイクロクリスタリンワックスとを、特定の割合で混合したワックス組成物が、スティック状化粧料の固形剤として優れた硬度を与えることを見出した。そして、このワックス組成物を、IOB値が0.2以上の比較的極性の高い油分を30%以上含む油分に配合すると、ポリエチレン特有の使用性の良さを損なうことなく、ワックス組成物が少量であっても、優れた保型性と優れたのびとつやを持つスティック状化粧料を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、特定のワックス組成物を固形剤として使用することにより、少量の配合でも製品に十分な硬度を与え、結晶化開始温度の問題もなく、優れた保型性と優れたのびとつやを持つスティック状化粧料を提供することを目的とする。
本発明は下記の通りである。
1:(a)結晶化開始温度が80〜95℃であるポリエチレンワックスと、
(b)結晶化開始温度が85〜100℃であるマイクロクリスタリンワックスとを、
(a):(b)=90:10〜70:30の質量比で含有し、
前記ポリエチレンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスとの合計配合量がスティック状化粧料全量に対して5〜15質量%であり、
さらに
(c)IOBが0.2以上の液状油分を30質量%以上含有することを特徴とするスティック状化粧料であって、
前記成分(a)と成分(b)の結晶化開始温度の差が、10℃以下であり、
前記スティック状化粧料の硬度が、0.1〜0.3Nであることを特徴とするスティック状化粧料。
:前記スティック状化粧料が口唇用化粧料であることを特徴とする上記のスティック状化粧料。
3:前記口唇用化粧料がさらに色材を含有する口紅であることを特徴とする上記のスティック状化粧料。
4:(a)結晶化開始温度が80〜95℃であるポリエチレンワックスと、
(b)結晶化開始温度が85〜100℃であるマイクロクリスタリンワックスとを、
(a):(b)=90:10〜70:30の質量比で含有し、
前記ポリエチレンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスとの合計配合量がスティック状化粧料全量に対して5〜15質量%であり、
さらに
(c)IOBが0.2以上の液状油分を30質量%以上含有することを特徴とするスティック状化粧料であって、
前記成分(a)と成分(b)の結晶化開始温度の差が、10℃以下であり、
前記スティック状化粧料の硬度を、0.1〜0.3Nにすることによって、当該スティック状化粧料に優れた保型性と優れたのびとつやを提供する方法。
本発明に使用するポリエチレンワックスとマイクロクリスタリンワックスとからなるワックス組成物は、特定極性油分に対して、優れた固形剤として機能する。その結果、少ない配合量でも、特定極性油分を含有するスティック状化粧料に十分な硬度を与えることが出来るので、優れた保型性を確保できる。さらに、優れたのびとつや有するスティック状化粧料を提供することが出来る。
以下、本発明について詳述する。
「(a)結化開始温度が80〜95℃であるポリエチレンワックス」
本発明に用いるポリエチレンワックスの結晶化開始温度は80〜95℃であり、さらに好ましくは85〜95℃である。
結晶化開始温度が80℃未満では油分の固化力が低くなる。結晶化開始温度が95℃を越えると、マイクロクリスタリンワックス併用による硬度上昇効果が少なくなるとともに、スティック状化粧料の製造も困難となる。
ポリエチレンワックスは市販品を用いることが出来る。具体的には、下記市販品が使用される。
「パフォーマレン400/500/PL、ポリワックス400/500」(ベーカー・ペトロライト社製)、「A−C1702」(ハネウェル社製)、「エポレン−N34・35」(イーストマン社製)
(a)成分の配合量は、(b)成分の配合量に応じて、本発明の要件である質量比を満足するように適宜決定される。
スティック状化粧料全量に対して、通常1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%、さらに好ましくは5〜12質量%である。
「(b)結晶化開始温度が85〜100℃であるマイクロクリスタリンワックス」
本発明に用いるマイクロクリスタリンワックスの結晶化開始温度は85〜100℃であり、さらに好ましくは85〜95℃である。結晶化開始温度が85℃未満のものではその添加効果が少ない。また、結晶化開始温度が100℃を越えると、製造が困難となる。
本発明には市販品を利用できる。具体的には、下記市販品が使用される。
「Hi−Mic−2095/1090」(日本精蝋社製)、「ビースクエア 195A」、「スターワックス100」(以上ベーカー・ペトロライト社製)、「アスターワックス8618/9508」(IGI社製)
(b)成分の配合量は、(a)成分の配合量に応じて、本発明の要件である質量比を満足するように適宜決定される。
口唇用化粧料全量に対して、通常0.1〜10質量%、好ましくは0.3〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
(a)成分と(b)成分とを、(a):(b)=99:1〜60:40の質量比で混合したワックス組成物が、固形剤として本発明の口唇用化粧料に使用される。
好ましい質量比は、(a):(b)=97:5〜70:30である。
(a)成分と(b)成分とを上記質量比で混合したときに、本発明のスティック状化粧料の硬度が臨界的に非常に高い値を示す。すなわち、上記ワックス組成物が固形剤として極めて優れた効果を発揮する。
ワックス組成物は、単に(a)成分と(b)成分とを上記の質量比で、加熱して攪拌すればよい。このワックス組成物を、スティック状化粧料の固形剤として、液状油分に配合することが好ましい。
このワックス組成物は、従来の固形剤(特に口紅に多用されるセレシン)の代替品として使用価値が大きい。
一方、(a)成分と(b)成分とを、混合せずに、上記質量比を満足するように、別々に液状油分に配合して攪拌することにより、スティック状化粧料を製造してもよい。
ワックス組成物の配合量{(a)成分と(b)成分の合計配合量}は、スティック状化粧料の種類により適宜決定される。
スティック状化粧料全量に対して、2〜20質量%以上が好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%、特に好ましくは、5〜15質量%である。
配合量が2質量%未満では、固形剤として機能せず、製品の保型性に問題が生じる場合がある。
配合量が20質量%を超えると、製品が硬すぎたり、のびとつやが阻害されたりする場合がある。
なお、本発明においては、発明の効果を損なわない範囲で他のワックスが含まれていてもよい。その量は、(a)成分と(b)成分の合計配合量に対して、50%以下であることが好ましい。
本発明のスティック状化粧料には、IOBが0.2以上の油分を、スティック状化粧料全量に対して、30%以上、さらに好ましくは40%以上配合する。そうしないと、本発明の効果が発揮されない。IOBが低い油分を多量に使用した場合、ワックス組成物の配合量が多くても高い硬度が期待できない。上限は95%であり、成型上90%程度が好ましい。
このワックス組成物は、少量の配合でも十分な硬度をスティック状化粧料に与えることが出来る。したがって、液状油分によるのびとつやが損なわれず、優れた保型性を有するスティック状化粧料(特に口唇用化粧料)が提供できる。
さらに、スティック状化粧料の製造において、結晶化開始温度の観点からも問題がない。
本発明に用いるIOBが0.2以上の油分は特に限定されない。例えば以下のような油分が挙げられる。
ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリ(カプリル/カプリン)酸グリセリル、セバシン酸ジエチルヘキシル、オクチルドデカノール、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、オキシステアリン酸オキシステアリル、テトラ(エチルヘキサン酸/安息香酸)ペンタエリスリチル、ヒマシ油。
また、上記のIOBが0.2以上の油分以外にも、通常化粧料に使用される油分を配合できる。
好ましい液状油分は以下である。
ジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、マカデミアナッツ油、ホホバ油、スクワラン、液状ラノリン、トリ(水添ロジン・イソステアリン酸)グリセリル、メチルフェニルポリシロキサン、トリイソステアリン酸グリセリル、ポリブテン、ポリイソブテン。
特に口紅には、液状ラノリン、トリ(水添ロジン・イソステアリン酸)グリセリル、メチルフェニルポリシロキサン、トリイソステアリン酸グリセリル、ポリブテンを配合することが好ましい。
口紅の化粧持ちをよくするため、揮発性の液状油分(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状シリコーン油)も好ましい。
液状油分の配合量は、スティック状化粧料全量に対して通常30〜98質量%、好ましくは50〜95質量%である。液状油分の配合量が少なくなると、のびが悪くなる傾向にあるので50質量%以上の配合量が好ましい。
本発明のスティック状化粧料には液状油分の他に、必要に応じ、固形油分、半固形油分を併用することも出来る。
本発明のスティック状化粧料は、上記必須成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他のワックス、他の油分、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、高分子、界面活性剤、色素、顔料、粉末、薬剤、アルコール、溶剤、香料を適宜配合し、製品の種類に応じて常法により製造することができる。
本発明のスティック状化粧料は、使用時の折れや安定性のために、0.1N〜0.3N程度の適度な硬度であることが求められる。ここで言う硬度とは、レオテック社製レオメーターを用い、30℃に1時間放置したサンプルを、感圧軸1φ、針入速度2cm/min、針入度3mmで測定した場合の値を意味する。
本発明のスティック状化粧料は、一定の硬度を有する固形状のスティック状化粧料であれば限定されない。例えば、口紅、リップグロス、リップクリームなどのスティック状口唇用化粧料;ファンデーション、アイシャドー等のスティック状メーキャップ化粧料;ヘアスティック、ポマードなどのスティック状毛髪化粧料が挙げられる。
使用感を感じる口唇用化粧料が好ましく、特に粉末の色材を配合する口紅が好ましい。
本発明のスティック状化粧料は、特定の結晶化開始温度の(a)成分と(b)成分とからなるワックス組成物により、優れた保型性及び使用感が達成される。
その理由は不明だが、以下のように推察される。
すなわち、本発明のスティック状化粧料は、各ワックスの微細結晶が網目状に互いにつながりあって骨格をなしている。その骨格中に液状油分が包含され、全体が固形状に保たれている。
スティック状化粧料の構造及び性質は、各ワックスの微細結晶構造や大きさ、液状油分の種類によって影響されるので、本発明のワックス組成物は、おそらく、保型性及び使用感が最適となるように、液状油分を固化していると推察される。
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって限定されるものでない。配合量は特に断りのない限り質量%で示す。
「固形剤:ワックス組成物」
(a)成分と(b)成分の結晶化開始温度、混合比が異なるワックス組成物により、液状油分を固化させた。この固形物は、そのままリップクリームとして使用できるものである。
まず(a)成分として、結晶化開始温度80℃、87℃、その比較例として97℃のポリエチレンワックスを用いた。
以下使用したポリエチレンワックスは下記である。
「ポリエチレンワックス(1)」→「パフォーマレン400(結晶化開始温度80℃)」
「ポリエチレンワックス(2)」→「パフォーマレンPL(結晶化開始温度87℃)」
「ポリエチレンワックス(3)」→「パフォーマレン655(結晶化開始温度97℃)」
(全てベーカー・ペトロライト社製)
(b)成分として、結晶化開始温度86℃のマイクロクリスタリンワックス(「マイクロクリスタリンワックス(1)」→日本精蝋社製「Hi−Mic−1090」)を組み合わせた場合の硬度を示す。
ワックス組成物10質量%と、IOBが0.2以上の液状油分(テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル)90質量%とを混合して得られる固形物の硬度を測定した。
用いた硬度計は、レオテック社製レオメーターである。30℃に1時間放置したサンプルを、感圧軸1φ、針入速度2cm/min、針入度3mmで測定した。








結果を「表1」に示す。
Figure 0005322381
この結果から明らかなように、結晶化開始温度80〜95℃のポリエチレンワックスと、マイクロクリスタリンワックスを併用すると、単独で使用した場合に比べて、高い硬度が得られた。一方、ワックス組成物の結晶化開始温度は、製造上では全く問題ない。
次に、(a)成分と、(b)成分の結晶化開始温度、混合比が異なるワックス組成物により、液状油分を固化させた。総ワックス組成物を5.6質量%とし、液状油分(テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル)94.4質量%とを混合して得られる固形物の硬度を測定した。
(a)成分は、結晶化開始温度87℃のポリエチレンワックス(ベーカー・ペトロライト社製パフォーマレンPL)を用いた。(b)成分は、結晶化開始温度86、87、98℃、およびその比較例として80℃のマイクロクリスタリンワックスを用いた。
使用したマイクロクリスタリンワックスは下記である。
「マイクロクリスタリンワックス(1)」→「日本精蝋社製Hi−Mic−1090(結晶化開始温度86℃)」
「マイクロクリスタリンワックス(2)」→「IGI社製アスターワックス9508(結晶化開始温度87℃)」
「マイクロクリスタリンワックス(3)」→「日本精蝋社製Hi−Mic−2095(結晶化開始温度99℃)」
「マイクロクリスタリンワックス(4)」→「ウイトコ社製マルチワックスW−445(結晶化開始温度80℃)」
結果を「図1」に示す。
この結果より、混合比が(a):(b)=99:1〜60:40、好ましくは(a):(b)=95:5〜60:40、さらに好ましくは(a):(b)=90:10〜70:30のときに、固形物(スティック状化粧料)の硬度が飛躍的に増大することが分かる。
また、成分(a)と(b)の結晶化開始温度差が、10℃以下である場合に、高い相乗効果が得られ、上記数値に臨界的な意義を有している。
一方、ワックス組成物の結晶化開始温度は、製造上では全く問題ない。
「口唇用化粧料」
表2に示す口紅を製造し、本発明の効果を検討した。
〔表2の口紅の製造方法〕
各処方成分を100℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡して後、金型に流し込み、5℃まで冷却して口紅を製造した。
[保型性]
目視により評価した。
(評価基準)
◎: 優れる(優れた固形状態)
○: やや優れる(やや優れた固形状態)
△: 劣る(ペースト状〜やわらかい)
×: 極めて劣る(液状)
[塗布時ののび]
専門パネリスト(10名)が口紅を使用して、5段階官能評価(スコア)を行った。スコアの平均値により、下記評価基準で判定した。
(スコア)
5点: 塗布時ののびが軽い
4点: 塗布時ののびがやや軽い
3点: 塗布時ののびが普通
2点: 塗布時ののびがやや重い
1点: 塗布時ののびが重い
(評価基準)
◎: スコア(平均値)4.0以上5.0点以下
○: スコア(平均値)3.0以上4.0点未満
△: スコア(平均値)2.0以上3.0点未満
×: スコア(平均値)1.0以上2.0点未満
[つや]
専門パネリスト(10名)が口紅を使用して、5段階官能評価(スコア)を行った。スコアの平均値により、下記評価基準で判定した。
(スコア)
5点: つやがある
4点: つやがややある
3点: つやが普通
2点: つやがややない
1点: つやがない
(評価基準)
◎: スコア(平均値)4.0以上5.0点以下
○: スコア(平均値)3.0以上4.0点未満
△: スコア(平均値)2.0以上3.0点未満
×: スコア(平均値)1.0以上2.0点未満








Figure 0005322381
上記検討結果を総合的に勘案し、特定の結晶化開始温度の(a)成分と(b)成分とからなるワックス組成物により、優れた保型性及び使用感が達成されることを見出した。
以下に本発明の実施例をさらに挙げる。
実施例4 口紅
(1) ポリエチレンワックス(2) 5.0 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(2) 3.0
(3) カルナバロウ 1.0
(4) テトラ(エチルヘキサン酸/安息香酸)ペンタエリスリチル 20.0
(5) ヒマシ油 15.0
(6) ヒマワリ油 2.0
(7) ジメチルポリシロキサン 10.0
(8) 板状ヒドロキシアパタイト 3.0
(9) マイカ 10.0
(10)ベンガラ 1.0
(11)酸化チタン 2.0
(12)赤色202号 0.1
(13)赤色218号 0.02
(14)ビタミンAパルミテート 0.1
(15)トコフェロール 0.1
(16)香料 0.1
(17)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 残余
この例に示した各処方成分を95℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例5 口紅
(1) ポリエチレンワックス(2) 8.0 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(1) 2.0
(3) ポリイソブテン 10.0
(4) 液状ラノリン 2.0
(5) ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル) 10.0
(6) リンゴ酸ジイソステアリル 20.0
(7) ジイソステアリン酸グリセリル 10.0
(8) オキシステアリン酸イソステアリル 10.0
(9) メトキシケイ皮酸オクチル 5.0
(10)硫酸バリウム 1.0
(11)ベンガラ被覆雲母チタン 1.0
(12)酸化チタン 3.0
(13)赤色202号 0.5
(14)赤色201号 0.1
(15)赤色218号 0.1
(16)ナイロン−12 3.0
(17)トコフェロール 0.1
(18)香料 0.1
(19)トリ2−エチル酸グリセリル 残余
この例に示した各処方成分を95℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例6 口紅
(1) ポリエチレンワックス(2) 6.0 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(1) 1.5
(3) キャンデリラロウ 2.0
(4) スクワラン 10.0
(5) ヒマシ油 20.0
(6) トリイソステアリン酸グリセリル 10.0
(7) トリメチルペンタフェニルトリシロキサン 5.0
(8) 酢酸トコフェロール 0.1
(9) 赤色201号 0.5
(10)赤色202号 0.3
(11)黄色4号 1.5
(12)酸化チタン 1.0
(13)カーミン被覆雲母チタン 1.0
(14)トコフェロール 0.1
(15)香料 0.1
(16)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 残余
(製法)
この例に示した各処方成分を95℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例7 口紅
(1) ポリエチレンワックス(2) 8.5 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(2) 1.5
(3) フィッシャートロプシュワックス 1.0
(4) 合成イソパラフィン 10.0
(5) トリ2−エチル酸グリセリル 30.0
(6) リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
(7) メチルフェニルポリシロキサン 10.0
(8) オリーブ油 5.0
(9) レシチン 0.1
(10)球状セルロース末 1.0
(11)酸化チタン被覆ガラス末 2.5
(12)黄酸化鉄 0.8
(13)赤色202号 1.1
(14)酸化チタン 2.0
(15)雲母チタン 1.0
(16)トコフェロール 0.1
(17)ジイソステアリン酸グリセリル 残余
(製法)
この例に示した各処方成分を90℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例8 口紅
(1) ポリエチレンワックス(2) 10.0 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(1) 2.0
(3) ポリブテン 5.0
(4) トリイソステアリン酸グリセリル 15.0
(5) テトラ−2エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 15.0
(6) スクワラン 10.0
(7) リン酸水素カルシウム 0.5
(8) ベンガラ 2.1
(9) 黒酸化鉄 0.1
(10)酸化チタン 2.3
(11)青色1号 0.2
(12)トコフェロール 0.1
(13)流動パラフィン 残余
(製法)
この例に示した各処方成分を90℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例9 乳化口紅
乳化ベース;
(1) 精製水 1.5 %
(2) エデト酸三ナトリウム 0.01
(3) グリセリン 0.2
(4) マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 3.0
(5) ジメチコーンポリオール 0.5
(6) メチルフェニルポリシロキサン 10.0
油相;
(7) ポリエチレンワックス(1) 1.0 %
(8) マイクロクリスタリンワックス(1) 14.0
(9) トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 35.0
(10)水添ポリブテン 10.0
(11)メトキシケイヒ酸オクチル 5.0
(12)ジブチルヒドロキシトルエン 0.1
(13)酢酸トコフェロール 0.1
(14)ベンガラ 2.0
(15)二酸化チタン 4.0
(16)トコフェロール 0.1
(17)香料 0.1
(18)トリ2−エチル酸トリメチロールプロパン 残余
(製法)
まず(4)〜(6)を加熱混合(油相部)し、(2),(3)を(1)に溶解(水相部)した後、これを70℃で前記油相部に添加分散して乳化ベースを得た。次に、(7)〜(18)を加熱し、溶解・混合して、前記乳化ベースを添加して95℃で十分撹拌混合し、口紅容器に充填し、5℃まで冷却して乳化口紅を得た。この化粧料は色材凝集など製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
実施例10 リップクリーム
(1) ポリエチレンワックス(1) 12.0 %
(2) マイクロクリスタリンワックス(1) 3.0
(3) ワセリン 10.0
(4) ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル 10.0
(5) トリイソステアリン酸ジグリセリル 15.0
(6) リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
(7) 酢酸トコフェロール 0.2
(8) L−メントール 0.05
(9) トコフェロール 0.1
(10)流動パラフィン 残余
(製法)
この例に示した各処方成分を85℃に加熱し、攪拌・混合、脱泡した後、リップクリーム容器に充填し、5℃まで冷却してリップクリームを得た。この化粧料は製造中の問題もなく、保型性、使用感(塗布時ののび、つや)に優れていた。
本発明は、優れた固形剤として機能する特定のワックス組成物を用いることによって、高い製品硬度を有し、保型性、使用感に極めて優れたスティック状化粧料を提供するものである。
固形物の硬度を示すグラフである。

Claims (4)

  1. (a)結晶化開始温度が80〜95℃であるポリエチレンワックスと、
    (b)結晶化開始温度が85〜100℃であるマイクロクリスタリンワックスとを、
    (a):(b)=90:10〜70:30の質量比で含有し、
    前記ポリエチレンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスとの合計配合量がスティック状化粧料全量に対して5〜15質量%であり、
    さらに
    (c)IOBが0.2以上の液状油分を30質量%以上含有することを特徴とするスティック状化粧料であって、
    前記成分(a)と成分(b)の結晶化開始温度の差が、10℃以下であり、
    前記スティック状化粧料の硬度が、0.1〜0.3Nであることを特徴とするスティック状化粧料。
  2. 前記スティック状化粧料が口唇用化粧料であることを特徴とする請求項1記載のスティック状化粧料。
  3. 前記口唇用化粧料がさらに色材を含有する口紅であることを特徴とする請求項1又は2記載のスティック状化粧料。
  4. (a)結晶化開始温度が80〜95℃であるポリエチレンワックスと、
    (b)結晶化開始温度が85〜100℃であるマイクロクリスタリンワックスとを、
    (a):(b)=90:10〜70:30の質量比で含有し、
    前記ポリエチレンワックスと前記マイクロクリスタリンワックスとの合計配合量がスティック状化粧料全量に対して5〜15質量%であり、
    さらに
    (c)IOBが0.2以上の液状油分を30質量%以上含有することを特徴とするスティック状化粧料であって、
    前記成分(a)と成分(b)の結晶化開始温度の差が、10℃以下であり、
    前記スティック状化粧料の硬度を、0.1〜0.3Nにすることによって、当該スティック状化粧料に優れた保型性と優れたのびとつやを提供する方法。
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